法令・告示・通達

水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の施行について

  • 公布日:昭和54年3月14日
  • 環保業163号

 水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法(以下「法」という。)は、昭和五三年一一月一五日法律第一〇四号をもつて公布され、また、これに伴う水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法施行令が昭和五四年二月九日政令第一八号をもつて、臨時水俣病認定審査会の組織等に関する総理府令が昭和五四年二月九日総理府令第四号をもつて、水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法施行規則が昭和五四年二月九日総理府令第五号をもつて、それぞれ公布され、昭和五四年二月一四日から施行されたところである。
 法は、水俣病にかかつた者の迅速かつ公正確実な救済のため、旧公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法(昭和四四年法律第九〇号。以下「旧救済法」という。)による水俣病に係る認定の申請をした者で認定に関する処分を受けていないものについて認定に関する処分を行う機関の特例を臨時に設けることにより、水俣病に係る認定に関する業務の促進を図ることを目的とするものであつて、貴職におかれても、次の事項に留意の上法の趣旨の周知徹底と本制度の円滑な実施に協力願いたく、通知する。
 なお、本制度は、水俣病の認定業務の促進を図るために臨時に設けられたものであり、貴職におかれては、公害健康被害補償法(昭和四八年法律第一一一号。以下「補償法」という。)による認定業務の促進について、引き続き一層の努力をされたい。

第一 法制定の趣旨

  水俣病の認定に関する処分は、これまで補償法本則の規定により又は補償法附則の規定による旧救済法の例により、県知事又は市の長(以下「県知事等」という。)によつて行われてきたが、このたび、水俣病にかかつた者の迅速かつ公正確実な救済のため、旧救済法による水俣病に係る認定の申請をした者で認定に関する処分を受けていないものについて認定に関する処分を行う機関の特例を臨時に設けることにより、申請滞留者の解消を図り、もつて水俣病の認定業務の一層の促進を図ることを目的として、法が制定されたものであること。

第二 一般的事項

  1.  一 法による水俣病の認定業務の促進が図られるべく、法の適用対象者等への法の趣旨及び規定の内容の周知徹底方に配慮されたいこと。
  2.  二 法第二条第四項の規定による必要な資料の送付及び同条第五項の規定による必要な資料の提出等の県知事等に係る事務については、法の趣旨を十分了知の上適切に事務を執行されたいこと。
  3.  三 法による環境庁長官の認定を受けた者(以下「被認定者」という。)は、補償法による県知事等の認定を受けた者とみなされるので、事後の取扱いについては、遺憾なきを期されたいこと。

第三 認定の申請

 一 認定の申請者

  1.   (一) 補償法施行の際旧救済法による水俣病に係る認定の申請をしていた者で、補償法附則により旧救済法の例による認定に関する処分を受けていないものは、環境庁長官に対して、当該水俣病が当該申請に係る旧救済法により定められた指定地域に係る水質の汚濁の影響によるものである旨の認定を、認定の申請をすることができる期間の始期から五年以内に、申請することができることとされていること。
        ただし、当該旧救済法の認定の申請について、公害被害者認定審査会の意見が県知事等に既に示されている場合は、環境庁長官に対して認定を申請することができないこととされていること。
  2.   (二) 補償法施行の際旧救済法による水俣病に係る認定の申請をしていた者が、補償法附則により旧救済法の例による認定に関する処分を受けることなく、かつ、環境庁長官に対して認定の申請をしないで死亡した場合(法の施行前に死亡した場合を含む。)においては、その死亡した者の補償法第三〇条第一項に規定する遺族若しくは補償法第三五条第一項各号に掲げる者又はその死亡した者について葬祭を行う者は、環境庁長官に対して、当該水俣病が当該申請に係る旧救済法により定められた指定地域に係る水質の汚濁の影響によるものである旨の認定を、認定の申請をすることができる期間の始期から五年以内に、申請することができることとされていること。
        ただし、当該旧救済法の認定の申請について、公害被害者認定審査会の意見が県知事等に既に示されている場合は、環境庁長官に対して認定を申請することができないこととされていること。

 二 認定の申請期間の始期等

   認定の申請をすることができる期間の始期は、当該申請者に係る旧救済法の認定の申請の日の属する次の表の左欄に掲げる区分期間に応じて同表の右欄に掲げる日とされていること。

昭和四四年一二月一五日から昭和四八年八月三一日まで
昭和五四年二月一四日
昭和四八年九月一日から昭和四九年八月三一日
昭和五四年一○月一日

第四 認定に関する処分

  1.  一 環境庁長官は、認定の申請を受けた場合には、当該申請者に係る旧救済法の認定の申請を受けた県知事等に自ら認定に関する処分を行う旨の通知をした上で、臨時水俣病認定審査会の意見を聴いて、当該申請者について認定に関する処分を行うこととされていること。
  2.  二 県知事等は、環境庁長官から認定に関する処分を行う旨の通知を受けた後においては、当該通知に係る旧救済法の認定の申請をした者について旧救済法の例による認定に関する処分を行うことができないものであること。

第五 必要な資料の送付等

  1.  一 県知事等は、環境庁長官から認定に関する処分を行う旨の通知を受けた場合において、環境庁長官が当該認定に関する処分を行うために必要な資料があるときは、直ちに、これらの資料を環境庁長官に送付しなければならないものであること。
  2.  二 環境庁長官は、認定に関する処分を行う場合において、必要な資料の提出を県知事等に求めることができることとされていること。

第六 臨時水俣病認定審査会

  1.  一 環境庁長官が認定に関する処分を行う場合において意見を聴くため、環境庁に附属機関として、臨時水俣病認定審査会を置くこととされていること。
  2.  二 臨時水俣病認定審査会は、水俣病に係る医学に関し高度の学識と豊富な経験を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する委員一〇人以内で組織することとされていること。
  3.  三 臨時水俣病認定審査会に、専門の事項を調査するため必要があるときは、専門委員を置くことができ、専門委員は医学に関し高度の学識と豊富な経験を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命することとされていること。

第七 認定の効力

  1.  一 被認定者は、当該被認定者に係る旧救済法の認定の申請を受けた県知事等の補償法第四条第二項の規定による認定を受けた者とみなすこととされていること。
  2.  二 被認定者の水俣病に係る補償法第七条第一項の規定による認定の有効期間の始期は、補償法の施行の日とすることとされていること。
  3.  三 被認定者は、補償法附則第一五条の規定の適用については補償法附則第一二条の規定により旧救済法第三条第一項の規定の例による認定を受けた者とみなすこととされていること。

第八 異議申立ての場合における鑑定

  環境庁長官の認定に関する処分に不服がある者は、行政不服審査法(昭和三七年法律第一六〇号)により環境庁長官に対して、異議申立てをすることができるものであるが、環境庁長官は、当該異議申立ての審理をする場合においては、公害健康被害補償不服審査会の委員及び当該異議申立てに係る患者の主治の医師(患者が死亡した場合にあつては、当該死亡した患者の主治の医師であつた者)の鑑定を求め、これを尊重するよう努めなければならないこととされていること。

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