法令・告示・通達

水俣病対策地方債償還費補助金交付要綱

  • 公布日:平成12年7月28日
  • 環企企327号

[改定]
平成13年7月17日 環保企69511

第一条(通則)

水俣病対策地方債償還費補助金(以下「補助金」という。)の交付については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三〇年法律第一七九号。)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和三〇年政令第二五五号。)の定めによるほか、この要綱の定めるところによる。

第二条(交付の目的)

この補助金は、熊本県が、水俣湾公害防止事業費のうちチッソ株式会社(以下「チッソ」という。)の負担金に係る地方債(ヘドロ立替債)、水俣病患者への補償に係る地方債(患者県債)及び財団法人水俣・芦北地域振興基金(以下「財団」という。)に対する貸付に係る地方債(設備県債)(以上三種の地方債を以下「水俣病対策に係る地方債」という。)の元利償還に支障をきたさぬよう当該元利償還費の一部を補助することにより、水俣病対策の推進を図ることを目的とする。

第三条(定義)

この要綱において「既往公的債務」とは、水俣病対策に係る地方債の償還に充てられるべきチッソの熊本県又は財団に対する債務をいう。
2 この要綱において「支払猶予された公的債務」とは、前項の既往公的債務のうち、熊本県又は財団による支払猶予の対象となるものをいう。

第四条(交付の対象)

環境大臣(以下「大臣」という。)は、熊本県がチッソによるチッソ再生計画の適切な執行を条件として直接又は財団を通じてチッソに対する既往公的債務の支払猶予を行う場合に、水俣病対策に係る地方債の元利償還額からチッソが別紙の算式に基づき直接又は財団を通じて熊本県に返済する額を控除した額に係る元利償還(以下「補助事業」という。)に要する経費の一部として、予算の範囲内で補助金を交付する。

第五条(補助金の交付額)

補助金の交付額は、補助事業に要する額の五分の四以内とする。ただし、円未満の端数が生じた場合にはこれを切り捨てるものとする。

第六条(申請手続)

熊本県は補助金の交付を受けようとするときは様式第一による補助金交付申請書を大臣に提出しなければならない。

第七条(標準処理期間)

環境大臣は、第六条に定める交付申請書が到達した日から起算して原則として一カ月以内に交付の決定を行うものとする。

第八条(交付決定の通知)

大臣は、前条の規定による補助金交付申請書の提出があったときは、審査のうえ、補助金を交付すべきものと認めたときは、交付決定を行い、様式第二による補助金交付決定通知書を熊本県に送付するものとする。

第九条(交付の条件)

大臣は交付決定を行う場合には、次に掲げる条件を付すものとする。

  1.  一 補助事業に要する経費の配分の変更をする場合には、大臣の承認を受けなければならないこと。
  2.  二 補助事業の内容を変更(補助事業に要する経費の額が、補助金の額の確定時において、当該補助事業に要することとされていた経費の額を下回ることを内容とする変更を含む。)しようとするときには、大臣の承認を受けなければならないこと。この場合において当該変更の内容に応じ、大臣が定める額を国庫に返還しなければならないこと。
  3.  三 補助事業を中止又は廃止しようとするときは大臣の承認を受けなければならないこと。
  4.  四 補助事業が予定の期間内に完了することができないと見込まれる場合、又は補助事業の遂行が困難となった場合においては、速やかに大臣に報告してその指示を受けなければならないこと。
  5.  五 補助事業の完了後、支払猶予された公的債務が直接又は財団を通じて熊本県に返済されたときは、大臣に報告するとともに、補助金の額を限度として大臣が定める額を国に納付しなければならないこと。

第一〇条(申請の取下げ)

熊本県は、交付決定の内容又はこれに付された条件に対して不服があることにより、補助金交付の申請を取り下げようとするときは、交付決定の通知を受けた日から一〇日以内にその旨を記載した書面を大臣に提出しなければならない。

第一一条(実績報告)

熊本県は補助事業を完了したときは、その日から一ケ月を経過した日又は翌年度の四月一〇日のいずれか早い日までに、様式第三の報告書を大臣に提出しなければならない。

第一二条(補助金の額の確定)

大臣は、前条の報告を受けた場合には、報告書等の書類の審査及び必要に応じて現地調査等を行い、その報告に係る補助事業の実施結果が補助金の交付の決定の内容及びこれに付した条件に適合すると認めたときは、交付すべき補助金の額を確定し、熊本県に通知する。

二 前項の補助金の額は、熊本県が各年度において補助事業に要する経費として算出した額について、第五条の規定に基づき改めて算出した補助金の額と交付決定額を比較して、いずれか低い額とする。

三 大臣は、熊本県に交付すべき補助金の額を確定した場合において、既にその額を超える補助金が交付されているときは、その超える部分の補助金の返還を命ずる。

四 前項の補助金の返還期限は、当該命令のなされた日から二〇日以内とし、期限内に納付がない場合は、未納に係る金額に対して、その未納に係る期間に応じて年利一〇・九五パーセントの割合で計算した延滞金を徴するものとする。

第一三条(補助金の支払)

補助金は、前条の規定により交付すべき補助金の額を確定した後に支払うこととする。ただし、必要があると認められる場合には、補助金の交付決定の後に概算払をすることができる。

二 熊本県は、前項の規定により補助金の支払を受けようとするときは、様式第四による請求書を大臣に提出しなければならない。

第一四条(交付決定の取消等)

大臣は、第九条第三号の補助事業の中止又は廃止の申請があった場合及び次に掲げる場合には、第八条の交付の決定の全部若しくは一部を取り消し、又は変更することができる。

  1.  (一) 熊本県が、法令、本要綱又は法令若しくは本要綱に基づく大臣の処分若しくは指示に違反した場合
  2.  (二) 熊本県が、補助金を補助事業以外の用途に使用した場合
  3.  (三) 熊本県が、補助事業に関して不正、怠慢、その他不適当な行為をした場合
  4.  (四) 交付の決定後生じた事情の変更等により、補助事業の全部又は一部を継続する必要がなくなった場合

二 大臣は、前項の取消しをした場合において、既に当該取消しに係る部分に対する補助金が交付されているときは、期限を付して当該補助金の全部又は一部の返還を命ずる。

三 大臣は、前項の返還を命ずる場合には、その命令に係る補助金の受領の日から納付の日までの期間に応じて、年利一〇・九五パーセントの割合で計算した加算金の納付を合わせて命ずるものとする。

四 第二項に基づく補助金の返還については、第一二条第四項の規定を準用する。

第一五条(補助金の経理)

熊本県は、補助事業に係る収入及び支出を明らかにした帳簿を備え、当該収入及び支出についての証拠書類を整理し、かつ、当該帳簿及び証拠書類を支払猶予された公的債務返済が完了する日の属する年度の終了後の五年後まで保存しなければならない。

二 熊本県は、補助金と補助事業に係る予算及び決算との関係を明らかにした様式第五による補助金調書を作成し、支払猶予された公的債務返済が完了する日の属する年度の終了後の五年後まで保存しなければならない。


附則
 (施行期日)この要綱は、平成一三年一月六日から適用する。


別表
  チッソは、下記のとおり貸付金返済を行うものとする。

  1.  一 チッソは、経常利益から患者補償金を支払った後、可能な範囲内で熊本県への貸付返済を行う。
  2.  二 「可能な範囲」とは次の額である。

  【チッソの経常利益が四〇億円+無利子化相当額以上の場合】
    {四〇億円―(補償金支払額+租税公課+セーフティ・ネットへの返済額)}+{(経常利益―無利子化相当額)―四〇億円}×一/二
  【チッソの経常利益が四〇億円+無利子化相当額未満の場合】
    (経常利益―無利子化相当額)―(補償金支払額+租税公課+セーフティ・ネットへの返済額)

  1.  注一‥上記「セーフティ・ネット」とは、チッソの経常利益(関係金融機関が行う無利子化相当額を除く)が患者補償に支障を生ずるレベルに落ち込んだ時に、患者補償に支障が生じぬようチッソに対する貸付を行う、熊本県出資の財団が果たす機能をさす。また、その貸付は平成一二年二月八日付けチッソ株式会社に対する支援措置に関する連絡会議申合せ三(二)に基づいて行われる。
  2.  注二‥上記「経常利益」及び「補償金支払額」は、前年度の決算における額とする。
  3.  注三‥上記「租税公課」は、前年度決算に基づく租税公課の額とする。
  4.  注四‥上記「セーフティ・ネットへの返済額」は、セーフティ・ネットからの前年度中の借入金に対する元本返済額とする。ただし、当該元本返済額のうち、セーフティ・ネットからの借入れによる額は含まない。
  5.  注五‥上記「無利子化相当額」とは、平成一二年二月八日付け閣議了解一(二)の「関係金融機関による既往金融支援対象債務についてより踏み込んだ支援措置」の一環である無利子化措置によって生じるものであり、その額は一、三一九、三〇四千円とする。
  6.  注六‥算式から求められる額が負の場合の「可能な範囲」は〇円とする。
  7.  注七‥平成一二年度は、その前年度の平成一一年度において既に従来の方式に基づく患者補償及び公的債務の返済が行われているため、「可能な範囲」は〇円とする。
  8.  注八‥平成一三年度及び平成一四年度限りの特例措置として、「可能な範囲」を上記算式から求められる額の一/二の額とし、内部留保の増額を認めることとする。

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