法令・告示・通達

石綿による健康被害の救済に関する法律の施行(救済給付の支給関係の施行)について

  • 公布日:平成18年3月13日
  • 環保企発第060313003号

[改定]
平成19年3月26日 環保企発第070326009号

(環境省総合環境政策局環境保健部長から独立行政法人環境再生保全機構理事長あて)

 石綿による健康被害の救済に関する法律(平成18年法律第4号。以下「法」という。)が、平成18年2月10日に公布され、第1章(総則)、第2章第2節第1款(基金等)等については公布日より、救済給付の支給に係る部分については平成18年3月31日までの間において政令で定める日より、第2章第2節第2款(一般拠出金)、第3款(特別拠出金)等については平成19年4月1日より施行されることとなった。
 また、これを受けて、石綿による健康被害の救済に関する法律の施行期日を定める政令(平成18年政令第36号)、石綿による健康被害の救済に関する法律施行令(平成18年政令第37号。以下「令」という。)及び環境省関係石綿による健康被害の救済に関する法律施行規則(平成18年環境省令第3号。以下「規則」という。)が、平成18年3月10日に公布され、平成18年3月27日より施行されることとなった。
 本制度は、石綿による健康被害の特殊性にかんがみ、石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対し、医療費等を支給するための措置を講ずることにより、石綿による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とするものであり、貴職におかれては、被害者及びその遺族の迅速な救済を図る観点から、下記の事項に十分御留意の上、制度の運用に遺憾なきを期されたく、格段の御協力をお願いする。

第1 法制定の趣旨

  石綿を原因とする中皮腫及び石綿を原因とする気管支又は肺の悪性新生物(以下「肺がん」という。)については、

  1.   ① 石綿のばく露から30年から40年という非常に長い期間を経て発症すること、また、石綿そのものが戦後の我が国社会において広範かつ大量に使用されてきたことから、健康被害を受けた者がどこでどのように石綿にばく露したかを明らかにすることは難しく、したがって健康被害に係る個々の原因者を特定することが極めて困難であること、
  2.   ② 一旦発症した場合には、多くの者が1、2年で亡くなること
    が実態である。現在発症している方が石綿にばく露したと想定される30年から40年前には、このような重篤な疾病を発症するかもしれないことは一般に知られておらず、知らないままにばく露し、自らに非がないにもかかわらず、何ら補償も受けられないまま亡くなるという状況にあることから、民事責任等を離れて迅速な救済を図るべき特殊性がみられる。
      本制度は、こうした石綿による健康被害の特殊性にかんがみ、事業者、国及び地方公共団体が全体で費用負担を行い、迅速かつ安定した救済を実現しようとするものであること。

第2 一般的事項

  1.  1 本制度は、石綿による健康被害の特殊性にかんがみ、民事上の責任とは切り離して、事業者、国及び地方公共団体の全体の費用負担により被害者の迅速な救済を図ろうとするものであるから、この趣旨を十分理解の上、法の迅速かつ適切な施行に努力されたいこと。
  2.  2 救済給付に係る申請等の受付、認定、支給等は、法に基づき、独立行政法人環境再生保全機構(以下「機構」という。)が行うこととされていることから、貴職におかれては業務の円滑かつ迅速な遂行に努めるとともに、被害者又はその遺族等からの相談に適切に応えられる体制を整備するように努力されたいこと。
  3.  3 法による救済措置の円滑な実施を図るためには、医療関係者及び関係医療機関等の協力に期待するところが極めて大であるので、医療関係者及び関係医療機関等に対する制度の周知徹底に配慮するとともに、その協力を得るよう努力されたいこと。


第3 指定疾病

  1.  1 指定疾病は、中皮腫及び気管支又は肺の悪性新生物であること(法第2条第1項)。中皮腫とは主として胸膜、腹膜、心膜又は精巣鞘膜に発生するものであること。法第2条第1項にいう「その他石綿を吸入することにより発生する疾病であって政令で定めるもの」に該当する疾病は現時点ではないが、今後、医学的知見やデータの集積を図り、必要に応じ指定疾病の追加を図ることがあり得ること。
  2.  2 指定疾病に付随する疾病等(以下「続発症」という。)であって、日常生活に相当の制限が加わり、常に医師の管理による治療が必要であるようなものについては、当該指定疾病と一体のものとして取り扱うものであること。個々の事例において、ある疾病等が続発症であるか否かについては、医学の経験則により相当程度の関連性があるか否かによって判断されるべきであるが、具体的には、中皮腫又は肺がんの続発症としては、次のような疾病等が考えられること。
    1.  ① 指定疾病の経過中又はその進展により当該指定疾病との関連で発症するもの
      •  ・中皮腫又は肺がんの遠隔転移、肺がんの癌性胸膜炎、癌性リンパ管症 など
    2.  ② 指定疾病を母地として細菌感染等の外因が加わって発症するもの
      •  ・肺炎、胸膜炎 など
    3.  ③ 指定疾病の治療に伴う副作用や後遺症
      •  ・薬剤性肺障害、放射線肺炎、術後の肺機能障害 など

第4 救済給付

 1 救済給付の種類

   救済給付は、医療費、療養手当、葬祭料、特別遺族弔慰金、特別葬祭料及び救済給付調整金であること(法第3条)。

 2 医療費の支給及び認定等

  1.  (1)認定の仕組み
    1.   ① 日本国内において石綿を吸入することにより指定疾病にかかった旨の認定は、医療費の支給を受けようとする者の申請に基づき、機構が行うものであること(法第4条第1項及び第2項)。
    2.   ② 機構は、認定を行おうとするときは、医学的判定を要する事項に関し、環境大臣に判定を申し出るものとし、環境大臣は、機構から判定の申出があったときは、中央環境審議会の意見を聴いて判定を行い、機構に対し、その結果を通知するものであること(法第10条第1項及び第2項)。
    3.   ③ 機構は、認定を行ったときは、当該認定を受けた者に対し、石綿健康被害医療手帳を交付するものであること(法第4条第3項)。
    4.   ④ 認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずるものであること(法第4条第4項)。
  2.  (2)認定の申請
    1.   ① 認定の申請をしようとする者は、申請書を機構に提出しなければならないものであること(規則第1条第1項)。申請書は、別添の手続様式第1号(以下、「手続様式」及び「判定様式」は、すべて別添のものを指す。)によるものとすること。
    2.   ② 申請書には、以下の書類その他の資料を添付しなければならないものであること(規則第1条第2項)。
      1.    ア 申請者の戸籍の抄本若しくは戸籍記載事項証明書又は住民票の写し(外国人にあっては、旅券、外国人登録証明書その他の身分を証明する書類の写し)
      2.    イ 認定の申請に係る疾病にかかっていることを証明することができる医師の診断書その他の資料
      3.    ウ 認定の申請に係る疾病が肺がんであるときは、石綿を吸入することにより当該疾病にかかったことを証明することができる資料
    3.   ③ ②のアの戸籍記載事項証明書は手続様式第2号又はそれと同等の内容を含む戸籍記載事項証明書によるものとすること。
    4.   ④ 認定の申請に係る疾病が中皮腫である場合における②のイの資料は、判定様式第1号によることとし、これに中皮腫の確定診断の根拠となったフィルム、画像、検査結果書、診断書、報告書等を添付すること。この場合において、病理組織診断書を添付する場合は判定様式第4号又はそれと同等の内容を含むものによるものとし、細胞診報告書を添付する場合は判定様式第5号又はそれと同等の内容を含むものによるものとすること。
    5.   ⑤ 認定の申請に係る疾病が肺がんである場合における②のイ及びウの資料は、判定様式第2号によるものとし、これに肺がんの確定診断及び石綿が原因であることの根拠となったフィルム、画像、検査結果書、診断書、報告書等を添付すること。この場合において、石綿計測結果報告書を添付する場合は判定様式第6号又はそれと同等の内容を含むものによるものとすること。
    6.   ⑥ 認定の申請は、法の施行日の1週間前の日から施行日の前日までの間においても行うことができ、この場合にあっては、施行日に申請があったとみなされるものであること(法附則第2条)。
  3.  (3)申請中死亡者に係る決定
    1.   ① 法第5条第1項の決定は、認定の申請をした者で認定を受けないで死亡した者(以下「申請中死亡者」という。)について、その認定の申請の当時において認定を受けることができるものであった場合に行うものであること。
    2.   ② 申請中死亡者に係る決定の申請をしようとする者は、申請書を機構に提出しなければならないものであること(規則第3条第1項)。申請書は、手続様式第3号によるものとすること。
    3.   ③ 申請書には、以下の書類を添付しなければならないものであること(規則第3条第2項)
      1.    ア 申請中死亡者の死亡の事実及び死亡年月日を証明することができる書類
      2.    イ 申請者が申請中死亡者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その申請中死亡者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものであるときは、申請者と申請中死亡者との身分関係を証明することができる戸籍の謄本又は抄本
      3.    ウ 申請者が申請中死亡者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者であるときは、その事実を証明することができる書類
      4.    エ 申請者が申請中死亡者について葬祭を行う者であるときは、その旨を明らかにすることができる書類
    4.   ④ 申請者と申請中死亡者との身分関係を証明することができる戸籍の謄本又は抄本とは、申請者が申請中死亡者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)以外の者であるときは、申請者よりも先順位の者の死亡を明らかにすることができる戸籍の謄本又は抄本とすること。
    5.   ⑤ 申請中死亡者に係る決定の申請は、その死亡の日から6月以内に限りすることができるものである(法第5条第2項)ので、認定の申請をしている者が死亡した場合には、その遺族等にこの旨を周知するよう配慮されたいこと。
    6.   ⑥ 申請中死亡者に係る決定は、その申請をした遺族等に対して行うものであるが、この決定があったときは、その申請中死亡者は認定の申請の日から死亡の日までの間において認定を受けた者(以下「被認定者」という。)であったものとするものであること(法第5条第3項)。
  4.  (4)認定に係る医学的判定
        認定及び申請中死亡者に係る決定に際して行う石綿を吸入することにより指定疾患にかかった旨の医学的判定については、以下の考え方により行うものであること。なお、石綿を吸入することにより指定疾病にかかったことを判定するための考え方については、平成18年3月2日付け中央環境審議会答申「石綿による健康被害の救済における指定疾病に係る医学的判定に関する考え方について(答申)」及び平成18年2月の石綿による健康被害に係る医学的判断に関する検討会報告書「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する考え方」を参照されたいこと。
    1.   ① 中皮腫については、そのほとんどが石綿に起因するものと考えられることから、中皮腫の診断の確からしさが担保されれば、石綿を吸入することによりかかったものと判定するものであること。
          なお、中皮腫は診断が困難な疾病であるため、臨床所見、臨床検査結果だけでなく、病理組織学的検査に基づく確定診断がなされることが重要であり、また、確定診断に当たっては、肺がん、その他のがん、胸膜炎などとの鑑別も必要であること。このため、中皮腫であることの判定に当たっては、病理組織学的検査記録等が求められ、確定診断が適正になされていることの確認が重要であること。
          しかしながら、実際の臨床現場においては、例えば、病理組織学的検査が行われていなくても、細胞診でパパニコロウ染色とともに免疫染色などの特殊染色を実施した場合には、その他の胸水の検査データや画像所見等を総合して診断を下すことができる例もあるとされているなど、病理組織学的検査が行われていない事案も少なくないと考えられることから、判定に当たっては、原則として病理組織学的検査による確定診断を求めるものの、病理組織学的検査が行われていない例においては、臨床所見、臨床経過、臨床検査結果、他疾病との鑑別の根拠等を求め、専門家による検討を加えて判定するものであること。
    2.   ② 肺がんについては、原発性肺がんであって、肺がんの発症リスクを2倍以上に高める量の石綿ばく露があったとみなされる場合に、石綿を吸入することによりかかったものと判定するものであること。
          肺がんの発症リスクを2倍に高める量の石綿ばく露があったとみなされる場合とは、国際的にも、25本/ml×年程度のばく露があった場合であると認められており、また、これに該当する医学的所見としては、次のア又はイに該当する場合が考えられること。
      1.    ア 胸部エックス線検査又は胸部CT検査により、胸膜プラーク(肥厚斑)が認められ、かつ、胸部エックス線検査でじん肺法(昭和35年法律第30号)第4条第1項に定める第1型以上と同様の肺線維化所見(いわゆる不整形陰影)があって胸部CT検査においても肺線維化所見が認められること。
      2.    イ 肺内石綿小体又は石綿繊維の量が一定量以上(乾燥肺重量1g当たり5,000本以上の石綿小体若しくは200万本以上(5μm超。2μm超の場合は500万本以上)の石綿繊維又は気管支肺胞洗浄液1ml当たり5本以上の石綿小体)認められること。
            なお、アでいう「じん肺法(昭和35年法律第30号)第4条第1項に定める第1型以上と同様の肺繊維化所見」とは、あくまでも画像上の所見であり、じん肺法において「石綿肺」と診断することとは異なるものであること。
  5.  (5)認定の有効期間
    1.   ① 認定は、有効期間内に限りその効力を有するものであり(法第6条第1項)、認定の有効期間は、中皮腫及び肺がんについてそれぞれ5年であること(令第1条)。
    2.   ② 機構は、石綿健康被害医療手帳に有効期限として有効期間の満了日を記載するものとすること。
    3.   ③ 認定の有効期間は、認定の申請のあった日から起算するものとすること。
    4.   ④ 法第6条第2項の規定により別に認定の有効期間を定めたときは、認定の通知を行う際に併せてこの旨を通知するものとし、石綿健康被害医療手帳の有効期限の記載は、この別に定めるところによるものであること。
  6.  (6)認定の更新
    1.   ① 認定の更新は、被認定者の当該認定に係る指定疾病(以下「認定疾病」という。)が有効期間の満了前に治る見込みがないときに、その申請に基づき行うものであり(法第7条第1項及び第2項)、その申請は当該認定の有効期間の満了日の属する月の6月前からすることができるものであること(規則第4条第3項)。
    2.   ② 認定の更新の申請をすることができる者が、災害その他やむを得ない理由により当該認定の有効期間の満了前に当該申請をすることができなかったときは、その者は、その理由のやんだ日から2月以内に限り、当該認定の更新を申請することができるものであること(法第8条第1項)。
    3.   ③ 機構は、申請があった場合において、当該申請に係る指定疾病がその後においても継続すると認めるときは、当該申請に係る認定を更新することとし、更新された認定は、更新前の認定の有効期間の満了日の翌日にさかのぼってその効力を生ずるものであること(法第8条第2項)。
    4.   ④ 認定の更新の申請をしようとする者は、申請書を機構に提出しなければならないものであること(規則第4条第1項)。申請書は、手続様式第4号によるものとすること。
    5.   ⑤ 申請書には、以下の書類を添付しなければならないものとすること(規則第4条第2項)。
    6.    ア 認定疾病が有効期間の満了後においても継続することを証明することができる医師の診断書その他の資料
    7.   ⑥ 認定の更新の申請を行わないで認定の有効期間が満了したときは、当該認定は、その効力がなくなることとなるので、申請漏れ等により当該認定の更新を受けるべき者が資格を失うことのないよう被認定者に対し認定の更新時期について周知徹底を図るよう配慮されたいこと。
    8.   ⑦ 認定の更新がされた場合の有効期間については、更新がされた認定は、前の認定の有効期間の満了する日の翌日から起算して5年間に限り効力を有するものであること(法第7条第3項及び第8条第3項、令第1条)。
    9.   ⑧ 認定の更新に当たっても、当初の認定と同様、別に当該認定の有効期間を定めることができるものであること(法第7条第3項及び第8条第3項)
  7.  (7)石綿健康被害医療手帳
    1.   ① 機構は、認定を行ったときは、被認定者に対し石綿健康被害医療手帳を交付するものであること(法第4条第3項)。
          ただし、法第5条第1項の決定により被認定者であったものとみなされる者には、石綿健康被害医療手帳は交付されないものであること。
    2.   ② 石綿健康被害医療手帳は、規則第2条に定める様式第1によるものであること。
          なお、当該様式中、交付年月日の欄には機構が被認定者に当該手帳を発行した日を記載するものとし、有効期限の欄には認定の有効期間の満了日を記載するものとすること。
    3.   ③ 認定に当たり続発症が考慮された場合にあっては、環境大臣による医学的判定の結果の通知に基づき、機構は認定疾病の名称の欄に続発症の名称についても付記するものとすること。
    4.   ④ 認定の更新を行ったときは、機構は新たな石綿健康被害医療手帳を交付するものであること(規則第4条第4項)。
    5.   ⑤ 石綿健康被害医療手帳を破り、汚し、又は失ったときは、被認定者は機構に再交付を申請することができるものであること(規則第8条第1項及び第2項)。申請書は手続様式第8号によるものとすること。石綿健康被害医療手帳を破り、又は汚した場合には当該石綿健康被害医療手帳を、失った場合には亡失届を、併せて提出しなければならないものであること(規則第8条第3項)。亡失届の様式は、手続様式第8号の裏面によるものとすること。
          被認定者は、石綿健康被害医療手帳の再交付を受けた後、失った石綿健康被害医療手帳を発見したときは、速やかに、発見された石綿健康被害医療手帳を石綿健康被害医療手帳返還届に添えて、機構に返還しなければならないものであること(規則第8条第4項)。石綿健康被害医療手帳返還届は、手続様式第9号によるものとすること。
    6.   ⑥ 次の場合には、被認定者又は戸籍法(昭和22年法律第224号)による死亡の届出義務者が、速やかに、石綿健康被害医療手帳を石綿健康被害医療手帳返還届に添えて、機構に返還しなければならないものであること(規則第9条)。
      1.    ア 認定疾病が治ったとき。
      2.    イ 死亡したとき。
      3.    ウ 認定の有効期間が満了したとき。
      4.    エ 機構から認定の取消しを受けたとき。
      5.    オ 被認定者に対し、同一の事由について、損害賠償その他の給付等を受けたことにより損害がてん補された場合において、その受けた損害賠償その他の給付等のうち医療費に相当する金額が、本制度により支給される医療費の額を満たすものであるとき。
      6.    カ 被認定者に対し、認定疾病について、健康保険法(大正11年法律第70号)等(健康保険法、船員保険法(昭和14年法律第73号)、国家公務員共済組合法(昭和33年法律第128号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)、国民健康保険法(昭和33年法律第192号)、地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号)、老人保健法(昭和57年法律第80号)、介護保険法(平成9年法律第123号))以外の法令(条例を含む。)以外の法令(条例を含む。)の規定により医療に関する給付が行われるべき場合において、その給付の額が、本制度により支給される医療費の額を満たすものであるとき。

 3 医療費

  1.  (1)機構は、石綿を吸入することにより指定疾病にかかった旨の認定を受けた者が、その認定に係る指定疾病について保険医療機関等から医療を受けたときは、その者に対し、その請求に基づき、医療費を支給するものであること(法第4条第1項、第11条)。
  2.  (2)被認定者が、石綿健康被害医療手帳を提示して、認定疾病につき保険医療機関等から医療を受けた場合においては、機構は、医療費として当該被認定者に支給すべき額の限度において、その者が当該医療に関し当該保険医療機関等に支払うべき費用を、当該被認定者に代わり、当該保険医療機関等に支払うことができるものであること。その場合においては、当該被認定者に対し、医療費の支給があったものとみなすものであること(法第13条第1項及び第2項)。
  3.  (3)支給の対象となる医療は、①診察、②薬剤又は治療材料の支給、③医学的処置、手術及びその他の治療、④居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護、⑤病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護、⑥移送であること(法第11条)。ここでいう移送とは、寝台自動車等を用いて患者を移すことをいい、患者を診察した医師がその医療上転医又は転地が必要であると認めた場合において、入院、転院又は転地療養をするのに普通の交通手段では不可能であり、客観的に見てその妥当性が認められるときに行われるものであること。
  4.  (4)医療費は、被認定者が、その認定疾病について医療を受けた場合に支給されるものであるが、中皮腫及び肺がんそのものに対する医療のほか、その続発症について医療を受けた場合も支給の対象とされるものであること。
        なお、認定疾病とは関連性のない次のような疾病等について医療を受けた場合は、対象とはならないものとすること。
    1.   ① 先天性疾患、遺伝性疾患
    2.   ② 歯科診療、正常分娩に係る産科診療
    3.   ③ 他者の犯罪行為等第三者行為による傷害
    4.   ④ 交通事故、労働災害、天災等の不慮の事故等他に原因が明らかである疾病等
  5.  (5)被認定者ができるだけ自由に医療機関を選択でき、円滑に医療を受けることができるようにするという見地から、健康保険法による保険医療機関又は保険薬局のほか、次の機関においても石綿健康被害医療手帳を提示して医療を受けることができるものであること(規則第10条)。
    1.   ① 健康保険法第86条第1項第1号に規定する特定承認保険医療機関
    2.   ② 健康保険法第88条第1項に規定する指定訪問看護事業者
    3.   ③ 生活保護法(昭和25年法律第144号)第50条第1項に規定する指定医療機関
    4.   ④ 介護保険法第7条第22項に規定する介護老人保健施設及び同法第48条第1項第3号に規定する指定介護療養型医療施設
    5.   ⑤ 介護保険法第41条第1項に規定する指定居宅サービス事業者(同法第7条第8項に規定する訪問看護を行う者に限る。)
        ただし、これらの開設者が診療報酬の請求及び支払に関し、法第13条第1項に規定する方式によらない旨を機構に申し出たときは、この限りでないこと(法第11条)。
  6.  (6)機構が被認定者に支給する医療費の額は、当該医療に要する費用の額から、認定疾病につき、健康保険法等以外の法令(条例を含む。)の規定により被認定者が受け、又は受けることができた医療に関する給付の額を除いた額(いわゆる自己負担額)であること(法第12条第1項)。
        なお、自由診療が行われた場合であっても、救済給付の医療費は、健康保険の診療報酬の例に倣って医療に要した費用の額を計算し、その自己負担額として計算される額を支給することとなり、算定された医療に要した費用の額が現に要した費用の額を超えるときは、現に要した費用の額を限度として医療費を支給するものであること(法第12条第2項)。
        また、介護保険法の規定による医療に関する給付に係る医療費については、介護保険の介護の方針及び介護給付費の例により請求するものとすること。
  7.  (7)機構は、医療費の額を決定するに当たっては、社会保険診療報酬支払基金法(昭和23年法律第129号)に定める審査委員会及び特別審査委員会、国民健康保険法に定める国民健康保険診療報酬審査委員会及び同法第45条第6項に規定する厚生労働大臣が指定する法人に設置される診療報酬の審査に関する組織並びに介護保険法第179条に規定する介護給付費審査委員会の意見を聴かなければならないものであること(法第14条第1項、令第3条)。また、機構は、医療費の支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険団体連合会に委託することができるものであること(法第14条第2項)。
  8.  (8)被認定者が保険医療機関等以外の者から医療を受けた場合又は石綿健康被害医療手帳を提示しないで保険医療機関等から医療を受けた場合においては、医療費の支給を請求しようとする者は、請求書を機構に提出しなければならないものであること(規則第12条第1項)。請求書は、手続様式第10号によるものとすること。
  9.  (9)請求書には、以下の書類を添付しなければならないものとすること(規則第12条第2項及び第3項)。
    1.    ア 手続様式第11号による受診等証明書
    2.    イ 請求しようとする医療費に移送に係るものが含まれる場合は、当該移送に要した費用の額を証明することができる書類
  10.  (10)医療費の支給の請求の期限は、その請求をすることができるときから2年であること(法第15条第4項)。
  11.  (11)医療費の支給の請求は、認定の申請がされた後は、当該認定前であってもすることができるものであること(法第17条第1項)。
  12.  (12)医療費を支給する旨の処分は、その請求のあった日にさかのぼってその効力を生ずるものであること(法第17条第2項)。

 4 療養手当

  1.  (1)療養手当は、入通院に伴う諸経費、日常生活における近親者等による介護に要する費用等を勘案して、月を単位として支給されるものであり、その額は月額103,870円であること(法第16条第1項、令第4条)。
  2.  (2)療養手当の支給を請求しようとする者は、請求書を機構に提出しなければならないものであること(規則第13条)。請求書は、手続様式第12号によるものとすること。
  3.  (3)療養手当は、請求に基づき、その請求があった日の属する月の翌月から、支給すべき事由が消滅した日の属する月までとし、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれの前月及び前々月の分を機構が支払うものであること。ただし、前支払期日に支払うべきであった療養手当又は支給すべき事由が消滅した場合におけるその期の療養手当は、その支払期日でない場合であっても、支払うものであること(法第16条第2項及び第3項)。
  4.  (4)療養手当の支給の請求は、認定の申請がされた後は、当該認定前であってもすることができるものであること(法第17条第1項)。
  5.  (5)療養手当を支給する旨の処分は、その請求のあった日にさかのぼってその効力を生ずるものであること(法第17条第2項)。

 5 未支給の医療費及び療養手当

  1.  (1)医療費及び療養手当(以下「医療費等」という。)を受けることができる者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき医療費等でまだその者に支給していなかったものがあるときは、その者(以下「支給前死亡者」という。)の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その死亡した者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名でその支給を請求し、当該医療費等の支給を受けることができるものであること(法第18条第1項)。なお、医療費については、支給前死亡者が死亡する前に請求を行っていなかった場合であっても、その遺族が未支給の医療費の支給を受けることができるものとすること。
  2.  (2)未支給の医療費等の支給を受けることができる者の順位は、支給前死亡者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹の順位であること(法第18条第2項)。同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなすものであること(法第18条第3項)。
  3.  (3)未支給の医療費等の支給を請求しようとする者は、請求書を機構に提出しなければならないものとすること(規則第15条第1項)。請求書は、手続様式第14号によるものとすること。
  4.  (4)請求書には、以下の書類その他の資料を添付しなければならないものであること(規則第15条第2項)。
    1.    ア 支給前死亡者の死亡の事実及び死亡年月日を証明することができる書類
    2.    イ 請求者と支給前死亡者との身分関係を証明することができる戸籍の謄本又は抄本
    3.    ウ 請求者が支給前死亡者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者であるときは、その事実を証明することができる書類
    4.    エ 請求者が支給前死亡者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたことを証明することができる書類
    5.    オ 支給前死亡者が医療費等の支給を請求する場合に提出すべきであった書類その他の資料でまだ提出していなかったもの
         なお、イについて、請求者と支給前死亡者との身分関係を証明することができる戸籍の謄本又は抄本とは、請求者が支給前死亡者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)以外の者であるときは、請求者よりも先順位の者の死亡を明らかにすることができる戸籍の謄本又は抄本とすること。

 6 葬祭料

  1.  (1)葬祭料は、被認定者が認定疾病に起因して死亡した場合に、葬祭を行う者に対し、その請求に基づき、支給されるものであり、その額は199,000円であること(法第19条第1項、令第5条)。
  2.  (2)葬祭料の支給を請求しようとする者は、請求書を機構に提出しなければならないものであること(規則第16条第1項)。請求書は、手続様式第15号によるものとすること。
  3.  (3)請求書には、以下の書類を添付しなければならないものであること(規則第16条第2項)。
    1.    ア 被認定者の死亡の事実及び死亡年月日並びに認定疾病に起因して死亡したことを証明することができる書類
    2.    イ 請求者が死亡した被認定者について葬祭を行う者であることを明らかにすることができる書類
  4.  (4)当該請求の期限は、被認定者が死亡した時から2年であること(法第19条第2項)。

 7 特別遺族弔慰金及び特別葬祭料

  1.  (1)特別遺族弔慰金及び特別葬祭料(以下「特別遺族弔慰金等」という。)は、日本国内において石綿を吸入することにより指定疾病にかかり、当該指定疾病に起因して施行日前に死亡した者(以下「施行前死亡者」という。)の遺族(特別遺族給付金の支給を受けることができる者を除く。)に対し、その請求に基づき、支給されるものであり、特別遺族弔慰金の額は2,800,000円、特別葬祭料の額は199,000円であること(法第20条、令第6条)。
  2.  (2)特別遺族弔慰金等の支給を受けようとする者は、請求書を機構に提出しなければならないものであること(規則第17条第1項)。請求書は、手続様式第16号によるものとすること。
  3.  (3)請求書には、以下の書類その他の資料を添付しなければならないものであること(規則第17条第2項)。
    1.    ア 施行前死亡者の死亡に関して市区町村長に提出した死亡診断書若しくは死体検案書を機構が確認することの同意書又は請求に係る疾病に起因して死亡したことを証明することができる診療録の写し
    2.    イ 請求に係る疾病が肺がんであるときは、当該疾病が石綿の吸入に起因することを証明することができる資料
    3.    ウ 請求者と施行前死亡者との身分関係を証明することができる戸籍の謄本又は抄本
    4.    エ 請求者が施行前死亡者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者であるときは、その事実を証明することができる書類
    5.    オ 請求者が施行前死亡者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたことを証明することができる書類
         なお、ウについて、請求者と施行前死亡者との身分関係を証明することができる戸籍の謄本又は抄本とは、請求者が施行前死亡者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)以外の者であるときは、請求者よりも先順位の者の死亡を明らかにすることができる戸籍の謄本又は抄本とすること。
  4.  (4)(3)アの同意書の様式は、手続様式第16の2号によるものとすること。同意書の提出があった場合は、機構は、施行前死亡者の死亡診断書又は死体検案書を保存する市町村又は法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局に対し、当該死亡診断書又は死体検案書の記載事項に関する照会を行うものとすること。
  5.  (5)請求に係る疾病が肺がんである場合における(3)イの資料は、判定様式第3号によるものとし、これに石綿が原因であることの根拠となったフィルム、画像、検査結果書、診断書、報告書等を添付すること。この場合において、石綿計測結果報告書を添付する場合は判定様式第6号又はそれと同等の内容を含むものによるものとすること。
  6.  (6)当該請求の期限は、施行日から3年であること(法第22条第2項)。
  7.  (7)特別遺族弔慰金等の支給を受けることができる遺族は、施行前死亡者の配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹であって、施行前死亡者の死亡の当時施行前死亡者と生計を同じくしていたものであり、その順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹の順であり、同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなすものであること(法第21条)。
  8.  (8)機構は、特別遺族弔慰金等の支給を受けようとする者の請求に基づき、当該支給を受ける権利の認定を行い、当該認定を受けた者に対し、特別遺族弔慰金等を支給するものであり(法第22条第1項)、認定を行おうとするときは、医学的な判定を要する事項に関し、環境大臣に判定を申し出ることができるものであること(法第24条第1項)。
  9.  (9)特別遺族弔慰金等の支給を受ける権利の認定に際して行う施行前死亡者が石綿を吸入することにより指定疾病にかかった旨の医学的判定については、以下の考え方により行うものであること。
    1.   ① 中皮腫については、中皮腫であったことが客観的に確認できる場合に、石綿を吸入することによりかかったものと判定するものであること。具体的には、施行前死亡者の死亡に関して市区町村長に提出した死亡診断書若しくは死体検案書又は請求に係る疾病に起因して死亡したことを証明することができる診療録の写しに、死亡の原因として「中皮腫」の記載がある場合(「良性中皮腫」など、良性疾患である旨明記された場合を除く。)には、石綿を吸入することにより中皮腫にかかり、これに起因して死亡したものと判断できるものであり、この場合には、機構は医学的判定を申し出ることなく権利の認定を行うことができるものであること。
    2.   ② 肺がんについては、肺がん(原発性肺がんであることが否定されないものに限る。以下この項において同じ。)であったことが客観的に確認できるとともに、肺がんの発症リスクを2倍以上に高める量の石綿ばく露があったとみなされる場合に、石綿を吸入することによりかかったものと判定するものであること。具体的には、施行前死亡者に関して市町村長に提出した死亡診断書若しくは死体検案書又は請求に係る疾病に起因して死亡したことを証明することができる診療録の写しに、死亡の原因として「肺がん」の記載があり、2の(4)の②のア又はイに該当する医学的所見が確認できる場合に、石綿を吸入することにより肺がんにかかり、これに起因して死亡したものと判断できるものであること。

 8 救済給付調整金

  1.  (1)救済給付調整金は、被認定者であって制度施行前に指定疾病にかかった者が当該指定疾病に起因して制度施行後2年以内に亡くなった場合において、生前に支給された医療費等の合計額が特別遺族弔慰金の額に満たないときは、その差額分を被認定者の遺族に支給するものであり(法第23条第1項)、機構が、当該遺族の請求に基づき支給するものであること(法第23条第2項)。
  2.  (2)救済給付調整金の支給を受けようとする者は、請求書を機構に提出しなければならないものであること(規則第18条第1項)。請求書は、手続様式第17号によるものとすること。
  3.  (3)請求書には、以下の書類を添付しなければならないものであること(規則第18条第2項)。
    1.    ア 被認定者の死亡の事実及び死亡年月日並びに認定疾病に起因して死亡したことを証明することができる書類
    2.    イ 請求者と被認定者との身分関係を証明することができる戸籍の謄本又は抄本
    3.    ウ 請求者が被認定者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者であるときは、その事実を証明することができる書類
    4.    エ 請求者が被認定者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたことを証明することができる書類
  4.  (4)当該請求の期限は、被認定者が死亡した時から2年であること(法第23条第3項)。
  5.  (5) 救済給付調整金の支給を受けることができる遺族は、被認定者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、被認定者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものであり、その順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹の順であり、同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなすものであること(法第23条第3項)。

 9 損害のてん補を受けた場合の救済給付の免責と届出

  1.  (1)救済給付の支給を受けることができる者に対し、同一の事由について、損害のてん補がされた場合においては、機構は、その価額の限度で救済給付を支給する義務を免れるものであること(法第25条)。
  2.  (2)同一の事由について、損害のてん補がされた被認定者は、その受けた損害賠償その他の給付等の額及び内容を機構に届出なければならないものであること(規則第19条)。届出は、手続様式第18号によるものとすること。
  3.  (3)損害賠償その他の損害てん補の金額のうち医療費に相当する額が医療費の額を上回る場合は、被認定者は、石綿健康被害医療手帳を機構に返還しなければならないものである(規則第9条第5号)ので、届出に当たって石綿健康被害医療手帳を添えるものとすること。

 10 他の法令による給付との調整

  1.  (1)医療費は、被認定者に対し、認定疾病について、健康保険法等以外の法令(条例を含む。)の規定により医療に関する給付が行われるべき場合には、その給付の限度において支給しないものであること(法第26条第1項、令第2条)。ただし、生活保護法による扶助は他の法律に定めるすべての保護に劣後するものであるから、本法による医療費の支給は生活保護法の医療扶助に優先するものとすること。
  2.  (2)労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)その他の法令による給付が行われるべき場合には、被認定者は、その法令の名称及び給付の種類並びに既に支給を受けたものがあるときはその支給を受けた額を、機構に届け出なければならないものであること(規則第20条)。届出は、手続様式第19号によるものとすること。
  3.  (3)健康保険法等以外の法令(条例を含む。)の規定により医療に関する給付が行われるべき場合において、その給付の額が本法による医療費の額を満たすものである場合は、被認定者は、石綿健康被害医療手帳を機構に返還しなければならないものである(規則第9条第6号)ので、届出に当たって石綿健康被害医療手帳を添えるものとすること。
  4.  (4)療養手当、葬祭料、特別遺族弔慰金等及び救済給付調整金は、これらの支給を受けることができる者に対し、同一の事由について、労働者災害補償保険法その他の法令による給付(以下「災害給付」という。)が行われるべき場合には、調整基礎額を
    1.   ① 災害給付が一時金としてのみ行われる場合には、災害給付に相当する金額、
    2.   ② ①以外の場合には、法定利率を用いた単利の方法により、将来にわたり支給を受けるべき額の現在価値を求め、その額を当該災害給付に相当する金額
      とし、その額の限度において、支給しないものであること(法第26条第2項、令第8条、規則第22条第1項)。
        なお、本制度による給付は、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)、国民年金法(昭和34年法律第141号)の規定による年金たる給付及び児童扶養手当法(昭和36年法律第238号)の規定による児童扶養手当との調整を行わないこととしているため、災害給付に相当する金額の算定に当たって、当該災害給付とこれらの年金たる給付等との調整関係がある場合には、その調整関係を考慮した上で当該災害給付に相当する金額を算定することとし、これらの年金たる給付等が実質的に支給されることとなるよう配慮するものであること(規則第22条第2項)。

 11 各種の届出

  1.  (1)現況の届出
        被認定者は、毎年5月1日から31日までの間に、自ら署名し、又は自ら署名することが困難な被認定者にあっては、当該被認定者の代理人が署名した届書を、機構に提出しなければならないものであること(規則第14条第1項)。届書は、手続様式第13号によるものとすること。
  2.  (2)氏名等の変更の届出
        被認定者は、氏名又は住所を変更したときは、速やかに、機構に届書を提出しなければならないものであること(規則第5条第1項)。届書は、手続様式第5号によるものとすること。この場合において、氏名又は住所の変更に係る事実を証明することができる書類及び石綿健康被害医療手帳を添えなければならないものであること(規則第5条第2項)。
  3.  (3)認定疾病が治った場合の届出
        被認定者は、認定疾病が治ったときは、速やかに、機構に届書を提出しなければならないものであること(規則第6条)。届書は、手続様式第6号によるものとすること。この場合において、届書には、石綿健康被害医療手帳を添えなければならないものであること(規則第9条第1号)。
  4.  (4)死亡の届出
        被認定者が死亡したときは、戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、速やかに、機構に届書を提出しなければならないものであること(規則第7条)。届書は、手続様式第7号によるものとすること。この場合において、届書には、石綿健康被害医療手帳を添えなければならないものであること(規則第9条第2号)。

 12 処分の通知

  1.  (1)機構は、認定又は救済給付の支給に関する処分を行ったときは、速やかに、文書でその内容を申請者又は請求者に通知しなければならないものであること(規則第23条)。
  2.  (2)機構は、認定又は救済給付の支給に関する処分を行ったときは、その相手方に対する通知に併せて、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第57条第1項の規定により、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に公害健康被害補償不服審査会に審査請求をすることができる旨の教示を行わなければならないものであること。

 13 添付書類の省略

  1.  (1)規則の規定により同時に2以上の申請書、請求書又は届書を提出する場合において、1つの申請書、請求書又は届書の添付書類により、他の申請書、請求書又は届書の添付書類に係る事項を明らかにすることができるときは、後者にその旨を記載して、当該書類の添付書類を省略することができるものであること。同一の世帯に属する2人以上の者が同時に申請書、請求書又は届書を提出する場合における他方の申請書、請求書又は届書についても、同様であること(規則第24条第1項)。
  2.  (2)機構は、特に必要がないと認めるときは、添付書類を省略させることができるものであること(規則第24条第2項)。

 14 申請書、請求書又は届書の提出方法について

  1.  (1)機構に提出する申請書、請求書又は届書は、地方環境事務所を経由して提出することができ、この場合は、地方環境事務所長が受理した時に機構に提出されたものとみなされるものであること(規則第25条)。
  2.  (2)申請書、請求書又は届書は、郵便又は信書便により提出することができ、この場合は、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日(その表示がないとき、又はその表示が明瞭でないときは、その郵便物又は信書便物について通常要する送付日数を基準とした場合にその日に相当するものと認められる日)に提出がなされたものとみなされるものであること(規則第26条)。
  3.  (3)機構は、都道府県、保健所を設置する市若しくは特別区又は環境大臣の指定する者(以下「都道府県等」という。)に対し、認定の申請及び救済給付の請求に係る業務の一部を委託することができるものであり、機構との間で委託契約を結んだ都道府県等においても申請、請求、又は届出の受付を行うことができるものとすること(法附則第14条の規定による改正後の独立行政法人環境再生保全機構法(平成15年法律第43号)第10条の2第1項及び第2項)。

 15 証明書の様式

   保険医療機関等に対する検査をする職員が携帯する証明書は、規則第28条第1項に定める様式第2によるものであること。また、診療を行った者等に対する質問をする職員が携帯する証明書は、規則第28条第2項に定める様式第3によるものであること。

 16  迅速な認定に向けた診断等に係る情報提供について

  1.  (1)中皮腫については、診断が困難な疾病であるため、臨床所見、臨床検査結果だけでなく、病理組織学的検査に基づく確定診断がなされることが重要であり、石綿による被害者の迅速な救済のため、そのような検査を適切に実施することができる医師及び医療機関において確定診断が行われるよう、医療関係者への情報提供、制度の周知に努められたいこと。
  2.  (2)肺がんについては、石綿によるものと判断するための医学的所見の一つである肺内石綿小体等の計測は技術的に難しいものであるため、石綿による被害者の迅速な救済を図るための信頼性の高いデータを得るには、一定の設備を備え、かつ、トレーニングを受けたスタッフのいる専門の施設で実施する必要があることについて、医療関係者への周知に努められたいこと。

第5 認定又は救済給付の支給に関する処分に対する不服申立て

  認定又は救済給付の支給に関する処分に不服がある者は、公害健康被害補償不服審査会に対して審査請求をすることができるものであり、審査請求に係る公害健康被害補償不服審査会による裁決を経た後でなければ、当該処分の取消しの訴えを提起することはできないものであること(法第75条及び法第77条)。

第6 その他

  本制度は、施行後5年以内に、施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを行うものであること(法附則第6条)。

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