法令・告示・通達

公害防止事業団の設立について

  • 公布日:昭和40年11月25日
  • 環811・40企4949

(各都道府県知事あて厚生事務次官・通商産業事務次官通達)

 公害防止事業団法は昭和四〇年六月一日法律第九五号をもつて公布施行され、同法に基づいて公害防止事業団の設立準備が進められてきたが、去る一〇月一日の設立登記をもつて同事業団の発足をみ、すでにその業務の一部を開始しているところである。またこれに伴い公害防止事業団法施行令及び同施行規則もそれぞれ昭和四〇年一〇月一日政令第三二八号、同年一一月六日原生省、通商産業省令第一号をもつて公布即日施行されたところである。
 公害防止事業団は、工場及び事業場が集中し、産業公害の発生が著しく、又は著しくなるおそれのある地域における公害の防止に必要な業務を行なうことにより国民の生活環境の維持改善及び産業の健全な発展に資することを目的として設置されたものであるが、その運営の成否は最近益々重大な社会問題となりつつある公害問題の解決に強い影響を及ぼすものであるから特に左記事項に留意のうえ関係市町村等に対する事業団設立の趣旨の周知徹底と、その業務の円滑な運営に何分の御協力を得たく、命により通知する。

第一 設立の趣旨

  近年におけるわが国の著しい経済発展、経済規模の拡大の反面、公害による生活環境の悪化が深刻な社会問題となりつつあるが、特に産業活動の急速な発展に伴い、産業集中地域において発生しているばい煙、汚水等による公害については早急に積極的かつ効果的な施策を推進する必要がある。政府としては従来も公害防止のための施策として、ばい煙の排出の規制等に関する法律、公共用水域の水質の保全に関する法律、及び工場排水等の規制に関する法律等による規制を行なう一方、企業に対する助成措置として中小企業近代化資金、中小企業金融公庫及び日本開発銀行による融資、税制上の優遇措置等を講じてきたが、産業集中地域における公害防止を一層効果的に促進するため、共同公害防止施設、工場アパートの設置等の事業を行なう特殊法人として公害防止事業団が設立されたものであること。

第二 業務の対象地域

  事業団が業務を行なう地域は、「工場及び事業場が集中し、かつこれらにおける事業活動に伴う大気汚染、水質の汚濁等による公害が著しく又は著しくなるおそれがある地域」(以下「対象地域」という。)と定められていること。

第三 業務の内容

 1 事業団が行なう業務は次のとおりであること。

  1.   (1) 対象地域における工場又は事業場(以下「工場等」という。)の共同の利用に供するばい煙処理施設、汚水処理施設その他の産業公害を防止するための施設(以下「共同公害防止施設」という。)を建設、譲渡すること。(法第一八条第一号)
  2.   (2) 対象地域において工場等の共同利用の建物(工場アパート)を建設し、譲渡すること。(法第一八条第二号)
  3.   (3) 対象地域内に所在する工場等を現在地から移転させるための敷地を造成し譲渡すること並びにその移転先における工場等の共同利用のための産業公害を防止するための施設を設置し譲渡すること。(法第一八条第三号)
  4.   (4) 対象地域のうち特に産業公害を発生するおそれが著しい地域について、いわゆる緩衝地帯として公園運動場など工場等の共同利用に供する施設であつて当該地域の工場等の従業員及び住民の福利に資する施設を設置し譲渡すること。(法第一八条第四号)
  5.   (5) 次の施設を設置しようとする者に対し、その設置に必要な資金の貸付けを行なうこと。(法第一八条第五号)
  1.    ア 共同公害防止施設。
  2.    イ (2)の工場等の共同利用建物に事業団が共同公害防止施設を設置し譲渡した場合に、各工場等において当該共同公害防止施設の前処理施設として必要な施設。
  3.    ウ (3)の敷地に設置された工場等に事業団が共同公害防止施設を設置し譲渡した場合に、各工場等において、当該共同公害防止施設の前処理施設として必要な施設。

 2 譲渡及び貸付けの条件等は次のとおりであること。

  1.   (1) 1の(1)から(4)までの業務による施設等の譲渡は長期割賦償還(元金均等償還)の条件で行なわれるが、その場合の利率は、譲渡の相手方が中小企業者又は地方公共団体であるときは年七分、その他の場合は年七分五厘とし、かつ次の割合の頭金を工事着手前に徴するものであること。

       ア 1の(5)の資金の貸付けの対象となつている施設の譲渡の場合

    1.     (ア) 譲渡の相手方が中小企業者又は地方公共団体である場合 二〇%
    2.     (イ) その他の場合 三〇%

       イ その他の施設の場合

    1.     (ア) 譲渡の相手方が中小企業者又は地方公共団体である場合 五%
    2.     (イ) その他の場合 一〇%
  2.   (2) 原則として物上担保を徴するものであること。
  3.   (3) 施設等の建設譲渡の業務については、事業団は工事着手前に相手方との間に当該施設等の譲渡に関する契約を締結し、工事完了と同時に施設等を相手方に譲渡するものであること。
  4.   (4) 1の(5)の業務による資金の貸付けの利率、償還方法及び担保については(1)の譲渡の場合と同様であるが、貸付けの割合は次のとおりであること。
    1.    ア 貸付けの相手方が中小企業者又は地方公共団体である場合 八〇%以内
    2.    イ その他の場合 七〇%以内
  5.   (5) 貸付けの業務の一部は金融機関に委託して行なわれるものであること。

第四 地方公共団体との関係

  事業団の業務は、主として企業に対する助成であるが、企業が行なう公害防止のための諸措置については、地方公共団体における公害防止のための施策や都市計画、地域開発計画等の策定推進と不可分の関係にあるものであり、したがつて地方公共団体の立場からも事業団の事業計画に関して積極的に調査指導、あつせん等の措置を講ぜられたいこと。
  なお、事業団が前記第三の一の(1)から(4)までの業務を行なう場合の事業実施計画については、法第二一条の規定により関係都道府県知事に協議することとされており、また(5)の貸付けの申請に関しても通商産業局長及び都道府県知事の意見を徴することを予定しているものであること。

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