法令・告示・通達

容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律施行規則の一部改正等について

公布日:平成11年07月08日
リサ推15号

(都道府県一般廃棄物処理担当部(局)長あて厚生省水道環境部リサイクル推)進室長通知)

 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(平成七年法律第一一二号。以下「法」という。)の平成一二年度の完全施行に向けて、今般、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成一一年大蔵省、厚生省、農林水産省、通商産業省令第二号。以下「改正規則」という。)及び容器包装廃棄物の分別収集に関する省令の一部を改正する省令(平成一一年厚生省令第六五号。以下「改正省令」という。)を制定したところであるが、貴職におかれては、これらの運用に当たり左記事項について御了知の上、貴管下の市町村に対する周知方お願いする。

一 改正規則について

  1.  (一) 平成一二年四月一日より法に基づく分別収集の対象となる容器包装廃棄物が追加されることに伴い、法第二条第六項の規定に基づく有償又は無償で譲渡できることが明らかで再商品化する必要がない物として、主として段ボール製の容器包装が定められたこと。
  2.  (二) 法第二条第七項の規定する容器包装区分として、従来の容器包装区分に追加して、段ボール製容器包装及び飲料用紙容器以外の紙製容器包装並びにペットボトル以外のプラスチック製容器包装が定められたこと。

二 改正省令について

  1.  (一) 改正省令によって、平成一二年四月一日より法に基づく分別収集の対象となる物について、法第二条第六項の規定に基づく厚生省令で定める基準(以下「分別基準」という。)が定められたこと。
  2.  (二) 分別基準については、運用方針を別紙のとおり定めたので、市町村においては、これにより適切な分別収集を実施し、その質の確保に努める必要があること。なお、市町村においては、必要に応じ既存民間施設の活用を検討するなど、効率的な分別収集の体制整備に努められたいこと。

別表
   紙製容器包装及びプラスチック製容器包装の分別基準の運用方針

一 段ボール製容器包装の分別基準

  1. ・原則として最大積載量が一万キログラムの自動車に積載することができる最大の容量に相当する程度の分量の物が収集されていること
  2. ・圧縮されていること
  3. ・濡れていないこと
  4. ・原材料として主として他の素材を利用した容器包装が混入していないこと
  5. ・容器包装以外の物が付着し、又は混入していないこと
<分別基準の運用方針>
  1.  ① 段ボールの定義
    •   ・段ボール製容器包装を構成する段ボールとは、JISZ〇一〇八にその定義があり、波状に成形した板紙(「中しん」といわれる。)の片面又は両面に板紙(「ライナー」といわれる。)を貼り合わせたものをいう。
  2.  ② 保管単位
    •   ・通常一〇トン車に積載される程度の量が収集されればよく、実際の運搬に何トン車を使用するかは問われないものとして運用される。
  3.  ③ 保管形態
    •   ・「圧縮」とは、保管、運搬時の効率性を確保する観点から、古紙問屋により通常行われているベーラー等の一般的な減容機で圧縮されていることをいう。なお、圧縮に当たっては、圧縮品の形状・寸法は規定しないが、保管中や運搬中に圧縮品が解体しないよう適切な圧力で圧縮すること。
    •   ・運搬効率及び品質維持上の問題から、収集・保管時に濡れることのないよう適切な措置をとること。
  4.  ④ 異物、他の素材の取り扱い
    •   ・段ボール製容器包装の場合は、内容物等の異物が混入するおそれがあることから、市町村にあっては、住民に分別排出の徹底を求めるとともに、製紙原料として利用されることを前提に粗選別(目視での土、石、ビン、プラスチック類、金属類、新聞等の古紙類、その他紙製容器包装、内容物の入ったもの、生ごみ等の付着したもの等の除去)を実施されたい。
    •   ・また、段ボール製容器包装は、発泡スチロール、ベニヤ板等の他の素材が接合されている場合があることから、分離可能なものについては、これらを分離・除去した上で排出するよう住民を指導されたい。
  5.  ⑤ 食品残渣等有機物の取り扱い
    •   ・保管時の衛生対策及び製紙原料として利用されることから、市町村にあっては、食品残渣、油、ペンキ等の付着物により汚れているものについては排出しないよう住民を指導されたい。

二 その他紙製容器包装(紙パック、段ボール製容器包装以外)の分別基準

  • ・原則として最大積載量が一万キログラムの自動車に積載することができる最大の容量に相当する程度の分量の物が収集されていること
  • ・結束され、又は圧縮されていること
  • ・濡れていないこと
  • ・原材料として主として他の素材を利用した容器包装が混入していないこと
  • ・容器包装以外の物が付着し、又は混入していないこと
  • ・段ボール製容器包装及び飲料用紙製容器(原材料としてアルミニウムが利用されているものを除く)が混入していないこと
  • ・紙製のふた以外のふたが除去されていること
<分別基準の運用方針>
  1.  ① 保管単位
    •   ・通常一〇トン車に積載される程度の量が収集されればよく、実際の運搬に何トン車を使用するかは問われないものとして運用される。
  2.  ② 保管形態
    •   ・「結束」とは、新聞古紙、雑誌古紙の場合のように紐で十文字に縛ること、又は結束機により結束することをいう。
    •   ・再商品化事業者に解梱機がない等の場合、圧縮を行うことによって再商品化が困難になる場合もあり得るため、必ずしも圧縮を行う必要はない。地域の古紙問屋等の状況に応じて、結束のみとするか圧縮を行うか適切に判断されたい。
          なお、圧縮を行う場合、圧縮品の形状・寸法は規定しないが、保管中や運搬中に圧縮品が解体しないよう適切な圧力で圧縮されたい。
    •   ・対象物が小物等でそのままでは結束が困難であったり、周囲への散乱が懸念される場合は、紙製の袋に入れた後に他の紙製容器包装廃棄物と一緒に結束する等の措置をとること。
    •   ・運搬効率及び脱墨上の問題から、収集・保管時に濡れることのないよう適切な措置をとること。
  3.  ③ 異物の取り扱い
    •   ・紙製容器包装の場合は、分別基準通りに分別収集、選別しようとしても「容器包装」以外の紙製品やそれに付随する異物が混入するおそれがあることから、市町村にあっては、住民に分別排出の徹底を求めるとともに、粗選別(目視での土、石、ビン、プラスチック類、金属類、新聞等の古紙類、生ごみ等の除去)を実施されたい。
  4.  ④ 食品残渣等有機物の取り扱い
    •   ・保管時の衛生対策から食品残渣等の付着がないよう洗浄及び拭き取り等で容易に付着物を除去できるものについては、付着物を除去した後に排出するとともに、付着物により汚れているものについては排出しないよう住民を指導されたい。

三 その他プラスチック製容器包装(飲料又はしょうゆ用ペットボトル以外)の分別基準

  1. ・原則として最大積載量が一万キログラムの自動車に積載することができる最大の容量に相当する程度の分量の物が収集されていること。
  2. ・圧縮されていること。ただし、白色の発泡スチロール製食品用トレイのみの場合にあっては、この限りでない。
  3. ・原材料として主として他の素材を利用した容器包装が混入していないこと。
  4. ・容器包装以外の物が付着し、又は混入していないこと。
  5. ・飲料又はしょうゆ用のペットボトルが混入していないこと。
  6. ・プラスチック製のふた以外のふたが除去されていること。
  7. ・白色の発泡スチロール製食品用トレイのみの場合にあっては、洗浄され、乾燥されていること。
<分別基準の運用方針>
  1.  ① 発泡スチロール製食品用トレイの取り扱い
    •   ・「その他プラスチック製容器包装」として「白色の発泡スチロール製食品用トレイ(以下「白色トレイ」という。)」だけの分別収集を同法に基づいて行うことができる。
    •   ・白色トレイとは、発泡ポリスチレンシートをトレイ状に成形した白色のものに限られ、カップ麺や持ち帰り弁当の発泡スチロール製容器は含まれない。
    •   ・白色トレイは、ペレット等のプラスチック原料を得る材料リサイクルを優先的に実施する運用を行うが、白色トレイの分別収集量が、材料リサイクルの再商品化能力を越える場合は、高炉原料化(高炉で用いる還元剤を得ること)、油化等の材料リサイクル以外の方法で再商品化されることとなるので、市町村にあってはこの点充分に承知されたい。
  2.  ② 保管単位
    •   ・通常一〇トン車に積載される程度の量が収集されればよく、実際の運搬に何トン車を使用するかは問われないものとして運用される。
  3.  ③ 保管形態
    •   ・「圧縮」とは、保管、運搬時の効率性を確保する観点から、ベーラー等の一般的な減容機で圧縮され、結束又は梱包等により形態の維持、小容器類の飛散対策が図られていることをいう。なお、再商品化施設での解体、異物除去が困難となることから圧縮後、表面を熱溶融して固着する方法は認められない。
    •   ・圧縮に当たっては、圧縮品の形状・寸法は規定しないが、再商品化施設での圧縮品の解体性を考慮し、嵩比重〇・二五~〇・三五t/m3程度に圧縮することが望ましい。このため、圧縮品の寸法(容積)と重量を計測することにより、概ね所要の嵩比重となるよう圧縮圧力の調整を行われたい。
          なお、再商品化施設で解体できることが確認できれば、嵩比重をさらに上げることが可能である。
    •   ・また、再商品化施設での異物除去が困難となることから、破砕、粉砕を行うことは認められない。
    •   ・白色トレイのみを分別収集する場合にあっては、圧縮、破砕、加熱減容等の減容は行わずに白色トレイのみをそのままプラスチック製の袋(ポリ袋等)に詰めて保管すること。
  4.  ④ 異物の取り扱い
    •   ・プラスチック製容器包装の場合は、分別基準通りに分別収集、選別しようとしても「容器包装」以外のプラスチック製品やそれに付随する異物が混入するおそれがあることから、市町村にあっては、住民に分別排出の徹底を求めるとともに、粗選別(目視での土、石、ビン、紙類、金属類、容器包装でないプラスチック製品、生ごみ等の除去)を実施されたい。
    •   ・白色トレイのみを分別収集する場合には、材料リサイクルを前提としていることから、異種材質品、着色品が混入していないこと、及び白色トレイに貼ってある紙類、フィルム類が取り除かれていることを徹底されたい。
  5.  ⑤ 食品残渣等有機物の取り扱い
    •   ・保管時の衛生対策から、食品残渣等の付着がないよう洗浄及び拭き取り等で容易に付着物を除去できるものについては、付着物を除去した後に排出するとともに、付着物により汚れているものについては排出しないよう住民を指導されたい。
    •   ・白色トレイのみを分別収集する場合にあっては、材料リサイクルを前提としていることから、住民に洗浄、乾燥の徹底を周知されたい。