法令・告示・通達

有害汚でいのコンクリート固型化処理に関する基準について

  • 公布日:昭和51年5月28日
  • 環水企82号

(各都道府県・各政令市担当部局長あて環境庁水質保全局企画課長通知)

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(以下「廃令」という。)においては、水銀若しくはその化合物又はシアン化合物を含む汚でい(当該汚でいを処分するために処理したものを含む。)であつて、判定基準に適合しないものの埋立処分を行う場合には、あらかじめコンクリート固型化を行うことによりこれに含まれる水銀等が漏れないようにすることを義務づけており(廃令第六条第一号ホ及びヘ)また、水銀、カドミウム、鉛、ひ素若しくはこれらの化合物、有機りん化合物、六価クロム化合物又はシアン化合物を含む汚でいであつて判定基準に適合しないものの海洋投入処分を行う場合には、コンクリート固型化を行うことにより当該汚でいに含まれる有害物質が漏れないようにすることを義務づけている(廃令第六条第三号ハ)。また、海洋汚染防止法施行令(以下「海令」という。)においても、水銀又はその化合物を含む汚でい(当該汚でいを処分するために処理したものを含む。)であつて判定基準に適合しないものを船舶から海面埋立地に排出する場合には、セメントにより固型化して排出することを義務づけている(海令第五条第三項)
 これらのコンクリート(セメント)固型化処理に関する基準については、かねて当局に「有害汚でいのコンクリート固型化処理基準検討委員会」(委員長 喜田村正次神戸大学教授)を設けてその具体的なあり方の検討を依頼していたところ、このたび別添のとおり報告があり、その趣旨からして、当該基準は具体的には下記によることが相当であると解されるので、この旨関係方面に周知のうえ、今後コンクリート(セメント)固型化処理を行うものについてその適正な運用を図られたい。

第一 廃令第六条第一号ホ及びヘ並びに海令第五条第三項の規定によるコンクリート(セメント)固型化処理に関する基準について

  1.  一 結合材は、水硬性セメントとし、その配合量は、コンクリート固型化物一立方メートル当たり一五〇キログラム以上とすること。
  2.  二 コンクリート固型化物の強度は、埋立処分を行う際の一軸圧縮強度を10kg/cm2以上とすること。この場合において、一軸圧縮強度は、「JISA:一一三二コンクリートの強度試験供試体の作り方」に規定する方法により作成した直径五センチメートル、高さ一〇センチメートルの供試体について、「JISA:コンクリートの圧縮強度試験方法」に規定する方法により測定するものとすること。
  3.  三 コンクリート固型化物の大きさ及び形状については、その体積(cm3)と表面積(cm2)との比を一(cm3/cm2)以上に、その最大寸法と最小寸法との比を二以下に、更に、その最小寸法を五センチメートル以上にすること。

第二 廃令第六条第三号ハの規定によるコンクリート固型化処理に関する基準について

  1.  一 結合材は、水硬性セメントとすること。
  2.  二 コンクリート固型化物の強度は、船舶に積み込む際の一軸圧縮強度を100kg/cm2以上とすること。この場合において、一軸圧縮強度は、「JISA一一三二:コンクリートの強度試験の供試体の作り方」又は「JISA一一〇七:コンクリートから切りとつたコアおよびはりの強度試験方法」に規定する方法により作成した直径一〇センチメートル、高さ二〇センチメートル又は直径一五センチメートル、高さ三〇センチメートルの供試体について、「JISA一一〇八:コンクリートの圧縮強度試験方法」に規定する方法により測定するものとすること。
  3.  三 コンクリート固型化物の大きさ及び形状については、その体積(cm3)と表面積(cm2)との比を五(cm3/cm2)以上に、その最大寸法と最小寸法との比を三以下に、更に、その最小寸法を三〇センチメートル以上にすること。
  4.  四 練り混ぜについては、汚でいと水硬性セメントが均質に練り混ぜられる方法を用いること。


別表

 有害汚でいのコンクリート固型化処理に関する基準について(抄)

(昭和五一年五月二六日)

  有害汚でいのコンクリート固型化処理基準検討委員会

二 コンクリート固型化処理基準の考え方

 (1) 埋立処分(船舶からの海面埋立処分を含む。)を行うコンクリート固型化物について

   埋立処分を行うコンクリート固型化物については、埋立処分の実施の際又は埋立地のしや断機能が万一保てなくなつた場合でも、風雨等によつて飛散又は流出しがたいものとすること、また、万一風雨等によつて飛散若しくは流出した場合又は埋立地のしや断機能が保てなくなつた場合でも当該コンクリート固型化物からの水銀若しくはその化合物又はシアン化合物の溶出が抑止されて、これらの物質による環境の汚染が生ずることのないものとすることを基本的な考え方とし、具体的には次のように考えた。

  •   イ 結合材については、汚でいに水分が含まれている状態でも容易に固型化でき、必要な物理的強度(以下、「強度」という。)が確実に得られるとともに、長期間にわたつてその強度が保たれる物質とすること。また、化学的には、水又は海水に難溶性であるとともに、有害物質の収着効果も期待できる物質とすること。
  •   ロ 強度については、埋立処分の実施の際又は当該コンクリート固型化物が万一風雨等によつて飛散若しくは流出した場合でも破損しがたいものとすること。
  •   ハ 大きさ及び形状については、埋立処分の実施の際又は埋立地のしや断機能が万一保てなくなつた場合でも、風雨等によつて飛散、流出又は破損しがたいものとし、更に同一体積に対して表面積がなるべく小さいものとすること。
  •   ニ 結合材の配合量については、コンクリート固型化物の所要の強度を確保するとともに、有害物質の化学的収着効果を確保し、及びその溶出を抑止するために必要な量以上の量とすること。
 (2) 海洋投入処分を行うコンクリート固型化物について

   海洋投入処分を行うコンクリート固型化物については、運搬中及び海洋投入処分時に風雨等によつて飛散又は破損しがたいものとすること。海洋投入処分によつて定められた海域に確実に沈降・着底させるとともに、その間及びその後において破損されることなく、かつ、当該コンクリート固型化物からの有害物質の溶出が抑止されて、これらの物質による海水の汚染が生じることのないものとすることを基本的な考え方とし、具体的には次のように考えた。

  •   イ 結合材については、汚でいに水分が含まれている状態でも容易に固型化でき、必要な強度が確実に得られるとともに、長期間にわたつてその強度が保たれる物質とすること。また、化学的には海水に難溶性であるとともに、有害物質の収着効果も期待できる物質とすること。
  •   ロ 強度については、海洋投入処分時及び着底時の衝撃力及び高い静水圧によつても破損しがたいものとすること。
  •   ハ 大きさ及び形状については、運搬中及び海洋投入処分時に風雨等によつて飛散又は破損しがたいものとし、更に、同一体積に対して表面積がなるべく小さいものとすること。
  •   ニ 結合材の配合量については、コンクリート固型化物の所要の強度を確保するとともに、有害物質の化学的収着効果を確保し、及びその溶出を抑止するために必要な量以上の量とすること。
  •   ホ 比重については、定められた海域に確実に沈降・着底させるために必要なものとすること。
  •   ヘ 練り混ぜについては、汚でいと結合材が不均質であれば強度が低下するので、均質に練り混ぜられる方法を用いること。

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