法令・告示・通達

廃棄物処理センターの指定申請等に係る留意事項について

  • 公布日:平成5年3月31日
  • 衛環112号

(各都道府県廃棄物行政主管部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知)

 廃棄物処理センター(以下「センター」という。)は、平成四年七月に施行された廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号。以下「法」という。)の改正により新たに設けられ、以来、既に、本年一月七日に岩手県の財団法人クリーンいわて事業団が第一号として厚生大臣の指定を受けたのに続き、去る三月一一日に大分県の財団法人大分県環境保全センターが指定されたところである。
 センター制度創設の趣旨は、産業廃棄物の処理施設の設置が困難となっていること、特別管理廃棄物や市町村において適正処理が困難な廃棄物が増大していること等の状況に鑑み、これらの廃棄物の適正かつ広域的な処理を確保することにあるが、前記の二県以外の都道府県においても、廃棄物に係るこのような状況を踏まえると、センターの制度を積極的に活用することが強く求められるようになっているものと考えられる。
 ついては、左記のとおりセンターの指定申請等に係る留意事項を定めたので、別紙一に添付した前記二法人の概要も参考にしつつ、センターの指定申請に向け鋭意検討及び準備を進められたい。
 なお、具体的なセンターの指定申請に係る手続については、別途通知(平成五年一月一一日付け衛環第三号水道環境部長通知「廃棄物処理センターの指定申請等に係る手続について」。以下「申請手続通知」という。)しているので、これを参照されたい。

一 センターの指定に係る当省との連絡調整

  センターの指定が円滑に行われるようにするため、格都道府県において指定を受けようとする場合には、準備段階から当省と密接に連絡をとられたいこと。なお、センターの指定に至るまでの具体的な事務については、別紙二にフロー図を添付しているので、これを参考にして当省への連絡等に遺憾のないようにされたいこと。

二 センターの目的

  センターの目的は、特別の管理を要する廃棄物等の適正かつ広域的な処理の確保に資することとされており(法第一五条の五第一項)、この目的を達成するために、センターは一つ又は複数の処理施設を整備し、それを運営することを主要な業務とするものであること。なお、この場合の「広域的な処理」とは、廃棄物の受入れに当たって地域について明示的に限定を加えないことを意味するものであり、従って、廃棄物、特に産業廃棄物の受入れを例えば一定の地域を限定して行うことをセンターの寄附行為において規定した場合には、センターの指定を受けることができないこと。

三 センターの業務

 (一) 業務と指定の関係

   センターは、法第一五条の六及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四六年厚生省令第三五号)第一二条の一三の定めるところにより、法第一五条の六各号に掲げる業務の全部又は一部を行うものとされているが、センター指定後これらの業務を直ちに行う予定がなければ指定を受けることができないものではなく、将来これらの業務を行うことが予定されていれば足りるものであること。なお、これらの業務については、寄附行為又は定款(以下「寄附行為等」という。)に明記するほか、廃棄物処理センター指定要綱(申請手続通知に(別紙)として掲載)第二条第五号の基本的な計画書等の指定申請を行う際の添付書類において、センターの業務に関する将来構想としてその内容、開始予定時期等を明記されたいこと。

 (二) 処理施設の建設業務と処理業務の関係

   センター制度創設の趣旨に鑑み、廃棄物の処理を行うことと当該処理を行うための施設の建設等を行うこととは一体として行われるべきものであること。したがって、例えば処理施設の建設はセンターが行うが、処理事業は他の事業主体が施設を借り受けて行う等の形態をとることは予定されていないこと。

 (三) 規定業務以外の業務

   法第一五条の六の規定の趣旨は、センターとして指定を受けるためには少なくとも同条各号に掲げる業務(以下「規定業務」という。)を行うことが寄附行為等において規定されていることが必要であるということであり、規定業務以外の業務をセンターが行うことを妨げるものではないこと。ただし、センターが規定業務以外の業務を行うことにより、規定業務の適正な運営が阻害されるおそれが大きい場合にはこの限りではないこと。

 (四) 法第六条の三第一項の規定による指定に係る一般廃棄物に関する業務

   (一)で述べたとおり、センターは指定後法第一五条の六各号に掲げる業務を直ちに行わなければならないものではないので、法第六条の三第一項の規定による指定に係る一般廃棄物(現時点では厚生大臣の指定を受けたものは存在しない。)についても、その処理及び処理施設の建設等を寄附行為等において明記することは差し支えないものであること。なお、当省では廃棄物の適正処理困難性に関する調査(衛環第三〇二号水道環境部環境整備課長通知を参照)を行い、現在その取りまとめを行っているところであり、この調査結果を十分に検討のうえ指定を行うことを予定していること。

四 基本財産への拠出

  法第一五条の五第一項において、センターはその基本財産たる財産のうちに地方公共団体から拠出されたものがあることを必要としているが、これは公共の信用力を活用して安全性・信頼性の確保を図りつつ、民間の資本、人材、ノウハウを活用して施設整備を促進していくためには、センターは原則として第三セクターであることが必要であるという趣旨であり、従って、官民の基本財産への拠出割合は、官民がそれぞれに役割を果たすことが期待できるようなものとなるようにされたいこと。なお、官民の基本財産への拠出割合がどちらかに大きく偏らざるを得ない場合には、事前に当省へ相談されたいこと。
  また、センターは都道府県ごとに一個に限り指定されるものであることから、当該都道府県内の市町村や民間事業者等から幅広く拠出を受けたものとなるよう配慮されたいこと。

五 センター指定申請に関する意思の決定

  センターの指定申請に際しては、指定の申請に関する意思の決定を証する書面を添付することとされており(廃棄物処理センター指定要綱第二条第二項第四号)、この場合、通常は理事会において指定申請が承認された旨を記載した理事会の議事録を添付することとなるので、理事会の開催が遅れ、センターの指定申請に支障が生じることのないよう、理事会の開催時期等について十分留意されたいこと。

六 都道府県知事の副申書

  センターの指定申請に際しては、センターとして指定されることが適当である旨を記載した都道府県知事の副申書を添付することとされている(廃棄物処理センター指定要綱第二条第二項第八号)が、センターに係る厚生大臣の権限のうち、事業計画の届出等に関する事項、報告の徴収及び立入検査に関する事項並びに監督命令に関する事項については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四六年政令第三〇〇号)第一三条により都道府県知事に委任され、センター指定後は都道府県知事自らが監督を行うこととされていることに鑑み、センターの業務内容等を十分に吟味し、業務の適正な運営が十分かつ継続的に確保されると見込まれるものについて責任をもって副申書を作成すること。

七 既存の法人の指定申請

  各都道府県の中には、既に第三セクターを設立し、廃棄物の処理及び当該処理施設の建設等を業務として行っているところも幾つか存在するが、これらの都道府県において、新規に財団法人等を設立しセンター指定を受ける予定がない場合には、既存の第三セクターについてセンターの指定を受けるべく積極的に取り組まれたいこと。なお、既存の第三セクターについてセンター指定を受けようとする場合には、前記二~四の留意点を踏まえ、寄附行為等における当該第三セクターの目的、業務、基本財産に対する官民の拠出割合等について適宜修正を行うこと。

八 産業廃棄物処理特定施設整備法による特定施設整備計画の認定等との関係

  センターの指定は、厚生大臣が一定の要件を満たす法人に対して行うものであり、当該法人が行う処理施設の整備計画に対して行うものではないことから、センターの指定申請に係る手続と産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律(平成四年法律第六二号)に規定する主務大臣による整備計画の認定に係る手続、環境事業団法(昭和四〇年法律第九五号)に規定する産業廃棄物処理施設の建設譲渡事業に係る厚生大臣による事業実施計画の認可に係る手続等処理施設の整備に係る手続とは、別個に同時平行的に進められたいこと。

九 財政上、税制上の優遇措置

  センターに係る財政上、税制上の優遇措置としては、以下の措置が認められており、これらの措置を十分に活用されたいこと。

 (一) 最終処分場の安全性及び信頼性確保のための施設に対する直接補助

   センターが埋立処分場の整備に当たり必要な環境影響評価、地下水観測設備や水質検査設備の整備等の事業を行う場合に、一/二の補助率で一センター一億円(事業費ベースでは二億円)を上限として補助を行うこととしていること。(平成五年度予算案では、三億円が計上されている。)
   なお、具体的な補助金の交付手続、補助対象事業等については、別途通知(平成五年一月二七日付け厚生省生衛第五三号厚生事務次官通知「平成四年度広域廃棄物埋立処分場施設整備費(安全性等確保事業)の国庫補助について」)しているので、これを参照されたいこと。

 (二) 市町村へ補助すべき廃棄物処理施設整備費補助のセンターへの直接交付

   国は、市町村に対し、ごみ処理施設の設置に要する費用等の一部を補助することができることとされている(法第二二条)が、センターがその業務として市町村の委託を受けて一般廃棄物処理施設の建設等の工事を行う場合には、その工事に要する費用に関し市町村に交付すべき当該補助金を、直接センターに対し交付することができるとされていること(法第一五条の一一第一項)。

 (三) 一定の要件に該当する一般廃棄物処理施設について市町村へ交付すべきNTT―Bタイプ融資のセンターへの直接融資

   一定の区域の整備及び開発の事業の一環として一体的かつ緊急に実施する必要がある一般廃棄物処理施設建設の事業で市町村が行うものについては、NTT―Bタイプ融資(補助金型)の対象とされている(法附則第四条第一項)が、センターがその業務として市町村の委託を受けて前記のNTT―Bタイプ融資の対象となる一般廃棄物処理施設の建設等の工事を行う場合には、その工事に要する費用に関し市町村に対し行う当該融資を、直接センターに対し行うことができるとされていること(法附則第五条第一項)。

 (四) 事業の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税

   センターが法第一五条の六第一号から第四号までに規定する業務の用に供する土地(事務所、宿舎、遊技施設等の用に供する土地を除く。)については、特別土地保有税が非課税とされていること(地方税法第五八六条第二項第四号、地方税法施行令第五四条の一五の二、地方税法施行規則第一六条の七の二)。

 (五) センターの基金に対する事業者の出えん金についての損金算入の特例

   センターが法第一五条の七第一項の規定に基づき法第一五条の六第三号又は第四号に掲げる業務〔産業廃棄物の処理、当該処理施設の建設等に係る業務〕に関する基金を設けた場合においては、事業者の当該基金に対する出えん金は、出えん方法等が一定の要件(当該基金に対する出えん者は非出えん者よりも処理料金が低く設定されていることなど)を満たしていれば、自己が便益を受ける公共的施設の設置又は改良のために支出する費用(法人税法施行令(昭和四〇年政令第九七号)第一四条第一項第九号イ)として、繰延資産(法人税法(昭和四〇年法律第三四号)第二条第二五号)の取扱いを受け、当該出えん金について一定の償却期間内における損金算入が認められること。なお、具体的に必要となる出えん方法等に係る要件については、当省へ相談されたいこと。

 (六) 出資金及び貸付金の起債に係る措置

   センターに対する地方公共団体の出資金及び有利子の貸付金については、センターの行う事業が公共的性格が強いと認められる場合には、地方債の起債が認められるものであること。特に、出資金の起債については、その運用において、地方公共団体が法人に出資することができる旨の規定が法律上設けられていることが必要であるとされているが、センターの場合は、①その基本財産に対して法律上地方公共団体が拠出することが必要とされていること、また、②事業者等から出えんを受けて造成される基金についてもこの場合の「事業者等」には地方公共団体も含まれると解されることから、基本財産への拠出、基金への出えんは共に上記の要件を満たしており、センターの行う事業が公共的性格が強いと認められる場合に限り、起債が認められるものであること。なお、具体的な起債計画の策定に当たっては、当省と密接な連絡をとられたいこと。

一〇 その他

 (一) 廃棄物処理施設の許可及び廃棄物処理業の許可との関係

   センターの指定は、法第一五条の六に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められる法人について行うものであることから、法に規定する廃棄物処理業の許可を受けることができないことが明らかであるものに対しては、センターの指定は行われないものであること。

 (二) センターに係る権限の委任

   センターに対する報告の徴収及び立入検査に関する権限については、都道府県知事に委任することとされている(法第一五条の一六)が、センターの指定の取消しに関し必要な場合には、厚生大臣自ら報告の徴収及び立入検査を行うこととしていること。ただし、その必要性の有無については都道府県知事の報告に基づいて確認することとしているので、適宜、センターの運営状況等につき報告されたいこと。

 (三) 地域総合整備資金貸付(いわゆるふるさと融資)の活用

   地方公共団体による地域総合整備資金貸付(無利子)については、地方総合整備資金貸付事業債の発行が認められる(起債充当率一〇〇%)ほか、利子分には交付税措置(原則として七五%を事業費補正)が講じられることとなっていることから、センターがこの貸付を活用することができるよう、地方公共団体が策定する地域振興民間能力事業計画においてセンターが行う処理施設の整備事業を位置づける等の配慮を行われたいこと。

 (四) 広域最終処分場等計画調査の活用

   厚生省では、平成三年度より、広域最終処分場等計画調査として特別管理廃棄物等の排出量、市町村又は民間処理業者による処理状況、広域移動量等のセンターの整備に係るバックグラウンドやセンターの経営環境基盤を調査してきており、平成三年度においては茨城県、山口県、高知県及び大分県、平成四年度においては青森県、石川県及び鹿児島県が対象となっている(平成五年度においては未だ対象都道府県を決定していない。)。各都道府県におかれては、これらの調査結果を参考にしてセンター整備を推進されたいこと。

別表
  既に廃棄物処理センターとして指定を受けた法人の概要

 1 財団法人 クリーンいわて事業団(平成5年1月7日指定)

  (1) 住所

    岩手県盛岡市内丸10番1号

  (2) 法人の設立年月日

    平成3年11月11日

  (3) 目的

    産業廃棄物の適正な処理その他廃棄物に関する各種事業を行うことにより、県民の生活環境の保全と公衆衛生の向上に寄与すること。

  (4) 事業
  1.    ① 産業廃棄物の処理に関する事業
  2.    ② 市町村の委託を受けての一般廃棄物の処理に関する事業
  3.    ③ 産業廃棄物の適正処理技術の研究指導に関する事業
  4.    ④ 廃棄物の減量化及びリサイクルに関する事業
  5.    ⑤ その他この法人の目的を達成するために必要な事業
  (5) 役員
  •     理事長 工藤 巌(岩手県知事)
  •     副理事長 石井冨士雄(岩手県商工会議所連合会会長)
             佐々木 浩(岩手県副知事)
  •     常務理事 佐柳 進(岩手県環境保健部長)
  •     ほか理事 8名、監事 2名
  (6) 基本財産及び基金の額
  1.    ① 基本財産
         1,020万円
         (岩手県及び県内市町村―500万円
         (民間経済団体等―520万円
  2.    ② 基金
         岩手県、県内市町村及び民間排出事業者等の出えんを得て、約25億円を目途に造成予定。これにより産業廃棄物処理施設建設費の約20%が自己資金として確保できる見込み。
  (7) 処理施設整備計画の概要

    岩手県江刺市において、産業廃棄物処理特定施設整備法による特定施設整備計画の認定を受け(平成5年3月8日認定)、その整備を行う。特定施設は、管理型最終処分場、焼却施設、破砕施設のほか、研究開発施設、研修施設、展示施設、余熱利用施設等から構成されている。

 2 財団法人 大分県環境保全センター(平成5年3月11日指定)

  (1) 住所

    大分県大分市府内町3丁目7番19号

  (2) 法人の設立年月日

    平成4年12月28日

  (3) 目的

    廃棄物の処理及び再生を広域的に行うとともに、事業者等に対する廃棄物の適正処理に関する普及啓発、技術指導等を行うことにより、廃棄物の適正処理を確保し、もって県民の生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与すること。

  (4) 事業
  1.    ① 産業廃棄物の処理並びに当該処理を行うための施設の建設及び改良、維持その他の管理を行うこと。
  2.    ② 廃棄物の減量化及び再生に係る処理並びに当該処理を行うための施設の建設及び改良、維持その他の管理を行うこと。
  3.    ③ 市町村の委託を受けて、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第6条の3第1項の規定による指定に係る一般廃棄物の処理並びに当該処理を行うための施設の建設及び改良、維持その他の管理を行うこと。
  4.    ④ 市町村の委託を受けて、一般廃棄物の処理並びに当該処理を行うための施設の建設及び改良、維持その他の管理を行うこと。(前号に掲げる事業を除く。)
  5.    ⑤ 廃棄物の適正処理及び再生技術の研究並びに指導研修に関すること。
  6.    ⑥ 廃棄物の処理の啓発に関すること。
  7.    ⑦ その他この法人の目的を達成するために必要な事業
  (5) 役員
  •     理事長 飯田志農夫(大分県副知事)
  •     副理事長 木下敬之助(大分市長)
             佐藤諄之助(大分県環境保全協議会会長)
             谷口 来 (社団法人大分県産業廃棄物処理業協会会長)
  •     ほか理事 16名、監事 2名
  (6) 基本財産
  1.    ① 基本財産
         5,000万円
         (大分県―2,400万円
         (県内市町―1,000万円
         (民間経済団体等―1,600万円
  2.    ② 基金
         大分県、県内市町村、民間排出事業者等の出えんを得て、約9億円を目途に造成予定。これにより産業廃棄物処理施設建設費の約30%が自己資金として確保できる見込み。
  (7) 処理施設整備計画の概要
  1.    ① 廃棄物の広域埋立処分事業として、大分県大分市住吉沖の海面に最終処分場を確保する。
  2.    ② また、建設廃材再資源化事業として、コンクリート片、アスファルト片等を骨材等に資源化するため再資源化プラントを建設する。


図:廃棄物処理センターの指定申請等の一般的な流れ

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