法令・告示・通達

産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備事業のために買い取られた土地等の譲渡に係る一五〇〇万円控除の特例の適用について

  • 公布日:平成7年6月9日
  • 衛産52号

(厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長から各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長あて)

 平成六年度税制改正において、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律(平成四年法律第六二号。以下「特定施設整備法」という。)による認定を受けた整備計画に基づく特定施設の整備事業の用に供するために、土地等が地方公共団体又は特定の第三セクターに買い取られる場合における当該土地等の譲渡に係る所得税又は法人税の課税上一五〇〇万円の特別控除を認める特例制度の創設が認められたところであるが、平成七年度税制改正により、管理型最終処分場の逼迫等を背景に、産業廃棄物の処理施設のより一層の設置促進を図る必要があるため、当該特例制度の適用要件であった、特定施設の整備事業が特定施設整備法第一一条第一項に規定する特定周辺整備地区内で行われることとする要件が廃止されたところである。
 本制度の趣旨、内容並びに適用に係る手続は左記のとおりであるので、各都道府県・政令市においては、特定施設の整備主体となると見込まれる第三セクターに対し本制度の内容について周知を図り、本制度が積極的に活用されるよう努められたい。
 なお、以下では、租税特別措置法(昭和三二年法律第二六号)を「租法」と、租税特別措置法施行令(昭和三二年政令第四三号)を「租令」と、租税特別措置法施行規則(昭和三二年大蔵省令第一五号)を「租則」と、それぞれ略称する。
 なお、本通知の内容については国税庁とも協議済みであるので、念のため申し添える。
 平成六年五月九日付け衛産第五一号当職通知「産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備事業の用に供するために、土地等が地方公共団体又は特定の第三セクターに買い取られる場合の譲渡所得の特別控除について」は廃止する。

1 制度の趣旨

  特定施設整備法は、経済社会の発展を反映して、産業廃棄物の排出量が増大し、その種類が多様化する一方で、周辺住民の理解が得にくいことや産業廃棄物処理業者の資本力の不足などから、最終処分場をはじめとした産業廃棄物処理施設の設置が困難となってきている状況に対処するため、平成四年九月に施行されたものであり、本特例制度は、この産業廃棄物の処理に係る特定施設を整備するために必要な用地の取得を容易にし、当該特定施設の整備を円滑に進めていくことができるようにするものである。
  なお、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成六年政令第三〇六号)の施行により、自動車等破砕物の埋立処分を行う場合、管理型産業廃棄物としての埋立処分が義務付けられたことに伴い、管理型最終処分場をはじめとした産業廃棄物の処理施設の逼迫が今後とも続くことが予想されること等産業廃棄物処理に係る現下の状況に鑑み、平成七年度税制改正により本特例制度の適用要件が緩和され、特定施設整備事業が特定周辺整備地区内で行われることとする要件が廃止されている。

2 制度の内容

  1.  (1) 概要
    1.   ① 特例が受けられる場合
          特定施設整備法第二条第二項に規定する特定施設の整備の事業(一定の要件((2)②を参照)に該当するものに限る。)の用に供するために、土地等(土地又は土地の上に存する権利(所得税法(昭和四〇年法律第三三号)第二条第一項第一六号に規定する棚卸資産等及び法人税法(昭和四〇年法律第三四号)第二条第二一号に規定する棚卸資産に該当するものを除く。以下「土地等」という。)が地方公共団体又は特定法人((2)①を参照)に買い取られる場合。
    2.   ② 特例の内容
      1.    ⅰ 所得税
             個人が所有している前記①の土地等が買い取られる場合には、課税長期譲渡所得金額又は課税短期譲渡所得金額の計算上、これらを通じて、一五〇〇万円の特別控除額が控除される(租法第三四条の二第二項第一〇号)。
      2.    ⅱ 法人税
             法人(清算中の法人を除く。)が所有している前記①の土地等が買い取られる場合には、一五〇〇万円までの金額を損金の額に算入することができる(租法第六五条の四第一項第一〇号)。
  2.  (2) 特例を受けるための具体的要件
    1.   ① 特定施設の整備主体
          特定施設の整備主体は、特定法人(以下に掲げる法人をいう。以下同じ。)に該当することが必要である。(租令第二二条の八第二〇項及び第三九条の五第二一項)
      1.    ⅰ 地方公共団体の出資に係る法人のうち、その発行済株式の総数又は出資金額の二分の一以上が一の地方公共団体により所有され又は出資をされているもの
           又は、
      2.    ⅱ 民法(明治二九年法律第八九号)第三四条の規定により設立された法人のうち、次に掲げる要件のいずれかを満たすもの
        1.     イ その拠出をされた金額の二分の一以上の金額が地方公共団体により拠出をされていること。
        2.     又は、
        3.     ロ その拠出をされた金額の四分の一以上の金額が一の地方公共団体により拠出をされていること。
    2.   ② 特定施設の整備事業に係る要件
          特定施設の整備の事業が、特定施設整備法第四条第一項の規定による認定を受けた同項の整備計画(次に掲げる事項の定めがあるものに限る。)に基づいて行われるものであること。(租令第二二条の八第二一項及び第三九条の五第二二項)
      1.    イ ①に掲げる特定施設の整備主体(特定法人)が当該特定施設を運営すること。(なお、①に掲げる整備主体が運営に係る事務の一部の委託を行うことは可能である。)
      2.    ロ 当該特定施設の利用者を限定しないこと。

3 特例の適用を受けようとする場合の手続

  1.  (1) この特例の適用を受けようとする者は、確定申告書等(法人税の確定申告書及び中間申告書を含む。)にこの特例の適用を受けようとする旨を記載するとともに、確定申告書等に次の書類を添付することが必要であるため、本特例に係る特定法人又は地方公共団体は、特定施設の整備の事業の用に供するために土地等の買取りをした場合には、当該土地等を譲渡した個人又は法人に対して、これらの者の確定申告書等に添付する次の書類を交付しなければならない。(租則第一七条の二第一項第一四号及び第二二条の六第一項第一四号)
    1.   ① 土地等の買取りをする者が地方公共団体又は特定法人に該当する旨を厚生大臣が証する書面(別記様式第1号)
    2.   ② 特定法人が行う特定施設の整備の事業が2(2)②に掲げる要件を満たすものである旨を厚生大臣が証する書面(別記様式第1号)
    3.   ③ 土地等を特定施設の整備の事業(2(2)②に掲げる要件に該当するものに限る。)の用に供するために買い取ったものである旨を当該土地等の買取りをする者が証する書類(別記様式第2号)
  2.  (2) (1)①及び②に係る厚生大臣の証明を受けようとするときは、別記様式第1号の証明申請書(別記様式第1号付表の添付のあるものに限る。)を厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室に提出しなければならない。
       証明に係る申請者は、①、②ともに土地等の買取りを行った者とすることとし、土地等を地方公共団体が買い取り、当該土地等を特定法人に譲渡し、当該特定法人が特定施設の運営主体となる場合については、買い取られた土地等を、租法第三四条の二第二項第一〇号又は第六五条の四第一項第一〇号の事業の用に供することについての地方公共団体と特定法人との間における取決めに関する書面を別記様式第1号の申請書に添付する。
       なお、土地等を地方公共団体が買い取り、当該土地等を特定法人に貸与する場合については、本特例制度の適用はない。
  3.  (3) また、(1)③の証明は土地等の買取りを行う者が行うこととし、その様式は、別記様式第2号によること。
  4.  (4) 地方公共団体又は特定法人は、この特例に係る土地等の買取りを行った場合には、一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び一〇月から一二月までの各期間に支払うべき当該買取りに係る対価についての所得税法第二二五条第一項第九号の規定による調書を、当該各期間に属する最終月の翌月末日までに、当該事業の実施に係る営業所、事務所その他の事業場の所在地の所轄税務署長に提出しなければならないこと。

4 その他留意事項

  1.  (1) 都道府県知事は、特定法人に対し、本特例制度は、特定施設整備法第四条第一項の規定による認定の後に当該特定施設の用に供するために買い取られた土地等にのみ適用され、当該認定前に買い取られた土地等については適用がないこととなるので、土地等の買取りは当該認定の後に行うよう指導すること。
  2.  (2) 当該認定前に念書的性格を有するに過ぎない売渡承諾書等を地権者から受理することを妨げるものではないが、国土利用計画法第二三条等に抵触しないよう留意されたいこと。
  3.  (3) 都道府県知事は、特定法人に対し、特定施設の用に供するため土地等を買い取る場合には、本特例制度の的確かつ円滑な運用を図るため、土地等の買取りに着手する前に、国税局又は税務署との間で当該事業に係る特例制度の適用関係について事前協議を行うよう指導すること。

5 土地収用における譲渡所得の特別控除制度と本特例制度の関係について

  譲渡所得に係る特例制度には、本特例制度の他に、租法第三三条第一項若しくは第三三条の四第一項又は第六四条第一項若しくは第六五条の二第一項の規定により、土地収用法(昭和二六年法律第二一九号)第三条第二七号に規定する廃棄物の処理施設(廃棄物の処分に係るものに限る。)の用に供するため、土地等が地方公共団体に買い取られた場合の代替えの特例並びに五〇〇〇万円特別控除の特例を認める制度がある。これらの特例は、土地収用法第一六条の規定による事業認定を実際に受けていない場合であっても、廃棄物の処理施設(廃棄物の処分に係るものに限る。)の設置の用に供するための土地等の買取りを対象とするものではあるが、地方公共団体が土地等を買収し、地方公共団体が廃棄物の処理施設を設置しようとする場合に限って適用されるものであることに留意すること。

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