法令・告示・通達

一般廃棄物の溶融固化物の再生利用の実施の促進について

  • 公布日:平成10年3月26日
  • 生衛発508号

(各都道府県知事・政令市市長あて厚生省生活衛生局水道環境部長通知)
 一般廃棄物の高温による溶融固化については、一二〇〇℃以上の温度でダイオキシン類を分解し、その削減に有効であるとともに、廃棄物の減容化に資するものである。また、溶融固化により得られた固化物(いわゆる溶融スラグ)は路盤材やコンクリート用骨材などに利用することも可能であり、この場合には、最終処分場の延命化に一層効果的である。
 こうしたことから、一般廃棄物の溶融固化については、かねてより、「ごみ処理に係るダイオキシン類の削減対策」(平成九年一月二八日付け衛環第二一号)等により、ごみ焼却施設の新設に当たっては原則として溶融固化施設等を設置するなど、その実施の促進について貴管下市町村に対する指導方お願いしてきたところである。
 一般廃棄物の溶融固化については、今後、さらにその実施を促進する必要があるが、とりわけ、溶融固化物の有効かつ適正な利用を促進していくことが望まれるところである。
 溶融固化物の有効かつ適正な利用を促進していくためには、再生の段階において、その利用についても十分留意してこれを行うことが重要である。
 このため、今般、別添のとおり、溶融固化物の再生利用の観点も含め、一般廃棄物の溶融固化の実施に当たり遵守することが望ましい事項を示した指針を定めたので、貴職におかれては、下記事項にも留意のうえ、本指針に基づく適正な再生利用の実施の促進が図られるよう、貴管下市町村を指導されたい。

 市町村が溶融固化した溶融固化物であって、別添の「一般廃棄物の溶融固化物の再生利用に関する指針」中の溶融固化物に係る目標基準に適合するもの(以下「目標基準適合溶融固化物」という。)につき、市町村が自ら発注した公共建設工事において利用される場合には、当該利用は廃棄物の処分に該当するものではないとして差し支えないこと。ただし、この場合、市町村においては、溶融固化物の利用に関する内容を施工条件として設計図書に明示するなど、溶融固化物の適正な利用について十分な配慮を行うこと。

    一般廃棄物の溶融固化物の再生利用に関する指針

一 趣旨

  溶融固化とは、燃焼熱や電気から得られた熱エネルギー等により、焼却灰等の廃棄物を加熱し、超高温条件下で有機物を燃焼、ガス化させるとともに、無機物を溶融した後に冷却してガラス質の固化物(以下「溶融固化物」という。)とする技術であり、重金属の溶出防止及びダイオキシン類の分解・削減に極めて有効である。
  溶融固化物については、その品質が確保されれば、路盤材やコンクリート用骨材等に利用することが可能であり、その利用を適切に進めることは、最終処分場の延命化を図るうえでも極めて重要である。
  しかしながら、焼却灰等は鉛等を含有することから、生活環境への不安が溶融固化物の適正な利用を阻害する一因にもなっている。また、溶融固化物の安定的な利用先が確保されないことが、溶融固化の実施が進まない要因ともなっている。
  このため、本指針は、生活環境の保全の観点から、溶融固化物の利用についても十分留意しつつ、一般廃棄物の溶融固化の実施に当たり遵守することが望ましい事項を定め、これに基づく溶融固化物の適正な再生利用の実施に資することを目的とする。

二 溶融固化物の用途

  溶融固化物の用途としては、以下のようなものが考えられる。

  1.  (一) 路盤材(路床材、下層路盤材、上層路盤材等)
  2.  (二) コンクリート用骨材、アスファルト混合物用骨材
  3.  (三) 埋め戻し材
  4.  (四) コンクリート二次製品用材料(歩道用ブロック、空洞ブロック、透水性ブロック等)等

三 溶融固化物に係る目標基準

  溶融固化の実施に当たっては、再生により得られる溶融固化物の利用についても十分留意することが重要であり、その利用により土壌や地下水の汚染等を生じることのないよう、その安全性が確実に確保されなければならない。
  このため、生活環境の保全の観点から、溶融固化を行うに当たり満たすことが望まれる基準として、溶融固化物に係る目標基準を定めるものとする。
  一般廃棄物の溶融固化物に係る目標基準は、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、総水銀、セレンの六項目とし、これらの項目に係る溶出基準は下表のとおりとする。

  一般廃棄物の溶融固化物に係る目標基準
項目
溶出基準
カドミウム
0.01mg/l以下
0.01mg/l以下
六価クロム
0.05mg/l以下
砒素
0.01mg/l以下
総水銀
0.0005mg/l以下
セレン
0.01mg/l以下

 (備考) 溶出試験の方法は、「土壌の汚染に係る環境基準について」(平成3年環境庁告示第46号)に定める方法によるものとする。
  一般廃棄物の溶融固化物については、ガラス質で飛散のおそれがなく、また、再生の過程で一二〇〇℃以上の高温条件下に置かれ有機物が分解されるため、「土壌の汚染に係る環境基準について」(平成三年環境庁告示第四六号)の別表に掲げる二五項目のうちこれらの六項目について測定すれば足るものと考えられる。
  また、利用に当たっては、用途に応じて、強度、耐久性、品質等の規格を満たす必要がある。
  なお、今回定めた目標基準は、土壌の汚染に係る環境基準と同レベルであり、これを満たせば各種の用途に用いられた場合にあっても十分に安全と考えられるものである。今後、溶融固化物の製品としての規格等が定められた場合や用途がさらに拡大された場合等にあっては、用途に応じた見直しを検討するものとする。

四 再生に関し、遵守すべき留意事項

  1.  (一) 溶融については、あらかじめ対象となる廃棄物の溶融点を計測のうえで、溶融炉内の温度を概ね一二〇〇℃以上の高温条件下に保つことにより行うこと。
  2.  (二) 溶融に伴い生じるばいじんについては、セメント固化等により無害化すること。
  3.  (三) 溶融固化物の冷却を水冷方式により行う場合には、冷却水の温度、pH、水量、水質等を適切に管理するとともに、冷却水の適正な処理を行うこと。
  4.  (四) 排ガスについては、バグフィルター等の高度の機能を有する排ガス処理設備により処理すること。
  5.  (五) 再生された溶融固化物については、定期的に溶出試験を行うことにより、溶融固化物に係る基準への適合性を確認すること。特に、溶融設備の稼働当初においては、再生された溶融固化物に係るデータが十分に集積していないことから、少なくとも月に一回は溶出試験を行うこと。
  6.  (六) 溶融固化物の品質を安定させるため、焼却灰とばいじんの割合を均一化するなど、廃棄物の成分に留意すること。
  7.  (七) 溶融固化物の安定的な利用先の確保に努め、適正な保管量を超えることのないよう留意すること。また、溶融固化物の利用先の確保については、土木部局等の関係部局とも密接な連携を図ること。
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