法令・告示・通達

悪臭物質の測定の方法の一部改正について

  • 公布日:昭和59年3月21日
  • 環大特52号

[改定]

平成5年9月8日 環大特95号

環境庁大気保全局長から都道府県知事・指定都市市長あて

 悪臭物質の測定の方法の一部を改正する告示(昭和59年環境庁告示第7号)が昭和59年3月21日付けをもつて告示され、昭和59年4月1日から適用されることとなつた。本改正の概要及び測定に当たつての留意事項は下記のとおりであるので、貴職におかれては、改正の趣旨を十分理解され、悪臭物質の適確な測定に遺憾なきを期されたい。
 また、都道府県知事におかれては、本通知の趣旨を貴管下市町村長(指定都市を除く。)に周知徹底されたい。
 なお、悪臭物質の測定に関する事務は、市町村長が執行することとなつているが、専門的な知識や経験を必要とするものであるので、都道府県知事におかれては、専門職員の確保及び養成、測定機器の整備等について、貴管下市町村長の指導に努められたい。

第1 アンモニアの測定方法(敷地境界線における濃度の測定)について

 1 試料捕集方法について

  1.   (1) 従来の硫酸ろ紙による方法では、ブランク値が高く、ばらつきが大きいため、ほう酸溶液吸収法に改めたこと。
  2.   (2) 吸収びんに装着する半溶融ガラス製のろ過球は、びん内が極端な負圧にならないように十分目の粗いものを使用すること。なお、ろ過球の目づまり、その他やむを得ない理由により、10リツトル/分の一定流量で通気することが困難であり、かつ、分析感度に十分余裕がある場合には、若干低い流量で通気しても差し支えないこと。

 2 呈色反応について

   従来のピリジン・ピラゾロン法では、ピリジンのロツトによる発色のばらつきが大きいため、インドフエノール法に改めたこと。なお、次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素の濃度は、調製の都度、日本工業規格K0102の36の注3に定める方法により定量すること。

第2 メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル及び二硫化メチルの測定方法について

 1 敷地境界線における濃度の測定について

  1.   (1) 校正用ガスの調製方法について
        校正用ガスは、各地方公共団体の測定設備等の実情に応じて、パーミエーシヨンチユーブ法(液化ガスを封入したテフロンチユーブを恒温槽内に保持し、浸透拡散する液化ガスを希釈ガスで希釈して連続的に微量濃度ガスを得る方法)若しくはこれと同等以上の精度を有する方法又は校正用ガスびんを用いるガス希釈法のいずれかの方法によつて調製すること。校正用ガスびんを用いてメチルメルカプタン校正用ガス又は硫化水素校正用ガスを調製する場合において、メチルメルカプタンガス又は硫化水素ガスをガスシリンジに採取する際は、外部に漏れることのないよう、いつたん試料採取袋に採取する等、測定者の健康に注意し、また、調製した校正用ガスの廃棄に当たつては周辺環境の保全に留意すること。
        なお、パーミエーシヨンチユーブ法と同等以上の精度を有する方法とは、例えば流量比混合法等が考えられること。
  2.   (2) 削除
  3.   (3) 試料の濃縮について
        従来は、採気後1時間以内に、被検成分の全量を試料濃縮管に捕集することとしていたが、ポリふつ化ビニルフイルム製等の試料採取袋では被検成分の保存性が比較的良好であるため、これを採気後12時間以内に、一定量を試料濃縮管に捕集することと改めたこと。また、移動測定車によりガスクロマトグラフ分析装置を試料採取地点に設置して測定するなど、試料ガス採取装置を使用する必要がない場合には、大気中の被検成分を直接、試料濃縮管に捕集することができることと改めたこと。
  4.   (4) 削除
  5.   (5) カラム及び試料濃縮管について
        従来のガラス製のもののほかに、硫黄化合物の保存性能が比較的良好なふつ素樹脂製のものを使用することができることとしたこと。
  6.   (6) 充てん剤について
        トリス(シアノエトキシ)プロパンを固定相液体とする充てん剤は、硫化水素と硫化カルボニル、メチルメルカプタンと二硫化炭素及び硫化メチルと二酸化硫黄の分離が不十分な場合があるため、従来の充てん剤を「粒度60~80メツシユの白色硅藻〈けいそう〉土担体を酸で洗つた後、ジメチルジクロシラン処理しβ、β′―オキシジプロピオニトリルを25パーセント被覆したもの又はこれと同等以上の性能を有するもの」と改めたこと。ただし、β、β′―オキシジプロピオニトリルは、トリス(シアノエトキシ)プロパンよりも揮発性が高いので、カラムを過熱しないよう注意すること。
        なお、妨害成分の分離に支障をきたさないような場合には、トリス(シアノエトキシ)プロパンを固定相液体とする充てん剤を使用しても差し支えないこと。
  7.   (7) 検量線の作成について
        標準溶液を希釈して検量線を作成する従来の方法は、操作が煩雑で、検量線の直線性が得られない場合があるため、これを校正用ガスを希釈して検量線を作成する方法に改めたこと。

 2 気体排出口における流量の測定について

  (1) 試料採取方法について

    敷地境界線における濃度の測定の場合と同様の理由により、試料採取袋による採気を追加したこと。
    なお、試料ガス中の被検成分の濃度が高く、濃度変化が少ない場合には、従来の真空びんによる採気でも差し支えないこと。

  (2) ガスクロマトグラフ分析について

    試料ガス中の被検成分の濃度が高い場合には、試料ガスを試料濃縮管中に注入せず、直接ガスクロマトグラフに導入することとしたこと。

第3 トリメチルアミンの測定方法について

 1 敷地境界線における濃度の測定について

  1.   (1) 分解試薬について
        水酸化ナトリウムは粘度が高く、バブリング効果が低いこと、また、水酸化ナトリウム中の不純物である炭化水素等がガスクロマトグラフ分析時の妨害ピークとなるため、従来の水酸化ナトリウムを水酸化カリウムに改めたこと。
  2.   (2) トリメチルアミン標準溶液の調製方法について
        従来の規定をより具体的な表現に改めたこと。
        トリメチルアミンの標準溶液の調製は、例えば次の手順により行うこと。
        トリメチルアミン水溶液(20~40パーセント)を水で20倍に希釈し、これをトリメチルアミン標準溶液とする。この標準溶液20ミリリツトルを採り、指示薬を1、2滴加えた後、0.1規定の塩酸で滴定する。トリメチルアミン標準溶液の濃度は次式により算出する。
         C=a×59.11×0.1/20
        この式において、Cはトリメチルアミン標準溶液の濃度(グラム/リツトル)、aは0.1規定の塩酸の消費量(ミリリツトル)を表すものとする。
        なお、指示薬の調製は、例えば次の手順により行うこと。
        ブロムクレゾールグリーン及びメチルレツド各100ミリグラムをそれぞれエチルアルコールに溶かし100ミリリツトルとする。これらのブロムクレゾール溶液50ミリリツトルとメチルレツド溶液10ミリリツトルとを混合して指示薬とする。
  3.   (3) 削除
  4.   (4) 試料分解濃縮装置ついて
        吸引ポンプにより窒素バツグから窒素ガスを吸引する従来の方式では、各部からの漏れ込みでガスクロマトグラフ分析時に妨害ピークが発生する可能性があり、また、水分が入りやすいため、これを窒素ボンベによる加圧方式に改めたこと。
  5.   (5) 分解びんについて
        分解びんは、例えば別図に掲げる形状のものを使用すること。
  6.   (6) 分解びん中のバブリングについて
        分解試薬中の不純物がガスクロマトグラフ分析時の妨害ピークとなる場合があるため、分解びんに分解試薬を入れ窒素ガスを5分間流してバブリングを行うこととしたこと。
  7.   (7) 脱水管の接続について
        分解びんの形状等により、分解時に発生した水分で試料濃縮管がつまりやすいため、このような場合には、分解びんの直後に水酸化カリウムを充てんした脱水管を接続することとしたこと。
  8.   (8) 充てん剤について
        従来の「白色硅藻〈けいそう〉土担体にジグリセロールを15パーセント、テトラエチレンペンタミンを5パーセント、水酸化ナトリウムを2パーセント被覆したもの」は、トリメチルアミンの分離が悪い場合があるため、これを、「白色硅藻〈けいそう〉土担体にジグリセロールを15パーセント、テトラエチレンペンタミンを15パーセント、水酸化カリウムを2パーセント被覆したもの」と改めたこと。
        なお、測定にあたつて、トリメチルアミンの分離等に支障がない場合には、従来の固定相液体を使用しても差し支えないこと。
  9.   (9) 削除
  10.   (10) 削除

 2 気体排出口における流量の測定について

  (1) 捕集方法について

    従来の真空びんによる採気は、試料の安定性が悪く、また、トリメチルアミンの分離が悪い場合があるため、これを硫酸溶液吸収法に改めたこと。

  (2) 捕集試料の分解及び濃縮について

    試料の捕集方法を硫酸溶液吸収法に改めたことに伴い、捕集溶液を分解びんに注入し、以下敷地境界線濃度の測定の場合と同様に分析する方法に改めたこと。

別図「分解びん」

図:分解びん

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