法令・告示・通達

環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について(勧告)

  • 公布日:昭和51年3月12日
  • 環大特32号

環境庁長官から運輸大臣あて

 新幹線鉄道の列車の走行に伴い発生する振動は著しく、沿線の一部の地域においては、看過しがたい被害を生じている。このような現状に対処するため、新幹線鉄道振動対策に係る下記の当面の指針等を達成する必要があるので、所要の措置を講ずるよう勧告する。
 おつて、本指針等を達成するために講じた措置については、その都度報告するようお願いする。

1 指針

  1.  (1) 新幹線鉄道振動の補正加速度レベルが、70デシベルを超える地域について緊急に振動源及び障害防止対策等を講ずること。
  2.  (2) 病院、学校その他特に静穏の保持を要する施設の存する地域については、特段の配慮をするとともに、可及的速やかに措置すること。

2 測定方法等

  1.  (1) 測定単位は、補正加速度レベル(単位デシベル)を用いること。
      (注) 補正加速度レベルとは、鉛直振動の振動数をf(単位ヘルツ)及び加速度実効値をA(単位メートル毎秒毎秒)とするとき、Aの基準値A0(単位メートル毎秒毎秒)に対する比の常用対数の20倍すなわり20log(A/A0)(単位デシベル)で表わしたものを言う。
        (この場合、A0は次の値とする。
         1≦f≦4の場合、
            A0=2×10-5f-1/2
         4≦f≦8の場合、A0=10-5
         8≦f≦90の場合、
            A0=0.125×10-5f)
  2.  (2) 測定条件は、次のとおりとすること。
    1.   ア 振動ピツクアツプの設置場所は、緩衝物がなく、かつ、十分踏固め等の行われている堅い場所とすること。
    2.   イ 振動ピツクアツプの設置場所は、傾斜又は凹凸のない場所とし、水平面を十分確保できる場所とすること。
    3.   ウ 振動ピツクアツプは、外囲条件の影響を受けない場所に設置すること。
    4.   エ 指示計器の動特性は緩(Slow)とすること。
  3.  (3) 測定は、上り及び下りの列車を合わせて、原則として連続して通過する20本の列車について、当該通過列車ごとの振動のピークレベルを読み取つて行うものとすること。
       なお、測定時期は、列車速度が通常時より低いと認められる時期を避けて選定するものとすること。
  4.  (4) 振動の評価は、(3)のピークレベルのうちレベルの大きさが上位半数のものを算術平均して行うものとすること。

3 指針達成のための方策

  1.  (1) 新幹線鉄道振動の振動源対策として、構造物の振動低減対策等の措置を講ずるものとすること。
       なお、以上の措置を講じても現在の防止技術では振動を低減することが困難な場合もあるので、早急に構造物の防振対策、振動遮断対策などの技術開発を図るものとすること。
  2.  (2) 新幹線鉄道振動の障害防止対策として、既設の住居等に対する建物の移転補償、改築及び補強工事の助成等の措置を振動が著しい地域から実施するものとすること。特に、今後早急に家屋の防振対策技術の開発を図り、家屋補修等により振動の影響を軽減する措置を講ずるものとすること。
  3.  (3) 新幹線鉄道振動対策の実施に当たつては、「新幹線鉄道騒音に係る環境基準(昭和50年7月環境庁告示第46号)」に基づく騒音対策その他の環境対策と有機的に連携して実施するものとすること。
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