法令・告示・通達

騒音規制法に基づく地域の指定等に関する考え方について(技術的助言)

公布日:平成16年09月30日
環管大発040930002

(各都道府県、指定都市、中核市、特例市、特別区騒音主管課長あて環境省環境管理局大気環境課大気生活環境室長通知)
 騒音規制法(昭和43年法律第98号。以下「法」という。)第3条、第4条及び第21条の2に規定する事務について運用上の疑義が生じたため当職において考え方を取りまとめたので、参考までに送付する。
 また、各都道府県にあっては、本通知の趣旨を踏まえ、管下市町村に周知されるよう併せてお願いする。

第1 法第3条第1項に規定する地域の指定について

  1.  1 法第3条に基づく地域の指定、変更及び廃止については、指定都市等を除き都道府県知事が関係市町村長の意見をきいて行うこととされているところ、当該事務の施行については、次の2を参考とするようお願いする。
  2.  2 法第3条第1項は、住居が集合している地域、病院又は学校の周辺の地域その他の騒音を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認める地域を騒音について規制する地域として指定すべき旨規定しているので、工業専用地域等同項の規定の趣旨に照らして必要性が認められない地域を騒音について規制する地域として指定する必要はない。なお、住居等がこのような地域と隣接しており生活環境を保全する必要が認められる場合は、この限りではない。

第2 法第4条第1項に規定する規制基準の設定について

  1.  1 規制基準に関しては、指定地域の自然的、社会的条件に特別の事情があるため、法第4条第1項の規定により定められた規制基準によっては、指定地域の住民の生活環境を保全することが十分でないと認めるときには、法第4条第2項に基づき、条例で環境大臣の定める範囲内において、法第4条第1項の規制基準にかえて適用すべき規制基準を定め、生活環境の保全を図ることができることを留意するようお願いする。
  2.  2 地域や時間帯によって騒音による生活妨害の程度は異なり、生活環境を保全する必要度も違ってくることから、規制基準の設定については時間の区分及び区域の区分ごとに定めることとしている。時間の区分は、その地域に最も合致した時間を設定し、地域の区分は、地域の土地利用の状況及び生活環境保全の必要の度合を考慮して区分することが適当である。

第3 法第21条の2に規定する騒音の測定について

  1.  1 法第21条の2に基づく騒音の測定は、必要な措置を速やかに講じるため、指定地域内の騒音の大きさを必要に応じて把握することを目的としていることに留意するようお願いする。
  2.  2 本条の測定は、指定地域における環境中の騒音の大きさを測定するものであって、直ちに個々の特定工場等から発生する騒音の測定を行うべきことを求めているものではない。例えば、複数の工場が連担して立地している工業専用地域等を、その周辺の地域における生活環境を保全するために規制地域として指定している場合には、本条に基づく測定の結果、当該工業専用地域等と周辺地域との境界線上で当該工業専用地域等に適用されている騒音の規制基準を下回っている場合、当該工業専用地域等内の特定工場等の騒音の測定を個々に実施せず、いわば工業専用地域内の工場等の集団を一つの特定工場等とみなし、騒音規制法による特定工場等の敷地境界線を個々の工場等の敷地境界線としない形で運用しても何ら差し支えない。他方、指定地域たる工業専用地域等とその周辺地域との境界線上での騒音の測定の結果、規制基準を超過しているとき、又は当該周辺地域で生活環境が損なわれていると認めるときは、必要に応じて個々の特定工場等について騒音の測定を行い、所要の措置を講ずる必要がある。