法令・告示・通達

燐及びその化合物に係る削減指導方針の策定について

  • 公布日:平成2年12月27日
  • 環水規372号

(関係府県知事あて環境庁水質保全局長通知)

 瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四八年法律第一一〇号)第一二条の四第一項の規定に基づく指定物質削減指導方針(以下「指導方針」という。)の策定については、平成二年一二月二七日付け環水規第三七一号をもって環境庁長官から貴職あて指示がなされたところであるが、指導方針の策定に当たっては、左記に留意のうえ遺憾なきを期されたい。

一 策定指示に当たっての基本的な考え方

  今般の策定指示は、これまでの燐及びその化合物(以下「燐」という。)に係る削減指導の実績及び瀬戸内海の水質等の現状を踏まえたものであり、その基本的な考え方は次のとおりである。
  瀬戸内海の水質は全般的には改善傾向がみられるものの、依然として赤潮等に代表される海域の富栄養化に伴う被害が継続しており、特に大阪湾奥部での富栄養化の程度が依然として高い水準にあること、また大阪湾以外の湾灘についても局部的に富栄養化による被害が発生していることから、燐削減に係る関係府県毎の目標については従来と同一とした。
  また、削減のための施策については、平成二年度の水質汚濁防止法の改正に伴う生活排水対策の一層の推進を図るとともに、これまでの燐削減指導の実績を踏まえて、既存の排水処理施設の適正な維持・管理に加え、高度化した排水処理技術の導入等にも充分配慮して、関係各府県の実態に適応したきめ細かな対応を検討する必要がある。

二 燐の削減のために講じる基本的な施策

 (一) 生活系排水対策

  1.   (ア) 下水道、し尿処理場、地域し尿処理施設、農業集落排水施設等の二次処理ベースの整備を促進するとともに、富栄養化の著しい海域に関連する地域や普及率が相当程度進んでいる地域については、下水道等の整備事業との関連を配慮しつつ、燐削減に関する処理の高度化を図る。また、処理施設の維持・管理の改善を指導する。
  2.   (イ) し尿浄化槽の適正な管理を指導するとともに、設置に当たっては合併処理化が図られるよう指導する。
  3.   (ウ) 生活排水による負荷を軽減するため、住民意識を啓発するとともに、モデル事業の推進や住民活動の支援等、関係行政機関において進められる種々の施策の中で燐削減の促進を期する。
  4.   (エ) 無燐洗剤の適正な使用を継続する。

 (二) 産業系排水対策

  1.   (ア) 燐を排出する施設の新規増設、排水処理施設の改善等に際しては、燐の除去効果の高い排水処理施設の導入を指導する。
  2.   (イ) 現行の排水処理施設によっては、燐の除去効果が十分でなく、かつ、負荷量が大きい場合にあっては、燐の除去効果の高い排水処理施設を導入するよう指導する。
  3.   (ウ) 排水処理施設の管理に関して、凝集剤及び栄養剤の添加の適正化並びに運転条件の改善により、燐の排水濃度の低減が図られるよう指導する。
  4.   (エ) 燐を含む副原料の転換、工程内で使用される燐を含む添加物の無燐化又は低減等を指導する。

 (三) その他の対策

  1.   (ア) 魚類養殖における餌料の処理方法及び投餌方法の改善、堆積物の除去等による漁場管理の徹底が図られるようを指導する。
  2.   (イ) 農業排水による負荷の適正化を図るとともに、使用する肥料等の量及び投与方法を指導する。
  3.   (ウ) 家畜ふん尿等については処理施設の設置及び維持・管理の徹底を図るとともに、堆肥化等の有効利用を促進する。
  4.   (エ) 汚泥の浚渫等の措置を講ずる。
  5.   (オ) 燐の削減施策の効果的な実施に関し、燐の負荷量削減と富栄養化防止に関する住民の関心・理解を深めるよう、普及・啓発活動及び各種指導を促進する。

三 関係部局との調整

  指導方針の策定に当たっては、あらかじめ下水道担当部局、建築担当部局、衛生担当部局、農林水産担当部局等、関係部局と充分調整を図ること。

四 報告の際添附する書類

  指導方針の内容の報告に際しては、平成元年度の指定物質の発生源別排出量及びその算定に用いた自然的及び社会的諸元等に関する書類を添附すること。

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