法令・告示・通達

窒素及びその化合物並びに燐及びその化合物に係る削減指導方針の策定について

  • 公布日:平成8年3月29日
  • 環水規123号

環境庁水質保全局長から関係府県知事あて

 瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和48年法律第110号)第12条の4第1項の規定に基づく指定物質削減指導方針(以下「指導方針」という。)の策定については、平成8年3月29日付け環水規第122号をもって環境庁長官から貴職あて指示がなされたところであるが、指導方針の策定に当たっては、下記に留意のうえ遺憾なきを期されたい。

1 策定指示に当たっての基本的な考え方

  今般の策定指示は、これまでの燐及びその化合物(以下「燐」という。)に係る削減指導の実績及び瀬戸内海の水質等の現状を踏まえ、燐に係る削減指導を継続するとともに、新たに窒素及びその化合物(以下「窒素」という。)に係る削減指導を開始するものである。
  窒素に係る削減指導については、平成6年4月の瀬戸内海環境保全審議会の「瀬戸内海における窒素削減指導に関する基本的な考え方について」(答申)において、燐に加えて新たに窒素に係る削減指導を実施することが適当とされたことを踏まえて、同年7月に瀬戸内海環境保全特別措置法施行令の一部改正を行い、窒素を削減指導の対象物質として指定したところであり、これを受けて行うものである。
  瀬戸内海の水質は、全般的には改善傾向がみられるものの、依然として赤潮等に代表される海域の富栄養化に伴う被害が継続しており、特に大阪湾奥部における富栄養化の程度が依然として高い水準にあること、また、大阪湾以外の湾灘についても局部的に富栄養化による被害が発生していることから、燐の削減に係る関係各府県の目標については従来と同一とした。窒素については、関係各府県の排出量及び関係海域の富栄養化の実態等を勘案して目標を設定した。
  また、削減のための施策については、これまでの燐削減指導の実績を踏まえて、関係各府県の実態に適応したきめ細かな対応を行うとともに、自然的、社会経済的条件及び現行の排水処理技術の実態等も踏まえた実施可能な内容となるよう留意する必要がある。
  なお、指導方針の策定にあたっては、平成5年10月に新たに水質汚濁防止法に基づき窒素及び燐に係る排水規制が導入されたことを踏まえ、対象となる工場・事業場についてはこの排水規制との整合性に配慮するものとする。

2 窒素及び燐の削減のために講じる基本的な施策

 (1) 生活系排水対策

  •   (ア) 下水道、し尿処理場、合併処理浄化槽、農業集落排水施設、コミュニティ・プラント等(以下「下水道等」という。)の二次処理ベースの整備を促進するとともに、富栄養化の著しい海域に関連する地域や下水道等の普及が相当程度進んでいる地域については、下水道等の整備事業との関連に配慮しつつ、窒素及び燐削減に関する処理の高度化を図る。また、処理施設の維持管理の改善を指導する。
  •   (イ) し尿浄化槽の適正な管理を指導するとともに、合併処理化を図るよう指導する。
  •   (ウ) 生活排水による負荷を軽減するため、住民意識を啓発するとともに、モデル事業の推進、住民活動の支援等の種々の施策の中で窒素及び燐の削減の促進を図る。

 (2) 産業系排水対策

  •   (ア) 窒素又は燐を排出する施設の新増設、排水処理施設の改善等に際しては、窒素又は燐の除去効果の高い排水処理施設を導入するよう指導する。
  •   (イ) 現行の排水処理施設によっては、窒素又は燐の除去効果が十分ではなく、かつ、負荷量が大きい場合にあっては、窒素又は燐の除去効果の高い排水処理施設を導入するよう指導する。
  •   (ウ) 排水処理施設の管理に関して、凝集剤及び栄養剤等の添加の適正化並びに運転条件の改善により、窒素又は燐の排出量の低減を図るよう指導する。
  •   (エ) 窒素又は燐を含む副原料の転換、工程内で使用される窒素又は燐を含む添加物の無窒素化若しくは無燐化又は低減等を指導する。

 (3) その他の対策

  •   (ア) 魚類養殖における餌料の処理方法及び投餌方法の改善、放養密度の適正化、堆積物の除去等による漁場管理の徹底を図るよう指導する。
  •   (イ) 肥料等の使用量及び投与方法の適正化を指導し、環境保全型農業を推進することにより、農業排水による負荷の適正化を図る。
  •   (ウ) 家畜ふん尿等については、処理施設の改善・整備及び維持管理の徹底を図るとともに、堆肥化等の有効利用を促進する。
  •   (エ) 汚泥の浚渫等の措置を講じ、底質を改善する。
  •   (オ) 海域へ流入する河川等の直接浄化を推進する。
  •   (カ) 河川、湖沼及び海域の自然環境が有する水質浄化機能の積極的な活用を図る。
  •   (キ) 窒素及び燐の削減施策の効果的な実施に関し、窒素及び燐の負荷量削減と富栄養化防止に関する地域住民、事業者等の理解・協力を得るよう、普及・啓発活動を促進する。

3 関係部局との調整

  指導方針の策定に当たっては、あらかじめ、下水道担当部局、建築担当部局、衛生担当部局、農林水産担当部局等、関係部局と十分調整を図ること。

4 報告の際に添付する書類

  指導方針の内容の報告に際しては、平成6年度の窒素及び燐の発生源別排出量及びその算定に用いた自然的及び社会的諸元等に関する書類を添付すること。

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