法令・告示・通達

「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に係る水質汚染対策マニュアル」について

  • 公布日:平成13年7月2日
  • 環水管118・環水土122

環境省環境管理局水環境部水環境管理課長・土壌環境課地下水・地盤環境室長から都道府県・水質汚濁防止法政令市水質保全担当部(局)長あて

 「水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令等の施行について」(平成13年6月25日付け環水管第111号)で別途送付することとしていた「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に係る水質汚染対策マニュアル」を別添のとおり取りまとめたので、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に係る水質汚染対策を実施する場合は、本マニュアルを参考にされたい。また、関係部局に対し本マニュアルの周知に努めるようお願いする。

  硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に係る水質汚染対策マニュアル

1 目的及び位置づけ

  硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素(以下「硝酸・亜硝酸性窒素」という。)による公共用水域及び地下水の汚染については、発生源が多岐にわたるとともに有効な対策が地域ごとに異なり、汚染機構も複雑であるため、水質汚濁防止法に基づく排水規制や地下浸透規制等の全国一律的な対策に加え、地域の自然的・社会的特性、汚染実態、発生源等の状況等に応じた有効な対策を講ずることが必要である。また、効果的な対策を実施するためには、都道府県又は水質汚濁防止法の政令市(以下「都道府県等」という。)が関係行政機関や関係団体の協力を得て、地域別の対策計画を策定し、それに基づいて対策を実施することが必要である。
  このマニュアルは、硝酸・亜硝酸性窒素に係る公共用水域又は地下水の汚染が常時監視等により判明した場合において、都道府県等が汚染原因の把握や負荷低減対策等を推進する場合に活用されるよう、中央環境審議会水質部会及び土壌農薬部会で示された対策のあり方に従い、過去の事例、既存の科学的知見等を踏まえ、硝酸・亜硝酸性窒素に係る公共用水域及び地下水の汚染の調査及び対策手法を示したものである。

2 調査・対策の手順

  硝酸・亜硝酸性窒素については、環境中の窒素循環の過程においても生じることに留意しつつ、汚染範囲及び汚染原因に関する調査を実施するとともに、有効な負荷低減対策等を検討し実施する。
  調査・対策の手順は、①汚染の発見から汚染範囲及び汚染原因の究明までの調査、②対策の検討と推進、③負荷削減状況の確認及び環境改善状況の把握、④環境が改善されない場合の対策の検討と実施、の4段階に大きく分けることができる。

 (1) 汚染の発見から汚染範囲及び汚染原因の究明までの調査
   公共用水域又は地下水の汚染が判明した場合は、調査等に先立って、その利用状況に応じて飲用指導など適切な応急対策を講じる。
   汚染が判明してから対策の検討に至るまでの調査には、汚染地域の広がり及び濃度分布に関する調査、水文及び水文地質の状況、汚濁負荷発生源として想定される施設及び土地利用状況の調査並びに原因究明調査がある。これらの調査を踏まえ、対策を検討し推進する手順となる。
 (2) 対策の検討と推進
   対策の検討と推進にあたっては、都道府県等の環境部局が、生活排水対策部局、農業・畜産部局、水道部局等の行政機関や農業協同組合、自治会、事業者団体などの関係者と十分協議の上で、各発生源ごとの負荷削減等に係る目標と対策を具体的に設定し、明確にするとともに、関係者がそれぞれの役割に応じて主体的に対策を推進することが重要である。また、汚染原因のすべてが明確になっていない段階においても、負荷発生源と汚染との間に相応の関係が認められる場合は、汚染原因の究明と平行して、速やかに負荷低減対策に着手することが必要である。
 (3) 負荷削減状況の確認及び環境改善状況の把握
   対策に着手した後は、目標どおりに負荷が削減されているか、環境改善の状況がどうかなどについて確認・把握する。
 (4) 環境が改善されない場合の対策の検討と実施
   環境が改善されていない場合は、その原因は何か、その後の対策をどのように推進するかなどについて検討し、次の段階の対策に着手することにより、継続的な改善を図る。

3 調査の実施

 (1) 汚染の発見及び汚染範囲の把握
   都道府県等が実施する水質汚濁防止法に基づく常時監視(地下水質の場合にあっては、「水質汚濁防止法の一部を改正する法律の施行について」(平成元年9月14日付け環水管第189号水質保全局長通知)で示された「地下水質調査方法」のうちの概況調査)、水道事業者が実施する水道原水調査、地方自治体等が実施する水質調査等の結果を収集・整理し、硝酸・亜硝酸性窒素に係る公共用水域及び地下水の汚染の状況を把握する。
   汚染が発見された場合には、汚染が発見された場所の周辺地下水または公共用水域の調査、地下水質の常時監視に係る汚染井戸周辺地区調査などを実施することにより、汚染帯水層、汚染流域、硝酸・亜硝酸性窒素の濃度分布等を可能な限り把握する。
   なお、簡易測定法を用いて硝酸・亜硝酸性窒素による汚染の状況の概要を把握した後、公定法により調査・分析を行うことにより、効率的に汚染の範囲、濃度分布を明らかにすることが合理的である。
   特に、地下水質の調査にあたっては、地方自治体等が保有する井戸台帳や現地聞き取り調査等により周辺の井戸の分布状況を把握し、地下水の流動や帯水層等を踏まえ、効率的な調査が行われるように調査対象井戸を選定する。汚染判明井戸の取水帯水層が明らかな場合には、汚染判明井戸と同一の帯水層から取水している井戸を選定する。汚染判明井戸の取水帯水槽が不明な場合には、汚染判明井戸周辺の取水帯水層が明らかな井戸において調査を行い、汚染されている帯水層を明らかにした後に調査対象井戸を選定する。なお、その他の帯水層についても、汚染の有無を確認するために適宜選定しておくことが望ましい。
   調査の結果、硝酸・亜硝酸性窒素による汚染が明らかになった場合には、飲用による影響を防止するため、水道関係部局に通知するとともに、井戸所有者への飲用指導、水道事業者への連絡等を実施する。
 (2) 資料等調査
   汚染判明地域及びその周辺の地形や地下水流動、地下水涵養地域、公共用水域の集水域等を考慮した範囲を対象に、水文状況、水文地質状況、土地利用状況、汚濁負荷源の分布状況等の概況を把握するため、関係資料を収集・整理する他、必要に応じて聞き取り調査及び現地調査を行う。収集した資料については、地図上に記入するなど、適切に整理する。
   なお、深井戸の汚染の場合には、汚染原因が汚染井戸から相当離れた地下水上流の地域に存在することがあるので注意を要する。また、汚染の原因が過去の土地利用形態等に起因する場合もあるので、これらについても調査しておくことが望ましい。
   窒素化合物は環境中で硝酸・亜硝酸性窒素に変化することに留意し、次のデータ等を入手することにより、窒素供給量を把握する。なお、施肥量、排水量、窒素含有量等は、対象地域における実測データを入手することが望ましいが、実測データが得られないものについては、文献等により原単位など窒素供給量の算出に必要なデータを入手する。
  ① 工場・事業場排水
    窒素含有水を排出する工場・事業場における排水処理状況、排水量、排水の窒素濃度等
  ② 家畜排せつ物
    家畜の種類、家畜頭数、飼育形態、排せつ物発生量、排せつ物の処理方法別処理状況、排せつ物の窒素含有率等
  ③ 生活排水
    下水道、農業集落排水処理施設、浄化槽等生活排水処理施設の利用人口及び排水の窒素濃度、単独処理浄化槽の場合の生活雑排水の窒素濃度、地下浸透処理実態等
  ④ 施肥
    耕地面積、作物の種類、年間施肥量、肥料の窒素含有率、施肥基準、栽培作物の窒素吸収量、施肥方法、施肥時期、肥料の種類、施設栽培における排水量・排水水質等
  ⑤ 自然
    人為的な影響を受けていないと考えられる地下水の窒素濃度(降下物由来、植物由来、動物由来、土壌微生物由来の窒素量)、降水量及び降水中の窒素濃度、降水浸透率等
 (3) 汚染原因の究明
   水質調査及び資料等調査の結果を整理し、硝酸・亜硝酸性窒素濃度の分布、負荷発生源の立地・分布、負荷発生源ごとの窒素供給量、地下水の流動、地下水の涵養域、河川の流況等から、下記の事項について検討し、汚染原因を究明する。
  1.   ① 硝酸・亜硝酸性窒素濃度の分布、負荷発生源の立地・分布状況等から、点的発生源のみによるものか、画的発生源が関与しているのかを検討する。
  2.   ② 画的発生源が関与していると考えられる場合は、公共用水域の集水域、地下水の流動及び涵養域から関係地域の範囲を設定し、この範囲内の点的発生源も含めた負荷発生源ごとの窒素供給量を整理・比較する。また、地図上に硝酸・亜硝酸性窒素濃度と負荷発生源の立地・分布状況を整理し、検討する。
  3.   ③ 公共用水域の汚染の場合は、硝酸・亜硝酸性窒素濃度の分布に加えて、アンモニア性窒素の分布に特に注意し、当該公共用水域への流入水の水質及び流量を踏まえ、汚染原因を検討する。
  4.   ④ 地下水の汚染が深層である場合は、汚染が浅層である場合に比べて広い範囲の汚濁負荷源の影響を受けていることも考えられることから、広域的な地質構造や地下水の流向なども考慮し検討する。
  5.   ⑤ 汚染の原因が過去の土地利用、井戸の構造等に起因していることもあるので、このことを踏まえて検討する。
    また、硝酸・亜硝酸性窒素の挙動を把握するため、硝酸・亜硝酸性窒素濃度と併せて、排水関連成分、肥料関連成分等の項目についても分析しておくことが望ましい。

4 対策対象地域の範囲

  対策対象地域の範囲は、硝酸・亜硝酸性窒素に係る環境基準が確保されておらず、又は確保されないこととなるおそれが高い公共用水域又は地下水の周辺区域であって、当該水域の硝酸・亜硝酸性窒素の汚染に関係のある地域とする。
  対策対象地域の検討にあたっては、水質調査、資料等調査、汚染原因の究明結果等を踏まえ、硝酸・亜硝酸性窒素濃度等の分布、負荷発生源の立地・分布、公共用水域の集水域、地下水の流向、地下水涵養域の状況等を総合的に判断するものとする。
  なお、地域の実態に応じ、負荷低減対策を適切に推進する観点から、複数の汚染地域を一つの対策対象地域とすることや、市区町村の行政区分、農業協同組合等の営業管轄区域、下水道の処理区域等の範囲を加味することは差し支えない。
  具体的な対策対象地域については、次のことを参考に検討する。

  1.  (1) 地下水盆を形成している場合で、全体に汚染が見られるか又は汚染地域が点在し、かつ全体として硝酸・亜硝酸性窒素濃度が上昇している場合は、地下水盆全域を対策対象地域とする。特に、汚染されている帯水層の地下水涵養域も含めた検討が重要である。
  2.  (2) 台地状の地形で汚染地域が他の地域と区別されている場合は当該地域を対策対象地域とする。ただし、複数の台地状の地形が谷間(河川)等で区分されているが隣接しており、土地利用等が類似し、負荷発生源が同種である場合など、負荷低減対策の実施手法等に多くの共通点を持つと考えられる場合は、これらの複数の台地状の地域を含む地域全体を一つの対策対象地域とすることが望ましい。
  3.  (3) 扇状地や臨海部の平地においては、硝酸・亜硝酸性窒素等の濃度分布から判断される汚染の連続性、想定される負荷発生源の分布、地下水の流向等から、当該扇状地等の全域を対策対象地域とするか一部を対策対象地域とするかを検討する。汚染された帯水層が浅い場合は、負荷発生源が汚染地域内及びその周辺の一定の範囲内にある場合が多いと考えられるが、汚染された帯水層が深い場合は、広域的な地質構造や地下水流向等を考慮し、地下水涵養域を含めて対策対象地域を検討する必要がある。
  4.  (4) 公共用水域については、硝酸・亜硝酸性窒素等の濃度分布、流入水(流入河川、公共水路、工場・事業場排水等)の水量及び硝酸・亜硝酸性窒素等の濃度並びに周辺土地利用及び事業場の立地状況等を勘案し対策対象地域を検討する。その際、特にアンモニア性窒素濃度の分布、工場・事業場からの排出量等について留意することが重要である。
  5.  (5) 公共用水域及び地下水に硝酸・亜硝酸性窒素による汚染があり、負荷発生源が同一と想定される場合は、当該公共用水域及び地下水に係る地域を一つの対策対象地域とすることが望ましい。
  6.  (6) 限られた点源による汚染で、汚染範囲が狭い場合は、個別対策の実施について検討する。

5 対策の検討

  対策対象地域の関係者で構成する連絡組織(連絡会議、調整会議等)を設置し、この連絡組織において、汚染範囲、汚染原因、対策対象地域等についての共通認識を醸成するとともに、負荷発生源ごとの負荷低減目標の設定、目標達成のための対策について検討する。また、対策の推進、対策の進捗状況の確認、対策の継続・見直しについても、この連絡組織で検討する。

 (1) 連絡組織の構成員の考え方
   連絡組織は、対策対象地域における汚染状況や汚染原因等の実態に応じて、都道府県及び対象地域の市町村の環境部局、生活排水対策部局、農業・畜産部局、水道部局等の行政機関に加え、農業協同組合、自治会、事業者団体、有識者などで構成する。
 (2) 連絡組織の設置・運営
   都道府県等の環境部局が中心となり、連絡組織の設置、会議の招集、意見の調整などの運営を行う。対策対象地域が複数の都道府県等にまたがる場合は、相互の連携と協力のもとに、対策対象地域の範囲等から見て主たる都道府県等が中心となって運営するなど、地域の実態に応じた推進を図る。
   なお、都道府県等における既存組織の活用を図ることは、差し支えない。
 (3) 連絡組織での協議・検討事項
  ① 共通認識の醸成
    連絡組織の構成員の協力により、地域の実態をより適切に把握できるデータを入手し、硝酸・亜硝酸性窒素による汚染の現状、汚染原因、対策対象地域の範囲、負荷発生源ごとの汚濁負荷量の現状等について共通認識を醸成する。
  ② 負荷削減目標及び対策の検討
    対策対象地域内の各発生源ごとの負荷削減目標、対策手法等について協議・検討する。
  ③ 対策の進捗状況把握手法等の検討
    各発生源ごとの具体的な汚濁負荷量の削減状況の把握手法を検討するとともに、公共用水域又は地下水における硝酸・亜硝酸性窒素濃度の推移、負荷削減量の実績等を踏まえ、対策の効果等を検証・評価し、対策の継続、新たな対策の必要性等について検討する。

6 対策の推進

 (1) 計画の策定
   連絡組織での検討結果を踏まえ、都道府県等が硝酸・亜硝酸性窒素対策推進計画を策定する。
   この計画においては、硝酸・亜硝酸性窒素に係る環境基準の達成・維持をめざし、連絡組織の構成員の共通認識の下、各発生源における負荷削減目標と目標達成のための対策、対策の進捗状況の確認手法等を明確にするものとする。
  ① 計画策定にあたっての基本的な考え方
    硝酸・亜硝酸性窒素対策を効果的に推進するため、汚染の程度、地形、地質、周辺地域の状況、土地利用の現状及び自然的・社会的条件等を踏まえ、対策の具体的な目標及び内容等を示した計画を策定する。
    特に、硝酸・亜硝酸性窒素に係る負荷発生源が工場等からの排水、家畜排せつ物、生活排水、各種作物に係る施肥など多岐にわたることから、これらの負荷発生源ごとの対策の具体的内容や目標の検討にあたっては、関係行政部局や関係団体等の有する知見等を活用することが有効である。
    また、計画の実効性を確保するため、連絡組織構成員個々の行動計画的な性格を取り入れることが望ましい。
    硝酸・亜硝酸性窒素による汚染対策としては、公共用水域又は地下水への窒素負荷量を抑制するための対策を優先的に実施する。なお。地下水については、その汚染状況、対策の緊急度、技術開発の進捗状況などを踏まえ、地下水中の硝酸・亜硝酸性窒素の浄化対策の実施について検討する。
  ② 計画の構成
    計画においては、次に掲げる事項を定める。
  1.    ア 対策対象地域の範囲
  2.    イ 対策の基本的方針及び目標
  3.    ウ 負荷発生源ごとの負荷削減に係る具体的な目標及び対策
    •      ・工場・事業場 ・家畜排せつ物 ・生活排水 ・施肥 ・その他
  4.    エ 水道・飲用井戸に係る対策
  5.    オ 対策の進捗状況の把握・評価方法
  6.    カ 対策の推進体制
  7.    キ その他
    •     ・事業者、住民等への普及啓発、指導等
 (2) 対策の実施
   硝酸・亜硝酸性窒素に係る負荷低減対策を、以下に示す負荷発生源の種類ごとの対策手法のうちから、汚染の原因、汚染の実態、地域の社会的、自然的条件等に応じた適切かつ有効な方法を硝酸・亜硝酸性窒素対策推進計画に盛り込み、連絡組織構成員の連携と協力のもとに推進する。
  ① 工場・事業場等の対策
    工場・事業場の排出水の排出及び汚水等の地下浸透については、水質汚濁防止法等に基づく規制の措置を徹底する他、規制対象外の施設についても適切な対策を推進する。
  ② 家畜排せつ物対策
    家畜排せつ物については、「家畜排せつ物の管理の適性化及び利用の促進に関する法律」に基づき、家畜排せつ物の処理・保管施設の構造基準等を内容とした管理基準の遵守、施設整備の目標等を内容とした都道府県計画の下で家畜排せつ物の管理の適正化、利用の促進のための措置を講ずることとされている。同法に基づくこれらの措置は、家畜排せつ物に伴う汚濁負荷の低減に有効であり、対策対象地域において、同法に基づく対策の徹底、施設の重点的整備等を推進する他、地域の実情を踏まえ必要に応じ適切な対策を推進する。
  ③ 生活排水対策
    生活排水からの負荷を低減するため、水質汚濁防止法に基づく生活排水対策の枠組みの活用を含め、下水道等生活排水処理施設の整備、合併処理浄化漕への切り替えの促進、浄化槽の適切な維持管理等の諸施策を推進する。
    浄化槽法の改正(平成12年6月2日改正)により、新設時においては、し尿と生活雑排水を処理する合併処理浄化槽の設置が義務化されたとともに、既設の単独処理浄化槽については合併処理浄化槽への切り替えの努力規定が設けられたところであり、引き続き、合併処理浄化槽への切り替えを促進する。また、窒素除去型合併処理浄化槽の積極的な導入を図る。
    なお、生活排水の排水路等が十分に整備されたおらず、これらの排水が地下浸透することにより、地下水が汚染されている地域においては、適切な放流先の確保等を図る。
  ④ 施肥対策
    対策対象地域において、都道府県が定める施肥基準等の土壌管理に関する指導内容が遵守されていない場合は、施肥基準等の土壌管理に関する指導が遵守されるよう、指導内容の周知徹底を図る。
    施肥基準が遵守されている場合であっても施肥に由来する地下水汚染がある場合は、現在の土壌管理方法を見直し、改善手法を検討する必要がある。
    このため、「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に係る土壌管理指針」(平成13年7月2日付け環水土第123号)に基づき、各作物ごとの土壌管理状況の把握・評価を適切に行い、土壌・作物診断に基づく適正施肥の徹底、たい肥等の有機質資材の品質の特性を把握した適正施肥の推進、肥効調節型肥料の活用等の新しい施肥技術の活用、作付け体系の見直し等の対策を推進する。
 (3) 対策の進捗状況の確認
   対策の実施後は、負荷発生源ごとの対策の実施状況、対象地域における公共用水域又は地下水の水質の状況等を経年的に把握することにより、対策の進捗状況を確認する。
   対策の進捗状況の把握方法については、あらかじめ硝酸・亜硝酸性窒素対策推進計画に盛り込み、的確に把握できるようにする。
  ① 負荷削減対策の実施状況の把握
    硝酸・亜硝酸性窒素対策推進計画に示された具体的な目標及び対策ごとに、対策施設の整備状況、窒素供給量、窒素処理量等を調査する。調査が適切に実施されるよう、対策を行った事業者等において、対策の実施状況等の確認ができる一連の記録を作成・管理するよう指導する。
  ② 水質の状況の把握
    汚染範囲の把握調査、資料等調査、原因究明調査等の結果を踏まえ、負荷発生源の立地・分布状況、地下水の流動状況、河川の流況等を勘案し、対策対象地域の公共用水域又は地下水の水質の経年的な変化や対策の効果を把握できる地点を選定する。
    調査項目は、硝酸・亜硝酸性窒素とし、必要に応じて、負荷発生源の水質の特性を表す項目等を選定する。
 (4) 対策の継続・見直し
   連絡組織において、対策の進捗状況を評価し、対策の継続、新たな対策や負荷削減目標の見直しの必要性等について検討する。
   この検討結果を踏まえ、既存の対策の継続や新たな対策の推進等を実施する。

7 情報の公開等

  水質の状況、対策の目標、対策の実施状況等については公開を原則とする。
  また、対策を適切に推進するとともに風評被害の防止の観点からも、対策対象地域の事業者及び住民並びにその他の住民等が正しい情報を共有できるよう、普及啓発、情報の提供を的確に実施する。

硝酸・亜硝酸性窒素に係る地域対策フロー図

図:硝酸・亜硝酸性窒素に係る地域対策フロー図

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