法令・告示・通達

公共用水域等における農薬の水質評価指針について

公布日:平成6年04月15日
環水土86号

(環境庁水質保全局長から各都道府県知事、政令指定都市市長あて)

 農薬による公共用水域等の水質汚濁の防止については、従来より、農薬取締法に基づく水質汚濁に係る登録保留基準の設定、環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準や要監視項目に設定された農薬の監視、水質汚濁防止法に基づく排水規制の実施、ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針による指導等各般の施策を講じてきたところである。
 しかしながら、これらの施策により公共用水域等での水質汚濁に関する目標が定められている農薬以外の農薬であっても、空中散布等により一時に広範囲に使用されるため一時的に微量ではあるが検出されているもの又は検出される可能性の高いものが見られる。
 このため、平成五年十二月の中央環境審議会の「水道利用に配慮した公共用水域等の水質保全対策のあり方について」の答申においては、農薬による水質汚濁の防止対策の一環として、空中散布農薬等一時に広範囲に使用されるもので公共用水域等での水質汚濁に関する基準値等が定められていないものについて、公共用水域等で検出された場合の安全性の目安となる指針値を設定する必要がある等の指摘がなされたところである。
 以上のような状況を踏まえ、今般、空中散布農薬等一時に広範囲に使用されるものでこれまで公共用水域等での水質汚濁に関する基準値等が定められていない農薬について、公共用水域等で検出された場合に水質の安全性に係る評価の目安となる「公共用水域等における農薬の水質評価指針」を別紙のとおり定めたので、今後、本指針を活用し、関係部局間の連絡を密にする等により農薬の適正な使用に係る指導等の一層の徹底を図り、公共用水域等における農薬による水質汚濁の防止に努められたい。

(別紙)

 公共用水域等における農薬の水質評価指針

1 基本的考え方

  平成五年三月、公害対策基本法(現在は環境基本法)に基づく水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準(以下「水質環境基準健康項目」という。)が大幅に改正され、シマジン等四農薬を含む一五項目が追加されるとともに、公共用水域等における検出状況等からみて、現時点では直ちに水質環境基準健康項目とせず、引き続き知見の集積に努めるべきと判断されるものとしてイソキサチオン等一二農薬を含む二五項目が要監視項目として新たに設定され、公共用水域等における農薬に関する水質監視体制は一層強化されることとなった。
  しかしながら、これらの施策により公共用水域等での水質汚濁に関する目標が定められている農薬以外の農薬であっても、空中散布等により一時に広範囲に使用されるため一時的に微量ではあるが検出されているもの又は検出される可能性の高いものが見られる。
  このため、平成五年十二月の中央環境審議会の「水道利用に配慮した公共用水域等の水質保全対策のあり方について」の答申においては、農薬による水質汚濁の防止対策の一環として、空中散布農薬等一時に広範囲に使用されるもので公共用水域等での水質汚濁に関する基準値等が定められていないものについて、公共用水域等で検出された場合の安全性の目安となる指針値を設定する必要がある等の指摘がなされたところである。
  本指針は、以上のような状況を踏まえ、空中散布農薬等一時に広範囲に使用される農薬で、水質環境基準健康項目や要監視項目として設定されていないものが公共用水域等から検出された場合に、人の健康を保護する観点から水質の安全性に係る評価を行う際の目安となる指針値を定め、当該水域等における水質の安全性の確保に資するために設定するものである。

2 対象農薬

  本指針対象農薬は、空中散布農薬等一時に広範囲に使用されるもののうちで、水質環境基準健康項目や要監視項目となっていない農薬について、その使用量や公共用水域での検出状況等を勘案して選定した。したがって、今後の使用量や公共用水域での検出状況等を踏まえ、今後必要に応じ、本指針対象農薬の追加等を行うこととしている。

3 水質評価指針値

  2で定めた農薬について公共用水域等での水質の安全性に係る評価を行う際の目安としての指針値(以下「指針値」という。)は別表のとおりである。この指針値は、これまでに集約された科学的知見等を基に、水質環境基準健康項目や要監視項目の設定の考え方と同様に、主として人の健康の保護の観点から設定したものである。従って、指針の達成状況の評価については年間平均値で行うべきものであり、一時的にこの指針値を超過することがあっても直ちに健康に影響があるというものではない。
  しかし、特に水道水源として利用されている公共用水域等において一時的に指針値を超過した場合には、都道府県等において農薬による水質汚濁の未然防止の観点から速やかにその原因の究明を行うとともにその後の推移を的確に把握しつつ適切な対策を検討するものとする。
  また、指針値は、水道利用に配慮した公共用水域等における水質の汚濁の状況を評価する際の目安として定めるものであるため、ゴルフ場や水田等農薬が使用される場所の周辺であって農薬の使用時に一時的に高濃度になることが予想されるような場所においては、本指針値の設定の考え方等を十分に考慮して測定値を評価する必要がある。

4 測定等

  本指針は、当該対象農薬については、水質環境基準健康項目や要監視項目として設定されている農薬のように公共用水域等で定期的に又は体系的に水質測定を行うことを前提とするものではないが、公共用水域等での測定にあたっては当該水域を代表する地点において複数回測定するのが望ましい。
  なお、各農薬の標準的な分析方法は別添のとおりである。

5 本指針に基づく水質調査の結果の活用

  各都道府県等において実施した水質調査結果を本指針に基づき評価した結果については、関係行政部局、市町村、団体等と情報交換する等により、公共用水域等における農薬による水質汚濁の防止や農薬の適正使用の一層の推進のために活用するものとする。

(別表)
  公共用水域等における農薬の水質評価指針
農薬名
種類
評価指針値(mg/L)
イプロジオン 殺菌剤 0.3以下
イミダクロプリド 殺虫剤 0.2以下
エトフェンプロックス 殺虫剤 0.08以下
エスプロカルブ 除草剤 0.01以下
エディフェンホス(EDDP) 殺菌剤 0.006以下
カルバリル(NAC) 殺虫剤 0.05以下
クロルピリホス 殺虫剤 0.03以下
ジクロフェンチオン(ECP) 殺虫剤 0.006以下
シメトリン 除草剤 0.06以下
トルクロホスメチル 殺菌剤 0.2以下
トリクロルホン 殺虫剤 0.03以下
トリシクラゾール 殺菌剤 0.1以下
ピリダフェンチオン 殺虫剤 0.002以下
フサライド 殺菌剤 0.1以下
ブタミホス 除草剤 0.004以下
ブプロフェジン 殺虫剤 0.01以下
プレチラクロール 除草剤 0.04以下
プロベナゾール 殺菌剤 0.05以下
ブロモブチド 除草剤 0.04以下
フルトラニル 殺菌剤 0.2以下
ペンシクロン 殺菌剤 0.04以下
ベンスリド(SAP) 除草剤 0.1以下
ペンディメタリン 除草剤 0.1以下
マラチオン(マラソン) 殺虫剤 0.01以下
メフェナセット 除草剤 0.009以下
メプロニル 殺菌剤 0.1以下
モリネート 除草剤 0.005以下
     (以上、27農薬)
別添
公共用水域等における農薬による水質汚濁防止に係る評価指針水質標準分析法
〔目次〕
  1. イプロジオン...1
  2. イミダクロプリド...3
  3. エトフェンプロックス...5
  4. エスプロカルブ...7
  5. エディフェンホス...9
  6. カルバリル(NAC)...11
  7. クロルピリホス...13
  8. ジクロフェンチオン(ECP)...15
  9. シメトリン...17
  10. トルクロホスメチル...19
  11. トリクロルホン...21
  12. トリシクラゾール...23
  13. ピリダフェンチオン...25
  14. フサライド...27
  15. ブタミホス...29
  16. ブプロフェジン...31
  17. プレチラクロール...33
  18. プロベナゾール...35
  19. ブロモブチド...37
  20. フルトラニル...39
  21. ペンシクロン...41
  22. ベンスリド...44
  23. ペンディメタリン...46
  24. マラチオン(マラソン)...48
  25. メフェナセット...50
  26. メプロニル...52
  27. モリネート...54

イプロジオン

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   イプロジオン標準品 本品は、イプロジオン98%以上を含み、融点は200℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlまで濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 187、314
      •      感度 イプロジオンの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。
    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 イプロジオンの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      イプロジオン標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってイプロジオンの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりイプロジオンの重量を求め、これに基づき、試料中のイプロジオンの濃度を算出する。

イミダクロプリド

  1. ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトニトリル アセトニトリル(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル
    •   オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン
    •   イミダクロプリド標準品 本品は、イミダクロプリド98%以上を含み、融点は144℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についてもジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
  4. エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
    •   充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
    •   分離管 内径2~6mm、長さ15~30㎝のステンレス管を用いる。
    •   分離管温度 45℃
    •   溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:1)を用い、イミダクロプリドが8~12分で流出するように流速を調整する。
    •   検出器 波長270nmで測定する。
    •   感度 イミダクロプリドの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      イミダクロプリド標準品の500mg/lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:1)で希釈して0.1~2mg/l溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってイミダクロプリドの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から10μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりイミダクロプリドの重量を求め、これに基づき、試料中のイミダクロプリドの濃度を算出する。

エトフェンプロックス

  1. ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   メタノール メタノール(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル
    •   オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン
    •   エトフェンプロックス標準品 本品は、エトフェンプロックス99%以上を含み、融点は36.4~38.0℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
     試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についてもジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール及び蒸留水の混液(9:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

  4. エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
    •   充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
    •   分離管 内径2~6mm、長さ15~30㎝のステンレス管を用いる。
    •   分離管温度 45℃
    •   溶離液 メタノール及び蒸留水の混液(9:1)を用い、エトフェンプロックスが8~12分で流出するように流速を調整する。
    •   検出器 波長225nmで測定する。
    •   感度 エトフェンプロックスの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      エトフェンプロックス標準品の500mg/lメタノール溶液を調製し、この溶液をメタノール及び蒸留水の混液(9:1)で希釈して0.1~2mg/l溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエトフェンプロックスの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から10μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりエトフェンプロックスの重量を求め、これに基づき、試料中のエトフェンプロックスの濃度を算出する。

エスプロカルブ

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   エスプロカルブ標準品 本品は、エスプロカルブ98%以上を含み、沸点は135℃(0.35mmHg)である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlまで濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 222、162、151、142
      •      感度 エスプロカルブの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 エスプロカルブの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      エスプロカルブ標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエスプロカルブの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりエスプロカルブの重量を求め、これに基づき、試料中のエスプロカルブの濃度を算出する。

エディフェンホス

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   エディフェンホス標準品 本品は、エディフェンホス99%以上を含み、沸点は154℃(0.01mmHg)である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料400mlを1Lの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム20g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 109、173、201
      •      感度 エディフェンホスの0.4ngが十分検出できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。
      •      感度 エディフェンホスの0.4ngが十分検出できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      エディフェンホス標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエディフェンホスの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりエディフェンホスの重量を求め、これに基づき、試料中のエディフェンホスの濃度を算出する。

カルバリル(NAC)

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   カルバリル標準品 本品は、カルバリル99%以上を含み、融点は142℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを1Lの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム20g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 144、115、201
      •      感度 カルバリルの0.4ngが十分検出できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 カルバリルの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      カルバリル標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってカルバリルの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりカルバリルの重量を求め、これに基づき、試料中のカルバリルの濃度を算出する。

クロルピリホス

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
      アセトン アセトン(特級)
      ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
      塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
      無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
      クロルピリホス標準品 本品は、クロルピリホス99%以上を含み、融点は42℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料500mlを1Lの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム25g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 197、314
      •      感度 クロルピリホスの0.4ngが十分検出できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
           検出器温度 260~300℃
           ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
           感度 クロルピリホスの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      クロルピリホス標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってクロルピリホスの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりクロルピリホスの重量を求め、これに基づき、試料中のクロルピリホスの濃度を算出する。

ジクロフェンチオン(ECP)

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   エチルエーテル エチルエーテル(特級)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
    •   ジクロフェンチオン標準品 本品は、ジクロフェンチオン99%以上を含み、沸点は120~123℃(0.2mmHg)である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、この洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
      あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5㎝、長さ30㎝のガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン50ml、次いでヘキサン及びエチルエーテルの混液(98:2)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃
      •      測定質量数 279、223、162
      •      感度 ジクロフェンチオンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 ジクロフェンチオンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      ジクロフェンチオン標準品の0.05~2.0mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってジクロフェンチオンの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジクロフェンチオンの重量を求め、これに基づき、試料中のジクロフェンチオンの濃度を算出する。

シメトリン

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   エチルエーテル エチルエーテル(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
    •   シメトリン標準品 本品は、シメトリン99%以上を含み、融点は82~83℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、この洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)10mlを加えて溶かす。
      あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5㎝、長さ30㎝のガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)100ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(5:1)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •   分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
    •   キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •   試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •   分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 213、170、155
      •      感度 シメトリンの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 シメトリンの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      シメトリン標準品の0.025~1.0mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシメトリンの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりシメトリンの重量を求め、これに基づき、試料中のシメトリンの濃度を算出する。

トルクロホスメチル

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   エチルエーテル エチルエーテル(特級)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
    •   トルクロホスメチル標準品 本品は、トルクロホスメチル99%以上を含み、融点は79℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、この洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
      あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5㎝、長さ30㎝のガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン70ml、次いでヘキサン及びエチルエーテルの混液(8:2)70mlで展開し、初めの溶出液70mlは捨て、次の溶出液70mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5 μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 265、125
      •      感度 トルクロホスメチルの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 トルクロホスメチルの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      トルクロホスメチル標準品の0.05~2.0mg/lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってトルクロホスメチルの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりトルクロホスメチルの重量を求め、これに基づき、試料中のトルクロホスメチルの濃度を算出する。

トリクロルホン

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   トリクロルホン標準品 本品は、トリクロルホン99%以上を含み、融点は142℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム60g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 109、145、185
      •      感度 トリクロルホンの0.4ngが十分検出できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
    3.      検出器温度 260~300℃
    4.      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
    5.      炎光光度型検出器のフィルター リン用フィルター(526nm)を用いる。
    6.      感度 トリクロルホンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      トリクロルホン標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってトリクロルホンの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりトリクロルホンの重量を求め、これに基づき、試料中のトリクロルホンの濃度を算出する。

トリシクラゾール

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル
    •   トリシクラゾール標準品 本品は、トリシクラゾール99%以上を含み、融点は187~188℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。
      あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル10gをヘキサン及びアセトンの混液(9:1)でクロマト管(内径1.5㎝、長さ30㎝のガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)80ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)100mlで展開し、初めの溶出液80mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5 μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
    2.      インターフェース部温度 200~270℃
    3.      イオン源温度 150℃以上
    4.      測定質量数 189、162、118
    5.      感度 トリシクラゾール0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

    6.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 トリシクラゾール0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      トリシクラゾール標準品の0.05~1.0mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってトリシクラゾールの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
    試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりトリシクラゾール重量を求め、これに基づき、試料中のトリシクラゾールの濃度を算出する。

ピリダフェンチオン

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ピリダフェンチオン標準品 本品は、ピリダフェンチオン99%以上を含み、融点は56℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料1Lを2Lの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム50g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、2mlとする。
      ケイ酸マグネシウムミニカラムに、ナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(95:5)20ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(85:15)20mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液20mlを50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用い40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて1mlに定容し、試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 199、340、125
      •      感度 ピリダフェンチオンの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。
      •      感度 ピリダフェンチオンの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      ピリダフェンチオン標準品の0.2~4.0mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピリダフェンチオンの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピリダフェンチオンの重量を求め、これに基づき、試料中のピリダフェンチオンの濃度を算出する。

フサライド

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又は電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
      アセトン及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラフ上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ-BHCが示すピークの高さ以下であるもの。ただし、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる場合には、それぞれ試薬特級を用いてもよい。
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   フサライド標準品 本品は、フサライド99%以上を含み、融点は209~210℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、20mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 243、272、215
      •      感度 フサライドの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。

    2.    2)電子捕獲型検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 高純度窒素ガスの流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 フサライドの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      フサライド標準品の0.01~0.2mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフサライドの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフサライドの重量を求め、これに基づき、試料中のフサライドの濃度を算出する。

ブタミホス

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器若しくは炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ブタミホス標準品 本品は、ブタミホス99%以上を含む。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料500mlを1Lの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム25g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 200、286
      •      感度 ブタミホスの0.4ngが十分検出できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      炎光光度型検出器のフィルター リン用フィルター(526nm)を用いる。
      •      感度 ブタミホスの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      ブタミホス標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってブタミホスの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブタミホスの重量を求め、これに基づき、試料中のブタミホスの濃度を算出する。

ブプロフェジン

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   エチルエーテル エチルエーテル(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
    •   ブプロフェジン標準品 本品は、ブプロフェジン99%以上を含み、融点は106℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びエチルエーテルの混液(7:3)10mlを加えて溶かす。
      あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサン及びエチルエーテルの混液(7:3)でクロマト管(内径1.5㎝、長さ30㎝のガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びエチルエーテルの混液(7:3)50ml、次いでアセトン及びヘキサンの混液(1:1)150mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液150mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5 μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 105、172、119、305
      •      感度 ブプロフェジンの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 ブプロフェジンの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      ブプロフェジン標準品の0.025~1.0mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってブプロフェジンの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブプロフェジンの重量を求め、これに基づき、試料中のブプロフェジンの濃度を算出する。

プレチラクロール

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
    •   プレチラクロール標準品 本品は、プレチラクロール99%以上を含み、沸点は135℃(0.001mmHg)である。
  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、この洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
     あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5㎝、長さ30㎝のガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン100ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(95:5)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5 μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 238、162、176
      •      感度 プレチラクロールの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 プレチラクロールの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      プレチラクロール標準品の0.05~2.0mg/lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってプレチラクロールの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプレチラクロールの重量を定め、これに基づき、試料中のプレチラクロールの濃度を算出する。

プロベナゾール

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   プロベナゾール標準品 本品は、プロベナゾール99%以上を含み、融点は138℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlに濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 130、103、159
      •      感度 プロベナゾールの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 プロベナゾールの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      プロベナゾール標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってプロベナゾールの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロベナゾールの重量を求め、これに基づき、試料中のプロベナゾールの濃度を算出する。

ブロモブチド

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
    •   ブロモブチド標準品 本品は、ブロモブチド99%以上を含み、融点は182.5~183.5℃である。
    •   (RS)―N―(α,α―ジメチルベンジル)―3,3―ジメチルブチルアミド(以下「ブロモブチド脱臭素体」という。)標準品 本品は、ブロモブチド脱臭素体99%以上を含む。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(30:1)10mlを加えて溶かす。
      あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5㎝、長さ30㎝のガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(30:1)110ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(5:1)40mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

       検出部
    1.     1)質量分析計
      •       インターフェース部温度 200~270℃
      •       イオン源温度 150℃以上
      •       測定質量数 ブロモブチド 119、232、311、296
      •       ブロモブチド脱臭素体 119、233、177
      •       感度 ブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体のそれぞれ0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。
    2.     2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •       検出器温度 260~300℃
      •       ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •       感度 ブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体のそれぞれ0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      ブロモブチド標準品及びブロモブチド脱臭素体のそれぞれについて0.025~1.0mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体の検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体の重量を求める。このブロモブチドの重量の値とブロモブチド脱臭素体の重量の値に係数1.34を乗じてブロモブチドに換算したものとを和し、これに基づき、試料中のブロモブチドの濃度を算出する。

フルトラニル

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
    •   フルトラニル標準品 本品は、フルトラニル99%以上を含み、融点は102~103℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。
      あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサン及びアセトンの混液(9:1)でクロマト管(内径1.5㎝、長さ30㎝のガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)70ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(8:2)70mlで展開し、初めの溶出液70mlは捨て、次の溶出液70mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 173、145、281、323
      •      感度 フルトラニルの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 フルトラニルの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      フルトラニル標準品の0.1~2.0mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフルトラニルの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフルトラニルの重量を求め、これに基づき、試料中のフルトラニルの濃度を算出する。

ペンシクロン

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジメチルスルホキシド ジメチルスルホキシド(水分0.1%以下のもの)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   ベンゼン ベンゼン(特級)
    •   ヨウ化メチル ヨウ化メチル(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   水素化ナトリウム ヘキサンで洗浄したものを同溶媒中に保存したもの
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ペンシクロン標準品 本品は、ペンシクロン99%以上を含み、融点は132~133℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
     1)試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
     2)これにベンゼン0.5mlを加えて溶かす。その溶液にジメチルスルホキシド0.5ml、水素化ナトリウム約20mg及びヨウ化メチル0.5mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら30℃で30分間加熱し、ペンシクロンのメチル誘導体を生成させた後、ヘキサン40mlを加えて約1分間振り混ぜる。これに5%塩化ナトリウム溶液30mlを徐々に滴下して加え、水素ガスの発生が止んだ後、少量のヘキサンで100mlの分液漏斗に移し、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン10mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を100mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
     3)この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 125、273、342
      •      感度 ペンシクロンの0.4ngから誘導されるメチル誘導体の相当量が十分確認できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 ペンシクロンの0.4ngから誘導されるメチル誘導体の相当量が十分確認できるよう感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      ペンシクロン標準品の500mg/lアセトン溶液を調製し、この1mlを100mlのナス型フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。以下、この溶液についてウの2)と同様の操作を行い、残留物をアセトンに溶かし50mlとする。これをアセトンで希釈し、0.2~4.0mg/l溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってペンシクロンの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりペンシクロンの重量を求め、これに基づき、試料中のペンシクロンの濃度を算出する。

ベンスリド

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ベンスリド標準品 本品は、ベンスリド99%以上を含み、融点は34℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlに濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ5mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又は、これと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 215、131
      •      感度 ベンスリドの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 ベンスリドの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      ベンスリド標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってベンスリドの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンスリドの重量を求め、これに基づき、試料中のベンスリドの濃度を算出する。

ペンディメタリン

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ペンディメタリン標準品 本品は、ペンディメタリン99%以上を含み、融点は58℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlに濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 252、281
      •      感度 ペンディメタリンの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 ペンディメタリンの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      ペンディメタリン標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってペンディメタリンの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりペンディメタリンの重量を求め、これに基づき、試料中のペンディメタリンの濃度を算出する。

マラチオン(マラソン)

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   エチルエーテル エチルエーテル(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   ヘキサン ヘキサン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム
    •   マラチオン標準品 本品は、マラチオン98%以上を含み、沸点は156~157℃(0.7mmHg)である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びエチルエーテルの混液(85:15)10mlを加えて溶かす。
      あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサン及びエチルエーテルの混液(85:15)でクロマト管(内径1.5㎝、長さ30㎝のガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びエチルエーテルの混液(85:15)100ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(95:5)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5 μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 173、125、256、285
      •      感度 マラチオンの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 マラチオンの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      マラチオン標準品の0.025~1.0mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってマラチオンの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりマラチオンの重量を求め、これに基づき、試料中のマラチオンの濃度を算出する。

メフェナセット

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   メフェナセット標準品 本品は、メフェナセット99%以上を含み、融点は134~135℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料400mlを1Lの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム20g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlに濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 192、120、136
      •      感度 メフェナセットの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 メフェナセットの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。
  5. オ 検量線の作成
      メフェナセット標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメフェナセットの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメフェナセットの重量を求め、これに基づき、試料中のメフェナセットの濃度を算出する。

メプロニル

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   メプロニル標準品 本品は、メプロニル99%以上を含み、融点は92~93℃である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料200mlを500mlの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム10g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlに濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5 μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 119、269
      •      感度 メプロニルの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 メプロニルの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      メプロニル標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメプロニルの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメプロニルの重量を求め、これに基づき、試料中のメプロニルの濃度を算出する。

モリネート

  1. ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計又はアルカリ熱イオン型検出器若しくは高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

  2. イ 試薬試液
    •   アセトン アセトン(特級)
    •   ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)
    •   ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)
    •   塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
    •   無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
    •   モリネート標準品 本品は、モリネート99%以上を含み、沸点は137℃(10mmHg)である。

  3. ウ 試験溶液の調製
      試料400mlを1Lの分液漏斗に量り取り、塩化ナトリウム20g及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

  4. エ 測定機器の操作条件
      ガスクロマトグラフ部
    •    分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するもの
    •    キャリヤーガス 高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40㎝とする。
    •    試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃
    •    分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

      検出部
    1.    1)質量分析計
      •      インターフェース部温度 200~270℃
      •      イオン源温度 150℃以上
      •      測定質量数 126、187
      •      感度 モリネートの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

    2.    2)アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器
      •      検出器温度 260~300℃
      •      ガス流量 水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
      •      感度 モリネートの0.4ngが十分確認出来るように感度を調整する。

  5. オ 検量線の作成
      モリネート標準品の0.2~4mg/lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってモリネートの検量線を作成する。

  6. カ 定量試験
      試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりモリネートの重量を求め、これに基づき、試料中のモリネートの濃度を算出する。