法令・告示・通達

大気汚染防止法の一部を改正する法律等の施行に当たっての留意事項について

  • 公布日:平成9年2月12日
  • 環大規32号

環境庁大気保全局大気規制課長から各都道府県・各政令市大気保全担当部(局)長通知

 大気汚染防止法の一部を改正する法律(平成8年法律第32号。以下「改正法」という。)の施行については、平成9年2月12日付け環大規第30号をもって環境事務次官から通達するとともに、平成9年2月12日付け環大規第31号をもって大気保全局長から通知したところであるが、その他の事項等については下記のとおりであるので、これに留意の上、改正法による改正後の大気汚染防止法(昭和43年法律第97号。以下「法」という。)の施行に遺漏のないようにされたい。

第1 特定粉じん排出等作業の規制

 1 届出について

   法第18条の15第1項及び第2項の規定に基づく特定粉じん排出等作業の実施の届出については、届出を行う者が法人の場合には、原則として法人の代表者の名義による届出が必要であるが、代表者からの委任状を添付した上で、当該法人の事業所、支店等の長が届出を行うことは差し支えない。
   大気汚染防止法施行規則(昭和46年厚生省・通商産業省令第1号。以下「規則」という。)第10条の4第2項は、届出書に添付すべき書類に記載する事項を5項目規定しているが、同項第1号に規定する事項のうち特定粉じん排出等作業の対象となる建築物の概要(耐火建築物又は準耐火建築物の別、延べ面積等)並びに同項第3号から第5号までに規定する事項については、対応する欄(参考事項の欄)を届出書に設けたので、参考事項の欄に所定の事項が記載された場合には、これらの事項が記載された書類が届出書に添付されたものとみなすこととした(規則様式第3の2の参考事項の欄及び備考2)。なお、参考事項の欄に記載がなくとも、同項第1号から第5号までに規定する事項に相当する事項が記載された書類が添付されていれば、当然、適法な届出となる。
   規則様式第3の4に規定する見取図と同様式の別紙に規定する見取図は、一枚の図面にまとめても差し支えない。
   労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)においては、吹付け石綿を除去する作業について労働基準監督署長への届出義務が規定されており(同法第88条第4項)、その届出に添付すべき書類が労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第91条第1項において規定されているが、同法に基づき労働基準監督署長に届け出られ、受理された書類と、規則第10条の4第2項に規定する添付書類及び規則様式第3の4の備考1等に規定する図面との対応は、以下のとおりである。

  1.   ① 規則第10条の4第2項第1号に規定する事項のうち「特定粉じん排出等作業の対象となる建築物の配置図及び付近の状況を記載した書類」は、安衛則第91条第1項第1号に規定する事項に該当する。
  2.   ② 規則第10条の4第2項第2号に規定する事項を記載した書類は、安衛則第91条第1項第4号から第6号までに規定する書類であって、特定粉じん排出等作業の工程が明示されているものに該当する。ここで、特定粉じん排出等作業の工程として明示すべき内容は、特定建築材料の除去、囲い込み、封じ込めの作業の工程及び作業場の隔離等作業基準に係る主要な作業の工程である。
  3.   ③ 規則様式第3の4の備考1の見取図は、安衛則第91条第1項第2号に規定する書類であって、特定建築材料の使用箇所等の所定の事項が記入されたものに該当する。
  4.   ④ 改正規則様式第3の4別紙の備考4の見取図は、労働安全衛生規則第91条第1項第3号及び第5号に規定する書類であって、隔離された作業場の容量、集じん・排気装置の設置場所等の所定の事項が記入されたものに該当する。

   このように、規則第10条の4第2項並びに様式第3の4及びその別紙に規定する届出書に添付すべき書類については、労働安全衛生法に基づく労働基準監督署長への届出書に添付される書類と概ね同一であることから、相当する事項が記載されていれば、労働基準署長への添付書類を届出書に添付して差し支えない。

 2 既発通知の取扱い

   建築物の解体等に伴う石綿による大気汚染の防止に関しては、昭和62年10月26日付け環大規第225号(以下「昭和62年通知」という。)により当職から各都道府県・政令指定都市大気保全担当部(局)長あてに通知しているところであり、その内容は現時点においても適切なものであるが、今回の法令改正により、その主たる部分は法に基づく制度となったため、当該通知は廃止する。
   また、「建築物に使用されているアスベストに係る当面の対策について」(昭和63年2月1日付け環大規第26号・衛企第9号)により当職及び厚生省生活衛生局企画課長から、都道府県・指定都市衛生・環境主管部(局)長等宛て通知しているところであるが、当該通知のうち、昭和62年通知を引用している部分(Ⅱの4の部分)の取扱いについては、別途、両課長の連名により通知する。

第2 指定物質に係る措置

 1 勧告(法附則第10項)

   指定物質について、健康リスクの早急な低減を図っていくためには、関連する各事業者が着実に排出抑制を進めていく必要があり、本規定を適切に運用してその促進の確保を図られたい。
   なお、平成9年2月12日付け環大規第31号大気保全局長通知第2の4の4)に示す「指定物質による相当程度の大気汚染が認められ(る場合)」とは、指定物質による大気汚染が当該指定物質に係る大気環境基準値を大幅に上回っている、上回っている状態が継続している、又は上回っている状態が一過性ではないと認められる場合である。
   勧告を行うに当たっては、指定物質排出施設を設置している者の指定物質の排出抑制に係る取組状況、今後の計画等を勘案することとし、今後適切な対応を図ることとしていると認められる場合には勧告を行わないよう、十分な配慮が必要である。なお、ベンゼンの貯蔵タンクについて消防法に基づく開放点検時に排出抑制対策を講ずる明確な計画がある場合、指定物質排出施設において取り扱う指定物質を指定物質以外の他の物質に代替する明確な計画がある場合等については、特に配慮されたい。
   また、勧告の内容は、事業者の指定物質の排出等の状況、対策の経済的・技術的実施可能性等を踏まえたものとし、特に、中小企業者に対して勧告を行う場合には、その者の事業活動に及ぼす影響について十分配慮されたい。このため、環境部局は、衛生部局、商工部局等の関係部局と連携を図ることとされたい。
   勧告を行うときは、勧告対象者に対し、周辺環境に相当程度影響を与えていることと等、勧告を行うことが適当と判断した理由を示し、事業者の理解を促すよう配慮されたい。
   さらに、ベンゼンの貯蔵タンクのように消防法(昭和23年法律第186号)に規定する危険物の貯蔵所等に該当する指定物質排出施設を設置している者や高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)に規定する高圧ガス設備を設置している者に対して勧告を行うときは、これらの法律に定める技術上の基準の遵守を妨げることのないよう十分配慮されたい。

 2 報告の聴取(法附則第11項)

   報告の聴取の内容は、指定物質排出施設の状況、指定物質排出施設からの指定物質の排出の状況、排出の抑制対策の状況であり、物質の使用量、生産量、貯蔵量等の排出に直接関連しないデータは求めないこととされたい。
   また、この規定は、指定物質排出施設を設置している者に指定物質排出濃度の常時の測定を求めるものではない。なお、ベンゼンの製造の用に供する脱アルキル反応施設及びベンゼンを原料として使用する反応施設のうちシクロヘキサン製造施設から発生するベンゼンを含む可燃ガスを複数の加熱炉で焼却処理して排出している場合に、本規定に基づき、ベンゼンの排出状況の報告を求めるときは、代表的な排出口の一箇所において把握された結果を求めることとされたい。

第3 規則改正におけるその他の改正事項

   大気汚染防止法施行規則等の一部を改正する総理府令(平成9年総理府令第5号)においては、法改正に伴う規則の改正のみならず、次の改正を行っている。

  1.   ① 季節稼働施設等に係るばい煙濃度の測定回数の改正
  2.   ② 計量単位の法定計量単位への変更

 1 季節稼働施設等に係るばい煙濃度の測定回数の改正

   法第16条の規定によるばい煙発生施設に係るばい煙量等の測定については、規則第15条に規定されているところであり、従来、排ガス量毎時4万立方メートル未満のばい煙発生施設に係るばいじん及び有害物質の測定回数は年2回以上とされていた。
   しかしながら、冬季のみに使用される暖房用ボイラーのように、1年のうちの比較的短期間の間だけ使われる施設は、稼働期間に応じて事業者の自主測定回数を緩和することが望まれることから、排ガス量毎時4万立方メートル未満のばい煙発生施設であって、1年間に6月以上継続して休止するものに係るばいじん及び有害物質の測定回数を年2回以上から年1回以上に改正した(規則第15条第3号から第5号まで)。
   なお、継続休止期間が年をまたがっている場合であって、前年における当該継続休止期間が6月未満であるときは、前年における当該継続休止期間を合算してその年の継続休止期間を算定するものとした。
   本規定は、平成9年4月1日から施行されるものであるが、同日時点で継続して休止しているばい煙発生施設については、同日以前の継続休止期間を合算して、平成9年度の測定回数を定めて差し支えない。
   したがって、例えば、平成9年4月1日以前に2ケ月間継続して休止しており、同日以後、さらに5ケ月間、8月まで継続して休止したばい煙発生施設については、平成9年度においては、平成10年3月末までに1回以上ばい煙濃度の測定を行えばよいこととなる。
   また、本規定は、継続休止期間が6月以上であれば、残余の稼働期間の長短にかかわらず、少なくとも年1回はばい煙濃度の測定を義務づけるものであるが、1年を通して休止し、ばい煙を大気中に排出していないばい煙発生施設については、ばい煙濃度の測定を行う必要はないことに留意されたい。

 2 計量単位の法定計量単位への変更

   計量法(平成4年法律第51号)の制定に伴い、同法に規定する法定計量単位以外の計量単位は一定の使用猶予期間の後、法定計量単位に移行することとされており、この使用猶予期間の後は、法定計量単位以外の計量単位は取引又は証明の分野では使用できないこととなっている。
   従来、規則において使用されていた計量単位のうち「ミクロン」及び「カロリー」は法定計量単位ではないため、それぞれ法定計量単位である「マイクロメートル(μm)」及び「ジュール(J)」に改めることとした(規則第18条第2項、大気汚染防止法施行規則の一部を改正する総理府令(昭和57年総理府令第24号)附則第4項及び大気汚染防止法施行規則の一部を改正する総理府令(昭和58年総理府令第25号)附則第4項並びに附則別表第2の1の項)。
   なお、1カロリーは4.18605ジュールに相当するため、カロリーをジュールに改めるに当たっては、数値もこの換算係数により換算したが、実態上の変更はない。

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