法令・告示・通達

大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令の施行等について

  • 公布日:平成18年1月11日
  • 環水大大060111001号

(環境省水・大気環境局長から都道府県知事・政令市長あて)

 大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(平成17年政令第378号。以下「改正政令」という。)及び大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令(平成。17年環境省令第34号。以下「改正省令」という。)が、平成17年12月21日付けをもって公布され、平成18年3月1日から施行することとされたところである。
 今回の改正は、石綿が使用されている建築物の解体作業等における特定粉じんの飛散を防止する措置を拡充・強化するため、当該措置の対象となる建築材料及び作業の範囲を拡大することを目的に行われたものである。貴職におかれては、法令の厳正かつ実効性のある施行について下記の事項に十分御留意の上、格段の御協力をお願いする。

第1 改正の趣旨

   石綿が使用されている建築物の解体作業等における特定粉じんの飛散を防止する措置を拡充・強化するため、当該措置の対象となる建築材料及び作業の範囲を拡大することとし、特定粉じんを発生し、又は飛散させる原因となる建築材料に、既に指定されている吹付け石綿に加え、石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材を指定(改正政令による改正後の大気汚染防止法施行令(昭和43年政令第329号。以下「令」という。)第3条の3)するとともに、特定粉じん排出等作業の規模要件等を撤廃した(令第3条の4。)

第2 改正の内容

 1 定義

  (1) 特定建築材料

    大気汚染防止法(昭和43年法律第97号。以下「法」という。)第2条第12項の政令で定める建築材料に、石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材(吹付け石綿を除く。)を追加した。ここで「石綿を含有する」とは、吹付け石綿に関する従来の判断基準と同様に、建築材料の製造又は現場施工における建築材料の調製に際して石綿を意図的に含有させたことをいい、それが不明な場合にあっては、石綿の質量が当該建築材料の質量の1%を超えることをいう。特定建築材料に該当する建築材料の例を別紙に示す。

  (2) 特定粉じん排出等作業

    従来定められていた規模要件等を撤廃し、法第2条第12項の政令で定める作業は、特定建築材料が使用されている建築物を解体する作業及び特定建築材料が使用されている建築物を改造し、又は補修する作業とした(令第3条の4)。これにより、従来は建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物又は同条第9号の3に規定する準耐火建築物のうち、一定規模以上の作業が対象とされていたが、今後は、建築物の類型や規模によらず、特定建築材料が使用されている建築物を解体し、改造し、又は補修する作業がすべて対象となるものである。
    なお、法の「建築物」とは、建築基準法第2条第1号に規定する建築物を基本としており、建物本体のほか、建物に設ける建築設備(電気、ガス、給排水、換気、冷暖房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突等)などが含まれる。
    また、例えば、配管の曲線部のみが石綿を含有する保温材で覆われている場合に、保温材で覆われていない直線部分を切断して配管ごと保温材を取り外す作業が行われることがある。このような事例において、当該作業の場所から特定粉じんが排出されず、かつ、飛散しない場合には、当該作業は特定粉じん排出等作業に該当しない。ただし、保温材の劣化などにより当該作業に伴い石綿が飛散するおそれがある場合や、当該作業時の振動等により近傍の特定建築材料から石綿が飛散するおそれがある場合には、当該作業が特定粉じん排出等作業になり得ることに留意されたい。

 2 作業基準

  (1) 掲示

    特定粉じん排出等作業に係る規制基準として、特定粉じん排出等作業の実施の期間や作業の方法等の事項を表示した掲示板を設けることを新たに規定した(改正省令による改正後の大気汚染防止法施行規則(昭和46年厚生省・通商産業省令第1号。以下「規則」という。)第16条の4第1号)。特定粉じん排出等作業の実施の期間や作業の方法等の事項を表示した掲示板を設けることは作業基準の一部であり、当該掲示板が設けられていない場合は、法第18条の18に規定する作業基準適合命令等の対象になり得る。また、当該掲示板は、周辺住民からも見やすい場所に設けられることが望ましい。
    なお、掲示については、具体的な様式を定めておらず、他法令等に基づく掲示に追記する形式で表示しても差し支えない。また、他法令等に基づく掲示の内容と重複する事項を重複して表示する必要はない。

  (2) 作業の方法

    特定粉じん排出等作業を次の4種類に場合分けし、それぞれの場合に対し適用される基準を定めた(規則第16条の4第2号及び別表第7)。

  1.     ①特定建築材料が使用されている建築物を解体する作業②又は③に掲げるものを除く。)
  2.     ②特定建築材料が使用されている建築物を解体する作業のうち、石綿を含有する断熱材、保温材又は耐火被覆材(吹付け石綿を除く。)を除去する作業であって、その材料を原形のまま取り外すなど、特定建築材料を掻き落とし、切断、又は破砕以外の方法で除去する作業(③に掲げるものを除く。)
  3.     ③特定建築材料が使用されている建築物を解体する作業のうち、あらかじめ特定建築材料を除去することが著しく困難な作業
  4.     ④特定建築材料が使用されている建築物を改造し、又は補修する作業

    規則別表第7では、特定粉じん排出等作業の4種類の場合分けごとに、各項の下欄で具体的な作業の方法を規定するとともに、これらの方法に代えて、同等以上の効果を有する別の措置を講じてもよいこととした。すなわち、特定建築材料の種類や状態、作業箇所の状況によっては、作業場全体を隔離し負圧に保つ等の通常の作業方法によらず、これと同等以上の効果を有する措置(例えば、配管の一部に使用された保温材を除去する際に、当該作業箇所を局所的に隔離するための袋状の用具(いわゆるグローブバッグ)を使用して密封状態を保ったまま保温材を除去する等)を講じることを許容するものである。これは、解体等の対象となる建築物の状態の違いや今後の技術の進展等に対応できるよう作業基準に柔軟性を持たせる趣旨で規定したものであり、従来の運用からの変更はない。
    特定建築材料が使用されている建築物を改造し、又は補修する作業に関する作業基準については、従来通り、囲い込み及び封じ込めに関する規定を設けることとした。囲い込み及び封じ込めとは、基本的に次の作業をいう。

    ①囲い込み
     大気への特定粉じんの排出及び飛散が生じないようにしながら特定建築材料が露出しないよう板状の材料で完全に覆うなどして、特定粉じんの飛散防止及び特定建築材料の損傷防止を図ること。
    ②封じ込め
     大気への特定粉じんの排出及び飛散が生じないようにしながら特定建築材料の表面又は内部に固化剤を浸透させるなどして、特定粉じんの飛散防止及び特定建築材料の損傷防止を図ること。
    特定建築材料の囲い込み又は封じ込めを行うに当たり、囲い込み板の取り付け、薬剤の吹き付け等の作業に伴い特定粉じんが飛散するおそれがある場合には、吹付け石綿については規則別表第7の一の項の下欄、石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材については同表の二の項の下欄に各々掲げられた作業基準に準じた措置を講ずる必要がある。

第3 経過措置等

 1 経過措置

   改正政令により新たに追加される特定粉じん排出等作業が平成18年3月1日に現に行われている場合における当該作業については、同日以降に届出を提出する必要はなく、また、同日以降も作業基準の遵守義務(法第18条の17)及び作業基準適合命令等(法第18条の18)の規定は適用されない(改正政令附則第2項)。

 2 既発通知の取扱い

   大気環境中への石綿飛散防止対策の徹底と実施内容の掲示については、平成17年8月9日付け環管大発第050809001号により環境省環境管理局長から都道府県知事・政令市長あてに通知しているところであるが、その主たる部分は法令に基づく制度となったため、当該通知は平成18年2月28日をもって廃止する。
   その他この通知に定めのないものについては、従来の通知に定めるものを参考にして判断されたい。

別紙
特定建築材料に該当する建築材料の例

区分
建築材料の具体例
吹付け石綿
①吹付け石綿、 ②石綿含有吹付けロックウール(乾式・湿式)、③石綿含有ひる石吹付け材、④石綿含有パーライト吹付け材
石綿を含有する断熱材(吹付け石綿を除く。)
①屋根用折版裏断熱材、②煙突用断熱材
石綿を含有する保温材(吹付け石綿を除く。)
①石綿保温材、②石綿含有けいそう土保温材、③石綿含有パーライト保温材、④石綿含有けい酸カルシウム保温材、⑤石綿含有ひる石保温材、 ⑥石綿含有水練り保温材
石綿を含有する耐火被覆材(吹付け石綿を除く。)
①石綿含有耐火被覆板、②石綿含有けい酸カルシウム板第二種、③石綿含有耐火被覆塗り材
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