法令・告示・通達

ダイオキシン類対策特別措置法第二六条の規定に基づく大気のダイオキシン類による汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準について

  • 公布日:平成13年5月21日
  • 環管総145号

(環境省環境管理局長から都道府県知事・政令市長あて通知)

地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成一一年法律第八七号)の施行(平成一二年四月一日)により、機関委任事務は廃止され、都道府県及び市町村の事務は自治事務又は法定受託事務に区分された。このうち法定受託事務については、地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二四五条の九第一項及び第三項の規定により、都道府県又は市町村が処理するに当たりよるべき基準(以下「処理基準」という。)を国が定めることができるとされている。
ダイオキシン類対策特別措置法(平成一一年法律第一〇五号。以下「法」という。)に規定する地方公共団体が処理すべき事務のうち、法定受託事務である常時監視に関する事務(法第二六条)のうち大気の汚染の状況に係るものについて、別紙のとおり処理基準が定められたので通知する。
当該事務を行うに当たっては、別紙記載事項を遵守し、従来同様円滑かつ適切な実施に万全を期されるようお願いする。

別表

ダイオキシン類対策特別措置法第二六条の規定に基づく大気のダイオキシン類による汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準

(平成一三年五月二一日 制定)

目次

  1. 一 ダイオキシン類の大気汚染状況の常時監視の目的
  2. 二 測定対象
  3. 三 測定地点及びその選定等
    1. (一) 一般環境
    2. (二) 固定発生源周辺
    3. (三) 沿道
    4. (四) 測定地点の見直し
    5. (五) 既存の測定局の活用
  4. 四 測定頻度等
  5. 五 試料採取口の高さ
  6. 六 測定方法
  7. 七 測定値の取扱い及び評価
    1. (一) 評価の対象としない測定値
    2. (二) 年平均値の算出
    3. (三) 異常値の取扱い
  8. 八 精度管理
  9. 九 結果の報告
  1. 一 ダイオキシン類の大気汚染状況の常時監視の目的
    都道府県等において継続的にダイオキシン類による大気汚染に係る測定を実施することにより、地域における環境濃度の状況、発生源の状況及び高濃度地域の把握、排出抑制対策の効果の把握等を行うとともに、全国的な汚染動向、汚染に係る経年変化等を把握し、もって大気に係るダイオキシン類対策の基礎資料とすることを目的とする。
  2. 二 測定対象
    ダイオキシン類の大気環境濃度について測定を実施するものとする。
    また、風向、風速等の気象要素についても測定を実施するよう努めるものとする。
  3. 三 測定地点及びその選定等
    測定地点の区分については、一般環境、固定発生源周辺及び沿道の三種類とし、それぞれにおける測定地点選定の考え方は、以下のとおりとする。
    1. (一) 一般環境
      一般環境における測定地点は、発生源からのダイオキシン類の排出の直接の影響を受けにくいと考えられる地点について、地域におけるダイオキシン類による大気汚染の状況の継続的把握が効果的になされるよう選定するものとする。
      また、経年変化が把握できるよう、原則として同一地点で継続して監視を実施するものとする。
    2. (二) 固定発生源周辺
      固定発生源周辺における測定地点については、固定発生源からのダイオキシン類の排出状況、気象条件及び地理的条件を勘案して、ダイオキシン類の濃度が相対的に高くなると考えられる地点を優先的に選定するよう努めるものとする。
      また、経年変化が把握できるよう、原則として同一地点で継続して監視を実施するものとする。しかし、それぞれの固定発生源によって、ダイオキシン類の排出状況が異なることが考えられるため、ある地点における測定結果から他の地点における大気汚染の状況を推測することは難しい。このため、より多くの地点においてきめ細かくダイオキシン類の汚染状況を監視する必要性等の観点から、年度ごとに測定地点を変えて監視を実施することは差し支えない。
    3. (三) 沿道
      沿道における測定地点については、交差点、道路及び道路端付近において、固定発生源からのダイオキシン類の排出の直接の影響を受けにくいと考えられる地点を選定するものとする。
      また、経年変化が把握できるよう、原則として同一地点で継続して監視を実施するものとする。
    4. (四) 測定地点の見直し
      発生源の状況、環境濃度の動向等に注意を払いつつ、測定地点の配置について随時検討及び評価を行い、必要に応じて見直しを行うこととする。
    5. (五) 既存の測定局の活用
      これまでに設置された一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局をダイオキシン類の測定地点として活用することは、サンプリングを確実に実行し、また効率的に常時監視体制を整備する上でも有効である。このため、前記(一)から(三)までに基づき、選定すべき測定地点として適正であるか判断のうえ、既存の測定局の中から測定地点を選択することは差し支えない。
      なお、法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等により各般のダイオキシン類の排出削減対策が講じられており、これらによる環境改善効果を把握し、大気環境基準の達成状況を確認するためには、同一地点において継続的に監視することが重要であることから、法施行前において大気汚染防止法第二二条に基づきダイオキシン類の大気に係る常時監視を実施していた地点については優先的に、法第二六条に基づく常時監視を実施する地点として選定するよう努めるものとする。
  4. 四 測定頻度等
    長期曝露による健康リスクが懸念されているダイオキシン類の大気汚染状況の常時監視においては、原則として年平均濃度を求めるものとする。
    ダイオキシン類の排出等は、人の社会・経済活動に密接に関係しているため、季節変動、週内変動及び日内変動が認められる。常時監視に当たって、季節変動が適切に平均化されるよう、季節毎に測定を実施することが望ましいが、少なくとも夏期及び冬期に測定を実施するものとする。その際、連続二四時間のサンプリングを実施し、日内変動を平均化するものとする。さらに、サンプリングを実施する曜日が偏らないようにし、週内変動を平均化することが望ましい。
  5. 五 試料採取口の高さ
    サンプリングにおける試料採取口の地上高さは、地上からの土砂の巻上げ等による影響を排除するため、原則として、地上三mから一〇mの高さにおいて行うものとする。なお、高層集合住宅等地上一〇m以上の高さにおいて人が多数生活している実態がある地域においては、その実態を勘案し、試料採取口の高さを適切に選定するものとする。
  6. 六 測定方法
    測定方法については、「ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル」(平成一二年六月五日環大規第一九三号)による。
  7. 七 測定値の取扱い及び評価
    1. (一) 評価の対象としない測定値等
      1. ア 測定局が、都市計画法(昭和四三年法律第一〇〇号)の規定による工業専用地域(旧都市計画法(大正八年法律第三六号)による工業専用地域を含む。)、港湾法(昭和二五年法律第二一八号)の規定による臨港地区、道路の車道部分その他埋立地、原野、火山地帯等通常住民が生活しているとは考えられない地域、場所に設置されている場合の当該測定局における測定値
      2. イ 測定値が、測定機器に起因する等の理由により当該地域の大気汚染状況を正しく反映していないと認められる場合における当該測定値
    2. (二) 年平均値の算出
      測定結果を評価する際には、地点ごとに、測定値を算術平均して求めた年平均値を用いるものとし、環境基準値との比較によってその評価を行うものとする。十分な測定頻度で測定を実施できなかった場合等は、結果の評価に際して留意する必要がある。
    3. (三) 異常値の取扱い
      これまでの測定結果等から判断して、極端に高い若しくは低いと考えられる測定値が得られた場合又は前回の測定値と比較して極端に測定値が変動している場合には、その測定値は異常値である可能性がある。このときは、サンプリング、試料の輸送、前処理、機器分析という一連の作業に問題がないかを確認し、問題がない場合には、サンプリング時の周囲の状況に通常考えにくい事象等がなかったかを確認するものとする。以上の情報を総合的に勘案して、異常値と考えられる場合には、測定値は欠測とするものとする。
      なお、異常値の可能性がある測定値が得られた場合には、可能な限り速やかに再測定を行うことが望ましい。
  8. 八 精度管理
    ダイオキシン類の測定は、サンプリング、試料の輸送、前処理、機器分析といったバッチ処理によって行われることが通常であり、有効な測定を行うため、それぞれの作業及び機器の管理等を適切に実施するものとする。また、作業に係る情報等を記録し、測定が終了した後に精度管理が十分にされているかを記録によって確認できるようにするものとする。
    なお、環境省では、ダイオキシン類の環境測定における的確な精度管理を実現するため「ダイオキシン類の環境測定に係る精度管理指針」及び「ダイオキシン類の環境測定を外部に委託する場合の信頼性の確保に関する指針」を定めており、都道府県等における常時監視においても参考とされたい。
  9. 九 結果の報告
    法第二六条第二項の規定に基づく常時監視の結果の報告については、別途環境省が指定する方法により指定する期日までに行うものとする。
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