平成29年度環境省政策評価委員会 第1回議事録要旨

  1. 日時:平成29年7月27日(木)10:02~12:01
  2. 場所:環境省 第1会議室
  3. 出席者
    委員
    (委員長)
    須藤 隆一

    東北大学大学院工学研究科客員教授
    井村 秀文 横浜市立大学特任教授
    大塚  直 早稲田大学法学部教授
    河野 正男 横浜国立大学名誉教授
    崎田 裕子 ジャーナリスト・環境カウンセラー
    藤井 絢子 特定非営利活動法人 菜の花プロジェクトネットワーク代表
    三橋 規宏 千葉商科大学名誉教授
    山本 良一 東京大学名誉教授
    鷲谷いづみ 中央大学理工学部人間総合理工学科教授
    [欠席]
    細田 衛士 慶應義塾大学経済学部教授
    百瀬 則子 ユニー株式会社 上席執行役員 CSR部長
    事務局(大臣官房)
    米谷審議官、上田秘書課長、白石総務課長、大森会計課長、松本総合政策課長、他
    環境省各局部
    中尾環境保健企画管理課長(環境保健部)、角倉総務課長(地球環境局)、廣木総務課長(水・大気環境局)、奥田自然環境計画課長(自然環境局)、和田総務課長(環境再生・資源循環局)
  4. 議題
    (1)平成28年度環境省政策評価書(事後評価)(案)について
    (2)その他
  5. 配布資料
  6. 議事録要旨

〔議事録要旨〕

午前10時02分 開会

【事務局】
それでは、定刻となりましたので、ただいまから平成29年度第1回環境省政策評価委員会を開催いたします。
まず、政策評価委員会の開催に当たりまして、米谷大臣官房審議官より御挨拶を申し上げます。
【米谷審議官】
おはようございます。大臣官房審議官を拝命いたしました米谷でございます。よろしくお願いいたします。
委員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ、平成29年度第1回環境省政策評価委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございました。
環境省、実は今月の14日に大規模な組織改編を行いました。お帰りまでには、ちょっと組織図、組織がこう変わったという紙を本当は用意しておければよかったんですけども、今、用意させておりますので、お示しをしたいと思っております。
大きなところでは、環境再生・資源循環局という新しい局ができました。これはですね、これまで福島でやっていた除染とか中間貯蔵の部署、これ、ばらばらの部署でやっていたんですけども、それを一元化して、そして廃棄物・リサイクル対策部と一元化すると。新たな組織として、環境再生・資源循環局というのをつくりました。この環境再生・資源循環局のもとで、原子力災害からの環境再生に向けた取組を一元的に進めるとともに、資源循環政策との融合を進めてまいりたいと思っております。もう一つ、あわせて総合環境政策局を改組いたしまして、新たに総合環境政策統括官を新設いたしました。今後、この統括官のもとで、分野横断的な省全体の企画・立案機能を強化していくこととしています。
ということで、これで環境省も長く低炭素社会づくり・循環型社会づくり・自然共生社会づくりという三つの柱を挙げてきましたが、それぞれが局として立って、そして横串で機動的に局横断で政策を進めていく統括官組織をつくったということでございます。
このような新しい体制で環境行政を強力に推進していく所存でありますので、委員の皆様におかれましても、引き続き御指導、御支援をいただければ幸いでございます。
本日は、平成28年度に実施した政策に関する事後評価書(案)を準備いたしております。設定した目標に対する達成度合いを判定し、その達成状況を記載するなど、わかりやすいものとなるように作成に努力をいたしました。本日は、この事後評価書(案)を中心に御助言をいただければと考えております。例年同様、今年度も3回の開催を予定しております。委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見を賜りますよう、改めてお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
【事務局】
本日は、今年度(平成29年度)最初の政策評価委員会ということでございまして、委員の御紹介のほうをさせていただければと思います。
まず、井村委員でございます。
大塚委員でございます。
河野委員でございます。
崎田委員でございます。
須藤委員でございます。
藤井委員でございます。
三橋委員でございます。
山本委員でございます。
鷲谷委員でございます。
なお、細田委員、百瀬委員につきましては、本日は所用のため御欠席と伺ってございます。
引き続きまして、環境省からの出席者のほうを紹介させていただければと思います。
まず、私の左手のほうから、秘書課長はちょっと遅れてきておりますけど、大臣官房秘書課長の上田が後ほど参ります。
あわせまして、米谷審議官の隣、大臣官房総務課長の白石でございます。
その隣の大臣官房会計課長の大森も、ちょっと遅れて参ります。
続きまして、大臣官房総合政策課長の松本でございます。
続きまして、環境保健部環境保健企画管理課長の中尾でございます。
地球環境局総務課長の角倉でございます。
水・大気環境局総務課長の廣木でございます。
続きまして、先生方の左手でございますけれども、環境再生・資源循環局の総務課長の和田のほうも、若干、ちょっと遅れております。後ほど参ると思います。
あと、自然環境局でございますが、総務課長の永島のほうがヒアリ関係の対応で、かわりに自然環境計画課長の奥田のほうが代理で出席をいたします。
続きまして、資料の確認をさせていただければと思います。お手元に配付しております資料のほうをご覧いただければと思います。
まず、議事次第の裏面に配付資料の一覧というのがございます。そして、資料1として委員名簿が1枚ございます。その次に、資料2といたしまして、平成28年度施策に関する事後評価書(案)ということで、こちらが本日中心になって御議論いただければと思っている資料でございます。ちなみに、資料を1枚、別紙というものを差し込みをさせていただいております。こちらについては、差し込みをさせていただいている箇所の、目標3-1の大気環境の保全という評価書の資料の別紙が一部抜けておりましたので、挿入をさせていただいております。申し訳ございません。続きまして、資料3、こちらも平成28年度施策に関する事後評価書(案)となっておりますが、こちらはモニタリング評価対象ということで、本日、中心に御議論いただくものではございませんけれども、こちらも配付をさせていただいております。次に、資料4ということでございまして、ちょっと分厚くなりますけれども、平成29年度、今年度に実施する施策の事前分析表の(案)というものを配付させていただいております。あわせまして、その次に、参考資料1、2、3というふうに資料の配付をさせていただいております。年度別の評価実施計画と、その裏面に評価書検証のポイントという1枚紙と、最後に参考資料3ということで、政策評価に関する今後の予定というものを配付させていただいております。
もし過不足等がございましたら、事務局のほうまで御案内をいただければと思います。
今、先生方のお手元のほうに、7月14日付の組織改編の資料のほうを配付させていただいておりますので、御参照いただければ幸いでございます。
引き続きまして、委員長の選任をお願いしたいと思います。
この委員会の設置要綱におきましては、委員の互選により委員長を選出することとされてございますけども、誠に僭越ではございますけれども、事務局といたしましては、昨年度も委員長を務めていただきました須藤委員に委員長をお願いしたいと思いますが、御了承いただけますでしょうか。

(了承)

【事務局】
ありがとうございます。
それでは、御了承いただきましたので、須藤委員に今年度も引き続き委員長のほうをお願いできればと思います。須藤委員におかれましては、委員長席のほうに御移動をお願いできればと思います。
それでは、以後の議事の進行につきましては、須藤委員長のほうにお願いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。
【須藤委員長】
かしこまりました。それでは、一言御挨拶を申し上げた後、議事進行に移りたいと思います。
昨年度も議事進行をさせていただいたということ、多分、私が委員の中で最も年長ということもあって指名いただいたと思いますが、微力ではございますので、無事に委員長が務まるかどうか不安ではございますが、先生方の御協力をいただいて、本評価委員会の目的を達成できればと願っておりますので、よろしく御協力をいただきたいと思います。
それでは、最初の議事として、本委員会の設置要綱では、委員長に事故があるときは委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代行するという規定がございますので、この規定に基づきまして、委員長代理として山本先生を指名させていただきたいと存じます。
山本先生、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
それでは、実際の議事に入りたいと思います。
まず、本日の議事進行につきまして御説明をいたします。
環境省の政策評価は、各施策について重点的に評価を行う通常評価と、通常評価を行わない年に施策の達成度合いを把握するモニタリング評価のいずれかを行う仕組みとなっております。このことは委員の先生方は全員御存じだと思います。これを踏まえまして、今年、通常評価を行おうとされる施策について、重点的にこれから御議論をいただきたいと考えております。よって、最初に通常評価の施策ごとに説明、質疑応答という形で進行させていただき、最後にモニタリング評価の施策を含む全般的な御発言をいただきたいと考えております。委員の皆様の御協力をどうぞお願いいたします。
それでは、議題1、平成28年度環境省政策評価書(事後評価)(案)に入ります。
最初に、今年の通常評価の対象である施策1、地球温暖化対策の推進について、地球環境局より御説明をまず願います。
【地球環境局】
それでは、地球環境局から御説明を申し上げます。資料2をご覧いただけますでしょうか。
資料2、おめくりいただきまして、最初のところで目標1-1、地球温暖化対策の計画的な推進による低炭素社会づくりという項目がございます。
施策の概要でございますけれども、これにつきましては、地球温暖化対策計画に基づきまして、中期目標の達成に向けて施策を総合的かつ計画的に推進するとともに、長期目標やパリ協定等を踏まえ、社会経済構造の転換を促進しつつ、長期的・戦略的な取組を進めると。このようにさせていただいております。
達成すべき目標でございますけれども、2030年度に2013年度比で26%削減、長期的目標として2050年までに80%の削減を目指すと。このようにさせていただいております。
下のほうの測定指標をご覧いただけますでしょうか。測定指標の上のほうでございます。温室効果ガス総排出量でございますけれども、平成27年度の排出量は13億2,500万トンということでございまして、これは昨年度比で2.9%の削減でございます。基準年度比で比べますと6.0%の削減と。このようになっているところでございます。ただ、目標値が2030年度で10億4,200万トンでございますから、まだまだしっかりと取組を進めなければならないと。このように考えているところでございます。
1枚おめくりいただきまして、目標達成度合いの測定指標の部分でございます。「相当程度進展あり」とさせていただいておりますが、これは基準年度比で比べると6.0%削減というところまで削減が進んでいるということでございますが、ただ、長期目標、さらに中期目標、それぞれ見渡しますと、まだまだ取組をさらに力を入れていかなければいけないと。このように認識しているところでございます。
このページの下のほうでございますが、次期目標等への反映の方向性につきましては、引き続き同じ指標を用いまして、しっかりと取組を進めていきたいと。このように考えております。
さらに、おめくりいただきまして、目標1-2のほうをご覧いただけますでしょうか。世界全体での抜本的な排出削減への貢献でございます。
施策の概要につきましては、パリ協定に基づく詳細ルールの構築に貢献する。また、2℃目標を踏まえて、世界全体での排出削減に貢献するため、二国間クレジット等を通じて途上国等への低炭素技術の普及を推進すると。このようにさせていただいております。
測定指標でございますけれども、昨年度はJCMのパートナー国数、これを掲げておりました。ただ、これにつきましては、当初目標の16カ国というのを昨年度既に達成をいたしておりますので、変わりまして、JCM事業等に係る環境省のJCM等事業の事業規模、これを目標として掲げさせていただいているところでございます。目標値として、32年度に2,000億円、このように掲げさせていただいております。23年度963億円、事業規模が達成しているところでございますので、引き続き取組を進めてまいりたいと考えております。
施策の分析の部分でございますけれども、評価結果のほうの真ん中をご覧いただけますでしょうか。平成29年6月末時点でJCM資金支援事業110件実施をしておりまして、このうち16件がプロジェクトとして登録済みでございます。さらに、その下の丸でございますけれども、このうち3カ国の5件のプロジェクトからJCMクレジットが既に発行されていると。このようなところでございます。
その下のほう、次期目標への反映の方向性でございますが、引き続き、本測定指標を用いてまいりたいと。このように考えているところでございます。
さらに、おめくりいただきまして、目標1-3をご覧いただけますでしょうか。気候変動の影響への適応策の推進でございます。
施策の概要でございますが、気候変動の影響への適応計画に基づき、関係省庁と連携しながら施策を推進するとともに、観測・監視や予測を行い影響評価を実施し、施策の進捗状況を把握し必要に応じ見直すという、順応的アプローチによる取組を進める。さらに、国際協力・貢献の推進も実施すると。このようにさせていただいております。
測定指標でございますが、まず、最初のほう、気候変動関係の適応についての計画を策定している都道府県、政令市と書いてございますが、すみません、政令指定都市の誤りでございます。都道府県、政令指定都市の数でございます。目標として、平成31年度に、全都道府県・全政令指定都市で計画を策定することを目標に掲げておりまして、現時点で、平成28年度で43都道府県・政令指定都市が既に策定済みとなっているところでございます。
そのほか、気候変動の影響に関する適応計画について、平成27年度に計画が閣議決定したところでございますが、このフォローアップを引き続き進めるということになっておりまして、現在、フォローアップ方法の検討等、これを進めているところでございます。
さらに二国間支援の推進につきましては、目標として、平成29年度、影響評価支援並びに政策への貢献と書いてございますが、現時点につきましては、平成27年度に二国間において既に政府間連携の取組を始め、3カ国において研究者間連携を構築したところでございまして、これに基づいて、現在、具体的な取組を進めているところでございます。
目標達成度合いの測定結果でございますが、「相当程度進展あり」とさせていただいているところでございます。
特に昨年度、気候変動適応情報プラットフォームを国立環境研究所に立ち上げたところでございまして、これに基づきまして、都道府県等への働きかけ等、さらに情報提供等をしっかり進めてまいりたいと。このように考えているところでございます。
その下のほう、次期目標等への反映の方向性でございますけれども、引き続き本測定指標を用いたいと考えておりますが、海外協力の部分につきましては、「二国間適応支援の推進」と書いてある部分につきましては、より具体的にするために、「気候変動影響評価・適応計画策定の協力プロジェクトを行った国の数」と、このように変更させていただきたいと考えているところでございます。
駆け足で恐縮ですが、以上でございます。よろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
どうも御説明ありがとうございました。
それでは、委員の先生から、御質問やら御意見を伺いたいと思います。どうぞ、どなたでも結構でございます。いかがでございましょうか。
それじゃあ、どうぞ、河野先生。
【河野委員】
河野です。
目標1-1ですが、それの裏のところで、目標達成度合いの測定結果の丸の2の下に、<吸収源による温室効果ガスの排出抑制>というのがございます。吸収源ということで、森林を取り上げているんですが、その条件として、終わりのほうに森林の高木化ということで、吸収が将来心配だということなんですが、別の資料をちょっと見たんですけども、森林の年々の伐採量が2000年度辺りから増えている、それから、あるいは立木の人工栽培といいますか、この面積が減ってきているとか、こういうことがあると、長期的にはこういうこともきいてくるのではないかと。そういうことも考慮して、それは立木の高齢化に比べて小さいと、影響が小さいから、特にあまり考慮しなかったということなのか、その辺についてちょっとお伺いしたいと思います。
【須藤委員長】
では、地球環境局、どうぞ。
【地球環境局】
河野先生から御質問をいただいた点でございますけれども、森林の吸収量の目標につきましては、日本の約束草案を策定したときに、林野庁等と相談をしながら策定したものでございまして、その時点で利用可能なデータと見通しに基づいて設定したものでございます。御指摘のとおり、その後いろんな状況の変化等もあるかと思いますので、今後、温暖化対策計画のフォローアップ、見直しプロセスを行う等の中で、また改めて、本当にどういう状況になっているのか、それを踏まえた上で改めて議論をしていくと、このようになろうかと思っておりますので、引き続き、御指導いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
よろしいでしょうか。
じゃあ、山本先生。どうぞ。
ほかの先生、もし御質問があれば、立て札を立ててください。順番に参りますので。
【山本委員】
2点あるんですが、第1点は、この適応策なんですけど、先週の九州北部豪雨、これは福岡県の朝倉市が場所によっては9時間で、私の記憶では800ミリくらいの雨が降ったと。それで、国土交通省のシミュレーションによると、荒川上流で、3日間で550ミリの雨が降ると、荒川が決壊すると。荒川が決壊すると1,000人の死者が出て、90万人が孤立すると出ていますよね。ということは、もう既に我々は荒川がいつ決壊してもおかしくないくらいのところに来ている。世界を見ると、オーストラリアのメルボルンの北のほうの・・・という市では、Climate Emergency Planと、適応計画なんていう生易しくなくて、気候の非常事態計画というのをつくっているわけですね。このままいくと、こんな適応計画とか何か生易しいことを言っていると、前、茨城県の鬼怒川決壊も防げなかったわけだ。また、私は、もう今年か来年か、いつ荒川が決壊してもおかしくないところに来ていると。ですから、その辺の切実さがやはりちゃんとわかるように、どこかに書いていただきたいというのが、私、一つ。
二つ目は、CO2の排出量を削減できたということで、大変これは結構なんですが、これは世界的に見ると、3年間で世界のCO2排出量は横ばいなんですよね。これは私の記憶では320億トンぐらいかな、年間。ところが、非常に深刻なのは、大気中のCO2濃度がどんどん増加しているんですよ。既にハワイのマウナロアでは406か7くらいになっているんじゃないですか、ppm。これが非常に科学者が議論していて、なぜ人為起源のCO2排出量が安定化しつつあるのに大気中のCO2濃度が上がっているかと。その理由は、我々がおそれていたことがもう起きているんじゃないかと。つまりツンドラが解けて、CO2とかメタンガスが空気中に出ている。それから、論文によると、中緯度地方から高緯度地方にかけて、土壌中のカーボンが、今、温暖化に伴って空気中に放出されているという研究結果が発表されているわけですね。これは物すごい深刻な意味を持っていて、つまり人類のCO2、人為起源のCO2の排出努力をやっても温暖化がどんどん進むという、これはもう一番おそれていたことが今起きているのではないかという疑いがあるわけですね。
その辺、2点、ぜひよろしくお願いします。
【須藤委員長】
わかりました。
それでは、今の先生からの2点の御指摘についてを、今、この中には書いていないわけですけども、どうぞお願いいたします。
【地球環境局】
まず、気候変動の影響、日本でも深刻に出始めていると、こういう御指摘は、そのとおりだと私どもも認識しておりまして、その切実さ、そういう危機意識をしっかり書くべきであると、その御指摘につきましては、御指摘を踏まえて、表現ぶり、さらに精査をして書き直してまいりたいと、このように考えております。
【須藤委員長】
はい、わかりました。
それから、2点目。
【地球環境局】
2点目のところですけれども、実際にCO2の排出量、CO2の濃度ですね、大気中の、これが増えつつあると、こういう御指摘につきましては、環境省のほうでやっておりますGOSATの観測衛星の結果からも、これは裏づけられているところでございまして、既に400ppmを超えたと、こういうデータが現に得られております。御指摘につきましては、私どもも大変懸念をしておるところでございまして、引き続き、しっかりと、そこのところの科学的知見の充実、研究等について、IPCC等ともしっかり連携しながら、日本としてしっかり貢献をしてまいりたいと。このように考えておりますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
ありがとうございます。
それでは、大塚先生、どうぞ。次に三橋先生に参ります。
【大塚委員】
3点ほどございますけども、一つは別紙2の最初のページのところの温室効果ガスの総排出量が減ってきているのは大変いいことだと思っていますが、これについては、ただ、今後石炭火力が増えたりする可能性とかも含め、現在、どうして減っていて、今後どうかということの見通しのようなことを、ある程度書いたほうがいいかなという気もするんですが、ただ、減らしていかなくちゃいけないときに、ネガティブなことを書けるかという問題もあるので、ちょっとなかなか難しいかもしれませんけども、気をつけないとというか、さっと素直に読んでしまうと、どんどん減り始めているので、このまま減っていくのが何か普通のように見えてしまうかもしれないので、必ずしもそうでないという辺りのことを、後ろのほうに、ちょっとどこかに書いていただいたほうがいいんじゃないかなということが一つでございます。
それから、二つ目でございますけども、目標1-3との関係の2ページ目ということになりますが、この指標に関して、二国間適応支援の推進に関して、今までは二国間の適応支援をする国の数をたしか出していらっしゃったんだと思うんですけども、それを協力プロジェクトを行った国の数に変更するということで、これはこれで結構なことだと思いますが、これは16カ国以上は、今、17でしたっけ、あまり増やさないということをお考えなんでしょうか。ちょっと、その辺が。
【地球環境省】
それは1-2のほうでございましょうか。
【大塚委員】
1-2でしたっけね。はい。
【地球環境局】
国の数が書いてあるのは、1-3の適応の部分の取組の部分でございまして。
【大塚委員】
あ、そうですか。国の数を指標にするのはやめましたよね。
【地球環境局】
それは1-2のJCMのほうですね。
【大塚委員】
はい。ちょっと、これをどうしてやめられたかというのを教えてください。
それから、三つ目ですけども、この間、国際環境法の先生に報告をある研究会でしていただいて、いまだに温暖化が人為的起源で起きるかどうかに関して何か懐疑的でいらっしゃったので、ちょっとびっくりしたんですけども、人為的起源で起きることに関しては、ほぼ、もう明らかになってきていることだと思いますので、国民に対する温暖化の問題の深刻さとか、もはや不確実というところではなくなっている部分がある、いつ何が起きるかについては、まだ不確実なところがあると思いますけども、なくなってきているということをもう少しちゃんとPRしないと非常にまずいなという感じがしましたけども、そういう国民の意識を変えていくとか、変えようと思っても、なかなか変わらないのかもしれませんが、そういうことについての指標というのは立てる必要がないのかということを、ちょっと意見として申し上げておきたいと思います。
以上でございます。
【須藤委員長】
じゃあ、3点、どうぞ。
【地球環境局】
大塚先生からいただきました、まず1点目の排出削減のトレンド、あと今後の見通し、難しいという部分があるということも含めて、しっかり書くべきであるという御指摘につきましては、御指摘を踏まえて、この資料の表現ぶりについて、しっかりと書き直してまいりたいと考えております。
続きまして、2点目の目標1-2のJCMのパートナー国数を、前、目標として掲げていた部分の数値をなぜやめたのかという部分でございます。まず、もともとあった目標は、JCMのパートナー国数、もともと8各国だったのを16カ国、倍増するという目標が政府目標でございました。それを実は昨年、もう既に達成をしているという中で、昨年度の政策評価委員会の中では、16カ国ということで達成しましたという御報告をさせていただいたんですけれども、それからもっと先を見据えて、さらにこの目標について考え直したほうがいいのではないかと、こういう御示唆を昨年度いただいたところでございまして、それを踏まえまして、目標について見直して、さらに実質的に取組の進捗状況を把握できるものとして事業規模と、このような形に工夫させていただいた部分でございます。もちろん、パートナー国数は、昨年16カ国だったのが、今年、さらにフィリピンが加わって、17カ国に増えたところでございまして、もちろん、それはそれで今後増やしてまいりたいと思っておりますので、ここはしっかり取り組んでいきたいと考えております。
さらに、3点目の懐疑論関係につきまして、国民の意識なりなんなり、そこの指標を工夫できないかということにつきましては、持ち帰って検討をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
それじゃあ、三橋先生、どうぞ。最後に崎田先生に参ります。どうぞ。
【三橋委員】
温室効果ガスの総排出量の件ですけど、これは、この表を見てみますと、25年をピークにして、26年、27年というふうに削減しているわけですよね。これは相当構造的な形でこういう現象が起こってきているんだというふうに私は思っています。したがって、42年度の10億4,200万トンですか、これなんかは、恐らくもっと、42年度の目標というのは、10億よりかはもっと減ると思うんですよね。そういう、今、日本で起こっている、総排出量が急速に削減していることの分析をしっかり書いてほしいなというふうに思います。
例えば企業なんかを見ても、50年までにCO2の排出をゼロにするということを宣言する企業が今どんどん増えていますよね。パリ協定なんかでも、50年以降、化石燃料はもうほとんど使えないというような状況になっている中で、日本の企業なんかは積極的に対応していると思います。そういうようなことで、かなり構造的に今削減が起こっているんだということを強調して、そういう流れに水を差すような、石炭火力が26%、電力供給に占める割合が26%ぐらいとかということ、これからの目標も経産省は変えるつもりがないようなことを言っているようですけど、そういうところに問題点があるんだということですね。そうすれば、もっと削減が進むんだというような長期展望の中で、25年をピークにして減ってきている。これは恐らく28年度も間違いなく減ると思いますよ。そういうはっきりした分析を書いてもらいたいと思いますね。
【須藤委員長】
それでは、崎田先生、どうぞ。
【崎田委員】
ありがとうございます。
温室効果ガス、CO2の話などは、諸先生方からお話がありましたので、私は最初の目標1-1の代替フロンのところのお話をさせていただきたいんです。これを見ていきますと、次のページの実績値がやはり年々上がっていて、26年、27年と、どんどん増えていて、目標値に対して乖離が増えているというところで、もちろん施策的には取り組んでおられて、たしか2年ぐらい前に業務用冷凍冷蔵庫の空調のシステムを変えたりとか、そういう施策の変化を努力されていることは存じ上げているんですが、それが効果を出していないのか、それとも効果がまだ数字に表れていないのか、その辺の状況とか、現在の課題意識などをちょっと伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
地球環境局、いかがですか、今の問題は。
【地球環境局】
代替フロンの排出が増えている部分、ここは私どもも大変懸念をしているところでございまして、全体的として、CO2の排出量が減っている中で、逆に代替フロンが増えておりますので、その削減効果を、これがオフセットしているという形になっております。ここは私どもも力を入れるべきということで、フロン法の改正も前にさせていただいたところなんですが、それでもなお取組は必ずしも十分ではないのではないかという危機意識を持っております。そうした中で、今、二つ動きがございまして、一つはHFCについてはモントリオール議定書で今まで生産規制はかかっていなかったんですけれども、昨年、モントリオール議定書が改正をされまして、代替フロンであるHFCについて、生産規制がかかることになりました。これを受けまして、私ども日本といたしましても、生産規制のための新たな制度的措置、これを講じるべく、今検討を進めているところでございます。
さらに、もう一つでございますが、温暖化対策計画では、HFCの回収率、廃棄時回収率につきましては、2020年時点で5割、2030年で7割、このような回収率を目標として掲げているところでございます。しかしながら、直近の数字ですと、まだ回収率38%というところでございまして、ここはまだまだ施策を強化していかなければならない部分だと考えております。こうした問題意識から、現在、経済産業省とも協力をしながら、審議会において今後具体的にどう対策を強化していくべきかということについて、議論を進めているところでございます。それを踏まえまして、さらなる手を打っていきたいと考えておりますので、引き続き、御指導をよろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
よろしいですね、先生ね。
それでは、どうぞ。最後になって申し訳ございません。鷲谷先生、どうぞ。
【鷲谷委員】
山本先生が御発言されたことは、もう前提としてなんですけれども、ここでは適応策に関する政策を現実についていけるように改善できるような仕組みというのが必要ではないかと思います。影響が甚大な、かつ、しばらく前に人々が考えていたよりは甚大なものであるということは、特に自然災害に関しては認識も広がりつつあると思いますし、それとの関連の科学的知見というのも蓄積しつつあると思います。さらに社会的な日本の状況、つまり地方で人口が減少して高齢化するというようなことについても、もう目の前の現実の問題として人々が認識するようになってきました。自然災害、ハザードが、これから頻度が高まり、また規模が大きくなってくるので、自然災害のリスクというのが高まっているわけですけれども、それに関しては、適応策としてはエクスポージャーとバルネラビリティを減少させるということが適応策になると思いますが、それに関しても、研究者の間で検討が進んでいると思いますので。
あと、先ほどの社会的変化と自然災害の頻度が高まることに関しては、かなり正のフィードバックがかかってしまう、地域のバルネラビリティが下がってしまうので、災害が被害になる、自然がもたらす被害というのが増えてくると、もうそこには住めなくて、人がいなくなるということで、気候変動に関わることは、あることが起こると、さらにそれが加速されるという現象がたくさんありますけれども、そこにもそれが表れていると思いますので、適応策の頻繁なアップデート、現実をしっかり分析・評価して、さらに科学的な知見も最新のものを加えてアップデートしていくって、毎年、変えるぐらい、フォローアップの方法の検討に入ったということですけれども、こういうスピードでは、現実についていけないのではないかということを懸念、緩和策もティッピングポイントを超えているかどうかを早く明らかにして、それにふさわしい対策って必要だと思うんですけど、適応策に関しては、国内とか地域で政策をつくって実践できるので、そういう意味では、人々を守るためには適応策はもっともっと重視して、しかも効果のあるものに変えていく必要があるんじゃないという印象を持っております。
【須藤委員長】
ありがとうございます。
それは、もう一回議論する場所がございますので、どういうふうに組み込むかは、地球環境機構のほうで考えておいてください。
それでは、まず、地球温暖化の推進というところは毎年そうなんですが、大体、時間の半分ぐらいを費やすので、私としては、そう心配はしておりませんが、次の議題にそろそろ移ったほうがよろしいかと思いますので、ここで地球温暖化の推進については打ち切らせていただいて、次の議題に移りたいと思います。
それでは、施策の3、大気・水・土壌環境等の保全ということで、水・大気環境局より御説明願います。
【水・大気環境局】
それでは、水・大気環境局の廣木と申します。御説明をさせていただきます。
まず、資料の中の目標3-1、大気環境の保全から順次説明させていただきたいと思います。大変多うございますので、主に評価結果のところを中心に、かいつまんで御説明させていただきたいと思います。
大気環境の保全ですけど、すみません、先ほどちょっと別紙で添付させていただきました測定指標の別紙がありませんでしたので、そこを御参照いただきながら、ちょっとご覧いただきたいと思いますけれども、評価結果のところに関しましては、ここは「相当程度進展あり」というふうにさせていただいたところでございます。
その根拠でございますけれども、全国の大気環境基準の達成状況に関して言いますと、光化学オキシダントにつきましては、達成状況は依然として低いと。それから、PM2.5の環境基準達成率も高くはないわけですけど、その他の項目については概ね改善、または高い達成率で横ばいというふうなことでございます。
なお、光化学オキシダントにつきましては、長期的な改善傾向を評価するための指標を用いますと、高濃度域の光化学オキシダントの改善がされているというふうな状況にあるというふうに認識しているところでございます。
また、PM2.5につきましては、施策の分析にも書かせていただいておりますけれども、直近のデータを見ますと、前年度、平成26年度から27年度にかけては改善しているところでございます。これは越境汚染の影響を受けにくい気象状況であったことですとか、中国におけるPM2.5濃度の減少、それから国内での原因物質の排出量の減少傾向等が影響した可能性もありますけれども、今後、傾向については、引き続き注視していきたいと考えております。
また、自動車NOX・PM法対策地域内での二酸化窒素の環境基準達成率も、一般局100%、自排局99.5%と、非常に高いレベルになっているというふうな状況でございます。
また、降水のpHにつきましては、引き続き4.7から4.8というふうな状況でございます。
続きまして、ページをおめくりいただきまして、目標3-2に入りたいと思います。
大気生活環境の保全ということでございますけど、これについての評価結果につきましては、「進展が大きくない」というふうにさせていただいているところでございます。
目標値につきましては、基本的に環境基準達成率100%を目指しているところでございますけど、これにつきましては、ただ、騒音につきましては90%達成率を超えていますけども、そのほかにつきましては、そこまで行っていないというふうな状況で、こういうふうにさせていただいているわけですけれども、全般的に、近年、横ばい傾向、あるいは緩やかな改善傾向にあるというふうな状況でございますので、引き続き、センケツセイ強化を図っていきたいと思います。特に騒音の関係で言いますと、平成27年度、第四次環境基本計画の点検を受けまして、新幹線鉄道騒音の環境基準の見直しが改善されておりますので、そういった面で、評価方法の見直しについて検討を行いたいというふうに考えております。
また、ヒートアイランド対策でございますけど、熱中症予防情報サイトのアクセス数は例年より減少したというふうなところでございますけど、これにつきましては、引き続きしっかり対策をとっていきたいと。特に、先ほど気候変動適応計画と出ておりましたけど、そういったことを踏まえながら、また、ちょうど2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催等を見据えつつ、省エネ対策の普及を促進するという施策を展開していきたいというふうに考えているところでございます。
また、ページをおめくりいただきまして、今度は目標3-3の水環境の保全に入りたいと思います。
これにつきましては、「相当程度進展あり」というふうな評価結果にさせていただいたところでございます。
健康項目につきましては、ほぼ100%、99.1%という環境基準達成率というふうになってきておりますし、また、基準値超過の主な原因も自然由来というふうなことでございますけど、またこれについてはしっかり対策を進めていきたいと思います。
また、生活環境項目につきましては、河川で95.8%、湖沼は依然低くて58.7%、海域81.1%でございますけど、全体で91.1%ということでございます。これにつきましても、徐々に改善が進んでいるということでございます。
また、地下水の環境基準達成率は94.2%ということで、これも概ね目標値に近いということでございます。
また、閉鎖性海域における窒素、リンの環境基準達成率も、これは東京湾、伊勢湾等では、まだ66.7%、71.4%ということで、低いということでございますけど、窒素、リンが追加された平成13年度に比べますと、全般に、着実に改善しているという状況でございます。
赤潮発生件数率についても、近年、横ばい傾向ということでございますし、また、地盤沈下につきましては、年によって変動するものの目標に向かって近づいているというふうな状況でございます。
なお、海洋ごみ対策につきましては、施策の分析にちょっと細かく書かせていただきましたけれども、平成21年度に公布・施行されました海岸漂着物処理推進法に基づきまして、着実に推進しているところでございますけど、具体的には、自治体による財政支援等による回収処理ですとか、国内での廃棄物の適正処理等の推進による陸域等からの海洋ごみの発生抑制、それから、海洋中のマイクロプラスチックに係る日本周辺海域の分布状況ですとか、PCBに係る実態把握のための調査・研究を進めるということでございます。また、G7の会合ですとか、それから、直近ではG20の会合なんかでも取り上げられておりますので、そういったことを踏まえて、国際協力・連携を図っていきたいというふうなことでございます。
ページをおめくりいただきまして、二つめくっていただきますと、今度は目標3-4、土壌環境の保全でございますけれども、これにつきましては、「相当程度進展あり」とさせていただいたところでございます。
これにつきましては、いわゆる土対法の運用を踏まえた要措置区域における指示措置の実施率というものが、平成27年度91%まで来ているというふうな状況でございます。
また、ダイオキシン類の土壌汚染対策地域と指定された地域全てにおいて、対策計画に基づく対策が完了しているというふうなところでございます。
特に市街地土壌汚染対策につきましては、今国会で土壌汚染対策法の一部を改正する法律が公布されたところでございますので、これをしっかり施行していくことによって、より対策の進展を図らせていただきたいというふうに考えております。
ページをおめくりいただきまして、今度はダイオキシン類・農薬対策というふうなことでございます。
これにつきましては、評価結果は「相当程度進展あり」とさせていただいております。
特にダイオキシン類排出量につきましては、目標量を下回っているというふうな状況でございますし、また、水産基準につきましても同様でございます。これにつきましては、引き続き施策を推進していきたいというふうに考えております。
ページをおめくりいただきまして、今度は目標3-6、東日本大震災への対応というところでございます。
これにつきましては、これまでと違いまして、基本的に、これは基礎的な情報等を的確に把握して、情報を国民に提供するということを、それを踏まえて、国民の不安解消と復旧復興に資するというふうな達成すべき目標ということでございますので、まずは情報提供をきちんとやっていくというふうな目標にさせていただいているところでございますけれども、そういった観点で、評価結果は「目標達成」というふうにさせていただいているところでございます。
これにつきましては、引き続き、政府の「総合モニタリング計画」等々に基づきまして、しっかりと測定、公表をしていくというふうなことに尽きるかなというふうに考えているところでございます。
すみません、恐縮でございますけど、以上で説明を終わりたいと思います。
【須藤委員長】
どうも御説明ありがとうございました。
それでは、御質問等いかがでございましょう。
お一人、お二人ですか。そしたら、参りましょう。藤井さんからですね。藤井さん、はい。藤井先生、それから崎田先生、それから大塚先生、その順番で行きます。
【藤井委員】
目標3-3の水環境の保全のところで質問をさせていただきます。
先ほどの御説明では、湖沼のところはさらっとここは未達だというお話がありましたが、琵琶湖にとってはさらっと言ってもらっては大変困る話で、この間に、琵琶湖保全再生法、これは議員立法ですが、通ったということもあり、琵琶湖は滋賀県のものではなくて日本の資産だというふうに位置づけてやられているということにも象徴されていると思います。
それで、もう一つは、地下水も兼ねて、水循環基本法ができた後の施策の中で、地下水は質と水量も含めて循環のところがきっちりと見据えていられるかということが大変疑問に思っています。滋賀県の水域でも、ダム建設以降、ずっと地下水が枯渇しているのは、もう大変なことで、特に田んぼや何かは、もうほとんど琵琶湖水を逆水で使うという形になっているわけです。水量の問題もきっちりと見据えないといけないのではないかということで、実は水循環基本法ができた後、地下水保全法というのは、そこの中でつくったんですが、それはもう見事に却下されたんですね。そんなこともあり、もう少し、湖沼を中心とする、そこのところの循環のところを見据えていただきたいのが一つと、あと、3-5の東日本大震災のところで、ここの、もう一つ土壌との関係があるんですが、放射性物質の土壌への影響がどこに記載されているかです。別途、農水省のほうで、農用地のモニタリングがあるとすれば、そこも参考資料として載せていただきたいのは、基本的に、ここの3-6のところで言うと、概ねみんな達成しているとありますが、特に福島で南相馬を中心として農業のところが大変なのは、土壌の問題があるからです。空間線量だけではなくて、今、土壌の線量、市民も含めて相当入り始めていますが、そこの土壌の放射線汚染のところが、どうここに反映されているかを伺いたいと思います。
【須藤委員長】
それでは、どうぞ。
【水・大気環境局】
まず、最初の御指摘の湖沼、特に琵琶湖、それから地下水の問題ですけれども、すみません、説明時間が限られていたので、湖沼については、本当にさらっとして申し訳なかったんですけど、やはり公共水域、特に湖沼は依然として低い水準にあるということは、我々も厳しく認識しているところでございまして、そこについては、やはりしっかり対策をとっていきたい、特に琵琶湖につきましては、先ほど御指摘いただきました琵琶湖再生法というふうに制定されているものもございますので、そういったことを踏まえた記述ができるかどうか、ちょっと検討をさせていただきたいというふうに思います。
それから、地下水の関係も、特に水量ですね、特に水循環基本法の中で水量の確保というのが重要だというのは非常に理解できますので、ちょっと、そこもぜひ書き方を工夫させていただきたいというふうに思います。
それから、東日本大震災の対応、特に土壌の関係ですけど、すみません、ここは環境省でやっている施策ということで、基本的には公共用水域、地下水というのを中心に書かせていただいたということで、このようになっております。確かに農用地における土壌汚染の対策というのは、今のあれでは書きにくいところはありますけど、ちょっと、どこまでのことができるか、他施策の関係がございますので、ちょっと検討をさせていただければと思います。
【須藤委員長】
ありがとうございました。
それでは、崎田先生、どうぞ。
【崎田委員】
ありがとうございます。
まず、3-1なんですけれども、やはりVOCとか、光化学オキシダントとかPM2.5、ここだけが下がっていかないというのは、これからやはり非常に暑い夏とか、そういう時期がどんどん年々増えていくと思いますので、しっかりやっていただきたいと思うんですが、測定指標のところが、ほかのものは基準に達しているということで、△とか○が並んでいて、割にうまくいっているふうなんですけれども、ぜひ、課題意識とか、そういうのをしっかり持ちながら進めていただければありがたいなというふうに思っています。
次は3-2の大気生活環境の保全の騒音などのところなんですけれども、今、自治体の、騒音といいますか、公害審査会とか、ああいうのに関わっておりまして、やはり騒音の話というのが非常にここのところ増えているなという印象があるんですけれども、環境政策から言うと、音のデシベルというか、量で考えていけば決まるんですが、紛争を解決していくときには、社会的なコミュニケーションの話とか、地域のコミュニティの活性化とか、そういうところにつながってくるんですね。ですから、ぜひ、今後、こういうような状況がどういう事例を起こして、そういう苦情をどう解決しているのかみたいなところに関しては、ぜひ、そういう社会的な視点もしっかり入れて、事例をきちんと収集していただければありがたいなというふうに思っております。
その後、海洋ごみは大変課題意識を持っているんですけれども、大塚先生、札が上がっているので、しっかり御質問をいただけるんじゃないかと思いますので。
【須藤委員長】
わかりました。
それでは、大塚先生、どうぞ。今の海洋ごみも含めて。
【大塚委員】
何か言うことを予想されて、そのとおりなんですけど、ちょっとそれだけ、1点だけ話そうと思っていたんですけど、マイクロプラスチックに関しては、ひょっとしたら健康被害も起きるかもしれない、割と最近出てきた、新しい、しかし極めて重要な問題だというふうに、割と思っている方も多いだろうと思うんですけども、東京湾でカタクチイワシ50何匹中30何匹、プラスチックが検出されたということですが、プラスチック自体というよりは、プラスチックが有害物質を吸着する性質を持っているので、そちらのほうが恐ろしいということでもあるんですけども。
提案ですが、指標にマイクロプラスチック関係のものを入れることを御検討いただけませんかということで、なかなか大変かもしれないので、言うのは簡単なので申し訳ないんですけども、例えば魚の中のプラスチックが入っていたパーセンテージとか、そういうものが例えば考えられると思いますけども、どこではかるかという問題も含めて、検討しなくちゃいけないので、そんなに簡単ではないと思いますが、ぜひ、指標にそれを入れていただくと、廃棄物問題とかとも関係しますが、あるいはプラスチック製の製品の廃棄とかとの関係が関連してくると思いますけども、指標がないと、そもそも何か対策を打つという機運にもならないものですから、できるだけお願いしたいという趣旨でございます。
以上でございます。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
ただいまの問題は、崎田先生の御質問も、大塚先生のところに含まれていると考えてよろしいですね。よろしいですね。
【崎田委員】
はい。
【須藤委員長】
わかりました。
そしたら、どうぞ、今の問題の御回答を全てお願いします。
【水・大気環境局】
ありがとうございます。
まず、崎田先生の最初の御質問、特に大気環境の保全のところで、全般的な話は別としても、やはり光化学オキシダントは依然として達成率はほぼ0%という状況があるのは、非常に問題意識を持っております。ただ、やはりその中でも、少しでもやっぱり改善を図らなきゃならないということで、特にVOC対策とかも含めて、そこはしっかりやっていきたいと思いますし、また、それが目に見えるような形でわかるように、ちょっと、そこのところですね、例えば今1時間値で持っているものを8時間値で持つとか、いろんな測定の表し方の工夫というのも、国際的な基準等を見据えながら考えていく必要があると思っておりますので、そこも含めまして、対策の進展が目に見えるような形で、指標と、それから実際の施策という連携をしっかりやっていければというふうに思っております。
それから、次の御質問の特に騒音なんですけど、やっぱり騒音対策の難しいところは、やはり基本的に感覚公害ですので、もちろん音の大きさというのは客観的にデシベルで表される部分はあるので、そこがベースになるのは当然ですけれども、特に低周波騒音とかは典型的ですけれども、やはり人によって感じ方が違うというものをどういうふうにやるかというのは、物すごく重要だと思っております。
やはり騒音対策が一筋縄でいかないところは、ある人にとっては感じないものでも、例えばそれが本当に感じ方が違う。そういう感じ方が違うというのが、まさに社会的な要因、例えば隣人の方との関係とか、そういったものは当然あると思いますので、なかなか、そういったものをどうフィードバックさせるのかは難しいと思いますけど、ただ、やっぱりそういうところに取り組んでいかないと、なかなか騒音対策というのは進まないと思いますので、御指摘の点を踏まえて、今後の施策、ちょっと検討をさせていただければというふうに思います。
それから、3番目は、大塚先生、崎田先生もということだと思いますけれども、御指摘いただきました、特にマイクロプラスチックの健康影響の件でございますけれども、特に指標化の点ですね。私どもも、マイクロプラスチックの健康への影響というのを、やっぱりきちんとデータとして表す必要があるということで、今、さまざまな調査をやっているところですけど、そこの知見をしっかり集めることによって、やっぱり指標化をするという作業をやっていかないと、なかなか具体的な対策、例えば今実際にマイクロビーズの使用中止に関しては自主規制というふうな格好でやっておりますけど、それをやっぱり規制まで持っていくためには、そういった指標化とか、そういった調査は必要だと思いますので、そこは何よりも最優先してやらなきゃならないというふうに思っておりますので、そこは頑張ってやりたいと思っております。
【須藤委員長】
ありがとうございました。
大塚先生、今のような書き方でよろしいですよね。まずは指標化から取り組んでいくということでよろしいですよね。
【大塚委員】
はい。
【須藤委員長】
ありがとうございました。
どうぞ、藤井先生。それから、山本先生。
【藤井委員】
マイクロプラスチックとマイクロビーズについては、琵琶湖でも起きていて、湖沼の中の河川流入の問題が、同一のことが今湖沼でも起きています。ですから、今の指標化の話を含めて、各地の湖沼へも目配りができるような表現にしていただけたらと思います。
今、国立環境研究所から琵琶湖分室ができて、研究者にお越しいただいていますが、特に琵琶湖の底泥だけですので、もう全部、国環研の方にお願いするというわけにもいかず、ぜひ、湖沼のところの気配りもよろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
わかりました。それは、そういう書き方にしましょう。
それでは、山本先生ですね。はい、どうぞ。
【山本委員】
これは単なるコメントなんですけども、環境省と農林水産省は緊密に当然連携されていると思うんですが、3月24日に、東京オリパラ組織委員会から、持続可能調達コードというのが発表されて、これが今大問題になっているわけですね。つまり、東京オリパラでどのような農産物・畜産物・水産物を提供するかと。今、農林水産省というか、日本政府挙げて、日本の食材を提供したいと。ところが、残念ながら、国際水準のところまでいっていないと。つまり、どういうことかというと、農産物にしても水産物にしても、国際認証水準のような高い信頼性のある、そういう認証を取得していないわけですよね。日本の日本及び水産業が。ということは、裏返して言うと、環境省が把握している土壌汚染とか、そういうデータは確かなのかというところが、疑問符がつくわけですね。
というのは、ロンドンオリンピックのときは、イギリスは、私の記憶では85%の農業者が「レッドトラクター認証」を取っているわけですよ。我がほうは、数パーセントかな、多分2%とか言っていましたね。新聞記事では。
ということは、環境省はどうやって日本全土のそういう環境データを把握しているのか、私は非常に疑問に思ったところなんですね。
とにかく2020年の東京オリパラの前にもっと密接に連携して、安心・安全を国際的に証明できるというふうにしていただきたい。お願いです。
【須藤委員長】
はい、ありがとうございました。どうぞ河野先生。
【河野委員】
3-2の大気汚染ですが、新幹線の基準の達成レベルが50%ぐらいで非常に低い。沿線の方々は非常に大変だろうと思うんですが、それに対して評価結果のところでは、改善傾向にあるというようなところで終わっているんですが、これは放っておけば、このまま行けば今のような技術を前提にすれば100%にいくのか、もっと抜本的な技術対策が必要なのではないか、その辺についてはどうお考えでしょうかということ、以上です。
【水・大気環境局】
まず、新幹線騒音については、特に新幹線の高速化というのは、各鉄道会社は図ろうと、JRは図ろうとしていて、ただそのところで、やはり例えばトンネルへ入るときの音とか、そういうのを制限させるために、例えば形状を工夫するとか、そういった相当対策をとって何とか環境基準をクリアしようというふうに進めているところはあります。
ただ、それでもこういうふうな基準達成の具合ですので、そこは引き続きいろいろな対策をとっていくように要請しなければならないと思っています。
また、それとは別に、今この施策の分析のところにも書かせていただきましたけれども、第4次環境基本計画の点検の中で、新幹線騒音の環境基準の見直しをしようというふうに言っておりまして、このところは、実は、要は今までは新幹線が、例えば通るときの音がどうかというところで見ていましたけど、これが例えば時間密度でどれだけあるのか、特にダイヤ、普通に考えると新幹線は増発したらそれだけやっぱり非常に感覚的にはよろしくないわけなんですけれども、それが今のそれでは反映されていないということがありますので、そういったことを反映させるための回答をしなきゃならないというふうなことで今検討を進めているところでございます。
いずれにしても、そういったことも含めて、この新幹線騒音につきましては、しっかり対策、そして基準の見直しも、そういう観点で、再度これについては緩和ではなくて、やっぱり厳しくするという方向になるかと思いますけれども、いずれにしても、そういったことも含めてやっぱりちょっと進めていければというふうに思っております。
【須藤委員長】
ありがとうございました。それから、先ほどの山本先生からの御質問の食品の農水省あるいは環境省との連携でどういうレベルの高い評価をしていくかということの問題は、今は事後評価をやっていることでございますので、次の会のときに、今後どう取り組むかとか、どう取り扱うかという程度のことをやっぱりちょっとどこかで注意していただけたらよろしいんじゃないでしょうか。いいですか、それで。
【水・大気環境局】
わかりました。検討させていただきます。
【須藤委員長】
お願いいたします。それでは、よろしいですね。次へ行きます。
次が施策の5で、生物多様性の保全と自然との共生の推進についてということで、自然環境局より御説明をお願いいたします。
【自然環境局】
それでは、お手元の資料5-1から御説明をさせていただきたいと思います。5-1は、生物多様性関連の基盤的施策の実施及び国際的取組ということでございます。これ自身は、生物多様性国家戦略という2012年につくった目標で、国の戦略の中に基づいた施策を並べているところでございます。これ自身が2020年、これは名古屋で2010年に開いた生物多様性条約の締約会議の愛知目標という目標の達成年にあわせて、全て測定指標等も平成32年度をベースにして書いております。
具体的には、生物多様性の認知状況ですとか、都道府県での地域戦略及び国家戦略の関連指標の改善状況等を書いております。なかなか認知のほう、十分進んでなくて、若干落ちているという状況が見られたり、一方で、個々の施策の関連指標そのものは順調に上がってきているといったことは、この中から読み取れると思います。また、自治体での計画の策定というのも進んできております。
この中で、具体的な測定結果、分析のところでハイライトさせていただくと、国際的な取組の部分については、1ページ目の真ん中ぐらいにあるんですが、名古屋議定書というものを、ちょうど28年度においては、ほぼ国内での批准に必要な制度を策定しまして、さきの国会で5月に締結に結びついたというところをハイライトさせていただきたいと思っています。
また、国際的枠組みに関しては、条約及び生物多様性では、IPCCと呼ばれる、イクボスと呼ばれるところの作業等を積極的に日本としても貢献を進めているところでございます。個々の問題については、さらに努力は必要ということで評価をさせていただいております。
続きまして、5-2のところでございます。
自然環境の保全・再生でございます。これは国土空間的な具体的な地べたの施策を並べております。大きく分けると、原生的な自然の保全、すぐれた自然の保全。それから二つ目が、里地里山の二次的な人手の入った自然、もしくは沿岸環境の保全ということ。そして、最後にそういったもので失われたものを再生する再生の施策と、こういったところに分かれるかと思います。
測定指標は、すぐれた自然を代表する国立公園で見ております。公園計画、国定公園・国立公園と見直しをしながら、新たな施策を進めていったり、また、その自然再生協議会の数というところでは、ここの数年新たな自然再生協議会が出てきていないということで、なかなかこれは今後もう少し再活性化を図っていかなければいけないというふうに判断しております。
下のほうの具体的な測定結果、施策の分析のところでございますけれども、ここでハイライトをさせていただきたいのは、里地里山そのものは、重要里地里山というのを昨年度の初めに公表しておりまして、これについて具体的な地べたでの施策として森里川海、「つなげよう、支えよう、森里川海プロジェクト」というのを進めておりまして、ここには「地域循環共生圏」の構築という言葉で書いておりますけども、具体的なモデル地域、10地域でそういった里山等も含めた経済的な仕組みづくり、もしくは人材の養成、そういったことをモデル的な事業を3年間の計画で進めておるところでございます。
また、すぐれた自然に関しては、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、山原でございますけども、西表島について、今年の1月に世界遺産への推薦というのを行いまして、今年審査を受けて、来年登録の可否が決定するという予定になっております。
これのために、2枚目になりますけれども、国立公園のやんばる国立公園、それから奄美群島国立公園、全く新たな国立公園の新規制というのを昨年度において進めております。
こういったことで、課題としては、自然再生は大きな課題というふうに考えておりますけれども、次の法律に基づく基本方針の見直しを含めて、さらに施策の加速化を進めていきたいというふうに考えております。
それから、5-3に進みたいと思います。
5-3は、野生生物の保護管理でございます。こちらのほうは、達成すべき目標のところに書いてありますけれども、種の絶滅を防止するということが一つ目。それから二つ目が、野生鳥獣、普通にいる鳥獣の適切な保護管理。そして3番目として、外来生物、ヒアリの問題が今注目されております。そういったものの対策ということを掲げております。
これに対して測定指標としては、絶滅危惧種に関して種の保存法に基づく国内希少野生動植物の指定状況、昨年度の段階では300種を32年度に指定するということで、今年度種の保存法の改正をこの5月に行いまして、今さらに次のステップ、そして700種を目指すということになっておりますけれども、これに向けて順調に進めておるところでございます。
また、マングース等、これは世界遺産の場所である奄美大島、それから沖縄島の山原で行っておりますけれども、こちらのほう順調に進んできております。ただ、完全な絶滅というのは、なかなか難しい状況ではございますけども、これは引き続き努力を続けていきたいというふうに考えております。
それから、三つ目の指標であるニホンジカ、イノシシの生息個体数の減少を目指すということでございますが、これは農作物のみならず、自然環境への被害も大きいということで、平成35年度に23年度比で半減という目標を掲げております。これなかなかデータが集まるのが遅れておりまして、若干24年度、25年度増えつつありますけど、今頭打ちの状況になっているということで、これ鳥獣法の改正をして、新たな狩猟団体みたいなものの育成、さまざまな形での予算措置も講じながら、徹底的にたたくということをやってきております。これからが、こちらのほうの成果が出てくる時期ではないかなというふうに思っております。
かなり細かく書いてありますけれども、ハイライトさせていただくとすると、2番目の2ページ目になりますけども、遺伝資源の組換え生物への問題等では、カルタヘナ議定書のさらなる補足議定書に対する法の改正を今年度行ったというところですとか、また野生生物の保護・管理に関しては、先ほど申し上げたような捕獲の強化というのを進めているというところでございます。
あと具体的には、法制度として改正をしているということをこの中では書かせていただいております。
5-4の動物愛護のところに進みます。
こちらのほうは、終生飼養等を進めながら、できる限り犬、猫の返還・譲渡等を進めながら殺処分を減らしていこうということを目標として掲げております。こちらのほうも目標値に書いてありますけれども、実際に殺処分のほうは、順調に減ってきているということで、相当程度の進展がありますけども、なかなか現場レベルではさまざまな問題があって、必ずしも劇的な形で少なくなっているということはございませんが、これも時間をかけて進めていきたいと考えております。
それから、5-5の自然とのふれあいの推進でございます。
こちらのほうは、自然公園の利用者数、自然公園等、もしくは温泉の適正な利用を図るということで、国民の自然とのふれあいを高めていこうという目標でございます。
この中で、さまざまな目標値を掲げております。自然公園ですとか、温泉の実際に湧出量はどのぐらいあるか、もしくは実際にそれぞれの地域での保全事業をどういうふうにやっているかということを掲げております。
自然公園の年間利用者数、経済的な状況もあるので、28年度は若干減ってきておりますが、実は御承知と思いますけど、今国立公園満喫プロジェクトということで、インバウンドの国立公園の利用者数を増やそうということで、さまざまなモデル地域公園で施策を進めております。
こういったことを含めて、さらに国立公園の利用者数を増やしていこうということを積極的に進めているところでございます。
それから、5-6でございます。
5-6、最後の部分でございますけれども、これは東日本大震災への対応ということで、三陸復興国立公園をつくる、もしくは東北みちのくトレイル、潮風トレイル、みちのく潮風トレイルをつくって地域の活性化に役立てていただこうということで、施策を進めております。
さらに、福島での放射線の被害の中で、人がいなくなった地域での豚、イノブタを含むイノシシの駆除等で戻ってくるための環境整備を進めると、こういった政策を測定指標の中でも評価をしながら進めております。東北地方の国立公園、もしくはトレイルに関しては、順調に登録、もしくは整備が進んでおりまして、地域における復興の一つの効果を得ているというふうに理解しておるところでございます。
簡単でございますけど、以上でございます。
【須藤委員長】
どうも御説明ありがとうございました。
それでは、御質問、御意見を伺いますが、山本先生、それから鷲谷先生と順番に行きましょう。それから、藤井先生もそうですね。
【山本委員】
私のほうからは、先ほどのことと勘案するんですが、環境省からもっと農林水産省に働きかけをしていただいたらどうかということなんですね。というのは、愛知議定書のこれ批准がやっと5月にできたというのは、ちょっとあまりにも情けないということなんですが、実は環境省が悪いんじゃなくて、クリーンウッド法もやっと5月に施行されて、あるいはPSMA協定という、これは違法漁業の寄港地が取り締まりをやるという、その批准もやっと5月に行われたとか、とにかくオリパラを目の前にして、どうも我が国の体制が整ってないという、今全力を挙げて体制を整えつつあるというのが現状だと思うんですが、それが象徴的に現れているのがウナギだと思うんですね。これウナギはもう絶滅危惧種、これ鷲谷先生、多分後で話されると思うんですけども、やはり環境省からも土用のうしの日はやめましょうとか、あるいはこのサステナブルな寿司屋をどんどん広げましょうとか、このリーダーシップをぜひ環境省が私はとるべきじゃないかなという気持ちがあるんですね。それはそういう要望です。
【須藤委員長】
ありがとうございます。それじゃ、鷲谷先生どうぞ。
【鷲谷委員】
自然環境に関わることが政策が何階層にもわたっていて、国際レベルから国レベル、そして地方レベルまであって、その相互の関係とかにうまく目配りをしながら、やはり生物多様性の保全とか、再生は、現場といいますか、地域というのがとても重要ですので、基礎自治体とか、地域で活動していらっしゃる方たちの活動を支援するような形に各階層の政策が全部連動すると一番いいのかなと思うんですけれども、廃棄物まででしたら市町村でも必ず担当の方がいらっしゃいますけれど、自然環境に関しては、ほぼないですね。自治体の役所に行って、生物多様性担当というのが、例えばどこかに掲げられているような、私一つだけそういう場所を知っているんですけれども、私は地方に行く機会が多いものですから、お役所に行ったときは、自然環境に関しても何かやっているかどうかというのを気にしているんですが、かなり今言った例外的なところしかないですね。それでも市町村で若干生物多様性、地域戦略をつくっているところがあるとか、ちょっともしかしたら把握されてないかもしれませんけれども、里地里山に関して、環境省が今力を入れているこの取組ではないんだけれども、里地里山500というのを決めて、県が地域に目を向けてそんな大きなものではないですけど、支援事業みたいなものを始めていたり、地域の活動が重要だということから見たら、成果と言えるようなこともあるんですけど、なかなか情報を集める手段も持てないところがあって、指標に関してその指標を見ての評価というのは、ここに記述されていることでいいと思うんですが、生物多様性に関わる政策、さっき山本先生も食料生産との関わりをおっしゃっていましたけど、すごく幅広い意義も持っているということを考えると、どうやって強化すればいいか、こういう政策の評価の中で常にそういうことを念頭に置く必要があるのかなと思います。
それで、そんなに細かく全部見たわけではないので、もしかしたらちょっと見落としがあるかもしれませんけれども、自然環境行政で環境省がしっかりつながっていられるのは、国立公園ですね。それから、いろんな世界遺産と国立公園はかなり重なっていますけれども、あと重要なのは、ラムサール条約登録湿地ではないかと思います。そこでは、自治体の方が自然環境について意識したり、ラムサール条約を通じて環境省の自然環境の行政ともつながっているという意識を持っていらっしゃるので、自然再生事業など基礎自治体が中心になるものが増えていけば、そういう何といいますか、つながりというのがより強化されていると思うんですが、今あるものはもっと大切にしたほうがいいように思います。
外来種対策ですが、農水省の法律で、多面的機能支払いに関する法律というのがあって、その中で、共同活動、農業者だけじゃなくて、そのほかの方も含めて、共同活動で環境保全に関わることにも補助金が出るというものがあるんですね。環境といっても生活環境で植栽して景観というのが多いんですけれども、最近は外来種対策とか、絶滅危惧種のモニタリングや保全にも補助金を使って取り組んでいるところもあって、もしかすると、ここで使われている費用よりは、そういうのを合計すると多いかもしれないので、他の省庁との連携というのが重要なことと、そういう生物多様性保全に関わる共同活動をしようと思っても、情報が不足しているために、よかれと思ってちょっと違うことが実施されてしまうようなこともあるので、望ましい活動、よその省庁の施策なのでどのぐらいのことができるかわかりませんけれども、地域に情報を発信するとか、地域の情報をしっかり収集して分析・評価するというような仕組みが今あんまりないように思うんですけれども、それが重要なのではないかと思い、先のこと、今後のことになると思います。
【須藤委員長】
かなりの期間が経過をしておりますので、藤井先生、それから崎田先生、それから大塚先生、それから井村先生、少し要領よく端的に御質問してください。そうしないと12時に終わらないので、申し訳ございません。
【藤井委員】
では、5-2の自然環境の保全再生のところで、里地里山のこの森里川海の地域循環共生圏のモデル地域の一つの東近江、菜の花プロジェクトのまちですが、そこでやってくる中で、本当にさまざまななりわいが出てきたり、それからさまざまなセクターの人たちが集まるということで、この取組をやる中で里地里山だけに限定するんではなくて、奥山から湖につながる、まさにこの流域が見えてくるということもありますので、この10モデル地域だけではなくて、広げるといいなと思いながら、この三陸のところを見ていました。
この5-6のところは、森・里・川・海のつながりによる育まれた自然環境と地域のくらしとありますが、ここはモデル地域になっていないですね、この共生圏の。
【自然環境局】
1カ所、南三陸でやっているところがあります。
【藤井委員】
そうですか。ここの視点で、この東北の復興もこの視点がとても大事だというのが一つと、それから外来です。外来種のイノシシとシカなんですが、これ本当に今都道府県がやっている捕獲事業を強化するということだけで追いつけているとは、全く思えていなくて、地元ではジビエを食べるということをかなりやりながら、捕獲する車を開発して、この時期のシカはこの時期にどこの山に行って潰すとか、血抜きをするとかいうのをやっているんですが、むしろ農水省と組みながらジビエを食べるというところをやっていかないと、捕獲のここだけでは多分後追いになると思います。シカはもう全く後追いになっていると思います。そこも連携のところが生かしていただけたらと思います。
以上です。
【須藤委員長】
崎田先生、要領よくお願いいたします。
【崎田委員】
5-1のところの全体のところなんですが、生物多様性への関心があまり高くなっていないという話なんですけれども、いろいろ歩いていると、企業の皆さんは本社とか、本社ではない工場とか、そういうのは自然豊かな地域が多くて、結構生物多様性に関心を持って、地域との連携という名で活動を保護するとか、そういう活動をされているところが増えているなという印象を持っていますので、何かこういう集計とか、状況把握のときにそういう視点も入れていただくと、もう少し動きが見えてくるんではないかなというふうに思います。
なお、先ほどラムサール湿地のお話を鷲谷先生がおっしゃいましたが、私も実は東京湾のラムサール湿地登録とか、あの辺が2020の前に大変影響してくると思いますので、ぜひしっかりと前向きに取り組んでいただければありがたいなというふうに思います。
最後に一つ、5-3の野生生物の保護のところで、やはり外来生物なんですが、大きなものではなくて、例えば気候変動による適用に関係して、ヒトスジシマカとか、最近のヒアリとか、こういうものが急激に増えてくると思いますので、そういうような対応というのをもう少し明確に位置づけていただくことが、今後大事だと思います。よろしくお願いします。
【須藤委員長】
それでは、どうぞ。大塚先生お願いします。要領よく、どうぞ。
【大塚委員】
一言だけですが、5-1か、5-2かちょっとどちらかはっきりしませんけども、愛知目標の中でたくさん目標がありますが、日本の愛知という名前がついていることもあって、達成しないとやはり非常にまずいんだと思うんですけども、その中でも、特に目標11、2020年までに少なくとも陸域、内陸水域の17%、それから沿岸域または海域の10%について自然の管理をする地域にするということですが、これは指標化していただいたほうがいいんじゃないかなという感じがしています。
それで、これは2020年までだったと思うので、ちょっと間に合うかどうかという問題が既に出てきているのですが、ちょっとその達成の可能性と指標化を御検討いただけないかということを申し上げておきたいと思います。
以上でございます。
【須藤委員長】
どうぞ、井村先生。
【井村委員】
指標のことなんですけども、ずっと前の自然局のやつはなかなか指標が出なくて苦労されていたんですが、現在のを見ますと、それなりに指標が出てよくなってきたとは思うんですが、ただ、よくこの指標の内容を見ますと、例えば5-1の生物多様性の認識状況というのは、何か46%がぽんと出ているんですけども、なかなか中身が見えないという感じです。
それから、生物多様性地域戦略策定済自治体(都道府県)となっていますが、既に40全都道府県になっちゃうと、もうこれ以上数字が変わらないという形で、こういう状態になっちゃうと、少なくとも中身が見えないということになってきます。
それから、その次の生物多様性国家戦略の目標の関連指標の改善状況になっていますが、これは一まとめにしてあるので、なかなか中身が見えないというような問題があるかと思います。
したがって、この段階では、これで随分進歩をしたんですが、次の段階として、もう少し自然保護の、自然環境のもうちょっと中身が見える、ブレークダウンした内容の指標にもう一段アップグレードする努力をしていただけないかなと思います。
同じようなことが、例えば自然協議会の数、5-2の自然再生協議会の数、これも25でとどまっておりますが、多分施策の中身を見ると、いろいろ新陳代謝したり、いろいろあるんじゃないかなと思うんですね。なかなか今のこの段階の指標ですと、何かステディな状態で数字がぽんとただある、中身が見えないというような感じになりますので、ぜひ御努力して次の段階にステップアップできないかなと思います。
それから、5-3の野生生物の保護管理ですけど、この国内希少野生動植物種の新規指定数が増えているんですけど、果たして、これは増えていくのがいいのか、あるいはどうなのか、ちょっとこの辺、私にはよくわからないので、32年度、300、どんどん増えていくということは、危険が高まっていることでもあり、対策をそれだけしっかりやっているということに見るのか、ちょっとこの辺の考え方を教えていただければと思います。
以上です。
【須藤委員長】
何かお答えありますか。あんまり時間がないので、どうしてもということだけ、また次回ありますので、お答えがあったら言っていただくと。
【自然環境局】
じゃ、特定の御質問があったところだけお答えしたいと思います。
まず、井村先生の今の最後の部分については、レッドリストというのがあって、絶滅危惧種は増えているんですけども、それに保存の対策がとれてないということで、そこの保護するための施策ということで、国内希少種に指定するということです。ですから、本当はレッドリストから減っていくのが望ましいというふうに考えております。ちょっとそこは区別がしにくいです。
それから、大塚先生の17%の目標については、もう既に実は陸域では達成しております。ただ海域が10%という目標がある中で、海域の保護する地域が10%、8.3なので、ここが課題ではないかというふうに考えております。
それから、崎田先生の動物に関して、イノシシ、シカに関しては、農水省とこれはもう本当に二人三脚で今やっておるところでございます。ジビエの利用ですとか、すみません、藤井先生のほうです、のものですとか、そういったところについては、経済的な理由というのも含めて、環境省としても積極的にやっていきたいというふうに思っております。
もう大体それで個別の問題、本当に御指摘をいただきまして、ありがとうございました。
【須藤委員長】
それでは、施策の8、環境・経済・社会の統合的向上について、大臣官房総合政策課より御説明願います。
【総合政策課長】
総合政策課の松本でございます。8と9まとめて御説明させていただきます。
8-1から9-4まで8項目ございますので、施策、目標、そして測定指標の達成状況。
【須藤委員長】
要領よく、端的に頼みますよ。
【総合政策課長】
端的に行きたいと思います。
まず8-1でございますけども、経済のグリーン化、これは市場における環境価値の仕組みづくりを通じて、環境保全に貢献する事業活動を活発にするというものでございます。
測定指標をご覧いただきますと、6項目ございます。3項目について達成していると考えておりますが、三角が三つございます。それに対する対応ですけれども、次のページの中ほどをご覧いただければと思います。
次期目標等への反映の方向性でございます。環境報告の公表企業、少し高止まっておりますので、今年度、ガイドラインの改訂を実施するということで、改訂作業を進めておりますので、それを踏まえて、普及、PRをしていきたいと思っています。
エコアクション21ガイドラインにつきましても、まだ目標を達成できておりませんので、改訂を行ったものを普及啓発を進めていきたいと考えております。
グリーン購入、これは隣のページに、自治体、企業ごとの数値が出ておりますが、これも最近ちょっと行き詰まっておりますので、止まっておりますので、これはぜひ自治体のほうにダイレクトにアプローチをして、グリーン購入調達方針の作成を指導していきたいというふうに考えております。
次は、8-2をお開きください。
環境に配慮した地域づくりの推進であります。温対法に基づいて法定義務のある地方公共団体にしっかり実行計画を策定していただくと、それを通じて低炭素な地域づくりを推進するという施策であります。
測定指標、ちょっとわかりにくいんですが、なぜかといいますと、28年5月にパリ協定を踏まえた国の温対計画ができたためであります。28年5月のパリ協定を踏まえた温対計画を国が示しておりますが、それに基づいて、要するに、新しい目標を踏まえて、地方公共団体で改定したものが、上で言いますと6%、下で言うと1.6%となっておりますか、括弧書きはもう既に策定されたものであります。実は99.3%の自治体が実行計画、82.5%の自治体が事務事業編を策定しているということでありますので、新しい目標を踏まえて、これから改訂作業を鋭意進めていただくということで、42年度、100%に向けて取り組んでいきたいと考えているものであります。
評価結果のほうをご覧いただきたいんですが、先ほど申し上げたとおり、5月に計画、パリ協定を踏まえた国の計画できたもので、これが10月の調査だったので、5カ月の間があったので数値が低いということを御承知おきいただければと思います。
我々としては、地方自治体に対して策定実施マニュアルを公表して、さらにPR活動を広げて、どんどん見直しをしていってもらうと、新しい目標に一緒に動いてもらうということで動いております。
8-3でございます。
環境パートナーシップの形成ということで、環境問題について、国から地方公共団体、そして民間団体まで協働を進めることによって、パートナーシップの形成を促進するというものであります。
測定指標をご覧いただきますと、右肩上がりではあるんですが、まだ達成としては三角というふうに考えております。実際測定結果のところをご覧いただきますと、毎年度約60件程度申請があるということでありますので、採択を踏まえて、ブロックごとに少なくとも2件以上は採択しているということでありますので、そのいい採択事例を踏まえて、環境パートナーシップオフィス、EPO、これを拠点としまして、地方ブロック内の横展開をどんどん図ってまいりたいというふうに考えております。
次、8-4でございます。
環境教育・環境学習の推進についてであります。
これは国民から、まさに地方公共団体、そして民間団体を踏まえて、さまざまな環境教育・環境保全活動を通しまして、生涯にわたる環境教育の機会を提供するということを施策の目標としております。
測定指標としては、大きく五つの項目がございまして、二つが達成していると考えておりますが、二つが三角、一つがバツというふうになっております。特に、バツとなっておりますのは、プラスESDプロジェクトということでございまして、ご覧のとおり、目標が50に対して新規活動登録者数が少ないという状況でございます。これは内容としては、文科省との協働事業で、一緒にウエブサイトをつくって環境情報活動をこのサイトから発信していこうというものでありますが、今後サイトの魅力をますます増すために、環境教育に関する統合的なサイトを構築しまして、魅力度を増して登録件数を増やしていきたいというふうに考えております。
特に一番大事なのは、測定指標の一番上なんですが、教職員等における環境リーダー教育養成研修、参加は非常に増えてきておりますので、こういうリーダーの育成をしながら、そうしたすそ野の広い取組をPRしていくことによって、環境教育の普及展開を図ってまいりたいと考えております。
次は、9に入らせていただきます。
目標9-1、環境基本計画の効果的な実施についてであります。まさに今、第5次環境基本計画に向けて策定に取り組んでいるところではありますけれども、その効果的な実施を図って環境保全に関する施策の効果的な実施を図るということでございます。
測定指標としては、三つございますが、点検、丸、そして環境保全経費という予算がある、各省で持っている環境関連の予算を見積もり方針をまとめるということで説明をするということなんですけど、これは丸をつけております。
他方、測定指標の真ん中でございますが、三角にしております。白書と英語版白書は、年1回発行したのでありますが、こども白書につきましては、下の施策の分析のところにもちょっと書かせていただきましたけれども、一部の学校の環境学習の場では、このこども白書を活用されているんですが、毎年データ更新して使うほどの必要性もあまりないということもございまして、こども白書につきましては、数年間の変化のトレンドを踏まえて、要するに、こういうトレンドになったよということを示せる段階でリバイズをして、学校等に展開してまいりたいというふうに考えております。
次、目標の9-2でございます。
環境アセスメントの適切な運用と改善ということでございます。測定指標をご覧いただきたいんですけれども、やはり一番上に記載のとおり、環境影響評価、アセスの実施、累積件数、非常に右肩上がりで増えてきております。これは最近、風力発電の増加に伴うもので、審査件数が非常に増えてきているという状況でございます。それに伴って環境大臣の意見の提出も増えております。
他方、3番目の指標でございますけれども、こうした風力発電の審査の迅速化をしなさいということが、平成25年6月の日本最高戦略、その中でアセスの迅速化ということが盛り込まれております。その段階では、通常3~4年かかっていたアセスの期間を半減しなさいということを目標として位置づけられております。ということで目標としては、465日ということを考えておりますが、今のところそれを下回った数値になっておりますので、達成としては丸というふうに考えております。ただ、多少26、27、28と十日ぐらい増えておりますので、こういうところは、できるだけ、さらに手続の迅速化を進めてまいりたいというふうに考えております。
次、9-3に入らせていただきます。
環境問題に関する調査・研究・技術開発でございます。環境分野の研究技術開発を推進しまして、持続可能な社会の構築のための基礎と、基礎的な技術を進めていくということでございます。
測定指標は、大きく二つございまして、最近優良な課題取組については、増えてきておりますので、達成度としては丸とさせていただきました。他方で、下の目標、指標でありますけれども、実証技術件数は少し減りぎみでございます。なぜかといいますと、これにつきましては、評価結果の測定結果のほうをご覧いただければと思うんですが、もともと実証の対象としていた技術分野の一部の技術が、JISということで、共通規格になったことに伴いまして、一部対象範囲が狭まったことがございます。それに伴って実証件数が目標に及ばなかったということでありますが、全体としては、世界トップレベルの調査、技術開発を進めているというふうに考えてございます。
これをどうやって改善していくかにつきましては、次期目標への反映の方向性でございますが、さまざまなニーズ調査、技術開発のニーズ調査を行って、また外部有識者の意見も踏まえながら、さらなる具体的な技術開発を発掘できるように取り組んでまいりたいと、見直しを進めてまいりたいと考えてございます。
最後でございますが、9-4をお開きいただきたいと思います。
これは環境情報の整備、提供・広報の充実でございます。環境問題に関するさまざまな情報、データを体系的に整理して国民等に提供するということで、ウエブサイトなどを通じて展開をさせていただいております。
測定指標を大きく二つ持っておりますが、こうした研修につきましては、十分進んでいるかと考えておりますので、丸ですが、他方、環境問題に関する情報に対しての国民の満足度という意味では、少し低下傾向にございます。基準年の24年度が15%でしたので、それに比べれば上なんですけれども、目標値には至ってないということで、厳しくバツをつけてございます。
これは確かに、施策の分析のところをご覧いただきたいんですけども、環境統計の整備・充実、またホームページを通じてのPR、情報提供、これは大きく進んでいるかと考えておりますが、2ポツのところに記載がありますように、利用者のアンケートを聞きますと、正確なものをしっかりと情報提供してほしいと、あと利用者の理解を助けるためにわかりにくい情報はわかりやすく提供してほしいという声がございます。生のデータではなく、できるだけ工夫して、トレンドがわかるような、そういうものをデータとして発信していく必要があると考えておりまして、政府全体として推進しているオープンデータ化の取組の加速とともに、わかりやすく信頼性が高い情報を発信していくよう見直しを進めていきたいというふうに考えています。
すみません、長くなりましたけど、私からは以上であります。ありがとうございました。
【須藤委員長】
どうも御説明ありがとうございました。通常評価の8と9について御説明いただきました。どうぞ名札を立ててください。
今度は、井村先生のほうから行きましょうか。なるべく端的にお願いします。
【井村委員】
8-2なんですけど、環境に配慮した地域づくりの推進ということで、もともとこれ公害防止計画などが何か入ったと思うんですね。それが今現在は、地球温暖化の地域施策が測定指標になっていたりします。このこと自身はとても別に悪くないんですが、例えばそれと対をなす適応のほうは、一番最初の1-3でしたか、気候変動の適応のほうに入れてあって、そのこと自体も悪くないんですけども、何となく変な感じもするんです。適応と緩和のそれとペアになっている計画が2カ所に分かれていて、実際中身的にも、達成する目標も災害にも強く、環境に配慮した地域づくりというようなことで、これは本当はペアでやって、しかも温暖化にも寄与してということで、いろんな横に渡しているので、なかなか整理しにくいのかもしれませんけど、今後ちょっとこの辺の整理が必要になるかなと、そんなような感じをしました。
【須藤委員長】
ありがとうございます。大塚先生どうぞ。
【大塚委員】
2点ございますけども、一つは、9-2のところで風力発電の迅速化、これは国を挙げて取り組んでおられることだと思うんですけども、465日に比べて少ないのはいいことだと思いますが、しかし、それにしても徐々に増えてしまっているので、ちょっとこの分析というのは、しっかりしていただいたほうがありがたいと思うんですけども、ちょっと必ずしも増えていることに関しての分析がなされてないように思いますので、そこを追加していただければありがたいというのが1点です。
それから、二つ目でございますが、環境基本計画の効果的実施の9-1に関しては、ここに挙がっている指標だけでは、多分十分とは必ずしも言えないようには思っておりまして、ただ、ちょっと具体的な提案がしにくくて申し訳ないんですけど、環境基本計画の中の最後のところにあるこのページじゃないですけど、基本計画自体の最後のところにある実施のところですね、効果的に実施のところについては、他省庁に対して何かやっていただくというところがあるんですけど、どうもあそこはあまり活用されていないんですが、ちょっと環境省が他省庁について評価するのは、なかなか難しいかなと思っているのですが、ちょっとその辺を含めてもう少し環境基本計画の効果的な実施に関する指標は工夫していただいたほうがいいんじゃないかなということを申し上げておきたいと思います。
以上でございます。
【須藤委員長】
河野先生どうぞ。
【河野委員】
8-1、経済のグリーン化の推進のところで、指標で三角が三つありますが、最初の3については、最近指標が低下している自治体に対応してもらおうというようなお答えがあります。
それから、エコアクションの業者数が最近ちょっと増えております。これは何かガイドラインを改定したということの理由が挙げられている。それから真ん中の環境報告書の公表企業数の割合ですが、これどう読むのか、例えば24年度、71.1というのは、上場企業数の71.1ということですね、順次下がっています。
環境報告書のガイドラインの作成に当初関わった者として非常に気になる数字なんですが、これをガイドラインの改定と施策の分析のところですかね、次のページの次期目標への反映の方向性ということで、ガイドラインを改定するということで対応するというようなことですが、改定すれば上がるのかと。個人的に思うのは、もっと社会的責任ということを言って公表すること、関係情報を金額も含めて公表することは、企業の社会的責任であるというようなことをもう少し強く言っていく必要があるのではないかというふうにも、ちょっと企業が最近経済の低迷もあって、たるんでいるんじゃないかという感じを持っております。
以上です。
【須藤委員長】
ありがとうございます。崎田先生どうぞ。
【崎田委員】
ありがとうございます。なかなか申し上げにくいんですけれども、地域でかなり環境学習とかやっている人間からいくと、ここのところですね、自治体と打ち合わせしたりしているときの自治体の中での環境の優先順位というのが、微妙に下がりつつあるというか、やはり少子高齢とか医療とか、そういう関係のものに話が先にいく。環境政策のほうにいると、やはり持続可能な社会ということで、そういうこともちゃんと視野に入れながら施策を組んでいるんだということを言っているんですけれども、なかなか地域の中の予算配分というと、少しそういう印象を持っております。
そういうことを考えて、今8-2とか、8-3とか、こういうデータをとるときに、地域づくりがどういうふうに計画が進んでいるかとか、いろいろアンケートをとられると思うんですが、何かそういう作業するときに、もっと自治体の方が真剣にやらなきゃと思うような、何かそういうアンケートのとり方、調書の仕方から何か一歩考えていただく、そういうことも必要なんではないかなというふうに思いました。よろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
ありがとうございます。じゃあ藤井先生、最後にどうぞ。
【藤井委員】
8-1の経済のグリーン化のところですが、グリーン購入、それからエコアクションのところの関係で言うと、今現場ではSDGsに関わって、この物差しをどうしていこうかという動きは非常に活発に動いているんですね。ですから次期に向けてになると思いますが、そこが一つ物差しに入っていかないと、ここの従来の施策を上げていくというのは難しいのではないかなという気がして見ています。
【須藤委員長】
ありがとうございました。
それでは、何かお答えをするべきことがありますか、ちょっとあんまり。
【総合政策課長】
時間も限られていますので、8月末のときにまた。
【須藤委員長】
では、いいですね。いろいろ今伺って、次の会のときにお願いしたいと思います。
それでは、あと一つ、もう一つ大事ものが残っております。施策の10でございます。
放射性物質による環境の汚染への対応ということで、関係部局より順次御説明いただく、環境再生・資源循環局、保健部の総括課長さんより、順番に御説明願います。
では、どうぞ、お願いします。
【環境再生・資源循環局】
恐れ入ります。それでは、環境再生・資源循環局のほうから御説明させていただきます。
私どもの局は、7月14日付で従前の廃棄物・リサイクル対策部と、福島などを中心といたします中間貯蔵、除染、指定廃棄物とあわせまして局として発足したところでございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
それでは、目標番号10-1になります。
放射性物質による汚染された廃棄物の処理ということで、いわゆる通称指定廃棄物というものになってございます。こちらのほうにつきましては、測定目標、いわゆる目標として二つ掲げさせていただいておりまして、いわゆる仮置場への搬入というキーワード、それから仮置場の設置数というキーワード、前者につきましては、バツということで未達成になってございます。後ほど御説明させていただきます。
仮設処理施設、それから仮置場の確保については、目標を達成しているところでございます。
現状につきまして、この達成状況なども含めて現状についてですが、目標達成の度合いの測定結果というところで、相当程度進展ありというところでございますけども、大きくF1の近傍であります対策地域内廃棄物につきましては、従前の推計量、いわゆる大体100万tオーダーと想像していたんですけども、今の時点でもう140万トン家屋解体のがれきが生じておりますので、その関係で推計よりも多くなっている関係で、搬入量がまだ未達成となっているところではございます。
それから、仮置場の設置のところにつきましては、ここ数年かなり仮置場の設置の合意形成が進んでおりますので、比較的福島、それから福島以外のところにつきましても、仮置場の施設の設置のところについて進展が見られているところでございます。
施策の分析のところでございますけども、対策地域内廃棄物については、今現時点では約140万、正確には144万オーダーですけども、福島県内については、そこにも6施設稼働中というのがございますけども、焼却プロセスが順次進んで、その灰については、今後動き出す中間貯蔵のほうに運び出すということになってございます。
それから、指定廃棄物については、福島県内と県外とございますけども、県内のほうにつきましては、焼却処理が順次進んでいるといったところでございます。県外のほうについては、まだ焼却プロセスのほうには行っておりませんで、群馬それから茨城については、いわゆる分散保管、残りの千葉、宮城、栃木については、1カ所管理型処分場の関係の1カ所、長期管理施設の設置の調整を進めているところでございます。
以上が10-1でございます。
それから、10-2のほうになります。こちらのほうが除染と中間貯蔵を合わせたものでございます。
放射性物質汚染対処特借法に基づく除染等と、「等」は中間貯蔵でございます。こちらのほうについては、最初のページのところに大きくたくさん書いてある割には、達成のところが横棒になってございますけど、いずれも除染・中貯を着実に推進という、まだ現時点では定性的な目標にとどまってございます。
具体的な進捗状況について御説明をさせていただきたいと、こちらのほうでと思っています。裏面に参りまして、評価結果というところで御説明をさせていただきますと、相当程度進展ありということでございますが、定性的な部分のところでまず申し上げますと、まず除染の関係でございますけども、除染のところを大きく分けて国直轄の部分と市町村が行う分に分かれてございますけれども、そこの部分のところで除染特別地域といわれているものございますけども、こちらのほうにつきましては、我々が目指しておりました28年度末、すなわち29年3月末に、一応面的除染ほぼ全域完了というところを達成したところでございます。
他方、市町村が中心となって行うこととなっております重点調査地域というキーワードがございますけども、こちらのほうについては、まだ進展途中ではございますけれども、特に住宅、それから公共施設と呼ばれる中枢的な、特に御関心の高い部分については、除染作業が概ね完了しておりまして、残りの部分は、農地、道路などが残っているという部分が一部ございます。
いずれにしても、市町村除染の関係でも、相当程度20ミリシーベルト、または全体の暴露量で0.23マイクロシーベルト未満となるところが確認されところが相当程度出てきておりますので、一時期に比べますと、ここ二、三年前から比べますと加速的に進んでいるかなと思っているところでございます。
それから、判断根拠の後半のほうが中間貯蔵になってございますけれども、現時点で、今年、去年辺りから加速度的に、いわゆる用地買収、それから現地での実質の並行しての工事というところが進展しているところでございまして、そこでは用地買収の面積、トータルでまいりますと約千数百ヘクタールになるところの376haとなっておりますけども、今加速的に進展をしておりまして、6月末ではもう既に550ha規模になっているところでございまして、いわゆる地権者件数のベースでまいりましても、もう半分以上というところを達成しているところでございます。
いずれにしても、29年度秋を目途に、中貯への貯蔵の施設の一部開始というところ目指しておりまして、今年度ベースでまいりましても、約50万m3の搬送と、輸送というところを目指しているところでございます。
そういう意味では、定性的でございますけど、除染、中貯とも、ここ一、二年のところでかなり加速的に進んできたというところでございます。
以上でございます。
【須藤委員長】
ありがとうございました。そしたら保健部の総括課長、簡単にお願いいたします。
【環境保健部】
目標10-3、放射線に係る一般住民の健康管理・健康不安対策について御説明したいと思います。
ちょっと裏面を恐縮ですが見ていただきまして、施策の分析のところでございますけれども、平成26年12月に、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議におきまして、中間取りまとめを行っておりまして、これを踏まえまして、国として実施すべき事業について課題を整理してございます。
大きな柱といたしましては、被ばく線量評価、健康影響、健康不安対策などに関する調査研究、また安心・リスクコミュニケーション事業、さらに放射線影響に関する相談員の支援拠点事業、これは期間を指定して避難地域の解除が行われているということを踏まえまして、帰還を支援するための相談員の支援拠点の事業を整備していくと。
また、福島県の県民健康調査、これにつきまして、着実に実施していくということが大きな課題となってございます。
これにあわせまして、測定指標などのほうも立てさせていただいてございまして、研究につきましては、目標を達成している状況でございます。また、受講者の満足度といたしましても、保健影響福祉等関係者研修会ということで、住民からの相談に対応できる人材を育成していく事業、座学、実技、ロールプレイなどをやってございますけれども、それとあと住民に対する直接なセミナーなどをあわせまして満足度、平成28年度におきましては90%という高い評価をいただいているところでございます。
また、相談員支援センターにおけます専門家の派遣件数も、帰還、避難指示解除にあわせまして、件数が着実に増加しているという状況にございます。福島県県民健康調査につきましても、着実に実施されているというところでございます。
以上でございます。
【須藤委員長】
どうもせかして申し訳ございません。
通常評価の今の問題についてのお答えは割愛をさせていただいて、もしどうしてもあれば次回で多少時間をとってやりたいと思います。
それでは、通常評価は以上でございますが、モニタリング評価をやるということにもなっていたんですが、ちょうど時間になってしまいますので、モニタリング評価は、もし御意見があれば、事務局にメールか何かでお問い合わせいただいてですね、お問い合わせというか御意見をいただいておいて、それで義務ではございませんので、先生方から御意見があればいただいて、私が事務局へ参ってそれを見せていただいて、次回のときにそれをどう扱ったらいいかを検討させていただくということで、ぴったり時間になりましたので、この辺で。
それから事務局のほうから、今後の取り扱いについて御説明願いたいと思います。
【事務局】
どうもありがとうございました。
次回の政策評価委員会につきましては、今回いただいた御指摘ですが、今回残りました論点につきまして、次回政策評価書の修正案をまた提示した上で御議論いただければと考えております。
日程としては、8月24日、木曜日の午前10時~12時を予定しております。
事務局より追って詳細は御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
大変ありがとうございました。特に後半のいつも地球環境、地球温暖化のところで時間をとっちゃって、後のほうの部分について大変失礼をいたしておりますが、次回は、もしかしたら逆からやったほうがいいのかなんて今思ったところでございますが、とりあえずは、ぴったりの時間になりましたので、これをもって、本日は閉会とさせていただきます。
次回、ぜひお集まりいただいて、それから御意見があれば事務局のほうにお寄せください。その意見を事務局と拝見させていただいて、どう取り扱っていいかは検討させていただきます。
以上をもって、本日の委員会を終了いたします。
どうもありがとうございました。

午後 0時01分 閉会


問い合わせ先
環境省大臣官房総合政策課企画評価・政策プロモーション室
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