環境省
VOLUME.62
2017年12月・2018年1月号

1.Amami-Oshima Island-奄美大島/海と森に育まれた希少動植物の楽園

鹿児島と沖縄島のほぼ中間に位置し、国内の島としては沖縄本島、佐渡島に次ぐ面積を誇る奄美大島。島内には広大な亜熱帯の森が広がり、アマミノクロウサギやルリカケスなど、固有種が数多く生息しています。

1.Amami-Oshima Island-奄美大島/海と森に育まれた希少動植物の楽園

ルリカケス、オオトラツグミ、アマミトゲネズミ、アマミノクロウサギ、アマミイシカワガエル、ハブ

MAP

Recommend Comment

私は、1988年に奄美大島に来て以来マングースの調査をし、その後は自然保護官として「奄美マングースバスターズ」結成など防除事業の立ち上げにも携わりました。無謀と言われたマングースの完全排除も、関係者のたゆまぬ努力で視野に入ってきました。2000年代、マングースの分布域からはアマミノクロウサギなど固有種が姿を消していましたが、近年では防除の効果により世界遺産の推薦価値でもある固有種の回復という大きな成果が見られています。しかし、ゴールは奄美が世界自然遺産になることではありません。世界に誇る素晴らしい自然が、奄美に住む人、奄美を訪れる人とうまく共存し続けることこそが大切なのだと思います。

RECOMMENDER-中国四国地方環境事務所 野生生物課 課長補佐 阿部愼太郎さん

OUR EFFORT

マングース対策

マングース対策

「特定外来生物」であるマングースは、1979年にハブなどの駆除を目的に奄美大島に放されましたが、実際には効果は得られず、さまざまな在来種が食べられてしまいました。環境省では、マングースを完全に排除し、島独自の生態系を回復させるため、捕獲などの防除事業を進めています。約20年の取り組みの結果、一時は約1万頭にまで増加したとされるマングースの数は、50頭以下にまで減少したと推定されています。

(写真)「奄美マングースバスターズ」の活動では、マングースの完全排除を目指し、島内に約3万個のわなを設置している

写真提供/奄美野生生物保護センター

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