使用済自動車の再資源化等に関する法律案について

使用済自動車の再資源化等に関する法律案について

1.法律制定の目的

  1. (1)年間約500万台排出される使用済自動車は、有用金属・部品を含み資源として価値が高いものであるため、従来は解体業者や破砕業者において売買を通じて流通し、リサイクル・処理が行われてきた。
  2. (2)他方、産業廃棄物最終処分場の逼迫により使用済自動車から生じるシュレッダーダストを低減する必要性が高まっている。また、最終処分費の高騰、鉄スクラップ価格の低迷により、使用済自動車の逆有償化がこの数年で顕著になり、不法投棄・不適正処理の懸念も生じている。
  3. (3)このため、自動車製造業者を中心とした関係者に適切な役割分担を義務づけることにより使用済自動車のリサイクル・適正処理を図るため、「使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)案」を国会に提出することが必要である。

2.法律案の骨子

(1)基本的な役割分担(関係者に義務付け)

[1]自動車製造業者、輸入業者(主務大臣の認定制)

   「拡大生産者責任」の考え方に基づき、自らが製造又は輸入した自動車が使用済となった場合、その自動車から発生するフロン類、エアバッグ及びシュレッダーダストを引き取り、再資源化(フロン類については破壊。以下同じ。)をリサイクル率に関する基準に従って行う。
 また、使用済自動車の部材を鋼材原料として利用する等によりシュレッダーダストの発生を抑制する解体業者等について、自動車製造業者等の委託によりその抑制努力を促す仕組みを用意する。
  なお、義務履行が難しい小規模な自動車製造業者等から委託を受けて再資源化を行う第三者機関を設ける。

[2]自動車所有者

   使用済となった自動車を引取業者に引き渡す。

[3]引取業者(都道府県知事の登録制)

   自動車所有者から使用済自動車を引き取り、フロン類が充填されている場合はフロン類回収業者に、その他の場合は解体業者に引き渡す。

[4]フロン類回収業者(都道府県知事の登録制)

   フロン類を適正に回収し、自動車製造業者等に引き渡す(自動車製造業者等にフロン類の回収費用を請求できる)。フロン類を回収した後、使用済自動車を解体業者に引き渡す。

[5]解体業者(都道府県知事の許可制)

   使用済自動車の解体に当たり、有用な部品を分離して再資源化を行い、エアバッグを自動車製造業者等に引き渡す。解体が終了した使用済自動車を破砕業者に引き渡す。

[6]破砕業者(都道府県知事の許可制)

   使用済自動車の破砕、圧縮等に当たり、有用な金属を分離して再資源化を行い、シュレッダーダストを自動車製造業者等に引き渡す。

(2)費用負担の方法

  • ○ 使用済自動車の再資源化に要する費用に関し、自動車製造業者等がリサイクル料金をあらかじめ定め、公表する。これにより、自動車製造業者間の競争が生じ、リサイクル容易な自動車の設計・製造や所有者が支払う料金の低減が図られる。不適切な料金設定に対しては、国が是正を勧告・命令できるものとする。
  • ○ 自動車の所有者は、新車の購入時(制度施行時に使用中の自動車は最初の車検時まで)にリサイクル料金を支払う。
  • ○ 自動車製造業者等の倒産・解散による滅失等を防ぐため、リサイクル料金は、資金管理法人が管理する。自動車製造業者等は、再資源化の実施に当たり、資金管理法人に対して料金の払渡しを請求できることとする。なお、資金管理法人は、高い透明性・公開性を確保する。

(3)情報管理システム

  • ○ 使用済自動車が各段階の事業者において確実に引渡し・引取りされたことを確認できる情報管理システムを構築する。
  • ○ 情報管理システムの情報を資金管理法人から自動車製造業者等への料金の払渡しの根拠としても活用する。
  • ○ 膨大な情報処理が必要なため、電子マニフェストを導入する。

(4)廃棄物処理法との調整

[1]二つの法律の関係の明確化

使用済自動車の処理については、自動車リサイクル法に別段の定めがある場合を除き、廃棄物処理法を適用するものとする。

[2]廃棄物処理法の業の許可の特例(処理基準、名義貸し禁止、改善命令の規定は適用)

  • 登録を受けた引取業者及びフロン類回収業者は、使用済自動車の収集・運搬について、廃棄物処理法に基づく業の許可を不要とする。

  • 許可を受けた解体業者及び破砕業者は、使用済自動車の収集・運搬、処分について、廃棄物処理法に基づく業の許可を不要とする。

  • 認定を受けた製造業者等は、エアバッグ及びシュレッダーダストの収集・運搬、処分について、廃棄物処理法に基づく業の許可を不要とする。

[3]産業廃棄物管理票の特例

 (3)の新しい情報管理システムの導入に伴い、使用済自動車については、廃棄物処理法の産業廃棄物管理票についての規定は適用しないものとする。

[4]委託の基準の特例

 自動車リサイクル法の規定に従って使用済自動車の引渡し、引取りが行われる場合について、廃棄物処理法の委託の基準を適用しないものとする。

(5)その他

  • ○ カーエアコンからのフロン類の回収については、フロン類回収破壊法の枠組みを基本的に引き継ぎつつ、自動車リサイクル法の中で一体的に扱う。
  • ○ 現在廃棄物処理法に基づく業の許可を受けて使用済自動車の解体、破砕を行っている者及びフロン類回収破壊法に基づく登録を受けてカーエアコンの引取り、フロン類の回収を行っている者については、自動車リサイクル法に基づく許可制度又は登録制度に容易に移行できるよう配慮するなど、所要の経過措置を設ける。
  • ○ 今までに講じられてきた種々の不法投棄対策に加え、運搬費が嵩む離島において使用済自動車の円滑な引渡しを確保するための対策を講ずるなど、使用済自動車の不法投棄対策の一層の強化を図る。
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