第5回 環境省国立研究開発法人審議会 会議録

日時

 平成28年7月13日(水)13:00~16:20

場所

 中央合同庁舎5号館22階 環境省第1会議室

議題

(1)平成27年度及び第3期中間目標機関に係る業務実績等報告及び評価案について

(2)その他

配付資料

資料1 国立環境研究所について

資料2 国立環境研究所平成27年度/第3期中間目標期間 業務実績等報告(研究関係)

資料3 国立環境研究所平成27年度/第3期中間目標期間 業務実績等報告(企画・総務関係)

資料4 平成27年度 業務実績等報告書

資料5 第3期中期目標期間業務等報告書(平成23年度~平成27年度)

資料6 平成27年度/第3期中期目標期間 業務実績等報告書 資料編

資料7 平成27年度 決算関係書類

資料8 平成27年度 監査報告書

資料9 平成27年度及び第3期中間目標期間に係る業務実績評価(素案)

資料10 平成27年度及び第3期中間目標期間に係る業務実績評価(素案)に対する意見シート

資料11 平成26年度業務実績評価書(平成27年8月31日決定)の評価に対する対応状況

資料12 その他の指摘事項等への対応状況

資料13   今後の予定

出席者

委員

花木啓祐会長、沖陽子会長代理、木本昌秀委員、高橋隆行委員、中静透委員、大久保規子委員

環境省

総合環境政策局

奥主局長

白石総務課長

太田環境研究技術室長

環境研究技術室員

国立環境研究所

住理事長

原澤理事

石飛理事

小林監事

天野監事

榑林企画部長

鈴木総務部長

柳橋環境情報部長

議事録

【太田環境研究技術室長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第5回環境省国立研究開発法人審議会を開会いたします。

 本日、衛藤委員におかれましては、所用によりご欠席との連絡をいただきましたので、委員7名のうち6名の皆様方にご出席いただいております。

 環境省国立環境研究開発法人審議会運営規則第5条の規定によりまして、定足数を満たしておりますので、本審議会は成立することをご報告申し上げます。

 また、本日の会議は公開で開催させていただいております。

 初めに、環境省の人事異動がございましたので、ご紹介させていただきます。

 三好総合環境政策局長の後任で奥主局長でございます。

 続きまして、上田総務課長の後任で白石課長でございます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、議事に入ります前に、奥主局長より一言ご挨拶を申し上げます。

【奥主総合環境政策局長】 第5回環境省国立研究開発法人審議会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 まずは、先月、委員の先生方におかれましては、国立環境研究所をご視察いただくとともに、現場の研究者との交流を通じまして貴重なご意見をいただきましたことを、厚く御礼申し上げます。

 若手や女性の研究者にとっては、刺激となるお言葉をいただいた大切な時間となったのではないかと思っている次第でございます。

 国立環境研究所では、4月に初の地方機関となる福島支部を、福島県環境創造センター内に開設し、福島県や日本原子力研究開発機構と連携した災害環境研究が、本格的に始動したところでございます。

 また、先日の熊本地震では、福島での経験や実績を活かし、国や被災地と連携して、災害廃棄物の状況調査や支援活動に乗り出すなど、機動的に対応をしているところでございます。

 さらには、3月に決定されました政府関係機関移転基本方針を受けまして、滋賀県との共同研究拠点の設置に向けた検討も開始しております。第4期中長期計画は、まだ緒に就いたばかりではございますが、我が国の環境研究の中核的研究機関として、国立環境研究所に求められる役割は、一層大きく重要性を増していると考えております。

 本日は、国立環境研究所の第3期中期目標期間の最終年度である平成27年度及び第3期中期目標期間全体の業務実績についてご説明させていただき、評価素案についてのご意見をいただきたく考えております。

 委員の先生方におかれましては、国立環境研究所の評価につきまして、大所高所からのご意見をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 簡単ではございますが、挨拶とさせていただきます。

【太田環境研究技術室長】 続きまして、本日お配りいたしました資料の確認をさせていただきます。

 まず、本日の資料でございますが、議事次第の次に座席表、それから今年度の審議事項という一枚紙、議事次第にございますとおり、資料1から13までの資料がございます。参考資料といたしましては、1から20番まで水色の紙ファイルにとじて配付させていただいております。また、机の右上に、第4回までの議事録を置かせていただいております。既に委員の皆様方にはご確認をいただいているところでございますが、お気づきの点がございましたら、今月中に事務局までご連絡いただければと思っております。議事録は、その後、公表をさせていただく予定でございます。

 資料に、過不足等がございましたら、事務局までお申しつけくださいませ。

 

 それでは、議事に入ります前に、今年度の審議事項と審議の進め方につきまして、ご説明をさせていただきます。

 お手元にお配りいたしました、「今年度の審議事項」という一枚紙をご覧ください。

 この紙にございますとおり、今年度は、国立環境研究所の27年度の年度評価と、第3期の期間評価を行う予定といたしておりまして、環境大臣が行う2つの評価に対してご助言をいただく予定でございます。

 裏面にまいりまして、この審議の進め方でございますが、本日の第5回審議会と、次回第6回の審議会の2回でご助言を賜りたく考えているところでございます。

 本日の進め方といたしましては、まず、国立環境研究所のほうから業務実績等の報告と自己評価の説明をした後、環境省から評価素案についてご説明させていただいた後、質疑応答というローテーションで、今回、内容がかなり豊富でございますので、四つに区切ってご審議いただくことを考えております。この図の右側にIからIVで書かせていただいているところで区切って、ご議論いただければと考えております。

 そして、委員の皆様へお願いしたいことでございますが、本日、非常に資料が多くございますので、審議会の時間内では、十分ご意見をいただけないこともあるかと思います。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところ恐縮でございますが、資料10「意見シート」というものがございますので、言い足りなかったご意見等につきましては、これにご記入のうえ、事務局までご提出いただければと考えております。この資料10につきましては、追って電子媒体で送付させていただきます。

 本日いただいたご意見、そして、意見シートでいただいたご意見を踏まえまして、事務局のほうにおきまして評価書案を作成させていただき、委員の皆様方に8月中旬にお送りしまして、8月18日の第6回の審議会において、最終的なご意見を賜りたく考えているところでございます。

 本日の審議の進め方につきましては、以上でございます。

 何か、ご質問等がございますでしょうか。

【木本委員】 今、平成28年度なんですよね。

【太田環境研究技術室長】 はい。

【木本委員】 平成27年度の活動の評価は毎年だからわかるんですけど、第3期の期間評価って何でしたか。

【太田環境研究技術室長】 国環研の場合は5年ごとに中期目標を出させていただき、それに対して5か年の中期計画をつくっているものでございまして、平成23年から27年度までが第3期になっております。その期間評価についてご審議いただくのと。

【木本委員】 去年、これから5年間は、こうしますといった目標は今年分からか。

【太田環境研究技術室長】 はい。去年、第4期の目標をご議論いただいたのは今年度のからの分です。

【木本委員】 今回は去年、終わったやつについて評価するというのか。

【太田環境研究技術室長】 さようでございます。去年は、最終年度でございましたので、見込み評価という形で評価させていただきました。今回は、もう昨年度で第3期が終わりましたので見込ではなく実績で評価をする、というものです。

【木本委員】 余りたくさんあるから、どれがどれかわからない。

 研究しているより、評価しているほうに時間をとられてしまいそう。

【太田環境研究技術室長】 すみません。今回、目標期間が終わった段階の評価ということで、年度評価と、5カ年の評価とをあわせてお願いするところでございます。

 よろしくお願いいたします。

 それでは、ここからの進行は、花木会長にお願いしたいと思います。会長、よろしくお願いいたします。

【花木会長】 ありがとうございます。

 今、審議会の全体の進め方のご説明いただきましたが、基本的に今日、何をやるかといいますと、まず、国立環境研究所のほうから、自分自身の評価について説明いただき、それに対して環境省が行った評価素案についてご説明いただくということです。私どもの、この審議会の役割は、我々自身が評価するのではなくて、環境省が評価をすることについて助言することです。そういう意味で言いますと、本日示される評価素案について、私どもが、コメントを出して、8月18日に確定したいということでございます。

 先ほど説明があったとおり、非常に内容が多いということもありますので、四つに分けて、環境研からの報告、それに対する環境省の評価案、そして、我々が意見を差し上げるというのを4回繰り返すということでございます。

 その前に、一番最初に環境研自身の、ご紹介ということもあるわけでございます。それが本日の予定でございます。

 早速ですけれども、先ほどの木本先生のご質問にもあったように、平成28年度から新しい中長期計画が始まっているということであります。この第4期の中長期計画についての概要説明を、住理事長からお願いいたします。

【住国立環境研究所理事長】 それでは、この後、第3期の成果等について話がありますので、私のほうからは、第4期中長期計画に向けての環境研の概要をお話ししたいと思います。昨年度から結構聞いていると思いますので、またかという感じを持たれるかもしれませんが、かいつまんでお話をしたいと思います。

 最初に、写真と検証は、まあいいとして、3ページ目の沿革ですが、赤い字で中長期計画が発足したことと、福島支部の開設が書いてあります。それで、当初、思っていたより、やはり福島の問題は大きいということを実感しております。それはやっぱり、地元というのがあって、そこの人と話をするにつけ、まだまだ被災されている人がいたりすることを考えますと、やっぱりなかなか大変だなと思っております。

 続きまして、4番目の、次のページの規模なんですが、平成28年度運営費交付金が117億円、全体的にすれば数パーセントふえたんですが、ただ、福島の部分が入っておりますので、やはり非常に根幹的な部分は結構削減されているなという感じがあります。外部資金が36億円、人員に関しては役職員272人、研究系職員202人、契約職員を含め総数854名ということで、福島の25名というのは、一応ちゃんとした予算措置がされました。そういう点では、人員的には福島の分が、いわゆる純増になったという形になっております。

 その次、5ページですが、どういう形で中長期計画をつくったかということですが、中央環境審議会から、環境研の役割に関して答申が出ましたし、やはり、それに基づいたことは掲げようと思っております。

 それはどういうことかというと、出口思考というわけではないんですが、やはり現実に問題がございますので、問題解決に資する研究を環境研としてはやっていくべきではないかということですね。それから、福島支部を通して災害環境研究を新しく発足させました。意外と、災害環境研究というのは非常に着目されておりますし、我々のところも、東日本大震災以降、南海大地震まで余りないなと思ったら、毎年毎年大災害が起きて、非常に大変なことでございますので、これはきちんとしなければだめだと。特に、アスベストなんか、もうなくなったとは言いませんけれども、壊れますと、そういう古いものがどんどん出てきたりしますし、いろいろな問題がありますので、これはきちんとやらなきゃだめだと考えております。

 それから、6ページですが、第3期には海外の有識者を招いてアドバイザリーボードを初めて行いました。非常に有意義な設問というか、アドバイスを得られたと思っております。成果も報告書で公開してございます。

 7ページが、絵なんですが、環境研は環境研究に関する基本的なところもやるべきだと思いますし、現在起きている課題解決の研究にも配慮をすると、ある意味では二面作戦というか、基盤的なことも重視しつつ、課題対応もやるという、そういう構成になっております。

 一番上に課題解決型プログラム、それは低炭素とか資源循環、自然共生、安全確保、それから統合プログラムという中環審の答申にあるようなことを受けて、それにこたえるべくプログラムを組んでやってまいります。それから、右側の赤いのが、これが災害環境プログラムでございまして、福島の場で、環境回復、環境創生、さらに現在では中間貯蔵の問題が大きな問題になっておりますし、どうしても災害廃棄物、放射線廃棄物等を含めて、それはやはり環境研が担っていくことだと思っております。

 二段目に研究事業というのを新たに定義をして、そこを強調する形になっております。これは、環境研究所の仕事の中には、ある意味では事業的なものがあって、単に論文を出しているだけでは図れないような仕事も結構ありますので、そういう仕事を正しく評価をし、それを位置づけようということでございます。それから、赤い矢印があるんですが、これは、今度の独法改革の中で、自分の研究所の成果のみを最大化するのではなくて、日本国内の全ての研究機関と連携をしながら、全体の制度を底上げしなさいということですので、それを積極的にやっていこうという意味で、赤い矢印があって、プラットフォームを形成して国内外の研究機関と連携しながらやって行こうと考えております。

 さらに最近の大きな特徴としては、関連ステークホルダーと書いてありますが、単に研究者が一緒になってやればいいというだけではなくて、環境の問題では、地球の住民だとかさまざまな関係がございますので、そういうところのステークホルダーの意見、コミュニケーション等を非常に重視しようというわけでございます。

 事業の中で、とりわけ強調するのは、GOSATの衛星観測はやっぱり大変なんですが、年数の経過とともにだんだん大変になってきまして、データは増えるは、いろいろすることがありますので、それをきちんと計画的にやる必要があります。それから、エコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)も、これから研究フェーズになりますので、きちんとしたデータを維持しなきゃだめだということがあります。それから、現在、環境省を含む適応のプログラムを進めようと考えております。それを担うようなプラットフォームを国環が運用してまいります。

 次に、災害環境マネジメントは、これはD.Waste-Netを初めとする災害環境研究の全国的ないろんな機関のネットワークを、環境研で維持しようと。それから、5番目に社会対話と書いてありますが、これはいわゆるフューチャー・アースと言われるところのコデザイン、コワーキング、そういうことの端緒となるべくやろうということであります。要するに環境研究所の研究が、一般社会の人に、どう思われているか。そういうことを話しながら、環境研の研究テーマを決めていくようなことをしようと。まだまだ経験がございませんので、そういう部門をつくって、一歩一歩実践の中から次につけていけばいいかなと思っております。

 あと、基盤整備という部分が、ございますが、環境研は、そういう基盤的なものを持っておりますので、それは努めて維持をしなきゃだめだと。CO2を初めモニタリングの部分がございますし、PM2.5等の観測もございますし、その他さまざまな環境資料、生物のいろんなものをタイムカプセル棟で保存・管理をしております。電気代が大変ですが、それでも、やめたらなくなっちゃいますので、やっぱり維持しなきゃだめだと思っております。データベースとかも同様に、維持する必要があります。

 次にその下に基盤的調査・研究と書いてありますが、今、目先のことだけをやっていたら、先々に行ってだめになりますので、やはり将来を目指すような基盤的な研究もできるように、両方を考えながらやっていきたいと考えております。

 続きまして、8ページなんですが、これは課題解決型プログラムの例でございます。9ページは、研究の基盤整備でどういうものがあるかということを書いております。10ページ目は、先ほど説明しましたように、研究事業の説明でございます。

 あと、上から3番目にリスク評価化学事業連携オフィスと書いてありますが、レギュラトリーサイエンスは、環境研にとっては非常に大きな柱でありまして、依然として水俣病を初めとする公害問題から出発したこともありますし、相当多くの化学物質がつくられている中で、そういうものに対するきちんとした客観的な、化学的な基準値等を出していくということをしていかないと、環境行政も成り立ちませんので、それはきちんとやろうと考えております。

 あと、災害環境マネジメント、気候変動、社会対話、これらは4期に向けて新しくつくったものでありまして、具体的にどういう形になるかというのは、見てのお楽しみというわけで、これからいろいろ具体的に展開していこうと考えております。

 11ページは、これは宣伝でありますが、リモートセンシングで大気中のCO2濃度を測定したというのは、実はそう簡単なものではありませんで、非常に大変なんですが、うちの研究室は非常に頑張って、ハワイのマウナロアの上では400ppmを越したとか出たんですが、これは全層というか、全地球上のフロンボトムとトップで、そういう全大気中の濃度で400ppmを超えたと、こういう観測をやっていきたいと思っておりますし、将来的には、我々は各国の、月単位のエミッションはある程度推定するようなことをしなきゃだめだろうというふうに考えております。

 それから、次の12ページは、福島でのテーマでございます。これは、環境回復研究、環境創生研究、災害環境マネジメント研究と三つの大きな柱を立てまして、JAEA、福島県、福島大学、その他さまざまな海外の機関等をあわせながらやっていきたいなと思っております。

 正直申しまして、地方の持っている問題は非常に大きな問題がございますので、我々としても、やはり将来に向かって、地域、地方が、どういうふうに進んでいくかなどということは、非常に重視をしておりますが、とりあえずは放射能の問題は非常に大きくございますので、そういう除染対策、中間貯蔵等も精力的にしたいと思います。

 13ページは、その福島支部が入った建物の写真でございまして、こういう建物ができました。7月21日に福島県の環境創造センターの開所式があるんですが、本館、研究棟をあわせて、非常に立派なファシリティができましたし、ここに常勤職員65名という支部をつくりまして、これから福島を拠点として研究をさらに展開していこうと考えております。

 さらに、環境研究所としては、中間貯蔵をやっておりますJESCO(中間貯蔵・環境安全事業(株))との研究協力も行いまして、同時にこの福島を拠点としながら、中間貯蔵に関する研究も進めてまいります。

 14ページは、福島県とJAEA(日本原子力研究開発機構)のセンター長さんとの連携がうまくとれているということで、福島支部の発足式を6月7日にやりましたという写真でございます。

 簡単ですが、第4期に向けて環境研がどういう方向でやろうとしているかということのご紹介をした次第でございます。ご清聴ありがとうございました

【花木会長】 ありがとうございます。今、第4期の立ち上がりの状況のご報告をいただきまして、これ自身は本日の議題ではないのですが、もし、簡単な質問がございましたら。

 よろしいですか。今後、進展状況をご報告いただくということになると思います。

 それでは、これから第3期の中期計画の項目に従いまして、先ほど申し上げたとおり四つに分割してご説明、それから質疑とさせていただきますので、お願いいたします。

【原澤国立環境研究所理事】 研究担当理事の原澤です。よろしくお願いします。

 それでは、資料2に基づきまして、ご説明したいと思います。

 まず、研究関係ということで、一枚めくっていただきまして2ページ目、第1、第2、第5がございまして、私のほうで青い部分、研究に関する部分をご説明いたします。その後、石飛理事のほうで企画総務関係のご説明ということで進めさせていただきたいと思います。

 3ページにまいります。研究関係の評価軸ということで、これは昨年度もご紹介して評価をいただいたわけですけれども、第1、1.の環境研究に関する業務ということで、(1)環境研究の戦略的な推進、(2)研究の構成ということで、ここにいわゆる環境研究、分野ごとの研究ですとか、研究プログラム、災害と環境に関する研究、基盤整備といったような項目が入ってまいります。

 その後、一枚めくっていただいて4ページ目に、第1の1.の環境研究に関する業務のうちの(3)研究成果の評価ということと、3.の(1)研究成果の提供の項目がありますが、これににつきましては、次のご説明のときに触れたいと思います。

 それでは最初に、(1)環境研究の戦略的な推進ということで、6ページをめくっていただきたいと思います。戦略的な推進について四つの評価軸がございまして、まず、体系的に推進しているかということで、こちらは前回も見ていただきました八角形の図に、各研究分野、8分野がありまして、その分野をそれぞれ研究センターが担当する、8センターで担当するという形になっております。各分野に関連しまして、いわゆる研究プログラムが二種類、重点研究プログラムが五つ、先導研究プログラムが五つ、計10の研究プログラムが走っているということであります。

 その下のほうに、基盤整備ということで、かなりの数の基盤整備が進んでおりますけれども、その中でも特に二つ、地球環境モニタリング、これは衛星を含みます、それとエコチル調査を中心に進めてきたということであります。また、平成25年3月に、災害と環境に関する研究を中期計画に位置づけて進めてきて、先ほど理事長から説明があったように、この4月1日から福島支部という形で、福島県の環境創造センターで活動を開始したということであります。

 7ページにまいります。評価軸の[2]連携機能を果たしているかということで、今回の場合は、平成27年度と期間5年間の全体ということでありますので、全体5年間を基調として、部分的に27年度のご説明をしたいと思います。

 まず、(1)連携強化のための体制構築ということで、四つ上げております。国際環境研究事業戦略調整費といったものをつくりまして、例えば平成27年度には、トップダウン型を1件、ボトムアップ型の8件を採択して進めております。

 2)番目の災害環境研究につきましては、国内の9機関が参画する環境放射線研究連絡会議、これは期間に3回という意味でありまして、その後、先ほどの説明にもありましたように、福島県、JAEAとともに、環境創造センターにおける研究の連携、運営体制について協議してスタートしたということであります。

 また、毎年、環境研究機関連絡会というものを開催いたしておりまして、昨年度は11月10日にシンポジウムを開催しております。これは、毎年開催しておりまして、環境研究関連の機関の意見交換を図っているということであります。

 4)番目が、3カ国の環境研究機関の所長会議ということで、TPMと呼んでおりますけれども、昨年度、平成27年度は、TPM12ということで、12回目が韓国の麗水市で開催されております。

 (2)国内における連携ということで、1)共同研究、協力協定、あるいは2)番目にあります大学との交流協定、客員研究員、連携研究グループ長といったものをつくりまして、研究を進めております。連携研究グループにつきましては、昨年度6件動いておりまして、ほぼ4年くらいかけて一つの研究グループ、これは京大の村山先生にご指導いただいている野生生物ゲノム関係で、7月1日付ですけれども、ヤンバルクイナの全ゲノム解読のデータが公開されたということで、こういった連携研究グループの成果も出始めているということであります。

 3)番目が、地方環境研との共同研究ということで、I型、II型、II型は大型の研究でございますけれども、かなり力を入れてやっておりまして、例えば3年前に問題になりましたPM2.5の関係では、全国54の地環研との研究ネットワークが非常にうまく機能して、ある意味、話題になったということであります。

 4)番目が全環研の交流シンポジウム、これも毎年やっておりまして、地環研レベルでの研究を推進しているということであります。

 (3)海外との連携につきましては、グローバル・カーボン・プロジェクト、温室効果ガスインベントリオフィスといったものが毎年やっておりまして、特に温室効果ガスインベントリオフィスは、途上国のインベントリの能力開発といったような非常に重要な役割も担っておりますので、海外との連携も、平成27年度も含めまして、中期期間5年間でうまく進んでいると思います。

 あとは、期間の中では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)への貢献ですとか、京都議定書あるいは気候変動枠組条約をフォローしている研究もやっておりますので、そういった、時々の成果も出ております。

 一枚めくっていただきまして、環境政策立案等への貢献は十分かということが、評価軸[3]であります。こちらにつきましては、各種審議会への参画の状況ということで、昨年度、1人当たりはどれくらいの数がということでありましたので、平成27年度は研究者1人当たり2.6件ということで、平成23年以降、期間を見ますと、大体3件前後で推移しているということであります。

 下のほうにまいります。環境政策への主な貢献の状況ということで、平成27年度は145件貢献をしたということで、こちらについても3年前からいろいろな研究の成果、アウトプットをいかにアウトカムにつなげられたかということで、分類しリスト化をしまして、制度面への貢献が156件、制度面以外が36件というような形で、定量化して検討しているということであります。

 第3期中期目標期間全体では、IPCCへの貢献ですとか、震災以降の各種の規程やガイドラインの作成に大きな貢献ができたのではないかと考えております。

 9ページ、評価軸[4]であります。環境研究の質の向上ということで、(1)研究費の配分の工夫としては、公募型の所内の研究制度をつくったり、外部競争的資金を取りにいく際に、いろいろな情報交換をしたりして提案力を向上させるようなことを図ってまいりました。また、人材育成におきましては、特に若手研究者の能力開発ということで、各種の研修ですとか、あるいはここには書いていないんですが、海外研修制度、毎年2人ずつぐらい、一年間の研修をさせたりとか、あるいは公募型研究の提案型のBタイプという小ぶりのやつにつきましては、チャレンジングなテーマを研究として進めるような、そういった仕組みもございます。その他、休憩施設ですとか、一時預かり保育室ですとか、外国人研究者生活支援等も進めてまいりました。

 (2)が公募型の研究でございますが、こちらは平成27年度につきましては、少し大き目の提案型(A)というタイプと(B)というタイプを実施いたしまして、5年間では48課題、平成27年度は(A)が2件、(B)が7件採択して研究を進めてきているということであります。研究基盤整備につきましては、5年間で48件ということですが、昨年度は予算の関係もあったりしたんですが、平成27年度は19件、研究基盤整備ができて、今期につながっているということであります。

 (3)エネルギー対策は粛々とやってございまして、平成27年度につきましては、契約電力5,000kwということですけれども、アクションプラン等をしっかりやって、特に問題はなかったということでございます。

 10ページにまいりますが、今、ご説明したところを自己評価といたしまして、【B,B】とか【B,A】とか書いてございますが、こちらの左のほうが、平成27年度の年度評価、その右につきましては、期間の5年間の評価ということで、並記しております。[3]のところの(b)環境政策への主な貢献の状況についてということで、平成27年度はBですけれども、5年間を通してAという形で自己評価をしております。これは、IPCCの報告書ですとか、災害環境研究、あるいはPM2.5といったような社会問題化した問題に対しても対応してきたということを、自己評価としてはAとしてございます。

 総合評価は、一番下にございますけれども【B,B】ということで、評価をしております。

 続きまして、1.(2)研究の構成にまいります。

 まず最初に、研究の柱となる研究分野ということで、12ページをめくっていただきますと、評価軸といたしましては、研究関係では、学術的な貢献が大きいかということと、政策的な貢献等があるかという二つの軸で評価しておりますが、最初に、学術的な貢献がどうかということで、これは、研究の柱となる研究分野ということで、先ほどご紹介した8分野ごとの研究を言っております。

 12ページの図は、誌上・口頭発表の件数をプロットしたものでありまして、27年度に着目していただきますと、昨年から少し数が減っているという傾向があります。その点で、ちょっと自己評価は悪くなってしまったんですけれども、5年間の平均ということでは、当初の目標をクリアしているということになります。この辺が、平成27年で、研究面でちょっと大きな事柄かなと思います。

 13ページにまいりますが、こちらについては、数だけではなくて論文の質ということで、これはトムソン・ロイターが整備しておりますいろんなデータベースがあるんですが、そちらで、被引用数などの一覧を掲げております。昨年ご指摘があった、いわゆるインパクトファクターについても、この場合は、各分野ごと22分野につきまして、中央値、50%タイルの値ということで、インパクトファクターも、3.5を越えるようなところもあれば、1.0をちょっと下回るところもあるという、分野ごとに特徴があるということで、さらにこういった分析を進めながら質を上げていくような努力をしていきたいと思います。

 横の図は、論文数と相対被引用度ということで、こちらも分野によって特徴が見られるということであります。

 14ページにまいりますと、これは相対被引用度を、過去3回ご報告していますけれども、それをプロットしてみたもので、年を追うごとに相対被引用度が少しずつではありますけれども上がっているということで、質が少しずつ向上しているという判断をしてございます。

 15ページにまいります。こちらは、評価軸[2]ということで、国際的な貢献ですとか、環境行政や社会貢献ということでありますけれども、これは、先ほどご紹介したいろんな貢献のカテゴリーを分けまして、表をつくって、平成27年度につきましては、件数で156件が制度面の貢献ということ、制度面以外については36件、合計192件というのが、研究成果から出てきた、行政貢献であったり社会貢献であったりという形です。

 16ページにまいりまして、今、ご紹介したようなところを自己評価としてまとめたのが、この表でありまして、平成27年度は誌上発表、口頭発表が、ちょっと数が減ったということで、Cをつけざるを得ないということでございます。

 また、[2]の貢献のほうですが(d)、上記以外の社会への貢献というところについては、これはプレスリリースの目標がございまして、また、石飛理事のほうで説明があるかと思いますけれども、当初の目標、2期の平均に比べて、平成27年度は1.6倍に増えたということで評価をつけさせていただいております。

 以上も含めまして、総合評価につきましては【B,B】、平成27年度がB、期間を通しての評価はBという形で自己評価をしてございます。

そ の次に、(2)②課題対応型の研究プログラムということで、18ページにまいります。こちらも、先ほどと同じように、学術的な貢献がどうかということと、環境行政等への貢献ということの二つの軸で評価をしております。

 重点研究プログラム、先導研究プログラム10本につきましては、外部評価を受けてございます。平成27年度の年度評価というところと、期間終了後の事後評価ということで、3.0が普通、4.0がすぐれているという5.0点満点のうちの4.0以上の評価をいただいておりますので、研究の成果としては、しっかり出ているということであります。

 19ページにまいります。こういった研究プログラムから、どういった行政貢献ができているかということで、二つの事例を挙げてございます。一つは、先ほどからもお話ししていますIPCC第5次評価報告書へ貢献したということで、執筆に貢献したと同時に、研究成果がこういった論文に盛り込まれたということであります。あと、生物多様性プログラムにつきましては、外来生物の緊急課題への対応策の提示ということで、日本全国でいろいろな外来種が入ってきている。それについてメカニズムの解明から対策まで含めた研究を、プログラムの中でやっておりまして、一部はマニュアル化して実務にも役立ってきているというような例を挙げてございます。

 一枚めくっていただきまして、課題対応型研究プログラムの自己評価につきましては、平成27年度、期間5年間、いずれもBという形で、当初の計画の目的は達成できたという評価をしてございます。

 続きまして、23ページ(2)③災害と環境に関する研究にまいります。

 ここの場合は、評価軸といたしまして、学術的な評価と政策貢献に加えまして、総合的に取り組まれているかという評価軸を設けております。評価軸[1]は、総合的に取り組まれているかということで、震災直後からいろんな研究機関とやりとりをして連携を進めるとともに、JAEAと県とは、かなり密な研究も進めるということで、先ほど来、ご紹介しています環境創造センターで、この4月から福島支部という形で研究を開始したということであります。

 評価軸[2]は、環境行政や社会への貢献ということで、こちらにつきましては、発災後から現地に入りまして、これまでの研究成果をもとに、災害廃棄物の問題ですとか、放射性物質の挙動の問題とか、そういった問題を現地の情報も入れながら、いろいろやっておりまして、2ポツ目にありますように、いろんな評価検討会に参画いたしまして、知見を共有したりしておりますし、また、3ポツ目につきましては、災害廃棄物に対する指導、助言ですとか、あとは技術基準等々にもかなり貢献できたのではないかと思っております。

 評価軸[3]につきましては、化学的、学術的な貢献ということで、発災直後から数年は、なかなかやっぱり研究論文という形にはならなかったんですけれども、その分、マニュアル等々という形での貢献ができたと思いますけれども、最近では徐々にこういった学術的な論文の数がふえつつあるということでありますので、今期は、さらにそれを進めていくということでございます。

 24ページは、既にご紹介した図でございますけれども、昨年度はJESCOとか、あるいはフランスの機関ですがIRSNとか、基本協定を結びまして、さらに協力を進めていこうということであります。

 25ページにまいりますけれども、成果の公開ということで、やはり我々がその現場で、あるいは筑波で得た研究成果を発信するという意味で、災害環境研究に関するいろいろな報告書を出してございます。また、報告交流会といったものを地元で、郡山市では2年前の3月9日にやってございますけれども、あとは住民を対象にいたしましたいろいろな講座を、地元に入ってやっているということでありますし、また、いろいろなメディアで、こういった知見をお伝えしているということのご紹介であります。

 以上をまとめまして、26ページに自己評価があります。これは、かなり研究所としても頑張ったということで、Aが多いですが、平成27年度も5年間の評価もAという形でつけてございます。

 総合評価につきましては、今、お話ししたようなことがまとめてあります。

 (2)④基盤整備にまいります。29ページで、評価軸[1]計画に沿って実施されているかと、先ほどご紹介しましたように、大きな基盤整備は、衛星も含めた地球モニタリングと、エコチル調査であります。エコチル調査そのものは、ロードマップという形でしっかりつくられておりますし、平成25年度末には10万件の、いわゆる当初の目的どおりにリクルートができたということで、この2年間は、それを踏まえて、例えば平成27年度は詳細調査をさらに進めているということになります。

 その中身は、30ページに書いてございます。詳細調査については、10万件の中から全国で5,000人を選びまして、詳細な検討をしているということで、こちらについても今期、継続的に進めておりまして、研究成果等が出てくるかと思います。

 31ページにまいります。こちらは、基盤整備につきまして、評価軸[2]国際的な水準や希少性等に照らして十分大きな意義があるものをやっているということであります。これにつきましては、モニタリングも、エコチル調査も、世界的に非常に希少なデータが得られているということもありまして、さらにまた地球環境モニタリングでは、下のほうに書いてございますけれども、特に温暖化の影響とか適応が非常に重要なテーマになってきたということで、影響モニタリングを進めているとともに、そういったデータも即時配信をしておりますし、また、長野県とは、今年の2月に、協定を結んで、一緒にこういったモニタリングを進めるという体制をつくりまして、進めてきたということであります。

 32ページにまいります。これは、地球環境モニタリングの概念図と、先ほど、ご紹介した衛星観測によって二酸化炭素の濃度が測れるようになったということで、今後、こういったものをさらに進めていくということになります。

 33ページ、これが最後の図ではございますけれども、基盤整備としては計画どおりに進んでいると評価しておりますし、また、国際的な水準や希少性に対しても十分大きな意義があると考えておりますので、B評価とさせていただいております。

 総合評価は【B,B】という形になります。

 以上が、最初のパートのご説明であります。

【花木会長】 ありがとうございます。前回やりましたのでご承知と思いますが、予定どおり達成していればBということであります。ですから、Aはそれよりもすぐれている、Sというのは特段優れているという、なかなか評価をつけにくいような構造になっているんですが、独立行政法人全体としてこの評価基準これでやっていこうということでございますので、これに従ってやっていくということでございます。

 それでは、続きまして環境省から評価をいただいて、その後、皆さんからご意見を伺いたいと思います。

【太田環境研究技術室長】 それでは、環境省の評価素案につきまして、ご説明させていただきたいと思います。

 資料につきましては、資料9-1と9-2を用いましてご説明させていただきます。

 まず、資料9-1でございます。

【花木会長】 後から配られたものか。

【太田環境研究技術室長】 はい。2ページ以降につきましては、A3のものも後でお配りさせていただいております。

 まず、私のほうから、表の見方をご説明させていただきたいと思います。

 まず、資料9-1のほうでございます。「A」とか「B」が書いてあるものでございますけれども、これは、中期目標の各項目につきまして、先ほど原澤理事のほうからもご説明がありましたけれども、総合評価といった項目ごとにまとめた評定を、ここに一覧として書かせていただいております。

 真ん中ほどに、年度評価ということで、平成23年度から27年度、それから中期目標期間評価ということで、見込評価とそれから期間評価(案)という形で書かせていただいております。

 平成23年度から25年度につきましては、現行の通則法の改正前の評価でございますので、ここで「A」となっているのは昔の評価基準ですと、「A」が標準ということでございます。ですから、通則法改正後の平成26年度以降の評価の「B」と同じであるとご理解をいただければと考えております。平成26年度以降は、新しい通則法のもとでの評価でございまして、「B」が標準ということになります。

 それで、本日と次回にご議論いただく範囲でございますが、年度評価につきましては、この赤い囲みで囲んであります「平成27年度の評価」と、それから一番右側の「期間評価」のところをご議論いただく予定となっております。各項目の総合評価につきましては、先ほど両理事からご説明いただいたところにつきましては、基本的に「国環研」と書いてあるところが国環研の自己評価になりまして、「環境省」と書いてあるところが環境省の評価素案ということになります。総合評価につきましては、国環研の自己評価と環境省の評価は同じということでございまして、各項目の評価で、大体「B」なんですけれども、1.(2)③の災害と環境に関する研究については、27年度評価も、期間評価につきましても「A」となっており、国環研の自己評価と同じ評価案とさせていただいているところでございます。

 おめくりいただきまして2ページから4ページにわたりまして、各評価軸、評価指標ごとの評価を書かせていただいております。基本的に、欄の並びは1ページと同じになっておりますけれども、評価指標ごとに細かく見た場合の一覧でございます。

 ここの中では、幾つか国環研と環境省の評価が少し異なるところがございます。異なるところにつきましては、環境省のところを見ていただければと思いますけれども、濃いピンクで書いてあるところにつきましては、環境省の評価のほうが国環研の評価よりも少し低い場合でございます。

【花木会長】 皆さん、おわかりですか。どの指標か。ここからA3の説明に入っています。

【太田環境研究技術室長】 そうですね。A3の資料でございます。

【花木会長】 さっきまではこのA4の票表の説明でしたが、ここからA3拡大版の説明になっているということです。

【太田環境研究技術室長】 失礼いたしました。先ほどお配りしたA3の表をご覧ください。

 2ページ目以降はA4では字が小さいかと思いまして、A3判を用意させていただきました。例えば、第1の1の(1)の②の(b)、下に濃いピンクのアンダーラインを引いている項目がございますけれども、ここを見ていただきますと、国環研の27年度の自己評価が「B」になっているところ、環境省のところが「C」になっております。こういったところは、濃いピンクで環境省の評定のところを色づけさせていただいております。

 各項目につきましては、濃いピンクのアンダーラインを引いているところは同様に、国環研よりダウングレードの評価をしているというところでございます。

 それから、1カ所だけなんですけれども、国環研の評価よりも環境省の評価のほうが高いところがございます。それが、次のページの一番上のところでございますが、「(c)被災地と連携した取組みの実施状況」のところ、期間評価のところになりますけれども、環境省が「A」評価になっているところでございます。これが、国環研の評価と環境省の評価の違うところでございます。

 それから、一番右側の環境省の期間評価のところで、黄色いセルとピンクのセルになっているところがございます。2枚目の一番上の「緑のA」のところが黄色いセルになっておりますが、ここは見込評価との比較をさせていただいているところでございまして、昨年度実施させていただきました見込評価よりも評価が高いところは黄色のセル、それから、その何段か下に、ピンクのセルになっているところがございますが、

そこは見込評価がAだったところが、期間評価で「B」になっているところでございます。見込評価と期間評価の違いをセルの色で示しております。 先ほど原澤理事からご説明があった部分の評価と環境省の評価が異なる理由等を、黒川からご説明させていただきます。

【審議会事務局】 資料の9-2、A4横の資料でご説明させていただきます。

 表紙を1枚めくっていただきまして、2ページ目から、第1の1.(1)環境研究の戦略的な推進でございます。

 先ほど、原澤理事からご説明がありましたように、評価軸が四つ、それぞれに評価指標が二つずつありまして、評価指標ごとに評価が書いてございます。これもまた、見方を説明しなくてはいけないのですが、そこに小さい四角で評定という囲みがございます。ご存じのように、S、A、B、C、Dの5段階評価で、Bを標準とさせていただいておりまして、先ほどの国環研の資料は年度評価と期間評価の二つの評定が並んでいたと思うんですけれども、こちらは年度評価と期間評価の間に( )書きで見込評価の評定も入れさせてもらっております。ちょっと見づらいかもしれませんけれども、左から年度評価、見込評価、期間終了後の評価ということで並んでおります。

 それで、太田室長からもご説明いたしましたけれども、黒い字のところは国環研と同じ評価ということで、ご理解いただければと思います。今、見ていただいているところでは、②の中核的研究機関としての連携機能を果たしているかのところの(b)国外の研究機関等との連携の状況について、Cをつけさせてもらっております。先ほどの理事のお話を聞いていますと、全然Cという感じではないんですけれども、実際に評価軸、評価指標、参考指標で何を見るかというのを一応定めていまして、例えば国外の研究機関との連携の状況を見る際に、例えば二国間協定などで行っている共同研究数ですとか、あるいは海外から国環研で受け入れている研究者や研修生の受け入れ数といった、人数、数量的な指標の動きを見ながら判断をさせていただいているところでございます。

【木本委員】 今の判定基準というのは、どこかに書いてあるんですか。何で質問をしているかというと、我々は環境研が自己評価をしたやつを、環境省が変えて、それが適切かどうか意見を求められていると思うので、その理由がわからないと判断のしようがありません。それで聞いているんですけど。

【審議会事務局】 はい。すみません。ご説明が不足しておりました。まず、先ほどの国環研の資料にも出てきましたけれども、評価をするに当たって、評価軸と評価指標というのを定めてございます。参考資料の8番に、青いバインダですね。こちらに、平成27年度評価及び第3期中期目標期間の期間実績評価における評価軸、評価指標という資料がございまして、これに定めている評価の軸、つまり評価の視点と、どういうものを参考に評価するかという、具体的な指標がございます。評価指標は定量的なものであったり、定性的なものであったりいたしますけれども、評価軸ごとにそういうものが定めてございます。

 今回の評価にあたっては昨年の26年度評価や見込評価を行ったときと同じものを使わせていただいております。

【大久保委員】 恐らく、その評価が、データの数が変わっているから、こういう評価の違いになっているので、何で評価していたかという評価項目ではなくて、実際に数が入っている、こちらの業務実績等報告書を見ていただいたほうが、よろしいのではないでしょうか。

【審議会事務局】 そうですね。失礼いたしました。

【花木会長】 二つわからないことがあって、環境研でつくられた報告書本体、それとも資料編、どちらを見ればいいのでしょうか。

【審議会事務局】 業務実績等報告書がよろしいかと存じます。

【花木会長】 本体のほうですね。

【審議会事務局】 はい。

【花木会長】 今の、海外との、ということでいうと、どこになりますか。

【審議会事務局】 27年度報告書で言いますと、4ページになります。

 例えば、ちょっと字が小さいですが、主要な経年データというのが、4ページに載っているんですが、これの真ん中あたりに、例えば、二国間協定等の枠組み下での共同研究数ですとか、その下に、海外からの研究者、研究生の受け入れ数といったデータがございまして、平成23年度から27年度までの5年間の数字が出ているんですが、平成27年度は、どちらも数値が下がっているということになっております。

 それで、平成23年度の左のほうに、基準値等というのがございまして、一応、我々、ここの基準値より高いか低いかということで判断をさせていただいているので、基準値が書いていないところもあるんですが、書いているものについては、これを標準に判断することにしております。

 例えば、二国間協定の共同研究数ですと、平成27年度は18件だったということで、基準値より若干下回っている。あとは、海外からの研究者、研究生の受け入れ数につきましても59人で、これも基準値より低いということで、すみませんが、Cということでつけさせていただいております。

【花木会長】 この基準値は、欄の右に書いてある平均値ということですか。

【審議会事務局】 はい。平均値ですね。

【花木会長】 平均値ということは、必ず下回るのが出るよね。上回るときもあれば、下回るときもあって。

【審議会事務局】 それはそうですね。

【花木会長】 これは、そういった5年間の平均値を基準値とするというのは、どこにも明記されていない。基準値を何にするかというのは、前に議論したことはありましたっけ。

【審議会事務局】 いえ、議論はしていないです。

 基準値をどういうふうに設定するかというのは、すみません。国環研のほうにお任せしているところではあるんですけれども。

【花木会長】 基準値は、国立環境研が提案しておられるのですか。その辺は、どうなんですか。

【原澤国立環境研究所理事】 これは、多分、前期2期の平均値を参考値として出していまして、達成目標とかに連動したものではないと思うんですけれども。比較のための数値で基準値という言い方が、ちょっと強過ぎるかなと思うんですけど。

【花木会長】 いやいや、現中期期間だから、前期ではなく、第3期の平均ですよね。

【原澤国立環境研究所理事】 すみません。現中期の平均値ということで、基準値ということにしていますね。

【花木会長】 そうしたら、平均なんだから必ず下回る年が出ますよね。

 それは非常にハードルが厳しいのでは。

【高橋委員】 さらに言うと、平均値ですから、期間中の評価は必ずBになるということになるんじゃないかなと思うんですけど。

 基準値というのが、少し。前期の第2期を基準にするんであればわかると思うんですけど、第3期を基準にしてしまうと、ちょっと。

【審議会事務局】 第2期の数値を基準として設定しているものもございます。基準値の設定の仕方は、それぞれ違いますので。

【沖会長代理】 ごめんなさい。その基準値なんですが、昨年もちょっと、そこのところに私はひっかかったもので、どういうふうに定めていらっしゃるんでしょうかと申し上げたときに、この参考資料の6ですか、評価に関する指針、これの10ページ、11ページのところに当たるのではないかと思っているんですが。

 例えばBですと定量的指標においては、対中期目標値の100%以上から120%未満、Cだと100%未満というところでやっていらっしゃるんですか。確認です。

【花木会長】 それが、中期目標値というのが、これが目標値ではなくて平均値でやっているところに問題があるということですか。

 1期前の平均値を使うのならわかりますが、あるいは、それとは別に全体的に目標値を定めるとか。

 それで、もう一度確かめておきたいんですけど、これを基準値とするというのは、国立環境研側がもともと提案されたのですか。それとも、環境省が。

【審議会事務局】 そこの設定は、お任せしております。

【原澤国立環境研究所理事】 環境研で比較のためにつくったということだと思います。ですから、いわゆる達成目標という形で計画にうたわれて、それについての基準値というのと、ちょっと意味合いが違うかと思います。

【花木会長】 何か難しい。現中期の平均と比較すると、さっき言われたように、必ず全体の平均は、もう自動的にBになるわけですよね。それはそれで問題ですね。

 そうすると、これからいろいろご説明を伺うわけですけど、その後、それぞれが宿題で持ち帰るわけですが、そのときに、特にAであるとかCであるというものについては、そこで根拠となっている数値の妥当性も、それぞれ我々が判断することになりますか。

 今日、ここで意見をいただくのが一番いいですね。今の国際的な活動について言うと、実際の生の数字を見ると、幾つかの項目で、平成27年度は、それまでよりも低いところがある。それを、どう考えるかということになろうかと思いますが。ちょっとご意見をいただければと思います。

【高橋委員】 個別の話ということで、平成27年度のほうの18件という二国間の枠組みの共同研究数、これが、前年までと比べると半減とは言いませんけれども、6割になっていると。これは何か理由が何かあったら教えていただきたいんですけれども。

【原澤国立環境研究所理事】 平成27年度の業務実績等報告書の16ページの下のパラグラフのところに、B、国外の研究機関等との連携の状況ということで、ここに今、ご質問があった理由が書いてございまして、二国間協定について、平成26年31件から、平成27年度は13件減少して18件となった。これは、今年度、共同研究の状況を精査して、形骸化しているような課題は排除して、実質的に遂行されている課題に絞ったために、こういう数になったということであります。

 外国人研究者の受け入れ数は、昨年とほぼ同様です。

 要するに、何年かしていると、だんだん形骸化してきて、実質的なものではなくなっているケースもあるので、そこは見直しをして、そのために数が減ってしまってCになってしまったということです。

【花木会長】 どなたかご意見がありますか。

 本当は、減らした分、別のものが新しく充実すればいいということではあるんでしょうけどね。それは、そう簡単にいかないということでしょうか。

 その、もう1個下の、研修生の受け入れ数も、これは一年ごとに57人だったり、60人になったりするから、でこぼこの中で若干低いということですかね。これは、そんなには低くはない。

 ところで、ちょっと話を戻して、今、説明の途中でしたか。最後までお願いします。

【審議会事務局】 ありがとうございます。今お話ししたように、年度評価に関しては、平成27年度だのけ実績に着目してみましたのでCになっておりますが、逆に期間評価になった場合は、会長がおっしゃったように、5年間で見た場合は上がっていたり下がっていたりと、波があるものもございますので、そういうところはBとさせていただいております。

 以上が、一つ目でございまして、あともう一つ、赤い色に変わっておりますのが、評価軸の③の環境政策立案等への貢献は十分かというところでございます。こちらは、国環研さんはAの評定をされておりまして、こちらの評価指標を見てみますと、例えば各種審議会への参画の状況ですとか、環境政策への主な貢献の状況という二つがございます。各種審議会への参画数ということになりますと、また、先ほどの27年度報告書の4ページに返っていただきますと、の海外からの研究生の下のところに、各種審議会等の委員数というのがございまして、5年間の数字が記載されていますが、平成27年度だけで見ますと、ちょっと前年度とか他の年度よりも下がっているというものがございます。

 もう一つの、主な環境政策への貢献状況につきましては、例えば、資料編の中に、資料11という資料がございますけれども、そこに主な政策の貢献状況というのがあります。そこに5年分の、いろんな政策に貢献したというのが一覧表になって、しかも5年分書いておりますので、そちらを見ながらということになります。

 審議会の参画数ですと、定量的なので、数字が多いか少ないかである程度判断ができますが、政策の貢献になりますと、例えば資料編の34ページから、平成23年度からの貢献例がずっと載っているんですが、どの年度の貢献かちょっとわかりにくくなっております。途中から平成27年度の貢献が表になっていまして。

【花木会長】 どれを見ているんですか。

【審議会事務局】 資料の6番です。ちょっとぶ厚いんですが、そこの44ページを見ていただきますと、平成27年度の貢献というのがございます。これは、昨年も同じつくりになっていまして、直近の年度の貢献は、こういうふうに一覧表になって、見やすい形になっております。

 平成27年度にどんなものに貢献しているかというのが、内訳が整理されておりまして、集計の結果が145件貢献しているということでございます。145件といってしまうと、また定量的になってしまうんですが、実際にはこの中身とか、例えば制度に反映されているとか、国際的に反映されているとかというところも見ながらということになってしまうんですが、なかなかちょっとこちらでは明確に判断ができないというようなところもあって、あえてBをつけさせていただいております。この点につきまして、委員の先生から専門的なご意見がいただければ、大変ありがたいと思っております。

 (1)の環境研究の戦略的な推進については、以上でございます。

 続きまして、環境研究の柱となる研究分野でございます。

 すみません。資料9-2の5ページに戻らせていただきます。

 5ページの(2)①環境研究の柱となる研究分野。こちらは、国環研の八つの研究分野、八つの研究センターで行われている研究についての評価を行うというところでございます。

 5ページを見ていただきますと、ここについては、色がついた評価がございませんので、国環研の評定と違いがあるところはないということでございます。Cがついているところがあるんですけれども、それについては、6ページのほうにいきますと、何をもってCとしているかといいますと、国環研の誌上発表論文件数ですとか、あるいは国内の口頭発表件数というものが、これも基準値が設定されているんですけれども、こちらがちょっと下がっているということでCとさせていただいております。これは、国環研と同じ整理でございます。

 それから、下のほうに、(d)上記以外の社会への貢献というところで、Aがついていますのは、先ほどもお話がありましたけれどもプレスリリース、これにつきましては、目標となっている基準値より60%ぐらい増えていまして、先ほども言いましたけれども、120%を越えているということで、Aをつけさせていただいております。60%は、年度評価のほうです。期間評価で5年間の平均で比較したときにも、プレスリリースの件数は5年間の平均で25%を超えていまして、こちらもAをつけさせていただいております。

 環境研究の柱となる研究分野は、以上でございます。

 次に、1.(2)②課題対応型の研究プログラムのほうにいきます。資料9-2の7ページでございます。

 こちらも、色のついた評価はないんですけれども、1カ所だけ年度評価でAになっているものがあります。評価軸の②環境行政や社会への貢献、国際的な貢献が大きいかというところの評価指標の(d)上記以外の社会への貢献の27年度の評定がAになっております。これについては、一枚めくって8ページのほうに書いていますが、さっきのものと一緒でプレスリリースの件数でございまして、プレスリリース等を通じた社会貢献が非常に高いということで、こちらもAをつけさせていただいております。

 次に、1.(2)③災害と環境に関する研究にいきます。資料9-2の9ページでございます。

 こちらにつきましては、評価軸が三つに分かれておりまして、9ページを見ていただきますと、まず、真ん中のほうに緑色になっているAがございまして、これは、指標でいいますと(c)被災地と連携した取組みの実施状況というものですけれども、これが、国環研の評価はBになっていたんですが、うちはAとさせていただいております。

 それから、下のほうの③災害環境問題の解明・解決に資する科学的、学術的な貢献が大きいかのところで、こちら、定量的な指標が六つ並んでおりますが、(a)の誌上発表(査読あり)のところと、(d)口頭発表(国外)のところが、期間評価がそれぞれ赤い字でBとなっております。この理由でございますが、どちらも期間評価のほうなので、資料の11ページに飛びます。期間評価の①災害環境研究の総合的な取組の黒丸の三つ目のところですけれども、理由も緑色の字になっております。被災地との連携の取り組みの状況なんですけれども、実際に今、新地町ですとか南相馬市のほうで、そちらに研究の拠点を置いた形で、調査とか研究活動をやっていただいているところです。単純かもしれませんが国環研も平成26年度と27年度の年度評価については、それぞれA評価をつけていただいていまして、もともとこの災害と環境に関する研究は、中期計画に盛り込まれたのが平成25年度からでございまして、実際には震災直後からやっているんですけれども、後から追いかける形で中期目標とか中期計画を改定しましたので、実際の評価項目上、初めて出てくるのが平成25年度なんです。なので、災害と環境に関する研究に関しては、平成25年、26年、27年の3カ年の年度評価と期間評価で評価をしていくということになるんです。そうしますと平成26年と27年でAがついているのであれば、期間評価もその流れでAでいいのではというところがございまして、Aにさせていただいているというのが一つ。それと、平成23年、24年については、中期計画、中期目標には載っていないんですけれども、実際にはもう震災直後から体制を整えて、地元のほうに飛んで行って、実態調査ですとかモニタリングとか、いろんなことをやっておられていたということで、まさに計画に載っていないところでちゃんとやっているというのを評価するというのが大事ではないかと考えております。実際、この前、総務省の会議でも、そういう発言をしておられる先生がいらっしゃいまして、目標や計画に書いていないことでも臨機応変に対応するような活動をきちんと評価するべきだというお話もございましたので、ここについては、むしろAをつけさせていただきたいと考えました。

 それと、もう一つ、今度は赤い字になっているところでございますが、引き続き11ページの③科学的、学術的な貢献ですけれども、こちらは論文発表数等が、年度によってまちまちなんですけれども、基準値がないということでBということにさせていただいております。さっき言ったんですけれども、どうしても定量的な指標の場合に、基準値があって、それより下か上かで判断せざるを得ないというところがありますので、基準値がない場合は、基本的にBというふうに判定させていただいております。

 さらに次、12ページにいきます。

 1.(2)④環境研究の基盤整備でございます。こちらは、GOSATとエコチル調査の評価ことでございますが、こちらは評価軸、評価指標、全て黒色になっていますので、国環研と同じということで、評価をさせていただいております。

 第1の1.(2)の説明までは、以上でございます。

【花木会長】 ありがとう。そうすると、ここから議論ということでよろしいですか。

 それで、ご提案ですけれども、今、いろいろお伺いしたのを、皆さん、頭に残っておられると思うので、このA3の一覧表を見ていただいて、Bになっているところは、後ほど皆さんにBが妥当かどうかというのは見ていただくとして、AなりCがついているところについて、ちょっとご意見をいただければと思っています。

 このA3でいうと、まず、Cがついているのが、上から五つ目ぐらいですかね。②(b)国外の研究機関等との連携の状況と。先ほどの、平成27年度は数が少なかったということでありますが、これについてはどうでしょうかね。

 私の印象からすると、放ったらかしにしているんじゃなくて、きっちりやっておられるので、Cということはないんじゃないかと思うんですが、どなたかご意見がありましたら。

【高橋委員】 私も今、花木会長のご意見と同様で、これはBでいいんじゃないかと思います。理由は、先ほど18ページだったでしょうか。精査ということで、精査したという行為そのものは非難されることは全くなくて、むしろ褒められることで、その結果として、もともとこの基準値という数字の決め方に若干問題があるのかなと思いますが、これはちょっと議論してもしようがないので、実質的なところで評価をするべきではないのかなと。そういう意味では、会長と同じ意見で、私もBでいいんじゃないかなと思いますが。

【花木会長】 いかがでしょうか。

 これは、ここで決めるわけじゃないんです。あくまでも、今日の議論を参考にしてということですが。まあ、いいかなというふうに思って。

【木本委員】 加えて、ぶ厚い報告書に、環境研の方は、精査したと文章で書いてあったんじゃなかったでしたっけ。

 ですから、それを見て判断したというのは、根拠があることなので、よろしいんじゃないですか。

【花木会長】 ありがとうございます。では、これは恐らくBだろうということですね。

【大久保委員】 質問なんですけど、「精査した」の意味なんですけれども、基本的に、そこに何らかのリソースを振り分けていったのであれば、実質的に減らしたことによって、そのリソースが、残りの17ですか、そっちに振り分けられて、そっちに有効に使われたとか、そういうご説明まであると、非常にしっくりいくんですけれども、そこら辺までは説明がないので、もし、補足の説明があれば、ここでお聞きしたいと思います。

【花木会長】 どうですかね。形骸化しているということ、お金も使っていなかったということですかね。ひょっとすると。

【原澤国立環境研究所理事】 基本的には、国際共同研究にしても、持ち寄りでやっているケースがあったりとか、いわゆる協定的に一緒にやろうよみたいな感じのやつがあったりするので、長くやっていますと、実質的に動いていないというケースがあったりして、そこをしっかり見きわめてということだと思います。

 ですから、リソースがほかに割り当てられるかというと、そういうリソースは、人的にはかかわっていた人がほかのところにということはあるんですけれども、予算的には動いていなかったと思います。

【大久保委員】 そうしますと、確認なんですけれども、この中期計画の期間のほうで、もとから形骸化していた分が、最初に三十幾つになっていたわけではなくて、その期間の中で、もう実質的に動いていなくなったという理解なのか、それとも、期間が始まる最初のところから、もうちょっと多目になっていたといいますか、そういうことなのかによって、ちょっと期間の評価に影響があるのではないかと思うんですが、そこら辺は、どうなんでしょうか。

【原澤国立環境研究所理事】 一般的には、外国の機関と協定を結んでやるときに、いつまでやるかみたいな話ではなくて、お互いに、やめようというとやめますけれどという、そういう状況もあったりするものですから、やはり、年度、年度でやっていくのが理想ですけど、今回は期間の中でという形で、5年の中で、そういう見直しをやったということです。

 ですから、年度ごとにやるか、あるいは期間5年でそういう見直しをやるか、新しいやつがどんどん来るときにも、そういった状況も考えながら、やるかどうかという判断が必要だと思います。

【花木会長】 よろしいですか。先に進ませていただきます。

 その二つ下に、③(b)環境政策への主な貢献の状況というので、一番右の期間評価でもA、Bと分かれていて、国環研はAだといって、環境省は初期の予定を達成したということで。

【木本委員】 これは、たしか環境研さんのご説明では、期間全体を通じてみると、IPCCへの貢献等が評価できるのでAだと、たしかおっしゃったと思いますが、環境省さんは、基準値の数値がないので、わかりにくいからBだということであるので、これはIPCCへの貢献を評価するということであれば、環境研さんのおっしゃったようにAというので、私は妥当なのではないかと思いますけれども。

【花木会長】 いかがですか。ここは、政策としても意味があるとすれば、Aということでよろしいでしょうか。では、ここもAといたします。

 それから、ずっと下にいくと、平成27年度でC、Cとなっているのが、両方のCが、発表論文数ですね。誌上発表、口頭発表。これは、さっきの説明でもCにせざるを得ないかなと、みずからも言っておられたわけですけど。色がついていないところです。発表が少なくなっているということで、これは、やむなしですかね。じゃあ、それは、このままいきましょう。

 ずっといって、評価が分かれてはいないけれども、この半分からちょっと下の、②(d)上記以外の社会への貢献、A、Aがある。これは、プレスリリース、さっきやったやつね。かなり積極的に社会に貢献しておられると。双方、そういうふうに評価しておられて、直接的にはここに書いていないけど、IPCCとか、そういう意味での貢献もこういうところに入るとすると、これはAということでも妥当でしょうか。

 それから、そのずっと下のほうにいって、A3の下から2行目、1行目ですね。①(b)所外との共同研究の実施状況、これは災害ですので、災害でしても非常にこれは活発にやっておられるということで、この①の(b)は、A、Aということで、これはよろしいかなと思っております。

 その下の(c)のところは分かれているということですね。被災地と連携した取組みの実施状況の、この緑がついている。環境省とすると、期間全体で確かに後半部分だけでもあるけれども、非常に連携を強くしておられるので、BじゃなくてAでいいんじゃないかと。Aのほうがふさわしいんじゃないかというご意見等を聞きましたが、いかがでしょうか。皆さん、ご意見ございますでしょうか。

【大久保委員】 ここは定性的な評価なので、大変難しいとは思うんですけれども、被災地との連携というのは、やはり実感としてお話を伺っていると、なかなか難しい中、徐々に着実に進めてきたということかお聞きしていると理解しております。

 その意味では、多分、実感に応じたBという感じになっているんだと思いますので、ここは、なかなか難しいなと思うんですけれども。逆に、中期計画との目標との関係で、今年度というか平成27年度評価をAにされたというところ、いろいろフィールド調査とかをやっていらっしゃるというのは、よくわかるんですけれども、それはもともと目標以上なのかという部分がどうなのかというあたりを、ちょっとお伺いできたらと思います。

【花木会長】 苦労したというので、Aという気持ちもあり、苦労して、だけど進んでいないからBという意見もありということだと思うんですけど、今の目標との比較、原澤理事、もしよければ。お話しただけますでしょうか。

【原澤国立環境研究所理事】 評価軸の小項目的には、計画のほうには、それほど書いていないので、中期計画に入って、平成25年に入って3年ですから、いろいろ地元との関係ですとか、あとは具体的には、どういった研究をやるかということについても、JAEAと福島県と、かなり密にいろいろやってきました。

 その中で、研究の途上の中で、地元でのいろいろなシンポジウムをやったりとか、あとはいろいろなワークショップをやったりとかというような形で、それは非常に研究として重要だという認識を、私どもも持っており、先ほど環境省のほうからも、中期計画にないことを、やはりしっかり評価するということで、それは非常にうれしいことでありますし、我々も、そういったところで非常に努力をしてきたと思いますので、Aにしていただいたのは、非常にありがたいと思います。

 ただ、5年の期間ということでは、中期計画的には3年間ではありますけれども、震災直後から実質的にいろいろやっていますので、5年間、これもかかわってきたということだと思います。

 それで、やっとうまく動き出したということで、平成27年度はJAEAとか福島県とのやりとりも、ある程度しっかりして、支部を環境創造センターの中に設置できたということだと思います。

【花木会長】 中静先生から、ご意見。

【中静委員】 同じようなことなんですけど、3年のうち2年間がAであったのにもかかわらず、Bと判定された理由というのは、何か特別なことがあったのかなと思って。

【花木会長】 みずからBをつけられた。

【中静委員】 じゃあ、今のお答えで。

【花木会長】 そうですね。はい。

【大久保委員】 なかなか難しいところで、今年度に関しましては、苦労して。こういうのは、人づくりとか関係づくりというのは、一朝一夕にできるものではありませんので、そこで苦労されていたところを、今年度は、平成27年度はかなりいけたというところでA評価でいいと思うんですね。

 それで、じゃあ、期間評価をどうするかということについては、当初、思っていたよりも、すごく課題としては大きなものがあって、それに比べると、ここまで3年間でできたからという感じと、実質的に取り組みが連携してできたかということは、多分、被災地の方々のステークホルダーの評価という部分もあると思うんですね。そこから見たときに、その方々から見たときに、AなのかBなのかということも踏まえて、ちょっと考えなければいけない。

 私も、どちらにするのか、なかなか材料がないんですけれども、視点としてはそういうところで実質的なところを、評価すべきかなと思います。

【花木会長】 そういう意味では、かなり先方とインタラクティブにやっておられたとすると、先方からしても評価はしておられるんじゃないかなとは聞いていて、思いましたけれどもね。

 いかがですか。いろいろ総合的に考えて、Aかなと思いますけどね。

 次のページに、またAが並んでいます。

 これは、やはり災害のところで、ここは、意見が変わらずA、Aとなっているので、ここは、このままいきましょうか。

 そして、災害の学術的な貢献、誌上発表、口頭発表。ここが分かれていて、環境研が、全体を通じてAとしておられますよね。なかなか、論文発表でAをつけるというのは根拠が難しいところだと思いますが、さっきのご説明では、何とおっしゃったんでしたか。一般のほうでは多くないんだけど、災害のほうはAになっていますよね。ちょっと補足いただければ。

【原澤国立環境研究所理事】 平成27年度の業務実績報告書の31ページに、その誌上発表等々、これは災害環境に関する研究ということで、表になっております。

 中期計画的には平成25年度からではあるんですけれども、震災直後から取り組んだということで、当時から誌上発表、口頭発表をやっております。ということで、これが単年度的には基準がないということではあるんですけれども、ちょっと下がっていたりはするんですけれども、当初から比べるとだんだん増えてきているということで、これは5年間の努力の、たまものとして論文数があるとすればA評価という評価をした次第であります。

 特に基準がなくて、前期も当然ないですから、それの1.2倍とか、そういうような判断ではなくて、我々の活動の成果として、ゼロから立ち上げたところがここまできたというところを、ご評価いただければいいんじゃないかと思います。

【花木会長】 ありがとうございます。この辺は、ご意見、いかがでしょうか。

 なかなか絶対的な比較ができないから、難しいところですけれども。

 はい。お願いします。

【中静委員】 これは、本当に災害が起こってすぐに、いろんな論文を書けるわけでは、ないわけで、これは研究者の感覚として、非常によく頑張って、例えばこの31ページの表なんかを見ますと、相当ふえているのは確かなわけで、私は研究者の感覚として、これはすごく頑張られたんだろうなという気はしているので、基準がないという理由でBにしなくてもいいんではないかなと。

 むしろ、これをAにして、もっと頑張ってくださいという話にしたほうが、インセンティブはわくかなという気はしますけれども。

【花木会長】 ほかの意見がありましたら。いかがでしょうか。

【沖会長代理】 ちょっと先ほどから、私、ちょっとついていけないので黙っておりましたけれども、それはまた後で言わせていただきますが、今の話に関しましては、たしか平成23年、24年度は非常に数が少なかったですよね。そのときには、やはり今、委員の方がおっしゃったように、すぐに発表できるような内容ではないと。ある年数を経てから、慎重にいろいろと発表していくということを伺った記憶がございます。

 そのとおり、それをやっていらっしゃると。平成25年から、ある一定のものをきっちりと発表されているという、この姿勢に対しては、私は非常に高く評価していいんでのはないかと思っております。

【花木会長】 大久保先生も、手を挙げておられました。

【大久保委員】 なかなか基準がないというのは確かなんですけれども、一番最初のところで、災害研究については国際的にも注目を集めていますというお話が、理事長からあったと思います。

 これは、仙台でのいろいろな注目度ということもあると思うんですけれども、そこら辺の中身の話って、余りここのところに出てきていないんですけれども、その点について、何か補足的に説明がいただけるようだったらお願いしたいと思います。

【原澤国立環境研究所理事】 英語の論文が出ているかと、そういうことでしょうか。

【大久保委員】 逆に言うと、理事長から最初のほうで、災害研究については国際的にも注目度が高いですとおっしゃった意味は、どういう意味かという。

【原澤国立環境研究所理事】 なるほど。具体的には、私のほうの資料の2の24ページに、協定している締結機関というのが書いてございます。それで、青い字は、既に協定を締結したということですけれども、右側のほうに、IRSN、これはフランスの放射線防御原子力安全研究所で、IAEAは、もちろん国際的な機関です。EPAの中にも、大統領直轄の研究グループがありまして、そこは、そういった震災直後のいろいろな状況について知りたいということで、非常に国際的な関心が高いということで、IAEAにしろEPAにしろ、まだ協定は結んでおりませんけれども、ぜひ、一緒に研究をやりたい、そういう意味でも、研究面でも非常に関心が高いというあらわれだと思います。

 それを反映いたしまして、25ページのアウトプットにつきましては、当面は日本語が中心でありましたけれども、「Outline of Environmental Emergency Research in NIES」と英語版をつくりまして、こういったものを世界に発信していくということで、環境創造センターにおきましても、JAEA、福島県、環境研が、国内、地元はもとより、国際的に発信をしていくということを強く期待されておりますので、その取っかかりとして、こういった英語の報告書ですとか、あとは協力関係の締結というような形で研究を進めていく下地ができていると思います。

 ただ、先ほどの、国際的な二国間協定みたいな見直しがあったりするわけですけれども、新しい、IAEAとかEPAとかIRSNとかと、実質研究を進めていくような方向で、今、検討しているという意味で、国際的にも非常に関心が高いですし、逆に言うと、国際的なそういった研究者も入ってきて、いろいろ共同研究していくような場面も出てくるかと思います。そういった準備もしつつあるということであります。

【花木会長】 今のは、国外への貢献も、そういう意味では大きいだろうという、そういうどちらかというとサポートというようなご意見ですか。

【大久保委員】 そうですね。発表されたものとかがないと、国外の方も関心を持たないわけですので、基本的には、そういうインパクトがあったのかなという。

【花木会長】 数だけではあらわれない部分があると。

 いかがでしょうかね。①(a)誌上発表(査読あり)、①(d)口頭発表(国外)のところが、全体の評価ですが、AとBと分かれていますけれども、いかがでしょうかね。非常に難しいテーマでやっておられるとすると、Aとしてよろしいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。双方、Aとして。よろしいですか。

 そうすると、ここまでで、主にちょっと議論したい部分は、この第1パートについては終わりました。また、それぞれについて、ざっと見ていただくというのは宿題としてやらせていただくとして、パート2のほうに。やや急ぎ目にお願いします。

【原澤国立環境研究所理事】 それでは、引き続き、パート2のほうにいきたいと思います。資料の2の35ページになります。

 こちらは、中期計画の環境研究に関する業務の中の(3)研究成果の評価というところであります。評価軸が二つございます。一つは、研究所の中で研究評価は適切に実施されているかということでありまして、その下にある図が、現在の内部における、国環研における研究評価の仕組みになっております。所内には、研究評価委員会をつくりまして、こちらで、先ほど、ご紹介いたしました所内の公募研究ですとか、基盤整備の評価を行っているということですが、その成果を踏まえて、外部研究評価委員会、これは12月に毎年開催しておりまして、こちらと同様に年度評価と見込み評価等々をやっております。昨年度は、年度評価と終了時の評価をやっております。それを踏まえまして業務実績等報告書には、研究部分の概要と評価の結果を取りまとめて、資料編あるいは本編のほうに入れ込んでいるということであります。これは、審議会のほうに出しているということです。

 また、国際的な有識者による評価ということで、こちらについては独法評価委員会の4年前だったと思いますけれども、国際的な専門家の評価を受けるべきということで、当時は国際的な有識者が来日するときに、研究所に寄っていただいて、関連する研究センター等の研究を評価いただいたということです。12名やっておりましたけれども、それを踏まえまして、昨年度の8月、これは審議会第2回目に一度報告したことがございますけれども、国際アドバイザリーボードということで、海外の学識経験者8名、ほぼ8分野をカバーできるような形でお呼びして、いろいろ助言いただく会合を開催したということであります。そういった成果も、業務実績等報告書の中にもまとめておりますし、また、第4期の中長期計画をつくる際にも、非常に役に立った助言をいただいているということであります。

 一枚めくっていただいて、36ページですけれども、こちらは、評価軸[2]外部専門家による研究評価は適切に実施されているかということで、今、ご紹介しましたように、外部評価に関しましては、外部専門家による評価と、前期につきましては最終年度に国際アドバイザリーボードを開催して評価をいただいたということであります。

 その下にありますのが、5.0点満点でそれぞれの研究をかなり細かく評価をいただいて、その表が資料編等にも載っておりますけれども、ここでは、例えば環境研究の柱となる研究分野について、4.3、4.5というのが平成27年度の年度評価と、期間全体の評価ということで、研究分野の評価をいただいております。

 これは、柱となる研究分野に関連して、課題対応型の研究プログラムですとか、災害環境研究に関する研究とか、基盤整備とか、残りといっては変ですけれども、基礎的な研究等々もございますので、そういった各研究分野の研究活動という形で評価をいただいて、いずれも4.0を超す点数をいただいております。ただ、これに慢心することなくということではあるんですけれども、5年を通して見ますと、当初はやはり低い分野等もあったりしたんですけれども、外部研究評価委員会で専門家の先生からいろいろご指摘をいただきまして、それを、かなり真剣に考えまして、次の年次計画に反映するという形でやってきたということであります。そういったことも評価の中には入っているかと思います。

 37ページが、それをまとめたものでありまして、自己評価としましては、これも基準というものがないんですけれども、計画どおりに進めてこられたということで【B,B】という評価をさせていただいております。これについては、第4期につきましても同様な形で、さらに少し進める形と、あと国際的なアドバイザリーボードも、今期に何回かやるべく検討をしているところであります。

 最後のパートになりますけれども、3ポツの研究成果の積極的な発信と社会貢献の推進ということで、(1)研究成果の提供ということになります。こちら、先ほどの説明と若干ダブりますが、説明させていただきます。

 昨年、この審議会で、1人当たりの発表件数はどうかというようなことがございましたので、そういったデータもつくっております。39ページ左の図は、件数を人数で割ったものですから、ほとんど同じパターンになっておりますけれども、1人当たりの件数も、ちょっと下がってきたのが平成27年度でございますけれども、5年間を通じた期間ということであれば、当初の目標を超えたものになっているということになります。

 その右が、1億円当たりの発表件数ということで、この辺、金額としてどれを取るかということで、いろいろやってみた経緯はあって、ここに出したのは、研究所でいうと1号業務が研究業務と、2号業務は情報関連ですけれども、その決算額というものを使った値でありまして、当然、やっぱり金額が最終年度だったりするものですから、変化しているというようなところと、やはり件数が少なくなったりしているということがあります。ただ、人件費等が入っていますので、データの取り方も少し工夫をしなければいけないということで、本編のほうには、課題対応型プログラムと、災害環境研究については、実質使った研究費を人数で割るような表も出してございます。 40ページが、それの研究成果の提供の、特に発表論文等々の話については、【B,B】という形での自己評価をしております。当初の研究計画にのっとって、成果が出ていると。あと、受賞状況についても、データとしてはとっておりますけれども、極端にふえるというようなことはなくて、毎年、コンスタントに受賞もいただいているということで、研究の論文の質の高さも、こういった受賞の状況からもアピールできるのではないかと思っております。

 以上です。

【花木会長】 続けて、環境省側からコメントをお願いします。

【審議会事務局】 それでは、環境省から説明させていただきます。

 再び資料9-2に戻らせていただきます。

 14ページの、第1の1.(3)研究成果の評価のところでございます。

 こちらにつきましては、評価軸が二つ、それぞれに評価指標が二つと三つありますけれども、こちらは国環研と評価が異なっているところはございません。外部研究評価委員会の評価ですとか、昨年開かれました国際アドバイザリーボードにつきましては、こちらとしても評価をしているところでございます。

 それから、次に、3.(1)の研究成果の提供、論文発表のところでございますが、資料9-2の18ページ、19ページになります。こちらにつきましては、18ページを見ていただきますと、すぐ目につきますけれども、①の発表論文のところ、ちょっと数字的に、単純ですけれども、基準値を下回っているということで、Cをつけさせていただいております。このデータは、先ほどの資料4の平成27年度業務実績等報告の51ページのところにデータが出ております。本当に定量的な判断なんですが、こちらの51ページのところに、誌上発表数、査読つき発表論文数、口頭発表件数というデータが出ており、これは第2期、前期の中期目標期間の年平均を達成目標とするとして、基準値のところに出ております。こちらと比較して、どうしても平成27年度の数字が単純に比較すると基準値を下回っているということで、Cをつけさせていただいているというところでございます。

 こちらからは、以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。今の最初の研究成果の評価のところは【B,B】ということで、非常に一生懸命やっておられるので、Aもあり得るかと思ったけど、まあ、Aまではなかったですね。今回、いろんな方を集められたと。そこは、一応意見の相違はないというところでいきましょう。

 その次の、研究成果の提供等というところの、一番分かれているのが、最後にご説明があった論文の数ですけれども、今、ご説明があったこの資料4ですね。平成27年度の報告を見ると、確かに目標が、前期の中期計画の平均値があって、それに比べて652が目標で574、査読つきが451が目標で397というので、確かに少なくはなっている。この辺、ご意見ありますでしょうか。どうでしょう。

【沖会長代理】 すみません。ちょっとお聞きしたいんでのすが、先ほどから発表の件数が少ない等々が非常に問題になっているんでのすけれども、我々、やっぱり研究していまして、うまく成果が出るときとそうでないとき、年次変動が非常に激しいということは、よくよくわかっているんます。今回、以前がよ過ぎるといったら失礼ですけれども、ちょっと減少ぎみというのは、何か理由があるんでしょうか。ちょっとそれをお教えください。

【原澤国立環境研究所理事】 幾つか考えられると思うんですけど、一つは第3期の最終年度ということで、研究の取りまとめのほうに注力して、その分、論文を書く時間が割かれた可能性があると思います。

 もう一つは、第4期中長期計画をつくる年度だということで、特に後半部分は、審議会で議論された結果を受けて、環境省のほうで目標をつくって、実際、目標は2月末なんですが、それまでにもいろいろ情報をいただきまして計画づくりをしているということで、中身を詰めるのに、かなり研究者の時間を使ったということもあって、第4期の準備のためというのも、研究の一環ではあるんですけれども、やはり限られた時間をどっちに振り分けるかということで、論文を書く時間が少なかったんじゃないかなという、そういう印象を受けております。

 センター長に聞いても、センターによって横ばい、あるいは上昇傾向になっているところもあったりするんですけど、基本的にはそういうところと考えております。

 ですから、特にサボっていたわけではなくて、第4期をいろいろ新しい試みもあったりするので、その分、いろいろ考える時間等もあって、それが研究者全員をほぼ巻き込んだ形でやりましたので、そういった影響が出ていると思います。

【花木会長】 ただ、そういう意味だと、それはマイナス要素で、本来の研究ができないような評価の仕組みだったりするわけだから、不可抗力ではないですよね。

 あと、どなたかご意見。

【木本委員】 今、お答えになったようなことは、レポートのどこかに書いてあるんでしょうか。あからさまには書いていないですか。

 書いておいたほうがいいと思います。要するに、この会議自体が研究の邪魔になっているということですよね。

 それでも、余り雑駁なことを言うとあれですけど、そんなもの、基本はBなんだから、一つ一つちまちまと話し合うのは時間の無駄だと思いますが、しかし、全部Bだと格好悪いから、時々AとかCがあればよくて、環境省がせっかくAと言ってくれてほめてくれているやつは、ありがとうございますと言って、それで、ちょっと次の年度は頑張ろうかというところにCがつくぐらいは構わないと思いますので、数字がこれなんだったら、僕は、この件に関してはCでよろしいかと思いますが、ただ、今、言った理由の、ひょっとしたら、この報告書が余り多過ぎて時間がとられているかもしれないというような、仮説でも何でも構わないから、ちょっと役所のえらい人にそれが見えるように書いておけばいいんじゃないかと思います。

 それと、環境研は余り、それほど顕著に定員は減っていないのかもしれませんが、一般的には人数が減りますので、この基準値だか何だか知りませんが、未来永劫論文の数がふえるなどというのはあり得ないことです。環境省の方、よりどころがないと作業がしにくいのはわかりますけれど、右肩上がりに数字が上がっていくなどということはあり得ませんので、ちょっとぐらいでこぼこがあるのは当たり前だと思いますし、絶対値じゃない基準なんかも、1人当たりとか、いろいろ工夫されて、そういうのをたくさん載せておいていただければ、Aにすることも可能になりますので、上手に書いてくださいね。お願いします。

【原澤国立環境研究所理事】 わかりました。その辺を、ぜひ工夫して、今後やりたいと思います。

【花木会長】 戻ると、今の論文のところは、やっぱりCですかね。どうですか。

【高橋委員】 数という視点では、今、議論があったと思うんですが、質という視点も重要かなと思うんですが、先ほどご説明いただいた資料2ですと、被引用数とか、こういった資料がございます。ただ、ちょっと10年間の平均になっていたりとか、年度評価というところでわかりにくい表になってまして、その辺りをどういうふうに研究所内部で評価されているか、その辺ちょっと情報をいただければ参考になるかなと思います。

【原澤国環研理事】 まさに今、先生ご指摘のとおり27年度中に27年度の最新の情報が得られない状況にあって、1年ちょっとおくれてしまう。なるべくそれは最新の情報ということで、まさに10年間でやっていますので、10年前の論文が今の時点で何回引用されたかという話が、今時点の27年度時点の研究の論文の質ということに位置づけられるかどうかというのは、いろいろ勉強したところではあるのですが、なかなか難しい。ただ、それを年度ごとにプロットしてみると、だんだん被引用率が上がって世界に比べて少し高目に出ているということは、ある意味トータルで質が向上しているという判断もできるのではないかなというような考え方でやったりします。ですから、年度評価にこういった値を出すのがいいかどうか、むしろ昨年お話があったように、論文のインパクトファクターですとその時点でインパクトファクターが確定しますので、そういう値も使っていくとなると、最終的には個人ベースの論文の生産性みたいな話まで行ってしまうかなと思ったりするんです。昨年はセンターごとに評価という話もあったのですが、いろいろ工夫をしたんですけど、データはあるんですけど1年古かったりとかするので、そこのところはいろいろご指導いただければという感じは持っています。

 ただ、そういう質というのは、量と質、両方上げていくような取り組みが研究環境として大事だということはそのとおりだと思いますが、うまくその指標ができるかどうかのところについては、確かなものはないという感じだと思います。

【高橋委員】 そういう意味では我々も数字ベースである程度は、証拠ベースで評価しなければならない部分もあるでしょうから、そういう意味ではこれを仮に覆すとするならば、理由が必要だなという感じはします。

【花木会長】 だから今後は、期が変わるときにCにならないように、研究者の時間を取らないようにするとか、そっちのほうに反映していけばいいのではないかと思います。じゃあ、そこは恐らくCですね。

 そうすると、次のグループ、三つ目でよろしいですか。

 三つ目は石飛さんからです。

【石飛国環研理事】 次は、資料の3に移ります。

 資料3の横長の資料です。これに基づいて、ご説明いたします。

 1ページ開きまして、2ページには先ほどの原澤理事が説明したものと同じで、私がこれから説明するのは、この黄色の部分でございます。

 最初の私のパートは、2の環境情報の関係と、それから3の研究成果の提供活用促進等の部分です。そのうち、先ほど論文や口頭発表の件数が議論になりましたけれども、これは研究者の努力によるところでありますが、私がこれから説明するのは、この3の研究成果についての、研究所としての組織の取り組みを先にご説明をして、それから環境情報にさかのぼってご説明するという順番でいきたいと思います。

 4ページでございます。研究成果の提供等で、組織としてどういう取り組みをしたかということであります。まず27年度にやったことを最初に書いておりますが、マスメディアへの発表ということでプレスリリースのうち研究成果の関連が幾つかということで、これは第2期の期間の数字と比べておりますが、いずれもその期間のものを上回って目標を達成したという状況で、かなり研究者としても努力をしてきたのは事実でございます。

 また、これは目標数字があるわけではありませんけれども、テレビ等の出演、新聞報道も前年度に比べても増加したということであります。

 それからホームページも情報発信のために活用いたしまして、一部ホームページをリニューアルして非常にアクセスしやすいように改良したということ。それから、全体のアクセス件数はここに4,540万件という数字が上げられております。これは実は必ずしも右肩上がり一辺倒ではなく、でこぼこがありまして、特に熱中症関係が非常に最近取り上げられてアクセスが多いのですが、このうち予防情報につきましては、環境省に移管をしたということで、その部分については若干減っております。こういう事情もありますが、大体順調にアクセスしていただいているのかなと思います。

 それから、刊行物については特に大きな変化はございませんで、規程に基づいて淡々と報告書、情報誌を発刊しているということで、総じてはB評価。そして期間全体としてもほぼ目標を達成できたということで自己評価をBとしております。

 続きまして、5ページであります。

 成果の活用促進ということで、27年度に行ったことを幾つか上げておりますが、各種データベース、これはいずれもホームページから発信しているものでございます。以前からやったものを引き続き提供しているものもありますし、27年度には生物多様性のウエブマッピングシステムを新たに加えたということもございますが、ほぼ計画どおりに進んでいると考えております。

 それから環境標準物質等の分譲、標準物質、微生物の保存株、水生生物、こういったものを従来から分譲しておりまして、ここに書いてるような件数を国内外で引き取っていただいたということで、これも順調に進んでおります。

 それから、知的財産の取得活用ということで、27年度には新たな出願が12件ございました。

 また、体制として、特許事務所と契約して、相談等がより密接にできて、よりいい知財の出願、特許取得ができるような体制を整備しております。

 それから知財ポリシー・取扱規程を26年度に改正して27年度に施行いたしまして、所としての知財の管理をより充実をいたしました。

 それから4番、これは健全な産官学連携を促進するという意味で、利益相反のチェックについて規程・ポリシーを設けて、体制を整備し、厳密にチェックして、健全に産官学連携を行っているということでございます。こういったものも国の方針等に基づいてやっているものでございまして、活用促進についてはほぼ計画どおりに順調に進んですると考えております。期間を通じても同じB評価とさせていただいております。

 次の6ページは、今申し上げました知的財産について、ポリシー、取扱規程、そして審査会、それから特許件数が、現在保有が27件である。環境標準試料等が現在こういうものを持っているということを紹介したものでございますので、省略をさせていただきます。

 続きまして、7ページをご覧ください。

 社会貢献活動の推進ということで、いわゆるアウトリーチの活動でございます。これもほぼ計画どおりに進んできたと考えております。公開シンポジウム、昨年度は東京、大阪で1回ずつ開催しました。それから施設の公開も4月、7月にそれぞれ開催して大勢の方においでいただきました。それ以外にも個別テーマについてのシンポジウム、ワークショップを開いたということで、国内それから海外でもワークショップ等を計画どおり開いたということでございまして、年度それから中期目標期間を通してB評価とさせていただいております。

 次の8ページは、昨年7月の夏の施設大公開の一コマでございます。

 それから9ページにまいります。

 次に、2番の環境情報の収集整理及び提供に関する業務でございますけれども、27年度ホームページ用の情報提供サイト「環境展望台」を一般の方々にもわかりやすいように発表しておりますが、特にその中の情報源情報、例えばPM2.5の成分であるとか、外来性の侵入生物がどんなものがあるかとかいったようなことを、具体的な名前がわからなくても、ここに幾つかの検索を通していくと、例えばアルゼンチンアリについてのニュースとか、研究成果にたどり着けるようなもので、これを目標の1,000件を大幅に上回りまして、27年度は追加で3,542件をアップしたということでございます。

 2番の環境GISシステム、日本の地図にさまざまな環境データを貼りつけるというようなことで、一目で全国の状況、また自分の住んでいる市町村の状況がわかるというようなもの、これは、今、力を入れて充実しているところでありますが、その中で先ほども言いましたけど、熱中症の発生数などは非常にアクセスが多く、こういうものを27年度に追加したということであります。

 それから利便性の向上ということで、大気汚染予測システム、特にPM2.5が明日、明後日どうなるんだろうということは非常に関心が高くアクセスが多いので、これを2日間予測から3日間へ、明後日、明々後日まで予測ができるというようにいたしました。

 また、サイト上のアンケートページでいろいろな要望がありまして、少しわかりにくい、たどり着きにくいというようなものについて、利用者のニーズを把握して改善をしているということでございます。

 研究、それから技術情報の提供、これも2件追加して、合計94件を現在提供しております。

 それから、国内外の環境研究技術に関する情報について、私どもも最新のニュースを収集把握して、それを関連性のある情報同士をつなげて、うちではこれに関連したこのような研究をやっているというような関連づけのデータ提供にも努めているということでございます。

 メタデータについては、目標を大幅に上回りましたが、総じてはほぼ計画どおりに作業が進められたと評価しておりまして、27年度、そして5年間もB評価とさせていただいております。

 最後に10ページでございますけれども、これは環境展望台のトップページ、このページからメタデータへの検索、それから熱中症の発生数とか大気汚染の予測システムとか、いろいろな情報を掘り下げていくことができるということを紹介させていただきました。

 パート3は以上でございます。

【審議会事務局】 今のご説明の順番に合わせて説明をさせていただきます。

 まず資料9-2の、18ページのところでございますが、先ほどは研究成果の提供等の評価軸①のところをご説明しましたが、②、③のところに行きたいと思います。

 ②、③はインターネットやマスメディアを通じた研究成果の普及が適切に実施されているかというところでございますが、こちらにつきましては、18ページで見るとおり全部黒い字でございまして、国環研と同じ評価となっております。

 ②の(a)のプレスリリースの件数につきましては、先ほどからお話ししておりますが、件数が非常によいということで、こちらも年度評価、それから期間評価、Aがついているということになっております。

 次にまいりまして、第1の3(2)研究成果の活用促進、資料の20ページのほうですけれども、こちらも20ページを見ていただきますと、全部同じ黒い字のB、オールBになっております。こちらも、研究基盤の外部研究機関への資料提供ですとか、あるいは共同研究の実施件数、審議会の件数、いずれもBということで判断させていただいております。

 続きまして、第1の3(3)社会貢献活動の推進、資料の22ページですけれども、こちらにつきましては評価軸が2つ、評価指標4つございますけれども、真ん中の括弧がバーになっておりますのが、昨年は失敗いたしまして、評価指標ごとに評価をしていなかったというのが後からわかってしまいまして、去年は評価軸だけで評価をしてしまい大変申しわけございません。今年はちゃんと定められた評価指標ごとに評価をさせていただいておりまして、公開シンポジウムあるいは国環研の視察、それから見学の受け入れ者数ですとか、実際の件数を見ながら評価させていただいております。こちらも国環研と同じく全部Bということで判定させていただいております。

 前に戻りまして、資料の16ページでございます。

 第1の2.環境情報の収集、整理及び提供に関する業務でございます。

 こちらにつきましては、16ページを見ていただきますと、赤いBがついております。

 地理情報システムGISなんですが、利用者のニーズに合わせまして、先ほどお話がありましたように、予測期間の延長ですとか、いろいろ改善を図られているということで国環研ではAがついているんですが、なかなか顕著な成果と言いますか、こちらとしては、どういう判断でAとしたかわからなかったもので、Bにさせていただきました。ここはまた、議論の対象にしていただければと思います。

 こちらからは以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。今、ご説明いただいたところはおおむね相違はなくて、GISのところですかね。

【木本委員】 ご自分でおっしゃってましたけど、大した根拠はないけどAをBにしたというのなら、それはAにしておいてあげないと。さっきの環境研の説明では一生懸命やってると言っているのに、予測時間を1日延ばすというのは大変なことですよ。よくわからないんだったらAにしておきなさい。

【花木会長】 国環研の環境GISは私もアクセスすることがあって、非常によくできていると思ってます。

【木本委員】 環境研の味方ばっかりしているみたいですが、プレスリリースなんですけど、何か去年のコメントに書いたと思いますが、今回もちゃんとそれを分けて書いていただいていますが、プレスリリースといっても何月何日に一般公開をやります、そういうのをプレスリリースとは普通言わないので、それでもプレスに言ったんだったら数は数えていいですけど、ちゃんと研究成果をプレスの方にご説明したというやつ、ここで言うとカテゴリーを分けてありましたけど、そっちをできれば重視していただけるようにお願いいたします。

【花木会長】 今の点は大丈夫ですね。いわゆる研究成果のプレスリリースの起用ということですね。いかがでしょうか、今のGISのところ、国環研の評価のAということでよろしいでしょうか。

 あと、ほかに今のこの第3セクション。よろしいですか。

 それではあとはそんなに議論はなかったと思いますので、次のセクション、石飛さんお願いします。

【石飛国環研理事】 それでは、後半の分の説明に移らせていただきます。

 後半は11ページのところにありますように、業務運営の効率化に関すること、それからその他という、いわば研究と情報提供を支える縁の下の力持ちの部分についてどのような努力をしたかという説明であります。

 12ページは、まず、研究所の運営支援体制の整備ということで幾つかの項目を挙げております。

 まず、災害環境研究、これは理事長からも申し上げたとおりの重点分野でありますけれども、福島支部が、今年6月に本格的に始動いたしましたけれども、27年度は、最終準備段階ということで、さまざまな人員の確保、それから研究計画も総仕上げ、そしてさまざまな研究機器の購入、調達をやってまいりました。

 それから、2番、国内外の関係機関との連携強化では、これはもう既に出ましたけれども、韓国で開催された日韓中のTPM会合にも参画いたしましたし、(2)第1回のNIES国際フォーラム、これは第1回と書いておりますように、初めての会議で、タイでこういうテーマで、開催いたしまして、これからできれば毎年国をかえて、さまざまな機関との連携強化の場にしたいというふうに考えております。

 それから3番、コンプライアンスの徹底ということで、法令遵守は当然のことでありますけれども、そういうものについて自らが携わる研究業務に、どういう法令がかかわるかについても、手元にしっかりとチェックをできるようなものを用意しているということ。それからコンプライアンス研修、100%受講率にはなりませんでしたけれども、ほぼ全員受講してもらうことができました。

 また、これは文科省のガイドラインの見直しに伴いまして、研究不正防止の規程、研究費の不正使用防止規程を26年度中に改正しまして、27年度当初から施行して、今、徹底して実施しているところでございます。

 それから広報と情報提供はそれぞれ企画部と情報部と担当部署が違ったこともありまして、別々にやっていたんですけども、当然のことながら、広報活動と情報提供活動は密接不可分でありますので、昨年度のうちに活動を企画・運営する委員会を統合して、その業務もより統合的に相乗効果が出るようにということで、現在その体制を整備して、さまざまな活動に取り組んでいるところでございます。

 幾つか新たな試みはありますけれども、総じては、中期計画にほぼ則って成果を出してきたと考えておりますので、27年度はB評価。そして中期目標期間におきましては、福島支部を準備したというようなことは非常に大きなことでありますが、これも中期計画に則って計画どおりにやった訳ですので、B評価ということで自己評価をしております。

 続きまして、13ページであります。

 人材の効率的な活用。これは研究部門の説明のところでもかなり入っておりまして、重複はしますがご説明いたしますと、研究部門における人材活用ということで、(2)では、フェロー、客員研究員、共同研究員ということで、リタイアした優秀な研究者や外部の非常に優秀な研究者との連携を図る。さらに連携研究グループ長ということで指導もできる外部の研究者を委嘱して、所内の研究能力を高めていくということにも活用いたしました。

 また、所内でも若手研究者、女性研究者を新たに採用いたしましたし、(4)クロスアポイントメント制度、年俸制は、優秀な研究者を確保するということを目的にして、27年度にこの制度を制定いたしまして、今年度の4月から実際にこの制度を適用しているところでございます。

 それから2番、事務処理能力の向上ということで、研究所を支える管理部門の職員のさまざまな研修の機会を設けてやっているということでございます。

 3番の能力向上のための取り組みということで、これも従来からやっておりますけれども、職務業績評価を実施いたしまして、上司等との面接を通じて、非常に頑張った方については、より向上を期待して業績手当、昇給に反映するといった仕組みを適切に運用したところでございます。

 ということで、27年度も全体として計画どおりということでB評価。中期目標期間もB評価とさせていただいております。

 次の14ページは、現在の職員数ということで、これは昨年度末3月31日時点の職員数を参考までに掲載しております。先ほど申し上げたのは、下の契約職員のところでフェローが示されていますし、ここには出てきませんが、これ以外にも共同研究員や、客員研究員という方が多くいらっしゃるということでございます。

 続きまして、15ページをご覧ください。

 次は、財務の効率化ということで、これも幾つかの項目の記述をさせていただいております。

 27年度、業務費の削減。これは私どもの自己努力ということではなくて、予算がそもそもこういう削減が課せられているということでありますので、当然のことながら、私どもはその予算に応じて、削減をして行ったということであります。ただし決算額を見ますと、この27年度は第3期の最終年度ということで、これまでこの業務費も繰越で使わなかった予算は積み上がっていたんですけれども、27年度から28年度は期が変わるので、これは原則繰り越し禁止になっておりますので、必要なものについては来期に対する必要な投資をするということで、決算額としては非常に大幅増になっておりますけれども、無駄遣いではなくて、今年度からの必要な投資をさせていただいたと考えております。

 一般管理費は減らしていくということで、2.4%前年度比で減ったということでございます。

 給与につきましても、国家公務員の給与にほとんど準じて、いろいろな制度の見直しをしたということでございます。いわゆるラスパイレス指数につきましては、研究系の職員105%、これは以前より申し上げておりますけれども、私ども研究者はほとんど博士課程修了者でございますので、その分少し下駄を履いているということ。それから事務系職員110というのは、ちょっと多く見えるんですけども、これは環境省から出向してきている管理職が、この年度末時点では多かったということで、前年度比に比べて多くなっておりますけれども、決して急に給与を上げたり高給取りをふやしたということではございません。

 それから3番の、知的・物的能力の提供等による自己収入ということでございます。競争的資金を獲得することを目標にしているわけでございますけれども、これは残念ながら、前年度に比べては減ってきております。これにつきましては、次の16ページをご覧いただけますでしょうか。グラフを載せております。

 一番左が第2期の平均のオレンジ色が政府業務委託、そして青が競争的外部資金ということで、この2つを合わせたものを自己収入というふうに会計上は定義しております。この青のところをご覧いただきますと26年度に比べて27年度は減っているということ。それから、でこぼこはあるんですけれども、総じて外部競争資金がだんだん減っている傾向にあるというのは事実でございます。競争力が本当に弱くなったかという点については、やはり我々も反省をした上で競争力アップをしていく必要があるんですけども、一方で政府業務委託というのがご覧のとおり増加傾向にあります。特に非常に大きいのは、やはり災害環境研究関係で、23年度はそうでもないんですけど、24年度からは政府から、特に環境省からいただいた非常に緊急性の高い研究調査業務、その結果が指針や制度改正につながるものについて携わったということでございまして、ここに多くの研究資源を割く必要があったことも、副次的な要因として言えるかと思います。

 15ページにお戻りいただきまして、競争的資金は前年度、それから第2期を下回ってしまったということでありますが、自己収入全体としては第2期の平均値を上回ったと、事情は先ほど申し上げたこと、それからエネルギー対策特別会計による低炭素社会づくりといったような調査研究業務が増加したということが要因になっております。

 4番の契約の適正化につきましては、随意契約をなるべく減らすことと、競争入札でも一者応札をなるべく減らしていくことが、全体としての方針であります。それに向けて、所内契約審査委員会、さらには私どもの監事及び外部委員を含めた契約監視委員会でも厳しく審査をしていただいて、それに則って、点検・見直しを実施したというところでございます。

 以上のように、総じては計画どおりということでB評価、中期目標期間としてもB評価というふうにさせていただいております。

 続きまして、17ページでございます、効率的な施設の運用に関して、保有資産の見直しで、無駄を省いていくため、私ども多くの大型の研究施設を持っておりますので、こういうものについて必要なものについては、更新、そして新たな整備をしていきますが、一方でもう次期に向けてはもう古くなってきている、老朽化しているというものについては、検討委員会を設けまして、全ての施設についてそれぞれヒアリング、資料提供、そして実際の視察をいたしまして、これについては廃止、これについては減額、といった判定をして、第4期の研究計画に反映したところでございます。

 それから、研究施設の効率的な利用促進ということで、これも従来持ってる制度でありますが、スペース課金制度ということで、一定以上の研究室や居室を持っているというところについてはある意味固定資産税的な課金をいたしまして、それで適正使用を促して、無駄な使用を省かせるということでありまして、今回も27年157平方メートル返還してもらったというようなことで、それをまた、新たに必要なスペースに使うということにいたしました。

 老朽化施設の改修、それから耐震改修工事も計画的に実施いたしました。

 ということで27年度はB評価でございます。

 それから中期目標全体といたしましても、これはつくばの本拠地以外の研究施設も見直しをしたり、また新たに災害環境研究では、南相馬市に実験室を確保したりというようなことで、スクラップアンドビルドをやったということで全体としては所期の目標を達成したということでB評価をさせていただいております。

 続きまして18ページ、情報技術等を活用して業務をより効率化させるという取り組みでございます。

 コンピュータシステム・ネットワークシステム、これは所内で私どもが業務に使っているシステム、それを最適化する計画に基づいて、さまざまな対策取り組みをやったということでございます。一括管理システムの運用管理。それからデータベースシステムの運用とか、環境マネジメント評価システム、人事給与システム、会計システム。こういうものもなかなか完璧とまでは言えないんですけども、運用を少しずつ改善していくということを続けております。

 2番、研究基盤としてのデータベースの運用。これは先ほどの情報提供のところで申し上げましたけれども、さまざまなデータベースを持っておりまして、それを一般に公開して、活用していただいているということでありますが、それもIT関連技術の支援によってより効率化をしていくことを、所内外でも努めているところでございます。

 3番、論文入手の効率化ということで、イントラネット上の「ジャーナルポータル」というのを従来運用しておりますけれども、昨今、電子媒体の学術誌も非常に高くなっていますので、論文単位で必要最小限の情報を入手することを推奨いたしまして、コストの削減にもつなげているところでございます。

 4番、情報セキュリティー対策の強化でありまして、これは時代の流れとして当然のことであります。政府からも独立行政法人として対策を強化せよという指示が来ておりますので、それに則ってさまざまな取り組みをしております。セキュリティー研修は全所員対象に行いました。それから、CSIRTとありますが、これは実際に所内で何かセキュリティーの問題が生じたときの緊急対応チームを設置いたしまして、対応しています。

 以上、新たな取り組みもありますが、政府の指標に従って、また、中期の計画にのっとってやることができたということでB評価でございます。5年間を通しても、B評価とさせていただいております。

 続きまして、19ページであります。業務における環境配慮等でございます。

 つくばにおける業務で、当然環境汚染等があってはならない、また、温暖化等の対策にも取り組んでいるということが必要であります。ということで、環境配慮憲章、これは以前から持っておりますけれども、そういうものについて環境配慮をしっかりとやっておりますということで体制や、取り組みを従来どおりやりました。

 2番で、環境マネジメントシステムの運用ということで、これも各所員がそれぞれ自分の取り組みをチェックして、不十分な点については話し合いをしながら改善するということもPDCAサイクルとして行いました。そして、取り組みの状況を環境報告書として、ホームページでも公表しました。27年度は、ほぼ前年度に引き続いたものを行ったということでB評価であります。

 中期全体としては、ほぼ計画どおりということでありますが、特記すべき事項ということで、途中で東日本大震災が起きたということで、研究所の施設も大きなダメージを受けたわけでありますが、その後の研究業務でも節電に努めまして、平成22年度の電力消費量に比べて、現在では約25%減というところで推移しています。

 それからもう一つ化学物質、これは労働安全衛生法上今年度から始まりますが、化学物質のリスクアセスメントを義務づけられておりまして、これについては少し前倒しで勉強しようと、セミナーを開催しました。

 また、アスベスト対策も、ほぼ完了したということで、計画どおりいったということで、B評価とさせていただいております。

 20ページであります。

 内部統制の推進ということで、これは改正された独法通則法の中でこの内部統制を強化せよというのが大きな柱になっております。27年度、研究の進行管理、これは先ほど出ましたけれども、外部研究評価委員会による評価や研究計画を作成公表したことでPDCAサイクルをしっかり回してきたと考えております。

 2番の中期計画、年度計画の適切な進行管理ということで、これも計画の策定や、計画策定後につきましては、この審議会も外部評価ということでは、大事なものでございますけれども、内部でも幹部会等の場を利用し、また、監事監査や内部監査におきましても、計画どおり進んでいるかどうかを監査していただき、その結果をまた改善につなげているところでございます。

 3番の、コンプライアンスの徹底につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございまして、引き続き研修を実施し、また、法令手続の履行状況の確認をしていきたいと思っております。

 4番の内部統制の強化ということで、研究不正防止、そして研究費不正使用防止の規程、これも先ほど申し上げたとおりでございます。それから、「中長期計画の策定及び評価に関する規程」を新たに制定しました。また、「内部統制推進規程」「リスク管理規程」も総務省の方針にほぼ従った形で規程を準備して、今年の4月1日に施行したということで、これも計画どおりに進んだと考えております。

 ということで、27年度はB評価、そして5カ年の評価も計画どおり所期の目標を達成したということでB評価にさせていただいております。

 それから、21ページ、安全衛生管理の充実ということで、27年度所員の健康管理、これはさまざまな法律に基づく健康診断、特殊健康診断も含めて、確実に100%実施しました。それからメンタルヘルスの対応強化ということで、産業医を配置したり、カウンセリングは常時受けられるようにいたしました。また、ストレスチェック、これも労働安全衛生法に基づいて、今年度から義務化されましたけれども、その実施に向けた準備を進めてきました。

 2番、作業環境測定の実施ということで、これも労働安全衛生法に基づく作業環境測定を、しっかりやったということでございます。

 3番、これは放射線業務従事者等の特殊な業務を行う方のみでありますけれども、法令等に基づいてやったということでございまして、27年度そして中期目標期間を通しても法令等に基づいて、しっかりやったと考えております。

 続きまして、22ページからは、今度はその他事項の2つの項目でございます。

 23ページ、施設設備の整備及び維持管理、若干先ほどのこととかぶるんですけれども、27年度は施設設備の整備等ということで、これも所内で中期計画の計画に基づいて、国から補助金をいただいた上で、計画どおりに進めていったということでございます。また、維持管理につきましても維持管理の体制や、マニュアルをつくって保守点検を行い、故障したものについては修繕を行うという、当たり前のことでありますけれども、計画どおり進めました。

 中期全体を見ましても、この間、特に力を入れましたのは、東日本大震災後に復旧工事の中で耐震性の向上、耐震化を行ったということ。それから改正水質汚濁防止法、これは地下に有害物資を浸透させることを禁止したもので、そういうおそれのある施設についての適合工事とを、24年度の補正予算を使って実施したということで、これもほぼ完了しまして、一応計画どおりに進んでいったと評価をしております。

 24ページ、人事に関する計画でありますけれども、有能な人材の確保育成でありまして、研究系の職員を、テニュアトラック制を活用して、できるだけ優秀で能力のある人材の確保に努めました。特に若手や、女性研究者の採用を推進いたしました。それから、フェロー制度、連携グループ長制度も積極的に活用いたしました。また、若手研究者に対しては、外部資金を獲得する能力向上の指導、助言、所内公募への積極的な応募、海外の派遣研修、を活用してレベルアップに貢献したと思います。

 それから男女共同参画の推進に関しては、妊産婦の休憩スペース、一時預かり保育室、これは非常に高い稼働率で、今、利用していただいております。

 外国人の研究者も来日当初はいろいろわからないことがありますので、一部外部に委託して、英語で市役所での手続のサポートをするといったようなことを引き続きやったということでございまして、ほぼこれも計画どおりということで、27年度5カ年通してはB評価というふうにさせていただきます。

 最後に25ページでございますが、原澤理事の説明した研究業務、そして今、私が申し上げた管理業務全て含みまして、研究成果の最大化に向けまして、最大化が完璧にできたというところまではなかなか言えないわけではありますが、中期計画に定めた業務を滞りなく実施したというふうに自己評価しておりまして、トータルとしては、27年度そして、中期目標期間通して、B評価とさせていただいております。

 以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。決算報告、鈴木さんお願いします。

【鈴木総務部長】 4月1日付で総務部長になりました、鈴木でございます。よろしくお願いいたします。座ってご説明させていただきます。

 資料の7をご覧ください。

 平成27年度の決算関係書類ということで、財務諸表をはじめ、事業報告書、決算報告書が資料7のほうに編綴されてございます。縦長でございます。よろしいでございましょうか。

 まず、めくっていただきまして、財務諸表の1ページ目をご覧ください。

 貸借対照表でございます。平成28年3月31日現在の状況を示してございます。左側でございますが、資産の部ということで、こちらのほうは、資金の運用形態をあらわしております。右側の負債純資産の分ということで、こちらのほうにつきましては資金の調達源泉をあらわしてございます。

 27年度でございますが、先ほどからお話で出てきました、中期目標期間の最後の事業年度ということもございまして、これは独立行政法人会計基準これに基づきまして、期間中に公布されました運営費交付金でございますが、これを精算するということになっております。このため、例年この負債のほうに計上しております運営費交付金債務でございますが、これも計上してございません。これがどちらかというと特徴的なものかと思われます。

 次に、このページの右下でございます。右下に利益剰余金、23億7,000万円これが計上されておるのでございますが、この利益剰余金につきましては、中期目標期間の最終年度ということで、国立環境研究所法、こちらの法律に基づきまして、研究上に必要な経費、これにつきまして環境大臣に協議をし、残額の約7億でございますが、これを先週、国庫に返納をしたところでございます。

 次に、2ページのほうに移ります。

 損益計算書でございます。こちらのほうをご覧ください。

 損益計算書につきましては、運営状況を明らかにするために、一事業年度に属する全ての費用、それから全ての収益、これを記載をしておるものでございます。一番下の行に計上しております当期総利益20億9,000万円でございます。これにつきましては、こちらも中期目標期間の最終年度ということもございまして、独立行政法人会計基準こちらに基づきまして、運営費交付金残高の全額を収益化するということで、例年に比べまして多額の金額が計上されているというところが特徴的なものかと思われます。

 次に、3ページ、キャッシュフロー計算書でございます。

 これも一事業年度におけるキャッシュの出入りの状況、業務活動、投資活動あるいは、その財務活動こういった活動区分別に表示をする書類でございます。ほかの計算書との関連で言いますと、この計算書の資金期末の残高、最後のところでございます。61億2,800万でございます。この金額は貸借対照表、戻っていただきまして1ページのほうでございますが、こちらの左側資産の部の1の流動資産の下に、資金及び預金というのがございますが、61億2,800万、こちらの金額と一致をしているものでございます。

 次に、行政サービス実施コスト計算書、こちらは5ページになります。

 行政サービス実施コスト計算書、これは独立行政法人独自の計算書類ということで、損益計算書の項目の差し引き等を行って、広い意味で最終的に国民が負担を行うべきコスト、そういったものを集約表示する書類ということでございます。説明のほうは省略をさせていただきたいと思います。

 それから飛びまして、17、18、19という4ページにわたるのですが、これも独立行政法人の会計基準によりまして、独法との関係が一定の基準に該当するような公益法人、これらにつきまして関連公益法人ということで情報を開示するということになってございます。17ページにございます一般財団法人地球人間環境フォーラム、それから19ページの、一般財団法人泥土リサイクル協会とこの2つが情報開示ということで該当しております。これら両法人につきましては、当研究所との取引にかかる額が事業収入の3分の1以上を占めているということもございまして、基準に照らしまして情報の開示これを行っております。

 なお、この法人との契約につきましては、例えば18ページをご覧になっていただければわかるかと思うのですが、18ページの注2)当法人発注等にかかる金額の契約形態別内訳ということで、ここは競争契約によっております。割合は97.9%ということで、20ページのもう一つの法人のほうもやはり同じように競争契約による割合が100%ということで、競争契約によってはいるものの引き続き透明性あるいは競争性の確保そういったものに努めてまいりたいというように考えております。

 それから、次のページですが、平成27年度の事業報告でございます。こちらのほうにつきましては、業務実績報告書の要約ということでございますので、ご説明のほうは省略をさせていただきたいと思います。

 それと最後のページになってしまうのですが、平成27年度の決算報告書ということで、一番後ろになってしまいますが、こちらにつきましては、収入と支出における予算額と決算額及び差額でございます。これは予算の区分ごとに従って、一定の事業ごとのまとまりごとに決算の状況を整理をさせていただいているものでございます。これにつきましても、ご説明のほうは省略させていただきたいと思います。

 なお、6月30日付をもちまして環境大臣より平成27年度の財務諸表、こちらの承認をいただいております。

 決算等の説明につきましては、以上でございます。

【花木会長】 監査を担当した監事の方お願いします。

【小林国環研監事】 監事の小林でございます。

 監事を代表いたしまして、ご説明を申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

 皆さんのお手元に、平成27年度監査報告書があると思います。これについてのご説明でございますが、まず、一番初めにちょっとだけつけ加えさせていただいて、この監査報告書の表に2段目に有限あずさ監査法人というのが入っておりますが、我々の監事の監査報告書と会計監査人の監査報告書がございます。これは、我々の監事監査のために財務諸表等、特に会計部分につきましては、会計監査人の監査を受けていただいて、その監査の方法及び結果が相当であるかどうかを我々が判断するということになっておりまして、その結果が、この国立研究開発法人国立環境研究所の監査、我々の監査とするということになります。

 それでは、ご説明申し上げます。

 まず、監査の方法でございます。我々監事は、国立環境研究所の監事監査要綱と実施要領に基づいて、監査計画を立案の上で計画的に監査を実施しております。

 さらに、理事長、理事、各部署と意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めるとともに、理事会等に出席し、役職員と会計監査人からその職務の執行状況について報告を受けておりますし、必要に応じて説明を求めております。

 次に、監査の結果でございます。研究所の業務が法令等に従い適正に実施されているか。また、中期目標の着実な達成に向け効果的かつ効率的に実施されているかどうかについてでございます。これにつきましては、まず研究所の業務は、法令、定款に従い適正に実施されています。また、中期目標の着実な達成に向け効果的かつ効率的に実施されております。

 次に、研究所の内部統制システムの整備及び運用についても、指摘すべき重大な事項は認められません。さらに役員の職務の執行に関する不正な行為、または法令等に違反する重大な事実は認められません。また、財務諸表等、事業報告書についてはいずれも適正に表示されていると考えております。

 最後に、我々監事は、全般的に理事長のマネジメントの下、当研究所の業務は適切に運営されているというふうに考えております。

 以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 ここで議事の順番を変えたいのですが、4時まで5分しかないので、早目に帰られる方もおられるので、最後に我々が受ける宿題と言いますか、具体的にどういうふうにすればいいのか事務局から先に説明いただけますか。

【審議会事務局】 それでは資料の10番をご覧ください。

 平成27年度及び第3期中期目標期間にかかる業務実勢評価素案に対する意見シートでございます。本日も長時間にわたってご審議いただいているのですが、委員の皆様にはお忙しい中、本当に申しわけないのですが、きょうの審議・報告内容を持ち帰っていただきまして、きょう発言できなかった部分ですとか、あるいは改めて読んでみて気づいた部分ですとか、追加のご意見がございましたら電子媒体をお送りいたしますので、このシートのほうに評価項目ごとに、平成27年度と第3期中期目標期間、2段に分かれておりますので、それぞれのご意見を入力いただきまして、今月7月29日の金曜日までに事務局にメールで返信していただきたいと思います。お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いいたします。

 それと、1枚紙で今後の予定という資料の13がございます。こちらに、今の締め切りの話ですとか、次回の審議会の話が入ってございまして、7月29日に意見シートを提出いただきますと、委員の皆様のご意見を取りまとめて、今度は評価書案をつくりまして8月12日ごろを目途に皆様に送らせていただきます。

 そして、次の審議会8月18日午後1時から2時間の予定にしております。場所は本日と同じここで行いますのでよろしくお願いいたします。

 次の審議会で評価書案がまとまりましたところで、またそこでもしご意見が出ればそれをまた踏まえた形で、今度は8月26日を目途に最終案を委員の皆様にメールで送らせていただきます。最終的には8月末までに平成27年度と第3期の期末評価の評価書を決定する予定でございます。

 ご協力よろしくお願いいたします。

【花木会長】 この資料10は、全部書かないといけないというわけではなくて、追加的なコメントがあればということでございます。だけどきょう議論しなかったところも一応目を通していただいてBだからスルーしたところもご覧ください。

【木本委員】 確認しますが、この資料10を埋めてそちらに送るんですけど、この資料10というのは、評価素案に対する意見シートですか、その資料9-2をもう一回見て意見があれば書けばよろしいんですか。

【審議会事務局】 はい、そうでございます。

【木本委員】 9-2というのは、パワーポイントのコピーみたいなもので、環境研のA、B、Cの自己評価に対して環境省が変えたところがあって、黄色いところに簡単な理由みたいなやつが書いてあるわけですね。これで資料10を送ればいいんですけど、その後の評価書というのは、日本人が読めるような日本語になっているこういう印刷物、それを環境大臣にこうやって評価しましたよというそういうやつなんですか。

【審議会事務局】 今度は、正式な最終的な評価書案ということになりますが、ただ、最終的なコメントの部分は、きょうの評価素案の内容がほぼほぼ反映される形になると思います。【花木会長】 ですから埋めるというより、お気づきの点があればぜひというのが大事なポイントということで。作業についてよろしいでしょうか。

 そうしたら議事に戻ります。先ほど2人からご説明いただいたものについての環境省の評価をまずお伺いします。

【審議会事務局】 それでは、資料9-2に戻りまして、第2の1ですので24ページからお話しさせていただきます。

 まず、研究所の運営支援体制の整備でございますが、こちらは24ページを見ていただきますと、①の(c)のところに年度評価で赤いBがついております。25ページを見ていただきますと、①の三つ目のポツのところで、先ほどご説明がありました平成27年度末に広報委員会と環境情報委員会を統合しましたということで、評価がついているわけなんですが、こちらとしましては、体制の見直しを図ったということも非常に大事だと思うのですが、ぜひその見直し後にどのような成果が上がったかというところについての評価を重視したいと思いまして、今回体制を見直したことについては、Bとさせていただきました。

 それから次に、第2の2、人材の効率的な活用、26ページでございますが、こちらについては、全部国環研と同じ評価ということになっております。

 続きまして、第2の3、財務の効率化でございます。28ページでございますが、こちらは②の(C)政府業務委託の獲得枠のところをBとさせてもらっています。これにつきましては、先ほど棒グラフでもご説明がございましたけれども、競争的外部資金のほうは減ってしまっていてこちらについては基準値もあるのでC評価になっているのですが、自己収入全体では第2期のときの平均額を上回るような形になっておりますので、それは全然問題ないということでB、それから政府業務委託の獲得枠につきましても増えているんですけれども、特に基準値とか目標値がないということで、Bにさせていただいております。

 次に30ページいきます。第2の3、29ページが年度評価で30ページが期間評価になっておりまして、同じく期間評価も②の自己収入のところで、政府業務委託の獲得額は基準額がないためBというふうにさせていただいております。

 それから次に、第2の4、効率的な施設運用でございますが、31ページでございます。

 こちらは、②の(a)スペース利用の効率化の状況ということで、こちらは期間評価が赤いBになっております。これにつきましては32ページのほうをめくっていただきますと、期間評価の下のほうにスペース課金制度によるスペースの再配分の実施ということで、国環研の実績報告書を見ますと、このスペースの再配分について評価をしていらっしゃるんですけど、26年度と27年度の年度評価がBになっておりましたので、期間評価をBというふうにさせていただいております。

 あと、第2の5以降、第5の2まで、この後は基本的に国環研と同じ評価になっておりまして、違う評価というのは入っておりません。

 それで、44ページの全体の総合評定ですけれども、今回細かい評価指標ごとの違いはございましたけれども、大きな項目別では国環研とこちら事務局のほうで評価は全く同じとなっておりました。研究開発成果の最大化と適正、効果的かつ効率的な業務運営が適切に行われて、第3期の中期計画の目標がおおむね達成されたというふうに判断いたしまして、年度評価も期間評価も全体としての総合評価をB評価とさせていただきした。

 こちらからは以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。今の中で相違があるものも何点かありますけれども、一番審議いただきたいのが、外部資金のところですね。外部資金の全体は減ってないけれども、競争的資金がそもそも減って環境省からの業務委託がふえていると。それについてAと書くか、B、と書くか。全体としては同じだから予定どおりだからBと書くと、そこのご判断ですね。先ほどの国環研のほうの資料の棒グラフがありました。あれがわかりやすいんですけども、内訳が変わっているやつですね。16ページにあるオレンジと水色ですね。全体とすると、24年はちょっと上がっていて、あと25、26、27とこの辺は大体当初予定どおりきていると。青のほうが減って、オレンジがふえている。そこをどういうふうに書くかということですね。青はCになってしまう。オレンジのほうが、Aと書くか予想どおりでBと書くかというあたりですが、いかがでしょう。

【木本委員】 基本どうでもいいですけど、こういうのは評価を見る人に対するメッセージだと思うので、片方をCにしたら、片方Aにするのが人情というものではないですか。しかも環境研がAと書いたやつをBにした、金を出してるのは環境省なんでしょう。バランスの問題であって、片方減って片方増えてちょうど同じなんだったら、そういうふうに書いておかないと何を言っているのかわからなくならないですか。

【審議会事務局】 承知いたしました。

【花木会長】 一つの意見ですよね。どうしてもCになってしまうとすると、もう1個増えている分がAとなってバランスを取るということでしょうね。

 26年度と比べると、27年度の競争的資金が減っているわけでもないんだけど、そこをCというなら、オレンジのほうももともと第2期平均に比べてふえているからAと言うことでしょうかね。

【木本委員】 基準値がないとおっしゃったけれど、Cのところは減ったからCなんでしょう。Aのところも増えたからAでいいじゃないですか。

【審議会事務局】 Cのほうは、一応第2期の目標値というか基準値というのが定められておりまして。

【花木会長】 全体として、Bだけど、その内訳がBとCだとなんかおかしいと言えばおかしいですよね。いかがですか。政府からの業務委託のほうは努力して獲得しておられるということだと思うので、そちらをAとして、競争的資金のほうもCとして、全体としては、大体当初の目標どおりBということでいかがでしょうね。

 それから、スペース利用、スペース課金をしたのでAと言っておられるけど、それはそういうのはどこでもやっているからBじゃないかというそういう感じのご意見かなと思うんですけどね。その辺いかがですか。

 これは、私、Bかなと思うんだけど、いろんなところで課金はもうやっておられるから、もしそれが理由ならば。ほかに理由ありましたか。じゃあ、みんなお金払ってる経験がある人ばかりだから、Bということで行きましょうか。

 それとあとは、広報、アウトリーチ。これは国環研がAと書いた、統合したからですね。統合して、その結果としてどうだったかを見たいというのが環境省ですけども、統合してすぐに結果、何らかは出ているんですか。その辺はどうですか。経費削減にはなっている。

【石飛国環研理事】 若干の開催経費の節減はあるでしょうけれども、まだ統合したばかりなので、具体的な成果は出てきておりませんけれども、例えば、今年は、G7の伊勢志摩サミット、それから環境大臣会合、それからつくばでは科学技術大臣会合がありまして、その三つとも私どもから展示をしたり、サイドイベントをやったりしましたが、何を展示するか、どういう情報を発信するかというのは、一体的に考えなければいけないという意味では、今年度初めての委員会やその下の分科会では一体的にやったことによる成果は、若干出始めてきていると思います。

 今後とも、例えば、東京オリンピックに向けて、もう少し統合的な情報発信をできないか、イベントをできないかというようなことを考え始めておりますが、まだ始まったばかりというところでございます。

【花木会長】 それは27年度だけという自己評価ですか。

【大久保委員】 中期目標自体は、強化するというのが中期目標になっていて、その前の年度まで検討する、検討するとなっていて、その強化の中身が統合だと思うので、これをやってなかったら逆にCになってしまうので、Bかなという感じはするんです。

【花木会長】 どうですか。Aにできるかな、統合するだけで。

【大久保委員】 今年度ですよね。今回効果が出てきているという。伊勢志摩サミットとかの話は。

【花木会長】 前年度にやったのが、今年度に効果が出ているというPRですね。

いかがですかね。どうかな、Bかな。それこそ今年度の評価でAになるかもしれないというのでBかなという感じですが。

 あとは相違なかったですかね。そういたしましたら、これで評価のところは、一段落をして、ほかにもご報告があったんですね。議題で言うと平成26年度業務実績評価に対する対応状況というのをお願いできますか。

【審議会事務局】 予定時間を過ぎておりますので、手短にお話しさせていただきます。資料11と12についてですが、資料11が、昨年私どもが作成しました、平成26年度の業務実績評価書の評価に対しての国環研の措置状況というのをまとめていただいておりますけれども、こちらはは、読んでいただくとわかりますが、本日、平成27年度の業務実績報告でご報告いただいている中身が全部整理されているような形になっておりますので、もう詳しい説明はよろしいかなと思いますので、割愛させていただきます。

 次に資料12のほうですけれども、こちらにつきましては、さらに前の一昨年の総務省の評価につきまして、国環研が講じた措置を1年前の審議会で、委員の皆様に評価いただいたものです。昨年の意見シートの13番だったんですが、そのときの皆様のコメントをまとめているのですが、おおむね皆さんには適切に対処しているという評価をいただいておりまして、一部2ページのところに書いてますが、中静委員のほうから行政担当者からもアウトカムの評価を受けたらどうかというようなお話ですとか、こちらについては省内に協議をかけるなど、そういう形で対処していきたいと思います。

 それから、資料12の5ページになります。3枚めくっていただいて、3枚目の裏のところに、保有資産の保有の妥当性というところで、沖先生と、中静先生から施設の運用の点について、ご意見いただいているんですけども、そちらにつきましても今回第4期中長期計画を策定する中で、大型施設とか高額な研究機器等につきまして、現状把握をしっかりしながら今後の計画的な運用について検討していくということが国環研のコメントとして入っております。

 それから、その次が資料12の1の(2)ですけれども、こちらについては、昨年の平成26年度の評価書を総務省に提出しましたところ、こちらの評価についての独法評価制度委員会のコメントをいただいたということで、それについて国環研が講じた措置が書かれております。総務省の意見は、総務大臣が定めた評価指針に沿ってちゃんとやってほしいという趣旨の意見がずっとならんでおりまして、国環研では、評価軸などを定めてきちんと評価しておりますと、業務実績報告もきちんと提出・公表しておりますということが書かれております。

 その後に、2番という資料がありますが、平成22年12月7日の閣議決定、独法の事務・事業の見直しの基本方針というのがあるのですが、こちらについての措置状況ということで、資料がついております。これは毎年総務省からこの時期になるとフォローアップ調査が来るので、それに合わせて国環研にご回答いただいているものですが、措置状況の欄を見ていただきますとおわかりのように、実施中か、あるいは実施済みという記載になっておりまして、閣議決定の内容については適切に対応しているということでございます。

 資料11と12についての報告は以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。今後の進め方はさっきご説明いただきましたよね。そうすると、どなたかご意見あればどうぞ。

【沖委員】 

 きょう、今までと比べまして、私、ついていけないところがございました。と申しますのは、我々は助言ということですので、今回、国立環境研究所のほうからのご説明を聞いて、そのあと環境省のほうから説明があったり、それに対してということで、我々はそれをどういうふうに評価すればいいのかという、筋はわかるんですけれども、我々もやっぱりここにあります実績報告書等々データをまずは見せておいていただきまして、どこがどう違っている、それを確認させていただいてから再度評価させていただきたいと思うんです。私、途中で2つの組織の方がおっしゃっていることが、どこまで私の頭の中で評価できるかという整理ができなかったということで、非常に申しわけなかったと思ってはいるんですけれども、また帰ってもう一度読ませていただきますけれども、やり方としては、やっぱり前もって実績報告書等を読ませていただいて、何に基づいてこうおっしゃってらっしゃるのか、アウトラインを事前に教えていただければ、結構時間もそう取らずに済むのではないかなと思いますので、ちょっと考えていただければありがたいと思います。

【花木会長】 来年以降の課題ですね。今年度は、またこれをこれから読んでいただいてフォローして月末までに御意見を、ということですね。その他よろしいでしょうか。お願いします。

【中静委員】 先ほど、私が去年したコメントで、アウトカムの行政関係のほうもという話があったんですけど、例えば委員会を統合してこの成果が見えてないから評価ができないというようなことは、行政のほうはいっぱいそういうことがあると思うんです。例えばあれをやりました、これをやりました、でもその成果はどこに出ているんですかと、やったことでしか評価できないんだったら、研究なんかも結局は研究予算に対してどうのこうのとか、やっぱり成果で評価されているわけですから、こういう研究所で一番大事なのは、研究の成果をちゃんと上げるということが大事で、それのために行政も支援体制を組んでいるわけですから、本当のことを言ったらその支援体制を新たにやることによってどういう効果があったかというところで、評価するのが正しいんだと私は思うんです。その辺もしかしたらBがついているけど、効果を評価することによってむしろCになるかもしれないことだってあると思うんですよ。だからその辺は、僕は一番考えていただいたほうがいいように思いますね。

【花木会長】 それは今後の参考にということで。あと事務局にお返しします。

【審議会事務局】 先ほども申し上げましたけれども、次の審議会は、8月18日の木曜日、13時から2時間、ここで開く予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それから本日の資料は、量が多いのでこのまま机の上に置いたままにしていただきましたら、こちらから後で、郵送させていただきますのでよろしくお願いいたします。

【花木会長】 これで閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。