第19回環境省国立研究開発法人審議会 会議録

1.日時

令和3年8月24日(火)10:00~11:30

2.場所

WEB開催

3.議題

(1)令和2年度業務実績年度評価書(案)及び第4期中長期目標期間期間実績評価書(案)について

(2)その他

4.配付資料

資料

【資料0①】議事次第 第19回 環境省国立研究開発法人審議会.pdf

【資料0②】今年度の審議事項.pdf

【資料0③】環境省所管独立行政法人の業務実績評価基準(抜粋).pdf

【資料1】令和2年度業務実績年度評価書(案).pdf

【資料2】第4期中長期目標期間期間実績評価書(案).pdf

【資料3】令和2年度業務実績年度評価書及び第4期中長期目標期間期間実績評価書(案)項目別評定総括表.pdf

【資料4】令和2年度業務実績年度評価書及び第4期中長期目標期間期間実績評価書(案)(抜粋).pdf

【資料5】令和2年度に係る年度評価及び第4期中長期目標期間に係る期間実績評価書(素案)に対する意見等.pdf

【資料6】今後の予定.pdf

参考資料

【参考資料1】環境省国立研究開発法人審議会委員名簿 .pdf

【参考資料2】環境省国立研究開発法人審議会審議会運営規則.pdf

【参考資料3】独立行政法人通則法.pdf

【参考資料4】国立研究開発法人国立環境研究所法 .pdf

【参考資料5】国立研究開発法人審議会令.pdf

【参考資料6】独立行政法人の評価に関する指針.pdf

【参考資料7】環境省所管独立行政法人の業務実績評価基準.pdf

【参考資料8】令和元年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価等の結果についての点検結果.pdf

【参考資料9】国立環境研究所第4期中長期計画(H28-R2)(中長期目標を含む).pdf

【参考資料10】令和3年度国立環境研究所年度計画.pdf

【参考資料11】令和3年度国立研究開発法人国立環境研究所調達等合理化計画.pdf

5.出席者

委員

花木啓祐会長、大久保規子会長代理、郡山千早委員、佐藤薫委員、高橋隆行委員、中村太士委員、山室真澄委員

環境省

大臣官房

白石大臣官房審議官

総合政策課

福島総合政策課長

加藤環境研究技術室長

国立環境研究所

木本理事長

森口理事

是澤理事

富坂企画部長代行兼企画部次長兼企画室長兼広報室長

岩崎連携推進部長兼研究連携・支援室長

種瀬総務部長

吉川環境情報部長

6.議事

【加藤環境研究技術室長】 定刻になりましたので、ただいまより第19回環境省国立研究開発法人審議会を開会します。

 本日も、新型コロナ感染症拡大防止のため、WEBでの開催としております。また、前回と同様、環境省側の回線容量の問題もございまして、映像に関してはオフという形にさせていただきます。資料は適宜、画面にて共有するようにします。また、ハウリングや発言者が不明になるということを防ぐために、発言者の方のみマイクを入れてくださいますよう、よろしくお願いします。状況によりましては、事務局側で操作する場合もございますので、ご了承ください。また、発言に際しましては、マイクを入れていただいて、氏名を名のってから発言されますようにお願いします。

 まず、本日のご出席の状況を確認します。今回、委員7名の皆様がご出席をしております。これは、環境省国立研究法人審議会令第5条の規定を満たすということになりますので、本審議会は成立するということを事前にご報告します。

 また、本日の会議は公開で開催をするということも、重ねてご報告しておきます。

 なお、私の自己紹介を忘れておりましたけれども、環境省で人事異動がございまして、前任の曽宮の後任としまして、8月より環境研究技術室長に着任しました加藤といいます。今後ともよろしくお願いします。

 では、審議に入ります前に、白石大臣官房審議官よりご挨拶申し上げます。

【白石審議官】 皆様、環境省の大臣官房審議官の白石でございます。回線容量の関係がありますので、この後ビデオを切らせていただきます。ご挨拶させていただきます。よろしくお願いします。

 映像は、回線の容量節減のためにビデオを切ります。

 皆様、聞こえていらっしゃいますでしょうか。

 本日はご多忙の中、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。第19回環境省国立研究開発法人審議会の開会に当たり、一言ご挨拶申し上げます。

 まず、本日の審議会開催に向けまして、国立環境研究所の令和2年度の業務実績評価書、それから、第4期の中長期目標期間実績評価書の素案に対しまして、皆様ご多忙の中、貴重なご意見を賜りましたことに心から御礼を申し上げます。

 環境を巡る問題は、様々、重要なトピックがございます。気候変動がやはり中心になろうかと思いますけれども、昨年のカーボンニュートラル宣言以降、かなり急速に物事が進んでございます。政府は、2030年目標、46%削減というものを発表いたしましたし、現在、この達成に向けた具体的な地球温暖化対策計画、それから2050年のカーボンニュートラルに向けた長期戦略、こういったものの策定作業を大詰めのところでございます。同時並行的に、経済産業省を中心に、エネルギー基本計画につきましても策定の作業を進めているというところで、今年は気候変動関係でいうと大当たりの年になっているというところでございます。11月のCOP26までに、温対計画と長期戦略につきましては事務局に提出すべく、今現在、大詰めの作業をしているところでございます。

 また、気候変動関係では、最近様々な動きがございます。8月上旬にIPCCの第6次評価報告書、AR6というものの第1作業部会の知見というものが公表されてございます。まさに、気候変動に関しましては、科学というものと、それから対策というものが、きちっと並行的に進められるということが非常に重要だということでございますけれども、AR6のポイントは非常に重要だと思っていまして、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」というふうに、報告書に記載されてございます。人間の活動が温暖化の原因であるというふうに初めて断定されたという点で、科学と気候変動対策というものの関係に、また一つ、大きな一石が投じられているという世界的な状況にございます。国環研の知見等も踏まえて、こういう議論が世界的にも行われているというところかと存じます。

 それから、気候変動に関しましては、緩和以外にも、適応でも、今年は大きな作業を進めてございます。昨年12月の気候変動影響評価報告書といったものを踏まえて、気候変動適応法に基づき、気候変動適応計画の改定を進めてございます。今年10月の閣議決定を目指して、気候変動適応計画の改定といったものを進めてございます。もちろん、適応に関しましては、国環研は非常に重要な我が国における情報基盤の中核といたしまして、法律にも位置づけられてございますし、実際に各所、地域での適応計画の強化等々に向けて、国環研の果たすべき役割というものが増大しているというところでございます。気候変動を巡る日々の世間の関心も飛躍的に高まっている中で、ますます国環研に向けられる期待も大きいわけでございまして、重要になってきています。

地域に目を向けますと、今年の6月に地域脱炭素ロードマップというものを策定いたしまして、まさに、脱炭素先行地域の先行的なモデルを作り出しまして、地域の脱炭素化も進めていこうという役割を環境省が主体となって進めてございますし、こちらに関しましても、国環研の果たす役割というものを期待しているところでございます。

 長くなりましたが、本日は、皆様のご意見を踏まえて取りまとめられました令和2年度の業務実績評価報告書、それから、第4期中長期目標期間の実績評価書につきまして、ご審議をお願いすることになってございます。委員の皆さんにおかれましては、今後も、国立環境研究所の業務運営も見据えまして、ご意見を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 簡単ではございますけれども、開会の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。

【加藤環境研究技術室長】 ありがとうございました。

 白石審議官は、この後、用務がございますので、適時退席することになります。あらかじめご了承ください。

 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。委員の皆様のご協力によりまして、電子媒体での送付とさせていただいております。

 まず、資料0番の一つ目、議事次第。二つ目、今年度の審議事項。三つ目、環境省所管独立行政法人の業務実績評価基準というものと、議事次第にございますとおり、資料の一つ目~六つ目までと、さらに参考資料1~11までが資料でございます。

 なお、資料に過不足等がございましたら、事務局のほうにお申しつけください。

 それでは、議事に入ります前に、本日の審議事項と審議の進め方について、事務局のほうからご説明させていただきます。

 まず、お手元の資料0の②、第18回及び第19回審議会の審議事項という資料をご覧ください。前回もご説明していますので、簡潔に説明するようにします。

 まず、1ページ目ですけれども、今回は年度評価並びに中長期目標期間評価となりまして、前回第18回と今回第19回で、評価に関してご助言を頂戴するということになります。

 続きまして、2ページ目ですけれども、こちらは独立行政法人の評価に関する指針からの抜粋でございまして、評価は、研究開発成果の最大化に資することを目的として、対象法人の自己評価の結果や外部評価の結果等を踏まえて評価を実施することになります。評定は、中段の下側に記載されているとおり、Bといったところを標準としまして、5段階の評価という形になります。

 続きまして、3ページ目になります。こちらは第4期中長期目標の構成となります。評価の対象は第3~第6までとなっておりまして、第3が研究開発成果の最大化に関する事項、並びに、第4~第6は業務の運営に関する事項という形になっております。

 そして、最後4ページ目ですけれども、今回、第19回目になりますけれども、こちらに関しましては、もともと皆様から頂戴しました意見を踏まえまして評価書を作成しております。そちらの審議が今回の場という形になります。

 説明は以上になります。

 何かご質問はございますでしょうか。

(なし)

【加藤環境研究技術室長】 よろしいでしょうか。

 それでは、これ以降の進行に関しましては、花木会長のほうにお願いすることになります。それでは、花木会長、進行をお願いします。

【花木会長】 皆さん、おはようございます。花木です。

 今、概略のご説明をいただきましたけど、今ご説明いただいたことは特に変更があるものではなくて、始める前に、おさらいということで、ご説明いただきました。

 本日の議題は「令和2年度業務実績年度評価書(案)」及び「第4期中長期目標期間期間実績評価書(案)」です。前回もご説明しましたけれども、第4期というのが既に終わっております。それが令和2年度までだったわけですね。令和2年度の最終年度、単年度の評価と、それから中長期目標期間全部を通じての評価ということでございます。

 これから、議事に入ってまいります。実は、前回、非常に活発なご議論をいただいたわけであります。そのおかげで、ちょっと時間が超過いたしまして、私も十分にタイムコントロールができませんでした。そういうこともございまして、時間不足のためにご発言いただけなかったご意見があるというように事務局経由で伺っておりますので、そのご意見を先にお伺いして、また、それに対する環境省の回答をいただきたいというふうに考えております。

 それでは、ここからビデオを切らせていただきます。

 前回、時間不足でご発言いただけなかったのは山室委員でございますが、山室先生、お願いできますでしょうか。

【山室委員】 はい。聞こえておりますでしょうか。

【花木会長】 はい、大丈夫です。

【山室委員】 私、中央環境審議会の水環境・土壌農薬部会に属しているんですけれども、7月に行われた部会で、ちょっと、あれと思うことがあったので、今回ご指摘したいなと思っていたことを言いそびれてしまいました。

 それは、国環研の研究成果が、環境省の施策や中央環境審議会の審議資料などでどのぐらい活用されているのかというのがちょっと見えにくいなと思ったんですね。個人的には、あまり活用されていない印象を持っているので、そういうものを指標化することで、今後、活用が促進されるようになればいいなと思っています。

 なぜ、そういうふうに思ったかといいますと、先月の7月の部会において、水環境・土壌環境行政についてというご説明があったんですね。その中で、水環境における生物多様性に与える化学物質の影響について全くコメントされていなかったんです。例えば、殺虫剤ですから、昆虫をはじめとする節足動物に与える影響というのは、欧米では当然のように認識されているんですけれども、日本、特に環境省は、そういう認識がかなり薄いんですね。

 では、国環研が全く研究していないかといったら、そんなことはなくて、平成27年度に環境研究総合推進費で終了したプロジェクトで、少なくとも水田生物の多様性には日本で最も主流で使われている殺虫剤が影響を与えていると。かつ、水だけじゃなくて土壌を介して水生昆虫に影響を与えているという、かなり先見的な、それこそ水環境・土壌農薬部会というのができる前に、そういうかなり先見的な提言をされているんですけれども、それが現時点においてもまだ全く反映していないということが、ちょっと私は驚愕いたしまして、そういうことがあったものですから、国環研のそういう研究成果というものが、どのように環境省の施策ですとかに利用されているのかについて、もうちょっと指標化していただければいいなと思いました。

 以上です。

【花木会長】 ありがとうございます。

 この件については、環境省のほうから回答をいただければと思いますが、いかがでしょう。どなたが回答されますか。

【福島総合政策課長】 総合政策課長の福島でございます。聞こえておりますでしょうか。

【花木会長】 はい、大丈夫です。

【福島総合政策課長】 山室先生、ご指摘ありがとうございます。

 まず、総論として申し上げれば、国環研の研究成果は、環境省の政策の基盤たる極めて重要なものと認識しております。中央環境審議会の部会なり委員会により、多少の状況の違いはあるかもしれませんけれども、例えば、私が長年携わっておりました環境保健部の化学物質の審査規制ですとか、再生循環局などの震災被災地の取組では、国環研の貢献というのは必要不可欠なものと、ビルトインされております。

 例えば、環境保健部で私が化学物質を担当していたときには、国環研のリスクの先生方とは日常的に、毎週のように連絡を取り合って、緊密に連携して、化学物質対策を推進していました。

 山室先生のご専門の水環境の分野でも、7月の部会でどのような議論があったかは承知しておりませんけれども、過去の例を調べましたところ、例えば、気候変動影響についての中環審の答申で、瀬戸内海での気候変動影響についての国環研の研究成果が答申の中でしっかり活用されておりますし、あとは、環境基準の類型指定については中環審の答申ですとか、あと有明海・八代海等総合調査評価委員会、これは中環審ではございませんけれども、そちらでの議論にも、国環研の研究者に積極的にご参加、貢献いただいているところであります。

 分野によって、あと時期によりまして、多少の濃淡はあるかもしれませんけれども、やはり環境省と国環研の日常的な連絡ですとか緊密な連携というのが我々は重要だと思っておりますので、そこは、今後そういった取組を省内で広げていきたいと思っております。

 具体的には、環境省が国環研の研究成果を活用していくための取組として、毎年12月~2月頃に、環境省と国環研の意見交換会というのを分野別に行っております。これをより強化して、より具体的な議論ができるようにして、工夫していきたいと思っております。

 先生ご指摘の指標化といったものにつきましては、どんなやり方があるのか、どういうやり方がいいのかというのを、12月を待たずに、早めに国環研のほうと環境省で意見交換などを始めまして、どういった取組で国環研の研究というのを環境省の中にビルトインしている状況が可視化できるのか、ちょっと勉強していきたいと思っております。

 あと、個別の案件につきましては、担当部局と連携を取って調整していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上、雑ぱくでございますが、環境省からのご回答でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 山室先生、いかがでしょうか。

【山室委員】 ありがとうございます。

 先ほどご紹介しました研究所の報告書では、行政が既に活用した成果、事後報告のところです。事後報告で、行政が既に活用した成果というところで、特に記載すべき事項はないと明記されているんですね。こういうものが、誰でもダウンロードできる事後評価報告書に書かれている一方で、こういう今の評価にはそういうことを明記するようなところがないとなると、関係していない方々がそういうものをダウンロードして比較すると、国立環境研究所の研究成果というのは、あまり行政には反映されていないのかなという印象を持たれると思いますので、そういうことも配慮して、改善していただければいいなと思います。

 以上です。

【花木会長】 ありがとうございます。

 国立環境研の成果が様々な審議会で活用されるということを、例えば山室先生が部会に出ておられるとすると、そういうところでも少し、言わば応援演説していただくということと、それからもう一つは、そういった成果が審議会等で応用あるいは利用されている、活用されているということを、より目に見える形で外に示していくということが必要かと思っております。

 先ほど福島課長がおっしゃった、そういった活用についての指標も検討されるということは、そういった検討作業を通じて、環境省本省と国立環境研究所とのより緊密な関係ですね、こんな成果が活用できるんだということを改めて認識していただく機会になるかと思いますので、ぜひ活用をされ、また、それが目に見えるように、外に発信できればというふうに私も考えております。ありがとうございます。

 それでは、本題のほうに移ります。

 本題の前に「環境省所管独立行政法人の業務実績評価基準(抜粋)」、これにつきまして、抜粋箇所を更新したということですので、これについて、事務局からご説明をお願いします。

 この評価基準については、前回、皆さんにご議論いただいたわけです。それをその後、変えたということではなくて、前回の評価のときにも、既にその評価基準にのっとって皆さんにもご議論いただいたのですけれども、それをより明示的に、文章の形で若干修正しようということで、修正いただくというように聞いております。

 これについて、資料0③だと思いますが、それを使ってご説明いただけますでしょうか。

【事務局】 こちらは、前回と同じ様式の中で、文字を変更させていただいておりますけれども、花木先生にご案内いただいたとおり、基準そのものに変更があったわけではなく、抜粋箇所を修正して使いやすくしたということでございます。

 まず、1ページ目ですけれども、黒丸に挟まれた冒頭のところですけれども、「研究開発に係る事務及び事業以外」というふうになっていたのですが、この表現は分かりにくいということで、端的に「事務及び事業」とだけ記載させていただきました。

 2ページ目の同じ箇所は、「研究開発に係る事務及び事業」という書き方で、変更はしておりません。

 また、1ページ目に戻りまして、ⅱの項目別評定の留意事項、下半分以下のところになりますけれども、そこでイというのを追加しておりまして、「目標で設定された難易度の高い項目に限り、評定を一段引き上げることについて考慮する」ということを追記させていただきました。

 ウのところに、「具体的には」として記述があったのですけれども、こちらのほうは細か過ぎる内容なので省略させていただきました。

 加えまして、ⅲの総合評定の留意事項というのを追加しまして、その下にアとして、「目標策定の際に、重要度の高い業務とされた項目については、総合評定において十分に考慮するものとする」という記述を追記しております。

 同様に、2ページ目の「研究開発に係る事務及び事業」のところについても、ⅱの項目別評定の留意事項にイとしまして、「目標で設定された難易度の高い項目に限り、評定を一段引き上げることを考慮する」という記述と、ⅱとなっていますが、すみません、ⅲですが、総合評定の留意事項で、「あらかじめ重要度の高い業務とされた項目については、総合評定において十分に考慮するものとする」という記述を追記しております。

 この文は、前回の審議会の中で花木会長からご確認があったくだりなのですけれども、そもそも重要度というのは、中長期目標の第3の研究成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項全体に係っておりまして、評価基準では総合評定で考慮するとされております。難易度については、第3の1.環境研究に関する業務のうち、(1)重点的に取り組むべき課題への総合的な研究の推進、(3)国内外研究機関とのネットワーク・橋渡しの拠点としてのハブ機能の強化、3.気候変動適応に関する業務にのみ係っておりまして、こちらは項目別評定で「評定を一段引き上げることについて考慮する」と記載されております。

 評価基準からの抜粋箇所として追加しておいたほうが使いやすいと考えまして、このように変更しております。

 評価基準の説明は以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 この前も議論のときに出てきました難易度と重要度、考え方が違うという部分を、元の規則はもちろん変えているわけではなくて、この審議会向けの抜粋の部分を分かりやすいように変えたと。これは、今回じゃなくて来年度以降、これを使ってやっていくということを想定して変えられたということでございます、表現を変えたということですね。

 これについて、ご意見はございますでしょうか。

(なし)

【花木会長】 よろしいですかね。内容については、もう皆さん、十分にご理解いただいていると思いますので、それでは、これを今後使うということにさせていただきます。

 さて、それでは続いて、「令和2年度業務実績年度評価書(案)」と「第4期中長期目標期間期間実績評価書(案)」のうち、まずは第3の部分のご説明をお願いします。中が長いので、二つに分けてということですね。お願いいたします。

【事務局】 それでは、ご説明いたします。

 第3の研究成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項の説明ということでございますが、まず資料1と2の構成をご説明しておきたいと思います。評価書の構成ですね。

 資料1が、年度評価の評価書(案)、資料2が、第4期中長期目標期間期間評価の評価書(案)ということになっております。それぞれ、1ページ目に評価の概要、2ページ~4ページ目に総合評定、5ページから項目別評定の総括表ですね、うまく表示されておりませんけれども、5ページに評定総括表があります。6ページ目以降が項目別評定調書ということになっております。

 次に、項目別評定調書の構成ですけれども、令和2年度の年度評価書(案)の目次でご説明したいと思いますが、第3の1.環境研究に関する業務全体を評価した項目別評定書というのが6ページ~14ページまでございまして、(1)重点的に取り組むべき課題への総合的な研究の推進の①課題解決型研究プログラム以降については、目次の項目、行ごとに、項目別評定調書というのを作成しております。

 項目別評定調書内の構成ですけれども、15ページの課題解決型研究プログラムの項目別評定調書でご説明しますと、当事務及び事業に関する基本情報、当該事務実施に係る根拠、個別法条文ですとか、そういったものが書かれておりまして、当該項目の重要度、難易度のところは、中長期目標の策定時に設定した内容を記載しているということでございます。

 2.主要な経年データについては、主な評価指標及びモニタリング指標ですとか、主要なインプット情報(財務情報及び人員に関する情報)というのを記載しております。

 16ページの下のほうですね、3.としまして、中長期目標、中長期計画、年度計画が続きまして、こちらはそれを抜き出したものを掲載しておりますけれども、21ページ目からは、評価軸、指標、事業実績、評価軸ごとの自己評価というのを、横に3列に並べてありまして、ここについては、国環研が前回お示しいただきました業務実績等報告書をそのまま使わせていただいているということでございます。

 29ページに自己評価というのがございますけれども、ここは、国環研の業務実績等報告書の中では項目別評定となっていた箇所でございますが、ここは表題だけ変えて、内容についてはそのまま使わせていただいております。

 その後に、主務大臣による評価というのを記載しておりまして、ここについては資料4の内容となっておりますので、そちらで、後でご説明したいと思います。

 また、審議会の意見等ということで、30ページの、その他参考情報の欄に記載させていただいておりまして、ここの欄については、委員の皆様から意見シートでいただいた記述を、今は画面共有しませんけれども、資料5のほうにまとめておりますが、資料5のほうで、年度評価書(案)には水色の文字で、下線を付しておりまして、その内容を記載しております。

 また、期間実績評価書(案)のほうでは、赤字、二重線を資料5のほうで付しておりまして、そちらのご意見を評価書(案)に反映させていただいているということでございます。

 この記述は、項目別評定調書ごとに、続いていくということになっております。

 構成については以上でご説明が終わりまして、続いて、それぞれの項目別評定について、資料4でご説明したいと思います。

 前回、素案としてご確認いただいておりますので、修正、追記箇所を中心にご説明したいと思います。

 まず、3ページ目ですけれども、課題解決型研究プログラムの年度評価のポイント、項目別評定Aの判断根拠となる主な事例のところですけれども、国環研が行っている外部評価委員会の総合評点4.07を引用しておりまして、令和2年度は口頭発表の件数が第3期の中長期目標期間平均を下回るということでしたけれども、誌上発表等につきましては、第3期平均を上回っているという点をポイントとして記載しておりまして、主要な事項については研究プログラムごとに記載させていただいておりますけれども、この中の統合研究プログラムのところですね、素案のときの記述が、大分略してしまったがために分かりにくかったので、追記して修正しておりますが、内容について変わるものではございません。

 画面上でピンクに見えていると思います、あるいは、もしかしたら赤に見えている方もいらっしゃるかもしれません。

 4ページですけれども、こちら。

【花木会長】 ちょっといいですか。

 このスライドの見方ですけれども、一番上に、項目別評定【A(A)】と書いていますよね。普通のAと(A)、この二つの意味は、どういう意味でしたか。

【事務局】 括弧がついていないほうのAは環境省の評価で、括弧がついているのは国環研の自己評価ということになっておりますので、A(A)と並んでいれば、環境省の評価と国環研の自己評価が一緒であるということをご確認いただける。

【花木会長】 最終的には、環境省の、左側のAのほうが生きるということになるわけですね。

【事務局】 はい、そうでございます。

【花木会長】 一応確認させていただきました。どうもありがとうございます。

【事務局】 ありがとうございます。

 4ページ目ですけれども、課題解決型研究プログラムの第4期の中長期目標期間の評価についてということで、こちらは素案と変更はしておりません。また、令和2年度に新型コロナウイルスの影響を受けたものの、モニタリング指標の第4期平均というのが第3期平均を上回っているという点は強調しておきたいなと思います。このような場合に、環境省の考え方の評価のポイントと、あとA評価を付した主要の事例を記載するということで、これをまた評価書のほうに反映させていただいているということでございます。

 これ以降、順を追ってまいりますけれども、次に6ページでございます。災害環境研究プログラムでございますが、主要な事例の環境創生研究プログラムのところ、こちらもまた、素案の記載が省略していたために分かりにくかったということで、追記して修正させていただいております。

 7ページの第4期の期間評価については、特段の修正はしておりません。災害環境研究プログラムの口頭発表は、令和2年度においては3期を下回るけれども、第4期平均では、誌上発表、口頭発表ともに、第3期平均に対して増加しているということでございました。

 続きまして、10ページでございます。第3の1.(2)環境の保全に関する科学的知見の創出等の推進ということでございますが、①基盤的調査・研究の推進、②環境研究の基盤整備及び研究事業、それぞれについて評価のポイントを書いておりまして、こちらは修正しておりません。

 11ページの主要な事例のところで、こちらもピンクになっておりますけれども、記載が不十分であったところについて修正をしております。

 12ページ、13ページの、第4期の期間評価というのは、特段修正はしておりません。

 続いて、16ページに参りまして、第3の1.(3)国内外機関とのネットワーク・橋渡し拠点としてのハブ機能強化というところで、①中核的研究機関としての役割を発揮しているか、②プラットフォーム形成による国内外機関との連携の評価のポイントということで、17ページの主要な事例で記載が不十分というところについて、修正をさせていただいております。

 18ページの期間評価については、特段修正しておりません。

 次は21ページでございます。第3の1.(4)研究成果の積極的な発信と政策貢献・社会貢献の推進につきましては、①研究成果の発信・提供、②研究成果の政策貢献と活用促進等、③社会貢献活動の推進についてということで、評価のポイントで一部修正させていただいております。

 22ページの第4期の期間評価というのは特段修正しておりません。

 次は24ページ、25ページで、第3の2.環境情報の収集、整理及び提供に関する業務のところですが、分かりやすく提供されているか、そういうものがポイントになりますので、年度評価のところにその記述を追記させていただきました。それ以外については、修正はございません。

 次、28~31ページで、第3の3.気候変動適応に関する業務ということになっておりますけれども、令和2年度の年度評価、あと第4期中長期目標期間評価ともにS評価にするということで、ポイントと主な事例をしっかりと記載しておく必要があったのでありますが、ちょっと記述が足りない部分もあったかなと思いましたので、担当部局の地球環境局気候変動適応室のほうで、追加で執筆をするようにしまして、その部分を追記しております。

 28ページの年度評価のところでは、ピンクのところですけれども、2020年12月に環境省から公表した気候変動適応評価報告書に研究成果、国環研が主催した検討チームの成果が知見として掲載されたということですとか、中環審等でご参画を国環研にしていただいて、報告書の取りまとめに貢献していただいたということを追記させていただいております。

 29ページの主な事例のところで、地域気候変動適応センターと個別に意見交換をされたりとか、共同研究をしていただいているということと、地域気候変動適応センターが適応に関する情報交換や知見の共有を行うというオンラインプラットフォーム「A-PLAT Lab」を構築し運用を開始したということ。

あと、地域気候変動適応計画の策定・改定、令和2年度ですと25都府県14市町村、それで、地域気候変動適応センターの設置、令和2年度ですと10道府県2市に大きく貢献されたということで、その旨を追記しております。

 31ページですけれども、第4期期間評価の主な事例、30ページのところから引き続きになっておるのですけれども、昨年度、審議会の際に記載していた部分が、前回審議会でお示しした資料に記載されていなかったという部分もございましたので、その部分も含めて、今回追記して、18回の資料から今回追記した部分というのを31ページのほうに記載をピンクでさせていただいております。

 令和2年度の年度評価にも記載しておりますが、気候変動影響評価報告書や中環審の参画への貢献、あと環境大臣が座長の気候変動適応推進会議と連携して、「気候変動適応に関する研究機関連絡会議」というのを令和2年3月に設立、その下に実務者による「気候変動適応の研究会」が設置されまして、令和2年度には3回会合が開催されたということでございます。

 あと、日本域の気候シナリオの開発、公開ですとか、環境省の「地域適応コンソーシアム事業」の共通シナリオとして半数以上の調査項目、35項目中19項目でございますが、活用されまして、同事業の取りまとめに大きく貢献されたと。

 また、IPCCの社会経済シナリオを基に日本版のシナリオを開発されまして、今後、気候変動影響評価のベースになる重要な成果であるということです。

 また、国際気候変動適応プラットフォームの会合を企画・主催されまして、世界的ネットワークの構築。タイにおいては技術研修を実施、タイ気候変動適応情報プラットフォーム(T-PLAT)の構築に貢献されています。

 適応計画ガイダンスに係る国際規格(ISO)の開発の幹事を務めるということなど、世界各国での適応計画策定促進等への貢献も期待できるということで、気候変動適応室のほうから追記をさせていただいております。

 第3についての評価(案)、修正部分を中心にご説明させていただきました。

 それでは、資料5のほうで、委員の先生方からのご意見を頂戴しておりますけれども、黄色に塗り潰したところについて、国環研のほうから補足の説明をしていただけるということですので、ぜひお願いしたいと思います。

【森口国立環境研究所理事】 ありがとうございます。聞こえておりますでしょうか。

【花木会長】 はい、聞こえています。お願いします。

【森口国立環境研究所理事】 では、第3に係るところにつきまして、国立環境研究所研究担当理事の森口から補足いたします。

 まず(1)①課題解決型プログラムにつきまして、2点、ご意見を黄色で塗ってございます。

 まず、高橋委員のほうから、「統合的な取組」という点はどのようになっているのか分かりにくい。例えば研究者のシナジー効果が発揮されたとか、これまで個別に行っていたテーマに横串が確立されたとかの見せ方が可能であれば、ぜひ検討願いたいというご指摘でございます。

統合的な取組の実態が分かりにくい表現になっており、失礼いたしました。第4期の課題解決型研究プログラムでは、各研究プログラムを複数分野の連携、協力により統合的に実施することとしておりました。今日は資料共有できませんが、例えば前回の審議会資料3というのがございましたけれども、気候影響対策モデルを結びつけた研究例ですとか、リサイクル過程における曝露リスク評価、それから気候政策が複数のSDGsに及ぼす影響の評価など、各研究プログラムに複数の研究ユニットが参画して、分野横断的、統合的に取り組んだ成果の例を挙げておりました。ただ、ご指摘のとおり、これらの取組が第4期で進められた統合的な取組ということを明示していなかった、この点は大変申し訳ございませんでした。第5期の中長期計画期間におきましても、統合的、分野横断的アプローチで取り組む八つの戦略的研究プログラムを進めるとともに、特に、気候危機問題に関しましては、複数の研究プログラムの連携の下で推進する気候危機研究イニシアティブというのを設定しておりまして、一歩進んだ統合的な取組を実施してまいりたいと、既に実施しているところでございます。

 もう一点、中村委員から、気候変動の適応策と緩和策について、近年は森林伐採による太陽光パネルの設置など、課題が山積している。こうしたミスマッチを解消するための研究を進めるべきであるというご指摘の件ですけれども、我々も非常に重要な課題と認識しておりまして、取組を進めております。

 これまでに、太陽光パネル設置の実態と、それが生物多様性に与える影響に関する論文を発表して、プレスリリースを行っております。今年度から始まりました第5期中長期計画期間におきましては、気候危機対応イニシアティブを立ち上げ、自然共生プログラムなど、関連する研究プログラムが協力して、分野横断的に再生可能エネルギー利用と生物多様性、生態系サービス保全の両立に関する検討を進め、環境省とも適宜、意見交換等を行っているところでございます。

 次に、②災害環境研究プログラムにつきましてですが、まず大久保委員から、地方公共団体をはじめ各種の関連機関と連携して現場の課題解決に向けた精力的な取組が進められてきたことは高く評価できるけれども、各地域の需要に応じて多様な事業を推進しているためか、災害環境研究としての意義が分かりにくいといったところ、次期においては災害環境研究の体系化への寄与も期待するというご指摘についてです。

 これは、主に環境創生研究に関するご意見と理解したんですが、新地ですとか三島等で取り組んできたわけですけれども、第5期の災害環境研究プログラムにおきましては、地域の関係機関との連携を主とした取組につきましては、4期は避難指示のあったような地域で、いきなりというのはなかなか難しかったものですから、人がずっとお住まいになっていたところを中心にやってきたわけですけれども、5期は避難指示解除区域における災害からの環境復興に関わる過程を研究対象とするということで現在進めつつありまして、そこで知見の集約を図ることで、この環境創生ということを、災害環境研究の体系化ということの中に、より直接に結びつけて実施したいと考えております。

 それから、原発事故関係で、佐藤委員のほうから、ALPS処理水の海洋放出評価について、モデルがないため扱えないけれども、原発事故による環境影響は、他機関と連携するにしてもまとめて環境研で扱ったほうがよいのではないだろうかというご指摘の件でございます。

 原発事故による環境影響は、主要な課題として、環境研として主体的に取り組んでおりますけれども、何分、対象が広範囲にわたることから、網羅的かつ包括的に実施するためには、私どもで全てやるということにはやはり限界があり、他機関や学会等を通じた連携が重要であり、三春にはJAEA、日本原子力研究開発機構の環境動態のグループなどもおられますので、そうしたところと連携しながら取り組んでいるところでございます。

 また、中村委員から、放射性物質による汚染や曝露の問題、それと廃棄物のマネジメント、あるいはその環境健康リスクについては、例えば19号台風のような他の水害と比べると、おのずと内容が異なってくるのではないか。もう少し整理をして、全体を示してほしいというご指摘の件でございます。

 これは、ご指摘のとおりでございまして、原発事故に起因する環境放射能汚染全般に関する取組、これは他の災害発生時の廃棄物ですとか化学物質に係る取組とは明らかに内容が異なります。環境放射能に関する研究につきましては、私どもの区分では環境回復研究と位置づけ、後者、それ以外の災害につきましては災害環境マネジメント研究ということで、それぞれサブプログラムを立てて独自に進めてきております。特に、放射性物質以外の災害廃棄物処理につきましては、災害が頻発する中で非常に重要な課題であることから、今後、災害の種類に応じて、それに対応した処理の在り方を示せるように工夫していきたいと考えております。

 次に、(2)環境の保全に関する科学的知見の創出等の推進、これは基礎基盤研究ですとか環境研究の基盤整備等のところでございますが、ここのところに整理されてはおりますけれども、全般に関わるご意見で、前回、まず山室委員からご指摘があり、それに呼応する形で、中村委員から改めてご意見を頂戴しております。

 この項目のみならず、論文発表数、口頭発表数などのモニタリング指標については、どの基準でダブルカウント可能としたのか等、もう少し実態が分かるように客観的に整理してほしいというご指摘でございました。少しこれは回答が長くなりますけれども、丁寧に説明させていただきたいと思います。

 まず、前回、山室委員からのご質問への回答の中で触れましたけれども、課題解決型研究プログラム、それから災害環境研究プログラム、環境保全に関する科学的知見の創出という、これは三つの区分に大別されます。前回の資料3でいいますと、スライド番号で32、54、88というところに発表件数を記載してございました。

 一つの誌上発表ですとか口頭発表を複数の区分と関係づけて登録している場合がございます。特に、第4期の課題解決型研究プログラムは非常に広範囲にわたる包括的なものでありましたので、基礎基盤的な研究と表裏一体に進める部分がございます。そういったことで、両方に登録した場合に双方で件数をカウントさせていただいております。

 ちなみに、複数の区分に登録された成果件数は、全成果件数の3割程度、つまり、100件論文を書けば、70件は一つにしか登録していないけれども、30件程度は複数の区分に登録しているということでございます。なお、一つの区分の中で、例えば課題解決型研究プログラムの中でも、低炭素のプログラムと統合のプログラムと両方に貢献したという登録がなされている場合もあるわけですけれども、これは、さすがにこういったダブルカウントはまずいだろうということで、これは排除しておりまして、区分内ではダブルカウントはございません。

 前回の103枚目ということで、総数を示しておりますけれども、この数字は3区分間のダブルカウントを排除したネットの数でございまして、ここには達成目標としてしっかりと第3期の実績値も書いております。第3期、第4期ともに重複なしのネットの件数である、このことは前回、回答したとおりでございます。

 研究の性質上、一つの成果発表が複数の区分、例えば研究プログラムと基礎的な科学的知見との両方に関係づけられる場合がありまして、研究者がそのように登録することは今後も妨げないようにしたい、あるいは妨げるべきではないというふうに考えております。

 どういうケースで複数登録が多いかというのを数えてみましたが、圧倒的に多いのが、課題解決型プログラムと科学的知見の創出への登録というのが、この二つに登録したケースが最も多く、概数でありますけど、8割を少し超えた数字になっております。

 なお、3区分ごとの件数につきまして、第3期の数値を参考値と示しておりますけれども、この点、ちょっと私自身も多少誤認がございまして、再確認したところ、第3期につきましては、複数の区分に登録することを許す、これは同じだったんですけれども、集計する際に、ネットの合計値と合うように補正していたようでございます。詳細はさらに確認中でございます。ただ、3期と4期で、それぞれの区分に含まれる範囲が多少異なりますので、なかなか単純な比較ができない面がございます。このため、三つの区分ごとは達成目標という厳格な形ではなくて、参考値という形で示させていただいておりました。ただ、二つ以上の区分に登録するもの、3割程度ございますので、その結果、参考値と比べた場合に、第4期のほうが大きめの数値になるということは否めません。念のために、複数の区分に登録されたものを区分の数で割って案分する、つまり、二つに登録していれば、0.5とカウントして再計算をしてみたんですけれども、ダブルカウントをそのように補正した場合でも、少なくとも査読付論文数に関しては、三つの区分全てで第3期の参考値を上回っていたということは確認しております。

 前回少し言及いたしましたけれども、現在、成果の登録システムの改善を進めております。現在の問題は、かなり手作業も伴いながらやっているところもあり、また研究者に一々確認するというようなことも、研究者側、それから企画部門側、双方にとってかなり手間がございますので、第5期の成果モニタリングにつきましては、より客観的に、第4期との比較も含めて、区分ごとの成果数がより的確にできるように、現在のシステムの改善、構築を進めておりますので、そういったことで引き続き進めていきたいと思います。

 ちょっとこの回答は長くなりましたけれども、次に、1.(3)国内外機関とのネットワーク・橋渡しの拠点としてのハブ機能の強化に関して、大久保委員から、気候変動業務に関するA-PLAT及びAP-PLATの立ち上げは適応業務のS評価の重要な評価要素ともされているので、両項目に関わることは分かるけれども、どちらかの主要な項目につけるほうが妥当ではないかというご指摘でございます。

 これも、ご説明したとおり、第4期の途中に、適応法の施行に伴い適応センターが設置され、適応業務が独立した扱いとなりましたけれども、それ以前からA-PLAT、AP-PALTの準備は、環境省からの委託を受けて、気候変動戦略連携オフィスを中心に研究事業として進めておりました。ですから、あくまで非常に形式的なものですけれども、第4期全体の業務実績等報告書の当時の区分においても、このことは書いておいたほうがよかろうということで記述はしておりますけれども、平成30年からのセンター設置に伴い、適応業務は中期計画上に新たに加わったため、実績報告書には独立して活動を記しておりまして、評価は主にそちらでいただいているものというふうに考えております。

 それから、高橋委員から、今後、国際的な活動の幅をさらに広げ、日本の環境研究の世界における地位向上に向けたさらなるリーダーシップを期待したいとされた件でございます。

 これにつきましては、2015年より毎年、主に東南アジア各国で開催してまいりましたNIES国際フォーラム、最近はオンライン開催になっておりますけれども、これも、今後も継続して開催していくなど、そういったことを通じまして、海外における国環研のプレゼンス向上、国際連携の強化に一層努めてまいりたいと思います。

 1.(4)研究成果の積極的な発信と政策貢献・社会貢献の推進について、郡山委員から、各種審議会への参加について、他の省庁との連携・貢献がなされていれば、それが分かるような工夫をされるとより良いかと思いますという、非常に貴重なご指摘をいただきまして、ありがとうございます。

 他省庁の貢献につきましては、国等の審議会や委員会への参画状況という形でのご報告をしております。前回も口頭でご説明しましたとおり、具体的なデータは業務実績等報告書、資料編、資料32に掲載しておりますけれども、数えますと、令和2年度につきましては、環境省227件、延べ345名のほか、他省庁75件、延べ113機関への参画がございました。ざっと言いますと、環境省と他省庁で3対1ぐらいという割合でございました。前回審議会の資料3の項目でいいますと、国内外機関とのネットワーク・橋渡しの拠点としてのハブ機能強化の成果として、外部機関との研究連携状況が整理されております。

 関連して、冒頭に山室委員からご発言のありました審議会等への貢献状況に関する資料的なものについてでございますけれども、十分とは言えないかもしれませんが、今日の実績報告書でいいますと、環境省のほうから配られております資料2の109ページに、表5-1の政策貢献別の研究成果件数ということで、これは、私どもから業務実績報告として提出したものを、そのまま転記していただいているかと思いますけれども、制度面への貢献が大きいというようなことで、数字をここにも書いてございます。こういった、単なる件数ということだけでは不十分ではないかと思いますけれども、ある種の定量的な指標についても、現在も載せさせていただいているところでございます。

 それから、他省庁との連携の、より具体的な連携事例につきましては、これも一部、前回口頭で回答しておりますけれども、エコチル調査に関する厚生労働省所管法人であります国立成育医療研究センターとの協働など、これにつきましても、業務実績報告書の項目別調書に幾つか記載しております。今後、他省庁への貢献につきましても、より分かりやすく貢献連携事例を整理し、記載するようにしてまいりたいと思います。

 それから、佐藤委員から、ポストコロナ時代もオンライン配信の併用、それからオフラインでのシンポジウムビデオ公開を検討してはどうかと、ご助言いただいた件でございます。

 おっしゃるとおりでございまして、公開シンポジウムにつきましては、ちょうど先週やりまして、先週の月曜日から土曜日まで、動画配信を1本ずつやってきたところでございますけれども、ポストコロナ時代以降も、オンライン配信を併用するオフラインでのビデオ公開等、ご指摘も踏まえて、多様な開催方法について検討を行う予定でございます。

 それから、高橋委員から、知的財産の取得にも積極的に取り組んでいることは高く評価できると。ただ、知的財産は取得することだけが目標ではなく活用することが重要であるということで、その視点でのさらなる取組を期待したいとのご指摘でございます。

 まず、知財の取得について、高く評価いただきありがとうございます。活用に向けた取組、おっしゃるとおり、ちょっとこれまで不十分な点があったかと思いますので、国環研保有の特許を中心としたシーズ集の作成に着手しておりまして、今後はホームページその他での発信も進めてまいりたいと思います。

 続いて、最後、気候変動適応につきまして、区切りの関係で、前回審議会では是澤理事からご説明いたしましたけれども、第3というくくりの中でまとめておりますので、これも私から回答いたします。

 中村委員から、気候変動適応の成果指標として適応計画の策定数が上げられているが、計画内容の中身についての分析も行ってほしい。すぐれた事例は、他の自治体にとっても有益であるとのご指摘の件、量だけではなく質も大事というふうに受け止めておりまして、おっしゃるとおりでございます。既存計画の記載内容の質的な分析も実施しつつございます。具体的には、地域適応計画に記載が望ましい情報、例えば、過去や将来における気候変動影響に関するデータや影響に対する適応策の有無を評価しております。また、各計画に記載されている適応策や進捗管理方法などの情報を話しております。これらにつきましても、A-PLATから公開し、地方自治体の皆様方へ共有できるようにしてまいりたいと思います。

 少し早口になりましたけれども、私からの補足説明は以上でございます。

【花木会長】 花木です。どうもありがとうございます。

 今、お二人からご説明いただきました。評価書そのものと、それから、特に、皆様からご意見をいただいた点に関する国立環境研究所のコメントということでございます。今から、委員の方々から質疑あるいはコメントをお受けしたいと思います。いかがでしょうか。どの部分でも、どなたでも結構ですので、お願いいたします。

 いかがでしょうか。かなり詳しくご説明いただいたので、よくお分かりいただけると思います。今ちょうど画面に出ている気候変動適応の部分、ここの部分の評価というのが、A-PLATはじめ、これが毎年、どっちかというと定量的に評価しづらくて、判断が難しいところでありますけど、これについて、詳しくこうやってご説明いただいて、具体的に、こういうことをやったんだということが示されているのは、これで分かりやすくなったかなと思っております。いかがでしょうか。

(なし)

【花木会長】 もしご意見がないようでしたら、それでは後半部分、第4~第6の説明をお願いできますでしょうか。

【事務局】 では、事務局から、またご説明させていただきます。

 第4~6ということで、再び資料4に戻りまして、第4~6の運営に関わる部分についてでございます。

 39、40ページの、財務内容の改善に関する事項のところです。こちらのほうに、前回、正誤表で、国環研さんが財務実績報告書の修正をされていたんですけれども、そこの辺りの数値を、こちらのほうで素案のほうに反映漏れがあったということで、パーセンテージのところですとか、修正をさせていただいておりますが、それ以外の部分については、環境省として事実関係だけつらつらと書いておったんですけれども、それを環境省としてどう考えてB評価にしたかということを明記するために追記させていただきました。この部分については、昨年度、令和元年と、あと第4期の見込みの評価のときに、総務省のほうに評価書を提出してから、かなり確認をされたところでありまして、どうしてその評価をしたのかということを問われたので、なるべくそのことについて記載しておいたほうがいいということで、記載させていただいております。39ページと、あと40ページのところも、最後に追記させていただいております。

 第4~6の部分について、修正を加えたのは、この財務内容の改善に関する事項だけでございますので、それ以外のところは、前回18回にお示しした素案のままとなっております。

 続いて、総合評点の部分も併せてご説明しておきたいと思いますけれども、資料4の60ページ、61ページ。60ページが年度で、61ページが期間評価の部分になりますけれども、全体の評定ということで、まず項目別評定については、第4~第6の運営に関わる部分については、第4のうち2.業務の電子化に関する事項というのをA評価ということにしておりますけれども、ほかはいずれもB評価ということになっております。

 また、重要度を高く設定しております「第3 研究成果の最大化その他業務の質の向上に関する事項」という大きいくくりの中のうち、1.環境研究に関する業務と、2.環境情報の収集、整理及び提供に関する業務についてはA評価、3.気候変動適応に関する業務というのはS評価であることを総合的に勘案しまして、また、全体の評定を引き下げるような案件もないということで、全体の評定をA評定、国環研全体の評定をA評定ということで、こちらは令和2年度の年度評価、また第4期の期間評価ともに、そのようにさせていただいております。

 第4~6、あと総合評定のご説明は以上となりますけれども、資料5のほうにまた戻りまして、また黄色の塗り潰しにしている箇所について、国環研から補足説明をいただければと思います。お願いいたします。

【是澤国立環境研究所理事】 国立環境研究所企画総務担当理事の是澤でございます。

 いただきましたご質問につきまして、3点ほどご説明させていただきます。

 まず、最初に、第4の業務運営の効率化に関する事項のうち、業務改善の取組に関する事項についてでございまして、光熱費の減少の主要因は工事によるとされているけれども、自宅就業の増加による減少分というのはどうなのかというご質問を大久保委員からいただきました。

 国立環境研究所の電力使用量を見てみますと、年間を通じてといいましょうか、24時間稼働させている空調設備であるとか冷凍設備とか、そういったものによるベースとなるような電力使用量、固定的な電力使用量というのが全体の8割ぐらいを占めている状況にございます。したがいまして、日中のオフィスの空調とか照明、そういったものによる電力消費というのは、そもそも2割ぐらいで少ないという状況でございます。その中で、自宅就業の影響がどうだったかということなんですけれども、確かに、自宅就業によって出勤者数は減ったわけでありますけれども、居室の出勤者が丸々ゼロになるというようなところはあまり多くなくて、オフィスの空調とか照明とかは通常どおり使われていたようなところが多かったということに加えまして、コロナ対策ということで、できるだけ十分な換気を確保をするようにということで、窓を1か所、2か所、開けなさいという指導もしていたこともありまして、若干、空調の負荷としては増加ぎみであったというようなことがございました。結果として、電力使用量について見てみますと、日中の使用量は、さほど減少は見られなかった、むしろ若干増加していたというような傾向であったという状況でございます。

 それから2点目、第6のところの2番、人事の再適化の部分でございます。佐藤委員から、研究系常勤職員の採用について任期付の割合が高いけれども、それは任期付の大部分が若手研究者なのかということでございまして、それであれば、見直すべきだというご意見でございます。

 これにつきましては、資料のほうの説明が十分できておりませんで、恐縮でございますけれども、ここで書いておりました任期付研究員といいますのは、いわゆるテニュアトラック型の任期付研究員として採用しているものでございまして、したがいまして、パーマネントのポストというのは一応確保されている状態で、任期付で採用し、一定期間後に審査を経てパーマネントに移行している者がほとんどであるという状況でございます。そういったことで、若手職員の待遇といいましょうか、環境という意味でも、決して不利なものにはなっていないと考えておりますけれども、この辺りの運用につきましては、科学技術基本計画などでの動向なども踏まえながら、今後よく考えつつ、動かしていきたいと思っております。

 それから、3点目でございます。情報セキュリティ対策の推進のところでございまして、在宅勤務における情報セキュリティについて、引き続き注意が必要ということでございます。

 これは、そのとおりのご指摘でございまして、ポストコロナというところも踏まえつつ、在宅勤務時の情報セキュリティ対策をしっかりやっていかなくてはいけないという、私どもも認識でございます。令和2年度におきましては、いわゆる次世代型のセキュリティ対策ソフトと言われるもの、端末の不審な挙動を検知して、もしマルウェアに感染したようなものがあれば、それを隔離する、そういうものでありますけれども、EDR機能というものを持つソフトの運用、導入を行ったというところでございます。今後もいろいろなインシデントの事例であるとか対策の動向等、そういったものの情報収集を積極的に行いつつ、より一層のセキュリティ対策に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 それでは、今ご説明いただいた、言わば後半部分につきまして、ご質問、ご意見はございますでしょうか。

【郡山委員】 申し訳ございません。郡山ですけれども。

【花木会長】 はい、お願いします。

【郡山委員】 ちょっと私、後半の部分はあまり、集中力も切れて、前回の意見では提出していなかったのですが、そういった質問でもよろしいでしょうか。

【花木会長】 はい、どうぞ。

【郡山委員】 すみません。

 人事の再適化のところで、女性の研究者あるいは職員の採用数に、結構、年度によって0~9という幅がありましたけれども、この女性の職員に関して、そもそも数値目標か、あるいは全体の中で何%とか、計画の中には、ちょっと拝見した中では見つけられなかったのですけれども、そういうものはないのかという点と、今後どうされるおつもりであるのかということを、もし可能であれば、ちょっとお聞きしたいなと思っております。

【花木会長】 すぐに分かりますか、現状は何%とか、概略でもよろしいですけれども。

【是澤国立環境研究所理事】 ちょっと数字があれば、総務部長に補足をしてもらいたいと思いますけれども、女性の職員数の目標というのは立てておりまして、たしか十何%だったかと思いますけれども。

【花木会長】 是澤さん、今おっしゃった職員数というのは、研究者も、それから事務職員も含む、両方ですか。

【是澤国立環境研究所理事】 両方含めた数としての目標だったと思いますが。

 失礼しました。両方合わせた、管理職の割合についての目標でございまして、採用数についての目標値があるわけではないということでございます。ただ、女性の研究者数自体は比較的多くて、今は何%でしたでしょうか。ちょっと人事課、補足してもらえればと思いますが。

【花木会長】 そうですね。今ご質問いただいているのは、今回の評価に直接関係しませんので、若干荒っぽい数字でも結構ですが、分かれば、ちょっと教えていただければ。何割というのでもいいですので。

金子国立環境研究所総務部人事課長】 では、人事課のからお答えをさせていただきます。資料編の423ページをご覧ください。

【花木会長】 資料編というのは、参考。

金子国立環境研究所総務部人事課長】 参考資料となります、業績実績等報告書の資料編という資料がございます。

【花木会長】 どれかな。参考資料じゃないのか。今出ている、これですね、画面で出ている。

金子国立環境研究所総務部人事課長】 はい。それの423ページの中段に、研究系職員、女性職員の占める割合という形で、パーマネント職員であれば18.2%、33名という形で、全体で占めれば39名、17.3%であります。

【花木会長】 なるほど。あわせて、そこに外国系、外国人職員が3%弱ぐらいおられるということですね。

金子国立環境研究所総務部人事課長】 はい、そうなります。

【花木会長】 ちょっと話としてお伺いしますけど、数字自身は大体一定の感じですかね。増えているという傾向ではない、体感的ということでもいいんですけれども、どうですか。あまり変わらないかな。

金子国立環境研究所総務部人事課長】 同じ資料の422ページ、前のページの一番下の段のところに、女性職員採用者数という推移がありますけれども、採用者数だけで見れば、年々数名おります。

【花木会長】 そうか。これがさっき0から9の幅がある、といわれた数字ですね。

金子国立環境研究所総務部人事課長】 ただ、全体の職員の数ではないので、当然、出ていく方もいらっしゃるので、全体としての数というのは、すぐにはお答えできませんけれども、女性の採用人数の推移という部分だけで言えば、このようになります。

【花木会長】 ありがとうございます。

 いかがでしょうか。

【郡山委員】 ありがとうございました。すみません。ちょっと私が参考資料で見つけ切れなくて、申し訳ございませんでした。

【花木会長】 これは見つけられないですよ、何百ページもあるからね。

【郡山委員】 ありがとうございます。

【花木会長】 ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。今日の審議会では、この評価書(案)について、特段、委員の方々から修正の要求あるいは疑義が申し立てられませんでしたので、基本的には事務局の提案どおり、評価書を最終的に作成していただきたいと思っています。その段階で、いわゆる「てにをは」的な、あるいは記号が違っているとか、そういうところは必要な修正を行っていただきたいと思います。

【佐藤委員】 すみません、委員の佐藤です。手を挙げておりました。

【花木会長】 失礼しました。

【佐藤委員】 いえ、大丈夫です。

 人事の再適化のところで、先ほどご説明いただいた件です。黄色でマークが付けられている私のコメントですが、実は途中までしか記載されていません。ですので、私のコメントの趣旨を含め発言させていただきます。コメントに対する先ほどのご回答では、任期付の職員というのはテニュアトラックで、業績を上げていれば正規職員に移行されるポストと伺い安心いたしました。 若手研究者には、日本全体で見ても生活基盤が非常に不安定な状況にいる人が多いのが問題です。私は大学におりますが、卒業生にもそういう方が身近に多くいます。こういう状況は若手の立場から見てつらい状況ですが、社会全体としても問題であるということです。若手を暖かく育てないと、将来を担う人がいなくなってしまうと考えられます。環境研の場合は、特に将来の環境研究を担える人材育成の強化につながるので、若手研究者の安定雇用はぜひ考えていただきたいということです。コメントの後半にはそのようなことを書いておりました。以上です。

 

【花木会長】 ありがとうございます。

 ちょっと昔話をすると、研究開発法人になる前の独立行政法人の頃の環境研究所のこの評価に私も関わっていまして、その当時、一つの大きい課題が、若手研究者をどのように育てるかということだったんですね。その後、幸い、というか、福島の災害自身は全く幸いなことではないのですけど、国立環境研にとっては、福島のほうに人員を拡大し、また琵琶湖のほうにも拡大しと、そういうところの受皿ができてきたので、若手の研究者の活発化にそこはつながったと思っています。

 ただ、今後増えていくかというと、ほかの研究開発法人を見ると、決してそういった若手の研究者がなかなか増えるような状況にはないということもありますので、現在はやや、油断ではないですけど、若手研究者がそれなりに回っていると思うんですけれども、それを今後も、国立環境研究所が環境研究の若手人材の受皿、あるいはその人たちがさらに発展する場所になり続けるということが大事だと私も考えております。

 もし環境研のほうで何かコメントがございましたら、今お話ししているのは、この評価とは別の話なので、一般的なことでも結構ですが、もしございましたら。

【木本国立環境研究所理事長】 どうもありがとうございます。理事長の木本でございます。

 若手の研究者については、国立環境研だけではなくて、全国的にも、全世界的にも問題だと思います。先ほど是澤理事からご報告申し上げた、佐藤薫先生のご質問に対して申し上げたテニュアトラック、これは若手ではございますが、順調に研究を続けていただければ、ずっと環境研にいられるポジションでございますので、大学で申しますと、助教とか、特任じゃない助教とかに当たる、その人たちについては割といいと思います。ですが、この人数を拡大するということは、花木先生がおっしゃったように、災害研究とか、いろんな研究分野の拡大ということで、多少は行ってまいりましたけれども、基本的には財政のほうで縛られてしまいますので、これを倍にするとか、それは難しいところでございまして、これ以外に、研究プロジェクトや何かで、それこそ本当に任期付のポスドクですね、環境研では特別研究員とかと呼んでおりますけれども、この人たちを育て、テニュアトラックに応募できるぐらいのレベルまで、環境研でなくても、ほかのところでも育てていくというのは、やはり大きな課題ではないかなと思います。そういう面では、環境省やいろんなところから、いろんな事業だとか、あるいは研究分野の拡大だとかを受けておりますので、それらを通じて、国立環境研で修業すれば、どこへ行っても恥ずかしくないレベルになるという評判ができるだけ立つように、こちらも育成に力を注ぎたいと。

 あと、もう一つは、大学で環境の研究をされている方がたくさんおられます。ですので、学生のうちから、環境研や何かと協力をしながら研究していただいて、環境研の定員は増えていないけれど、そのスピリットで研究していただけるコミュニティが広がるというのも、大きく見れば育成に資する展望かなと思いますので、ここの審議会の先生方も、ぜひとも学生さんと我々の研究者と交流していただけるように、ご協力を願えればありがたいと思います。

【森口国立環境研究所理事】 多少、補足させていただきます。研究担当理事、森口でございます。

 理事長から最後に言及のありました大学との連携という点では、連携大学院制度を通じて、国環研の研究者が大学院生等を指導させていただく機会がございます、私自身も経験をさせていただきましたし、私自身は大学にもしばらく出ておりました。

 これまで、国立環境研究所の大学への貢献、特に人材育成という点では、やや位置づけが中途半端であり、大学のほうから非常勤講師等の要請もあって、どこまで我々として大学とお付き合いをするのかというのが、やや中途半端だったところがあるわけですけれども、次世代の人材育成という点で、そこは非常に重要であるということで、本年4月より発足いたしました連携推進部のほうでも重要課題と捉えております。今年、初めて連携大学院の入試説明会を合同で行うようなこともしておりますし、連携大学院のホームページを新たに設けるなどいたしまして、大学生、大学院生の皆さんに、在学中から国立環境研究所にも興味を持っていただき、ぜひ連携大学院も含めて、そういったところで学んで、将来は国環研の研究者になりたいというような人材をぜひ増やしていければと思っておりますので、先生方にも一層のご協力をお願いできればと思って、僭越ながら発言をさせていただきました。

 以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 それでは、ほかにご意見はございますでしょうか。

(なし)

【花木会長】 先ほど、ちょっと途中までお話しいたしましたが、続けさせていただきます。

 評価書(案)につきましては、本日、特に大きい修正が必要だということにはなりませんでした。とはいえ、細かいミスタイプのようなものもあるかもしれませんので、それにつきましては修正いただいて、最終的な評価書の確定をお願いいたします。評価書が確定いたしましたら、速やかに、各委員に報告をしていただくということをお願いします。

 この辺りが、スケジュールがかなりタイトでありまして、これにつきましては、最後に、その他のところで事務局からご説明いただけますでしょうか。

【事務局】 事務局から、資料6で、ご説明したいと思います。

 本日、第19回の環境省国立研究開発法人審議会ということで、ご審議いただきました。

 評価書の最終案を、明後日8月26日頃に、委員の皆様にご送付させていただくつもりでおりまして、何かございましたら、8月30日月曜日、すみません、ちょっとこの表記が間違っていますけれども、3段目ですね、8月31日は火曜日でございますが、何かありましたら、8月30日の月曜日までにご連絡をいただいて、8月31日火曜日には、評価書を独立行政法人の評価制度委員会、総務省に設置されております委員会ですけれども、こちらのほうに提出するということになっておりまして、審議会が終わり次第、内部手続については並行して進めさせていただきたいと思っております。

 11月末ぐらいの予定で、独立行政法人制度評価委員会のほうから、評価の点検結果というものが送付されることになっておりまして、こちら、大丈夫だとは思うんですけれども、特段のコメントがあると、またちょっと評価を見直すとか、そういったコメントが入ると大変なことになりますので、そうならないように、総務省のほうにも、質問があれば回答するというような形で対応していきたいと思っております。

 以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 質疑等はございますでしょうか。

(なし)

【花木会長】 審議会の委員のほうとすると、今日の審議会終了後、30日の月曜日までにコメントがあればお送りいただく、ただし31日には絶対に、どんなことがあっても総務省に出さなきゃいけないということですので、あまり大きいコメントだと対応できないということになりますね。その辺もお考えいただいて、もしコメントがあれば、ご提出をお願いします。総務省に提出した後は、特に問題がなければ、審議会委員の方々のお手を煩わせることはないということでありますし、それを願っております。

 質問はございませんでしょうか。もし質問がないようでしたら、これで本日の議事は全て終了したいと思います。

 以上をもちまして、第19回環境省国立研究開発法人審議会を閉会いたします。

 本日は、どうもありがとうございました。