第18回環境省国立研究開発法人審議会 会議録

1.日時

令和3年7月30日(金)13:30~16:37

2.場所

WEB開催

3.議題

(1)令和2年度及び第4期中長期目標期間業務実績等報告及び評価等について

(2)その他

4.配付資料

資料

【資料0①】第18回 環境省国立研究開発法人審議会 議事次第.pdf

【資料0②】今年度の審議事項.pdf

【資料0③】環境省所管独立行政法人の業務実績評価基準(抜粋).pdf

【資料1】環境省国立研究開発法人審議会委員名簿 .pdf

【資料2】国立環境研究所の概要.pdf

【資料3】国立環境研究所令和2年度・第4期中長期目標期間 業務実績等報告書.pdf

【資料4】令和2年度 業務実績等報告書.pdf

【資料5】第4期中長期目標期間 業務実績等報告書(平成28年度~令和2年度).pdf

【資料6】令和2年度・第4期中長期目標期間 業務実績等報告書 資料編.pdf

【資料7】令和2年度 決算関係書類.pdf

【資料8】令和2年度 監査報告書.pdf

【資料9-1】令和2年度に係る年度評価及び第4期中長期目標期間に係る評価書(素案)項目別評定総括表.pdf

【資料9-2】令和2年度に係る年度評価及び第4期中長期目標期間に係る評価書(素案)(抜粋).pdf

【資料10】令和元年度業務実績年度評価書(令和2年9月4日 )における指摘事項への対応状況.pdf

【資料11】令和2年度に係る年度評価及び第4期中長期目標期間に係る評価書に対する意見シート.pdf

【資料12】今後の予定.pdf

参考資料

【参考資料1】環境省国立研究開発法人審議会委員名簿 .pdf

【参考資料2】環境省国立研究開発法人審議会審議会運営規則.pdf

【参考資料3】独立行政法人通則法.pdf

【参考資料4】国立研究開発法人国立環境研究所法 .pdf

【参考資料5】国立研究開発法人審議会令.pdf

【参考資料6】独立行政法人の評価に関する指針.pdf

【参考資料7】環境省所管独立行政法人の業務実績評価基準.pdf

【参考資料8】令和元年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価等の結果についての点検結果.pdf

【参考資料9】国立環境研究所第4期中長期計画(H28-R2)(中長期目標を含む).pdf

【参考資料10】令和3年度国立環境研究所年度計画.pdf

【参考資料11】令和3年度国立研究開発法人国立環境研究所調達等合理化計画.pdf

5.出席者

委員

花木啓祐会長、大久保規子会長代理、郡山千早委員、佐藤薫委員、高橋隆行委員、中村太士委員、山室真澄委員

環境省

大臣官房

白石大臣官房審議官

総合政策課

福島課長

曽宮環境研究技術室長

国立環境研究所

木本理事長

森口理事

是澤理事

小田部監事

富坂企画部長代行兼企画部次長

岩崎連携推進部長

種瀬総務部長

吉川環境情報部長

6.議事

【曽宮環境研究技術室長】 定刻になりましたので、ただいまから第18回環境省国立研究開発法人審議会を開催いたします。私、大臣官房総合政策課環境研究技術室長の曽宮でございます。よろしくお願いいたします。

 本日は、本日もというべきですが、新型コロナウイルスの感染防止のためにWEB開催というふうになってございます。ご協力いただき誠にありがとうございます。環境省側の回線容量の問題がございまして、映像はできるだけオフにさせていただければと思っておりますが、資料は適宜、画面共有をいたします。ハウリングや発言者が不明になるのを防ぐため、発言者の方のみマイクをオンにしていただきますようお願いをいたします。状況によっては、事務局側で操作させていただく場合もありますので、ご了承ください。ご発言の際には、マイクをオンにするとともに、お名前を名のっていただければというふうに思います。

 本日は、委員改選後の最初の審議会ということになります。衛藤先生、沖先生、木本先生がご退任されております。木本先生は、国環研の理事長ということでございます。別の立場でということですけれども、委員会としてはご退任ということになってございます。

 今期、資料1の「環境省国立研究開発法人審議会委員名簿」がございますので、その方々にご就任いただいておりますけれども、この機会に、最初ということもございますので、名簿の順で一言ずつご挨拶を今からいただければ幸いでございます。ビデオ・マイクをオンにして順番にご発言いただければと思いますけれども、一言ずつ、大久保先生からお願いいたします。

【大久保委員】 大阪大学の大久保でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 郡山先生、お願いします。

【郡山委員】 鹿児島大学の疫学予防医学の郡山でございます。専門は公衆衛生疫学になります。今年度から初めてでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 佐藤先生、お願いいたします。

【佐藤委員】 こんにちは。東京大学大学院理学系研究科の佐藤薫です。私も今期が初めてとなります。専門は気象学です。どうぞよろしくお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 高橋先生、お願いいたします。

【高橋委員】 福島大学の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私は、専門はロボット工学ということで、ちょっと離れておりますけども、本学に環境放射能研究所をつくるラインに、いろいろ仕事をしたということで、その関係でこういったお仕事が回ってきているのかなというふうに考えています。昨年度に引き続きでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 中村先生、お願いいたします。

【中村委員】 北海道大学の中村です。分野としては森林や河川の生態学をやっています。また、管理の問題にも興味を持っています。よろしくお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 花木先生。

【花木委員】 花木でございます。私、専門が都市環境工学でございます。現在、東洋大学の情報連携学部というところにおりますが、その前は東京大学の工学系研究科都市工学専攻というところにおりましたので、大体そういった領域をやっております。よろしくお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 山室先生、お願いいたします。

【山室委員】 山室です。今年度から就任いたしました。専門は水圏環境学です。よろしくお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 ありがとうございました。

 続きまして、本日の出席状況でございますけど、今ご挨拶いただいたとおり、委員7名全員ご出席いただいておるということで、これも当然、この審議会令第5条によって定足数を当然満たすということで、当審議会は成立しております。本日の会議ですけれども、公開で開催をしております。傍聴希望の方もWEB会議室にアクセスをしております。

 それでは、議事に入ります前に、大臣官房審議官の白石よりご挨拶を申し上げます。審議官、よろしくお願いします。

【白石審議官】 皆様、音声は聞こえますでしょうか。聞こえますか。

【曽宮環境研究技術室長】 大丈夫です。

【白石審議官】 環境省の大臣官房審議官の白石隆夫と申します。本日は、非常に皆様ご多忙の中、WEB会議という形ではございますけれども、このような形でご参加いただきまして誠にありがとうございます。第18回の環境省国立研究開発法人審議会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。

 昨年度、当省所管の国立研究開発法人でございます国立環境研究所最重要事項でございます第5期中長期目標、令和3年度以降の中長期目標の策定にあたってのご審議も含め、お忙しい中、4回に渡りお集まりいただきました。その後の独立行政法人評価制度委員会、財務大臣協議を経まして、無事、新たな中長期目標期間を迎えたというところでございます。

 さて、今回及び8月の2回の審議会におきましては、令和2年度の業務実績のご審議に加えまして、第4期中長期目標期間終了時の業務実績についてもご審議を頂戴いたします。

【花木委員】 途切れ途切れになっていますが、大体、お話は分かっています。花木です。

【白石審議官】 ゆっくりしゃべります。平成28年度から始まりました中長期目標期間の間、国立環境研究所では、平成28年度に福島支部、29年度に琵琶湖分室を開設いたしまして、さらに平成30年度には、気候変動適応法に関する業務の追加に伴いまして、気候変動適応センターが新設されて、組織の拡大が図られているという状況にございます。これは、国立環境研究所に対する社会からの要請の高まりに応じたものでございまして、大変環境省といたしましても喜ばしいことというふうに考えているところでございますけれども、他方で、組織運営におきまして、規模拡大に伴う業務量の増加、それから地方組織も含めた研究所内での連携体制の構築、こういった様々な、新たな課題も生じていると考えてございます。こうした状況も踏まえまして、本日は、国立環境研究所が研究成果の最大化に向けて着実に成果を上げられているのか、また適正効果的かつ効率的な業務運営ができているかなどにつきまして、皆様の忌憚のないご意見を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 拙い挨拶でございますが、時間が長くなりますけれども、よろしくお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 ありがとうございました。なお、審議官は、業務のため、本日、15時くらいになるかと思いますけれども、退出の予定でございます。ご了承いただければと思います。

 続きまして、まず、資料の確認、それと会長の選出、その後、議事に入っていきたいと思いますけれども、まず、資料の確認ということでございます。電子媒体で今回送付をしております。資料0になっておりますけれども、「①議事次第」それから「②今年度の審議事項」それから「③環境省所管立行政法人の業務実績評価基準(抜粋)」から、議事次第にございますとおり、資料1から12まで、さらに、参考資料が1から11ございます。

 資料に過不足等がございましたら、事務局に何らかの形でお申しつけいただければ、取り急ぎメールなどで対応させていただきます。

 本日は、審議会の改選後の最初の会合ということで、今からの会長の選任ということでございますけれども、私のほうで、その議事の進行を務めさせていただきます。

 会長の選出でございますが、「環境省国立研究開発法人審議会令」第4条第1項の規定ということで、ここは「審議会に会長を置き、委員のうち、委員が選挙する。」ということになってございまして、どなたか立候補される方がいらっしゃれば、あるいは、候補者についてご意見がある方はいらっしゃいますでしょうか。

 大久保先生。

【大久保委員】 はい。ありがとうございます。平成27年度より本審議会の会長として、国立環境研究所の業績の評価や中長期計画の取りまとめ等にご尽力いただき、豊富なご経験と実績を有しておられる、花木委員に引き続き会長をお引き受けいただけるのがよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。

【曽宮環境研究技術室長】 大久保委員、ご推薦ありがとうございます。

 ほかにご意見がなければ、前期に引き続きまして、花木委員にお願いできればというふうに思ってございますけれども、ご異議はございませんでしょうか。

【高橋委員】 高橋です。異議ございません。

【曽宮環境研究技術室長】 ありがとうございます。ご異議なしということで進めさせていただければと思います。

 花木委員が会長に選出をされました。

 これ以降の進行は、花木会長にお願いをしたいと思います。花木先生、よろしくお願いいたします。

【花木会長】 今、会長に選んでいただきました花木でございます。皆さん、本日、それから来月にもう一度委員会がございますけれども、ぜひご協力をよろしくお願いいたします。

 冒頭に、白石審議官のほうから話がございましたけれども、国立環境研究所に対する社会のニーズというのが高まっていまして、組織としても充実している。国立環境研とすれば、単に量だけではなくて、質のほうも当然追求しておられるということでございますよね。今日は、この国立環境研究所が研究開発法人として適切な活動をしておられるかどうかということを、環境省が最終的に判断をされるわけですけれども、それに対して助言をするというのがこの審議会の役割です。これは後ほど、どういう仕組みで、我々は何をすべきかということはご説明がありますけれども、大ざっぱに言うと、我々は、そこの評価の手助けをすると。一方で、研究の中身についての評価は、個々の研究については、ここではやりません。それは、それぞれ専門の立場が必要ですので、国立環境研究所の中で、それは別途、外部委員による審査をしておられるということでございます。

 そのようなことで、皆さんには、ぜひ様々な面からこの国立環境研究所の業務についてご意見をいただきたいと思っています。これもまた、白石審議官から話がありましたけども、本年度から新たな中長期計画に入って、もう既に実行を始めておられます。今日ご審議いただきたいのは、昨年度、令和2年度の実績と、それから令和2年度で終わりを迎えました前期の中長期計画、その全体についての評価、その両方をお願いするというようになっておりますので、よろしくお願いいたします。

 さて、最初にやらなければいけないことは、会長に事故があるときの代理というのを決めなきゃいけないということが、環境省国立研究開発法人審議会令第4条第3項に決められてるということです。これについては、会長である私が、委員の中から、あらかじめ指名するということになっています。会長代理につきましては、大久保委員にお引き受けいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。大丈夫ですね。大久保先生。

【大久保会長代理】 かしこまりました。よろしくお願いします。

【花木会長】 よろしくお願いします。

 さて、それでは、個別の議事に入る前に、今年度及び本日の審議事項等について、事務局から説明していただきたいと思いますが、委員の方々で、今回から新たに加わられた方もかなりの数いらっしゃいますので、分からないことがあれば、ぜひ質問等をしていただいて、十分に理解していただいた上で先へ進みたいと思っておりますので、ご遠慮なく質問等していただければと思います。

 さて、それでは、事務局、お願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 曽宮のほうからご説明いたします。

 今年度は、今日が通しで第18回です。それから、今年度は18回、19回、2回の審議会を予定しております。

 まず、役割になりますけれども、助言対象というのが右下のほうに出ておりまして、すみません。左下ですね。画面に向かって左下、あと、右下、ここに出ているんですけれども、主な対象は①、②、③ということになります。中長期目標の策定・変更、これが5年に1回ということになりますけれども、この助言をいただくと。ただ、この審議は、基本的に昨年行われた審議ということになります。

 それから、②業務実績の評価ということで、年度評価、それから中長期目標の終了見込み評価、中長期目標期間の評価という三つが並んでおりますけれども、今回、それから次回の審議の対象というのは、昨年度の1年間の年度評価、赤で示しているところと、それからもう一つ、中長期目標の期間の評価と。これは、昨年度の段階で、中長期目標を作るに際して、赤で囲まれた真ん中のところにある終了見込みなどを基に、中長期目標の新たな中長期目標とかの議論をしたわけですけれども、昨年度のものはあくまでも年度途中での評価でございますので、終了の見込み評価というふうになっております。

 前期の中長期目標、中長期計画が終わった段階で、きちんと最後まで終わったのが今年の3月ということになりますので、5か年間のですね、中長期目標の期間の見込みではなく正式の、5か年間の評価ということを、18回、19回の審議会で行うということになります。この二つがターゲットということになります。

 ③、場合によっては、組織とか業務全般の見直しと、こういう課題等が生じたり、あるいは、そうすべきということであれば議論の対象ということになりますけれども、現段階においては、赤のところ、昨年度の令和2年度の評価と、それから昨年度までの5年間の中長期目標の評価ということが審議対象になります。

 次、ここは後で詳しくご説明いたしますけれども、左から年度評価、期間評価ということで、実施方法としては、国環研さんのほうで自己評価していただいたものを、これは外部評価の結果を踏まえてということですけれども、それに対して、業務実績の全体についても総合的な評価を実施するということで、S、A、B、C、Dで実施いたします。Bが標準ということです。これについては、また後ほど、より詳しくお話をいたします。

 次、お願いします。これは、評価の具体的な対象ということになるかと思いますけれども、第4期中長期目標の構成が、ここに示したことになっておりまして、いわゆる第3、第4、第5、第6というふうに書いてございますけれども、言わばこれが業務の中身ということになるかと思います。第3が、研究成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項ということで、いわゆる研究に関する評価ということ。

それから、第4、5、6が、運営の効率化とか、第5は財務内容の改善、第6はその他ということでございますが、こちらのほうは、研究ではなくて業務のマネジメントの部分ということで、今日の議論を大きく分け、研究に関わる第3の部分ですね。それから、第4、5、6のマネジメントに関わる部分、それぞれ分けて審議を進めていきたいというふうに思ってございます。

 次、お願いします。大分、繰り返しになってしまいますけれども、第18回が今日でございます。第19回、下のほうにありますけれども、8月24日に既に予定をさせていただいておりますけれども、本日、業務実績の報告の自己評価を国環研のほうからご披露いただいた上、我々環境省のほうで評価素案というものを、先ほど、Sから5段階の評価を、一旦、素案としてつけさせていただきますので、それのご説明をした上で質疑応答をしたいと思ってございます。

 中身的には、先ほど申し上げましたように、研究の部分と、それ以外のマネジメントの部分というふうになってございます。

 それから、今後、8月10日までですけれども、評価書案を事務局のほうから委員の先生方に送付させていただいた上で、意見シートというものが、これは後でご説明しますけど、資料11に基づいて提出をいただく。その後、第19回、次の、今後の委員会、審議会で、評価書案を、先生方にいただいた意見を踏まえて評価書案をご提示していただいて、審議をして、提出をする、決定をするということになります。すみません。ちょっとこれ、間違いが、ちょっと補足してもらえますか。

【事務局】 大変失礼しました。真ん中の破線の間ですけれども、評価書案の送付を、8月10日の意見シートを提出していただいた後に、第19回の審議会資料としてお送りさせていただこうと思っておるのですが、資料の修正を私がミスしておりましたので、ここで訂正をさせていただきたいと思います。大変申し訳ございません。

【曽宮環境研究技術室長】 すみません。失礼いたしました。

今日の説明としては、以上となります。

【花木会長】 ありがとうございます。

 それでは、今のご説明に対して、分からない点があれば、どうぞご遠慮なく質問をしていただけますでしょうか。来月中に全部やらないといけないとなっているのは、これは総務省のほうで締切りが8月31日と決まっていますので、大変慌ただしいスケジュールになっています。概略を申し上げますと、今日、まず原案をお示しいただいて、それぞれの方から個別の意見シートというのを提出していただいて、それに基づいた完成版に近いものを再度、環境省のほうでお作りいただいて、それを8月の次回の委員会、そこで最後、議論をすると。それで8月中に提出するという、ちょっと綱渡り的ですけど、そういうスケジュールで進めたいと思っておりますが、まず、この審議会の、特に役割のところについて、疑問等がございましたら質問をいただければと思いますが、いかがでしょう。大丈夫ですかね。そのS、A、B、Cの考え方というのは、これは後でまた出てまいりますので。

【曽宮環境研究技術室長】 そうですね。後で、はい。

【花木会長】 じゃあ、まず、これで先へ進ませていただきます。

 それでは、早速ですが、議事に入ってまいりますが、議題は「令和2年度に係る業務実績等報告及び第4期中長期目標期間業務実績等報告書並びにその評価書素案」、大変長い名称になっておりますが、今回、今年度の第1回であり、また委員の方もかなり変わられているということもありますので、まず国立環境研究所自身の活動について、ご説明をいただきたいと思っています。これについては理事長のほうからご説明いただく、木本理事長からご説明いただくという段取りになっておりますので、木本理事長、お願いできますでしょうか。

【木本国立環境研究所理事長】 ありがとうございます。聞こえていますでしょうか。

【曽宮環境研究技術室長】 聞こえております。

【花木会長】 大丈夫です。

【木本国立環境研究所理事長】 ありがとうございます。委員の皆様には、お暑い中、コロナの中、オリンピックの中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

昨年まで、皆さん、委員の方と一緒に私もそちら側にいたんですが、今年からは被告席に座らされることになりまして、しかも、今から少し重厚に、研究や運営のことについて皆さんにご説明して、ご評価を願いたいと、評価といいますか、アドバイスを願いたいと思うのですが、その前に、新しい委員の方もいらっしゃいますので、国立環境研究所というのは、誰が何を、何のために、何をやっているんだというパンフレット的なご紹介を私がさせていただきたいと思います。皆さんご存じだと思いますが、1970年代は公害が問題になっておりまして、環境庁も1971年に発足いたしました。ちなみに今年は環境庁の50周年記念ということでございまして、環境省に昇格した環境省の皆さん、おめでとうございます。これからもよろしくお願いします。

 そのすぐ後に、公害研究所として国立環境研究所の基ができました。間もなくして、1990年代には、ローカルな公害だけではなくて、地球規模の環境の問題も大きくなってまいりましたので、扱う範囲を広げるということで、国立環境研究所というふうに1990年に名称を変更いたしまして今日に至るわけですが、その間、21世紀の最初の年には、政府の方針で独立行政法人ということになりまして、その名前が5年前に国立研究開発法人というふうに変わりましたが、多少、少しは自分でも稼げよというような形態に移ったということではなかろうかと思います。

 行政法人になりましてからは、5年ごとにちゃんと計画を立てて、しっかりと研究・運営をいたしなさいということで、先ほどからご説明がありますように、今年の3月で、第4回の中長期計画というのを終えまして、今日はその全体像、そして昨年度の分の業績を皆さんにご紹介して、ご助言をいただきたいということでございます。

 第5期については、4月から始まっておりますが、これは来年以降ご助言をいただきたいと思っております。

 独立法人になってから、2011年には皆さんご存じの東日本大震災が起こりまして、災害環境研究という内容も扱うことにいたしました。

【事務局】 すみません。どなたかマイクが入ってしまっています。

【傍聴者】 失礼しました。

【木本国立環境研究所理事長】 すみません。よろしいですか。それで、災害環境研究もやるようになった。それから、第4期には、今からご説明しますが、その災害環境研究を福島で行うために福島支部を開設。また、滋賀県の地元の皆さんのご要請もありまして、琵琶湖にも分室を開設。それから、2018年には国を挙げて気候変動に対する適応を進めていくんだということで法律が制定されまして、その中に、国立環境研究所が国民の皆さんの適応策の推進のお手伝いをせよということが書かれておりますので、適応センターというのを設置して今日に至るわけでございます。

 国立環境研究所は、国民、人類の皆さんのために環境を守る研究をしましょう。そして、私たちはそれに誇りを持っておりますよというふうな憲章をつくっておりますが、国立環境研究所に私が参りまして、いいと思ったことは、こういう憲章なんかを全部自分たちで話し合って、納得のいくように決めてやっているというところが、何でしょうか、職場愛が感じられて、誠に結構なところだと思っております。

 さて、職場愛だけでは仕事はできませんが、予算のほうですが、おおよそ200億弱の血税をいただいて仕事をしております。そのうち170億弱が運営費交付金という形で、ほぼ毎年来るお金でございますが、そのほかに、受託だとか外部資金だとかを、ある程度稼いで研究をしております。

 研究の人数ですが、総勢1,000名弱ですが、その中で正規職員、正規職員といいますか、パーマネントな職員は300名弱でございます。そのうち223名が研究をやる人で、残りは支援、事務方でございます。ですので、契約職員がたくさんいるというのは、ほかの法人の方々とも似たような状況かと思います。

ちょっと細かい図で申し訳ありませんが、どういう組織体制になっているかというのをご説明したかったんですが、ポインターが出たと思いますが、第4期、今日ご議論いただくのは左側でございます。第5期も似たようなものですが、何があるかといいますと、よそから下りてきた理事長のおじさんはともかくとして、研究の皆さん、ここで研究をしております。それを支える企画管理部門がございます。そのほかに、役所の皆さんから、ぜひともこれをやってくれないかというような仕事がありまして、これは5か年計画とは別に、継続して、「分かりました。うちが引き受けましょう」という形でやっている仕事がございますので、これは後ほど説明します。

 それで、研究部門の中は、ディシプリンに応じて八つないし九つの分野で、個々の研究者の住民票はここにある。ただし、解決しなければならない課題については、お互いに協力しながらプログラムというものを組んで研究しているという形でございます。その本質は第5期でも変わりません。

 研究、役所や何かから頼まれた、頼まれたというか、「頼んでいいかな」「もちろんですよ」ということでやっている仕事の大きなものは、GOSATという衛星を上げて、二酸化炭素、温室効果気体を測るという衛星、これのデータ処理を受け持っております。

 それから、もう一つは、これもまた大きな仕事ですが、10万人のお母さんとお子さんのサンプル、サンプルといっては申し訳ありませんが、それに対して、健康がどのように推移してお子さんが育っていくか、親御さんの環境にどういう影響を受けるか、エコチル調査と呼んでおります。エコロジーとチルドレンをかけ合わせてエコチル調査と呼んでいて、それが二つの大きな研究事業でございます。

 さて、第4期、今日ご議論いただく、3月に終わりましたが、5年間の第4期中長期計画ではどういうことをやりましたかといいますと、今ご説明しましたように、お互い分野間で連携しながらやる課題解決型研究プログラムで、それを支える基礎基盤的な研究。それで、福島だとか琵琶湖、琵琶湖ではないですが、福島での研究を推進する災害環境研究。それから、ほぼ国では唯一の環境を扱う研究所でございますので、例えばモニタリングであるとか、あるいはサンプルであるとか、測定方法であるとか、そういう環境研究の基盤を着々と進めていくということもやっております。

 研究事業というのは、先ほど来、言っていますように、これは環境研用語なんですが、国やほかの組織と協力しながら中長期の枠を超えて実施している事業、エコチルとGOSATを中心とする事業のことを言っております。

 それから、2018年に法律ができましたので、気候変動に対する適応の仕事もやっております。この仕事については、研究面及び国の、あるいは国民の皆さんが対策を進める手助けをする、何というか、コンサルティングといいますか、ヘルプの仕事という両面がございます。

 それから、国内国際連携は当然のことでございます。

 それから、評価を受けながら、反省しながら進んでいくというのも当然のことでございます。

 九つの分野については、ざっとですが、グローバルな環境をやる。あるいはローカルな環境をやる。それから、これだと例えば脱炭素とかがここに入るわけですが、炭素だけじゃなくて、資源とか、ごみとかもリサイクルして、なるべくリユースをいたしましょう、そういうことを扱う。あるいは、その環境に出ていった化学物質が害をなしてはいけない。どれぐらいの害があるだろうかということを調べる。あるいは、環境は人にだけではなくて生物生態系にも影響を与えますので、それを扱う分野。それから人の健康、先ほどエコチルという話を出しましたが、その辺りを扱う分野。それから環境。環境だけで守るわけにはいきませんので、人間社会とともにどうやって共生していくかの道筋を調べる社会環境システム。それから、先ほど申しましたように、モニタリングとか計測についても1分野当てて、重点を置いてやっておりましたが、これは、第5期では、計測に近い分野に吸収して、研究と一体化してやる体制を取ったほうが効率的であるということにいたしましたが、第4期では、この分野もあります。

 それから、福島中心にやっております災害環境の研究ということでございます。

 次の図は、とても説明しにくい図なんですが、災害環境解決プログラムとか、それから基礎的な分野が八つだったか、九つだったかあるとか、それからモニタリングとかの基盤整備があるとか、それから研究事業であるとか、今お話ししたようなことをポンチ絵にしようとして、少しすべってしまった図でございます。

 それで、プログラム。これは、プロジェクトみたいに、一般的には呼ばれるかもしれませんが、5年の間にこれだけは解決しましょう、協力して分野を超えて解決しましょうというのも幾つか設定しております。これを一つ一つご説明するのは研究担当理事の説明のほうに譲りたいと思いますが、この災害環境研究と課題解決型プログラム、これが別になっているのは、途中で福島を設置したという都合でそうなっているわけで、同種のプログラムでございます。

 そして、強調しておかなければいけないのは、災害環境研究プログラムのほうは、福島拠点に関係のあるプログラムではございますが、つくばのユニットも大いに協力してやっているんだということをお伝えしておきます。

 これは研究の例ですが、一言で、これは地球規模のメタンの排出量がどんな状況になっているかを、細かい空間分布、そして時間分布で推定している例でございます。これは、ボトムアップで地上観測等を中心にやったものでありますが、GOSATがありますので、上から見てこうあるべきだと、トップダウンのやり方も並行してやっております。

 次の図は、先ほどGOSATとエコチルが大きな二つの研究事業だと。それ以外にもいろいろと社会との連携、災害環境マネジメント等々、いろいろやっておりますよというグラフでございます。

 それから、モニタリング。長期モニタリング、あるいは長期保存、生物資料の保管、それから計測の標準フォーマットを作るとか、データベースを整備するとか、こういうことも長期間にわたって継続してやっております。

 これは何でしたか。いろんなことをやっているという図ですが、例えば、これは、ナノプラスチックは小さいので、測るのがとても難しいので、スタンダードな物質を作った上で、その物質がどういうふうに測器を反応させるかということを調べないと、ナノプラスチックの量が測れない。そういうような研究をやっております。

 それから、これは、琵琶湖ではなくて近くの霞ヶ浦なんですが、そこで生態系等、環境等の計測をしております。光合成や何かを比較的簡便に計測する手段も、発明というか、開発したというふうに聞いております。

 それから、これはモーリシャスです。アフリカですが、アフリカで日本の貨物船が座礁したことがございますが、ちょっとすみませんが調べてくれないかという依頼が来ましたので、すぐ研究者が行きまして、サンゴに与える影響、ミニマムではあるがゼロではなかったというようなことを調べて、現地の方々に、今後どういう対策やら手だてを取ったらいいかというような助言もしてきたというふうに聞いております。

 それから、これは日本の最南端だと思いますが、波照間で大気のモニタリング、観測をしております。観測をしておりましたら、COVID、コロナで中国の経済活動が極端に落ちたという証拠を現地観測で検出できましたよというような研究成果でございます。

 ちょっと急がないといけませんが、第4期に、福島と琵琶湖と適応センターを新しく創設して頑張ってきたということはもう申しました。おのおのどういうことをやってきたかも大体申し上げたつもりでございますが、福島では、福島の環境汚染がどういう状態にあるのか。それから廃棄物をどうしたらいいのか。あるいは、地方の再生をするにはどうしたらいいのか。それから、災害、放射能の災害に限らず、災害が起こった後のごみや何かをどうしたらいいかとかいうようなことを、地元の皆さんと一緒になって話し合いながら研究を進めているところでございます。

 その一例ではございますが、福島もほとんど、全然行っても問題ないぐらい、浜通りの一部を除いては、私もこの間行ってまいりましたけども、要するに、福島だから、岩手だからどうということはございません。何の問題もないんですが、よくよく調べると、やはり事故の痕跡が残っているということで、その放射性物質がどのように生態系や土壌等に残ったり、移動したりしているかというのを計測したり、バジェットの解析をしたりして調べております。そうしましたら、なかなか、森林では、その中で循環して外へ出てこない。なかなか減らないとか、少し出た、漏れ出たやつが川に流れ、それが魚に捕食されて、なかなか福島県外に出ていかないとかいうような事情も分かって、これは全て繰り返しますが、別に、それで福島が危ないとか、住めないとか、そんなことを言っているわけじゃないです。物すごく低いレベルではあるが、よくよく調べると、やはり痕跡は残っているというようなことを調べているわけでございます。

 琵琶湖では、琵琶湖の環境及び生態等についての研究を滋賀県の皆さんと一緒にやっております。適応センターは、先ほども申しましたように、適応はどういうふうにできるのかという研究とともに、地方自治体を中心とした国民の皆さんが、よりよい適応策を立てるのを手助けするというような活動をしております。で、端的には、A-PLATとか、AP-PLATと検索していただきますとすぐ出てくるようになっておりますが、こういう場所、WEBサイトを通じて、資料の提供やノウハウの提供、マニュアルの提供等をやっております。A-PLATは国内向け、AP-PLATはアジア、国際向けの場所でございます。

 少し長くなって申し訳ありません。

以上で、ご紹介を終わりたいと思います。ありがとうございました。

【花木会長】 木本理事長、ありがとうございました。会長の花木でございます。

 それでは、ご質疑がありましたら、どなたでもお受けしたいと思いますが、いかがでしょう。大変分かりやすく説明いただいたので、皆さんもお分かりいただいたと思います。

 かつては、国立環境研を訪問してなんていうことをやっていたこともあるんですが、この状況ですので、ちょっとしばらく訪問はできないかと思いますけれども、今回の評価等を通じて、また皆さんに中身を理解していただければというふうに思っています。

 じゃあ、木本理事長、ありがとうございました。これで、理事長のご説明は終了とさせていただきます。

 それでは、今からいよいよ、議事の本題に入ります。非常に大量な内容について審議をいただきます。大きく分けると、令和2年度と、それから第4期中長期計画、両方見なければいけないのですけど、令和2年度というのは第4期の中長期計画の中身ですので、その説明いただく内容が、というより構成ですかね。これが全く同じですので、併せてご説明いただくというように考えています。

 全体としては、まず、国立環境研のほうから説明いただいた後に、事務局からその評価素案について説明いただいて、その後、質疑応答をいただくと。しかも、それを最初、大まかに言えば、研究部門を中心に説明いただいて、そこでワンラウンドやって、その後、情報あるいは運営部門について、またやる。そういう形で進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 既に今、スライドが出ていますが、森口理事のほうから、それでは、説明のスタートをお願いいたします。

 しゃべっておられますか。マイクが入っていないのではないでしょうか。

【森口国立環境研究所理事】 すみません。マイクをオンにしておりましたが、システムがオンになっておりませんで、大変失礼いたしました。

研究担当理事3年目を務めております森口でございます。資料3に沿って、業務実績報告の前半部分を説明いたします。

 先ほど来、何度か説明がありましたように、今回は令和2年度分と第4期中長期目標全体の2種類の評価をいただきますので、このタイトルでも緑色と紺色で区別しております。後ほど、再度、触れさせていただきます。約45分、100枚あまりのスライドで、大変長丁場になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、当研究所の研究評価システムの全体像をごく簡単にご説明いたします。

 本審議会での業務実績評価に先立ち、研究業務につきましては、冒頭に花木会長からもご紹介いただきましたとおり、外部研究評価委員会での評価を受けており、そこでいただいた評点等をこの後の説明でも示させていただきます。このほか、所内での研究評価、また「国際アドバイザリーボード(IAB)」からの助言という場がございます。IABは、過去には対面でやっておりましたけれども、コロナの感染状況を踏まえ、昨年は電子メールでの書面の助言と、それから一部オンライン会議で実施いたしました。先ほど、曽宮室長の説明資料の3ページ目に中長期目標の構成がございましたけども、それに対応して、私ども、17項目の評価ということになっております。

 中長期目標の第3、研究開発の成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項には、私がこれから説明する1.環境研究に関する業務のほか、環境情報の収集、整理、提供に関する業務、そして、平成30年12月から加わった気候変動適応に関する業務も含まれますけれども、これらにつきましては、第4以降と合わせまして、後半で総務企画担当の是澤理事からご報告いたします。

 先に、自己評価の総括を示しておきます。これから私がご説明するのは、この赤枠の部分ですけれども、自己評定は、令和2年度、4期全体共に、全てAとさせていただいております。なお、丸印は重要度が高いもの、下線は難易度が高いものを示しております。

再任の先生方には、以前から長く、度々ご覧いただいているんですけれども、これは目標の第3の全体像を示したものでございます。三つの区分の一つ目、環境研究に関する業務が、この赤点線の範囲でございます。以後の説明では、どこの項目を説明しているのかが分かるように、適宜この図に戻って参照させていただきます。

 では、中長期計画の項目に沿って順次、事業区分ごとの業務実績について、令和2年度分の年度成果と、第4期分全体の成果についてご報告いたします。

 最初の区分は(1)重点的に取り組むべき課題への統合的な研究の推進の①、課題解決型研究プログラムです。先ほど示した図では、この赤線の部分でございます。ここに含まれる五つのプログラムは、環境研究・環境技術開発の推進戦略に示された五つの研究領域に直接対応したものでして、統合的な取組により環境問題の課題の解決につながる成果が得られているかが評価軸になっております。

 では、これら五つのプログラムについて、順次ご報告いたします。

 まず、低炭素研究プログラムですけれども、観測研究、リスク研究、そして政策評価研究の3プロジェクトで構成され、プロジェクト間はもとより、他の研究プログラムとの連携も含めまして、IPCCはじめ、多様なステークホルダーに対して成果のアウトプットを進めてまいりました。

 先ほど触れましたけれども、本日の説明に共通してですが、こちら濃紺の帯が第4期全体を表しており、こういったグリーンの帯が2020年度、単年度を表しております。2020年度だけをとりましても、それぞれのプロジェクトでこうした多くの成果が得られておりますけども、海面水温の成果につきまして、1枚だけ代表的な成果としてご紹介いたします。

 昨年8月、北西太平洋の海面水温は、この赤いラインですね。観測史上最高を記録しております。グレーが20世紀の観測結果と計算結果、そして2001年から2020年について、人為的な温暖化の影響がない場合には、この青線のようなシミュレーション結果になるわけで、観測結果のような高温は1000年に1回しか起きないと。これに対しまして、人為的な放射強制力の増加を計算しますと、このように十数年に1回程度起きるという結果となり、さらにこのまま温暖化が進むと、2031年から2050年には、2020年に起きたような高温というのは平常になるということが分かったわけでございます。

 第4期5年間を通しての成果の例としましては、気候・影響・対策モデルを結びつけた研究体制を組むことで、気候変動によるリスクを定性的に可視化する一方で、気候シナリオごとに被害額をという形で、定量的にもリスクを示すことができました。

 環境中の温室効果ガスのトップダウン、ボトムアップ、双方からの観測、評価や、相互比較による精度向上をはじめ、各プロジェクトでの成果のキーワードをこちらの図、これは4期全体でございますけども、こちらの図にまとめております。学術的貢献に加え、国内外の政策貢献も顕著であったというふうに考えております。

 2番目、資源循環研究プログラムに移ります。このプログラムは五つのプロジェクトから構成され、資源需給と廃棄物処理の将来、資源利用の高効率化、そして資源利用の安全確保という三つの切り口から取り組んでおります。国内の一般廃棄物処理の将来について、評価モデルを用いて、自治体の状況に応じた政策シナリオを設定して、政策効果を推計した研究です。

 1年前の時点で、循環利用率28%という国の目標は達成困難という結果を既に示しておりました。追加政策として、プラスチックと生ごみに対する野心的な取組の効果を推定したところ、循環利用率は向上するんですが、23%程度で、目標には達しないという結果となりました。実28%という国の目標はトップダウンで設定されたものでありますけども、現実には相当困難な課題がございます。当たり前のことでありますけども、目標設定は、エビデンスベースで行う必要があるということを改めて示すものでございます。

 第5期全体の成果につきましては、資源利用の安全性確保に着目したプロジェクトの例でございます。循環資源、いわゆるリサイクルされるものに随伴する有害物質のフローとストックを推計し、特に電気電子廃棄物、E-wasteに関しまして、ベトナムのインフォーマルリサイクルでの現地調査も行っております。その結果を踏まえ、物質の挙動把握を踏まえたダスト管理の重要性など、有用な資源の回収利用と、それに随伴する有害物質の管理の両立に向けた課題をまとめることで資源循環政策への提言としております。

 こちらが、プログラム全体の4期としての成果のハイライトでございます。前2枚のスライドで説明した事項以外としましては、資源利用の将来展望と脱物質化、これは今、世界的に非常に重要なテーマでありますので、これの両立をするための研究を進めたこと。これは第5期の研究プログラムにつながっております。それから、社会実装を強く意識した資源利用の効率化の技術開発では、廃油などを原料とするメタン発酵の高効率化と安定化を実現しております。また、アジア途上国向けには、堆肥化、それからMBT技術に該するガイドラインをUNEP等とともに発行したことが特筆されます。

 3番目、自然共生研究プログラムに移ります。この背景には、生物多様性国家戦略に記された、生物多様性に対する四つの危機がございます。五つのプロジェクトのうち、三つのプロジェクトでは、これらの危機に対応した課題に取り組んでおります。

 2020年度の成果例ですけども、衛星によるサンゴの産卵の観測についてです。産卵に特有の反射光スペクトルをまず明らかにし、多数の小型の人工衛星の同時運用による高頻度観測データを解析いたしまして、短期間で起こるサンゴの産卵とその規模の検出に初めて成功しております。これにより、サンゴ礁の将来予測の高度化が可能となり、その結果に基づき保全優先海域を抽出することができるようになりました。

 第4期全体での統合的な取組の例ですけども、保全デザインの支援ツールの開発、適用を行った成果です。人口減少ですとか気候変動対策等の社会的な課題を背景といたしまして、生物多様性、生態系サービスに係る多面的なデータを蓄積し、保護区を選択するための指標も提案いたしました。再生可能エネルギー、特に、太陽光発電の拡大が今、求められているわけですけれども、太陽光発電の利用拡大と、生物多様性保全の両立といった課題に適用するものでございます。

 自然共生プログラム全体の第4期5年間を総括いたしますと、一つ前のスライドで示したのがここの部分であります。今回のスライドには含めておりませんけれども、昨年度までに成果を示してきた人口減少の影響評価、またヒアリの防除、感染症サーベイランスなどの生態リスク関連での政策貢献など、生物多様性四つの危機に対する保全策立案と、生態系サービスを考慮した生態系活用で、大きな成果が得られたと考えております。

 四つ目が、安全確保プログラムです。このプログラムは扱う内容が多岐にわたりますけれども、大ぐくりにしますと、ヒトの健康影響、生態影響、物質の環境中の動態、そして大気・水環境の保全という4分野から構成されております。さらに、不確実性を有する科学的知見に基づくリスク管理の方向性の考察にも取り組んでおります。

 左上は、マウスを用いまして、エピジェネティクスを介した妊娠期ヒ素曝露による多世代影響メカニズムを解析した結果。それから右下は、バンコクの生活排水に関する研究から、生残性を考慮した病原性細菌のモニタリング、リスク評価の重要性を立証した成果でございます。これらにつきましては、2年度の代表的成果として業務実績報告書に記載しております。

 5年間通してのまとまった成果の例ですけども、網羅的ターゲット分析を用いた環境試料中の多成分の活性寄与率の算出。エストロゲン受容体を模倣した分子鋳型の開発による前処理効率の向上、分析の高精度化など、影響指向型の分析を支える四つの要素技術を高度化いたしました。これにより、多種、また新規を含む化学物質の包括的、網羅的分析ができるようになった、そこに大きく貢献したと考えております。

 今ご説明しました成果のほか、プログラム4期全体の成果例といたしましては、化学物質の低用量曝露による影響評価で、ビスフェノール類の経口曝露がアレルギー性ぜんそくの肺炎症を亢進させることを明らかにしております。

 生態毒性試験法では、魚類やミジンコを用いた従来からの試験法に加え、淡水産ヨコエビを用いて底質の曝露経路の解明を行っております。

 大気環境保全につきましては、大気汚染予測システム、VENUSと名づけておりますけども、これの改良による注意喚起情報発信の精度向上といった成果を得ております。

 課題解決型プログラムの最後は統合です。このプログラムでは、持続可能な社会の実現に向けたビジョン・理念の提示、価値観・ライフスタイルの変革、環境問題の解決に資する新たな技術シーズの発掘・活用などに向け、三つのプロジェクトを実施いたしました。複数のプロジェクトにまたがる形も含め、これは2020年度の成果ですが、様々な地域のスケールで成果を得ております。国内外の都市スケールでの低炭素シナリオ研究、低炭素対策研究。また、日本全国を対象としたものでは、家庭CO2排出量調査の個票ですとか、市区町村別、メッシュ別の統計を反映させて、生活に起因するCO2排出を定量化いたしました。成果は、環境展望台、環境GIS、地図の形で、ビジュアルに分かりやすい形で公開させていただいております。

 一方、世界スケールで統合評価モデルを用いた成果といたしましては、気候変動緩和策が複数のSDGsに及ぼす影響を評価しております。大気汚染による死亡者というものを指標として見たSDG3(健康)につきましてはシナジーを生むわけですけれども、種の多様性関連指標で見たSDG15(陸域生態系)ではトレードオフをもたらすという結果になっております。もちろん、ゴール間のシナジー、トレードオフ、両方あるということは、ある種、想像がつくわけですけれども、それを具体的に明らかにした成果でございます。

 これは、4期5年間の成果として業務実績報告書にも掲載している図ですけれども、国内の持続可能性を評価するために、「人のwell-being」「経済」「環境」「社会」の観点から、ここに示した16の指標を選定、定量化し、近年の変化を見たものでございます。経済面は比較的スコアがいいわけでありますけれども、社会面と一部の環境面で悪化傾向にあり、それが総合的に見たwell-beingに影響を及ぼしているというようなことを示しております。

 統合プログラムの第5期全体の成果のまとめですけれども、世界規模から国、地方自治体や企業、生活レベルに至る様々なスケールを対象に、現象としましては気候変動緩和策といったところが中心ですけれども、持続可能性について定量的な分析を行い、結果をステークホルダーに提供することで、社会実装に向けた取組も実施できたと考えております。

 以上、課題解決型プログラム5課題の定量的なモニタリング指標として、成果発表数をまとめたのがこの表です。前期中期目標期間、3期の目標期間の平均を参考値として示しておりますけれども、これをかなり上回る研究成果の発表を行っております。特に、令和2年度は査読付論文350報と5年間で最大数となりました。一方、コロナの影響で国外での口頭発表は大きく減少し、国内の学会発表も前年の6割程度でありましたけれども、それでも5年間通算で見ますと、前期の、5年間通算で見ると、参考値として示した3期を上回る、非常に活発な研究発表を行ってきたということがご理解いただけるかと思います。

 こちらが、外部研究評価で得たスコアで、採点基準は3を標準とした5段階評価です。5課題の平均評点は、中期の平均で3.98、令和2年度単年度では4.07で、全ての課題で前年度以上の評価をいただいております。個別意見でも、観測研究、リスク研究、そして政策評価研究、いずれも研究の質が高く、中長期計画に対して期待以上の成果を上げたこと、国際的な情報発信と貢献、国内でのステークホルダーでの連携と協働、社会実装と政策貢献についても評価いただいたわけでございます。

 課題解決型プログラム5課題についての2020年度の総括的な自己評価ですけれども、「プログラム全体を通して、難易度の高い課題において年度計画に沿って以下を中心とした順調な成果を上げるとともに、重要性の高い研究において環境問題の課題解決に繋がる成果の創出が認められる」ということで、年度の項目別の自己評価はAとしております。

 続いて、4期全体を通じての5課題の総括です。こちらも難易度の高い課題に対し、中長期計画に沿って順調に成果を上げるとともに、成果の環境政策への活用が適切かつ有効に行われたと考えておりまして、同じく自己評価をAとしております。

 ここまでが課題解決プログラムで、次に(1)重点的に取り組むべき課題への統合的な研究の推進の二つ目、②災害環境研究プログラムに移らせていただきます。全体図では、この赤点線部分、項目番号2でございます。

 このプログラムの評価軸としては、統合的な取組により、環境行政、社会への貢献をしているかに加え、福島県環境創造センターでの連携をはじめ、他の関係機関と適切に連携しつつ取り組んでいるかが挙げられておりました。環境回復、環境創生、災害環境マネジメントの3プログラムから構成されております。

 プログラムの全体構成をもう少し詳しく表したのがこの図です。一枚前の評価軸で連携が明示されておりましたので、連携先機関名も示しております。一つ目の環境回復研究、これは主に放射性物質を扱っておりますけれども、汚染された廃棄物の処理、放射性物質の環境動態と生態系、あるいは人への影響のほか、避難によって生物相の変化がございますので、そういったモニタリングも取り組んでおります。ダム湖集水域のセシウムの挙動につきましては、理事長のスライドにありましたけれども、もう一つ、環境動態の解明につきまして、大気中での環境動態モデルにも取り組んでおります。地形・気象の空間解像度を高めたモデルの国際比較に参加し、中通りへの輸送の再現性が向上したと。これにより、初期被曝や河川流域の地表への初期の沈着の再現の精緻化に貢献しております。

 廃棄物関係では、廃棄物、副産物に付随するセシウムのフローストックの実態を把握し、さらに福島県内の低線量地域における廃棄物等の有効利用に伴うセシウムフローの計算と、追加的被曝線量の評価を行っております。処理や有効利用に伴う作業者の追加的な被曝線量は、バックグラウンドに比べて十分に低い、極めて小さいという結果を得ております。

 2番目の環境創生プログラムでは、地域情報システム、シナリオ解析モデル、参加型の環境創生といった研究手法を用いて取り組み、福島県浜通り、中通り、会津にわたり、基礎自治体との地域連携を進めてきました。これが令和2年度時点でのパートナーとなっている自治体の連携の実績でございます。このうち、浜通りの新地町とは非常に早くから連携に着手しておりまして、地域エネルギー事業計画について、これまでも説明してきたところでございますけれども、新地駅前地区のスマートエネルギー事業から地域循環共生圏のフィジビリティスタディ事業へと発展しております。

 一方、会津の三島町では、ドローンを用いた資源量調査ですとか、バイオマス利用調査などを行っておりまして、こちらでは木質バイオマスを活用したスマートコミュニティ構築の未来シナリオづくりを支援しております。

 三つ目の、災害環境マネジメント研究では、災害廃棄物、災害時の有害物質のリスク管理、そして、災害の備えのための情報基盤、人材育成の3テーマが軸となっております。近年、毎年のように水害が発生しております。令和元年度台風19号で生じた可燃性の混合廃棄物の組成・かさ密度調査を行ったところ、可燃性混合廃棄物の湿潤密度の平均値、これは、さきの関東地方での水害と比較的近い値、組成では紙類が最多であるといった結果を得ております。こういった数字、水害時の初動対応で重要な「片付けごみ」処理に活用できるデータが得られております。災害使用時の有害物質の環境モニタリング技術としまして、半揮発性物質を、GC-MSを使って全自動で同定定量するシステム、AIQSと名づけておりますけれども、これの開発を進め、実装に向けまして40近い地方環境研究機関にソフトウエアの試作品を配付して、共同開発を進めております。5年の期間中に生じた茨城県常総市でのスクラップ火災ですとか、佐賀県での油の流出事故、そして先ほども触れた台風19号による水害などがありましたので、実際に現地調査に活用し、その有効性を確認しております。

 3番目の情報基盤・人材育成についてのまとめですけれども、災害廃棄物処理に関する研修の手法を開発して効果を解明し、実務に貢献しております。また、災害廃棄物処理に係る検索性の高い処理計画データベースを構築しております。先ほど示しましたように、災害環境研究プログラムでは、他機関等の適切な連携が評価軸として明示されております。福島県環境創造センターに入居するJAEA、日本原子力研究開発機構、それから福島県との連携につきましては、林野火災、それから豪雨災害時のセシウムの環境影響の合同調査を行い、成果を地元自治体へ提供しております。県内外への成果発信でも緊密に連携をしております。それ以外にも、JESCO、中間貯蔵・環境安全事業株式会社との除去土壌の処理に関する連携をはじめ、他の国権、自治体、大学など、文字どおり産官学にまたがって多くの機関と連携しております。

 国際連携では、国際機関としてIAEA(国際原子力機関)また原子力主要国であるフランスの国立機関LSCE、IRSNなどとの連携が特筆されます。

 ここまでお話しした災害環境研究の三つのプログラムの成果のうち、2020年度の主な成果をこちらの一枚のスライドでまとめております。同様に、第4期5年間全体の成果のまとめがこちらのスライドになります。個々のスライドでは含められませんでしたけれども、中間貯蔵に関連して、除去土壌の貯蔵、有効利用プロセスの適正評価なども着実に進めてきております。

 これらにより、東日本大震災被災地の環境回復・復興と将来起こり得る災害に対して、環境面で強靭で持続可能な社会づくりのため、多くの成果が得られたと考えております。

 こちらが災害環境研究プログラムの定量的なモニタリング指標をまとめたもので、課題解決型プログラムと同様、口頭発表につきましてはコロナの影響で令和2年度は減少しておりますけれども、第3期中期目標期間の平均件数と比べますと、発表数、それから各種審議会委員数と、いずれの指標も上回っておりまして、顕著な成果を上げたと考えております。

 こちらが外部評価の評点で、各プログラムも高い点数をいただいているんですが、特に災害環境プログラム全体として高い評点を得ていることが特徴でございます。福島支部を拠点として、新しい研究分野を三つの研究プログラムを通じて立ち上げ、そして災害環境学としての確立を進めながら、質の高い成果が得られているということが評価されたと考えております。

 令和2年度の年度の自己評価ですけれども、災害環境研究プログラムにおいて、研究開発成果の最大化に向けて顕著な成果の創出が認められ、得られた結果の情報発信や環境政策への貢献にも積極的に取り組めたということで、項目別の自己評価をAとしております。4期全体につきましても、研究成果はもとより、それだけではなく各種の連携による国内外への政策、技術的知見に関する貢献が高く評価されたと考えておりまして、同じくAとしております。

 (1)が以上でございまして、ここまでが研究プログラムでございます。ここから二つの研究プログラムに続きまして、(2)環境の保全に関する科学的知見の創出等の推進について、項目番号3に移らせていただきます。

 この項目、全体図では、この部分でございまして、三つの事業区分から構成されております。基盤的調査研究の推進と環境研究の基盤整備、これらの二つの基盤的取組は第3期からあったものですけれども、環境研究の基盤整備のうち、大規模な事業などを中心に、研究事業という区分を4期切り出しました。これは、理事長の冒頭の説明でも触れたところでございます。それぞれの評価軸が設定されております。こちらは理事長からもご説明したところでありますけれども、環境省の政策体験も踏まえた九つの研究分野で、環境問題の解決に資する源泉となるべき基盤的調査研究を実施いたしました。

 多岐にわたる成果の全貌を限られた時間で紹介することは至難の業でございますので、2年度の成果としましては、トピック性の高いものを中心に、代表的なものを幾つか紹介いたします。これも、理事長からもご紹介したところですけれども、モーリシャス沖での貨物船の座礁、油の流出事故がございましたので、当研究所から専門家2名を現地へ派遣しまして生態系調査等を行い、現地政府への提言等の国際貢献を行っております。

 同じく、海の汚染につきまして、海洋プラスチックも高い関心を集めておりまして、球状の標準粒子の生成方法を確立した、ここも理事長からご説明したところでありますけれども、それだけではなくて、様々なプラスチック関連研究のマッピングをいたしまして、例えば海への流出につきましては、地方環境研究所の共同研究の準備を整え、第5期、今年度から実際に、既に実施しております。

 このほかの例としましては、PM2.5の個人曝露計測のための基盤研究として、小型センサーを開発し、ミャンマーで計測をしたこと。ここでもコロナによるロックダウンの影響ということが検出されております。なお、ミャンマーでは、この計測データを用いたPM2.5の健康影響の検出のための共同研究も現地と共同で実施していたのですけれども、ご承知のとおり、政変が起きておりまして、残念ながら、現在、中断しているところでございます。

 一方、第4期全体についても幾つかご紹介したいと思いますが、こちらは、中長期にわたる継続的な課題を中心にご紹介しておきたいと思います。地球環境分野では、オゾン層の研究も長年にわたって継続しておりまして、成層圏、オゾン、そして温暖化の双方について、不確実性の低減に資する成果を出しております。これにより、オゾン層保護、温暖化対策の両面から政策立案に貢献することができております。先ほど、理事長から、北半球、高緯度のメタンの発生、放出量推計を紹介いたしましたけれども、研究船の船上からのメタンの観測、これによる放出量の推計ですとか、あるいは酸素濃度の測定に基づくCO2の発生源推計なども行っておりまして、国環研ならではの多角的な基礎研究を実施しているというふうに考えております。

 地域を対象とした研究では、霞ヶ浦での貧酸素水塊の解析、それから琵琶湖では、全層循環が止まってしまうというようなことがあったので、これの要因解明などをやっておりまして、大気、湖沼・海洋、土壌といった環境媒体ごとの研究に加えて、浄化対策技術の研究でも成果を上げてきております。

 また、社会環境システム分野では、エネルギー、農業などの経済社会モデルにつきましても、国際的なモデルの研究コミュニティがあるんですけれども、それらにも参加して、COP、締約国会議に向けた情報提供などで貢献してきております。

 全ての分野について網羅的にスライドで成果をご紹介することができませんので、令和2年度につきましては、2枚にまとめております。

1枚目には、環境監視手法・研究手法の開発としての代表的成果。そして、2枚目には、政策的意思決定の科学的根拠となる知見の集積について代表的成果を箇条書でまとめさせていただいております。1点だけ、研究成果の情報発信の強化と対話・交流促進ということで、次のスライドでご紹介したいと思いますが、これは大型の福島県の立体地図プロジェクションマッピングシステムの展示装置「3Dふくしま」と名づけておりますが、これを開発して、福島県環境創造センターの交流棟「コミュタン福島」において、現在、常設展示させていただいております。そこで、様々な研究情報の発信と対話・交流の促進に貢献しております。

 第4期中長期計画全体の代表的な成果につきましても、2枚にまとめさせていただいておりまして、土地の有害物質の起源の判別方法などの環境監視手法・研究手法などの代表的な成果、そして、先ほどスライドで示したオゾン層研究など、政策的意思決定の科学的根拠となる知見の集積、さらには関係機関の連携体制の構築に関しての代表的な成果をこちらに抜粋させていただいております。

 項目番号3の二つ目の区分は環境研究の基盤整備で、これも理事長から説明がありましたように、モニタリングですとかデータベース、それから環境試料の収集・保存・提供などから構成されます。国立環境研究所以外の研究者等の利用者も含めまして、環境研究を下支えするために長期的な取組が必要な事業でございまして、国立研究機関であればこそ実施可能なものというふうに考えております。

 令和2年度のうち、地球環境モニタリングの成果は既に理事長からのスライドにも一部含まれておりましたけれども、ここで、環境標準物質や微生物保存株の提供等を着実に実施しているという状況をご説明したいと思います。

 生態毒性試験株の世界のコレクションのゲノム情報の比較を行うですとか、あるいは世界最大の藻類データベースへの登録を行う。また、インドネシア産の株につきましては、ABS、Access and Benefit-Sharingということで、原産国との間での遺伝子資源の権利のシェアリングでありますけども、こういったものの対応も進めております。

 これらは令和2年度の成果・進展でありますけれども、第4期全体で見ましても、この分野での国際的な進展、非常に大きかったというふうに考えております。

 こちら、環境研究の基盤整備の第4期中長期全体での成果です。個別の説明は割愛させていただきますけども、いずれも長年にわたって継続することが重要な事業をここの区分にまとめているということを再度強調させていただきたいと思います。

 環境研究の基盤整備は、成果が広く活用されることが重要でありますので、それに見合ったモニタリング指標として、外部の研究機関への提供数をモニターしております。

環境標準物質、それから実験水生生物の提供件数は、令和2年度、今中期平均共に、第3期の目標平均を上回りました。

一方、微生物の保存株の分譲数、やや減少しておりますけども、これは、これもコロナの影響でございまして、海外からの依頼が顕著に減少したということが影響しております。

 項目番号3の区分、研究事業でありますけれども、これは国環研の研究と密接な関係を有し、組織的・継続的に実施することが必要・有効な業務で、かつ国環研が国内外で中核的役割を担うべきものを位置づけておりまして、この2大事業含め、合計五つの事業を実施しております。最初は衛星観測、温室効果ガスを観測するGOSATプロジェクトです。GOSATは幾つもの中長期計画にまたがる長期のプロジェクトでございますので、先に4期全体の成果をまとめております。

 まず、1号機につきましては、JAXAから受領したデータの処理、検証を継続しておりまして、これは2009年から温室効果ガスの濃度、吸収、排出量データベースを公開しておりまして、もう10年以上にわたっております。アウトリーチとしましては、IPCCのインベントリガイドライン2019年改良版の執筆などにも貢献しております。

 令和2年度の最新の動向といたしまして、2018年に打ち上げられた2号機、GOSAT-2のデータ処理システムを完成させ、データ提供サイトを更新いたしました。

 また、3号機、GOSAT-GWにつきましては、長期共同研究契約の締結など、関係研究機関との調整、また高次データ処理用地上システムの基本設計など、打ち上げ予定の2023年を見据えた準備を着々と進めております。

 大規模な研究事業の二つ目は、子どもの健康と環境に関する全国調査、いわゆるエコチル調査です。全国約10万組の子どもと両親、お母さんだけではなくてお父さんにも一部参加をいただいておりますけども、それを対象としました世界的にも最大規模のコホート調査でございます。データ、生態試料等の集積・保管業務を行うとともに、実務を担う全国15のユニットセンター、主に医大等でありますけれども、そこにおける業務の支援や結果の解析を行っております。

 前年度から、小学2年生に対する学童期検査を開始いたしました。2年度は、COVID-19感染症の影響は否めないわけでありますけれども、対策を行いながら調査を着実に実施いたしました。

 一方、調査結果の解析もかなり進みつつありまして、例えば、妊娠中の血中鉛濃度が高いと、低い場合に比べて胎児の成長が多少阻害される可能性があるということが示唆されております。GOSATと同様、複数の中長期計画に、期間にまたがる大規模な事業でありまして、別に環境省から示される計画に沿って着実に進めてきております。

 成果の研究として、論文としての発信が増えつつありまして、これまでに英文の原著論文158編を公表しております。

 GOSAT、それからエコチル以外で、比較的、規模の大きな事業が、リスク評価に関する研究事業でございます。生態毒性標準拠点では、メダカやミジンコなどの水生生物を用いた試験法をOECDに提案しておりまして、試験法の検証のため、国内外の機関におけるリングテスト、相互比較を実施しております。また、環境リスク評価事業拠点では、これら一連の法制度、法令の、化学物質に関する基準や指針値の目標値の設定に貢献しております。

 災害環境マネジメントにつきましては、第4期中に、毎年のように地震、風水害等が発生する中で、発災時の現地派遣による現場貢献、これも重要でありますけれども、それに加えて、平時から情報基盤、人材育成、研究者のネットワーク形成などの支援基盤に取り組む。これが非常に重要だと考えておりまして、そういったところで大きな進展があったと考えております。

 社会対話・オフィスでは、令和2年度までには、これまでの経験の集約と共有に加え、コロナ禍でオンラインでの対話機会というのが非常に増えましたので、これの創出を支援しまして、動画配信、あるいはウェビナー等を支援しております。

 対話オフィス全体としましては、社会と研究所との双方向の対話を推進することで、相互信頼関係の向上を目指したものでありまして、これは、4期のスタート時点で、オフィスとして新たにスタートしたものでありますけども、この活動は、第5期は、新たに設置した連携推進部によりフォーマルな形で継承しております。

 以上、環境の保全に関する科学的知見の創出等の推進という区分に含まれる3種類の業務は多岐にわたりますけれども、その成果数の指標をまとめたのがこちらの表です。コロナの影響で口頭発表、特に国外での発表や招待講演が減ったのは他の区分と共通ですけども、査読付論文は、令和2年度に、今大幅に増えておりまして、第4期全体でも第3期中期目標期間の平均件数と同等ないし、かなり上回る数の成果発表を行っております。

 こちらが、外部研究評価の評点でございます。令和2年度中期全体とも全て4点以上の評価をいただいております。特に最終年度は、環境研究の基盤整備で4.4、二つの大きな事業で4.27という高い評価をいただいており、国研ならでは担える活動を長期にわたって継続するということについて、高い支持をいただいております。

 環境保全に関する科学的知見の創出等の推進という項目全体の自己評価ですけども、長年にわたる基盤的な調査研究の蓄積があったからこそ、突発的あるいは喫緊の課題、さらには社会的注目度の高い課題にも対応できたと考えておりまして、自己評価をAとしております。

 第4期全体を通じましても、先ほどの外部評価のスコアに表れておりますとおり、安定して高い評価を得ておりますので、こちらも自己評価をAとしております。

 次に、項目番号4(3)国内外機関とのネットワーク・橋渡し拠点としてのハブ機能強化という項目についてご説明いたします。

 これは、ここまでご説明いたしました(1)(2)のような個別の研究成果に関する項目ではございませんで、それらの研究あるいは事業を進める上での内外の研究ネットワークを横断的に見る項目でございまして、①として、中核的研究機関としての研究連携の強化、②として、プラットフォームの形成による国内外機関との連携という2分野でございまして、それぞれについて評価軸が示されております。

 まず、①中核的研究機関としての研究連携の強化でありますけれども、これは第4期通じての内容として示させていただいております。2017年に設置した琵琶湖分室を核として、琵琶湖環境研究センター、地元の大学、滋賀県の関係機関、さらには企業との連携で、琵琶湖の保全・再生に顕著に貢献する研究が進み、さらに、琵琶湖のみならず全国的な湖沼研究の進展に貢献しております。

 また、地方環境研究所の共同研究のうち、複数の機関との共同研究、非常に熱心に行われておりまして、ここに延べ数を示しておりますけれども、1年当たりで見ますと9課題、それから、1年当たり160機関ぐらいが参加して活発に展開しておりまして、ハブとしての役割を担っていると思います。

 国際連携では、フィンランド国立環境研究所(SYKE)などと北極域の共同研究を実施しております。

 ②プラットフォームの形成による連携ですけれども、コロナ禍で、会議、講演、展示などは例年のような活動はできませんでしたけども、GOSAT各号機につきましては、それぞれの関係機関と協定の更新、契約締結などを進めております。

 また、エコチル調査につきましては、これは、前年度から、全国15のユニットセンターに国環研から委託するという契約形態になりましたので、引き続きガバナンス、リスク管理、個人情報管理の研修などを実施しております。対外活動を展開する他のオフィスも順調に業務を推進してまいります。

 第4期全体の成果は、こちらに改めてまとめております。エコチルは先ほどまとめたとおりでありまして、衛星センターでは、アジア諸国のキャパシティビルディング、それから、リスク評価のオフィスでは、生態毒性標準拠点での国内関係機関との連携推進ですとか、国際機関OECDを通じた各国の試験法関係機関との連携などを進めております。

 なお、中長期期間の3年目の12月に、気候変動適応法に基づきセンターが設置されるまでの間、この研究事業として、気候変動戦略連携オフィスという活動がございました。既に名前が出ましたA-PLATの整備なども、既にその段階で着手しておりましたけれども、詳細は後半の気候変動の適応のところで内容はご紹介させていただきます。

 項目番号4のまとめですけども、コロナ禍でのオンラインコミュニケーションの試みなども含め、国内外の多様な連携によるハブ機能を一層強化し、研究開発成果の最大化に向けて、顕著な成果の創出が認められればと考えておりまして、こちらも項目別の評価をAとさせていただいております。

 5項目にわたる私からの説明の最後は、(4)研究成果の積極的な発信と政策貢献・社会貢献の推進です。これも一つ前の項目と同じく、全ての研究事業にわたって横断的に取り組むものです。この項目は、研究成果の発信・提供、研究成果の政策貢献と活用促進等、社会貢献活動の推進という3項目から構成され、それぞれの発信・貢献先に応じた評価軸が設定されております。

 研究成果の発信・提供のモニタリング指標ですけれども、これはさきに示した区分ごとの成果全体を過不足なく再集計した全体数で、コロナの影響で最終年度に大きく減少した口頭発表件数は、達成目標を僅かに下回っております。1,320、1,347に対して僅かに下回っておりますけれども、誌上発表件数、それから査読付発表論文数は十分に達成目標を達成しております。量が多ければいいということだけではありませんで、論文の質を表す発表論文の相対被引用度の平均値、これは、世界の全論文と同じレベルの場合1.0となりますけども、1.5全体の指標値を得ております。

 その指標で、もう少し多面的に見てみますと、前年度に大幅に増加した招待講演数ですね。これもやはりコロナの影響で減少しておりますけども、それでも、5年間平均で見ますと第3期を上回っております。

 それから、プレスリリースを積極的に行っておりまして、それに呼応する形でメディアへの掲載件数も、特に最後の2年間は非常に多くなっております。

 ②のほうですけども、研究成果の政策貢献の活用促進、これは国や地方公共団体の審議会に積極的に参加しているという様子をこちらの指標で示しております。こちらもコロナで対面会議が減った影響か、最終年度はやや減少しておりますけども、それでも中期全体の平均では第3期を上回る参加人数でございます。こちら、ややビジーなスライドでありますけれども、どういったところで貢献したかということを、主要な事例245件について分類整理を行ったところ、制度面での貢献、制度面の検討での貢献が大きかったということが分かっております。これは、令和2年度単年度の集計ですけども、5年全体でも同様の傾向を得ております。

 三つ目、社会貢献活動の推進です。近年、春、夏の一般公開の入場数が6,000名を超えていたんですけれども、令和2年度はコロナの影響で開催できませんでした。ゼロでございます。それでも4年分で5年平均をした数字というのが3期を上回っております。研究所の成果を分かりやすく紹介する公開シンポにつきましても、例年の対面開催を断念いたしまして、オンライン動画配信といたしましたところ、1万2,000回を超える視聴をいただいております。

 項目番号5、研究成果の積極的な発信と政策貢献・社会貢献の推進の自己評価ですけれども、学術的成果の指標、政策貢献の指標のいずれも目標を上回っており、研究開発成果の最大化に向けて優れた成果の創出が認められたと考えております。これらのことから、こちらの項目も自己評価Aとさせていただいております。

 以上、第3.1.環境研究に関する業務の五つの項目について、個別にご説明申し上げました。5項目それぞれの評価に加えまして、第3.1.全体につきまして評価するよう総務省からの指摘を受けておりまして、昨年度から新たに加えたまとめになりますけれども、5項目、5個に全てAの自己評価としましたので、この区分全体につきましてもA評価とさせていただいております。

 大変長時間にわたりましたけども、第3.1.環境研究に関する業務、第3.1.(1)~(4)までの項目、5番までの、私からの説明は以上でございます。

 ありがとうございました。

【花木会長】 花木です。ありがとうございます。ここでちょっと短い休憩を入れたいと思います。約5分程度しか取れないと思いますが、いわゆるトイレ休憩でありますので、ちょっと一旦休憩します。

(休憩 15時02分)

(再開 15時07分)

【花木会長】 花木ですが、皆さん戻っておられますかね。ちょっとなかなか分からないのですが、大体戻ってきておられると思いますので、続けたいと思います。

 今、国立環境研のほうから自己評価も含めてご説明をいただきました。これから、環境省のほうから評価素案ですね。それについて、ご説明をいただきたいと思います。その説明の中で、そもそも評定区分、S、A、Bという評定区分の考え方、それも含めてご説明をお願いしたいと思います。事務局、お願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 曽宮です。早速お願いします。

これが評価基準でございます。1ページ目と2ページ目ございまして、いわゆる研究に関する事務及び事業のほうからご説明いただきましたが、それ以外のものと、若干ですけれども、異なっている形にはなっております。

 まずは基本的なところ、1ページ目に戻っていただいて、S、A、B、C、D、これは真ん中のほうに説明があるかと思いますけれども、SはSだということで、Aですけれども、難易度を高く設定した目標について、目標の水準を満たしているというのがAということになります。それからBが、目標の水準を満たしているというもの。それから、Cが、目標の水準を満たしていない。Dになりますと、目標の水準を満たしておらず、主務大臣が、この場合も環境省になりますけれども、業務運営の改善その他必要な措置を命ずると、そこまで足りないということですので、Dがつくというのは、ある意味、不合格という感じかなと理解できます。

 それで、SとAなんですけれども、1ページ目に書いてあるのが、全体の説明の順番が逆になってしまいますけれども、研究以外のSとAですけれども、Sというのが、定量的に目標があれば、120%以上で、かつ質的に顕著な成果といったものがあることが必要ということになります。

 それから、Aでございますけれども、Aについては、基本的なそのときの目標をかなり上回っているということになるかと思いますけれども、定量的な指標がある場合は120%以上と、120という数字が最高評価ということになります。

 2ページ目のほうが、研究に関するものになりますけれども、基本的に先ほど申し上げたものと一緒ではありますけれども、研究についても、数字としては、なかなか達しづらいということもございますので、SとAについては、120とか、そういう数字を明示したものはなく、Sについては特に顕著な成果の創出、それから、将来的に特別な成果の創出が期待できる。基礎研究とかで、大きな研究の発展が見込まれる場合、そういったものがSということになります。

 Aについては、これについても顕著な成果ということでございますけれども、一応SとA、これはちょっと相対的ではありますけれども、特に顕著ということで、S、Aが顕著に出てくるという形で、SからBまでを評価するというものでございます。

 それで、資料9-1と9-2をご覧いただければと思います。これが国環研さんの自己評価と、それから、環境省が国環研さんのほうから提出いただいたものを見て、個別の基準について、ここではなかなかご説明をしている時間がありませんけれども、我々の基準に基づいて、環境省の評価というものをさせていただいていて、この表についても、縦が項目、それから横軸が平成28、29、30、令和元年、過去の4か年についても、参考としてここで示して、赤字で囲った部分ですね。令和2年度、それから、中期目標について、昨年度、見込み評価をやってございますので、その見込み評価と、全体、今回5か年が最後まで終わった形の期間評価について、国環研の自己評価と環境省の評価というものを並べて書いてございます。

 先ほど、ちょっと進行について不正確なことを申し上げましたけれども、まず、ここで森口理事からご説明があったのは、第3.1.の部分ということになります。2.と3.は、また、この後に説明がございます。ちょっと間違ったことを申し上げましたので、ここで修正をさせていただきます。

 いずれにしろ、研究そのものと研究に関わる部分ということで、環境研究に関する業務の1.全体、それから(1)重点的に取り組むべき課題への統合的な研究の推進、その中でも①課題解決型研究プログラム、これがかなり、全体の説明の中では、かなりの部分議論していただくようになりますけれども、ある意味主題の部分、研究の主題の部分かと思います。①と、それから②の災害環境研究プログラム。さらに(2)の環境保全に関する科学的知見の創出等の推進。それから(3)ネットワーク・ハブ機能の強化。(4)研究成果の積極的な発信と社会貢献の推進ということになります。

 結論から申し上げますと、国環研さんの自己評価と、それから環境省の評価というものは同じということにさせていただいております。

 これで、資料9-1が全体の話になりますけれども、これのいわゆる論拠を書いたものが実は資料9-2として、これも一つ一つ説明を始めると大変長くなりますので、見方の部分だけお示しをさせていただきたいと思いますけれども、2ページ。お手元にファイルがあれば開けていただければと思いますけれども、資料9-2については、基本的な構成として、評価すべき項目について、目標、それから計画、それから重要度、難易度、計画の中でどうなっているのかといったことをまず書いた上で、我々の評価軸、それから指標ごとの評価が、どういったものを指標としているのかといったものを書いた上で、基本的にはその次に、年度の評価、これも年度評価のポイントというものをまとめさせていただいて、AだったらAということで、項目別評定がAの判断根拠となる主要な事例をそれぞれピックアップして、ポイントを書いてございます。

 続けて、全然画面が出てきませんけれども、令和2年度の評価の後に、5年間の期間評価ということで、期間評価のポイントということで、ポイントを示しつつ、その根拠となる主要な事例が、そこに我々として考えるものを書かせていただいていると、そういう全体構成となります。それが資料9-1に示した、それぞれの項目ごとにこの表を作成しておりますので、資料9-2により詳しく書いている論拠をもって、AならAというふうに評価をさせていただいているということになります。

 環境省側からの説明としては、以上ということになります。

【花木会長】 ありがとうございます。ちょっとおさらいも含めて確認をしたいと思います。資料9-1をもう一回出してもらえますか。これですね。それで、これは下が切れてしまっているのですけれども、もっと下。脚注に重要度、難易度と書いていますよね。先ほど評価のところの説明がありましたように、通常の業務の場合には、平均がBであると。Aを与えるには例えば120%、例えば参加者が増えたとか、そういうのでないとAにならない。だから、研究の場合には、難易度をあらかじめ高く設定しているものについては、その目標を設定した段階で、BではなくてAになるというのがこれは明記されているわけですね。その難易度については、当初の計画のときにこれは定めています。結果を見て、出てきた後で、これは難しかったというのではなくて、当初に、これは難しいんだということで、難易度を高くしたもので、目標通り行ったものがAということです。

 これは上をざっと眺めていただくと、今、赤枠があるところで、下線が引いてあるものが、難易度が高いものですね。これを見ると、1番のところが、これが(4)は難易度が高いのではないのだけれども、(3)までが、1.(3)までですね。そこは全部下線が引いてあるので、難易度が高いということですね。

 それから、重要度「高」というのは、これは丸印がついているのが、重要度が高いということです。その重要度が高いというのは、先ほどの総務省のルールの中で、自動的に重要度が高いのは1ランク上げるとか、そういうようにはなっていないのですけれども、重要度が高いものについては、その項目については重要だからということを考慮して判断すると。そういう仕組みになっています。それが私からの補足説明ですが、事務局、間違っていないですよね、今の説明でね。特に、重要度の扱いというのは、総務省のほうでは、ルールは決めていないですか。

【事務局】 何に重要度をするとか、難易度をするかというのは、各所管省庁に任されておりまして、難易度「高」としたところについては、クリアしている場合は1段高く見ることを考慮するというのが、総務省の指針の中で書かれてはおります。

【花木会長】 一番高く見ていいということですね、重要度が。

【事務局】 1段ですね。一つ上に見ていいということです。

【花木会長】 一つ上に。だけど、難易度で既に一つ上になるんですよね。満たしていて、BじゃなくてAになって。

【事務局】 難易度「高」がついていれば、BがAにというような具合に、クリアしていた場合は考慮できることになります。

【花木会長】 いや、だから質問は、重要度と難易度と両方印がついているときは、難易度は、目標どおりやっていれば、BじゃなくてAになりますよね。さっきの説明だと、難易度のほう。それに加えて重要度がついていると、それよりも、もう一段上にしてもいい。

【事務局】 そうですね。自動的になるわけではないのです。

【花木会長】 自動的じゃないですよね。それだったら、みんなこれSになっちゃうからね。

【事務局】 はい。しやすいということになるかと。

【花木会長】 だから、その辺は裁量の範囲ということですが、基本が、目標どおりやっていると、難易度が高いものについてはAからスタートする、そういうのが全体のルールです。というのが補足説明で、ここからは皆さんのご意見等をお伺いしたいと思います。質問等がありましたら、ぜひお願いします。声を出していただけますかね。

【山室委員】 すみません。今の資料だけですか。それとも、その前の資料も含めてでしょうか。

【花木会長】 その前の資料というのは、森口理事が説明されたものも含めてです。

【山室委員】 分かりました。それも含めてですね。では、山室ですが、資料3について、ちょっと教えていただきたいのですけれども、よろしいですか。

【花木会長】 資料3というのは、パワーポイントですね。

【山室委員】 これの103番目のスライドをご説明されたときに、論文の数と口頭発表の数のところですね。口頭発表件数が達成目標に達していなかったというふうにご説明になったのですが、ここでのこの数というのは、(1)の重点的に取り組むべき課題の①、②と、それから(2)の環境の保全に関する科学的知見という、この三つを足したものと考えてよろしかったですか。

【森口国立環境研究所理事】 お答えしてよろしいでしょうか。ご理解のとおりでございます。課題解決環境プログラム、それから、災害環境プログラムにてそれぞれ集計しておりますし、それから(2)につきましても集計しておりますけれども、一つの論文で、複数の区分に係るものがありますので、若干の重複がございます。そこの過不足を調整いたしまして、ネットの数ですね。論文数の、あるいは口頭発表の数を過不足なく足し合わせたものが、103枚目の数字でございます。

 ちょっと、達成しなかったというふうに聞こえたかもしれませんけれども、コロナの影響もありまして、口頭発表件数につきましては、僅かながら下回っておりますけれども、達成目標、3期の全体としては、1,347であったので、1,320、ほぼ同等程度であったというふうに考えております。それ以外の論文数につきましては、かなり全体として上回ったというご説明をさせていただきます。

【山室委員】 ご説明ありがとうございます。今の説明で分かったのですが、単純に32枚目と54枚目と、88枚目を足すと、1,667の口頭発表件数になって、どうしてこんなに違いが出たのだろうということがよく分からなかったので。

【花木会長】 ダブルカウントがあるということですね。

【山室委員】 はい。こういった資料にちょっと間違いがあると、いろいろよくないので、それで確認させていただきました。

 同じこのスライドなんですけれども、一番下の発表論文の相対的被引用度の平均値というのが、過去10年間の論文データを分析しているので、これを28年度、29年度、30年度として出すというのは、ちょっと理解していただくのが難しいのかなと。つまり、28年度に出てきたのは、その年の過去10年度ですよね。その年から数えた。だから、この中期平均に入れるのに、28年度に、その時点で過去10年間の論文データを分析した値を入れるのが妥当な評価なのかどうかというのが私には理解できなかったのが1点です。

 あともう一つ、別のスライドもあるのですが、それはこれについて回答いただいてからにいたしますか。

【花木会長】 そうですね。はい。

【森口国立環境研究所理事】 よろしゅうございましょうか。研究担当理事、森口でございます。おっしゃるとおりでございまして、これは10年の平均値を、これは毎年外注して、こういった分析を依頼しているのですけれども、これまでスペックとして、過去10年分の平均値として出すということを毎年見てきたわけですけれども、その年に出た論文だけを見るよりショートタームで見るというお考えもあろうかと思います。これはあくまで参考的な指標でございまして、それも参考として示させていただいておりますけれども、10年ではちょっとどうなのかということもありまして、第5期、今年度からは、5年の値ということでできるように仕様を変更しておりまして、今年度分、既に進めておるのですけれども、4期中のものにつきましては、それぞれの年から過去10年分という形でのデータの分析をさせていただいております。ただ、その年に出たものだけということになりますと、ただ、まだ、その年に出た論文ということになると、そこの引用というのが、すぐに反映されるわけではないので、どうしても、そこの時間遅れということはあるかなということで、このようにさせていただいていますけれども、もう少し、期間の対応関係がよりよくなるような工夫は始めつつあるところでございます。

【山室委員】 それに関連いたしまして、例えば、32枚目とか、54枚目とか、88枚目で、口頭発表は、国内、国外で分けられていて、誌上発表は、査読あり、査読なしなのですね。それに対して、ここはWeb of Scienceを使っているということで、恐らくWeb of Scienceを使っているというのは、国際的な評価ということで出されているのですけれども、それであれば、各年度の誌上発表を英文誌か和文誌かで出したほうが、確実に各年度で分かるので、そういった考えもあっていいのかなという気がいたします。ご覧になったように、誌上発表は、国内、国外じゃないのですね。これはご提案です。

【森口国立環境研究所理事】 ありがとうございました。詳細につきましては、業務実績報告書の資料編のほう等で、もう少し載せていくということもあるかと思いますけれども、集計値としては、英文と和文、もちろん査読ありなしと、英文、和文ということで、クロス集計可能でございますので、必要に応じまして、資料をご提供することも可能でございます。ちょっと今日、この場ではご用意できておりませんけれども、所内としては、当然そういう集計値を持っております。

【山室委員】 ありがとうございます。103番については、それで、あと67番目のスライドをお願いできますか。

【花木会長】 スライドを出していただけますかね。67。63でしたか。

【山室委員】 67です。これで、小さくて見にくいと思うのですが、湖沼・海洋系のところで、霞ヶ浦貧酸素要因解明というのがありまして、琵琶湖もその隣にあります。霞ヶ浦で貧酸素というのはすごく浅いので、非常に、何が原因かというのは多分、地元の漁師さんたちもいろいろ漁獲量が落ちているということで気になっているところと思うのですが、これと関連しまして、95番で、琵琶湖については地元と一緒にいろいろやっているというようなことが書かれているのですけれども、この国立環境研究所がある霞ヶ浦については、この95で書かれたような地方環境研究所との共同研究ですとか、地元のいろいろ関わっている方々との関わりというのが一切なくて、先ほどの霞ヶ浦の貧酸素というのも、恐らく地元の漁師さんにとっては非常に気になるところでありますし、環境関係にとっても、例えば、溶出などによって富栄養化がリサイクルしてしまうということもあると思うのですね。なので、霞ヶ浦においては、この琵琶湖でやられているようなことというのは、どうなっているのかなというのが、ちょっと気になりましたので、教えていただければと思います。

【森口国立環境研究所理事】 地域環境研究領域の珠坪副領域長のほうからお答えいたします。

【珠坪国立環境研究所地域環境保全領域副領域長】 ありがとうございます。霞ヶ浦のほうに関しましては、霞ヶ浦の連絡会議というものがございまして、管理に関わっています国土交通省ですとか、茨城県の霞センターの方ですとか、あと、そこにそういった漁業関係者のステークホルダーの方もたまに参加していただいて、こういったモニタリング事業について評価等も行うようにしておりまして、ちょっと説明が足りなかったのですけれども、一応そこの辺も考慮した上での評価というか、モニタリングを実施しております。

【山室委員】 ありがとうございます。そういったことも、摩周湖でも、そちら、いろいろモニタリングもされていますので、特に琵琶湖だけ書くことなく、いろいろなところでやっているよということを出したほうが分かりやすいかなと思いました。

 以上です。

【珠坪国立環境研究所地域環境保全領域副領域長】 ありがとうございました。

【花木会長】 恐らく国立環境研からすると、発足以来、ずっと霞ヶ浦はやってこられたので、それは当然やっています。琵琶湖は最近始めたので、強調された。そういうセンスがあるかもしれませんけれども、初めて外に対して出すには、霞ヶ浦でも当然、地元と一緒にやっていますというのも強調されたほうがいいですね。これはコメントでした。

 あと、いかがでしょうか。どなたでも結構です。

【佐藤委員】 すみません。佐藤ですけれども。

【花木会長】 佐藤先生、お願いします。

【佐藤委員】 質問を二つさせてください。

【花木会長】 どうぞ。

【佐藤委員】 一つは論文数の話です。令和2年度はすごく増えていて、とても頑張っていらっしゃることがよく見えるのですが、この増えた理由は何でしょうか。第4期で、中期計画の最終年度だから皆さん頑張って論文を書かれたのか。それとも、コロナで在宅になって論文を書くという仕事が進んだのか、その辺りについて、ちょっと教えてください。

【森口国立環境研究所理事】 ありがとうございます。研究担当理事、森口でございます。

コロナで、何といいますか、野外調査とか実験とかをやりにくいので論文を書いたというようなケースもあったかもしれません。ちょっとまだ、そういう定量的な分析などはできておりませんけれども、場合によっては、そういうことも可能かなと思います。

 ただ、分野によりましては、それ以外の要因もあったと思っておりますので、地球システム領域長、三枝のほうから、ちょっと補足させていただきます。

【三枝国立環境研究所地球システム領域長】 三枝です。一言補足しますと、この夏から公開され始めますIPCC第6次評価報告書に貢献するための論文発表が、前中長期の4年度目、5年度目に大きく増えました。特にワーキンググループ1の〆切に間に合わせることにより報告書から引用される確率が上がるので、多くのモデルや観測に基づく成果をグローバルカーボンプロジェクトを始めとする各種の国際共同研究に提供するといった活動を行い、かなり頑張って論文をこの期間に投稿しました。

 以上です。

【佐藤委員】 明確なご説明ありがとうございます。納得できました。

 質問のもう一つのほうは、福島の原発事故の放射性物質の環境動態モデルです。これは非常に精度が上がって、中通りにも放射性物質が入っていったことも、ちゃんと再現できるようになったことは、すばらしいと思っておりますが、最近の話題で、福島の原発の処理水や汚染水を海洋に放出するというのがあります。国際的にも随分注目を集めていますが、環境研としては、この問題について、どのように取り組むおつもりなのかということを教えていただければと思います。

【森口国立環境研究所理事】 ありがとうございます。研究担当理事の森口でございます。実は私自身も福島の放射性物質研究、現役の研究者として関わってきたところもございます。

 水のところでございますけれども、正直申し上げまして、福島事故関係の海洋の研究、非常に多岐にわたって実施されている中で、国立環境研究所が必ずしもそこの部分が強いということではございません。

 しかしながら、微量のトリチウムを分析する研究というのは、既に今回の話題になる以前から、事故以降実施をしておりまして、そういった意味で、どこまで今後取り組んでいくかということに関して、明示的に、現時点で第5期計画でも明記しているわけではないのですけれども、福島環境創造センターで、JAEA、日本原子力研究開発機構とも一緒に研究しておりますので、要請があればといいますか、その辺りで必要性があれば、最低限の対応はできるのかなと思っております。

 しかしながら、例えば海のモデルで、流動のモデルなんかにつきましては、大学にも研究者がおられますし、それから、電中研などでもモデラーがおられるわけですけれども、大気のほうは、国環研、複数のモデルを持っておりますけれども、海洋のモデルは、私ども直接には取り組んでおりませんので、現在できることは、トリチウムの微量分析に関しては貢献ができるかなというふうに考えております。

【佐藤委員】 分かりました。ありがとうございました。

【花木会長】 どなたか、いかがでしょうか。

【高橋委員】 高橋です。よろしいですか。

【花木会長】 高橋先生、お願いします。

【高橋委員】 ありがとうございました。大変すばらしい成果がたくさん出ているなというふうに感じました。2点、すみません、お伺いしたいのですけれども、1点目は71ページのものです。今回、特出しで、ちょっとそのお話が出たので、何だろうとちょっと思ったのですが、これは作ったというふうにご報告をいただきまして、これ、具体的にはどの辺にアピールしたいポイントがあるのかというのを、もう少し教えていただけないでしょうか。最終的に評価をするに当たって、中身を知りたいという、そういう趣旨でございます。

【森口国立環境研究所理事】 オンラインで、木村拠点長、あるいは林グループ長、入っておりましたら、回答をお願いいたします。

【林国立環境研究所福島地域協働研究拠点研究グループ長】 福島地域拠点の林ですけれども、どうもご質問ありがとうございます。特に、どういうふうに見てもらいたいかというところですけれども、避難指示があって、それが解除されたというような流れの中で、例えば、人の動きでありますとか、そういったところですよね。あと野生生物がどういうふうに分布しているとか、それと我々が取っている情報をうまく反映させながら、立体的にお見せすることによって、皆さんに、より分かりやすくお伝えできるかというふうに思っています。

 簡単ですけれども、以上です。

【高橋委員】 分かりました。ありがとうございます。これは、コミュタンを訪れた方が、そういった情報をインタラクティブに見えるように、こういう装置になっている。こういうことですか。

【林国立環境研究所福島地域協働研究拠点研究グループ長】 そうですね。幾つか、今申し上げた、人の人口の推移であるとか、野生生物であるとか、その他、産業、もろもろの項目について、個別に、そのボタンを押すと、どういうふうな状況になって、どういうふうになってきたかというのを説明するアナウンスが流れまして、それを聞いていただいて、学習いただくという形になっております。

【高橋委員】 分かりました。ありがとうございました。

 もう一点、すみません。お伺いしたいと思います。もう一点は、105ページ、この表の中に、発明という特許の項目がございまして、国環研さんも発明をされるんだと、正直言うと、ちょっとびっくりしちゃったのですが、業務内容的には、知財とか、そういったものとは少し離れたところでお仕事をされているのではないかなというふうに思いましたけれども、結構な数の特許が出ております。

 ちょっと具体的に、全てをお話しすることは難しいと思いますけれども、具体的にはどんな特許が出るのかというのを少し教えていただけないでしょうか。非常に興味があります。

【森口国立環境研究所理事】 ありがとうございます。岩崎部長、何か今、資料で説明可能でしょうか。

【岩崎国立環境研究所連携推進部長兼研究連携・支援室長】 それでは、非常に簡単な話になってしまうのですけれども、資料としては、先生方のところにあるかもしれませんが、業務実績と報告書の資料編の資料36、ページでいうと、376ページから記載されております。ごく簡単にご説明申し上げます。

【花木会長】 多分、すぐには皆見つからないので、口でおっしゃってください。

【岩崎国立環境研究所連携推進部長兼研究連携・支援室長】 はい。ごく簡単に申し上げますと、例えば、嫌気的な水処理のシステムの開発だとか、それから環境中のモニタリングをする際に、例えば海洋中の有害物質をモニタリングするときに、生物をうまく活用してモニタリングするだとか、それから、あと、環境中の微量な化学物質を分析するというのに新しい手法を用いると。先ほど森口理事からの説明にもありましたAIQSなどについても、その開発には携わっているというようなところでございます。

 あと、いろいろな環境中のモデル開発をした際の、そういったモデルのソフトについても、企業と一緒に特許を出したというような例もございます。

 ちょっと非常にざっくりしておりますが、以上でよろしいでしょうか。

【高橋委員】 ありがとうございました。こういった環境研究というか、一言で言うと、理学的な研究を主としてされているところだと思うのですけれども、こういったことにも積極的に取り組んでおられるというのは大変すばらしいことかなと、どうもありがとうございます。

【花木会長】 ありがとうございます。それでは、ほかの委員の方、いかがでしょうか。

【中村委員】 中村です。よろしいでしょうか。

【花木会長】 はい、中村先生、お願いします。

【中村委員】 3点あって、全て述べます。時間がないと思いますので、簡単に。27ページぐらいに適応策と緩和策の話が出ていると思います。

 それで、2050年のカーボンニュートラルを日本が宣言していく、再生エネルギーの導入というのがすごく盛んに実施されるようになってくるし、実施されていると思います。特に気になるのが、緩和策としての、例えば再生エネルギー導入としての太陽パネルであったり、風車であったり、特に太陽パネル設置のために、例えば森林が伐採されて、適応策である、森林のグリーンインフラとしての機能が低下するとか、言わば適応策と緩和策のミスマッチみたいなものが起こっていると思うのですよね。そういった部分について、環境研のほうでどんな取組がされているのか。できれば、ぜひ、そういう取組、たしかもう既に、Science of the Total Environmentか何かに国環研のメンバーが論文を書いておられたと思うので、そういった成果を基に、国のほうに、ミスマッチが起こらないような政策誘導をしていただきたいなと思います。もしその辺の取組があれば教えていただきたいというのが1点目です。

 それから2点目が、災害環境研究プログラム、プロジェクトの2なんですけれども、特に廃棄物、放射性物質の廃棄物問題を取り扱われていると思うのです。それと同時に、台風19号の水害の問題も扱っておられて、多分、廃棄物としても、放射能を含んでいる廃棄物と、言わば気候変動の豪雨災害なんかで出てくる廃棄物等では、おのずと処理の仕方というのは変わってくると思います。データベースも構築されているということで、災害の種類による廃棄物の処理の問題なんかをどういう形で捉えておられるのか、その辺を教えてください。

 それから、最後に、山室委員の発言のときに、私もあれっと思ったのですけれども、論文の本数とか何かで、ダブルカウントがあるとおっしゃったと思うんです。これは、本数が評価の対象になるならば、言わばダブルカウントがどのぐらいあって、どんな基準でその領域に、その論文がアサインされているのかというのを明確にしておかないと、極端な例で、たくさんダブルカウントすれば、たくさんの本数になってしまうという、社会から見ると疑われてしまうので、その辺の基準も分かったら教えていただきたいと思います。

 以上、3点です。

【森口国立環境研究所理事】 時間がございませんので、まとめて研究担当理事の森口から回答させていただきたいと思います。

 まず、適応策と緩和策につきましては、特に太陽光パネルの話がございまして、統合のプログラムのほうにも関係いたしますけれども、特に22ページで示しました自然共生研究プログラムのほうで、再生可能エネルギーの適地と、それから生態系保全ということで、やはり保全すべき土地との関係性ですね。こういったことについて、最近プレスリリースとかをしておりましたので、それがお目に止まったのではないかなと思いますけれども、これにつきましては、第5期も、より明確な形で、緩和策と適応策と両方見る形で、気候変動イニシアティブというのを第5期には立ち上げておりますので、そういった中で、より両者横断的に見ていけるのではないかなと思います。

 2点目につきましては、おっしゃるとおりで、東日本大震災の頃から、実は、当初は福島の研究以前に、岩手、宮城の津波被災地等における災害廃棄物、これも、微量ながらも放射性物質に汚染されていた部分はあるのですが、これは特に量の多いものということでありました。津波被災地は塩分がありますので、通常の水害とは、また違う難しさがあるのですけれども、そういったことに関わって、特に津波の廃棄物で得た知見というのは現在の水害のほうにも相当生かされておりますし、放射性物質で汚染された廃棄物、かなりメンバーとしては重なっておりますけれども、それぞれ取り組んできておりますので、当然それらについては認識をしております。ただ、この二つだけでいいのか。さらにその災害に伴う廃棄物という点で取り組むべきところがないかどうかということについては、少し考えていかなければいけないかなと思います。

 3点目は、非常に私自身も問題意識を持っておりまして、そこの部分が、一つの研究の中で、複数の研究の区分に対して、現在の成果登録としてひもづけられるような仕組みになってはいるのですけれども、やはり主たるコントリビューション先はどこかということが明確になりませんと、おっしゃるようなふうになりかねませんので、第5期には、成果登録のシステムの中で、プライマリー、どこの研究区分に対してが一番であるかということは明確に申告する仕組みにしておりますので、第5期の報告の中では、なるべくダブルカウントのない、なるべくといいますか、基本的にダブルカウントのない形でやりたいと思っております。場合によっては、エフォートの配分みたいなものになるのかもしれませんけれども、こちらで何%というような配分ができればと思っていますけれども、第4期までの成果の登録システムの中で、ちょっとその辺りが、複数のものが選べる設計になっておりましたので、それを基に集計をしております。そういったことがないように、103ページの、トータルとしての成果の報告という中では、そういうことがない形で示させていただいております。

 なお、3期と4期との比較という点では、総数のカウントの仕方については一貫しておりますので、絶対数については若干多めに出ているかもしれませんけれども、3期と4期の比較という点においては、指標としては変わっていないというふうに考えております。

 以上です。

【中村委員】 ありがとうございました。

【花木会長】 あと、いかがでしょう。

【大久保会長代理】 大久保ですけれども。

【花木会長】 大久保先生、お願いします。

【大久保会長代理】 森口理事から、分かりやすく要点を得たご報告をいただきましたので、1点だけお伺いしたいと思うのですけれども、105をお願いいたします。統合的な取組という観点から、ぜひとも環境省だけではなくて、農水でありますとか、経産でありますとか、国交省でありますとか、様々な省庁の施策に反映してもらえるとよい様々なデータ、あるいは政策のインプリケーションが出てきていると思うので、あくまでもその観点からお伺いしますけれども、国の審議会等への参加人数というところで、自治体のほうは、それほど縦割りというのがないと思うのですけれども、国の審議会で、環境省以外のものへの参加状況というのが、何らかの形で統計的に取られているのかどうかということと、これはあくまでも相手方から呼ばれないといけないということになりますので、仮に呼ばれなかった場合でも、何らかの形で、研究所同士を通じてでもいいのですけれども、成果をお互いに反映したりするための取組として心がけていらっしゃることがありましたら、ぜひお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

【花木会長】 これはどなたが。

【森口国立環境研究所理事】 森口からお答えしまして、必要に応じて企画部、連携推進部等からお答えいたしますけれども、お届けしている資料では、業務実績報告書の資料編の299ページ以降に、資料34ということで、各種審議会委員等の参加状況がございます。環境省から始まっておりまして、官房、各局、どこのものかということがあるのですけれども、その後に、内閣府ですとか、厚生労働省、経済産業省、国土交通省等、内訳が書いてございます。ちょっと数字として示してございませんけれども、非常に重要なご指摘だと思います。特に、気候変動適応なんかの分野におきましては、事業官庁との関係等、今後さらに深まっていくかと思いますので、単に国の審議会ということではなくて、環境省のみならず、省庁の環境に関わるこういった事業の政策決定に、いかに貢献しているかということが、より明示的に示せるように、第5期におきましての集計を工夫させていただきたいと思います。

【花木会長】 よろしいでしょうか。

【大久保会長代理】 ありがとうございます。

【花木会長】 どなたか。

【郡山委員】 すみません。郡山ですけれども、よろしいでしょうか。

【花木会長】 郡山先生、お願いします。

【郡山委員】 今の大久保先生の件とも、若干関連がありますけれども、私はやはり医学系のほうから見て、エコチルの研究は大変とてもすばらしい重要な研究だと思っております。その研究に関しても、やはり、ほかの厚労省であったり、あるいは文科省であったり、そういったところとの連携が現在どうなっているのかとか、あるいは今後どういう計画であるのかとか、何かそういったところが、まず教えていただきたい点と。

 すみません、全部で2点なんですけれども、もう一点は、資料3の26のほうに、例えば、所内でされている、これは多分、基礎的な研究で、ビスフェノールの曝露によった、アレルギーのぜんそくの肺炎症の研究であったりとかがありますけれども、こういった基礎的な研究をエコチルのような疫学研究と連動させるというか、結びつけて、何か工夫してやられるということが、少し見えてくるといいのかなとも思いましたけれども、そういった点はいかがでしょうか。

【森口国立環境研究所理事】 ありがとうございます。必要に応じて、担当のユニット長から補足するかもしれませんけれども、エコチルにつきましては、現在、定められている調査の計画を、例えば何歳まで、今は、ある年までで打ち切るということになっているのですけれども、せっかくのコホートなので、さらに続けるべきではないかという議論ですとか、厚生労働省で所管しておられる、ほかの様々な調査とのリンクをどうしていくのかということの議論がございます。

 ただ、建てつけとしましては、これは冒頭に理事長からご説明したこととも関係するのですけれども、私ども国環研で決めるという建てつけにはなり切らないところがございまして、現在、環境省のほうでも、その人の検討会を開いていただいていると思いますけれども、エコチル調査の、将来どのようにしていくのかということについて、まさにそういった検討が、これからなされていくところかと思います。必要に応じて、研究担当理事ではございませんけれども、企画総務担当理事、以前エコチルの担当次長をしておりましたので、そちらの補足があるかもしれません。

 それから、もう一点の基礎研究といいますか、リスク、あるいは健康関係の基礎研究的なものとエコチルとの接点といいますか、場合によってはシナジーみたいなものかと思います。こういったところは、私ども非常に意識をしておりまして、現時点では、エコチル調査に携わっているメンバーが、実務に忙し過ぎて、なかなか自ら研究をやる時間が取りづらいというところがございますので、これは我々、マネジメントガバナンス側の課題となっておりますけれども、ご指摘のあったようなことがよりうまく進むように、ご助言として受け止めたいと思っております。

 では、是澤理事から若干補足いたします。

【是澤国立環境研究所理事】 若干補足をさせていただきます。私も担当していた時代が古いものですから、最近の情報は十分に把握しているわけではないのですけれども、今、先生からご指摘のあったところ、大変重要なポイントでございまして、いかに厚労省、文科省をはじめ、関係する省庁と連携しながら調査を進めていくかというところ、重要視して、いろいろな研究計画の検討を行っているところでございます。そもそもエコチル調査、国立環境研究所が中心となって、具体の計画の立案等進めておりますけれども、重要なパートナーとして、国立成育医療研究センター、厚労省の所管でございますけれども、そちらとも常に情報交換、意見交換をしながら研究を進めているという関係もございまして、厚労省とは、そういう意味で、ある程度連携を取りつつ、実施していく、そういう体制はできているというものだとご理解いただいてよろしいかと思います。ただ、まだまだ十分でないところがありますし、また、新しい調査等を進めていくに当たっては、これからもよりその辺りを強化していかなきゃいけないという部分は当然出てこようかと思いますので、今、環境省のほうで、ちょうどエコチル調査、13歳以降どうするかという検討会が開かれているところでありますので、そういった中でもご議論をいただきながら、今後の進め方を考えていくことになろうかと思います。

 以上です。

【郡山委員】 ありがとうございました。欧米でも、胎児期のいろいろな環境が、成人になってからの健康に影響するという仮説に非常に注目が集まっておりますので、ぜひ継続をご検討いただければと思います。ありがとうございました。

【花木会長】 ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。環境省のほうからご提示いただきました素案はAだったですね。Sはなかったと思いますが、それについて、特に自分は違うと思うというような意見はございませんでしょうか。最終決定は、この審議会ではなくて、環境省のほうでされるわけですけれども、概ね妥当だというふうに皆さん判断されたというように理解いたしました。ありがとうございます。

 それでは、後半部分について、これは国立環境研の是澤理事からだと思いますが、ご説明いただけますでしょうか。お願いします。

【是澤国立環境研究所理事】 企画総務担当理事の是澤でございます。資料3の後半、20ページあまり、111枚目以降のスライドになりますが、ご説明いたします。赤枠で囲った部分の評価でございます。

 自己評価の総括表でありますけれども、令和2年度の年度評価、第4期の評価共に同じ評価にしております。

 第3.2.のところ、環境情報の収集、整理及び提供に関する業務をA、その下の気候変動適応に関する業務をS、それから第4.2.の業務の電子化に関する事項をAとしておりますが、その他は全てBという自己評価でございます。

 環境情報の収集、整理及び提供に関する業務について、ご説明いたします。国環研が自ら実施しております研究の成果にとどまらず、様々な環境の状況、環境研究・技術に関する情報を、収集、整理をして、環境展望台というウェブサイトを通じて提供しております。ニュース・イベント、研究・技術、政策・法令、環境学習、GIS的なもの、様々なものについて、最新情報の追加、更新等を行いつつ、提供をしております。

 令和2年度におきましては、大気汚染予測システム、これは研究のほうでもご紹介しました、VENUSというものでありますけれども、その予測期間の延長などの改修を行いました。

 それから、スマートフォン専用ページの新規作成。これは申し訳ないのですが、ちょっとまだ公表できておりませんで、最終調整中でありますけれども、作成をほぼ完了したということでございます。

 そのほか、数値目標で掲げております情報源情報、各種の情報にキーワードとしての情報を付加したものでありますけれども、その目標数2,400に対して実績は2,882件ということで、上回る数値を達成しております。

 第4期全体といたしましても、先ほどのVENUSについての様々な改良のほか、環境指標統計に新しいコンテンツを追加したというもの。これも研究のほうで紹介がありましたが、家庭からのCO2の排出量の推計結果といったものでございます。そういうことを行っております。

 また、セキュリティ強化のために全ページの常時SSL化も進めましたし、「環境GIS」上のデータを利用しやすくするためのリニューアルといったことも実施しております。

 先ほどのメタデータの目標を大きく上回る数を提供しておりまして、項目別評価についてはAとしております。

 続いて、適応に関する業務について、ご説明をいたします。これも緩和策、適応策、両方必要、重要ということで、適応法ができ、国立環境研究所に気候変動適応センターが開設されたということでございます。

 このスライドでは、業務の実績の概要と評価についてまとめております。第4期の見込み評価、あるいは令和元年度の年度評価、いずれもSをいただいておるわけですけれども、それに引き続き、令和2年度の実績、あるいは4期の全体についても、Sというふうに考えております。

 ポイントといたしましては、まず、国内外の研究機関・地方公共団体と連携して、学際的な研究を推進し、それを社会実装につなげ、進めているということでございます。

 下のほうになりますけれども、実績としまして、地域適応計画(86件)の策定、あるいは適応センター(40件)の設立につながるような貢献ができたと考えております。

 また、情報基盤としても、先ほど来、話に出ておりますA-PLATにつきましては、目標を年間35万ビューというのを立てておりましたけれども、これが約90万を超えております。

 AP-PLAT、国際的なほうの情報基盤ですけれども、これも、予定よりも1年前倒しで公開することができたということでございます。こういったことから、S評価という自己評価をしております。

 もう少し、国際への貢献をどのような形で進めているかというのを簡単にまとめたものがこちらでございまして、左下のほうに、適応研究の推進とあります。省内に気候変動適応研究プログラムを編成いたしまして、これは、右側の図では、青の部分の五角形のところになりますけれども、三つのプログラムを実施しつつ、その成果を国策に貢献するというような形で進めております。

 また、このプログラム以外にも、これは右の表では、グレーの部分になりますけれども、研究者が幹事を務めつつ、所外の各分野の専門家も集めた有識者会合を開催いたしまして、観測・監視の検討チーム、予測・評価の検討チームというような形で、研究プログラムとともに国の影響評価報告書へのインプットを行っております。

 さらに、右側のほうですね。緑色の五角形がございますけれども、環境省が主導しております、いろいろな大きな適応関係のプロジェクトにおいても、国立環境研所として中心的な役割を果たしているということでございます。

 協働体制の確立・強化についてでございます。自治体に対する技術的な援助ということにつきましては、まず共同研究の実施というものもございますし、研修や意見交換会の開催、あと、いろいろな数で申し上げますと、講師派遣が98件、そこに参加した方々が合計で6,000名。それから、適応関連の検討会にも参画をいたしまして、4期中では121件という実績でございます。

 それから、近年、企業の気候変動関連リスクに関する情報開示も広がりつつありまして、事業者の関心も高まっておりますが、それを支援するために、A-PLATからの情報発信とともに、ワークショップやシンポジウムの開催なども実施をしているところでございます。

 右側のほうに、情報基盤の整備ということで説明しておりますが、これは今ご説明したとおりで、A-PLAT、AP-PLATともに目標を上回る成果を上げているということでございます。

 さらに、これらの活動を支えるために、ほかの研究機関との適応に関する連携・協働を深める場として、21の機関が参画する「気候変動適応に関する研究機関連絡会議」というのを立ち上げまして、昨年では3回研究会を実施するというような活動を進めております。

 こういった活動が、地域の適応センターの設置、あるいは適応計画の策定にどのようにつながったと見るかということでございますが、実績といたしまして、今、適応センターは40自治体、適応計画は81自治体で策定されているということでございます。

 政府の目標といいますのは、法施行後5年ですから令和5年12月、2023年12月までに、47都道府県にセンターの設立、47都道府県と20政令市で適応計画の策定ということを目標に掲げておりますので、それと比較をしましても、大変順調に進展をしており、これに国環研も貢献できたというふうに、自己評価をしております。

 研究の関係につきましては、気候変動適応研究プログラムの中、三つのプロジェクト、観測・監視・検出、それから予測手法の高度化、適応戦略というのを掲げまして、これらで得られた研究成果を、下にありますが、A-PLAT、AP-PLATを通じて、広く一般や途上国に提供しているということでございます。

 幾つか、研究成果の例をご紹介いたします。

 まず、観測・監視・検出の関係のプロジェクトにおきましては、気候変動の影響の検出のための生態系の長期モニタリング体制との構築をいたしまして、変化要因の解析手法を開発しております。また、各調査のデータの整備や再調査によりまして、気候変動影響の解明、脆弱域の抽出、データ公開のところを進めております。

 具体的な成果といたしまして、まず、左上の図は、これは70年代に環境省によって行われた特定植物群落調査と同じ場所におきまして再調査を行いました。200地点ぐらいありますが、その解析をした結果、全ての森林タイプで、過去50年間に生態系の寒冷地移動を検出したというものであります。

 右上の図は、ボルネオ島を対象に衛星データや降水量などの各種データを解析して、降水量減少に伴って森林火災が増加するという定量的関係を示したものです。

 左下は、サンゴ分布の現状調査、将来予測を踏まえまして、保全優先海域を解明したと。これも研究のほうで一部、成果評価、ご紹介があったかと思います。

 右下は、世界のマングローブの分布データを整理・公開したものでありまして、生態系機能を活用した防災・減災にも貢献できる、そういう成果になっているかと思います。

 2番目のプロジェクト、影響評価手法の関係につきましては、第5期の研究プログラム、あるいは環境省が主導するような大型の適応戦略研究プロジェクトで利用するための共通気候シナリオを開発いたしまして、広く所外も含めて配布をしております。

 個別セクターについて申し上げますと、企業の利用も視野に入れつつ、この水資源のリスクに関する世界モデルを確立いたしまして、また、ウェブインターフェースのようなところの開発もいたしました。

 右下の図では、熱中症の救急搬送者予測モデルの作成をご紹介しております。

 それから、三つ目のプロジェクト、適応戦略の関係でありますけれども、これは諸外国の適応関係のポータルサイトの調査・分析なども行って、A-PLATや、AP-PLATへの改良の示唆もいろいろ得ております。

 また、研究成果といたしましては、将来の気候変動影響を検討する上での基盤となる社会経済シナリオ、SSPでございますが、その日本版を作成しております。

 五つのSSPに対応した市区町村別の人口やメッシュ別の将来人口シナリオを、A-PLATを通じて配布しております。また、そのほかにも、例えば、右側の図にお示ししておりますような、自然保護区に対する適応策構築のフローの作成なども行っておりますし、この成果については、国立公園等の保護区における気候変動への適応策検討の手引きということで、環境省の発出した手引きにも採用をされております。

 以上、適応関係のご説明でございますが、目標策定時に想定した以上の政策実現への貢献をできているというふうに考えております。

 また、目標で難易度の高い項目ともされておりますので、評定を1段階引き上げることも可能ということを考慮しまして、S評価とさせていただきました。

 続いて、業務への効率化についてのご説明に移ります。最初に、業務改善の取組についてでありますが、経費の合理化・効率化につきましては、光熱水料が大きく減少したというところが挙げられます。ただ、これは、努力の結果というよりは、消費電力の大きい施設で改修工事が行われたことであるとか、あとは電気料金の燃料調整費が減額されたということが主な要因と分析しております。

 人件費につきましては、事務系職員のラスパイレス指数が5.2減少しておりますが、これは制度を変更したというものではなく、人事異動の影響を受けたものでございます。昨年もご説明しましたが、分かりにくいので補足させていただきますが、国立環境研究所は、事務系職員の独自採用を開始してから、まだ10年ぐらいたったところでございますので、年齢層の高い区分の職員というのは大半が管理職であり、かつ国からの出向者でそれを賄っているという状況にございます。このため、ラスパイレス指数を算出すると、どうしても高めに出てしまうと。また、そもそもの人数が少ない中で、管理職の人たちが年度途中で異動すると、算出対象に入らなくなって、このラスパイレス指数が下がると、そういう関係がございます。ただ、いずれにしても、水準的には妥当なものだというふうに私どもは考えております。

 調達等の合理化につきましても、例年どおりの取組でございますが、適切に進めてきたと考えており、全体の評価はBとしております。

 業務の電子化でございます。スーパーコンピュータシステム、20年3月から運用を開始しておりますが、計算能力を向上させ、保存容量を拡大し、一方で、運用費用は年間1億円削減することができました。

 それから、ネットワークシステムにつきましても、更新して、さらなる高速化、全所無線LANの実現等を実現したところでございます。

 その他、コロナ禍での自宅就業の支援ということで、緊急的なノートパソコンの調達であるとか、VPN接続環境の整備を行ったところでございまして、WEB会議システムの活用等も含めまして、積極的に推進してきたというところでございます。

 第4期全体としましては、外部ネットワーク回線の切替え、会議のペーパーレス化、WEB会議システムの活用等も進めておりまして、業務の効率化や経費の軽減に大きく貢献できたということで、項目別評価をAとしております。

 一部、申し訳ありません。令和2年度の下の、一番下のポツのところで、経費削減及びというところで文字が切れてしまっておりますが、これは業務の効率化が図られたということが、なぜか、すみません、ちょっと切れてしまっております。失礼しました。

 第5、財務内容の改善に関する事項に移ります。自己収入につきましては、未成受託支出金、契約期間が翌年度まで繰り越された業務のうち、既に執行済みのものということでございますが、それを含めますと、第3期と同水準であったということでございます。

 競争的資金については、若干3期の年平均額よりは低い水準ではございました。

 保有財産の処分等については、所内の検討会の分析も踏まえまして、提言を取りまとめたところでありまして、第5期の中長期間中に、その具体化を進めていきたいと考えております。評価はBとしております。

 失礼しました。過去5年間の予算とその執行状況でございますけれども、推移で見てまいりますと、まず、運営費交付金が、令和元年度以降、増額しているというところが見えるかと思いますけれども、これはエコチル調査の関係で、全国15のユニットセンターにおける調査業務を、環境省からユニットセンターに委託していたのですが、それを国環研からユニットセンターに委託するという形に変更したことに伴うものであります。

 また、令和2年度は、中長期の最終年度ということもありまして、執行額を見ますと、例年よりもかなり大きな金額になってございます。

 それから、一般管理費につきましては、平成30年度以降、執行額が増加しているように見えるかと思いますけれども、この辺りは、新しい会計システムの導入でありますとか、文書管理システムの検討、あるいはカード式施錠システムの導入といったような電子化の推進をここ数年進めておりまして、そのための支出が増えているということでございます。

 受託経費の欄は、先ほどの自己収入の部分になります。

 第4期全体として見れば、第3期とほぼ同水準の数字だったかというふうに評価しております。

 その他、財務状況に関する情報につきましては、資料7のほうに決算関係の書類を添付しておりますが、説明は省略させていただきます。

 以上の状況を踏まえまして、この項目についての評価はBとしております。

 第6、その他業務運営に関する重要事項のほうに移ります。ちょっと時間も限られておりますので、端折らせていただきます。

 内部統制につきましては、これは、国立環境研究所では、毎月、理事会のほかに幹部会、あるいは運営戦略会議というものを開催いたしまして、そこで課題の共有、検討を行いながら所の運営を進めているというところでございます。研究業務のPDCAにつきましては、冒頭でご説明いたしましたし、内部統制の関係につきましても、例年どおりの取組でございますが、着実に進めているということでございまして、資料8に幹事監査の報告等もございますが、特段な問題は認められない、適切に行われているというご意見をいただいております。第4期全体としても重大な問題はなく、進めておりますので、自己評価はBとしております。

 人事の最適化につきましても、クロスアポイント制度の活用が5名、インターンシップ生の受入、これも5名というようなところでございますが、女性活躍推進法に基づく行動計画の策定等も含めて着実に進めているという状況でございます。第4期全体の取組も含めまして、項目別評価はBとしております。

 それから、情報セキュリティ対策につきまして、令和2年度におきましては、サイバーセキュリティ戦略本部、内閣府の組織でございますが、そちらのペネトレーションテストであるとかマネジメント監査を受けましたけれども、脅威度の高い重要な指摘事項というようなものはなく、幾つかいただいたものにつきましては、適宜対応、あるいは今後の対応予定としております。

 次世代のセキュリティ対策ソフト、EDRというようなものでありますとか、USB接続デバイスの管理強化というのを行っております。評価はBとしております。

 施設・設備の整備、管理運用につきましても、老朽化設備の更新であるとか、これは引き続き運用しております「スペース課金制度」というものを使いまして、空きスペースの有効活用を進めているという状況でございます。

 中長期を通じまして、様々な老朽化設備の更新を進めてきたこと。あるいは、一番の重要課題は、このキャンパスをいかにCO2排出削減も見据えつつ更新していくかということでございますが、マスタープランの策定等も行ったというところでございます。評価はBとしております。

 安全性管理については、基本的には例年どおりの取組でございますが、何といっても新型コロナウイルス対応ということで、理事長をトップとする対策本部の下で様々な取組を進めてきたというところでございます。これまで所内1,000名ほど職員がいる中での感染者の発生は1名ということでございまして、何とか、この状態を維持したいと思っております。評価はBとしております。

 業務における環境配慮も、これも例年どおりの取組でございます。評価はBとしております。

 それから、次期中長期計画に向けても、特にステークホルダー会合、経済界、メディア、環境NPOの方々からのご意見などもいただきつつ、対話を進めて、次期中長期計画の策定を進めました。項目別評価はBとしております。

 最後に、自己評価の総括表、再度、ご説明させていただきます。

【花木会長】 それはもう聞いたので、いいです。

【是澤国立環境研究所理事】 分かりました。

【花木会長】 この後すぐに出てくるので。ありがとうございます。

 それでは、事務局から、ちょうど今、表が出ていますけれども、これに対して、環境省の評価も含めてご説明いただけますか。

【曽宮環境研究技術室長】 曽宮でございます。結論から申し上げますと、ここに出ている国環研さんの自己評価と同じということにさせていただいております。特に注目すべき、あるいは議論になり得るところは、やはり気候変動適応に関する業務、S評価ということになるかと思いますけれども、ここについては、昨年度も、仮評価の中でSという評価をさせていただいてございますけれども、我々としても、先ほど是澤理事のほうから、根拠については、ご説明が詳しく載っていましたので、それについて、ここでは繰り返しませんけれども、是澤理事からご説明したものについては、我々としても、これは担当であります地球環境局との評定をした上で、妥当であろうということで、S評価と。昨年度の暫定評価と同様の、Sでよいのではないかというふうに考えてございます。

 あと、もしかして議論になり得るとすれば、財政のところの自己収入の部分かと思ってございまして、ここについては、ごくごく厳密に言うと、少し金額的に足りない面というのもあるかもしれませんけれども、評価の基準としては同様の水準に達していると、そういうことでございますので、厳密に数字が、単に足りないからといって、即Cになるというものでもないのかなというふうに思ってございますし、ここでまた詳しくはご説明いたしませんけれども、諸々の諸事情を勘案しても、Bの自己評価、国環研さんの自己評価と同等の評価でよいだろうというふうに考えてございまして、あと1点だけ、S評価という、その論拠については、我々としての論拠は、資料9-2でいえば、27、28ページのところにございまして、すみません、ここについてもミスプリがありまして、項目別評定Aの判断根拠となる主要な事例というか、そういうふうに書いてしまっておりますが、ここは完全な書き違いでございまして、項目別評定Sの判断根拠ということになります。

【花木会長】 資料9-2ですね。

【曽宮環境研究技術室長】 そうですね。資料9-2の28ページが根拠になっております。私からは資料10の説明が、あわせて残り1分ぐらいでさせていただければと思います。

 資料10というものについてございますけれども、これは昨年度の実績評価書において、環境大臣のほうから指摘を幾つかしてございます。それに対応して、国環研のほうで講じてしていただいたものを書いているところではございますけれども、例えば、指摘自体は、ある意味、何というか、一般論ということで、今後ともリーダーシップをちゃんと取って、環境政策、先導的な方策を展開してほしいということですね。あと、研究連携の強化を着実にしていただくべしと、あと予算の執行・管理体制の維持に努められたいと、そういうことの指摘でございますので、それに対して、国立環境研究所においては、適切に大臣の指摘に対応した措置を講じられているというふうに私どもとしては理解をしております。資料10についての説明は以上となります。

 私からの説明は以上です。

【花木会長】 ありがとうございます。恐らく確認が必要なのは、気候変動適応のところのSの評価だと思うのですね。この審議会で、1年前になると思いますけれども、いろいろ、これはSかAかという議論をしました。その結果として、Sとして、この審議会としても示唆をしたわけですね。今回、それとの、去年の判断との整合性からいうと、こういうことになると思うのですね。中期計画の評価について、去年は見込みでやった。それでSだった。だけど、今年は、令和2年度の結果が出ている。そうすると、令和2年度が見込みどおりいか。ず、何か悪いことがあったら、Sじゃなくて、多分格下げというのがあるのだけれども、大体見込みどおりであれば、昨年の判断を踏襲させていただくのが、連続性があるかなと思っています。

 それから、単年度のほうでは、これは単年度なので、毎年状況は変わるのですけれども、令和元年度に比べて、令和2年度が、進展の速度が遅くなった、あるいは含めていく自治体の数が、全然例えば増えなかったとか、そういうのがあれば、SじゃなくてAになるかなと思うのですが、令和元年度と同程度の進展が、令和2年度でも行われたということであれば、去年の判断基準からいくと、Sになるかなと、ちょっと私は思うのですが、この辺も含めて、委員の方々からご意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

【大久保会長代理】 大久保ですけれども。

【花木会長】 はい、ちょうど指名しようと思っていたので、お願いします。

【大久保会長代理】 私も去年との整合性ということを考えますと、今、花木先生が整理していただいたとおりになるかと思いまして、それに異存ありません。

 ただ、スライドの116では研究に関することが全然出てきていないのですね。モニタリング指標としては、論文数が入っていて、去年は、最初の立ち上げだったからということもあると思うのですけれども、今年は、117以降のスライドでは研究のことも書かれています。研究のほうは、推進費との評価のデマケも難しいのかもしれませんけれども、何も研究のことが入ってきていない116のスライドというのはどうなのかなという気もするのですが、ここはどうなのでしょう。

【花木会長】 これはどなたが、是澤さん。

【是澤国立環境研究所理事】 適応センターの副センター長からご説明させていただきます。

【吉川国立環境研究所気候変動適応センター副センター長】 適応センター副センター長の吉川でございます。ご説明させていただきますと、ちょっとこちらの116ページの資料に、研究数、論文発表数についての記述を書いているのは、大変申し訳ございません。データとしては、資料のほう、中長期目標期間の業務実績等報告書のほうに掲載をしておりまして、論文の発表件数順に、令和元年度、それから2年度と増加していると。誌上発表数、査読ありが、元年度は71件だったところ、令和2年度は93件という形で、査読あり、査読なしの誌上発表数、それから口頭発表の国内件数、国外件数、こういったものについて概ね増加をしていると。ちょっと国外の口頭発表についてはコロナの影響がございまして、令和2年度は元年度に比べて減少しておりますけれども、そういう状況になっております。

【花木会長】 今の補足説明ということですが、大久保先生、よろしいですか。

【大久保会長代理】 はい。絶対評価としては、私、S評価で異存ありません。

 それで論文に関しては、結局、主な柱に入れてしまうと、別の項目の評価との整合性ということもあるから入っていないというふうに理解すればいいんですかね。何%増加とかいうことが、適応に関しては、もともと計画に位置づけられていなかったので、その点で、何%増加とかいう指標もないので、S評価に直接つながるデータとしては、書く必要がないという、そういう理解でいいですか。

【花木会長】 そうですね。判断基準に論文は入ってはいないですか。もともとの目標として。

【大久保会長代理】 モニタリング指標には、報告件数が入っているのですけれども、ただ、幾つとかいう基の数が設定されていないので、そこが難しいというふうに理解すればいいのかどうかという確認です。

【事務局】 確かに、達成目標自体は、A-PLATへのアクセス数しか設けておりませんので、数値目標としては設定しておりません。

【大久保会長代理】 モニタリング指標だけですよね。

【事務局】 はい、左様でございます。

【花木会長】 数値目標としては設定していないのだけれども、それも含めて総合的に考えて、Sの判断をするときには、それが役に立つという感じでしょうかね。

【曽宮環境研究技術室長】 左様でございます。少なくとも環境省としての判断はそうです。

【大久保会長代理】 ありがとうございます。

【花木会長】 あと、いかがでしょう。ほかの部分も含めて。

【郡山委員】 すみません。郡山ですけれども。

【花木会長】 はい、郡山先生、どうぞ。

【郡山委員】 ちょうど今、そこと関連したことをお伺いしたかったのですが、AP-PLATのほうは、先ほど、1年前倒しで公開して、もう貢献しているというご説明だったのですけれども、これも何か、もし数値が出ると、もっと具体的に、どのように貢献されているのかが分かるといいなと思ったのですが、これはやはり、まだちょっと難しいのでしょうか。ビュー数とか、アクセス数。

【吉川国立環境研究所気候変動適応センター副センター長】 すみません。AP-PLATのアクセス数については、カウントはしているのですが、今すぐにお手元に出せる数字がありません。ただ、A-PLATほど、やはりまだ知名度が伸びていないので、件数としてはそれほど多くない状況にはなっております。これから周知をより進めていきたいと思います。

【花木会長】 だとすると、だから、今年は3月までのところで出さなきゃいけないから、そのときには、まだそんなになかったということですよね、恐らくね。これから、今年度ので出てくるんじゃないですかね、今年度の評価でね。

【郡山委員】 はい、分かりました。

【花木会長】 あと、いかがでしょう。

【中村委員】 中村です。

【花木会長】 どうぞ、中村先生。

【中村委員】 特に、この評価自体は、この今の5か年の中でよく頑張られて、数字自体はうまく結果が出されているんじゃないかなと思いました。

 ちょっと気になるのは、次のフェーズに向かってなんですけれども、例えば、自治体等で策定された気候変動適応計画そのもののクオリティですよね。コンテンツを評価しないと、何件とかいうのは、これは分かりやすい指標ではあるのですけれども、ひょっとすると地域防災計画とほとんど同じようなことが書かれているとか、あまりこう、本当にこれが適応策なのだろうかと首をかしげるようなものもあるかもしれないのですね。私は見ていないので分からないのですけれども。その辺のコンテンツの評価なんかも、将来的には行っていただきたいなと思いました。

 以上です。

【花木会長】 これはコメントですね。ありがとうございます。

 それでは、概ねよろしいでしょうか。環境省のほうから提示された評価案というのがございます。それで前半部分も含め、これからどういう作業になるかといいますと、本日、委員の方からご意見をいただきました。それから、これから委員の方に、言わば宿題として提出していただく意見シート、それを事務局として整理して、それを踏まえて評価案をつくって、次回の審議会、8月24日ですかね、で議論させていただきたいと思います。その意見シートというのは、どういうふうにつくるかということを、ちょっとご説明、事務局からいただけますか。これですね、資料11。

【事務局】 意見シートは、今、お示ししていますとおり、記載しておりまして、8月10日までに、こちらに、ご質問ですとか、こういった部分についてはこういうふうに書いたほうがいいのではないかとか、そういったご意見を自由にご記載いただければというふうに思います。こちらを、事務局のほうで取りまとめまして、国立環境研究所や環境省内の関係部署と確認いたしまして、評価書の文案のほうに反映させていただきたいと思っております。

 以上でございます。

【花木会長】 これはエクセルのフォームか何かで提供されるのでしたか。

【事務局】 ワードですね。

【花木会長】 どちらでもいいです。それで、皆さん必ずしも全部書く必要はなくて、気がつかれたところだけ書いていただければと思います。もっとストレートに言うと、これは妥当であるというようなコメントは、特に書かなくても、妥当だと思われれば空欄でもいいし、これはすばらしいと思われれば、それは書いていただければ、そんな感じですので、無理やり埋めなくてもいいというぐらいのセンスでお考えいただければと思います。

 あと、これについて、このフォームについて、ご質問はありますでしょうか。回答までの期限がそんなに長くないですが、8月10日ですので、皆さん、それでは、ぜひ、よろしくお願いします。

 さて、それでは、最後に、その他について、説明をお願いします。

【曽宮環境研究技術室長】 曽宮でございますけれども、その他は特にございませんけれども、次回、第19回の審議会、先ほど来申し上げましたように、24日の10時ということで、2時間程度、考えてございます。新型コロナウイルスの動向が不透明ではありますけれども、ただ、今の状況だとウェブ開催になるのかなというふうに考えてございます。ご多忙中の中、大変恐縮でございますけれども、何とぞご出席いただければと思います。

 それで、すみません。最後といいますか、この審議会とは関係ありませんけれども、実は私、異動ということになります。次回は新しい室長が参加をするということになります。どうもありがとうございました。

【花木会長】 曽宮さん、どうもありがとうございました。

 さて、それでは、これで本日の議事は全て終了いたしました。

 以上をもちまして、第18回環境省国立研究開発法人審議会を閉会いたします。

 どうも本日はありがとうございました。