第16回環境省国立研究開発法人審議会 会議録

日時

令和2年10月8日(木)9:30~12:00

場所

オンライン開催

議事

(1)第5期中長期目標骨子(案)について

(2)その他

配付資料

資料

【資料0①】議事次第 第16回 環境省国立研究開発法人審議会.pdf

【資料0②】本日の審議事項(第16回).pdf

【資料1】独立行政法人の目標の策定及び評価に関する指針の改定について(ポイント).pdf

【資料2】目標策定の際に考慮すべき視点並びに目標及び指標の記載例について(平成26年9月2日総務大臣決定).pdf

【資料3】環境研究・環境技術開発の推進戦略の概要について.pdf

【資料4-1】第5期中長期目標の骨子案(本文)201007修正【資料4-1】第5期中長期目標の骨子案(本文).pdf

【資料4-2】第5期中長期目標の構成案201007修正.pdf

【資料5】 今後の予定(第16回).pdf

参考資料

【参考資料01】委員名簿1008.pdf

【参考資料02】審議会運営規則.pdf

【参考資料03】独立行政法人通則法.pdf

【参考資料04】国立研究開発法人国立環境研究所法.pdf

【参考資料05】国立研究開発法人審議会令(更新).pdf

【参考資料06】独立行政法人の目標の策定に関する指針.pdf

【参考資料07】独立行政法人の評価に関する指針(平成26年9月2日総務大臣決定).pdf

【参考資料08】科学技術イノベーション総合戦略2020について.pdf

【参考資料09】環境研究・環境技術開発の推進戦略.pdf

【参考資料10】第4期中長期目標期間業務実績見込評価書.pdf

【参考資料11】第4期中長期目標期間業務実績見込評価踏まえた国環研における事務・事業等の見直し.pdf

【参考資料12】.国立環境研究所第4期中長期計画(H28-R2)(中長期目標を含む).pdf

出席者

委員

花木啓祐会長、大久保規子委員、衛藤隆委員、沖陽子委員、

木本昌秀委員、高橋隆行委員、中村太士委員

環境省

                和田総合環境政策統括官

                白石審議官

環境研究技術室         曽宮環境研究技術室長国立環境

国立環境研究所

                       渡辺理事長

                       森口理事

                       是澤理事

                       吉口企画部長

                       高見総務部長

                       吉川環境情報部長

       資源循環・廃棄物研究センター  大迫センター長

       地球環境研究センター      高見センター長

       環境計測研究センター      渡邉センター長

       福島支部            木村支部長

                       林研究グループ長

                       大原フェロー

                       肱岡副センター長

議事録

【曽宮環境研究技術室長】 少し早めですけれども、ただいまより第16回の環境省国立研究開発法人審議会を開会いたします。

 本日は、WEB開催とさせていただいております。前回と同じ説明になってしまいますけれども、環境省側の回線容量の問題がありまして、映像はオフにさせていただければと思います。資料は適宜画面共有をいたします。ハウリング、発言者が不明になるのを防ぐためにも、発言者の方のみマイクをオンにしていただければと思います。また、ご発言の際にはマイクをオンにした上で、お名前をおっしゃっていただければと思っております。

 まず、本日の出席状況ですけれども、委員7名、全員おそろいでございます。ということで、これは法人審議会の第5条の規定によって、定足数を当然満たしてございます。審議会は成立をしております。

 本日の会議は、公開で開催をさせていただいております。傍聴者の方も何人かいらっしゃいます。

 では、議事に入ります前に、和田統括官よりご挨拶を申し上げます。統括官、よろしくお願いします。

【和田総合環境政策統括官】 おはようございます。総合環境政策統括官の和田でございます。

 本日は、大変お忙しい中、本会合にご参集賜りまして誠にありがとうございます。第16回環境省国立研究開発法人審議会の開会に当たりまして、一言挨拶申し上げたいと思います。

 既に前回までにご審議いただいた国立環境研究所の令和元年度の業務実績評価書及び第4期の中長期目標期間業務実績見込評価書につきましては、省内の手続を経まして、無事に国立環境研究所及び総務省独立行政法人評価制度委員会に通知いたしまして、公表したところでございます。委員の皆様から貴重なご意見を賜りましたこと、改めて、この場にて心より御礼申し上げたいと思います。

 さて、近年では、ご承知のとおり気候危機とも言われます国内外で記録的な大雨、猛暑をはじめとする異常気象が多発しているところでございますけども、一部には地球温暖化の影響、原因が指摘されているところでもございます。対応の加速化、対策の加速化が求められている中でございますけれども、脱炭素社会の実現に向けて、気候変動への適応の取組を進めてまいりたいと思います。

 また、海洋プラスチックごみ問題や循環経済への移行などの課題の解決に向けましても、プラスチック資源循環や、来年5月に中国で開催予定の生物多様性COP15に向けまして、愛知目標の次の世界目標を決めるための議論に、積極的に貢献してまいりたいと考えている所存です。

 こうした取組に際しましては、国立環境研究所が環境問題の解決に貢献する研究・技術開発を推進し、先導していくことを大いに期待させていただいているところでございます。

 本日は、令和3年度からの第5月中長期目標の策定につきまして、ご審議いただくこととなりますが、委員の皆様方におかれましては、国立環境研究所が次期中長期目標期間に向けてさらなる発展が遂げられますよう、大所高所から忌憚のないご意見を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

 冒頭、甚だ簡単ではございますけれども、開会の挨拶とさせていただきます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 ありがとうございます。

 和田統括官は、公務のため、適宜退出をさせていただきます。申し訳ございません。

 続いて、配付資料の確認をさせていただければと思います。

 紙媒体の郵送と電子媒体の郵送によってお送りしております。資料0ということで、議事次第、それから今年度の審議事項と、議事次第に書いてあるとおり、資料1から5、さらに、ちょっと分厚い資料だと思いますけれども、参考資料が1から12までございます。資料に過不足などございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。

 議事に入ります前に、本日の審議事項と審議の進め方ということで、事務局側からご説明をさせていただきます。

 お手元に本日の審議事項という資料があり、今、画面共有もいたしますけれども、こちらについては、今回と、それから次の回の審議事項でございます。国立環境研究所の中長期目標については、大きくは総務省の独立行政法人評価制度委員会がございまして、さらに、そこから環境大臣が中長期目標の提示をした上で、国立環境研究開発法人の国立環境研究所が中長期計画の作成をするという形になります。さらに、その成果の評価、②と書いているところですけれども、あるいは③事務・事業見直し等々が手続の中としてあるということでございます。

 この審議会でございますけれども、環境大臣に対して助言を行うと。こういう位置づけでございます。

 今回の審議事項でございますけれども、①として、赤で書いてある部分になります。中長期目標の提示について、今回と、それから次回の審議会でご審議をいただければというふうに思ってございます。

 本日の審議事項の説明は以上でございますけれども、特に何かご質問等なければ、これ以降の進行を花木会長にお願いできればと思ってございます。

 すみません。失礼しました。もう少し詳しくですけれども、一応ですけれども、中長期目標の骨子(案)についてご説明をさせていただければと思います。

 本日、委員からのご意見を聴取させていただきまして、それから、10月の末を目途に、事務局から目標の素案と意見シートを委員の皆様に送らせていただくということです。さらには、11月に委員の皆さんからの意見シートをお返しいただいて、その後、省内でも少し調整をした上で、第17回、次の審議会で目標案を提示させて、審議をしていただき、ここにおいて一定の結論を得たいというふうに思ってございます。

 それでは、これ以降の進行を花木会長にお願いできればと思いますけれども、先生、よろしくお願いいたします。

【花木会長】 皆さん、おはようございます。

 今日と、それから次回(第17回)、2回にわたって第5期中長期目標の骨子についてご議論いただきます。その中で、本日の議題は、今申し上げたとおり、第5期中長期目標骨子(案)についてということでございます。

 それでは、これから議事に入ります。

 まず最初に、外的な条件の変化ということで少しご説明いただきたいと思います。それは何かといいますと、ちょっとここからは画像を切らせていただきます、第4期の中長期目標・計画期間のときと、独立行政法人の目標の策定及び評価に関する指針に改訂があったと。すなわち全体としての、そもそも独立行政法人に関してどういうような目標を設定するかという、総務省のほうの指針が改訂になります。これは外的な条件ですので、まず、これについて説明をお願いしたいと思います。

 事務局からご説明いただけますか。今、既に資料1というのが出ていますね。お願いします。

【事務局】 よろしくお願いいたします。

 まず、資料1でございます。「独立行政法人の目標の策定に関する指針」とその「評価に関する指針」というのを平成31年3月に総務大臣決定で改訂をされております。

 こちらは、最初にⅠのところで、「目標の策定に関する指針」ということで、(1)が目標策定に当たっての社会が求める方向の的確な把握をするというような内容が入っております。

 独立行政法人の使命の明確化、法人の現状・直面する課題の分析、法人を取り巻く環境の変化の分析を行った上で、目標の冒頭に「政策体系における法人の位置付け及び役割(ミッション)」ということを記載することになっておりますけれども、目標の期間中における当該法人の国の政策体系上の位置付け、役割ということを記載していくということになっております。また、目標期間中の業務の運営、資源配分のメリハリ付けを行う。併せて、主務大臣と法人との意思疎通ということで、法人からの「気付き」についても提言を受けるというようなことを指針に明記されているということでございます。

 (2)が目標設定に当たっての視点の見直しということです。

 ①には、目標、指標が定量的であるということを過度に考慮することで、法人の役割との関係で意味の乏しい数値目標が設定されることが今まで発生していたというのが見受けられるので、それを抑制するために、定量的な目標を定めることが適切でない場合、または困難である場合に、どのような対応をするかということが記載されております。

 ②では、法人やその業務の性格、政策目的等から、最終的な目標の具体内容を予め明らかにできない場合は当面達成すべき目標を書いておくとか、取組過程におけるマネジメントを管理したりするとかというような考え方を示しております。

 ③では、各府省庁、各法人が単独で解決することが困難な課題というのが最近増えておりますけれども、他者との分担・協働を進めるということで、目標策定上の視点、次のページでaのところで、関係機関・団体への支援、bのところで協働体制の確立・強化の視点を新たに加えているということです。

 続いて、(3)ですけれども、重要度、困難度の設定の考え方の明示ということで、「重要度」については、法人の使命等に基づいて設定、「困難度」については、従前の難易度になっておるのですけれども、困難さの程度を表すものということで名称が改められております。

 このほか、(4)で人材確保・育成方針の策定を目標として定める旨、(5)で法人の長のトップマネジメントによる取組を促す目標を定める旨の明記がされております。

 Ⅱのところでは、「独立行政法人の評価に関する指針」の内容の変更ということでございまして、(1)が評価の活用を促進するということで、自己評価、主務大臣の評価の具体的な活用方法が明示されているということです。

 (2)①のところは、目標期間終了時に行われる「目標期間評価」というのと、各年度に行われる「年度評価」では、目的・役割が異なるということが記載されておりまして、目標達成上重要なもののみ従来の単位・制度で評価を行って、それ以外の項目については簡素・効率的な評価ができるよう、メリハリをつけるというようなことが記載されております。

 ②では、自己評価の評価単位について、必ずしも最小であることを求めないと。「事務・事業の特性に応じた単位」で評価するようにということが書かれております。

 ③では、見込評価と期間実績評価について、双方大幅な乖離がなければ、見込評価を期間実績評価に活用できるということで、事務的な軽減がされるような記載でございます。

 ④では、年度評価において、法人と主務大臣の評価、いずれもが「B」になる場合について、評定の理由の記載というのを事務的に簡素化ができるということになっております。

 (3)は、詳細は割愛いたしますけれども、目標の視点の見直しを伴うという視点が追加されております。

 (4)が評価基準((S、A、B、C、D)の当てはめの考え方)の見直しということです。

 困難度の高い目標が達成されたときには「A」と評価しまして、目標策定時には困難度を高くしていたが、評価時点で判明した場合というのを、もともと困難度を示していなかったけれども、達成時には困難度が高くなったということであれば、1段引き上げて、評価できるというようなことが記載されております。また、逆に、もともと困難度を高く設定していても、評価時には困難度が下がっているということであれば、一段引き上げは認めないということが書かれております。

 続いて、資料2でございます。

 こちらは先ほどの改訂を踏まえまして、目標策定の際に考慮すべき視点ということで、目標・指標の記載例を総務省の行政監理局長通知で改正したものでございます。詳細は割愛させていただきますけれども、別紙2のところで、目標の指標の記載例ということがありますけれども、こちらの8ページ、⑦のところに研究開発業務についての業務類型別の視点ということで記載がされております。

 この後、9ページからは各法人共通の視点ということで記載がございますので、これを参考に目標を今後整理させていただきたいと考えております。

 以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 かなりいろいろなところで変わっていますね。これが昨年の3月からですか、変わっているけれども、国立環境研究所に対しては、評価のときにも、これではなくて、従来の基準で評価をして、今回立案する中長期目標、ここからこれが適用されていくという、そういうことと理解しております。

 ご不明な点があれば、ぜひご質問、議論をお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。

 実務的に一つ大きい変更は、難易度というのが「困難度」に変わるということですよね。だけど、これは言葉が変わっただけなのかな。実質も変わるんですか。その辺、どんな感じですか。

【事務局】 実際は言葉が変わるだけということになろうかと思います。

【花木会長】 分かりました。どういうものを「困難度」が高いものに設定していくかというのは、これからの議論ということですね。

【事務局】 はい、そうです。

【花木会長】 よろしいでしょうか。

(はい)

【花木会長】 さて、それでは、続いて昨年度策定された環境研究・環境技術開発の推進戦略ということについてご説明をお願いします。

 先ほど説明いただいたのは総務省全体のものなので、ここからは環境に関わる内容に入っていきますので。資料3だと思いますが、それを使いながらご説明をお願いします。

【曽宮環境研究技術室長】 曽宮でございます。

 資料3になります。これまで環境研究と技術開発の推進戦略ということで、これを基に今回の中長期目標についても位置づけを行っていくということになりますので、非常に重要なものというふうにこちら側としては考えているところです。

 資料3ですけども、一番上に環境基本法、それから、あと右の青のところで書いている科学技術基本法、これは国全体の科学技術とかイノベーションをどう進めていくのかと、そういうことを書いているものでございますけれども、環境省のほうの環境基本法、それから科学技術基本法、この両方のほうから導かれているものというふうにご理解をいただければと思います。

 環境基本法のほうからは、環境基本計画の中で地域循環共生圏等々、いろんなことが定義されていますけれども、基本計画、それから右側の科学技術基本法計画のエッセンスを取り込んだ形で、2019年5月、昨年、環境研究・環境技術開発の推進戦略というものを環境大臣の決定として、中央環境審議会のご審議もいただいた上で決めているということになります。

 この中身については、次のスライドからもう少し詳しくお話をいたしますけれども、一番下に書いているように、真ん中に環境研究所の次期中長期目標・計画というふうに書いてございますが、まさにこれに反映されるということでございますし、一番左側に環境研究総合推進費と書いている、これの課題公募にも反映をされるということですし、その他全ての環境省の環境技術開発施策の基になるということになります。

 次をお願いします。

 この推進戦略ですけれども、4部構成になっています。4章ですね。

 第1章が政策動向や社会の現況ということに決しておりまして、この辺りはSDGsの動向だとかパリ協定、そういった合意によって世界が脱炭素に大きく舵を取っている、そういった背景が書かれているものでございます。

 第2章でございますけれども、これは基本的な考え方を示すということになりますけれども、上のほうのポツに書かれているとおり、環境基本計画、これを当然踏まえるということですし、長期的には、目指すべき社会像として、地域循環共生圏と。これのビルトイン。それから中期的、これは2030年、10年後については、地域循環共生圏の定着と。こういったものを定義しております。

 続きまして、第3章、これについては、今後5年間で重点的に取り組むべき環境分野の研究技術開発でございます。これについては、先ほど示した、第2章のほうで示した社会像の実現に向けて、どういう領域で研究をしていくかということで、気候変動、それから資源循環、自然共生、安全確保、こういった四つの個別領域に加えて、統合的アプローチが必要となる「統合領域」と、こういったものを設定して、五つの領域で重点的に取り組むべき研究技術開発の課題を定義しているということになります。この重点課題ですけれども、これもまた次のスライドに出てきますので、後ほどご説明をいたしますが、これについては、特徴としては、今回、海洋プラスチックごみ問題なんかについても重点課題として設定をしております。この点も、先ほど申し上げましたとおり、環境研究総合推進費でも反映をされるということになります。

 第4章、最後の章では、こういった技術開発を効果的に推進するために、どういったことをすべきかということでございますけれども、2番目のポツに書いたとおり、国立環境研究所の次期中長期目標それから計画に向けた視点ということで、環境・経済・社会の統合的向上をも見据えた統合的な研究の先導、社会実装につながる研究開発の推進、こういったことが書いております。

 これについては、より詳しくは参考資料のインデックス9となっているかと思いますけど、32ページ以降に書いてございます。

 項目だけご紹介すれば、ちょっと先ほどと重複しますけれども、環境・経済・社会の統合的向上をも見据えた統合的な研究の先導ということのうち、すみません、その前に国立環境研究所の役割、位置づけとして、環境研究の中核機関ということを前提に、そういった統合的な研究を先導していくということが1点。

 それから、2点目としては、社会実装につながる研究開発、これをやるべきだと。

 それから、3点目としては、外部機関との連携・協働、それから成果のアウトリーチ、こういったものについても対応をしていく。 それから、全部で4点ございますけれども、最後の4点目としては、国際的な連携の推進と。こういったところが書かれてございます。

 またスライドのほうに戻りまして、ここに申し上げましたのが、先ほど言ったのですが、1の領域で設定をする重点課題ということになります。16、全部で挙がっておりますけれども、統合領域のほうからポイントだけかいつまんで申し上げれば、重点課題②でビジョン・理念の実現に向けた研究・技術開発、ここの課題を新設しております。

 それから、⑥の中で「海洋プラスチックごみ問題への対応」というものを、これを新設しております。

 それから、気候変動領域については、低炭素領域というものから名称変更をしてございます。

 続いて、資源循環領域については、これは三つ全て新設という形で、⑩ですね、廃棄物処理の構築の研究。それから、⑪としてはライフサイクル全体の資源循環に関する研究。それから、⑫として社会構造の変化に対応した廃棄物の適正処理。こういったものの研究ということになります。

 それから、自然共生領域がございまして、これは重点課題⑬、⑭ということで、二つ明示してございますし、最後に安全確保領域ということで、⑮、⑯ということで、全部で16個、重点課題を挙げています。

 これに対応した形で、次以降、ご説明申し上げます中長期目標に反映をさせて、これらの課題の解決に中核的な役割を果たしていただくということで、国立環境研究所の目標設定をするということを考える、そういうことになるかと思います。

 私からの説明は以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございました。

 今のご説明について、ご意見あるいはご質問があればお伺いしたいと思います。基本的には、ここに挙げられたことは、当然、国立環境研究所としても承知しておられて、あるいは国立環境研究所の研究の動向も見ながら、こういった課題が設定されているわけですね。これから我々がやらなければいけないのは、実際に中長期目標の骨子をつくるときに、こういった重点の事柄をどういうふうに反映していくかという部分は、委員の先生方から意見をもらいながらということだと思いますね。

 ここに挙げられたのは、これまでの評価でもあるし、皆さんが共通理念として、こういうのは大事だというのを心に持ちながら評価してきていただいたので、そんなにとっぴなものとか、これはとてもできないというようなものはないとは思います。いかがでしょう。ご意見ございましたらと思いますが、いかがでしょうか。

【高橋委員】 よろしいでしょうか、高橋ですけども。

【花木会長】 高橋先生、お願いします。

【高橋委員】 すみません。今ご説明いただいたトップページのところですけれども、いろいろこういう計画というのは順序を追って策定していきますので、タイムラインを見ていくと、なかなか難しいところもあるかなと思うんですが、右下のところに、次期統合イノベーション戦略が昨年6月に閣議決定されたのかなと、この資料を見ると思えるんですが、現在の環境研究推進戦略というのが2018年の1個前の戦略に基づいてつくられているということだというふうに理解できたんですけども、新しい時期統合イノベーション戦略の可能な範囲での反映というのは、今回の中長期目標策定では考慮されないんでしょうかというのが質問です。

【曽宮環境研究技術室長】 ありがとうございます。ちょっとここ、実は資料を訂正、私、しようとしていて、し損ねた部分なんですけれども、実はこれ2019というよりも、2020というのが、総合イノベーション戦略2020というのもできてございます。基本的には、2019も2020も見ながら、ちょっと内容について詳しくなかなかご説明はできないのですけれども、そういったものも見ながら書いてございますけれども、基本的な要素というか、そういったものは既に出てございますので、こちらの推進戦略に何か大きく変更しなくてはいけない部分というのは、特にないのかなということで、この図の構成になっております。

 以上です。

【高橋委員】 承知しました。

【花木会長】 そうですね。この統合イノベーション戦略というのは、毎年出されるものですので、基本方針は科学技術基本計画で決まっていると。基本計画が近い時期に改訂になるんですけど、それが改訂になると全体の影響は出てくるかと思いますけど、イノベーション戦略自身は、言わば今年はこういうことをやるんだというような戦略ですので、基本的には大きい変更はないものだと思っております。

 よろしいでしょうか。

(なし)

【花木会長】 それでは、ほかにありませんようでしたら、これから本題に入ってまいります。

 第5期中長期目標骨子(案)につきまして、様々な資料がありますけども、それを使いながら、じゃあ、まず事務局のほうからご説明をお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 資料4-2からお願いします。すみません、曽宮でございます。

 これに関連する資料としては、資料4-1と4-2、二つございますけれども、資料4-2のほうが構成案になっておりますので、まず、こちらをご説明させていただいた上で、ちょっと個別の記述について資料4-1のほうに、後のほうで資料4-1に戻るというふうにしたいと思っております。

 まず、資料4-1も資料4-2もそうなんですけれども、資料4-1が骨子(案)の本体ということになりますけれども、ちょっとこれ、実は分量的には骨子(案)というよりも、もう既に目標案、本文に近い、20ページぐらいございますので、分量的には、目標案そのものに近いものというふうになってございます。ただし、まだ精査を加えてリバイスすべきところだとか、それから今後記述の追加や修正すべきものも実は含まれておりまして、その意味で、骨子(案)、たたき台というふうにご理解をいただければというふうに思っております。

 該当箇所を見ながら、改めてご説明をするのですけれども、先ほど冒頭の事務局からの説明の中でも一部ございましたけれども、総務省から指針が新たに出ていたりしまして、例えば今年度は重要度の重みづけ、これについても、現行目標では、すべからく研究の部分は困難で重要というふうにしていたりするんですけれど、これについて、きちんと絞り込むべきだとか、そういったものがございます。この辺りについては、今日、ご意見をいただいた上で、あと国立環境研究所のほうと調整をして、まだ作成未了のものについては、新たに作成をし直して、素案にして10月末を目途にお示しをしたいというふうに思っております。重要な点があれば、その都度、次回が11月の末という予定でございますので、なかなか忙しいスケジュールになりますけれども、重要なものについては、次の審議会を待たずに、逐次、関連する先生方ともご相談をさせていただきながら、一定の結論を得たいというふうに思っております。

 それでは、すみません、資料4-2の説明に入らせていただければと思いますが、これは大きくは六つの中長期目標、六つのセクションに分かれています。第1から第6ですね。これは基本的には独立行政法人通則法というのがございますので、この表の左側に通則法の欄がございますけれども、これに沿った形で構成を考えています。それと沿った形にはなっているということでございます。

 まず第1ですけれども、これは通則法に特にはございませんけれども、第1のところで法人の位置付けだとか役割を示してございまして、第2が中長期目標の期間と。この辺りは、特に構成そのものについての変更ございません。記述については、当然、いろいろと変更がありますが、構成の変更はございません。

 第3、ここはある意味中核部分になるということになりますし、中長期目標の中でも最も分量を取って詳述をしていく部分になりますけれども、ここについては、この表は現行計画の構成が左から2番目のカラムに書いていて、それに対応させる形で、隣のカラムに今回の目標の構成を書いてございますけれども、まず、1番の環境研究に関する業務、この記述に構成上の変更がございます。現行目標で(2)、これは次ページになるのですけど、(2)のところで記述していた分野と、こういった分野研究に関する記述を(2)の中だけ書いていたんですけれども、ただ、これは、(1)で、次でご説明する環境研究のプログラムのほうとも当然関係をして、全体に関わるものであろうということで、まずは分野というものを冒頭の中で位置づけていくということで、ここで八つの分野を挙げています。

 実は、現行の目標の中では、九つの分野がございまして、それはここから、9から8になる中で、その一つが、この八つの中から消えたわけですけれども、それは計測業務ということになります。ただ、これは結局分野ごと、分野横断的に実施されるものですので、基盤となる計測業務ということ、この分野も横断的に推進をするということで、分野と少し別のカテゴリーという形で挙げているところです。

 これは環境省の政策体系として、統合分野、それから気候変動、資源循環、自然共生、それから安全確保、5領域がございますけれども、これを受け止める基盤の分野ということでの設定をしているということになります。

 その上で、新目標の(1)、現行目標でも(1)ですけれども、重点的に取り組むべき課題への統合的な研究、これについて、いわゆる研究プログラムというものを八つ挙げています。現行目標では、①という形で課題解決型研究、それから②として災害環境研究と、大きく二つに分けてございましたけれども、これはあえて分けるのではなくて、現行目標で②としていた災害環境研究プログラムというものは、全体の中で⑦という形で位置づけようというのが一つの特徴となります。

 あと、今回のプログラムについては、実は現行目標においてはいろんな研究の中身を、多くの業務を入れ込んでいたわけですけれども、今回の目標の中では、5年間で成果を出すまとまりということに限定をさせて、一つの固まりとして、しっかりした成果を上げるということを目指そうということになってございます。

 新目標の1.の環境研究に関する業務の下のところに少し書いてある、環境研究の柱となる6つの分野と長期的に体系化を目指す2つの分野というふうに記述があるかと思いますけれども、二つの分野が下の二つ、気候変動適応分野と災害環境分野ということになります。

 次のページになりますが、新目標の(2)、これについては、現行目標で分野別にあったものが、分野の設定としては一番上に行っておりますけれども、まだ、この構成案の中ではうまく表現をされていないんですけれども、各分野の研究も(2)の中で記述をするということになっておりまして、ここの(2)に書くのは、5年間の中でどこまでやっていくのかと、そういった目標を(2)の中で各分野について規定をしつつ、さらに、この表の中で①から③というふうに書いておりますけれども、大きな方針、各分野の研究を5年間で進めていくのに対する5年間の方針として①から③を挙げてございまして、先見的・先端的な基礎研究を進めるということと、政策対応研究を進めるということと、知的研究の基盤整備を進めると。こういったところを方針としてやっていこうということです。この辺りの記述については、先ほどのご説明した推進戦略に沿ったパッケージということになってございます。

 それから、次の(3)の説明になりますけれども、今回、この研究の記述の中で大きな変更の一つとして、いわゆるGOSATと言われる観測衛星、それから子どもの健康と環境に関する全国調査、通称はエコチル調査と言われる、この二つについては環境省としてもかなり力を入れて進めている分野でございますし、かなりの大型プロジェクトでもあるということで、この二つのプロジェクトについては、当然、各プログラムだとか分野と関連をするということではございますけれども、大きく項目として独立をさせるということで考えています。独立をさせることで、今後行われていく評価の中でも、これらの項目は独立して評価をされるということになるかと思います。

 それから、現行目標で言えば(3)と(4)で、今回新たな目標の中では(4)の部分になりますけれども、これらについて、もともとはネットワーク拠点だとか、それから普及啓発、研究成果の配信、こういった部分について、こちらも(4)として連携、それから政策貢献・社会貢献の推進、この部分について残してございます。一部、現行目標の一番左側のカラムのほうの現行目標の(4)の中の一部、研究成果の普及といったものについては、次の2.のセクションの中で記述をしていくと。そういう変更になっています。

 新目標のほうの2.の説明のほうに移りますけれども、現行では情報の収集、整理及び提供というふうになってございましたけれど、これについて、先ほどの現行目標の(4)から来るものが、新目標の中では2.(2)として研究成果の普及と。成果の普及についても一つのまとまりとして捉えるという変更になっております。

 次をお願いします。

 研究の大きな柱の三つ目ということになるかと思いますけれども、これについては、気候変動適応に関する業務ということになります。これは項目自体は現行目標と大きな変更はございませんけれども、この中で、(2)気候変動適応に関する研究も、これは先ほどのプログラムの中でも出てくる話だと思いますけれども、こちらについては気候変動適応に関する業務ということで研究も、それから、いわゆる国の支援の部分なんかについても、一体として行うということで、こちらに再掲という形になるかと思いますけれども、書かれているということになります。

 最後のほうは、第4、第5、第6のほうでございますけれども、こちらについては、運営の効率化、それから第5が財務内容の改善、第6がその他ということで、大きな記述の変更はございません。

 ということで、この表については説明を終わりまして、個別の記述について、資料4-1のほうで少しお話をさせていただければと思います。

 先ほど申し上げましたけれども、これは骨子(案)としておりますけれども、分量の上では、かなり目標案に近い形になっていまして、ただ、内容的には精査を加えてリバイスすべきものだとか、記述を追加、それから修正すべきものも含まれています。そういう意味で、たたき台として見ていただければと思っております。

 1ページ目の、第1では、先ほど申し上げましたとおり、法人の位置付け・役割ですけれども、2ページで、ここについては国の関連施策との関連を書かれております。ここについては、もう少し、記述を修正というか、追記しなきゃいけないかなと思っているのは、環境省は三つの移行だとか、それから地域循環共生圏、こういったことについて力を入れていこうというふうに思ってございますけれども、こちらについても、記述が薄いかなと思っております。この辺りについては、記述を追記していきたいと思っております。

 それから、4ページが、これが第2の部分で、目標期間は来年度の令和3年度から7年度ということになっています。

 それから、第3、これが研究の中核部分でございますけれども、ここについても少し記述が足りないなと思って、現行において思っているのは、コロナ影響下の中で研究をどういうふうに進めていくのかとか、こういった記述もいま少し必要かなというふうに考えてございまして、ちょっと追記が間に合っていないのですけれども、国環研と、ご相談の上、追記をすることを考えていきたいと思います。

 それから、5ページのほうに移りまして、ここは1行目からの記述に少し書いております。ここも重複ですけれども、総務省から示された方針を踏まえて、評価の軸だとか、それから指標について、ちょっと再考しないといけないということで、今、国環研のほうと調整中のものということになります。

 1.のほう環境研究に関する業務ということで、まさにここが中核的な記述の部分ですけれども、これは四つのセクションに分かれています。これも先ほどの資料4-2でご説明したとおり、この四つということになります。

 そこから、冒頭に(1)として、冒頭に八つの分野を設定するということで、この八つの分野についての記述が6ページまででございます。これは個別の説明については割愛させていただければと思います。

 7ページから、八つの戦略研究プログラムについて、より詳しい記述がございますけれども、ここでも個別に述べるものはございませんけれども、このプログラムの記述の書き方として、各プログラムごとに、まず冒頭のほうで、そのプログラムの目的というものを記述して、続いて具体的にどういうことをやるのかと、具体的な取組というものを書き、一番最後にアウトプット、どういうことに役立つのか、そういったところも含めてアウトプットを記述すると。そういう記述になってございます。

 それから、少し飛んで11ページのほうで、(3)については、先ほども申し上げましたとおり、ここ5年の中で、分野ごとで、この目標期間の中で達成すべき目標について記述をする予定になっておりますけども、ここも調整中ということになってございます。

 それから、13ページ以降は、2.情報の収集などについての記述があり、14ページ、成果の普及について記述して、クロスメディアの手法の活用などについて記述がございます。

 それから、14ページの一番下の部分からが3.の気候変動適応に関する業務の記述というふうになっています。

 15ページに行きますと、下のほうに、(2)のところで気候変動適応に関する研究をどう進めるかというところが書かれています。

 16ページ、これが大きな区分けの四つ目ということで、業務運営の効率化ということになりますけれども、その中で、17ページの2.のところで、ちょっとここについても実は記述が少し追記をしなくてはいけないかなというふうに思っているもの、これも大きくはやっぱりコロナの関係もしていくわけですけれど、それがなくても、テレワーク化の推進だとか、あるいは電子決裁の推進と、こういったところについても進める必要があるのかなというふうに思ってございます。この辺り、国環研ともすり合わせをしないといけない部分ですけれども、こういったテレワークだとか電子決裁、そういったものについても、目標設定も含めて、さらに記述を強化する方向で少し調整をしたいというふうに思っております。

 それから、このページの中ほどぐらいから、大きな区分けの五つめということで、財務内容の改善というのがありまして、18ページから最後の部分がその他の事項ということで、内部統制とか人事についての記述となっております。

 一番最後は21ページですけれども、これも繰返しになりますけれども、別添2というのが、ついてございませんけれども、これも評価軸、評価指標の部分ですけれども、これも総務省の新たな方針を受けて再調整をしないといけないということで、再調整中ということになります。

 ちょっと長くなってしまいましたけれども、私からの説明は以上とさせていただきます。

【花木会長】 ありがとうございました。

【曽宮環境研究技術室長】 すみません。花木先生、もしかすると、国立環境研究所のほうからも少し補足があるかもしれませんけれども、もしあれば発言……。

【花木会長】 はい。いかがでしょう。

【渡辺国立環境研究所理事長】 ありがとうございます。

 基本的に、今日は目標についての審議ということで、基本的な立場としては、国環研はそれに従って計画をつくる場なので、ある意味でオブザーバー的な立場におると思いますけれども、目標に関しても、環境省と議論して出していただくということで、今、曽宮室長のほうからご説明が冒頭にあったように、今回、環境省から提示いただいている骨子(案)は、ボリュームとしては非常に大きいですけど、個々の表現に関して、まだ十分に詰め切れていないところがございまして、その点では、ちょっと委員の先生方にはご迷惑をおかけします。この後、環境省とも十分に議論して、既に幾つかの点について説明がありましたけれども-変えていく可能性があるというレベルだという点をお許しいただきたい。

 あと、例えば分野が先に出てくる話ですとか、そういう個々のところに関しては、委員の先生からご質問があれば、説明させていただければというふうに思います。

【花木会長】 ありがとうございます。

 これから議論する中で、必要に応じて国立環境研のほうから発言いただければよろしいかなと思っております。

 先ほどお話があったとおり、資料4-1、4-2とありますけど、4-1の細かい文言については、まだ詰められていないということですので、資料4-2を中心にしながら、だけど時々4-1も見ながら議論すると、そういうふうにさせていただきたいと思います。

 さて、それでは委員の皆様方、いかがでしょうか。

【中村委員】 よろしいでしょうか。

【花木会長】 はい。すみません、どなたでしょう。

【中村委員】 北大の中村です。

【花木会長】 中村先生、お願いします。

【中村委員】 大体は理解したんですけども、資料4-2の先ほども出ていた分野、八つを設定しているところで、説明によれば、長期的な体系化を目指す二つの分野というのは、気候変動適応分野と災害環境分野であるということは、説明を聞いて分かりました。ただ文章だと、多分、資料4-1でも、それがきちっと示されていないので、できれば、環境研究の柱となる6つの分野と長期的体系化を目指す2つの分野というのがどれに当たるのかということを文章中でもしっかり示したほうがいいんじゃないかという感じがしました。

 それから、その後に(1)で重点的に取り組むべき課題というのが出てきて、様々なプログラムが八つ書いてあるんですけど、どうも必ずしも、それが上の八つの分野とそれぞれ1・1対応しているようにも見えません。そうなのかもしれないんですけど、その辺、ちょっとその分野とこのプログラムの関係ももう少し明確にしていただけるといいのかなというふうに思いました。

 それから、同じような議論なんですけど、次のページに出てくる(3)に衛星観測と子どもの健康に関するものが出てきます。やや、何というんですかね、ほかの記載に比べて唐突に、より具体的な内容が出てきて、また、この衛星観測に関するものとエコチル調査に関するものが、冒頭にあった八つの分野とどういう形でつながっているのかが分かりづらいなというふうに思いました。

 以上です。

【花木会長】 ありがとうございます。

 この全体の構成の、特に研究テーマとの関わりの部分ですね。それについて、これはどなたが、じゃあ、コメントをお願いします。

【曽宮環境研究技術室長】 取りあえず私のほうから。

 1点目の長期的でもって体系化の、この分かる、より分かるようにすべき、これは全くおっしゃるとおりだと思います。記述をきちんと考え直したいと思います。

 それから分野とプログラムの関係、これについてはちょっと国環研さんのほうにも補足いただければと思いますけれど、分野が基盤となって横に並んでいる中で、このプログラムというのは、要するに課題に対して必要な分野をかき集めてといいますか、集結させてその課題解決に取り組むと、そういう構造になっているというふうに理解をしています。

 それから、3点目のエコチルと、それからGOSAT、衛星の記述がちょっと唐突だろうということについても、これについても全くおっしゃるとおりかなと思ってございますので、これについてはプログラムだとか分野とどういう関わりがあるのかといったことについての記述を追記したいというふうに思ってございます。

 もし国環研さんのほうからあれば、花木先生のご了解を得てご発言いただければと思いますけど。

【花木会長】 国環研のほうからありましたら。

【渡辺国立環境研究所理事長】 ありがとうございます。不足の点があれば、研究担当理事のほうからも説明を補足いたしますけれども、まず、第1の点に、中村先生、三つご指摘いただいたわけですけれども、ご指摘のとおり、災害と適応に関しては「長期的」という体系化に該当するものなので、その点を明確にするように文章で出していただくように環境省と詰めていきたいと思います。

 2番目の点、プログラムと分野なんですが、研究所の議論の中でも、「分野というのは何か」について長い議論を重ねてまいりまして、それをここに書き出すのは避けています。今の時点で申し上げておくべきことは、環境研究を全て国環研がカバーしているわけではないが、カバーしている環境研究というのはどんなものがあり、それをカテゴリーに分けるとすると、どんなところに分かれるのかを表したものが分野だというふうに考えております。この分野が実際には組織とも対応がついていくわけなんですけれども、必ずしも1対1対応にはならないというふうに考えています。

 一方でプログラムは、現在の環境問題、いろいろあるわけですけれども、既存の分野のみの取り組みだけで解決できない場合が多くて、分野を横断的に進めるということを積極的にやらないといけない。ということで、基本思想としては、プログラムは分野横断であると考えています。これは第4期の形を継承しております。実際に組んでみると、(プログラムが分野横断になるかというと)そうでない部分も恐らく出てくるとは思いますけれども、基本的な考え方としては、いろいろな分野の人を戦略的に組み合わせて、それで問題の解決と、予見・予測に当たっていくという、そういうものだというふうに考えております。

 もう一つ、プログラムは中長期の間の目標を明確に出すということを今回のポイントとしております。それが第2点目です。

 第3点目に関しては、これは過去からの経緯というのもありまして、簡単に説明しにくい部分がありますけれども、衛星、GOSATと、エコチルというのは環境研にとっては大きな事業的な活動で、研究と事業的なものをくっつけて動かしているので運用上、単体に近い形でかなり独立性を高く保って進めていく必要があり、実際にそうしてもきています。少し分かりにくいかもしれませんけれども、このような考え方で環境省から提示をいただいているということになります。

 森口理事のほうから、もし追加があれば補足しますけれども。

【森口国立環境研究所理事】 研究担当理事の森口でございます。

 2点目、3点目について、若干補足をさせていただきます。今、理事長から説明がありましたとおりなんですが、具体的な記述としまして、環境省から今回示していただいている資料でいいますと、資料の4-1の7ページの(1)重点的に取り組むべき課題への統合的な研究の推進という、冒頭の文章の末尾の部分に、(ちょっとお待ちしたほうがよろしいでしょうか。はい、その辺りですけれども)「環境研究の中核機関として、従来の個別分野を超えた連携により、統合的に研究を推進するものとする」と書いていただいておりまして、そういう意味で、プログラムというのは、分野の縦割りではなくて、国立環境研究所、様々な分野の研究者を擁しているというのが強みでありますので、分野を超えてプログラムを実施していこうということを狙ったものでございます。ただ、現実には私どもとしての認識としては、思った以上に実は分野とプログラムの関係が割に明確に、なり過ぎている感もありまして、より連携を推進したほうがいい部分もあるのかなと思っています。個別の説明はいたしませんけれども、比較的プログラムごとに中核となる分野というのは明確になっているかなと思います。当然、複数の分野が協力することが不可欠なものもございますので、例えば⑥の持続可能地域共創研究プログラムということであれば、地域環境保全分野ですとか社会システム分野、こういったところの連携・協力は不可欠でございますので、そういった意味で横断的に取り組むものであるということを再度強調させていただきたいと思います。

 それから、(3)の衛星観測、GOSATとエコチルですけれども、中長期計画の期間は5年ということになっておりますけれども、これらは複数の中長期計画期間にまたがって環境省のほうからある種のミッションとしてこういうスケジュールでやりなさいということが示されているところがございます。そういった意味で、5年ごとの中長期計画というスパンと、それをより長期にわたるミッションという意味でも少し違いがあるということ。それから、予算上も明確にある種の切れ目をもって私ども遂行させていただいているということもございますので、今回はこれを分けていただくということで、よりそれぞれのミッションに対して評価をいただくほうが適切ではないかなということで、私どもの考えとしてはお伝えしている中でこういう目標(案)をお示しいただいたものというふうに受け止めております。

 私からの補足説明は以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 少し前に画面共有していただいた別添1の図がありましたよね、政策体系図、あれが分かりやすかったんですけども、研究分野が並んでいて、箱が並んでいるやつ、これこれ。で、右側ですよね。研究分野があって、研究プログラムの四角い箱があって、これは同じ四角だから何か対応するように見えるんですけど、研究プログラムが左側の研究分野の幾つかに関わっている。だけど、全部が何というか線で結ぶほどきっちり対応していないということですね。だから、研究分野にいる人たちが研究プログラムを実行するときにいろんな人たちが左側の箱から出てきてというか、協力してプログラムを遂行する、そういう感じでしょうね。GOSATとエコチルについては、経緯は分かりましたが、評価のときは、この両方を合わせて「A」だとか「B」だとか「S」だとかという評価することになるんですかね。それって大丈夫かな。全然違いますよね。その辺りは評価のときも1項目になりますか。これは曽宮さんにお伺いするのがいいかもしれません。

【曽宮環境研究技術室長】 実はここについても、ちょっとまだ議論が必要かなと思っています。実は現況においては、その研究についても(1)、(2)、分野、それからプログラム、その全体として今回も評価をさせていただいて、だから、それと比べれば一緒にしてもいいんだろうという議論はあり得るんだろうと思ってますけども、ただ、確かに先生が今おっしゃったとおり、かなりちょっと性格が違っているものですので、ちょっとこの辺りは多分、多分というか、総務省さんともちょっと相談をしながら最終的にはどうしていくのかというところは決めていきたいというふうに思っています。ちょっと今現況では、どっちのほうがいいのかというのが決めかねているところです。

【花木会長】 はい、分かりました。

 委員の先生方、いかがでしょうか。

【沖委員】 沖ですけれども、よろしいでしょうか。

【花木会長】 はい、どうぞ。

【沖委員】 ご説明、ありがとうございました。非常によく分かりましたし、いいように改善されてらっしゃると思っております。ただ、少し根本的なところで確認させていただきたいですけれども、資料4-1の最初に、そのミッション、国立環境研究所の位置づけ、役割等々が出ております。今までは環境研究、技術開発の面で大きく貢献していれば非常に評価は良かったところが、ここにもありますように、昨今は活動の成果が社会実装を通じて我々の生活にどのように影響してきているかと、そこまでやはり評価をしてということになっているように私は読み取っております。これは非常に重要なことと思っておりますけれども、実際、今まで具体的に評価の助言をさせていただいているときに、どこまでおやりになってたらいいのかという、この評価の基準が少し曖昧で難しいところがございました。恐らく、この項目別に実装化まできっちりできているほうがいい、そこまで行かなくてもいいという、いろいろばらつきはあるかと思うんですけれども、前回、「S」になるか「A」になるかというところで、かなり皆さんで議論をしたことを思い出します。研究のほうはある程度なんですが、実装化まで早く行ったから「S」ですとか、そういう感じもあったですね。拝見させていただいてますと、この困難度が高い低いというのは、どうもその辺のところと関係しているということもございまして、すっきりとした基準といいますか、説明の中に何か入れていただければありがたいかなと思うんですが、いかがなものでしょうか。

【花木会長】 ありがとうございます。

 その辺は実務的にどうでしょうか、可能そうですかね。環境省の方、いかがでしょう。

【事務局】  目標のつけていない別添2のところで、本来であればどういった指標で評価するかということを書くのですけれども、そこの書き方をもうちょっと分かりやすくする必要があるのかなというふうに考えております。

【沖委員】 ありがとうございます。

 それともう一つ、先ほどちょっと「S」、「A」とかいう話をさせていただいたんですけれども、資料1の4ページの評定基準ですね。ここでは「所期の目標を上回る成果を上げた場合の評定である「A」以上の評定となるように」となっておりますが、「S」に関しては記載がないんですよね。我々のところで、この「S」というものの評定の基準というのを決めることができるんでしょうか。

【花木会長】 いかがでしょうか、その辺り。

【曽宮環境研究技術室長】 すみません、曽宮ですけれども。

 一応、定量的なものであれば、「S」が120%以上が一つのメルクマールになるというのは総務省との話の中で確認をしているところです。まさに、多分それは定量的な場合の目安ですので、定性的な場合、どういうふうにメルクマールを設定するのかというのは、やっぱりある程度、あらかじめ決めておくほうがいいのかなとは思っております。なかなか、これは言うは易し行うは難しかもしれませんけれども、今でもそういう考え方でおります。

【沖委員】 ありがとうございました。

【花木会長】 まあ、あれですよね、総務省から提示されている基準が社会への貢献というような、なかなか計りにくいものになってきているので、また、それを実際のそれぞれのプログラムの評価にするときに、なかなか定量的にうまくいかない。変に数字だけやってしまうと、例えばシンポジウムをやって何人来ましたって言っても、それだけでもまたないだろうと思うし、その辺は試行錯誤しながらやっていくふうになるのかなと私は思っています。

 あと、いかがでしょう、皆様。

【大久保委員】 大久保ですけれども、よろしいでしょうか。

【花木会長】 どうぞ、大久保先生。すみません、沖先生、カメラをオフにしてもらえばありがたい。

 はい、どうぞ、大久保先生。

【大久保委員】 はい。すみません、4点あるのですけれども、第1点目は、プログラムのことなんです。現在のものと次期のものとで、災害環境研究プログラムが八つの中に入ってくるなど、変更が非常に分かりやすい部分もありますが、なお分かりにくい部分もあると思います。一番分かりにくいのは、①、⑤、⑥の関係でございまして、①と⑤の違いにつきましては、グローバルな様々な問題については①の気候変動で取り扱うということかと思っていたのですが、⑤が持続社会研究で脱炭素を特出しに前のほうに小見出しで持ってきていて、資料4-1はまだ検討中ということですけれども、そちらを見ると、「気候変動の緩和策に係る研究・技術開発、及び地球温暖化現象の解明・予測」ということまで入っておりまして、そうなってくると、①とのすみ分けというのが少し分かりにくいかなという気がいたします。⑤と⑥も地域の問題をどのように、どうすみ分けて扱うのかという辺りが少々分かりにくい。例えば⑤のほうでは、よその国では持続可能性の評価のため、この政策ですと何点になりますとAIを使って評点を出すようなプログラムができ始めているようですけれども、例えばそういったものが⑤であるということであれば分かるのですけれども、⑤と⑥のすみ分けが分かりにくいと思いますので補足説明をお願いしたいと思います。

 それから、2点目は、今回の総務省の改定で、他機関との協力、それから国の政策としてSociety5.0等、情報化のさらなる進展との関わりで書き込むということが期待されているわけですけれども、このプログラムのなかで、例えば災害とか気候変動への適応について、気象庁が持っている災害情報と国交省の河川等で持っているハザード情報の統合といったようなことが今現在、既に目指されておりますけれども、そこに国環研が持っているような様々な情報をどう統合していくかというようなことも視野に入れるのか入れないのか。これは、それをオープンデータとして提供すべきなのかということも含めまして、プログラムの中に入れ込むのかどうかという辺りは検討課題になるのかなと。あるいは、そうでなければ他機関との連携等をどこで十分に見せる形に、どこまで具体化して見せるのかというのが2点目でございます。

 それから、3点目は、(2)に関わることなんですけれども、基盤となる計測業務は横断的に推進ということなんですが、それが現時点での4-1の資料では、どうも9ページ、10ページのところで見えてこない。基盤計測業務というのは大変重要性が高いし、また継続する必要があるものであると思いますので、それが軽視されていないということがきちんと分かるような見え方にしておく必要があるのではないかと思います。

 それと関連して、先ほどのGOSATとエコチルの話とも関係してくると思いますが、この二つは特に大きくて事業性があるものだとしますと、先ほどの説明でそれはそれでいいのですけれども、(3)のタイトルのつけ方が、もうちょっと抽象的なものにしておく必要はないのかなというのが今までの委員のご指摘を踏まえての意見でございます。

 それから、4点目ですけれども、(2)のところで分野があるということと、それから、具体的な記述は①、②、③という形で先見的なもの、政策対応、知的研究基盤という形でまとめられているのですが、この三つと分野との関係は特に書き込まないという理解でよいのか。9ページでいきますと、分野は八つありますが、これを横断的には三つに分けていきますという書き方にとどめるという理解でよいのかというのが四つ目です。

 以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 それでは、順番に、1、2、3、4をちょっと議論していきたいと思いますが、いかがでしょう。これ、どなたがお答えになりますか。

【曽宮環境研究技術室長】 取りあえず、私のほうから。

【花木会長】 はい、お願いします。

【曽宮環境研究技術室長】 これ全部いきますか、それとも別々に。

【花木会長】 1個ずつがいいかな。

【曽宮環境研究技術室長】 1個ずつで切りますか。じゃあ、まず、これは国環研さんのほうからより詳しく説明していただけるかと思いますけれども、プログラムの①と⑤、どんな関係かちょっと分かりにくいんじゃないかということについても、これ、ちょっと私の理解ですけれども、①のほうはどちらかというと物理現象に重きが、そういったところの解明に重きが置かれたプログラムで、⑤のほうが、どちらかというと社会への入れ込み、持続社会をどう、脱炭素に向けてどうつくっていくのかといった、そういったところに重点があるのかなというふうに思っていまして、あと、⑤、⑥についても、⑤のほうは何というか、色で言えばブラウンの研究をベースに持続社会を目指していくということに対して、⑥は、⑥もそのブラウンも入っているとは思いますけれど、どちらかというと、そのグリーンで持続可能ですね、一応つくっていくこと、そういったところが重点になっているのかなというふうに思っておりますが、ちょっとその研究の具体例も含めて、ちょっと国環研さんのほうから補足をいただければと思います。

【花木会長】 はい、ぜひお願いします。

【森口国立環境研究所理事】 はい。では、国立環境研究所研究担当理事、森口から補足させていただきます。

 今、基本的なところは曽宮室長からご説明いただいたところなんですが、まず、①の気候変動・大気質研究プログラム、これは1対1ではないんですけれども、現4期中長期計画で言えば、低炭素研究プログラムを、ただ全部引き継いでいるわけではなくて、現在の低炭素研究プログラムの中には現象解明から対策までかなりカバーしております。それに対して、よりシャープに絞り込んで、①の気候変動・大気質研究プログラムのほうでは現象解明を中心にやっていこうということになります。

 恐らく、やや紛らわしいのは⑤の脱炭素・持続社会研究プログラムのほうにも温暖化現象の解明・予測・対策評価というところがございます。ただ、予測あるいは対策評価のための統合的なモデルには、解明の部分がどうしてもかぶってまいりますので、こういう書き方になっておりますけども、⑤のほうは先ほど説明がありましたとおり、対策に結びつけていくところというのが中心でございます。特に、これはグローバル、マクロな対策ということが中心になってくるかと思いますけれども、そういったところでの書きぶりの中で、「解明」という言葉がここに含まれているのがいいのかどうかということについては今後精査させていただきたいと思います。

 現中長期計画との関係で言いますと、現中長期計画のプログラムで、統合研究プログラムというのがございました。これの中に、特に気候変動に関しましてはグローバルなもの、それから、もう少し地域からのボトムアップ的なものの両方のものがあるかと思いますけれども、気候変動問題も含めまして、より地域の具体的な課題、様々な環境問題の課題に取り組んでいくというものとして新たに⑥はより明確な形で切り出している。それから、「地域共創研究プログラム」というふうに書いておりますように、地域のステークホルダーとの協働によって、先ほど来、社会実装という言葉も出ておりますけども、そういったところを中心的に取り上げていくものとして⑥ということを挙げております。

 ただ、いずれにしましても、気候変動問題に対して一体的に取り組んでいくべきだろうという認識、私どもも当然持っておりますので、複数のプログラムを束ねる形で、特に気候危機に対処していくための仮の名前としては「イニシアチブ」というようなことを所内では今議論しておりますけれども、複数のプログラムをさらに一体的に束ねて実施していくようなことは、この目標をお示しいただいた上で、私どもの計画としてはこのようにしたいということの中で対応していければというふうに考えております。

 第1点につきましては以上です。

【花木会長】 はい、ありがとうございます。

 よろしいですかね、第1点については、大久保先生。

【渡辺国立環境研究所理事長】 若干補足いたします。国環研の理事長の渡辺です。

【花木会長】 はい、どうぞ、理事長。

【渡辺国立環境研究所理事長】 今、森口理事のほうから説明があったとおりですけれども、ここの今、環境省のほうから出していただいた資料の4-1のほうに関して、プログラムに具体的な記述が入っています。その中でプログラムの多くに、「具体的には」という記述がありますけれども、実際にはここはショートバージョンとし、別紙としてロングバージョンをつけて、具体的な内容というのはそちらに書き込むことになると思います。ですから、ここはそれぞれのプログラムの目標について出していただきたいということで環境省のほうとも詰めていきたいと思っています。

 それから、もう一つのポイントとしては、各課題は、課題同士での関連というのが出てきまして、実際にはプログラムの下にプロジェクトというものを設けますけれども、個々のプロジェクトのレベルまでいくと、そのプロジェクトが複数のプログラムに貢献していくということもあり得るということを今議論しています。そういうことを考えると、同じような記述が出てくる場合もあるかとは思います。ただ、それを評価でダブルカウントしては困るという点もありますので、そこをどうしたらいいかという点についても、環境研でも検討しますし、環境省とも詰めていきたいと考えております。

 以上です。

【花木会長】 はい、ありがとうございます。

 続けて、第2点、第2点、何でしたっけ。

【大久保委員】 他機関との連携。

【花木会長】 ああ、そうでしたね、はい、失礼。

【曽宮環境研究技術室長】 曽宮ですけれども、他機関との連携で、具体的に例えばデータの例とかを先生は挙げていらっしゃいましたけれども、これは多分、私が聞いている範囲でも幾つかありそうですので、どのくらい具体的に書き込めそうかといったところについても国環研さんのほうと少しご相談させていただいて、具体的に書ける部分はできるだけ具体的に書かせていただければいいかなというふうに思ってございます。

 以上です。

【花木会長】 はい。これは国環研のお伺いしたほうがいいのかもしれないですけど、他機関の連携と、それから、先ほどオープンデータの話も出ていましたけども、オープンデータとして、ほかの機関に提供していくとか、そういう可能性はありそうでしょうか。あるいはこれまではどうでしたか。

【曽宮環境研究技術室長】 そうですね。この辺りの議論についても、それこそ今、大きく情報インフラをどうしていくのかといった話がありまして、実は内閣府とかの中でもいろんな議論、できるだけ統合して共有化していこうという議論がございますので、ちょっとそういった関連も見ながら、どういった記述が可能なのかといったところを、いま少し精査をしていきたいというふうに思います。

【花木会長】 はい、そうですね。記述として書いておくことが必要だと思いますね。幾つか可能性はありそうだということですね。

 それから、三つ目の点。

【曽宮環境研究技術室長】 計測だと思います。ここは実は私も書いていながら少し、何というか、明確にしないといけないだろうなと思っていた点を、まさにご指摘いただきました。先生おっしゃるとおり、非常に重要で、かつ継続、地味かもしれませんけれども、まさにコアになる部分ですので、それは先生がおっしゃったように軽視していると、そういう記述に見えないように、しっかりここは書き込むことにしたいと思います。

【花木会長】 そうですね、三つ目は。だから、計測の部分に、計測に関する活動についても、そこを評価できるような仕組みになっていないと、今は何かちょっと陰に隠れているような印象があるので、計測についても重要であり、また、それを評価するという形にするのがよろしいでしょうかね。

【曽宮環境研究技術室長】 はい、承知しました。

【花木会長】 それから。

【曽宮環境研究技術室長】 4点目のGOSAT、エコチルのタイトルのつけ方。

【花木会長】 タイトルね、そうですね。

【曽宮環境研究技術室長】 ですけれども、そうですね、ちょっとここについては、今すぐ何かこうしたらという具体的なアイデアが出てこないのですけれども、確かにもう少し、何というか、ちょっと考え直したほうがいいのかもしれませんので、国環研さんと相談させていただければと思います。

【花木会長】 はい。一つは、この非常に長期の継続のプログラムですよね。複数の中長期計画にまたがる、何かそんなようなキーワードでまとめられるというようなこともあるのかもしれませんが、これは、じゃあ、ご検討をお願いいたします。

【曽宮環境研究技術室長】 それで多分、もう1点あったかと思いますけれども、(2)の分野のところで①から③の分野ごとに、たしか分配されるのかどうかという何かご趣旨のようにちょっと聞こえたんですけれども、ここの①、③は、この全ての分野を実施していく際の基本方針の記述という理解をしていただければというふうに思ってございますけど、あと、私の先生の問いかけの理解の仕方が間違っていればちょっとご指摘いただければと思いますけれど、①、③は基本方針を書いているということでございます。

【花木会長】 大久保先生、いかがでしょうか。特に最後の点。

【大久保委員】 ありがとうございます。最後の点につきましては、この分野と①、②、③が対応するんですかという意味ではなくて、その分野の中での何かが①、②、③、あるいはプログラムがこの①、②、③のどこかに対応するというような書き方になるのかどうかということを聞きたかっただけですので、そうではないという話で分かりました。ありがとうございます。

 あとは、今、全て詳細にご説明していただいて、ありがとうございます最初のプログラムの関係につきましては、⑤と⑥を独立させると⑥の評価について基準をつくるのはすごく大変そうだなという気はいたしますが、いずれにいたしましても、森口先生から、先ほどご指摘がありましたように①、⑤、⑥を「イニシアチブ」という形でまとめるとか、プログラムは相互に連携していますというのはおっしゃるとおりと思います。

 他機関との連携につきましても、ありがとうございます。ここはきちんと書き込んでおくことによって予算もしっかりつけてもらえるというか、きちんと実際にできるような形になるという観点もあるのかなと思って、それも含めて発言いたしました。

 以上、ありがとうございます。

【花木会長】 どうもありがとうございます。

 ほかの委員の先生方、いかがでしょう。

【木本委員】 木本ですが、よろしいですか。

【花木会長】 はい、どうぞお願いします。

【木本委員】 ちょっと確認も含めて簡単な質問を幾つかしたいんですが、まず第1に、資料の4-1というのは、主にというか、主語が環境省で、それで5年間の目標を掲げるというふうに理解して、それに対して環境研が具体的な計画で応えるということでよろしいですか。

【曽宮環境研究技術室長】 はい、そのとおりです。ただし、当然、目的を環境省が示すに際して、国環研さんとあらかじめ相談をしながらですね。

【木本委員】 当然ですね。

【曽宮環境研究技術室長】 ええ、つくっているということであります。

【木本委員】 はい。それで質問なんですが、計画では、この4-1の目標(案)をここで、この会議で検討することになっていますが、計画のほうは文書が出て、それをどなたかがチェックしたりはする予定があるんでしょうか。これが質問です。

【事務局】 計画については、国環研のほうで策定しまして、最終的には財務省の協議等で承認をされるということが必要なんですけれども、こちらの今回開催させていただいた審議会にはお諮りするというシステムというか仕組みにはなっていないということでございます。最終的には公表していただくことになります。

【木本委員】 分かりました。それを踏まえた上でご質問ですが、先ほど来、分野と、それからプログラムというのにいろいろご質問が出て、大変よく分かりました。私なりの理解では、分野というのは5年とか10年とか言わなくても、ほぼ結構継続的に研究を行う分野であって、まあ言ってみれば、そういう研究室がずっとあるというのにほぼ対応しているのではないかなと思う。したがって、中期目標期間が終わって次に行くときも、それほど分野についてはドラスティックな変更があり得ない感じなので、今回も前回と今回と比較しますと、少し名前が変わってるのもあるけれど、ほぼ1対1に対応しているなと思いました。ですが、計測のところがちょっと今回は横断的にということで、一番上の6つの分野からは外れちゃってるんですが、質問は、これは具体的に研究室がなくなるとか、そういう形になっちゃうんでしょうかという質問なんですけど、そうじゃなくて、単に書類の書き方が違うだけだということなのか、そこの事情を教えてください。

【曽宮環境研究技術室長】 この点については、組織の話というのがありまして、基本的には国立環境研究所さんの中で議論をして決定していく話になっていこうかと思います。ただ、私の理解では、研究室というか、そういうベースがなくなるというふうには理解はしていないんですけども、国立環境研究所さん、ご発言いただければと思います。

【花木会長】 そうですね。国環研、お願いします。

【渡辺国立環境研究所理事長】 理事長の渡辺です。

 今、木本先生からのご質問は国環研にとっては非常にセンシティブなご質問でございますけれども、実際には今、曽宮さんから発言いただいたように、組織については、分野固まったところでこれから詰めていくという、そういう状況にございます。ですから、まだ現時点で研究室がなくなるとか、なくならないとか、そういうところには行っていません。これまで第1期、あるいはそれ以前の国研の時代から、ドラスティックな変化があったかというと、地球環境問題が持ち上がってきたときに大きな変化があり、その後は、木本先生のご指摘にあったように-幾つかの柱がだんだんでき、それが固まってきているという状況です。その意味での継続性というのは保ちつつ、やはりそれでもいろいろと見直しを行っていくことが必要という、そういう視点から今議論を進めているというところでございます。

 以上です。

【木本委員】 ありがとうございました。まあセンシティブな話題なので、我々がこれ以上突っ込むあれはないんです。

 もう一つ最後に、プログラムのご説明があって、大変よく分かりました。それで、プログラムというのは、5年間で分かりやすい成果を出すためのトピック的な研究であると。ですから、複数分野が協力して集中してやるやつだ。で、4-1の文章は環境省が書かれるやつですから、大体この八つ、今挙げられていますが、こんなところで集中して、5年間集中してやってほしいという、言ってみれば希望が書かれておって、さらに、何をやったらやったことになるのかぐらいまでは4-1に書かれるんではないかと思いますが、その後、それを受けて環境研が、じゃあ、具体的にこれをやって、あれをやって、数値的にはこれを目標にしてというふうに計画で応えていくんではないかなと思うんですが、当然そこでは、4-1を発表するに当たっては、環境研と環境省と十分にもみ合った上で書かれるんだと思うんですが、今のところ、4-1の文章のほうで、資料4-1というやつがそうなのかな、には、何をやったらやったことになるんだというとこら辺までの具体性がまだないんですが、これは今後埋められてというか、詰められて我々に提示されるということで理解してよろしいですか。

【曽宮環境研究技術室長】 曽宮でございますけれども、基本的にはですけれども、少し先生のおっしゃったような方向で記述を充実させることは考えたいと思いまして、あと、これとは別に評価、ちょっと今回お示しできなかった別添2となるべきものですけれど、これの中で評価の基準というものが書かれていくことになりますので、その記述の部分を、何をやったらやったことになるのかといったところと密接に関連するものとなっているというふうにご理解いただければと思います。

【木本委員】 はい、ありがとうございました。

 長くなりました。以上です。

【花木会長】 今の件ですけど、国立環境研のほうで少し前の発言で、渡辺理事長だったでしょうか、ショートバージョンとロングバージョンとつくるということをおっしゃったと思うんですけど、正式書類としてはどちらが正式になるんでしょう。

【渡辺国立環境研究所理事長】 今のはどちらへのご質問でしょうか。

【花木会長】 あれ、たしか理事長がおっしゃったんですか、さっき。森口理事でしたっけ。何かショートバージョン、ロングバージョンと言って。

【森口国立環境研究所理事】 国環研のほうから少し補足させていただいてよろしければ、研究担当理事、森口でございます。

【花木会長】 はい、お願いします。

【森口国立環境研究所理事】 先ほど、大久保委員のほうからご指摘があったことのうち、4点目のご質問とも関連するんですけども、ロングバージョンと申しておりますのは、中長期計画の本文ではなくて別紙という形で、もちろん正式な文書なんですけども、細かに書き込む部分がございます。ちょっと前後いたしますが、先ほどの大久保委員からのご指摘に関して言えば、①から③に関して具体的にどういうことをやるのかというのを分野ごとに書き込んでいくような、そういうある種、マトリックス構造にありますし、分野ごとに①、②、③の濃淡がありますので、それは分野ごとの中で書き込んでいる。これは、実は第4期の中長期計画でも同じような構造になってございます。

 プログラムに関しましては、今、骨子(案)でお示しいただいたものの中に、その中身が多少書かれているんですけども、具体的に研究を実施していく中では年度計画ですとか中長期計画の中で、より具体的に書いていかなければいけないだろうと。そういったところは第4期も同じなんですけれども、別紙の中に書かせていただいて、中長期計画本文のほうはもう少しショートにというか、シャープに絞り込んだ文章にするほうがバランスがいいのではないかなと、私どもとしては受け止めております。先ほど、木本委員からご指摘があったように、どこまでやればやったことになるのかという辺りを、もし本文のほうに簡潔にお示しいただけるのであれば、それに対応した計画を私どもとしては出させていただく、そういう感じで考えています。ショート、ロングというのは中長期計画本文にどこまで書くか、それから、別紙のほうにどのように書くかと、そういうような形というふうに私どもとしては受け止めております。

【花木会長】 はい、ありがとうございます。その辺りは、じゃあ、これから調整を環境省と国立環境研のほうでちょっと相談していただければと思います。よろしいでしょうか。

【曽宮環境研究技術室長】 はい、承知しました。

【花木会長】 ほかの委員の先生方、いかがでしょう。

 花木ですけど、一つよろしいでしょうか。災害環境研究なんですけど、前の中長期計画のときには、ある種、目玉としてこれが出てきたわけですけども、それが、最初の立ち上げ時期が終わって一定程度確立して、動き始めたから、この普通のほかのプログラムと同じ横並びの中に入っていったんだと。決して災害環境研究プログラムを縮小するという意味ではないですよね。その辺、ちょっと確認したいんですが。

【渡辺国立環境研究所理事長】 私のほうから概略を、すみません、ちょっと。

【花木会長】 どうぞ、どっちが。曽宮さん。

【曽宮環境研究技術室長】 いや、国立環境研究所さん、どうぞ。

【花木会長】 はい、どうぞ、じゃあ、環境研。

【渡辺国立環境研究所理事長】 すみません、申し訳ありません、ちょっと勇み足をしてしまいました。

 先ほどからの説明の中にもありましたけれども、5期のプログラムというのは、5年間での達成目標を明確にして、4期に行ったメニューをスリム、シャープにしていくという、そういう方針で組んでいます。それで、災害環境研究プログラムも、やはりその中に入ってくるわけですけれども、-今、花木会長からご指摘のあったとおり一つは確立してきたという点でかなり整理されてきたという面もあり、同時に、プログラムでやるべきところとはある程度絞って、全体 今、福島支部が主になり、循環センターも担当していますけれどもでやるべきところとある種の分業をし、災害環境研究全体の規模は変わらないという形でイメージとしては今捉えておるというところです。

【花木会長】 はい、ありがとうございます。よく分かりました。

 ほかの先生方、ございますでしょうか。

(なし)

【花木会長】

ございませんようでしたら、これで議論については終了したいと思います。

 様々な意見が出ましたので、事務局のほうで次期中長期目標の素案を次回までに作成をお願いいたします。

 さて、議題としてその他というのがありますが、事務局から今後の予定等、ございますでしょうか。

【事務局】 今後の予定ということで、資料5でございます。本日、審議会を開催させていただきまして、骨子(案)ということで、まだ、すみません、大分見直すところがあるかと思うんですけれども、国環研のほうと調整、また、省内のほうとも調整いたしまして、目標素案という形で修正したものを作成いたしまして、10月の末頃にメールで委員の皆様にお送りさせていただくと。その際に意見シートというのを、また評価のときと同じような形で恐縮ですけれども、お送りさせていただいて、ご確認、ご指摘いただくということをさせていただきたい。その意見シートを11月13日頃までに頂戴いたしまして、次、11月26日の審議会のほうで目標(案)という形にまとめまして、最終の審議をしていただくということでございます。その後、審議会が終わりましたら、目標(案)の最終的な最終確認としてのご送付を12月11日頃に、最終意見の提出をまた12月の中頃までに、18日頃までということにさせていただいて、最後、確定したところで委員の皆様にまたお送りして、省内手続をしまして、年明け1月上旬頃には独立行政法人評価制度委員会のほうに通知、提出させていただくということを考えております。

 補足というか参考情報でございますけれども、12月4日に独立行政法人の評価制度委員会というのがございまして、前回、5年前の第4期の目標を策定する際には、こちらの評価委員会が終わった後に環境省の審議会を開催させていただいていたので、この独立行政法人評価制度委員会で出た意見等を反映したものを審議会にお諮りすることができたんですけれども、今回は先方の日程調整とこちらの日程調整が逆転してしまったということがございますので、事前情報をなるべく回収いたしまして、それを反映したものを目標(案)の送付ということでお送りさせていただくときまでに整理をさせていただきたいと思います。なるべく審議会のほうにお諮りする資料には反映していきたいと考えております。

 あと、次回11月26日の開催方法は今未定としておりますけれども、こちらも新型コロナの影響等を考慮しまして、またご相談させていただきたいと思いますが、大体1か月前ぐらいにご連絡させていただきたいと考えておりますので、この目標素案をお送りする頃にご連絡できればというふうに考えております。もしくはWEBのほうがよいとか、ご意見がありましたら伺えればと思っております。

 以上でございます。

【花木会長】 はい、ありがとうございました。開催方法については、それぞれの委員の方が、もしこっちのほうがいいというのなら連絡すると、そういう形でよろしいでしょうか。特に遠くからいらっしゃる方がどちらを希望されるかということも必要に応じて意見を言っていただければと思っております。

 さて、今のご説明で質問とか、ございますでしょうか、今後の進め方についてですね。よろしいでしょうか。

(なし)

【花木会長】

 それでは、これで本日の議事は全て終了いたしました。

 以上をもちまして、第16回環境省国立研究開発法人審議会を終了させていただきたいと思います。どうも本日はありがとうございました。