環境配慮契約法基本方針検討会 船舶ワーキンググループ(第1回)議事録

出席委員:
石渡委員、内野委員、川上委員、河村委員、桐明委員、鈴木委員、千田委員(座長)、武田委員、藤田委員、三村委員(五十音順、敬称略)
欠席委員:
塚本委員、遠山委員

日時

平成21年10月1日(木)14時30分~16時30分

場所

中央合同庁舎4号館1階108会議室

1.開会・あいさつ

事務局:本日はお忙しいところご参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、これより第1回環境配慮法基本方針検討会船舶ワーキンググループを開催させていただきます。会議に先立ちまして環境省総合環境政策局環境経済課石飛課長より御挨拶申し上げます。

石飛課長:御承知のとおり政権が変わりまして、地球温暖化対策に関しましても現政権は90年比-25%という高い目標を公約として立てて、私どももそれを実践するための検討をという指示が昨日の閣僚委員会で下りてきているところでございます。とにかくありとあらゆる対策を総動員しなければ非常に難しいという認識は多くの方々が共有しているところでございまして、この環境配慮契約法は御承知のとおり平成19年、今から2年前に出来た比較的新しい法律でございますけれども、それまでは会計制度の中では、同じ性能のものであれば価格の安いものということが会計契約の大原則であったわけでありますけれども、そこに環境の配慮を加えた契約をするということで非常に画期的な法律であるわけであります。この法律では国の政府の機関、独立行政法人、国立大学、こういったところがその対象になっているところでございまして、実質始まったのは平成20年、昨年度からでございますけれども、徐々にそういう契約が浸透しつつあるという状況でございます。そうは言いましても環境配慮契約法のみで温暖化対策がすべて進むわけではないということも重々承知しておりますが、やはりありとあらゆる対策の中のひとつとして私どもは重要だと考えております。国の温暖化対策の率先実行計画で毎年統計を取っているのですが、その中で船舶が占める割合のというのは約3割ございます。後でまたグラフが出て参りますけれども決して小さくない数字でございますので、これにつきましても親検討会の方でやはりこの契約法上何らかの規定ができないか検討するようにという方向性が示されたので、昨年1回だけ懇談会という形式で今日お集まりの方ほとんどご参画いただいたわけですけれども、情報交換、意見交換をしたわけでございます。今年度も親検討会でその結果を座長の千田先生からご紹介いただきまして、この契約法上のルールに則って契約ができるかどうか、そこをさらに詰めて行くべきであるという方向性を示していただきましたので、本年度はワーキンググループという形で今日第1回の開催をすることになったわけでございます。前回の懇談会でもいろいろ意見を伺いまして、船舶といってもその大きさにより、また用途により非常に幅広いものであることは再認識をいたしたところでございますし、また契約方式も非常に多種多様であることも承知しております。その中でこの環境配慮契約、環境配慮というのをどう進めていくかということが、その中でどこから始めていくべきなのかということも、さらに検討すべき課題があるなということでございます。今日は委員のみなさま、それからオブザーバーとして各省・委員会の方もおいでいただいておりますけれども、今年度一定の成果を上げるべく今日議論を開始していただければというふうに思っているところでございます。後でまたスケジュールも申し上げますけれども、何度かワーキンググループを開いて、その間親検討会も開き、一定の成果が得られればそれも含めたパブリックコメントもするというようになるべくオープンな形での議論を進めていくというのがこの環境配慮契約法上のやり方でもございますので、スケジュールが厳しいなかではございますけれども、これからご指導ご意見を賜ることをお願いいたしまして開会に際しての挨拶とさせていただきます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

事務局:(委員及びオブザーバー紹介、資料1説明 省略)

2.座長あいさつ

千田座長:昨年度の懇談会から座長をさせていただき、合わせて親の検討会の委員ということで検討会の方にも2回出席させていただきました。先ほど石飛課長の話にもありましたように、政権が変わりましてGHG削減が一層加速されるであろうということでございます。今回の環境配慮契約法と申しますのは、国の事業で自ら排出しているGHGを削減していく、そのために環境に配慮した契約ができるようにという、先ほど課長がおっしゃられましたように、価格で本来競争すべきところに環境の観点を入れることができるという法律でございます。大元の目的はGHGの削減ということでございますから、我々としましても船舶の分野でいかにGHGを削減できるかという観点でぜひご検討をいただきたいと思います。と申しますのは、船舶の場合はいろいろな難しい問題があるというのは前回の懇談会でも話しております。先ほど契約のお話がありましたけれども、技術的に申しますと本来輸送機関が持っている環境の指標については、これが官庁船の場合には物を運ぶものではないということからも使えないということで、測り方が非常に難しいと言いますか、測り方がない。こういうなかでいかに環境配慮を定量的に入れていくかというのは、技術屋から見ると非常にやっかいな問題かなと思います。ただそういう難しいことをいくつも挙げていきますと話が進みませんので、ここは何ができるかということのお知恵をぜひ拝借したいと思います。その際に、これも良い悪いがあるかもしれませんが、他の分野での環境配慮の類型がいくつかございます。それも参考にはなりますけれども、それではここが都合が悪い、あれだとここが具合が悪いという話に往々にしてなってしまいます。従って大元はGHGをどうやって減らすかというところに国自身が何ができるかというところでございますから、その原点に帰って柔軟な発想でお考えいただければ非常にありがたいというふうに思います。それでは余計な話はこれで終りにさせていただきまして、早速議事に入らせていただきます。それでは議事予定と配布資料の確認について事務局の方からお願いします。

事務局:(議事予定、配布資料の確認 省略)

3.議事

千田座長:それでは議事に入らせていただきます。本日の議題は、船舶の調達等に係る契約における環境配慮についてということで、環境配慮の方向性を、第1回ということもありまして方向性の議論をいただくということが主でございます。その点に関しまして、資料3によって事務局の方からご説明をいただきたいと思います。

事務局:(資料3説明 省略)

千田座長:ありがとうございました。今事務局の方から資料3でこのワーキンググループで検討すべき内容についてご説明をいただきました。今日の資料のベースは昨年度の懇談会の議論でございますので、その点も含めてご議論をいただければと思います。特に資料3の中の3の検討方針と4の船舶の調達等に係る契約に関する基本的な考え方、このあたりを中心にご議論をいただけたらと思います。ご議論いただく前に今のご説明について何か質問とか、予め聞いておきたいことがありましたらお願いします。

国土交通省:よろしいですか。参考資料の2で政府が所有している船からのCO2の排出のご説明がありましたが、2ページ目の詳細な表の中でいわゆる政府実行計画の対象外の船舶も含むというご説明だけだったのですが、具体的にはこれは防衛省の船は実行計画の中に入っていないということでございましょうか。

事務局:防衛省の中で、一番上の実習・教習・訓練、こちらの方は防衛大学校の数字でございますので、その下の自衛艦、支援船、砕氷艦、これらは政府実行計画には含まれてございません。それからその上の法務省から国土交通省までの数字の中にも、例えば経済産業省の資源エネルギー庁の数字でございますとか、その他の数字もいくつか政府実行計画の中には含まれていない項目もございます。

国土交通省:実行計画の中に含める含めないという一定のクライテリアというか、考え方というのはあるのでしょうか。

事務局:当時、行政目的等に応じて決められたものであるというふうに考えています。

国土交通省:検討会の方では防衛省も含めるのだろうなというような委員のご発言があったと思うのですが、それは含まれていないということで、考えなくてもよいという整理をされたということですか。

事務局:契約の方式がどのようなものになるのかにもよってくると思うのですが、防衛省の方でも適用できるようなものであれば、適用できるものであれば適用をお願いしていくということになります。

藤田委員:懇談会の議論がはっきり頭に残っていないので聞きたいのですが、表2ですが、先ほどご説明の中でこの対象は国、独法と挙げられていましたが、例えば大学の船舶、訓練とか調査船というのはこの中に入っているのですか。

事務局:入っておりません。

藤田委員:そうですか。とりあえずそういう調査をした結果ということで、この法律の対象とは別問題ですか。

事務局:さようでございます。

千田座長:対象ではないのですか。

藤田委員:対象だけれどもここには入っていないということですよね。

事務局:政府実行計画の対象と環境配慮契約法の対象は必ずしも一致していないというのが現在のところでして、例えば国立大学法人などは実行計画の中に入っていなかったと思います。環境配慮契約法の場合はそれも対象になっているということでございまして、そういう意味で言いますと対象は違います。

藤田委員:違うから、我々が議論する場合の対象としては考える必要がある。

事務局:はい。考えていただければと思います。

藤田委員:そうですね。情報としては入ってないけれども。

事務局:ここには入っていませんが、国が関わるものについては基本的に入るとお考えいただければと思います。

千田座長:ありがとうございます。地方公共団体は法律の対象ではあるのですか。

事務局:環境配慮契約法は国及び独立行政法人には義務が係るという表現をしてございますが、地方公共団体に対しましては努力義務ということで、努力をしていただきたいという規定になってございます。

千田座長:このワーキンググループが考えるのは、国と国の所管する行政法人、大学法人、というふうに整理するということでよろしいですか。

国土交通省:コメントを申し上げたのは、この検討の対象を縮めようという意図を持って申し上げているわけではないのですが、数値を拝見させていただきますと、いわゆる政府実行計画の中の約3割の数値の合計は、独法が入ってないなど若干正確を欠く部分はあるのだろうと思うのですが、表1の全項を足し上げても100万t足らずくらいです。一方、政府実行計画の外にある船舶もそれより若干大きいくらいの量のCO2が出ているということを考え、さらに政府実行計画の中にも取り締まりであるとか警備であるとか、燃費よく走りましょうということを主眼にして運用する船舶ではないもの、もちろん追跡をしてすごいスピードで走らなければならない局面もあるでしょうし、ゆっくり走っている局面もあると思いますけれども、いわゆる性格的に言うと対象外になっている防衛省の護衛艦なり自衛艦なりそういうものとかなり近い性格の船もあるなかで、もちろん政府実行計画の対象、対象外という線引きがあって、違った取り扱いということに今はなっていると思うのですが、やはり配慮できる範囲とかその程度とかそういう意味においては中にあろうが外にあろうが一緒ではないかということではないのだろうかと。そこはこの場で検討すべき事項にはおそらく入っていないのだろうと思うのですが、その点については上部の検討会なり環境省の政策としてどうするのかというのは別途きちんと検討していただきたいと思います。そこのところが非常に曖昧になったままこの検討を進めると、結局検討しているのだけれども量的に、例えば非常にCO2の排出のポーションの小さいところについて、矮小な部分をみんなで一生懸命議論しているというのはあまり社会的にも有効な議論ではないのではないかと思いますので、ぜひ全体の議論がもっと有効になるような方向で全体にマニューバーしていただいた方がよいのではないかということを申し上げます。

事務局:ちょっと紛らわしくなって申し訳ございません。参考2で政府実行計画のグラフ等を示しておりますのは、船舶起源の排出量がこの程度ありますよということを例示するためでございまして、あくまでも対象としては、先ほどの通り国または独立行政法人が対象になるということでございます。それでは防衛省、海保で持っている船はどうなるのかということにつきましては、資料3の4ページから5ページに(1)、(2)と書いてあります通り、政府の実行計画の対象外だから外すということではなく、用途、目的で対象とできるのか、あるいはできないのかということをご議論いただくということが、環境省からお願いしたい内容でございます。

千田座長:親の検討会に出ている委員の立場としては、防衛省はなかなか微妙なのですが、海上保安庁を含めてどうするかということについては報告をしなければならないと考えています。今まさにおっしゃられたように、最終的にどこに対するものにするかは別として、どういう考え方で何ができるかというところを議論する場合には一応国全体を視野に入れてご議論いただければと思います。最終的に残ったものが大きいか小さいかということは確かにあるのですが、GHGに関しては、そのポーションが小さいからどうでもいいという話にはならないということになっていると思います。だから結果として対象になった部分が小さくなっても最終的には、それはそれでその部分はしっかりやるという内容に持っていくのかなと考えております。

石渡委員:表の中には警察庁の船が入っていないのですね。国で入札して警察庁へ、そして地方公共団体に配属されます。その船が相当数あるわけです。これが載っていないのはなぜですか。

事務局:字が小さくて恐縮ですが、参考2の表2の下の注釈に、警察庁では平成21年4月1日現在で186隻の警察船舶を整備してあるということでございますが、その船すべてが都道府県警察が使用しているということでございます。所有者は警察庁でございますが、使用者は都道府県警察になってございます。従って燃料使用量は現在把握しておりません。

千田座長:これも先ほどの議論と同じで、表にあるかないかは検討対象であるかないかということではなくて、今のお話からすると警察の船舶も念頭においていただいてもかまわないと思います。ただ最終的にそれが対象になるかどうかはまた別の整理だと思います。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは個別の議論ということで、3の検討方針のところでいくつか大きな問題がございます。一応こういう整理をしていただいておりますので、各項目から順番に議論をしていただければと思います。まず、すでに少し議論になったところですけれども、用途・目的等による船舶の区分ということで、これは前回のご議論の中で色々な用途があって、しかも船の大きさによっても契約の形態が随分違うということで、一括して船舶はこうするという整理はしにくいのではないかというご議論があったことを踏まえて、ではどういうふうに分けていけばよろしいかというところでございます。ここにあります事務局に整理していただいたものでは、まず大型と小型は違うと、小型の中ではガソリン機関のものとディーゼル機関のものは違うということで、こんなふうな分け方がひとつあるというものが案として書かれているというふうに理解しておりますが、この辺はいかがでございますか。少し思い出していただくために補足いたしますと、大型船舶は単品生産と言いますか、一船一船別の仕様、別の契約になる場合が多いのですが、小型船舶の場合は必ずしもそうではなくてある程度、カタログ製品とまではいきませんけれども、ある程度類型化された船舶を購入する形があるのではないか、というご議論だったと思います。

内野委員:小型船舶の機関にはがガソリン機関とディーゼル機関の2つがあります。これは当然燃費にかなり差がありますから、ここはぜひこの二つの機関を分けて、この提案のように燃料種別に検討していただきたいと思います。

千田座長:つまり、ガソリンとディーゼルを同じ土俵に乗せるとガソリンが勝てないというご意見ですね。そういうことを踏まえて原案は小型船舶はさらに分ける必要があるだろうということでございますが。

石渡委員:小型と大型という区分なのですが、座長は量産艇が小型とおっしゃいましたが、ならば、区分を大型/小型としないで量産艇と一品生産というふうに分けた方がはっきりすると思います。

千田座長:そうですね。今のは私の解釈なのですが、事務局案はそういう考え方でよろしいでしょうか。量産艇というとそれはちょっと言い過ぎでしょうか、前回はそのような議論があったと思います。大型船舶はいわゆる基本設計から全部行われるのに対して、小型船舶の場合は購入のケースがあるということです。

内野委員:これは個人的な考えですが、法律で24mという区分がありますので、小型船舶という形で区別したらどうかと思うのですが。

千田座長:たぶんそういう定量的な分け方をしておかないと後で困るのだろうなとは思うのですが。その辺何か事務局の方ございますか。

国土交通省:おそらくどこまで詰めるのかということによって、どこで分けたらいいのかはかなり変わってくると思います。例えばエンジンの燃費だけではなくて艇体も含めた総合性能で考えるという話になった時には、どこで切るべきか、おそらくかなり難しい話になってきます。一方、エンジンの形態を考え始めると非常に複雑になってハンドルできなくなるということで、例えばエンジンの燃費に着目してそれでものを考えた方がいいという割り切り方もあると思います。そうなってくると大型艇、小型艇という分け方もそれほど神経質にならなくても、大まかに決めてしまってもいいという局面もあると思います。ですからどこまでCO2の排出の性能というので個々の契約に対して突っ込むのかというところの議論をしていかないと、なかなか今ここでは考え難いところもあるのではないかと思います。

千田座長:前回の議論を思い出して欲しいのですが、この場合の小型をあえて分けた方がいいというのは、この辺はある程度エンジンの性能を押さえておけばいけるというようなニュアンスだったのでしょうか。最終的に、ははっきり線を引かなくても、それぞれの契約に応じてこの類型を使った方がよいという選択肢として残ってもかまわないだろうとは思うのですが。ある種典型的な、具体的なものを想定していかないと、せっかく分けても小型でもまだいろいろあるという話になると話がややこしくなりますね。

藤田委員:お聞きしたいのですが、例えば車ですとこの法律に関してこのようなやり方をしているのですか。

事務局:自動車の場合はそもそも省エネルギー法という法律がございまして、基本は車両重量で分けられています。一般的に考えていただければ分かるように、自動車の場合は重くなればなるほど燃費が悪くなる傾向があります。国土交通省、経済産業省で定めた基準がございまして、例えば1,000kgの自動車がこのくらい走って欲しいというトップランナーの基準をクリアしていただくということをそれぞれ重さごとに区分するという形になっています。更に分けますとガソリンとディーゼルとか、乗用車とトラックとかというような形で車種でも分かれますが、原則重さということで考えていただいて結構です。

千田座長:はっきりした類型分けを持っていますが、何か全然違うということではないと思います。

鈴木委員:国土交通省からありましたエンジンの燃費基準ということだけであれば比較的簡単だろうと思うのですが、これまでの議論とか、それから今特に大型本船系の方で議論されている低燃費ですね、艇体の抵抗をいかに減らすかというのが今盛んな技術ということでやっているのだろうと思います。エンジン自体の燃費改善というのは革新的な技術がない難しいなかで、そういう流れにあると考えています。そのなかで、契約の中で建築物等で先ほどご説明いただいたなかであったのが、要はひとつでも低燃費手段というのが契約法に入れられるというのは、船の場合もそういう考えがあるのではなかろうかという気がしております。

千田座長:ありがとうございます。他にある程度船舶を分類してやるという、船自体の特性もそうですが契約の形態も違うということがあったかと思うのですけれども、この辺はいかがでしょうか。

石渡委員:資料には「小型船舶と大型船舶は分けて検討を行うこととし」と書いてありますが、これにはあまりこだわらなくて、用途・目的別に検討した方が結果的にははっきり結論が出るのではないかと思います。

千田座長:と言いますと、例えばどんなふうな分類になりますか。

石渡委員:例えば、海上保安庁の巡視船艇と灯台見回り船とは随分性格が違います。巡視船艇はまず高速が要求されますが、灯台見回り船や法務省の入管艇など、速力は要求されません。船の場合CO2削減は速力を遅くすれば少なくなり、一定の速度で走る用途の船は評価しやすいのですが、高速力や特殊な仕様の場合、船形、重量、主機仕様、推進装置等の評価は随分難しくなると思います。

千田座長:ありがとうございます。ただこれはどんな技術が適用できるかということではなくて、契約をする時にどういった形でそういった問題が盛り込めるかという観点で整理されるべきものだと思いますので、確かに速力というのもひとつなんですけれども、必要な要求仕様は全部盛り込んだ上で、なおかつその上に環境性能をどこまで上乗せできますかということで、そこは技術的には違うのですが契約的には同じような話になってくると思います。なぜ分けたいかと言うと、基本設計をやるところと製造とは違うというところと全部一体でというところは違うというのが大元にあったと思います。ですから、速力だけで分けるというのは技術的にはよく分かるのですが、契約の形態ということで言えばちょっとそこでは分けづらいという気がするのですが。本来、大型小型というのはそういう趣旨ですよね。2ページ、3ページにある2つの発注形態があって、契約形態だけでもなかなか難しいからもう少し進めて、小型というのがエンジンの性能が非常に影響が大きいところで大枠的な話がしやすいのではないか、ということで小型を括り出しているというような感じかなと思うのですけれども。

事務局:基本的には2ページ、3ページにある図で一番右側のところにある要求項目の例というところで、総トン数とか材質とか最高速力というところがありますけれども、その他にも設定できると思いますけれども、これだけはクリアしていただかなければならないことは当然クリアしていただいた上で、さらに環境性能が良いもの、例えば燃費が良いものというのを選んでいきたいということです。行政目的があって調達しようということですから、その目的は最低クリアするものであって、クリアするものの中でさらに環境性能のよいものを調達するということを今念頭に置いております。小型大型を分けてというところは、大型ですと2ページ、3ページの例がありますので、設計を委託する場合があったり、建造というところが別になっていたりするということで、大型というのはかなり要素がいろいろありそうだということですけれども、一方で小型というのは、先ほど量産船というお言葉もありましたけれども、どちらかというと出来ている船を購入するという時に要求項目を満たす船の中で、より環境性能のよいものを購入したいということで、小型というのはもう少し簡便に分けられないかということで分類をしてみたというところであります。

千田座長:そういう意味で小型というのを括り出した時に、比較的話がシンプルのなるのではないかという気がするのですが、いかがでしょうか。

藤田委員:座長に確認したいのですが、今のお話は2つありますね。契約。シンプルな方が小型という意味ではないですね。

千田座長:一本でいこうと。

藤田委員:一本でいくというのは。

千田座長:要するに基本設計が別契約になっているかどうかという。

藤田座長:これは小型大型では契約形態が違うわけではありませんからね。

国土交通省:2ページ目、3ページ目につきましては小型大型というわけではなくて、一般的な契約の形態として、自分のところで調達者が設計する場合と、あるいは自分のところで設計できないので外注する場合、こういう分け方をしているだけであって、どちらかというと小型大型というわけではない。あと先ほどの補足として、昨年度の懇談会で大型というのは単品受注、小型というのは大量生産という、一般的にはそういう流れですけれども、例えば後ほど出てくる燃費の裾切りという場合、エンジンの値も燃費の裾切りの場合には、小型の船の場合にはエンジンの燃費が船の全体の燃費に関連性が強いということが言えると思います。一方で大型になればなるほどエンジンの燃費が船全体の燃費にはならないと思うんですね。そういうふうな違いがあるので、こういうふうに便宜的に分けて検討した方がいいのではないかと捉えています。

千田座長:ここだけ長くやっても時間がなくなりますので、とりあえずこの議論はここで終りにしまして、次に新たな契約方式の可能性についてという(2)のところはいかがでしょうか。ここは字面だけではわかり難いところがあると思うので、少し補足はありますでしょうか。

事務局:(2)のところでございますけれども、まず最初に書いてありますとおり、懇談会で価格だけでなく技術の評価も必要だという意見があったということで、例えば総合評価方式を取る場合、あるいは先ほどの環境配慮プロポーザルの例もありますとおり、まず価格競争以外の方式を導入した上で、その中の評価項目の一部として環境配慮のことを盛り込むということを検討していくべきではないかということを書いております。また、場合によっては自動車のように燃費のみを指標とすることも考えられるのですが、そうではなくて環境以外の一般的な技術の評価も導入するのであれば、他のこともいろいろ要素がある中で、例えば5つくらい評価する中の1つが環境だというようなことでももちろんあり得ますので、例えば総合評価で技術展が何点かを評価して、その点数と価格で評価するということを考えてはどうかということでございます。それから後半のところが、先ほどの議論と重複してしまいますが、まさに用途の話でして、警察車両などは環境配慮契約法をそのままただちに適用できない部分があるということもありますので、それと同じような扱いをどういった場合にするのかと。あるいは単に燃費だけであれば、例えば海上保安庁の船舶でもできる要素があるのかと。あるいはやはりいろいろ秘密にしなければならない部分があってできないのかと。まさに用途でどうしたらよいのかということが後段の部分ということでございます。

千田座長:それではまず技術の評価というところですけれども、この後の4の評価方法にも関係しますが、総合評価的な価格以外の要素を契約の中に盛り込む時の評価については何かお知恵はありますでしょうか。先ほど私、トンマイルベースの話はなかなか使い難いのではないかというふうに申し上げましたけれども、そうでもないというのか、あるいはこういう形でなら技術の評価ができるというところはお知恵をいただきたいと思います。

内野委員:「(4)評価方法」も多少絡んでくるのですが、小さな小型船舶といっても、エンジンで言えば数馬力から何千馬力ほどの幅があり、船の大きさも数mの大きさから、大きいものは24mまであります。船ごとの燃費だけの評価をすれば当然小さな船の方が燃費がいいという話になってしまいます。ですから、エンジンの形態をディーゼル機関とガソリン機関に分けて、まずはクリーンなエンジンを積むということ、それはエンジンの馬力ごとの燃費だとか、排出物の規制などがあって、それぞれの船艇が、クリーンなエンジンを積んだ時に同じ馬力と同じ排出量であれば、スピードが出る方が効率がいいなど、そういう評価の方法は可能であると思います。

千田座長:ありがとうございます。確かにエンジンというのは比較的技術評価しやすいかなと思います。船体の方は何か評価する方法はありますでしょうか。

内野委員:小型船舶でいえば、排出量とスピードと馬力ですね。これで評価するしかないのではないかと思うんですが。

武田委員:技術という評価を考える時に、例えば排水量しか与えられなければ、長さとか幅とか触る余地が出てきます。一方、技術という意味では船の性能という意味で長さ、幅、スピードが要求されてしまえば、あとはエンジンをどういうものにして燃費を少しでも良くするかという考え方しかないことになり、検討できる範囲が狭まってしまう。そういう意味では技術の評価といった時には、元々要求されている仕様の与え方とも関連してどういう技術が提供できるかという、違う道筋に行く可能性はあると思います。その辺が単純に技術という評価をする場合にも何が本当に要求されているものであって、融通がきく部分がどれだけあるのかということとの兼ね合いがあるのではないかなという気がします。

千田座長:確かに先ほどの内野委員のご意見もそうなのですが、小さいほど良くなってしまうという話もあるのですが、要は技術上の仕様は全部盛り込む、つまり大きさとか、排水量とか、それらは全部盛り込んだ上での環境性能ということになるので、これは船によってあるいは用途によって違ってくるのかなと思いますけれども、色々なケースがあるとしても、その中で技術を何らかの形で評価するという時にエンジンであれば燃費というものがあると。ただその他に何か評価できるような指標というのはあるのだろうかということかと思うのですが。

石渡委員:スタッフがいるところは造船所の技術評価、例えば海上保安庁はきちっとしていますけれども、具体的に警察庁のなどの場合はスタッフがいない。そうしますと40ノットの実績がある業者だけを入札に参加できるというような実績で区切っております。

千田座長:ありがとうございます。

川上委員:先ほどからエンジンの評価は燃費というお言葉があったのですが、鈴木委員からの意見もありましたように、現状のエンジンですと各メーカー低燃費に努力しまして1%の競争をやっているという状況でございます。車でいう燃費というのは車のシステム、エンジンだけではなくてシステムの燃費ということで、そこの燃費は同じ燃費なんですけれども、やはり船体として船舶のシステムとして見なければいけないので、エンジンの1%とか2%というのがどの程度船舶のCO2削減に繋がるというのは色々なところがあって、エンジンだけ見てもなかなか評価は難しいところがあるのではないかと感じました。

千田座長:まさにおっしゃるとおりで、そういう意味でエンジン単体で見たら一応指標はある。だけど船体側の方はなかなか難しいですね。単純に船体とエンジンというふうに仕分けしていますけれども、自動車はまさにそれが合わさった形で、自動車でいう燃費というのは馬力あたりの燃料消費量ではなくてキロメートルあたりのという形で出てきますけれども、そういったところに行きたい。けれども、トンマイルベースにしたらいいかというとそれもまた違うということで、ちょっと議論が堂々巡りして、私も解がないだろうという質問をしているというのは承知しているのですけれども。

河村委員:通常の商船ですと、CO2削減30%ということで船型もエンジンも色々なものを含めてやっているのですが、官庁船でネックになるのがどうしても設計をするところと建造するところが分離している、やはり公平性ということもあって、そうするとやはり武田さんがおっしゃったように、大きさとか全て与えられているなかで、我々としてはどうしても造船所として受注したいわけですから、そうすると最初の設計に参加できないとかしてしまうと、次の入札に参加できないとかそういう縛りがあるところもございますので、そういう場合なかなか実力を発揮できないというところがあると思います。ですから、そういう意味ではここに懇談会で、私、懇談会には出ていなくて申し訳なかったのですが、設計からの一括した発注のというか、そういうようなことをお考えいただかないと、なかなか途中から入っていって性能を良くするというのは非常に難しい話だろうというふうに思います。

千田座長:今おっしゃった一括した発注というのは、やはりそういう意味で出てきた条件で、基本設計のところでいろいろなアイデアを盛り込んで実際の建造は違うところに行ってしまうというのは、そんなところに知恵は出せない、という前回のお話があったことを踏まえていると思うのです。実は今、基本設計と建造とが分かれるような形態というのは大変難易度が高いものですから、ちょっと一旦後回しにしてシンプルな方から行けないのかというのを私としては希望しているところです。それであえてその議論を先に出して、技術の評価うんぬんのところを重点的に議論させていただきました。そういう意味で、ある程度の小型艇であれば、何度か申し上げていますようにエンジンの燃費というようなところを盛り込むことで、それですべて評価できるという意味ではないとしても、ある程度トータル燃費に反映しますよというようなストーリーというのはあり得るでしょうか。それはかなり無理があるのでしょうか。その辺はいかがでしょうか。

三村委員:それはあり得ると思います。基本的に同じ総トン数の船で同じスピードを出す場合、船型とプロペラ設計等によりたぶん性能の差が出てきます。同じスピードを出すのに少ない馬力でスピードが出るということが省エネ船ということになります。ということは、エンジンの機能も、エンジンの燃費も先ほど言われていましたとおり1%くらいしか違わないというふうになってきていまして、性能的にはほぼ極限にきております。船型も結構そういうことになってきておりますが、高速艇の場合などは船型とプロペラの組み合わせによる総合的な技術力では結構差が出てくるんですね。スピードで押さえるのか、エンジンの馬力で押さえるのか。スピード一定でもし押さえるのであれば、先ほど申し上げた通り、その評価はエンジンの馬力が少ない方が性能は良いということになると思います。後はエンジンとしてどれを使うかということになるのですが、同じ馬力の出るエンジンで燃料燃費の少ない重量の軽いエンジンを使えばそれが一番評価としてはいいということに単純にはなると思います。

千田座長:ありがとうございます。実際の契約をそんなにしているわけではないのですが、今おっしゃったスピードというのは、必要なスピードは仕様として盛り込まれるという前提で、つまりすべて必要なものは盛り込まれた上で、その上に環境性能がどこまで盛り込めるかという観点の時に、もう少し具体的に言うとエンジンが何馬力必要だと、その時にそのエンジンの燃費は1%の良い悪いを競い合わせるのが適正かどうかというのはちょっと疑問で、あるいは裾切りのような、少なくとも何g/kW以下のものでないといけないとか、そんな形で盛り込むことはあり得るのかなというのがひとつの考え方です。それが大型の船になるといろいろなものが入ってくるのですが、小型のように船型がある程度決まっているような場合だとエンジンを盛り込むことで環境に配慮したということを伝える形が作れるのかどうかということを何となく念頭に置いているわけですけれども。

三村委員:方向的には、大きさとスピードを規定するならば、船型とプロペラで高速艇はほぼ固まってしまいます。その他の要求仕様が同じならば、いかに馬力の少ないエンジンを積んで同じスピードが出るかということだと思います。

千田座長:プロペラというのは何か評価の仕方がありますでしょうか。

三村委員:これは船の全体で評価するしかないと思います。それにもうひとつ、船を軽く造るというのも技術力だと思います。省エネに影響します。単純にひとつのものだけで評価するというのは、船としてはなかなか難しいと思います。

石渡委員:小型艇でスピードを出す場合は、20ノット、30ノット、40ノット以上と、船型を変えない限りは40ノット以上はなかなか出にくいのです。それとエンジンも同じ馬力で燃費だけじゃなくて、エンジンの重量の差というのもメーカーでかなりあるわけです。大きさもありますし。ですから総合的に船型を選んで主機を選定するということをしない限りは、スピードで最適なものというのが出にくいわけです。ですから発注者側が技術者、技術力があるところではそれが選定できるのですが、どこの役所でも全体的に船の専門家がいるところが非常に少ない。その少ないところでは結局基本設計をコンサルタントに発注せざるを得ないというふうな形で、大体役所の場合は契約がされています。

千田座長:はい。ありがとうございます。総合的というのは確かにそうですね。この項目もこれで一旦置きまして、次の項目に移りたいと思います。3番目は船体維持工事の問題ですけれども、これも前回の引き続きで船体の清掃ですね。このメンテナンスをきちっとやるかどうかがトータルの燃費にきくという話がありました。ただこれを初期の契約に盛り込むというのはなかなか難しいかなと思うのですが、この辺について何かコメントがありましたら。いわゆる新船を建造する時にこの問題を盛り込むのはちょっと難しいように思いますけれども。これはポイントはメンテナンスの仕方、メンテナンスの契約の時に何か盛り込めるかということになりますよね。メンテナンスをするかしないかはあくまでも船舶の所有者の問題ですから。これは契約にはやはり難しい。

事務局:当初建造する時の契約に入れるのは難しいというか無理ということもありますので、船体維持工事があった時にどのようなことを気を付けたらよいのかということと、そもそもどういうようなことに気を付けて船体維持工事を発注したらいいのかということを示していく必要があると考えます。ですから船舶の調達の時の契約の話ではないので、今7ページの資料でも解説資料に載せたらどうかということで案をお示ししておりますが、解説資料という参考的な位置付けで関連情報としてお示ししたらどうかと考えているところでございます。

鈴木委員:3番の話ですが、もし船速の低下とかいう状態で船を使われているとしたら、このひとつ前に議論されていますエンジンの1%の燃費うんぬん言うよりも、CO2の実質的削減には十倍、百倍も効果がある施策だと思います。どちらにしても船を半年、1年つけていれば抵抗値は格段に上っていますので、10年20年という長いスパンでみれば、まず取り組むべきなのはこちらの業務だと思います。

千田座長:はい。ありがとうございます。それでは次の評価方法と言いますか具体的な契約方式、今の(2)のところも少しかぶるところがありますけれども、ここのところでまずひとつの問題は、実燃費であろうと公式の燃費であろうとそういった燃費の指標がトンマイルあたりでできているものが設定が難しいとして、この辺をどう考えるかという問題と、これも先ほど来何度か申し上げましたけれども、小型の船舶についてはエンジンの燃費基準を適用する形の裾切り方式なら適用できるのではないだろうかといったところはいかがでしょうか。この辺が一番冒頭で申し上げました、何が難しいかではなくて何ができるかというところを考えていただけないでしょうかというところなのですけれども、あくまでも船舶はトータルで評価しなくてはいけないということがありますし、先ほどのメンテナンスのようなものを含めた生涯での排出ということを評価しないといけないということもあって、非常に難しい問題だというのは十分認識できるのですが、そう言ってしまうとそこで止まってしまいますので少しでもできるところを、このあたりが突破口にならないだろうかという観点で見ていただくといかがでしょうか。

石渡委員:やはりCO2削減のために船型を少しでも良くするということですけれども、それだから船型で何パーセントも急激に良くなるということはもう難しいと思います。ですから船型を良くする、推進装置を良くする、それから船の重量も。そういうところを、詰められるところをどんどん詰めて、少しのパーセンテージを集めて全体的にトータルにCO2の削減を図るようにしなければ、推進装置、エンジンが代替燃料とかでドラスティックに変わることがない限りは、船型とか推進装置、重量、そういうことの積み重ねでトータルで削減するということをしない限りは難しいということです。

千田座長:これも技術的にはまさにおっしゃるとおりなのですが、ここの議論はそれを契約にどう反映させられるかという、契約段階でそこのところをどういう契約方式を取ればそういったトータルに考えられたものを購入できるようにできるかということになると思います。

石渡委員:契約の時にやはり船型とか推進装置とか、技術力があるかというのを評価しない限りは契約に結びつくことが非常に難しいと思います。一定の基準、レベルをちょっと下がってということならできると思いますけれども。

千田座長:おそらく難しいのは、仮にそういう設計の船に対して何社がご提案をいただいたとして、それを発注者側がきちっと総合的に判断しろというお話だと思うのですけれども、その時にこの法律が要請しているのは、詳しい専門家がきちっと評価しろということだと思います。国の契約ですから外部からも明確に見える公正な形でどう評価するかという、何らかの形式化が必要です。己の見識で評価しろというとたぶんここで言っている趣旨とはちょっと違うような気がします。その辺が一番難しいところかなと思います。例えば契約類型の中に総合評価方式というのがありまして、価格と何らかの燃費性能、先ほどの例に挙げていただいたのは自動車で、これはキロメートルあたりの燃料消費、あるいは明確に数値が出てくる。ただそれにしても価格のいくらの差が燃費のいくらの差に相当するかなんて言い出したら切りがない話になってしまうんですね。それでもそれをひとつの指標に持って行くようなことがされているんだと思います。ここでもおそらく総合的な評価が必要なんだと言うことで、それをどう形式化するかというところにあると思いますね。これはものすごくハードルの高いことになるのではないかなと思います。それで、おそらく技術者の方から見るとなかなか簡単にイエスと言えないかもしれないけれど、少し単純化してわかりやすいところで評価指標を入れられないだろうかというのが、とりあえずエンジンの燃費基準で裾切りというのはいかがでしょうかというところなのです。それでいいとは言えないというのは私としてもわかるのですが、そうしますと、プロペラはどうするかとか船型はどうするかとか、何かやはり数値化したい。そうなってくると先ほどの実燃費指標のような話になってくるのだと思いますね。それもまたトンマイルベースとは違う実燃費仕様を作らないといけないことになってしまうのです。だから100点満点ではないにしても、何らか一歩前に進んだというようなところが何とか入れられないだろうかなというところだと思うのですがね。

鈴木委員:6ページ目の文言のところなのですが、小型エンジン単体の燃費基準の件は確か前回の懇談会で私の方からの意見ということで言わせていただいたものだと思います。すでに水産庁系の形ということで、今日も水産システム協会の方が出てきていらっしゃいますけれども、少なくとも小型エンジンについては一応そういう第三者と言いますか社団法人の方の認可をいただいた数値で、各社同じデータ、同じやり方ですね、土俵の上で並んだ数値が出ているということだけまた追加でご報告させていただきます。もうひとつ文言の確認なのですが、6ページ目の2行目の後半「また、」以降のところですが、「エンジン単体のNOx排出量の裾切り方式についても検討する。なお、ディーゼル機関の小型船舶については既にNOx」うんぬんとありますが、ここが意味がわからないので説明していただきたいのですが。

国土交通省:今のご質問の点ですけれども、ディーゼル機関については130kw以上のディーゼルエンジンにつきましては、もうすでに国内規制がかかっておりまして、一方で小型の方のガソリンのエンジンにつきましては、特段規制がかかっていないので、そこの点について何か配慮ができないかと、そういう趣旨でございます。

鈴木委員:これは今回のCO2と合わせてNOxも評価するという意味ですか。

国土交通省:そういうことがもしできるのであればやっていただければということで、この環境配慮契約というのがCO2だけではなくて環境負荷を低減するということだと思いますので、そういったことも含めて検討していただいて、可能であればやっていっていただければと、そういうことでございます。

鈴木委員:はい。わかりました。

千田座長:少し質問の仕方を変えて、小型エンジンの燃費基準というのを使うとして、確かに他の要素はいろいろある。ただ他の要素は要素として、ただそこに積むエンジンに関してはAというエンジン、Bというエンジン、Cというエンジンがあって、その燃費は、他の部分は決まったとしてエンジンがそこに乗る、そこについてある裾切り基準を決めるということ自体には格別問題はない、そうは言えますか。それでも歪んでしまうということがありますよね。

内野委員:裾切りをある程度するということに関しては問題はないと思います。先ほどちょっとお話があったNOxですが、ディーゼルの方は規制が課せられていますし、ガソリンは規制がかかっていませんが舟艇工業会は自主規制という形で規制を持っています。それが参考になればと思います。

千田座長:ありがとうございます。それでは大分時間も過ぎてしまいましたので、いただきましたご意見をもう一度事務局の方で検討していただいて、次回引き続いてこの問題を検討させていただきたいと思います。4で、船舶の調達等に係る契約に関わる基本的な考え方というふうにまとめてもらっておりますが、この辺はもう少し3のところの議論がまとまってからいいかと思いますが、もし4のところに何かご意見がございましたら承りたいと思います。よろしゅうございますか。それではもしまた何かありましたら、そんなに時間はないのですが、個別に事務局の方にご意見いただければと思います。今日どこかに意見を集約というか、どこかに結論を出すという必要はないと思いますので、いただいたご意見を踏まえてまた一度事務局の方で検討していただくことにしたいと思います。それでは次の議題に移りますが、資料4で今後の検討スケジュールについてご説明いただけますでしょうか。

事務局:(資料4説明 省略)

千田座長:ありがとうございます。非常にタイトなスケジュールになっておりまして、次回一ヶ月余りの間に開催されるということでございますのでよろしくお願いいたします。何かスケジュールについて質問ございますでしょうか。では次回については何かございますか。

事務局:次回については別途連絡させていただきます。

千田座長:最後は駆け足になりましたけれども、今日の予定の時間が近づいてまいりました。この辺で今日の議論は終りにしたいと思うのですが、先ほど申し上げましたけれども、何かご発言し足りないとかありましたら、遠慮なく事務局の方までお願いいたします。ちょっとでも言っていただけるとそれがまた手がかりになるかと思いますので、よろしくお願いいたします。他にこの場でご発言ございますでしょうか。

国土交通省:先ほどのメンテナンスの(3)のところでございますけれども、ここに書いてあるとおり長期間劣化しない塗料を塗るというのが書いてあるのですが、一方で例えば上架をして船底の掃除をするというようなことを毎年やるのであればそんなに性能のいい塗料を塗る必要もないということも一つ考えられると思うので、そういった上架のインターバルといった観点でも検討をした方がいいのかなと思っているのですが、実態を私の方もよくわかっていないので、その辺についてはご意見があれば後ほどでも結構なのでいただきたいと思います。

石渡委員:高速艇について、海上保安庁の船は定期的に走っているものですから問題ないのですが、警察庁の船は夏場、一週間十日動かない時は牡蠣がついて全然スピードが出なくなります。定期的に一日一時間でも二時間でも毎日走っていればいいのですが、特に暑い時期走らない船は牡蠣がついて速力が上らないという例が随分あります。ですからCO2削減でそのようなことはしない方が良いです。特に夏場使わない船は十分速力に注意しなければなりません。

千田座長:塗料も船のいる場所とかで違うんですね。北の方にいる船と南の方にいる船。これもなかなか評価が難しいものだと思います。他に何かございますでしょうか。環境省からは何かございますか。

事務局:本日の議論を踏まえまして、ちょっと議論をしづらかった面もあると思いますので、次回具体的に裾切り方式の例というか、船舶の場合はこうしたらどうかというものをお示しした上でご議論いただこうかと思います。

千田座長:では、なければ本日はこれで終わりたいと思います。どうも長時間ありがとうございました。

以上