平成22年度環境配慮契約法基本方針検討会 OA機器ワーキンググループ(第2回)議事録

出席委員:
秋鹿委員(座長)、一條委員、川村委員、後藤委員、斉藤委員、千葉委員、樋口委員、古川委員(五十音順、敬称略)
オブザーバー:
経済産業省 商務情報政策局情報通信機器課長

日時

平成22年11月9日(火)10時~12時

場所

中央合同庁舎第4号館 108号会議室

事務局: 本日はお忙しいところ、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。定刻になりましたので、これより「第2回環境配慮契約法基本方針検討会OA機器ワーキンググループ」を開催したいと思います。秋鹿座長に議事進行をお願いしたいと思います。

秋鹿座長: おはようございます。お忙しいところお集まりありがとうございます。それでは、議事に入ります前に、事務局から本日の議事予定、配布資料について確認をお願いいたします。

事務局: (議事予定・配布資料確認 省略)

議事

(1)OA機器の調達に係る検討方針について

秋鹿座長: それでは議事に入らせていただきます。本日の議題は、「OA機器の調達に係る検討方針について」並びに、「環境に配慮したOA機器の調達に関するガイドライン(案)について」です。まず、資料1について事務局よりご説明をお願いいたします。

事務局: 資料1について説明(省略)。

秋鹿座長: どうもありがとうございます。これは、事前に先生方にお渡しているのでお目通しいただいたと思いますけれども、当面、p.2の中程にあるように、留意すべき点をいくつか作り、それをガイドラインとして取りまとめていったらどうかということです。説明がありましたように、定量的な指標がなかなか確立できないということがあります。
 具体的にはp.1に戻りまして、紙やメンテナンスというところが、CO2排出に関する重みが大きいということで、TEC値のみを評価しても、LCA全体でのバランスが良くないのではないかということです。もちろんこの資料は古いものです。が、現在でもこの状況と大きくは変わらないのではないかと思われます。今回の検討方針としては、留意すべき事項というものをこの案をもとに考えていったらどうかという提案です。ご質問、ご意見をいただきたいと思います。

千葉委員: 下から2行目、「IC認証などOA機器が有する機能」という書かれ方がありますが、実際のIC認証の機能は、オプション設定になっていることが多いです。要するに有償で追加すべきもので、全てのOA機器に備わっている機能ではないです。これがありますと、コストが高くなります。ここのところは認識いただきたいと思います。

秋鹿座長: IC認証は少し質が違う話であり、標準装備ではないというご意見だと思います。

一條委員: JEITAでは、関係委員会に今回の案を配布し、意見をいただいております。ただ検討の時間が短かったので、今回参考として出させていただいているのは、プリンタ環境対応WGというグリーン購入法の改正等のJEITA意見を取りまとめているWGの委員から提出いただいたものです。ですので、これはJEITA全体の統一した見解というものではございません。参考としてお取り扱いいただければと思います。意見としましては、グリーン購入法や日本エコマークの基準がございますので、それらとの整合を取っていっていただきたいということが、全体を通じてのコメントです。
 資料1につきまして、参考にも書いてありますが、EPEATという動きを踏まえてということが最後に書かれていますが、日本のエコマーク策定時にも、ドイツのBlue-Angelと併せてEPEATの基準等々を参考にしているということで、それらが改定された時点で、またエコマーク等も改定していくという動向にあります。外国の基準を参照されるのであれば、日本エコマーク基準を優先的に参照していただきたいということです。

秋鹿座長: 業界の方では、エコマーク等の改定のお手伝いをする中で、外国のものを参考にしているという情報です。こういうご意見をいただけるとありがたいです。事務局からグリーン購入法、それから日本エコマークとの関連について、これまでも何度かご意見が出ておりますので、少しまとめてお話いただきたいと思います。

事務局: 今回、平成22年度の取りまとめ事項としてまとめようとしているものは、具体的には、資料2のガイドライン(案)になります。このガイドライン(案)につきましては、グリーン購入法の基準を満たした上で、さらにこういうことに配慮していけば、より環境に良い調達ができるという意味合いのものでありますので、グリーン購入法をご配慮いただいた上で、さらにその上で、このガイドラインを活用していただき、一歩進めた環境に優しい調達を進めていただきたいという趣旨のものであります。
 ご指摘のありましたEPEATとエコマークですが、エコマークの基準につきましては、グリーン購入法の基準と共通するものが多いですので、グリーン購入法の基準の中でエコマークというのはかなり参照されているという状況にあります。EPEATにつきましては、グリーン購入法で反映されておらず、またエコマークに基準がないような項目があれば、さらに追加すべき項目として、こちらのガイドラインに反映していきたいと考えます。そのような意味で参考に適切に反映していくという記述が、資料1の2ページ目に入れているということであります。グリーン購入法と環境配慮契約法が2つあるというのは非常に難しいというご意見もありますが、自動車も同じような形で運用しております。あくまでもグリーン購入法は調達の環境性能に関する最低ラインを決めるものです。環境配慮契約法はグリーン購入法を満たした上での上乗せになっているということです。そこが重複するということではなく、より一歩進めたという考え方でご覧いただければと考えています。

秋鹿座長: 
 最初に千葉委員からご質問をいただいた、p.1の下のIC認証についてですが、この辺はかなり具体的に記載されています。他のところは抽象的ですが、この辺の取り扱いは、事務局として今後どのようになるのか教えていただきたいと思います。p.1の下の辺りの文脈です。

事務局: 千葉委員にご指摘をいただいたとおり、IC認証はOA機器に必ず備わっている機能ではないということでありますので、基本方針検討会に提出するに当たっては、セキュリティの観点から検討されるIC認証にも、使い方によってはミスプリント等を防止することにも使えるという、副次的な効果もあるという形で資料1を少し書き換えたいと考えています。

千葉委員: 補足させていただきますと、枚数の管理というのは機材に依存するというよりは、運用という意識につながると思います。IC認証という便利なオプションはありますが、基本的には常日頃の出力枚数の把握が、この目的につながるものと思います。その点において具体的な記述の部分を書き換えていただければ非常に結構だと思います。

秋鹿座長: よろしいでしょうか。他の委員から資料1についてご意見、コメントをいただければと思います。
 それでは、資料1の大まかな方向についてはご了承いただけますでしょうか。

了承

ありがとうございます。もちろん細かい文脈、あるいはニュアンスの作り方等々、まだ改正の余地があろうかと思いますが、ガイドラインを作って留意事項を決めていくという方針を承認していただいたことになります。どうもありがとうございました。
 引き続いて事務局から資料2の前半の、OA機器実態調査までの説明をお願いいたします。

事務局: 資料2の前半部分、「3.(1)OA機器実態調査」までの説明(省略)。

秋鹿座長: 前半は少し長いですが、基本的な考え方、必要性と意義です。ガイドライン作成の目的、それに続いて調査の中身です。数箇所、議論が必要な部分について資料に赤マークがついています。この全体についてご質問、ご意見をお願いしたいと思います。

川村委員: 全般的なことです。OA機器という用語が使われていますが、p.1にコピー機等及びプリンタ等(以下「OA機器という。」)ということで、前段で明確に定義されており、さらには下の注釈にも書かれています。具体的に言えば、ファクシミリ専用機やスキャナー専用機は除いてということが書かれていると思います。ただこの文章全体では、いろいろなところでOA機器という言葉が使われていて、どう見ても狭義のOA機器ではなくて広義のOA機器として使われているところがあります。先ほどの50台のところも狭義のOA機器なのか、広義のOA機器で50台なのかという点の判断がつかないので、その辺は明確にした方がよろしいのではないか、というのが一点です。
 もう一点は、資料1とも関係しますが、消費電力の記述に関しては、OA機器については、TEC方式とOM方式という2種類の方式で消費電力が定義されています。表現の仕方はいろいろあるとは思いますが、例えばTEC値という言葉を使わずに、消費電力という一つの言葉にして、注釈の中で2つの方式を説明するという形にして、OM方式でしか消費電力を測定できないOA機器を排除されないようにする。そのような配慮が必要ではないかと思います。

秋鹿座長: 両方とも重要で、特に後半は良いコメントをいただきました。前半の方は、この定義の仕方によって法律の取り扱いも今後変わってくる可能性がありますので、この辺についての事務局の考えをいただきたいと思います。

事務局: OA機器の広義の使い方、狭義の使い方については、最終的にガイドラインをまとめる際に注意して取りまとめたいと思います。50台に関しては、狭義の意味で50台と提示させていただいています。またTEC値とOM値の方も、今後ガイドライン修正に生かさせていただきたいと思います。

秋鹿座長: よろしいでしょうか。他にいかがでしょうか。

千葉委員: 資料2 p.2の表に、調達場面において、リユース機の調達、リサイクル機の調達とありますが、必ずしも全てのメーカー、あるいは全てのモデルにおいてリユース、リサイクルが実施されているものでもないと考えています。どちらかと言いますと、調達するメーカーを選ぶときに、例えばマテリアルリサイクルがされているとか、使用済みの機器を回収して再生する取り組みを行っているというような表現にした方が、調達対象を限定しないので望ましいのではないかと考えます。
 それから最後に使用段階(メンテナンス)とありますが、「同一消耗品を利用できる」という書かれ方と、「再生消耗品の活用」という書かれ方は、実態から遠いような気がしております。わかりやすく言いますと、同一消耗品ということは、一社一モデルに限りなさいという言い方に捉えられるように思います。また再生消耗品というのは、トナーを再生していることかということもちょっと変です。リサイクルカートリッジという言い方はあると思います。これはグリーン購入法やエコマークにも基準があります。これはきっと再生紙のことかと善意に解釈して読みましたが、この辺の書かれ方を検討していただきたいと考えます。

秋鹿座長: 全部を把握できていないのですが、最後からいきますと、再生消耗品、特に、今回LCAでは、メンテナンスと紙が大きい。メンテナンスのところでは、トナーというイメージがかなり大きいのではないでしょうか。トナーのうち粉は産業廃棄物として処理されていますが、容器については、メーカーが回収する場合は分解した後で使えるパーツをリユースという形で各メーカーが管理していますし、回収業者が回収する場合もメーカーのリユース工場に持っていくという流れもあるということです。つまりトナーカートリッジも再利用しているものがあるということです。いずれにしても、メンテナンスの割合が非常に大きいので、再生消耗品を活用しているかどうかということは、使う人の大きな関心事になってもいいのではないかと思います。この辺の文言については事務局がお考えになっていただくと思いますが、今のようなことを背景にご検討いただければと思います。
 さて、作る側の立場が多い中で、古川先生は使う側の立場でいらっしゃいますが、この前半部分についてコメントやご意見があればいただきたいと思います。

古川委員: 入札を行うに当たって、OA機器実態調査を発注、実施し、定量調査と定性調査を併せて行うという方針は非常によいと思います。先ほど千葉委員からお話がありましたように、それぞれのハード自体が持っている基本的な機能と、オプションでつけられる機能というものを別途示していただき、それを本当に利用すべきなのか、必要がないのかということを事前の調査段階でよく考えていただければよろしいのではないかと思います。それから併せてお話がありましたように、その使用段階においての運用方針というものは、この定性調査のところで出てくると思います。特にそれぞれの機能があるにも関わらず使わないのはなぜなのか。それを知らないのか。それとも何らかの理由があって使っていないのか。そういうところを中心的にサポートしていただくと、将来プリントの作業をどう進めていくかという場合の一つの方針になるのではないかと思います。全体的な流れはよいと思います。

秋鹿座長: 資料1と併せて、いろいろな留意すべき事項の中で必須のものと、あるいはオプション的なものとの差がわかるような表現があってもよいのではないかというご指摘をいただいております。他にいかがでしょうか。最初の台数の赤丸に関して50台以上という議論がありました。事前にいただいているコメントの中で、複合機はこうでしょうけれども、プリンタはこうでないかもしれないというご意見をいただいております。委員の皆様はいかがでしょうか。

斉藤委員: 台数を決める基準そのものが難しいと思います。どこかで区切るしかないです。ある程度全体の最適という表現を用いるときに、1台、2台では最適とは言わないです。50台以上であれば確かに最適に値する台数であるということは間違いないと思います。正しいとか、不適切であるというコメントは本当に難しいと思います。

秋鹿座長: 何か目安を書かないことには始まらないので、これで制限するということではないという書き振りではあるわけですが、どうぞ。

一條委員: どこかで線を引かなくてはいけないということだと思いますが、私の参考で出させていただいているように、プリンタと複写機では、それぞれで相当違うと思います。複写機を50台というと、かなりの数字です。例えばインクジェットのプリンタ50台というのとでは全然違うと思うので、区分けして、この場合には何十台とか、スペースをこのぐらいのところを提示するといった何かの縛りというか、区分けが必要ではないかと思います。

秋鹿座長: 事務局から何かありますでしょうか。

事務局: 資料1でも挙げさせていただきましたが、具体的にプリンタということであれば、電気使用量は複合機に比べて小さいというのは確かです。しかし、電気だけが環境負荷ということではなく、紙の使用も考え、メンテナンスも含めて何台ぐらいあったら削減効果が見込めるのかというところで考えると、ここで敢えてプリンタや複合機を区別する必要はないのかと考えて設定させていただきました。

秋鹿座長: 確かに紙、メンテナンスの部分が非常に大きいというのが一つ根拠になっているということです。

樋口委員: 50台と出された根拠を教えていただきたい。例えば国等の機関が年間に調達する基準に50台を設定されたのでしょうか。

事務局: これはいろいろなところにヒアリングをさせていただいて、どのぐらいの規模で最適配置をやったときにどのぐらいの効果を見込めるのかという事例をいただいて設定しています。実際にいくつかの会社、銀行、国等の機関の方で50台~60台ぐらいで最適配置を実施している事例があります。その効果があるということで、おおよそ50台ぐらいが一つの目安になろうかと思います。逆に20台という意見も前回の会議でいただきましたが、そのような事例が見当たらないため50台というところで線を引かせていただきました。

樋口委員: ありがとうございました。

秋鹿座長: それでは、まだ先に赤丸があります。調査の活用方法の目安として、「OA機器の適正な稼働率は概ね3%~7%と考えられる」という記述が妥当かどうか。それから次のページに調査機関が、「概ね3~4ヶ月程度」というのは妥当かどうかについて、事務局から議論してくださいと言われております。いかがでしょうか。

斉藤委員: これも調査の結果だと思います。赤い字のあとに、「稼働率が7%を超える機器については、高速機への入替や機器の追加を検討する対象となる」とあるが、定性的な調査を一緒にして、使い勝手上不満があるとかないとか、そういうことも考慮すべきです。こういった記載をすると、7%だったらすぐに高速機の入替や機器の追加が必要ということになり、ちょっとそれは疑問に感じます。これも実態7%以上の機器について、使用上、不満が多いという結果から出されているのなら申し上げませんが、そういったことを考慮してという意味合いを書いておいた方が良いかと思います。運用面も考え、機器の追加を検討することがあるということでしょうか。記載上の検討が必要かと思います。

事務局: そのように修正させていただきたいと思います。

千葉委員: 先ほどの調査の話です。ちょっと戻っていただきまして、調査実施主体というところで、1番でOA機器業者が実施する場合、2番はコンサルティング会社、3番は自らというのがあります。実際問題は、営業活動の一環としてOA機器事業者が調査する場合がほとんどのケースだと思っております。コンサルティング会社に頼む場合もあるかと思いますが、これをメインにやっているところはあまりないであろうと思います。それから仮にOA機器業者が依頼された場合に調査に対応するケースはなくはないと思いますけれども、それによって入札自体に参加できなくなってしまう可能性がある。そのような点を考えると、現実的ではないように思いますので、実際に国等の機関自らが事前調査をやるということが、まず最大の前提になるのではないかと思いまして、その上で専門業者のそのときどきの技術の進歩や機材の進歩のアドバイスを参考に選ばれる方がよいと思います。調査機関が3~4ヶ月ということですが、私たちの水準からするとすごく長いように思うので、この辺の短縮にもつながるのではないかと思いましたので、進言させていただきました。

事務局: コンサルティング会社ではOA機器だけを調査主体とした調査をあまり請け負うことはなく、それよりもこちらに書かせていただいたように、IT統制等業務基盤を適切に整備することを目的とした調査の一環であって、OA機器実態調査をメインに調査を行うことはあまりないとのことでした。OA機器事業者の方が調査を落札されたときに、実際の調査の調達に入れないかもしれないというご懸念もあると推察いたしましたけれども、調査を請け負った業者がそのまま調達の入札にも参加できて落札できたという事例がございますので、必ずしも入れないわけではないようです。ガイドラインの後ろにもありますけれども、公正さを勘案して参加することも可能ということもヒアリングの結果わかりましたので、こちらに記載させていただきました。

秋鹿座長: 調査期間が3~4ヶ月程度というのは確かに少し長いという気もします。

古川委員: 50台以上が一つの目安というところですが、先ほどどなたかも仰っていましたように、OA機器というものがどこまで指すのかによって考え方が違ってくる可能性があります。調査対象をはっきりさせておかないと、コピー機だけなのか、他のものもそうなのかということによって状況が変わってくるという気がします。それから一定規模以上といった場合に、50台以下だからやらないというようなことにならないとも限らないので、事業所の面積や働いている方々の人数といった規模の基準もある程度考えていた方がよろしいのではないかと思います。

秋鹿座長: フレキシブルな目安ということをご検討ください。

それでは、資料2の後半部分のOA機器を調達する際の留意点の説明をお願いいたします。

事務局: 資料2の後半部分、「3.(2)OA機器を調達する際の留意点」以降について説明(省略)。

秋鹿座長: 留意すべき点のキーワードをいろいろ並べたものを全部ご説明いただいたわけですが、ご質問やコメントをいただきたいと思います。

千葉委員: 資料2 p.12の表に、TEC値とその他のスリープモードからの復帰時間、スリープモードからの出力とあります。序列で言いますと、TEC値がこれら下の2項目を含んでいますので、同じ配点というのはないのだろうと思います。同じ配点にしてしまうと、不要な仕様変更を導いてしまうので、そういうことはしない方がよいと思います。

秋鹿座長: ダブルカウントになってしまうわけですね。

千葉委員: さらにまだあります。このガイドラインでは、台数の削減に重きをおいて論じられています。実際問題はOA機器というよりは、OA機器を利用する事務作業に主眼が置かれるべきであろうと考えます。仮にOA機器の台数が削減され、枚数が削減されていても、前回のワーキングで申し上げましたとおり、この作業が外注に委託されてしまうと、実際問題、その部分のエリアの効率化はなされたように思えますが、他で同様の費用やCO2の発生等々が行われるわけです。従いましてもう少し懐深くいた方がよいように思います。台数削減はさっきおっしゃられたように、製造時、輸送時、メンテナンス用紙等々、CO2の発生は理解できますが、だからといってOA機器がたくさんあるといけないのだという論調は不自然さを覚える次第です。

秋鹿座長: もちろん基本方針検討会でも、座長から作業能率のよい事務作業ができることも大事ですというコメントも言われています。

後藤委員: 資料2 p.11 [6]のところに、「OA機器実態調査を落札した事業者の調達への参加」ということが書いてありますけれども、逆の方向のことも留意していただきたいと思っております。「OA機器実態調査を落札した事業者が、他の会社が参加できないような高いところに線を引いてしまうことがないように」ということも、どこかに書いておく必要があるのではないかと思います。

秋鹿座長: おそらくこれは、役所の方では非常に重要な点になってくるかと思います。文言についても指摘をしていただきたいと思います。他にいかがでしょうか。

事務局: 先ほどの千葉委員のご指摘ですが、OA機器の性能の部分を確認させていただきたいと思います。p.12の表の下でTEC値にスリープモードの復帰時間やスリープモードの最低出力を含まれているということは理解できますが、ここはあくまでも最低価格落札方式で調達することを念頭においております。その場合でもTEC値○kW以下、スリープモードからの復帰時間○秒以内ということを、最低価格落札方式で調達する場合にも問題があるというご認識でしょうか。

先ほど点数付けとおっしゃられましたが、総合評価落札方式のことを想定なさっているのではないでしょうか。今回のガイドラインは最低価格落札方式が前提となっておりますので、その場合、条件を列記できるのではないかと考えております。

秋鹿座長: 補足させていただきますと、確かにこういう条件も含めTEC値に含まれているということはあるかと思いますが、特にp.10のところでスリープモードを短くすると記載しましたのは、使い勝手が良くなるので、皆さんがスリープモードを使ってくださるようになるということがあるのかと思います。その辺は、また深いご議論をいただければと思います。千葉委員が、一つご提示になった台数削減の方向で、調査をするわけですけれども、これは事務全体の効率を上げるためでもあるというようなことは最初の文言のところに、どこかに入っていると思いますが、事務局でご配慮を願いたいと思います。要するに調達機関の方などが、このガイドラインによってOA機器の環境性能がよくなるだけでなく、作業能率もよくしていただけるようにと思っております。

千葉委員: 微妙な言い回しがあるので、再考いただきたいと思います。資料2 p.8の「[2]用紙使用の削減」の部分です。IC認証機能を使うと、用紙の置き忘れが少なくなることから、情報セキュリティの面からもとありますが、環境の面からはあくまで用紙の置き忘れが少なくなることを中心に記述していただいた方がよろしいかと思います。

古川委員: 質問です。資料2 p.13のチェックリストは、p.3の具体的な入札に至るまでの流れの中で、どの段階でこれを使って、業者に提示するのか、しないのかということも含めて教えていただきたいと思います。

事務局: 具体的なところとしてはいくつかの段階が考えられると思っております。予算を組む際、またはOA機器の調達を発注するための仕様書を作る際を想定しておりました。そのあたりの整理が欠けているところかとは思います。

古川委員: 具体的にこれを使って最終的に利用していくということには変わりないですか。

事務局: 調達をする前に、一度これを使ってチェックしていただきたいと考えております。

斉藤委員: 確認です。参考でお配りいただいているJEITAからの意見についてです。先ほど千葉委員からもありましたが、消耗品の発注の一本化とか、共通化とか、いくつか表現の指摘が重複している部分があるので、特に一つひとつ申し上げませんけれども、今後の具体的な表現のところで考慮、配慮、検討していくという理解でよろしいでしょうか。

事務局: 基本的にはこれらを考慮して、ガイドラインの修正に反映していきたいと考えております。

秋鹿座長: 細かい文言等については、今回だけでは全てをカバーできませんので、次回までの間にもう一度、FAXやメール等々でご意見をいただいて、次の提案に反映すると考えてよろしいでしょうか。また、集約印刷を行うと1枚に4ページ分印刷できると考えると1/4ぐらいになりますが、資料2 p.8 に「平均すると用紙使用量を3分の1程度に抑えられる」のではないかという表現について、委員から何かご意見はございますでしょうか。

斉藤委員: これは単純に4の倍数のドキュメントであれば、1/4になる、こういうことですよね。

千葉委員: そうです。

事務局: あとは、事業者でヒアリングしている中で、そのような考え方をされていたということがありましたので、それを引用させていただいております。

秋鹿座長: 私の方から皆さんにお考えいただきたいのは、このLCAで考えると紙の問題、それらメンテナンスの問題が大きいとのことです。複写機はどれを使うか、どれを買うかによって全て決まってしまうので、やはり複写機の機能の中に、両面印刷ができる等々というような機能も必要と思います。紙の業者との接点での開発はどうなっているのか、あるいは将来どうなるのかというのは若干興味があります。紙でも薄い紙だとなかなか機械を通りにくかったり、故障になったりするわけですが、紙との関係で新しい技術という動きはありますでしょうか。委員の皆様方でわかる方がいれば教えていただきたいと思います。

斉藤委員: いろいろなメーカーが独自で研究なさっているものについてはわかりませんけれども、一時古紙パルプ配合率偽装の問題がありました古紙パルプだけで作った紙のコシが弱いという課題がありましたが、その後100%古紙パルプのものであっても、紙の基準、コシなどの基準を満たした再生用紙というものを開発していただきました。例えばそういう事例で古紙パルプ配合率100%でも、複合機で使用するにあたって問題が少ないような紙という意味では、製紙メーカーと情報の共有を行っています。それからその後なかなか進んでいないのではありますけれどもパルプを使わないという点で薄い紙がよいという話はありますが、これについてはなかなか難しいです。より薄い紙にした方が良いですが、あまり薄いとご存知のとおり非常に扱いにくいものになりますので、業界団体の中で、今後の課題であるという話になっております。

千葉委員: チェックリストですが、一部ふさわしくないのではないかと思う表現があります。例えば、「管理対象にあるOA機器の契約窓口を一本化している」という書き方が、契約をする窓口が一本化になっているのか、契約をされる会社が一本化になっているのか、この辺が曖昧です。受け取り方によっては、一社限定にしていますというふうにも読めるので、変えた方がよろしいのではないかということと、「管理対象にあるOA機器のメーカーを統一するように検討している」というのも既存の取引先に固定していきますから、一社限定というふうにも捉えかねないので、これもいかがなものかと思っております。検討の途中ということですので、この辺も実際に調達される側の方のご意見をできれば聞いた上で、誤解のないようなチェックリストを作っていただければと思います。よろしくお願いします。

秋鹿座長: 実際統一して同じ機械が入るかもしれませんけれども、全く同じ条件の機械があったら、違うものが並んでいてもよいわけです。リプレイスできるようなもの、その辺のチェックをよろしくお願いします。

後藤委員: 今の千葉委員が仰ったことに関係があります。メンテナンスにも一本化ということが書いてあります。このガイドラインは、調達先を一社に限定するようなことを必要以上に助長するものになってはいけないと思います。一本化、一社ということを言うとしたら、先ほどの50台をもっと上げるなどして、必要以上に一社独占が助長されることがないような書き方にしていただいた方が良いのではないかと思っております。

秋鹿座長: それでは、この議論の細かい点は、また次の委員会までの間にいただいて、良い案を最終的に仕上げていただきたいと思います。次回以降のスケジュールについてご説明をお願いいたします。

(3)その他

事務局: 資料3について説明(省略)。

秋鹿座長: それでは、大体の方針が皆様に了承されました。特に資料1につきまして留意する点ということをガイドラインにしてまとめ、資料2で試案のキーワードがいろいろ出てきたということについて議論いただいたわけです。ご意見を踏まえた案を作って、12月14日のOA機器ワーキンググループ(第3回)で検討していくということで、実施は、事務局としては、4月からとなる予定と考えてよろしいでしょうか。

事務局: 基本方針に反映するのは契約の仕組みを変える場合のみですので、今回の改訂につきましては、基本方針には反映されません。基本方針は変わりませんが、本日の資料で申しますと資料2の部分が完成後、解説資料に掲載することとしています。その後、平成23年の2~3月にかけて全国で環境配慮契約法の説明会を行いますので、その中で5つの契約類型に加えてOAについても併せてご説明をして、ぜひ4月から活用していただきたいということで、そのようなお願いを2月、3月に進めて行くということを予定しております。

秋鹿座長: 少しずつ改定が進んでいるわけですが、環境配慮契約基本方針関連資料というものが、また新たに改定されるということです。地方の機関等々で、実際にこれを模した契約が実行されていると聞いております。12月14日には、可能であれば、その一部が披露されるかもしれません。少しずつでも新しいガイドを作成し、今までになかった契約の形式の実行をみたいと思っております。皆様方にはぜひご協力をお願いして、良い案を仕上げていきたいと思います。
 それでは、本日のWGはこれで終了させていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。どうもご協力ありがとうございました。