環境配慮契約法基本方針検討会 OA機器ワーキンググループ(第2回)議事録

出席委員:
秋鹿委員(座長)、阿部氏(今野委員代理)、岡本委員、笠間委員、須藤委員、谷口委員、土屋委員、舟谷委員、古川委員、松浦委員、八幡委員(五十音順、敬称略)
欠席委員:
樋口委員

日時

平成20年10月24日(金) 14時00分~16時00分

場所

環境省第一会議室

1.開会

事務局:委員等の紹介。(略)

秋鹿座長:みなさんこんにちは、新しい方もよろしくお願いいたします。座長をつとめております秋鹿と申します。第1回目では各社プレゼンをしていただき、また、色々なご意見をいただきまして、事務局も状況がわかってきたところもあると思いますので、今回は全体の入り口を決めたいと思っておりまして、もう一回で大枠を決めていきたいと思っております。
 資料を御確認いただいたと思いますが、資料1は、第1回でも冊子でご説明いたしましたが、環境配慮契約法がどのような背景で、どのように考えているかを簡単にまとめたものです。まず、この復習から始めさせていただきます。「背景と意義」、「基本的な考え方」とありますが、背景には国の契約で、技術的なものについての評価がうまくいっているのか、ということがあります。また、国の環境政策の中で、環境に配慮した契約を進めていかないと、21世紀は環境の世紀と言われている中で国としての責務をまっとうできない、そのための新しい契約法だと認識いただきたいと思います。
 既に、民間事業者では複写機やプリンタについても利用者側が一番適切な配置をされ、しかも省エネになるようなものをフレキシブルに実施しているわけです。国では一律にやり方を決めて、スペックとか台数とか決めてやっていたわけですが、もう既に民間でやっているようなことをやるべきであるということで、一部省庁では調査も始めております。2枚目の冒頭にもあるように機器の台数とか個別機器の仕様を指定した調達ではなくて、国が、使う方々にとって効率がよく、しかもエネルギーもかからない、利用者の立場に立った新しい契約の方法をしていただくことで、国としては契約方法を改めるつもりであることを認識いただきたいと思います。トップバッターとして複写機業界から始めていただくことになるのかもしれませんが、国としては、環境に配慮した契約にしていかなければならないと考えてきたとご理解いただきたいと思います。どのように使用するかも含めてご提案もいただくので、各社のノウハウを活かし、それに対しての適切な対価も支払うような契約を目指していきますので、今までのように機械を提供するのではなく、サービスを含めた契約であることが背景にあることを認識いただきたいと思います。第1回でも心配されて「うまくいくのか」というご意見がありましたが、国のほうでも最初はうまくいくかどうかわからないと考えていると思っています。しかし、始めてみないと成果や結果がわからないので、始めてみて少しずつ修正をしていくということはあり得ると思います。
 「基本的な考え方」には、複写機とプリンタ、リースも含めて、サービス、メンテナンスも含めたものである、とあります。もちろん、環境基準を満たすものでもあり、使う側の意志として環境に配慮したものを国が率先して使用していきたいということも合わせ、契約の基準にしたいという思いです。今までとは全く違った観点から契約法を作りますので、業界の方々の協力を得てやっていきたいので、ご協力をお願いいたします。使う側である国が知っていることもありますし、業界の人でなければ分からないこともありますので、その点を十分もんでいただき、たたき台を作っていただきたいと思います。資料1の説明を終わります。
 それでは資料2のOA機器の購入及びリース等に係る契約に関する基本的方針等の検討に当たっての論点について事務局から説明をお願いします。項目ごとに区切ってご議論いただきたいと思います。

環境省(辻):資料2(2)について説明。(省略)

秋鹿座長:ありがとうございます。総合評価落札方式には、除算方式と加算方式の2つがあります。自動車については、1台1台を既に決まっている項目で比較しますので除算方式です。今回の場合、サービスも含めたものなので、加算方式のほうがそぐうのではないか。という提案であります。それぞれ中身についてご質問、ご意見ございませんでしょうか。
 この数字がどのように影響するのかよく分からないのですが、除算方式で技術評価点を価格で割ってしまうと、価格で全体が大きく動いてしまいます。加算方式だと価格が動く範囲が限定されます。2つの方式は数字の上では違ってきます。独立的な評価となるということになろうかと思います。
 それではまた少し進んでから戻ってもよいですので、議論を進めたいと思います。(3)の説明をお願いします。

環境省(辻):資料2(3)について説明。(省略)

秋鹿座長:ありがとうございました。なかなか複雑ではございますが、事務局から説明ありましたように、7ページを見ると最初にご説明いただいた概念が分かると思います。価格の評価が別にあり、環境も含めた技術の評価項目がここにあります。一番重点を置くのが機器の最適配置で、電力量×台数を基本とするのですが少し補正もしたいということで、標準の電力使用量が大きくなってくるということだろうと思います。それで、その配分を多くしたいという思惑がございます。そのほかに、これと複雑に絡んでは来るのですが、単純明快に項目ごとに分けて、リユース・リサイクルについて例があります。それから、サービスについての提案(使用状況の把握や運用の改善など)、紙の使用量についての提案となっています。また、これらの項目以外にも環境配慮で重要なことがあるかもしれないので、その他の技術評価を入れるという評価の例です。その中身について事務局から順にご説明いただいたことになります。

環境省(原田):先ほど辻が説明したとおりで、7ページに書いてある表はあくまでも参考で、各省でそれぞれの状況を勘案して、適正に配点をしていただきたい。この方式の目標はCO2削減で、特に自分達のCO2排出量は確実に削減できますので、ある一定の割合は必要だろうということです。ただし、参考資料5でも説明したように、自分達のCO2削減を実施する為に、事業者の皆様にいくら負担をかけてもよいというわけではありません。逆に製造プロセスでCO2削減をした効果についても、自分達の削減目標と比べて一定量は評価をし、組み込んでいくということを考えていただきたい、ということでこのように整理させていただいております。当然、紙の削減なども製造のCO2削減では大きく寄与しますし、ICカードの導入などは一見環境には関係ないように見えますが、全く関係ないわけではありません。セキュリティの確保ができないから環境配慮ができないというケースもあり、例えば管理職用のプリンタなど、セキュリティレベルが高くて、個別の機器がほしいというケースもあり、そのようなことが必要であればきちんと規定をして利用していただけるように工夫をしていただきたいということでございます。

秋鹿座長:ありがとうございました。他にありますでしょうか。

土屋委員:総合評価方式といいますが、いわゆる環境性能ばかりではなく、まず普通の性能があり、次に環境性能があるのではないのかと思います。通常の性能はその他のところに含めて評価するのでしょうか。

環境省(辻):総合評価の評価項目として、価格と評価項目を載せていますが、このほかに仕様というものを各省庁で定めますので、そちらで基本的な水準は確保するように書くと考えています。

秋鹿座長:スペックについてはある程度大枠があるわけですね

環境省(原田):ほとんどのことはきちんと規定されるものと思いますが、特殊な機能を付加させなければならないものもあるので、議論によってはそれを含めるものもあると思います。ここでは契約法の環境側面から見たときにこういう評価ができるのではないかという提案です。

秋鹿座長:わかりました。みなさんいかがでしょうか。使用の状況の把握や運用改善の中身や重さということですが。

使用状況、枚数等で、プリンタ使用率の重さをどうつけていくかはよく分かりませんが、プリンタは平均待ち時間が多くなれば多くなるほど、それだけウェイティング時間が増えて、能率が下がってしまいますので、そういう点を重さに反映できたらと思います。

谷口委員:このリユースとか、項目と、最適配置とかTEC値との因果関係はどのように解釈すればよいでしょうか。例えば、最新の機械であればプリントするときの効率もよく、CPUも速くてすぐプリントアウトできます。一方、リユースは確かに資源を使っていませんが、性能を維持するときにどうなのかというのが一点と、TEC値は基本的にいかに待機電力、使用していないときの電力を減らすかという観点でなりたっていますので、リユースをやったときに、古いマシンであるとその性能が伴わないといった場合に極端にいえば枠だけ残して総替えしなければいけないことも考えられるのではないかと思います。その辺がよく理解できていませんので説明をお願いします。

環境省(原田):そこは我々もかなり悩んでいて、これから試行しながら、色々なパターンの実績を積み重ね、どのくらいのウエィトが適切なのか、事業者の皆様とわれわれ調達している側で、社会全体でどういうバランスでシェアしていくのがよいか、決めていかなければならないのですが、まだ実施をしたわけではないので、今すぐそのバランスを計算して出すことはできません。苦肉の策ですが、それぞれの調達目標において色々なパターンをやってみましょうということです。いろいろなパターンをやってみて、その中で色々視点がでてくると思いますので、もしかしたら、ここには10点と書いていますが、もっと大きいパターンもでてくると思いますし、少ないパターンも出てくると思います。その中でさすがにこの点数では圧倒的に不利で、特定の業者が一方的に排除されてしまうようであれば、新たな規定を作っていかなければいけませんので、そういうことを検討していきたいと考えています。基本方針も必要に応じて見直していこうということにしておりますし、まだ始めたばかりで、たかだか5品目を検討している段階ですので、ぜひ見直しをしていきたい。少しやってみた実績で、あるいはこういうウエィトではないという場合は、ぜひ見直して新たな規定を作っていきたいと考えています。

岡本委員:見直しをされた場合、現実問題として、今までの入札ですと使用期間4年とか5年が想定されます。一旦はやってみたが、やはり見方を変えようとした場合、既に使用している機器等はどのようにするのでしょうか。

環境省(原田):その契約はそのまま実施をしていただき、新たな契約を結ぶときから見直しすることになります。

岡本委員:1つの省の中で整合しないものが混在するということですね。

松浦委員:前回のワーキングで、ライフサイクル全体で電力の環境負荷はだいたい1/4~1/5という数字があったと思いますが、電力だけ重みが大きくなるのは不公平じゃないかと思います。各社節約技術が色々ありますが、全てCO2に換算しなおすこともできるわけですから。各社がいろいろな得意技術で全体としての環境対策を進めていますが、電力の重みを大きくするのはエンドユーザーとしての立場からだからでしょうか。

秋鹿座長:それは座長のほうからお答えしたいと思います。CO2排出対策がそれぞれあるとすれば、作る分については企業のカウントになるので、そちらのほうで稼いでもらいたい、ということじゃないかと思います。調達側では調達者分としてカウントされる部分のウエイトが重くなるのは当然かと思います。国の立場として、企業側のCO2排出削減をリードしていかなければならないという気持ちが項目としてあるのだと思います。

環境省(原田):電力で評価をさせていただいていていますが、数字として簡単に試算が出来て、透明性の高い指標に出来そうなものが、こういうことなのではないかということでこの値を使っているのです。

松浦委員:LCAで評価できるのだから、LCAそのままでいいと思います。

環境省(原田):LCAを完全に確認する手法がないと思います。事業者の中でLCAが何時のものなのか、何時の時点の何のデータなのか、常に食い違ってきます。それを常に把握するのは困難だと思います。電力という形にはしていますが、最終的に電力が減っていくということは、台数が削減されて電力が減っているということになりますので、当然、製造プロセスのエネルギーも実際にはかなり減っていくことになります。また、新機種になり製造プロセスの負担が増えることは十分に考えられるので、バランスをとりながら、機器のリユース等に加点をしていくことも必要です。ウエイトをどうしたらよいかで最終的に色々なケースができるようにこういう形でまとめたらどうかという提案でございます。

舟谷委員:電力の方の話がでましたのでTEC値について相談したいのですが、グリーン購入法調達の物品がベースになっている調達を行うに当たって、高速機である90枚機、100枚機、110枚機といった調達が対象外になった状態で、電力ベースの計算をするのかどうか。特に霞ヶ関のような大きな省庁での調達は、100枚機、110枚機が入った状態での調達になります。2007年4月から業界でも各社のTEC値がホームページで確認できるようになっています。しかし、2007年以前のTEC値の表示がないのが業界のほとんどです。それと最適配置でキーになるのが、1台あたりのご利用枚数がかなり多い機械がメインになると思います。そこで、90枚機、100枚機、110枚機は外れます。TEC値が違ったかたちでの電力計算をどうするのか、細かく議論していただきたいと思います。

環境省(原田):問題は把握しました。ここはとりあえず、TEC値で仮置きさせていただきますが、必ずしも固執しているわけではありませんので、皆さんが実施できる最適な指標を提示していただければ、その指標のほうがよいのであれば検討していきたいと思います。

秋鹿座長:業界の代表の方、このTEC値の評価についてのご意見ありますでしょうか。TEC値を作るのは大変だと思うのですが、要は今のご意見のように、入札、契約にあわせた新たな基準を業界で作ったほうがよいといったこともあろうかと思いますが。

須藤委員:TEC値はもともと国際エネルギースターで用いられており、2007年からECCJのホームページに掲載されております。省エネ法の関係で詳しい測定方法を関係業界団体と調整しながら決めている段階で、新トップランナーの基準づくりに入っているところですが、ようやく測定方法がまとまったところです。新しいTEC値に変わる評価方法ができるかというと、それはまた大仕事で、ある程度既存のものから導入するのが、今のところベターだと思います。これから新たに評価方法を開発するのは非常に時間もかかるだろうと思います。

秋鹿座長:ありがとうございました。TEC値は国際エネルギースターを基準にして日本式にするのですが、ほとんどベースは一緒です。それを基準にして、大きいものをどうするか、小さいものをどうするか、入札のために簡単に何かファクターをかけたりするようなことをもし業界でやっていただけるのであれば、その延長線上にあるのではないかと思います。業界人ではありませんのでどれくらい大変なことかわかりませんが。では、細かいことについては後ほど。どうもありがとうございました。他にいまの項目で、ご議論ありませんか。

阿部代理:「機器のリユース、リサイクル」の項目の一番上にある項目ですが、表現上イメージして、このように書かれたのだと思いますが、設置予定機器全体の重量に対する、Aという機種が何台、Bという機種が何台ということだろうと思います、その機器に入っているリユース部品の割合が何%以上、というのは管理上ものすごく大変なデータだとご理解のうえ、今後議論を進めていきたい。

環境省(原田):ご指摘の趣旨はわかりました。カタログ等に記載されている保証単位も実績値みたいなものがベースだと思っていますので、うまく表現する方法を考えていきたいと思います。

阿部委員:そうですね、例えば年間の全体に対するリユース部品の使用量だとすると把握は出来ますが、リユースは部品が戻ってくるタイミングや、それを反映させる工場の仕入れの状態は非常に精緻なものなので、実際にはかなり難しい作業が発生します。

八幡委員:4点ほどございますので一つずつ教えていただきたい。1つは総合評価落札方式について、点数の配分について伺いたいと思います。価格性能という部分と環境性能を評価していこうということだと思うのですが、そもそもの配点比率はどのように考えているのか。8月18日の検討会の資料をみると、100点と50点という点数が見えたかと思うのですが、その点については現時点ではどのようにお考えでしょうか。

環境省(原田):最初に提示をしたものは、それまでの間に調査をしてきたのですが、昨年から自動車購入でとっている除算方式で考えていました。除算方式ではそのくらいの点数をつけるのが一般的なので、以前のままです。今回、除算方式がよいのか、加算方式がよいのか説明させていただいたのは、先ほど説明があったとおり、車の購入は大体似たような類似の技術、新しい技術を付加して性能を上げているということで、買いたいほうの環境性能とかかるコストをある程度均一にするようにしています。それに対して今回のものは、全体で多くの台数をまとめて買い、その台数についてもサービスに移行しようとしていますので、サービスのほうをきちんとしてもらいたいということです。色々な考え方が出来ます。本体を進化させて優れた機器を作り、台数を削減していくマネージメントの考え方もあるし、逆に古い機種を長く使い、価格と知恵の部分だけで勝負をしようとする方もいる。単純に価格で割り返す方式が本当にバランスの取れた状態で進んでいかるのかが論点になります。お金がかかる機器単体、ハードの改良は避けて、マネージメントだけが突き進んでいくということがないかどうか。そういう傾向に振れてしまわないか考えて、参考資料にもあるように、性能が向上していく方向に働かないのであれば、加算方式を採用したほうがよいのではないかということで情報を提示しています。ここに至るまでのヒアリングで一部の会社からご意見もありましたので、今、提示をさせていただいているものは加算方式でも対応できる様に考えてあります。したがって100点くらいまで入っていますが、除算方式だともっと点数が少なくなります。予算的な制約を受けてということもあり、加算方式でも色々な考え方があると思いますので、発注者の中で整理してある程度の幅をもって、配点していただくようにしていただきたいと考えています。

八幡委員:どうもありがとうございました。
 続いて2点目ですが、最適配置の加点の補正についてで、今回の資料で言うとP.3です。補正の評価方法のところで、どういう評価のメジャーを考えているのか、この文章だけではイメージしにくいので、もう少しご説明ください。

環境省(原田):これはまさに、レイアウトの提示案などを含めてプロポーサルを参考にして、審査員が比較しながら、何処が優れていて何処がどうだと議論をしながら整理をしていく形を想定しています。ただし、P.5にも書いてあるとおり、客観的な指標も加味しながらやっていかなければならないと思います。これだけでチェックすると、円を書いて、プリンタからある範囲で全てカバーしているように書いてあり、それに合わせて配置をしていくわけですが、実際の事務空間はそんなにうまくいくわけがなく、各社このような位置に配置をすれば利用しやすいというノウハウが蓄積されていくものと考えますので、複数の審査員が議論して、どれが優れているのかを決めて、点数を付けていく方法を考えています。

八幡委員:どうもありがとうございました。
 続いて3点目ですが、「[2]機器の使用状況の把握と運用改善」の評価方法ですが、これも「仕組みも適切に審査して、加算点を与える」ということですので、今の回答と一緒でしょうか。

環境省(原田):その通りです。

八幡委員:これも前回8月18日の検討会の資料の中でも書いてあったのですが、きわめて評価の尺度が曖昧(「非常によく改善されている」等)でとらえどころがありませんでした。何をもって判断されるのか、われわれには理解しづらかったと思いますので、先ほど質問のあったように、透明性を確保しながら尺度を検討していただければと期待しています。
 あと、最後に4番目ですが、「その他技術評価点」は、先ほどご指摘のあったような、感想を私どもも持っていまして、ICカードやセキュリティの話は、他の項目と比べて、環境配慮とどのように結びつくのかが、理解しづらいと感じております。別に仕様書として最低限のスペックとして、こういった項目をあげることも可能かと思われますし、環境と関係があるとすれば、その辺の背景、繋がりも含めて説明いただきたいと思います。例えばセキュリティを向上させることにより、環境負荷の低減をやりづらくなってしまった、という例があるのであれば、こういう項目が入ってしかるべきかと思いますが、イメージしづらかった点があります。

環境省(原田):先ほどの3つめのご質問には「そうです」とご返事をしましたが、着眼点がわかると評価の透明性が高まりますので、皆様からも、ぜひこういう項目は評価するべきではないかという意見を出していただきますようよろしくお願いします。
 それからICカードやセキュリティの向上のためというのは、例えば、管理職が個人情報を扱うために別の機器が欲しいとか、まとめてコピーセンターにして高速な機械を置きたいとか、ある程度提示していただかないとそもそも実施が出来ないという可能性もありますので、性能として決まる以外にそういうケースも考えられるということで、例示しています。

八幡委員:どうもありがとうございました。

秋鹿座長:かなり具体的に、色々似たような項目があるので中身を整理していただきたいという意見がありました。また、事務局からは皆様方からどういうポイントがあるのか提案いただきたいというお話でしたのでよろしくお願いします。

笠間委員:「機器のリユース、リサイクル」についてですが、複写機業界は資源有効利用促進法で指定業種になっておりまして、リユース、リサイクルを進めなければならず、毎年、目標を作って進めています。そういった観点からもリユース、リサイクルを評価していただきたい。リユース部品の割合は、設置予定機器全体の重量に対する30%以上となっていますが、これは実際に入っている量ということでしょうか。

環境省(原田):実際に入っている量を計算するのは、非常に難しいと想定していますので、おそらくある一定期間内の平均値から、その機種で大体このくらいのパーセンテージをリユースしている、リサイクルしているという数字、最低保証値までいきませんが、平均値みたいなものを、皆さんに記載していただいて、そういうものから算出していこうと思っております。

笠間委員:そうすると機械ごとに出したものから想定して、構成割合によって数値を出すということでよろしいですね。わかりました。

古川委員:確認ですが、総合評価落札方式の評価項目について、こういう項目を各メーカーが入札前に出してくれているのですが、それ以前に調達者が事前に情報を提示した上で、という理解でよろしいでしょうか。

環境省(原田):何も条件がわからない状態では入札は困難なので、後で説明しますが、何を提示しなければいけないかを規定する必要はあると思います。

古川委員:わかりました。TEC値は決まっていると思いますが、その場その場で条件は変わってくると思いますので。

秋鹿座長:先ほどの答えはこの委員会の中でご提案いただき、しかるべきスペックはこちらで決めてという形になろうかと思います。
 それでは次に進みます。資料2の(4)の説明よろしくおねがいします。

環境省(辻):資料2の(4)の説明(省略)

秋鹿座長:どうもありがとうございました。この項目についてご質問ありますでしょうか。

岡本委員:現行の機器の配置状況を調達者が入札の際に提示した場合に、あるメーカーにとっては非常によい提案で、トータルで予定価格以上の価値を持っている場合でも予定価格をオーバーして資格がなくなってしまうということはありえないでしょうか。なおかつ、これを査定、審査をする人達は、調達者側に新たな仕事としての負荷がかかります。一般的にスキルが無ければスキルのある方に頼らなければならないので、特定のところで特定の話がされない、という可能性があるのではないかと感じています。前回のワーキングではこれだけの項目で不充分だとお話ですが、これだけの項目を挙げてしまうと、ユーザーが入札の前に公正に審議するのが難しいのではないかとの懸念を持っております。

秋鹿座長:なかなか微妙な問題ですが、事務局からコメントをお願いします。

環境省(原田):発注者も実際に提案、検討される際に、ある程度決まったフォーマットで、パターン化されているほうが、お互い誤解が少なくてすむと考えています。一箇所だけでなく、いろいろな機械が何種類も発注があるときに、全て書式が違っていて、提案する内容がバラバラのときは、そういうことも考えていく必要性があろうかと思います。項目が多いと審査が偏るのではないかということですが、テクニカルな部分はできるだけ指標化し、単純に数字で決まるようにしていきたいというのは事務局でも考えています。ただし、先ほど言いましたように、事務空間の使い方や使用量の削減に対する提案は使い方と連動しているので、業務等で把握をしていないとなかなか実施しがたいと思います。つまり、きちんと把握できていれば、自分達の業務とフィッティングしているかどうかを考えることができると思います。ある程度審査をして、かつ透明性の出し方の問題だと思いますが、きちんと差がついた部分の記録を残すと一定の透明性が確保できるのではないかと考えています。今日は、何を環境負荷の項目としてみていくかにウエイトをおきましたので記載はしていませんが、3回目の際には透明性がでるために、どういう方法を考えていくかについて提示して検討していただきたいと思います。

秋鹿座長:最初の質問ですが、予定価格を少し多くしておけばよいのですね。

環境省(原田):何故予定価格を取り上げるかというと、国会が認めた金額までしか契約できませんので、超過をしないように予定価格を定めています。逆に付加機能を向上しようとするのであれば、予算を確保するところから考える必要があります。必要機能に合わせた予算を確保し、予定価格を算出し、提示を求めていくという方法です。

秋鹿座長:予定価格の範囲内で検討していただくということでよろしくお願いします。
 他にいかがでしょうか?それでは次の項目の資料2(5)の説明をおねがいします。

環境省(辻):資料2(5)の説明(省略)

秋鹿座長:ご質問・コメントお願いいたします。

古川委員:ここに書いてある数値というのは「仮」と思うのですが、稼働率をどの程度にすればよいかというと、平均とピーク時では全く違うと思います。人間は3分から5分待つといらいらするそうです。例えば、プリンタがネットワークでつながっており、ある特定のプリンタが使用中であれば他のプリンタに自動的に送るようにするとか、個々のプリントで枚数が多ければ高速機に送るようにするとか、実際にプリントにかかる時間とプリントするために待っている時間を考えたほうがよいと思います。それから距離に関連しますが、オフィスで一番苦情がでるのは騒音の問題で、プリンタからの音は45デシベル以下に抑えるというのが、望ましい基準値として一般的です。この点を考慮して、プリンタまでの距離をある程度とったり、パーティション等で区切ることが配置に関する提案では必要になってくると思います。

秋鹿座長:どうもありがとうございました。コメントいただきました。それぞれの提案にでてくるので、例えば数字が入っているだけなので、中身は大体のところを想定していただきたいと思います。
 それでは次に進ませていただきます。

環境省(辻):資料2の(6)の説明(省略)

秋鹿座長:ありがとうございます。ご質問、コメントありましたらお願いいたします。これは来年度から始めるとなりますと、1月か2月くらいでしょうか、業者の方との公平にやるようなアナウンスメントを用意しなければなりませんね。
 よろしいでしょうか?それでは次の項目資料2(7)、(8)の説明をお願いします。

環境省(辻):資料2(7)、(8)の説明(省略)

秋鹿座長:どうもありがとうございます。ご説明にありましたように、高い効果が期待できる機関を対象とするというご提案です。

環境省(原田):付け加えさせていただきたいのですが、参考資料3はあまり台数が少ないと効果が出難く、また、先ほどご意見もございましたとおり、どのくらいユーザーの負担が増えるのかまだ整理がされておらず調達側の負担も増えますので、ある程度確実に効果のでるところから実績を積み上げるということで、大規模発注から整理をしていき徐々にその案を整理して、もう少し小さなところに適用できるようにしていきたいという考え方を示したものです。

秋鹿座長:やりやすいところから始めるということで、メーカーの方も安心されたのではないでしょうか。(8)で、これについて国はどのようにするのか疑問に思うことがあるのですが、一つのフロアの中に契約年度が異なるものが混在しており、しかもコピー機とプリンタでは違う契約になっています。これについて、どのような整理をする予定ですか。

環境省(原田):いろいろな考え方があると思いますが、一つは契約年数を延期していき、契約年数がそろうまで待つというのがあります。しかし、省にある一つ一つのものを全て、そのようにしていくのは難しいと思います。発注企業の偏りが出る可能性がありますので、実際に可能かどうかという話もあります。環境省自体が、審査する場合は評価という点からまとめていただかないと、うまくいかない場合もありますが、大きな省であれば複数の棟に入っている場合もありますので、例えば、建物単位ですとか、ある程度まとまったフロア単位ごとにグルーピングしていって、単位ごとに切り替えていって、契約期間が残っているものについて配置換えが可能かどうかも整理をしていきたいと思います。

秋鹿座長:少し機器を移動するということがおこり得るということですね。色々具体例があるようですが、しかるべくご検討ください。
 ご質問・コメントございませんでしょうか。

舟谷委員:(7)で、対象先を絞り込むときに、複写機などの場合ですと100枚機以上で5台口の入札、カラーコピー機30枚機で15台の入札とか、かなりカテゴリーわけされた調達が中央省庁からも数多くあるのですが、その分を調達するとなると、一かたまりで見ていかなければならないのでしょうか。

環境省(原田):この考え方を採用する場合には、ある程度規模を大きくして、100枚機を何台、低速機を何台というのは、結果として、使い方を自分たちで整理して発注しているケースになっていると思いますが、機械の進化が進んでいてすでに非常に優れた機械ができており、今まで必要だと考えていた台数が本当に必要なのか、開発された技術と組み合わせることにより、合理的にサービスとしてみたときに、良質なサービスを今までと同じ価格もしくは安い価格で提供していただけたうえに、環境負荷も減るという形になるのではないかと考えていますので、従来の方法に固執しないでやっていただけたらと思っています。

秋鹿座長:ありがとうございました。他にいかがでしょうか?
 このコメントのところにもありますように、今回は小さい部署は除くというコメントもありますが、キーワードは台数、紙使用枚数、使用人数等ありますが、ある程度カテゴリーは調達者で決めることになるわけですね。

環境省(原田):そういうことになると思いますが、できるだけ目安は提示したいと考えておりますので、皆様のご協力を得てやっていきたいと思います。

秋鹿座長:今の説明にありましたように最終的には国で決めることではありますが、この委員会では事業者の皆様からの沢山の意見をいただきたいので、忌憚無くご意見ください。
 一通り資料2の説明はしていただいたわけですが、通して、戻ってもよいので、(1)から(8)まで何かございますか。総合評価落札方式、除算方式、加算方式、たたき台としては加算方式を提示しているのですが、ご意見もありましたらいただけませんでしょうか。

谷口委員:最適配置は我々も当然考えていくべき内容ですが、縛りが入ったときに、使える機能や制約が企業側にかかるものが多いと思いますが、その場合の配慮はあるのですか。後発側から見たとき、例えば特許など難しい内容がでてくると思うのですが、そういう点に何か配慮はあるのでしょうか。

環境省(原田):今まではそもそも十分な量を確保できず、徐々に増やしてきたわけですが、機械の技術が進展してきて、印刷が支障なくできる、できるどころか過剰なのではないかというところまできていると思います。そこまできているものを、わざわざ厳しい縛りをかけて規制をかけて、過剰な状態にしておく必要性はなく、民間では最適配置の事例が多くあり、必要な機能を必要な価格で買うということになっていますので、役所側でも同じように修正すべきだろうと思います。皆様方のそれぞれの会社のノウハウを使って最適化していくわけですので、項目が多ければ多いほど、出来ないところが増えていくわけです。極力、発注者側サイドにとっては自分達に本当に必要な機能を整理いただいて、簡潔に要求していただけるようにお願いしていきたいと思いますし、阻害内容を教えていただければ修正していきたいと思います。

秋鹿座長:もう一つ、国の方針としては、事業者にとっても新しい技術展開ができるように、日本が環境立国で、技術も環境で世界にリードしていきたいという、そういう配慮もあろうかと思います。国も事業者も長い目で見れば、同じ方向でできるのではないかと思います。新しい方が新たな提案をどんどんしていただき、さらに環境技術が高まっていけばいいという考え方だと思います。

環境省(原田):追加して言わせていただけば、発注サイドは、皆様方が提供していただいた努力をみて、これがいい、あれがいい、といってきて、複数社は入れないと困るから、というような状況だったと思いますが、今度は、皆様方が自社の優れているところをアピールしていただき、評価点・技術点を高めて、その分価格のハンディキャップを乗り越えていくという考え方なので、今まで以上に、努力をされてきた技術に利益があるのではないでしょうか。逆にいうと技術としては優れているが、世の中にあまり要求されていない機能もありますので、そういう皆様方から提案できるように変わっていけるような形式だと思っております。参加される皆様方の意見が必要ですので、今日は限られた時間で議論していただきましたが、気になる点等がございましたら、事務局へご提案をお願いします。

秋鹿座長:ありがとうございます。他にいかがでしょうか。

舟谷委員:総合評価の価格についてですが、予定価格の2/3を下回るものについては低価格調査が入ったりします。低価格調査が入っても、最低価格落札方式でその業者が落札したりします。例えば、環境配慮契約法の総合評価のような場合、低価格調査のゾーンに入ったときは点数の配分を変えることは可能なのでしょうか。

環境省(原田):低価格調査というのはいわゆるダンピングの状態になっているかどうかの調査で、ダンピングであれば排除することになっていると思います。もともとの予定価格に対して低価格になる可能性もないではなく、そのときにはフェアに低価格調査が入ることにより、事業者側がなぜ低減できたのかを調査する必要はあると思います。技術力の差がない場合に、過度に競争しすぎないように、公平に評価していくことは大切です。我々が除算方式、加算方式で悩んでいるのはその点で、知恵の部分はいくらお金がかかっていて原価がいくらか、非常に評価がしづらいと思っております。短期的に見れば適正価格かもしれないが、長期的にみて本当に、技術改善が図られ、次に買うときにも適切に提供していただける環境なのかどうかを考えていかないと、国の契約としては不十分ではないかと考えています。そのへんのバランスをとれるように議論していきたいと思います。

秋鹿座長:おそらく除算方式ですと、価格の影響が非常に大きく技術点を凌駕してしまうこともあろうかと思います。加算方式ですと価格を独立させることが出来るということで今回のご提案になっていると思います。技術評価点の割合は今回は提案していないですね。P.7の例では合計100点になりますが、これは1:1の比率のご提案なのでしょうか。

環境省(原田):配分がどれくらいがよいのかについてはいろいろな例があり、公共工事などでは、全体を提案しがたいということかもしれませんが、一般に配分は低くなっています。情報システムは1:1という例が多くあり、研究開発は費用より、何を研究してどれだけ成果を上げるかですので1:3という例もあります。どのくらいのバランスでやるかの範囲は示して、あとは調達者が自分達のバランスを考えて少しばらつきをもってやったほうが早めに整理できるかと思います。

秋鹿座長:どうもありがとうございます。時間も押してまいりましたけれども、他にご意見ありますでしょうか。
 それではご意見をお聞きするのはこれまでとします。事務局より今後の予定をお願いします。本日の意見を踏まえて、事務局で資料の修正、追加して第3回ワーキンググループに提示していただきたいと思います。3回で議論を終わりにしたいと思いますので、ぜひ、ご意見を整理して出していただきたいとおもいます。

事務局より今後の予定と、最後に石飛課長からもひと言お願いします。

事務局:まず今後の予定について。第3回ワーキングは11月12日から14日あたりで開催できればと思っております。皆様の予定をお伺いし、調整しご連絡いたしますので、お手元に配布した用紙に予定を記載し、後ほど事務局まで提出ください。事務局からは以上です。

石飛課長:今日はどうもありがとうございました。貴重なご意見を伺えてよかったと思います。まだ試行錯誤の段階ですが、前回も申しましたが、公平性を保ちながら、先駆性を持った基準をうちたてて、これからの公共部分での環境配慮の取り組みをもっと進められるようなものにしたいと思いますので、次回は11月の中ごろに予定していますが、それ以前にこれは大切ではないかという事があれば、事務局へ個別にお連絡をいただければ、次回の資料の参考とさせていただきますので、よろしくお願いします。今日はありがとうございました。

秋鹿座長:どうもありがとうございました。本日はこれで終了させていただきます。