環境配慮契約法基本方針検討会 建築ワーキンググループ(第1回) 議事録

出席委員:
伊香賀委員、河野委員、小黒委員、善養寺委員、中村委員、野城委員(座長)、山田委員、横田委員(五十音順、敬称略)

日時

平成19年9月13日(木) 10時00分~12時10分

場所

環境省第1会議室

1.開会

環境省(笠井環境経済課長): ちょっと早いですが、メンバーが揃いましたので始めさせていただきたいと思います。ただ今から、環境配慮契約法基本方針検討会の建築WGを開催いたします。まず資料の確認でございます。
お手元の資料一覧で、資料1~5、参考資料1~7までとなっております。

配付資料

資料1  環境配慮契約法基本方針検討会設置要領

資料2  環境配慮契約法基本方針検討会及び建築ワーキンググループ委員名簿

資料3  検討スケジュール(案)

資料4  環境配慮契約法基本方針の検討方針・課題等(建築物に係る契約について)

資料5  建築物の契約に関する基本的事項の考え方について

参考1  環境配慮契約法条文

参考2  環境配慮契約法の概要

参考3  環境配慮契約法基本方針の検討方針・課題等について

参考4  第1回検討会議事要旨

参考5  官庁施設の環境保全性に関する基準

参考6  「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく「評価方法基準」(抜粋)

参考7  プロポーザル方式で温室効果ガス等の排出抑制に関する技術提案を求めた事例

冊 子  質の高い建築設計の実現を目指して ―プロポーザル方式―

不足がございましたら、お申し付けください。

環境省(笠井課長): それでは、今回は第1回目でございますので、私は環境経済課長の笠井ですが、私から簡単に設置の趣旨等について説明をさせていただきたいと思います。資料1が設置要綱です。参考資料2が法案の概要になっておりますので、その辺を簡単に説明させていただきたいと思います。参考2を見ていただきますと、政府のCO2排出量を13年度比8%削減する目標というのができております。18年度までは7%削減ということだったのですが、なかなかうまくいかなくて、1枚めくっていただくと、下のほうの枠に5というのがあります。17年度の排出量は、-1.2%。そういうようなことで、これまでグリーン購入法というのがありましたけれども、契約にまでさかのぼって、グリーン購入法はどちらかというと、製品、サービスの最低基準を示すことで環境に配慮した調達をするというものでしたが、その中でも入札になったときにも、環境の価値をそれなりに考えられるようにする必要があるのではないかということで、議員立法でこの法律が作られました。4を見ていただきますと、基本方針を作って、それを閣議決定いたしました。各大臣が、その基本方針に従って、環境配慮契約の推進のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。各大臣等は実績も公表しなければいけない。この等のところは、独立行政法人や国立大学法人などが今後指定されているときにやるという予定であります。地方自治体のほうは、努力義務が課せられているという構成になっております。基本方針の中で電力購入、自動車などの耐久消費財、ESCO事業による設備等の改修、庁舎や設備設計等に関するプロポーザルというのが条文上、明示的に書かれております。それ以外の契約につきましても検討課題ということになっておりますが、本年度は、まずこの明示的に書かれた4つの課題について、検討をして基本方針を作ろうというようなことで考えております。さらに1枚めくっていただいて、9のところに「知恵を活かした設計によるCO2削減効果」ということが書かれておりますが、そのような状況ですので、資料1に戻りますが、8月13日に第1回の親検討委員会を開催いたしまして、ご了解をいただいております。検討事項には、この4つ以外にもその他がありますということでということです。組織につきましては、検討会の下にワーキンググループを置くことができるということで、その運営等は検討会に準ずるということになっております。座長は野城先生ということで、ご了解いただき、ワーキングメンバーにつきましても了解をいただいております。
次は公開についてです。裏を見ていただきますと、公開の考え方が記されております。(1)が、会議は公開とする。ただし、公開することにより、個人情報の保護に支障を及ぼすおそれがある場合、又は個人若しくは団体の権利利益が不当に侵害されるおそれがある場合には、座長は、会議を非公開とすることができるようになっております。(2)が、会議の資料、議事録につきましては、会議の終了後、ホームページ等により報告すると。開示範囲につきましては、事務局が案を作成して、座長の承認を得るものとしております。(3)は、ワーキンググループの公開等については、検討会に準ずるということにされております。
次に僭越ながら、委員のご紹介を簡単にさせていただきたいと思います。

資料2について説明(省略)。

以後の進行は、野城座長によろしくお願いしたいと思います。

野城座長: 野城でございます。皆様のご協力をいただきまして進めていきたいと思いますが、後ほど事務局からご説明があるかと思いますけれども、このワーキング、後ろが切られております。11月には、今ご説明にございました第1次の方針を閣議決定していくと。この上に全体を調整する委員会等々がございますので、これからご案内のあるワーキングは3回であらあらの方針を作っていく必要がございます。今日はそういう意味では、思う存分、皆さんで頭出しとして論点を出していただければと思います。そういった3回のタイトなスケジュールの中でまとめていくために、私のほうで皆さんにちょっとお願いしたいことがございます。
一つは、後ほど事務局からのご説明があるかもしれないですけれども、先ほど課長がご説明になりましたこの議員立法でできました新しい法律の中での基本的事項4項目、ESCO、電力等々、建築物に関する契約がございます。よく読むとこの中は入れ子になっております。要はESCO、あるいは電力調達に係るもの以外、建築に係ること全てにも読めるようなことになっておりますが、今申し上げたようなスケジュールでございますので、その中で設計サービスの調達に論点を絞っていくということをぜひご協力いただきたいと思います。ただし今日の冒頭の中に出てくるかと思いますが、設計でいくら環境に配慮した設計をしても本当に実現性があるのか。実効性を担保するという観点からは、議論の中で設計サービスでこういう調達はいいのだけれども、附帯して、例えばコミッショニングがあるべきだとか、そういう議論があれば、それは附帯意見として整理していきたいと思いますが、取り敢えず我々が背負っている責務は設計サービスの調達方針ということでございます。
二つ目は、非常に申し上げにくいことではございますけれども、事務局の方々と事前にお話を承って、私が勝手に思っておりますのは、この法律を議員立法で作られました議員の方々は大変情熱を持っていらっしゃいます。その方々からのお考えを考えるに、私はこの設計サービスについては、こういう環境配慮について実効性のあるようなことに対しては、それなりの相応の対価を払っていくというお考えが、まずぶれずにおありだというように考えております。従いましてお願いしたいのは、今日の委員の方々はそれぞれ職業団体から来ている委員の方々もいらっしゃいますから、ディテールの議論でいろいろあるかもしれないですが、一旦職業団体の衣を脱いでいただいて、むしろ大きな基本方針が実現するためには、この中で合意を作って、設計サービスにそれだけの相応の対価を払っていくことに、国民的な利益があるかということをわかっていただけるような、明確な原則というものを作っていく必要があるかと思っております。その目的のためには、できましたならば、委員の方に大変ご苦労をかけるかもしれませんが、ぜひご協力をいただければと思います。
三つ目は、特に今のことに絡みますけれども、今日の後ほど出てきます資料の中に、設計サービスの調達の論点は設計者選定ということで、すでに事務局のほうでターゲットが絞られております。そうしますと単に設計者御自身がどのような優れた案を出しているかという観点だけではなくて、設計者の方々が指導しながら、どういうチームを作って、本当に実効性のある、エンジニアと一緒に共同をいただきながら、いい建物を作ってくださるかということでございますので、建築の設計をされる方の職能を、単に建築の設計の案を作るだけではなくて、それが実際にエンジニアリング上も、技術上もきちっとまとまったものとしてできあがっていく。そこまでについて、それなりのまとめ役ができる能力も設計サービスの中に入るという、少し広めに考えていただきながら議論していただければと思います。
最後ですが、後ほどご説明がございますように、国交省の営繕の息がかかった範囲では、大変私が認識する以上に先鋭的な設計プロポーザル等々の調達がすでに行われているということでございますが、先ほどご説明にございましたように、適用範囲も、できればこういった範囲から全ての省庁及び自治体等々にも適応範囲を広げていきたいというご意思がございます。そういう意味では原則を作っていくことも大事ですが、それを、特にしっかりしたインハウスの職員の中に、建築士さんがいないところでも、こういった設計調整ができるためには何か適応条件について、もし余裕があれば、これも考えていく必要があろうかと思いますので、そういったことも含めて皆様にお知恵をいただければと思います。この分野につきましては皆様、大変実績のある方が集まっておりますので、どのような環境性能を実現するか等々のことにつきましては、さほど合意を作るのは難しくないと思っておりますが、むしろ今のところをぜひ一緒に考えながら、あるいは今の以外にもご説明を聞いていただいた上で、論点があればあとではなく、できるだけ今日頭出しをしていただくということで進めていきたいと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。

(1)今後の検討の進め方について

野城座長: それでは、さっそくではございますが、まず議題の1でございます。今後の検討の進め方について、事務局からご説明をいただきたいと思います。

環境省(笠井課長): 資料3について説明(省略)。

野城座長: 今のスケジュールにつきましてご質問はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。今のようなことですので、恐縮ですが、お付き合いいただければと思います。

(2)建築分野における環境配慮契約法基本方針の方向性について

野城座長: それでは、2番目の議題の建築分野における環境配慮契約法基本方針の方向性につきまして、事務局にペーパーを用意していただいておりますので、それについてご説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。

環境省(原田補佐): それでは、資料4以降を使って説明をさせていただきます。まず最初に確認をしておいたほうがよろしいかと思います。座長のお話の中にあった全省庁は、今回閣議決定をする内容について義務がかかっております。それから地方公共団体については努力義務がかかっておりますが、グリーン購入法の例などを見ていただくとわかりますように、非常に高い実施率で現在実施をしていただいております。逆に言うと、ここに記載された基本方針の善し悪しで使っていただく比率が高くなる可能性も考えられますので、十分議論をしていただいて、すばらしいものになればと考えております。それでは、資料4から説明をさせていただきます。

資料4、5について説明(省略)。

国土交通省(尾薗補佐): 参考資料5について説明(省略)。

国土交通省(吉野営繕技術基準対策官): 参考資料7、「質の高い建築設計の実現を目指して-プロポーザル方式-」について説明(省略)。

野城座長: これで事務局から説明が一通り終わりました。簡潔でポイントを抑えてのご説明をありがとうございました。それでは委員の方々からご質問や議論をいただきたいと思いますけれども、少し議論を整理するために、事務局からのご提案ですが、二つの段階に分けたいと思います。まず今ご説明をいただいた内容確認についてのご質問をお受けして、その上で皆様からのご意見を承りたいと思います。まず今ご説明をいただいた一連の資料、あるいは背景につきましてご不明な点がございましたら、ご質問をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

横田委員: 事務局からの説明の検討課題です。設計サービスについての調達方針というものを絞るといわれましたが、その意味についてです。要するに普通の発注だと設計なり、監理まで発注して、設計図を作っていただいて施工について発注するという形になりますが、今回の温室効果ガス、環境配慮というときには、設計のあとに施工する、それから施工した後に、その庁舎を使うというところにどれだけ配慮しているのかということです。そうするとその施工、それから運用のところのものが設計者のところにどれだけ配慮されているかということを勘案して、設計を発注するという考え方を検討するというふうになっていますが、一方で普通の発注方法で総合評価方式というのが書いてありましたけれども、そういうものを決めるときに、普通の入札で、価格で決める。総合評価方式をやっても価格のウェイトがむちゃくちゃ高いというのが大抵そうです。そうすると実際には設計段階で環境配慮という意味であれば、それでいいのでしょうが。そのあとの環境配慮というものを設計段階の入札の価格で決めるというのは何かちょっと変かなというか、要するに施工実施のときに環境配慮されているいい設計をされるというのであれば、何か評価の仕方がわかりやすいのですが、それを普通の入札で価格で決めるというのは、何かちょっとよくわからないです。設計サービスで調達方式が何を意味して、どういうものを考慮するのかというのを教えていただければと思います。

野城座長: 今のご質問の前半は私で、後半は事務局でお願いします。私が申し上げた意図は、今横田先生が仰っていただいた整理でいきますと、法律案のそもそもの原文を見ますと、建築物に関する調達というのは必ずしも設計関係だけではなく、今先生が仰ったような設計施工、あるいは監理等々も含めたものがかなり入ってくるように見えるように書いてあります。ところがそれではあまりにも検討期間が短いこともあり、かつ、プロジェクトを川の流れに例えますと、川上の意思決定がとても大きな影響力があるので、まずそこについての方針を絞ろうという意味で申し上げました。先生が仰ったご懸念は私も親委員会で質問をさせていただきました。その点については私が申し上げるより、事務局からご説明をいただけますでしょうか。

環境省(原田補佐): まず二点あると思います。設計者はプロポーザル方式で選定された場合は随意契約になりますので、基本的に決まった方が、所定の費用を契約をするような仕組みになります。それから座長の仰られたとおり、川上の部分だけ今やって川下の部分がどうなるかですが、今回の閣議決定は今年度決定し、次年度以降適用のものですが、随時継続的に進めていきたいと思っておりますので、その中で建築の分野はかなりひろくありますので、必要な事項について検討を進めていきたいと思っております。

善養寺委員: 建築の業界のあり方がわかっていらっしゃらないです。設計と施工業者は業務として会社が違うというか、設計しかやらない会社もあり、設計と施工をやる会社があります。要は設計という部分で実は著作権が発生してしまうように、仕様書も含めて設計側がいわゆる施工のあり方というか、仕様を決めるということをわかっていない場合だと、設計というと、一般人の方々が理解しているのは間取りだけが設計されていて、あとの仕様に関しては、施工業者が決めるというふうに思われていると、今の設計者を選んだだけで施工のほうの性能が上がらないのではないかという話。でも現実問題としては設計者が細かな断熱の仕様や設備の配置までを決めてしまうと、本来施工業者は著作権問題があって、ある意味変更することは今度許されないです。そこをちゃんと理解した上で次の運営の問題も含めて、どういうふうに管理していくかということは、行政側と一緒に考えないといけないことですけれども、そこをわかっていないと、今のように設計をなぜプロポーザルで調達するのという意味では理解できないのではないかというふうに聞こえたのですが。

小黒委員: 価格の話、プロポーザル方式の説明は。

横田委員: プロポーザル方式を前提でやるというのであれば、それは理解できますが。ただ事前にいただいた資料だと、最初のものを入札ですると書いてあったので、それはわからなかったということです。

野城座長: そこを国交省の誰でもいいですから、説明をお願いします。

国土交通省(田中課長): ちょっと補足で説明をさせていただきます。プロポーザル方式については、閣議了解をされた政府の行動計画の中で契約方式が明確になっています。技術提案を出していただいて、その中でもっとも優れた1者を特定して、その1者と予定価格の範囲の中で随意契約をするということがはっきり書いてあります。ですからもっとも優れた提案をした者が随意契約をできるということになっております。先ほど説明をいたしましたけれども、実際我々がやっている中でも提案の中身というのは、環境配慮に関することだけではなくて、例えば3つとか、提案事項を出していただく。その1つに環境配慮に関するものの提案が多い。

野城座長: まさに横田先生が仰っていただいた点に一つの核心があるかと思います。要は今何でも入札で調達しようという風が吹き荒れています。一方ではこういった環境配慮のことがある中で、流れとして新たに随意契約をするというのは、ある文脈の中では非常に勇気がいるわけです。そのためにこういった法律を作っていただいたわけです。また従前から国交省のほうで、実はプロポーザルは随意契約であるという制度を作って実績も随分あるわけでございます。それをうまく利用して、この目的を実現していけるだろうと理解しております。

中村委員: 今回の内容の対象は設計ということですが、設計というものがどの段階からのものなのかということをちょっと確認したいというか。首長がこういうことをやりたい、あるいはその全体の中の計画にあったとして、それを実際に構想段階、構想は自治体の中でやる場合もあるけれども、それをまた構想に関してコンサルタントに発注する場合があります。そこで仕様書がある程度決まって、それからそれに基づいて設計にかかります。そのところでプロポーザルということですが、私たちの実際の実務の中では、構想の段階で間違っていたら、そこでどういう案がある程度作られていて、これを前提として、そのあとに設計を発注するプロポーザルをやるよと言っても、プロポーザルでさらにいい案を出しても、その最初の構想とは違うからだめだと撥ねられることもかなりあります。そうするとその構想を作るところからも、これと同じようなことが言われなくてはならないわけですが、その段階でプロポーザルをまたやるのかという話があって、今度は小さい、もっと前の段階の川上にさかのぼったところではプロポーザル方式ではないのではないかという気もするのですが。そこでまた環境のこともよく配慮したコンサルタントが、またそれなりに特命で、随契で何らかの形で受けるような仕組みを作っておかないと、そこはうまくいかないという気もします。一つは設計という範囲だけに絞るのかどうかという話と。それからもう一つはプロポーザルだけで、これは本当にいいのかということもちょっとあって、もう少し違うコンサルタント契約なり、そういうものも含めた考え方も考えないといけないのではないかということです。

小黒委員: 今のところに関連して、ここにあります一番最初に環境配慮型プロポーザルをするということをどなたがどういう段階で、あるいはどういう基準で発注者サイドが決めるのかというところのスキームがあって、コンサルを雇うというところが問題で、きちっとしたあるルールに基づいてないわけです。発注者サイドが建築だと思うのですが、そこを明確にしないと、いくらその先をやっても、用地の問題であっても、環境配慮型をやって非常に森林の豊かなところを用地にして、環境配慮型をやるよみたいに、要するに発注者サイドがこのものをやるという基準をきちんと出さないと、その先、行かないのではないかと思います。

野城座長: 今の整理していただいた上で、関連することであったらどうぞ。

山田委員: 今の発注のプロポーザル形式は、当然技術提案というのが主力で考えられていますが、もう一つの趣旨は、やはり設計者の力量設定という面が非常に多いと思います。最近のプロポーザルは。監理技術者でありますとか、主任技術者がどれだけ実績とか、技術的に技量を持っているかという中で、設計シーンを設定していくという、そういう大きな趣旨があると思うのですが、プロポーザル、それからそれで決まるのはおそらく基本設計業務というのが契約の対象になると思います。実施設計が実際に設計者にいくかどうかというのは不確定であります。あるいは監理業務は第三者監理という形で逆に決定から離れていくと思います。そういう設計者の一貫性みたいなものが、こういうプロポーザルの形と、環境保全性という性能の担保みたいなものにきちんとつながっていくのかという辺りの議論が、少しいるのではないかという考え方もあると思います。

野城座長: 今山田委員の意見は大変大事な意見だと思います。それでこういったことをどう整理していけばいいのかということを考えますが、事務局からご説明があった資料4を見ていただきたいと思います。もうすでに事務局のほうではキックオフして、何回でも変更ありということかとは思いますが、四角囲いで基本的事項(案)というものが出てきております。私としてはとにもかくにも、今の皆様のご懸念はよくわかりますが、大きな目で見ますと、ここで一つの政府の、これは全てなのか、一つなのかについては、皆さんはかなりご異論があるかと思います。少なくとも政府の設計の一つということでご提案になっているような環境設計プロポーザル方式というのが、日の目を見ていくことは大事だと思いますので、それを前提にこの四角の中を書く形でまとめますが、ただしこの四角のことはおそらく先ほどのスケジュールでいきますと、最終的には閣議決定となる高いレベルでの確定がございますけれども、ここではそのための留意点としては、やはり箇条書きなどで様々なことを書いていく必要があろうかと思います。その留意点というのは、今日の事務局からのご説明にもありましたように、一つは事務局から投げ掛けがございましたように、実際の設計者の選定条件、審査条件とかは大事な点ですから、これは皆様と一緒に議論されます。もう一つは適用条件ということで、それはまさに皆様からご心配いただいた点だと思います。一つは国交省からも説明がございましたけれども、国交省が自らされるときには大変優れた技術者がいらっしゃいますので、今のご説明があったことは実行可能ですが、おそらく中村先生が想定されているのは、下手をすると建築技術者が誰もいない自治体などだと、最初から山田さんが仰ったようにどうやって発注したらいいかわからないとか、そこがわけのわからない決定がされていて、いかんともあとから設計者が入ってきても、改善のしようもないということもよくあるわけでございますので、そういう意味では適用条件、あるいはこれをつかんでしまえば、今ご議論をいただいたように、こういうことをちゃんと留意しておかないと、他にも点検はできますよということはどんどんご意見をいただいた形でまとめて、それをWGの案として出していきたいと思います。ですので、環境配慮設計が日の目を見させていただく。そのためにこういうことを考えていく必要がありますよという留意点は、可能な限り書き出していく。あるいは留意点のみならず、それをどうすべきか、どういうふうに選定するかという、選定についての原則です。それについてはもうすでに山田さんからいただいております。そういったものにつきましても出していく。そのようなまとめ方をしながら皆様からのご意見をできるだけ、ここで終わらずに、もっとこれからどんどん発展性があるように、頭出しになるようにしていきたいと思っております。

善養寺委員: 適用範囲の件はきちっと書き込むべきだと思います。特に先ほど山田委員が言われたような第三者監理とか、基本設計と実施設計による、だから基本設計はよかったのだけれども、実施設計で細かい仕様が決められたときに性能が落ちていってしまうとか、第三者と比較をして計画案を作るために、施工発注前にグレードが落ちてしまうことがあります。そういう点でやはり最初にプロポーザルを決めた人たちが、逆に言うと主になったチームリーダーというような形で実施設計が他社で行われるにしてみても、プロデューサーとしての存在位置とか、第三者監理が行われるにしても、著作権者としての性能を担保する責任としての範囲というようなものを具体化して示していかないと、これでプロポーザルで取ったあとに、どんどん性能が落ちていくということは現実としてありますので、その適用範囲という点では、少しちゃんと議論していただきたいと思います。

河野委員: 質問というより意見になってしまいます。今回の環境配慮契約法というのは、何れにしても従来の公共発注の8割か9割が入札、要するに設計料の多い少ないで決められてきたということに対して、おそらく少なくとも設計の中身、質によって設計者を選んでいくということで、私も大変画期的だと思っております。その中で今の議論に出ているように、発注者の問題が非常に大きいと思います。具体的に中村先生が仰ったけれども、企画段階では本来発注者がどういう内容のもので、この建物を企画するかということが大事です。ただし先ほど話が出ていたように、そういう技術者がいるところと、いないところということがありますから、それについては別途そのメンバーでやるのか、特定の人に委託をするとか、いろいろな方法があると思いますが、それはそれとしてきちっとやっていくということです。この四角の中でちょっと気になったのは、○の2番目の「設計上の工夫により特に温室効果ガス等の排出抑制に効果が大きいと判断される業務」です。ここは、誰がどういう基準で判断するのか。一番大事なことは、建物にいろいろ大きい小さい、機能によっていろいろな建物がありますが、設計というのはいろいろな意味でクリエイティブなものであり、いろいろなアイディアなどでもちろん設計を選んでいくべきだという前提の中で考えると、原則はかなり、ここは抑制的に考える。つまり原則はプロポーザルというか、入札ではないというところをまずきちっと押さえる必要があります。これはぎゅっとやると、これは発注者側の問題かもしれませんけれども、ここにかなりバリアがあったりすると、結果としてはこの法律があまり生きてこないかなという、それはちょっと杞憂かもしれませんが、その辺の考え方を少し限定的にやっておく必要があるという感じがしました。

野城座長: 今のはご意見として承っておいてよろしいですか。事務局、何かございましたら、どうでしょう。

環境省(原田補佐): ここで特に書かせていただいたのは、義務がかかっている国の発注はかなりプロポーザル方式を特定しますので、プロポーザル方式の中でさらに環境配慮できるものについてはしていきましょうということで書いてあります。ですから資料5のp.4に、最終的な解説も含めて、全体の構成の中でのプロポーザル方式の意味みたいなものをきちんと整理して、当然のことながら、できるだけ多くのところできちんと使っていただくというようにしたいと思っております。

善養寺委員: 国の発注としては、今プロポーザルが全てというような状況だとすると、逆にいくら以上が今はそういうものなのか。環境配慮型プロポーザルだけがプロポーザルなのか。それとも全てならば、どういう小額のものでもプロポーザルなのか。価格入札の分があるのかどうか。その適用範囲を書かれたほうがいいと思います。

野城座長: そうですね。先ほど簡易プロポーザルというのがあったのですけれども、その辺の現状を。

国土交通省(田中課長): 国として一般論で統一的にやられているというわけでは必ずしもありません。私は国土交通省ですので、国土交通省における建築工事に係るプロポーザルの考え方をご説明させていただきます。大きくは、これは各省庁に皆かかわってきますけれども、閣議了解された政府の行動計画の中でプロポーザルができる範囲が書かれていますので、その範囲に該当するかどうかです。ですからそれに該当しないとすると、国土交通省でもプロポーザルができないということになります。私も本当は事務局に確認をしたかったのですが。資料5のp.5の中でプロポーザルの範囲を広げますという絵が描いてありますが、行動計画を変更される予定があるかどうかについて、私もちょっと聞きたかったのですが、そういう歯止めがあります。これはザクッと言いますと、技術的な提案をできると言いますか、工夫の余地があるものかどうかであり、それに該当する場合は、プロポーザルができますということになります。それを前提にして、我々はやっておりますが、我々が今設計業務委託する中でやっているのは、屋上の防水だけを替えますとか、外壁が傷んできたので塗装だけ変えます、こういうような設計は、やはりクリエイティブでもないし、工夫の余地もそれほどないです。元に戻しますということになりますので、そういうものについては入札という方法を今のところ、会計法の中でそれしか選べばせんので、やっていますということです。そういうもの以外については、基本的に国土交通省の営繕補修の中ではやっておりません。設計業務のボリュームの内容によって、このプロポーザルも設計者に負担を大きくかけますので、その負担の度合いを考え、業務の規模によって、公募型あるいはもう少し負担が軽くなるような簡易公募でやるのか。そういう方法を使いわけています。必ずしも価格のみではありません。

野城座長: 今のは大変大事な点で、ここでご検討いただく内容の効果とも絡んできます。事務局のほうから何か、つまり会計法という一般的な法と、今回議員立法という、逆に超党派を使った立法ですから、これだけ政治が不安定だと却って捨て止めというか、極めて安定的だと思いますけれども、これがある意味ではESCOなどの調達でも会計法の原則に例外を設けるような趣旨として組み込まれていますよね。この法律は。そういう整理でいくと今のコンフリクトをどういうふうに考えたらいいのか。もしお考えがあったら教えていただけますでしょうか。

環境省(原田補佐): ここでまず絵を描いた理由ですが、国土交通省さんは非常にたくさんやっているかと思いますが、中にはかなり遅れているものもありますので、今回のものできちんと閣議決定事項でプロポーザル方式も含めて描いていくことで、適用範囲を広げられるだろうということで絵を描かせていただいていています。今の段階では決まっているルールに関してどうかというのは、議論も踏まえて検討していかなくてはいけないと思っています。

野城座長: いろいろありそうですから、事務局、あるいは各省庁でもご議論をいただければと思います。

伊香賀委員: 先ほど基本設計、実施設計、第三者監理の話がありましたけれども、国交省さんからご説明をいただいたほうがいいのかもしれないですが、官庁施設に関してはグリーン庁舎基準と、今日お配りいただいた参考の5には言及されていないですが、解説のほうには、基本設計段階、実施設計段階、それから竣工段階のそれぞれにグリーン性能をチェックするツールが用意されていて、仮に設計者、あるいは監理者が変わっても、要はしっかりされていれば多分環境性能は担保されるような道具立てはあります。要はそういった先行したツールを自治体でもうまく活用してくれれば、変なことにはならないだろうなと思うのですが。

小黒委員: 今のことに関連しますが、チェックのシステムはありますが、どうも日本の場合は、それが的確に運用されていないということと、それから情報開示が十分にされていない。ここのことを、いわゆるベンチマークとして、そういうものが、例えばもう官庁施設でグリーンビルなどの実績があるわけです。ですからそういうものがきちっとベンチマークとしてある。この程度の規模でこういうものだったら、このくらいの環境性能の改善があるべきだということを発注者サイドから、きちっと本来は指名して、それを目標に設計者も知恵を絞るとか、あるいは施工者も知恵を絞るというフィードバックの仕掛けを考える。各々はよくできています。この目標もCASBEEも、皆個別にはよくできていますが、その全体をフィードバックして、次の企画案にやって、毎年環境の性能が、公共の建築についてはこれだけ上がったとか、下がったとか、あるいはもののケースによってはいろいろな状況でお金とか、市とかのいろいろなケースでは実際うまくいかなかったということがわかるように、そういう仕掛けをぜひこの際考えるべきだと思っています。

伊香賀委員: 今のお話に関していうと、例えば今、国土交通省だと環境報告書というのを出されていて、主要な庁舎についてCO2の低減率とか、CASBEEの性能はレポート上、あるいはweb上で公開されています。多分それは新しい取り組みで、それはもうちょっと広まっていけば改善につながっていくのかと思います。

野城座長: 今、小黒さんが仰ったことはとても大事なことです。一つ一つの事業はそのプロジェクトで、始めあれば終わりありということで終わっていきますが、大事なことは、ワーキング全体としては、今ここで議論に取り上げられている仕組みが実現をして、ベンチマークと言いましょうか、それぞれ今日ご提案があったような方向で達成すべき環境性能というのが明記されて、しかもそれを段々と少し上に引っ張っていく。上に引っ張っているかどうかを大所高所ではなくて、国が実施しているプロジェクトを俯瞰的に見て、性能をフォローアップしながら、実際に全体として性能がアップしているかどうかということをトラップしていくようなことが必要だと思います。そういった考え方だと思います。今のことにつきましては、議事録にまとめていただきながら、先ほどの定義の留意事項にぜひ入れてください。

善養寺委員: 先ほど伊香賀さんがグリーンビルのあれでちゃんと次につながるようになってと言っていましたが、このプロポーザル選定方式が案を選ぶのではなくて、人を選ぶのに、なぜ人をころころ替えるのか。一つの建築物に関して、やはり人を選んだからには、最初の基本設計案を選んだわけではなくて、プロポーザルで設計者を選んだわけですから、そうした場合には、やはり案が具体提案してパートナーとして、建築物を発注者側が一緒にやっていく中では、やはり最初から最後までそこで責任を持たせるということが必要だとすると、今の基準があるから次につながるでしょうというのは、今プロポーザル方式を決めるのだとすれば、ちょっとおかしな議論かと思いますので、本来はつなげていく。だから全部を任せるのではないかもしれないけれども、やはりパートナーとしての、ご意見番としての位置づけをずっとつないでいくというような仕組みをちゃんと制度として作るべきだし、先ほどなかなかベンチマークが皆に浸透しないという点では、それを一つの制度として何か具体を示していく必要が今回の議論の中にあるのかなと思います。

伊香賀委員: 設計者を変えていいとか悪いとかを私は申し上げたつもりはなくて、要は要所、要所と言いますか、仮に一貫して同じ設計者であっても予算等の制約もあり、基本、実施、あるいは竣工段階までにいろいろ案が変わるわけですよね。要は、最終的にできあがるものの環境性能が担保できるような道具は、一応ありますということを強調したかっただけです。

野城座長: じゃあ、山田さんで次に中村さんですね。

山田委員: 少しちょっと話題が違うのですが、環境配慮型プロポーザルということでもあると思いますが、従来のプロポーザルの中にも、その環境性能や環境配慮ランニングコストのテーマというのは必ず出ます。今回の敢えて環境配慮型プロポーザルというので、どこが違うのかというのがはっきりと見えない部分が少しあるということですね。それからプロポーザルでの環境配慮提案というのは、ややアバウトというか、見込みの部分というのが多いということは当然あります。そこでどういう判断をするのか、ここの中でそれを担保するために、検討のための十分な時間を確保するということが項目として書かれていますが、それをどれぐらいの時間を考えられて、それでもって今までと違う環境配慮に対するどういう評価手法をなさろうという方針でおられるのか。その辺を少し伺いたいのですが。

野城座長: そのことに関連してどうぞ。

中村委員: この環境配慮の契約法というのは、今までは、例えば単体の建築をどうやってよくするかということをできるだけ多く作っていこうという考えだったと思いますが、これからはもっと量的に増やしていって、2050年に半減しようという大きな目標を達成するために作られていると思います。では量的にこれがどこまで効果があるかということを考えると、先ほどの全体のプロポーザルをどうして環境配慮プロポーザルにしないのですかということを聞きたいわけね。どういうものでも環境プロポーザルしたらいいのではないかと言いたいわけですけれども、なぜここでこのうちの一部だけが環境配慮プロポーザルなのかと。同じように理解できないのかということですが。その濃さとか、薄さとかはあってもいいかもしれないけれども、全体にかけられるべきだと思うのですが、なぜ一部というふうにしているのかがまず理解できないです。一部を除くのはなぜか。

野城座長: 私の理解では、総論としては、包括的に全てこの政府調達の方針として、基本的な措置は、今ご審議いただいているものが政府の基本方針にあるというふうに理解して、少なくとも議論していただいているつもりです。事務局のほうで、それをちょっと前のめり過ぎるというお話であれば説明をいただきたいと思います。

環境省(原田補佐): その通りだと思います。

野城座長: 今までの制度でも利用できるかもしれませんが、より基本的な、ふさわしい制度的な枠組みを作るには、今の単なる設計プロポーザルの中に、担当者が気が効くからそこに環境配慮を入れてくれていても、実質的にプロジェクトを預かっている設計者から見ると同じに見えるかもしれません。しかしながらこういった政府の調達方針は、先ほど、事務局からご説明があったように、単に一つのプロジェクト、事業という視点ではなくて、それはグリーン購入法を始めとしてかなり大きな面的な広がりを見せていくという可能性を持っておりますので、実務者から見ればあまり差異はないかもしれませんが、制度としては大きな違いがあるということをご理解いただきたいと思います。

河野委員: 私の理解では、基本的に今回の環境配慮契約法というのは、全ての公共施設の発注においては環境配慮しろということを決めたと。むしろ我々、建築の設計をやっている人間から言うと、当然環境の問題は今いろいろな意味で世界的な関心事であるし、緊急時だという意味で全てが目指そうとしている。問題は、むしろそれ以外のことは景観であったり、あるいは快適性、経済問題も含めた建築というのは、やはりトータルなものであるということまでいくことを考えますから、その中でこの環境配慮をベースにしたプロポーザルと一般的なプロポーザルが違うのか違わないのかという議論が出てきます。時代的な流れとしては、今環境の問題についていろいろと重きをおいて評価をしていこうというのはその通りだと思いますが、抽象的な言い方で難しいと思いますが、例えば審査の公平性みたいなことは、当然一方で議論されているということはありますけれども、どういう方がどういう基準で審査をしていくかというのは、この先の議論だと思いますが、その中における環境の重み付けとか、あるいはそれ以外の敷地特有な条件がいろいろあると思いますが、その建築物のプロポーザルということですから、考え方ということでかなりの幅がある判断にはなると思いますが、そこをどういう審査基準でどういう人がどういうプロセスでやっていくかということが、多分最終的には一番問題になるのかと。ただ環境の問題について、とにかく網をかけたということをきちんと受け止めようということだと思います。

善養寺委員: 先ほど山田さんが言われたような環境配慮のプロポーザルがあるじゃないかという部分は、発注者のモラルの問題で出されているもので、逆にいいプロポーザルの例があったら、そういうものを一つ参考事例にして全体的にこういうふうなプロポーザルの仕方に変えていったらどうだというような、今現状行われている中でプロポーザルとして大変優れた発注の方式を取ったものの実例を参考として、次回提出していただけないですか。今回のようなちょっとだけではなくて。

野城座長: 今日出来形として、立川と浜松をご紹介いただいていますけれども、吉野さんがご説明になったパンフレットでいくと、一般的な流れがございますよね。その流れに即して、例えば立川と浜松など、今こういった制度設計のことを議論しているわけですから、具体的に流れとして、こういう出来形ができるまでにどうなっていったかをご紹介いただければ。

善養寺委員: 流れだけではなくて、あと評価の仕方です。何をどうやったらプロポーザルが参考になるのかという点では、CASBEEで評価したらいいとか、いろいろな評価をしたらいいというけれども、現実はどういう形でやった例があるのかという点で、流れではなく、もっと具体的なもの。仕様書というか、発注に対して、工事も含めて資料としていくつか提出していただけたらいいかと思います。

野城座長: それについて事務局のほうでお願いします。小林さんお願いします。

環境省(小林大臣官房長): すみません。立法過程でタッチしておりましたので。今出てきた点でございますが、いろいろ細かい点の注文をつけていただいて、あとで国交省さんなどと相談して、また事務局としての案をお伝えしたいと思いますけれども、基本的にはこの法律によって何が変わるのかということがポイントだったと思います。その範囲で言いますと、まず一つは深さです。例えばご覧いただきました資料にもあるとおり、環境配慮については、先ほど中村先生が仰ったようにいろいろな道具立てがあるわけでありますが、例えば見ていただくとわかりますが、法的なステイタスは国交省の告示であったりするわけです。それが閣議決定になるということです。それもかなり同じものがあったにしろ、それを尊重される度合いが違う、カラーも違います。例えば国交省はちゃんとやっているかもしれませんが、実は環境省はどうやって設計をやっていたのかというと、かなり怪しいこともあります。そういうことは許されなくなりますということですから、まず中身が同じでもかなり重さが違います。そういうことが一つです。
それから今回すでに発注者が大事だとか、基本設計のあとはどうするのかといういろいろな思いはありますが、そういうことももしかしたら新しく異なったことが出てくるかもしれません。そういう意味で深さというか、中身がかなり違ってくると思います。国交省はCO2が大事だと言っていますが、閣議決定をされるとそうでもなかったかもしれません。
それから範囲の話ですが、中村先生が仰ったように結論としては須らく政府のする契約法というものは環境配慮されなくてはいけないというのが精神であります。そうしますと手間とかそういうことになってしまうわけです。中村先生ご自身が仰っていたように、全部そうだというからには、重い軽いとか、いろいろなことを合わせて定めてあげないと頓挫してしまうということがありますから、この基本方針の中でそれをどうやって具体化していくのかというのは、議論の事項だと思いますので、事務方にいろいろな注文をつけていただいて、これから頭を悩ましていきたいと思います。それから閣議決定は重い代わりに、あらあらしたもので骨だけでございます。そういう意味で言いますと、逆に言えば本当に今日もそうだと思いますが、他の検討会も出させていただいていますが、聞いている限りでは解説書みたいなものができることになると思いますので、そういう中で善養寺委員が仰っているような具体的なことも出てくるかというふうに思います。大変正しく議論されているのではないかというのが私の印象でございます。

中村委員: もう一つの観点は、こういう契約法を作ることによって、先ほど河野先生が言われたように、設計者が最初から最後まで一つの建物について責任を持ってやっていくという本来のあり方をきちんと取り戻すという方向に全体がいってもらいたいと思います。最近の契約の流れというのは、それがどんどん時期によって、あるいは役割ごとにぶつ切りになってしまって、誰が本当の設計者かわからないように仕組んでいるのが今の流れです。これは非常に逆行するものです。今私たちがやっているものでも基本設計だけを入札でやっている。その次に実施設計を入札でやって、監理をまた入札でやってということで誰が本当の設計なのか。ということは誰がこの建物の責任を取れるかというと、誰もわからないです。それは役所が取るという格好になるのかどうか。役所がいない場合でもそういうことを行っています。民間でもそういうことを倣って行っていますから、そういうものの社会的な影響はすごく強いわけです。これを全体に一貫した流れをもう一度取り戻して、設計者はそこまで責任を持つということを踏まえてですが、そういう方向に行ってもらいたい。そういう機会を作っていただきたいというふうに思います。

野城座長: 私の進め方が悪くて、議論というより意見になってしまいましたが、意見というおつもりでまだありましたらご自由にどうぞ。今のことに関しまして、皆様方からいただいている意見の中で、中村さんが仰ったことを何人かの方がご心配されて仰っていますが、基準の中にはどれだけ設計者が設計をまとめていくだけの能力があるかという総論の中に、いいチームを組むことができるかということです。裏返していいますと、善養寺さんや中村さんが仰ったことを誤解されるといけないので、敢えて申し上げますと、設計された方自身が我を張って自分がずっとやるのだということを仰っているわけではなくて、全体の整合を筋を通していくためには、一つのプロジェクトにかかわっていく必要がありますよ。また特にこういった大規模で複雑な建物になるほど、いいチームを組んでいただく必要もあるわけです。いいチームを作り、筋を通していく能力があるかということが、基準の中にデザインマネジメント能力ということがきちんと入っていく形で、ご心配の事柄が起きない一つの条件、これで必要十分だと思いませんが、一つの大事な条件としてはあるのではないかと思います。

小黒委員: 別の切り口ですが。これは設計のプロポーザルの問題を扱っていますが、最終的にはできた建物。特に提案の中でイニシャルで建築のときでLCCの削減という部分と、運用ですね。先ほどESCO事業で入れ子という話がありましたが、特に設備環境で運用のノウハウというか、ソフトによって、いくらいい建物を作っても、最終的にはうまく使いこなしていない。そういうところのノウハウがあります。ですから公共建築のあるレベル以上のものは、もう一回きちんと測定をして、本当にちゃんと設計どおりの性能が、最後のところで担保できたのかということをやらないと、ここでいくらこういう提案しても、CASBEEとか、いろいろな計算方法がありますが、それをやっても、全く絵に描いた餅になりますので、特にその部分を環境プロポーザルでやったプロジェクトはそういうことをやってフィードバックするということを、これは契約には書けないと思いますが、ぜひこの場で、ぜひ上の会議で決めてもらいたいと思います。

野城座長: これについては、ぜひ皆様からご提案をいただきたいと思います。制度は一度できあがりますと、いろいろな人がそれにかかわってまいりますので、不心得者も出てきます。要は設計プロポーザル段階では、こういうことができますよとバラ色の夢を描きながら、実は建物の絵を描き始めたら、全くそれと裏腹なものができるような輩が出てこないとも限らないです。それに対して設計業務というのは、ある意味では未来価値を図面という形に収めるわけですから、どうしてもそこで一回クローズしてしまいますけれども、しかしそういったことが許されるようでは、いくら制度を作っても、やがて一般の国民から非難を受けることになります。つまりそういった意味ではどれだけ設計段階で性能に対しての実現を担保していくかということについて、ここで皆様からご提案をいただきたいと思っております。伊香賀先生にお願いしたいのは、次回にできましたらば、以前、日建設計のときにかかわられた再開発が、設計だけではなくて、その後引き渡したあとも、準コミッショニングのようなことをして、かなり制度検証をしたというご経験があるようですから、そういったことが参考になるのではないかと思いますので、業務は別だと思いますけれども、いわゆるコミッショニングのようなものとどう組み合わせていくかなどについても論点として取り上げておきたいと思います。でき上がった場合によっては設計サイドではなくて、コミッショニングということもすべきで、そういうことにも設計者にかかわり合いを持たせることで、逃げることは許されないみたいなことも必要ということぐらいは、先ほど申し上げた留意事項の解説に書いておくのがいいと思います。

善養寺委員: 3回しかないので、逆に具体に議論する論点を次回から区切っていったほうがいいのではないかと思います。先ほどのどの範囲までやるのか。改修であるとか、修繕であるとか、新築であるだけではない。その物件の適用範囲を逆に理想論、現実論、設計があまりに安ければ、プロポーザルの手間代が逆に高くなってしまうのはまた問題ですので、工事価格で決めるのか、範囲で決めるのか、その辺の議論をきちっとするのであればする。その次に設計者責任をというのであれば、業務範囲をどこまでするかというようなテーマを決めて具体に示して、それで評価方法とか、4項目か、5項目ぐらいの法律化するための論点を明確にして、次にそこを中心に議論をしていくので5つぐらいにまとめませんか。

野城座長: 皆さん方からもう少しご意見をいただいた上で整理したいと思います。あと20分ちょっとになりますが、出していただいた上で、あまり入り口で議論をしても具合が悪いですし、特に事務局のほうで必ずしも各省庁間で掘り下げないところについて性急にお願いをしても、却ってご迷惑になりますので、一番本丸である設計者をどのように選定していくかという基準について、ぜひ次回、本丸論をやらせていただきたい。そうすると今日皆様方から出てきた論点というものも位置づいてくると思います。3回目はやり残した問題を設計者選定に関する基準に対するイメージが、あらあらある前提で議論していきたい。大雑把に設定したいと思います。

横田委員: 評価基準だと思います。これは事務局のほうが専門家なので釈迦に説法ですが、基本的にはコストというのか、若しくは効用というのか、価値というか、基本的に市場で決まるという話です。価格とコストが一致していれば別に問題はないですが、要するに地球温暖化というか、市場のコスト化されない社会的な費用がCO2に限らず、社会的なコストが全部評価されるような、一番安いような提案を出せる設計者がいい。若しくはコストが同じであれば、社会的効果、効能が一番高くなるような設計者を選べばいい。ランニングコストとか。そういう全体的なコストと効能があるかと思います。理屈はそうですが、実際に社会的コストをどういうふうに評価するのか、もしくは社会的な行動をどういうふうに評価するのかというので、実際にはなかなか難しいというか、無理に近いということでしょうが。とにかくコストを踏まえてやらなければいけないというのは経済の問題。事務局はそういうのは多分されているはずだと思いますが、技術としてどうかということだけではなくて、コスト、ないし効能としてどうなのか。ということでどういうふうに検討されていたのか。過去の事例でどういう判断基準でされたのか、先ほどご意見もありましたけれども、そういう経済的な常識を踏まえてこうあるべきだというのがあれば、ぜひ叩き台として事務局に出していただければと思います。

野城座長: それはご要望ですか。それとも今どう考えているかというご質問されているのですか。

横田委員: 要望です。

野城座長: 何かコメントがございましたら。

環境省(小林大臣官房長): まず答えから、そういった資料をなるべく次回に用意したいと思いますけれども、正直申し上げまして、環境保全のコストというのが市場で正しく評価されていない中で、費用効果分析をするというのはそもそも答えが歪んでしまう可能性があるということでございます。私どもも悩んでおります。例えば一例を挙げますとこの庁舎、政府全体もそうですが、-7%削減という目標で平成13年度比、18年度目標でやってきました。会計処理はまだはっきりしておりませんけれども、お陰さまで何とかぎりぎりクリアしたのですが、そのためにかかったコストは膨大でございます。それは例えばご覧のとおり、単板ガラスに鉄サッシか何か入っていますが、スカスカという状況ですから、複層ガラスを内窓につけたり、それからしょうがないので暖房は止めてしまい、無理やり数字を出したということです。それは目標自体があるものですから、その中でなるべく費用を節約しながら対応するということはしますけれども、正確な意味での費用便益分析としてやると、そういう行動は無意味だったということもなりますので、工場か何かで削ったほうがいいとか、いいCDMを買ってきたほうがいいということになってしまうので、やはりそれでは世の中が進まないので、政府としてこのビルはこうするという量的な目標があれば、その中で最善を尽くすということにならざるを得ないかと思っております。そういう観点でお知らせするものがあれば次回に示したいと思っております。

河野委員: 入札にかかわる設計者選定で言うとコンペかプロポーザルか、最近ではQBSという設計者の資質選定方式というのがありますけれども、コンペというと応募される方が多くなります。プロポーザルというのは比較的応募者の負担が少ないということになって、それは逆に言うと評価する側が非常に難しくなる。何を根拠に人を選ぶか。案を選ぶというのは非常にわかりやすいですが。いつも議論になるのは、プロポーザルの、例えばスケッチを描くとか描かないとか、細かい話になりますけれども、それがないと逆に差がつかない。特に環境みたいな話で要素技術をぐっと上げていくことは、いわば皆さん、描けることになってしまうということがありますから、やはりその具体の敷地の条件とか、いろいろなことをどう読むかというのはあると思いますが、やはり人を選ぶことの難しさとそこにどういう条件を課していくかというのは、プロポーザルが比較的扱いがよく、やりやすくて、かつ広げていくための非常に大事なポイントはその辺だろうと思います。審査員の力量の問題があると思います。コンペに比べると容易だからプロポーザルだということで進めると、結構問題は起こるということが事例でいっぱいありますので、それだけにここでも議論していただきたいと思います。

野城座長: 大変大事な点だと思います。私のささやかな経験でも審査員側に回ると、往々にしてそういう設定にすると、点数主義というか、要素技術を書き揃えてこういう環境配慮をしますよと言って、それで点数稼ぎにくるような提案をよく拝見することがあります。よくよく考えてみると本来建築で取るべき環境配慮からすると、ある意味では表現は悪いですが、厚化粧をしているというのでしょうか、本質的な環境配慮と思えないようなもの。ただプレゼンテーションとしては、審査基準がこうだから、そこを通過させるために、そういった要素技術をばらまいてくるようなことがあるので、まさに今、河野さんが仰ったご心配にならないように、設計者審査に当たってはどうしたらいいかということを次回できちっと議論したいと思います。

山田委員: それに関して選定の方法ですが、審査側の体制という問題もあると思います。先ほど仰ったように要素技術に偏ってしまう傾向が往々にして、確かにあります。先ほど言われましたいわゆる環境経済マネジメントという要素をぜひともプロポーザルの中の要綱に入れるべきだと。場合によってはマネージャーのような人を従来の建築、構造、設備、コストという単体の技術者の割り振りではなくて、環境プロポーザルというからには、それを統括デザインマネージャーみたいな人を配置するとか、多分それぐらいのことをしないとなかなか統一した、本当の環境配慮というのはできないのではないか。ちょっと意見として申し上げておきます。

中村委員: プロポーザルの難しさをお話になっていますが、もう一つ河野さんが言われたQBSという方式があります。設計者の資質選定方式といって、案を出さないで、その設計者の実際に今までやってきた実績、設計者はどこまでどういう力があるのかということをしっかり見ようということです。プロポーザルの場合には、どうしても1枚か、2枚の紙に書かれた内容だけで判断せざるを得ないので、今言われたような、そういう表現のうまさ、稚拙さから選定されてしまうのですが、むしろQBS方式のほうが、そういう意味ではその人の力をしっかり見ることができるのかもしれない。あるいはその紙でやるよりは、もっとその人をヒアリングするとか、かなり調査をする。その人自身を調べる。どういう実績があって、その人のやったことはどのくらい、例えばエネルギーを少なくできている建物を造ってきたかということまで含めた実績を問うというほうがあっているかもしれません。

野城座長: 今のお話は、私の理解では制度をそうするというよりも、QBS方式で取られてきて審査方法や審査基準ということをこの俎上に上げて、そこでうまく動いたものについては取り入れるべきではないかというご意見だったように理解してよろしいですか。

中村委員: 両方あります。

野城座長: 両方ありますか。はい、わかりました。

善養寺委員: PFIはどうですか。

中村委員: PFI?

善養寺委員: 最近出てきている中で、設計や機器導入から運営管理を含めて、PFIのときも、ほぼ類似したしたような設計能力運用のものも出てきています。そこに関しては、今までと一緒になってくるし、それを無視すると、今地方でやっているものは学校全部の設備導入に関して、設備機器の導入と運用・運営管理、環境教育まで含めて大規模にやります。それをそこから外して、そこだけをお金だけとか、PFIの提案型になっているのですが、そこの評価の方法をどうするかというところまで考えないと、量としては大きい部分があるということはあります。もう一つは先ほど環境の計画をする技術者、今回建築基準、建築手法の改正で、構造、設備等で特定の項目で1級建築士の免許がきつくなりましたけれども、やはりその中で環境計画という意味も、そういう特殊なエンジニアの存在が必要なのではないかというふうに思います。この議論とは違うかもしれないですが、これを動かしていくためにもいるのではないかと思います。

野城座長: 一点目については、国交省の担当の方がいらっしゃいますのでコメントをいただければと思います。

国土交通省(田中課長): QBSの件ですが、これは事務局、会計法上の問題に関連すると思いますが、QBSをかなり研究して、会計法上、国内法上成り立つかどうか。随意契約が持ち込めるかという点を検討して形ができているという成り立ちになっていますので、QBSそのものは会計上は成り立たないというふうに認識しています。環境省さんのほうでご意見を出していただければよろしいかと思います。ちょっと蛇足になりますが、会計法上のプロポーザルというのは、技術提案書の著作権で随意契約をしている形の整理になっています。ですから紙がないと、それは著作権法上の著作物として認められたものではないと、随意契約はできないという整理になっていますので、それは環境省さんのほうでご確認いただければと思います。

野城座長: ありがとうございます。PFIについては何かございますか。PFIではなくて、デザイン一式をまとめて調達する場合は、今回の検討の範囲から外れるとは思いますが、ただそのときでもどうなのでしょうか。この精神を生かしたような。事務局の中でご議論をいただいて、次回に様々な調達方式が設計サービスの基準だけでなくても、大きな範囲での調達がある場合でも、個別に議論していることがどう適用がされていく可能性があるのかないのか整理いただければと思います。あとは善養寺委員の二点目ですけれども、これは皆さんで議論をしていけばいいと思っておりますが、建築基準法はオールジャパン、皆様が例外なく、守らなければならない法律ですけれども、ここで扱っている主題は公共セクターがどのようにして建物を買うか、自らがどう購買するかということの方針を決めているわけですから、これは建築基準法のある規定に加えて、さらに特段のリクエストを調達方針につけて設定するということは現状ありだと認識しております。先ほど山田さんからは、環境デザイナーマネージャー、善養寺さんからは環境建築士といったことは、特に想定をしてむしろこの中に位置づけていきたいと思っております。できれば後出しでなくて、今日いきなりなかなか咀嚼できないところもあるかもしれませんが、お気づきの点があれば出していただいたほうが助かります。

伊香賀委員: 国の施設、遍く適用するというふうに理解していますが、先行している国土交通省のシステムが多分参考になると思います。文教施設や、医療福祉施設は、国が直接というか、ひょっとすると現状だと国立大学法人の発注ということになるのかもしれないですが、他の官庁施設以外の用途で、何か官庁施設とは違う配慮事項があるとすると、それも含めて検討しておく必要がないのかと思います。全く同じとは限らない。

野城座長: 今の点につきまして事務局からご説明はございますか。

環境省(原田補佐): 独立行政法人は対象になりますので、必要性はあろうかと思います。もしあるのだとすると、多分一番最初に規定をして、一律に環境性能を求めるようにしていますので、そこのところの書き方に注意する必要があるのではないかと思います。

野城座長: 今の点については、上の委員会の第1回で一応確認は取っております。今は環境省が事務局をしてくださっておりますけれども、あくまでも超党派の議員立法でできた法律をどう実現をするかということで全省庁がやっていくということになっております。ですから全て事務局のほうからは全省庁に連絡が行っています。私のほうはそういう建前だけではなくて、これについては国交省だけではなくて、今上げていないところもされているので、あとから聞かなかったからということがないように、くれぐれもよろしくお願いしたいということは申し上げている次第ですので、多分そういうことは出てこないと信じております。

小黒委員: 先ほど座長からもお話がありましたように、特に地方ですね。今は国にちゃんと技術者がいて、それなりの見識があって、だから地方の物件のほうが金額的にも数からも膨大です。まずそこを推進するためには、いろいろなプロポーザル、簡易型と言いますか、そういうもののルールをここで議論をして、こういう形のパターンでやる。あるいはそれを支援する仕組みの検討をぜひやっていただきたいと思います。ここでではないのかもしれませんけれども。

国土交通省(田中課長): 小黒委員のご提案はご尤もです。国土交通省も相当取り組みまして、今地方整備局ごとに地方自治体の発注が適切になるように、いろいろな法律も作られておりますので、それに基づいて、国として支援義務がありますので、いろいろな手を使って支援をしますと申し上げておりますが、実態を見ますとなかなかご理解がいただけないです。受け皿は作っておりますが、そこに支援の要請がないという状況があります。そこのところは環境省さんとPRして支援をできるようなことをすると、国土交通省としてもいいと思っております。

小黒委員: それについて一つ提案があります。地方の民間でも結構意欲を持って、そういうことをやろうという技術者がいます。そういうこところの要望をうまく国のほうや何なりから、我々、団体としても提案していきますけれども、そういうような活用をして、いわゆる行政側からこういうことをやったら手助けをしますよという話もさることながら、先ほど中村先生も仰ったように、まず構想段階で、そういうことになっているのかどうかという相談をしたいわけですよね。技術者も地方自治体も。例えばそういうことができるような体制、これは官と民が協力してできるような仕組みもあったらいいのではないかと思います。

野城座長: 今の点に関してですか。

善養寺委員: 今の点で言うなら、このプロポーザル方式の手続きの流れの中に、報告みたいな形で、いわゆるどこかに、そういう体制を登録したら、だめだなと思ったら支援にいけるような、手続き上の流れの中に、今の国土交通省の支援が入れやすくなるような形に仕組みが作れないかと思います。

野城座長: 皆さんも私も大変心配なことで、先ほどグリーン購入法のようにすぐいくような、私も大いに期待しますが、今日の議論で出てきたように、特に地方自治体で発注者側からすると、ボールペンを買うように単純ではなくて、複雑なプロセスで段々対話をしながら作り上げていくという能力が必要でございますので、やはり作り上げていく方式を留意事項として、こういう仕組みがなければ、特に地方自治体への展開はないですよということで、先ほどいただいたことを整理すると、一つは田中課長からございましたような意味では、ヘルプデスクというものが、もうちょっと目に見えるような形で、周知するのか、もうちょっと制度的なのかわかりませんけれども。

国交省(田中課長): 周知しているのですが、それでもオファーがない。

善養寺委員: 制度に入れなければ無理ですよ。

野城座長: もう少しはっきり制度として、まずヘルプデスクが地方整備局等にあったり、あるいは国交省の方々も職員の数は限られていますから、全てのプロセスを、例えば町から地方整備局まで代行できるかというと、そこまで行くのは厳しいのではないかと思うので、先ほど中村先生が仰ったように、民間のコンサルタントを発注者申請の形で入っていただきながら、プロセスを取りにいくということも視野に入れていかないと、数が足りなくなってくるということがありますから。その点をどうするかについて、できましたら要点を次回までに整理いただければと思います。

環境省(笠井課長): 参考1の11条が、地方公共団体等は、その配慮に関する方針を作成するよう努めるものとするということになっております。10条が、国が有する必要な情報を整理して提供していくということになっております。トータルな課題は国が通して基本方針を決めるということになっていて、簡単なグリーン購入でもなかなかできていないところがあるので、地方公共団体向けのガイドラインを作って推奨はしているという段階を追った対応をせざるを得ない面があります。だから今言われたようなことをダイレクトに基本方針の中に書けるかどうかということになると、ちょっと難しい。

野城座長: 最初に申し上げたのでいくと、それはなじまないと思いますので、先ほど申し上げた四角の中には入ってこないですけれども、先ほど言ったように、それに加えて留意事項としてこの基本方針を進めるためには、こういう留意事項は必要ですよということを議論を踏まえてドキュメント化していけばいいのではないかと思います。その中には、今後の政策展開の方向性は入れていただけたらと思うのですね。四角の閣議決定というのは、今申し上げたことはなじまないと。

環境省(笠井課長): だからそれはおそらく地方で11条にそって努力をする際の留意点みたいになるのですかね。

野城座長: 11条は、例えば絵に描いた餅にならないためには、例えばこういう条件を整えると、11条というものの推進が実現するでしょうということを具体的に、例えばと書き込む。

中村委員: 少し前に国土交通省で、まちなみ・まちづくり事業の支援事業がありましたね。まち・まちと言っていましたが、そのときは専門家派遣というのがあったと思うのですが、その専門家派遣に対して補助金を出していた。ああいう制度が、例えばこういうところにも利用されていくという方法もあるのではないかと思います。そういうときにインセンティブをどう与えるかという問題が一つあると思います。ちょっと最後に付け加えたいと思ったことがあるのですが、一つは先ほど伊香賀先生が言われたように、いろいろなグリーン購入法なりのそれに対する報告書などがあるけれども、実際にどこまでそれが行われているかというと、1万m2以上のかなり大きな建物しかできない。もっと小さな、本当にCO2をたくさん使っているようなところで、それができていないというところも逆に問題があるので、今度のこれがどの辺ぐらいのレベルまで、それを下げて実際に行うのかということを次回までに、国土交通省さんで計算をして出していただきたいというのが一つです。

野城座長: 下げるというのは。

中村委員: 面積であるのか、コストなのか。事業規模なのか。どのくらいまで下げたことで、これを適用するというイメージを持っているのかというのがちょっとないと、ある人にとっては、1万m2以上のところで議論していたり、我々が千m2ぐらいのところで議論していたりすると、話はかみ合わないと思います。その辺をちょっと議論の叩き台としても、ちょっとはっきりしておくべきだろうというふうに思います。
もう一つは、こういう法律が作られていて、建築設計の中で様々な提案をする。あるいはそういうことをすることによって、設計者というのはいつも設計者負担が大きくなることを非常に懸念するわけです。そうするとその負担に応じた設計者の設計量がちゃんと担保できるのかとか。我々としては様々心配なことがあるし、また多分、士会連合なりが持ち帰って議論になるということが多いわけですので、そういう他の制度が、どうこれによって変わるべきなのかということの議論が、派生的に起こる制度の変革というか、それも視野に入れて議論すべきではないかというふうに思います。

善養寺委員: 地方のほうが努力義務なのでいろいろな制度でできないという点がありましたけれども、まず地方に何をやらせるかというよりも、国がやっているそのままの中にも、その制度の流れの中に、今の体制を公に公示しなければいけないとか、何かそういう手続き上の作りをしておけば、今度、いざ地方がこれをまねてやるときに、同じ流れをするようになるのではないか。それを価格に合わせてそうするという意味ではやりようがあるのではないかと思います。

野城座長: 今の中村さん、善養寺さんからいただいた論点について、具体的にそのことについての話はございませんし、今ここでいただいた問題というのは、田中課長の仰ったこととも絡んでくるのですが、発注者のコストというのは無限には払えないわけなので、確かに発注件数が多いとなると、やはり実際に事業をされているお立場からすると優先順位を決めれば、大変効果が大きく、期待できるものというお考えになるかと思います。ただ逆に国全体がありすぎた場合は、実はほとんど官庁設備というのは、箱ものとしては整理が終わっていて、事業としては、国全体のCO2を減らす立場からいうと、インパクトは小さい。

中村委員: 改新も含めてということですね。

野城座長: はい。ショーケース効果というのでしょうか。例えば地方都市で規模が3千m2ぐらいかもしれないけれども、そこでこういった方式で改修するということが、その地方においても、地域全体の建物におけるCO2削減効果の波及効果を期待できる等々のことも、発注者側のコスト等を含めてバランスで考えるべきこともあると思いますので、つまりこの法律で期待しているところは、国全体として量的に期待する以外に、おそらく公共建築としてのショーケース効果も多少意図しているところもあると思います。今申し上げたことを踏まえながら、次回以降に適用範囲についてのイメージを、次回に頭出しができれば次回に、できなければ少なくとも最終回にはきちっとこの範囲でということを形成していきたいと思いますので、事務局のほうでも、予備的なディスカッション、論点整理をしていただけたらと思います。
そろそろ時間ですので、終えていきたいと思いますが、他にございますでしょうか。もしなければ、今日様々な論点をいただいておりますので、事務局の方々と論点整理をしていきたいと思いますが、先ほど善養寺さんからのご質問で申し上げましたように、まず設計者を選ぶ基準というものがブラックであるとすると、四角の中の文章の方向性が定まらないということがございますので、次回は、設計者をどう選定していくかということについて、特に焦点を当てて議論をしていきたいと思います。よろしいでしょうか。それでは、次回の時間・場所等につきまして、確認をお願いしたいと思います。事務局のほうに引き渡したいと思います。

(3)その他(次回の日程等)

環境省(笠井課長): どうもありがとうございました。次回は、先ほどもお話しましたとおり、27日(木)15時30分~経済産業省別館10階の1012号会議室で行う予定です。
なお、本日もいろいろなご意見がありましたが、これから検討するに当たって、追加すべき意見、またはお持ちの参考になる資料があれば、連休明けの9月18日までに事務局までご連絡いただきたいと思います。第3回は、10月4日(木)10時~この場所でということになっております。よろしくお願いします。

野城座長: それでは、終わってよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

以上

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