環境配慮契約法基本方針検討会 自動車ワーキンググループ(第2回) 議事要旨

出席委員:
浅川委員、和泉澤委員、大聖委員(座長)、八谷委員、水戸部委員、大川氏(和田委員代理)
欠席委員:
笹之内委員

(五十音順、敬称略)

日時

平成19年9月25日(火) 15時30分~17時15分

場所

経済産業省別館10階 1012号会議室


 大聖座長の司会により、概ね以下のとおり議事が進行した。

1.使用に伴い温室効果ガス等を排出する物品の購入に係る契約に関する基本的事項(案)

□事務局より基本的事項の説明(資料1)

  • グリーン購入法とあまり変わらない。環境配慮にもう少し突っ込んだ文言がよいのではないか。(大川代理)

    →グリーン購入法を踏まえているが、車両価格だけではなく、燃料も考えている。資料2と整合させる形で書き換えたい。観点、目的を書く。(環境省)

  • 環境配慮契約法の目的は、CO2を低減させる車を率先して購入するものか、CO2とコストをバランスさせるものか。私は前者だと思うが、説明を聞くと後者に聞こえる。(大川代理)

    →グリーン購入法で裾切りをした後で選択するのが前提。燃費を重視する議論も提案したが、まずは燃費を考慮するところから。重く見るべきであれば見直しを。(環境省)

    →政府の調達がマーケットに占める割合は大きくはなく、政府だけが率先してやっても動かない。方針に賛同してもらい、同じような取り組みをしてもらうことが大事。その意味では、超越的トップランナーよりは合理的な調達の拡大が必要。(環境省)

    →事務局の説明では、トータルで安い車を買おう、と聞こえる。車両価格が大きいため、例えば、燃料を1.5倍にするなど、ウェイティングファクターがないと。評価基準を見直し、法の趣旨を前面に押し出すべき。(水戸部委員)

    →例えば、燃費に2を掛けてもよい。資料では、燃費と本体価格を1:1で固定しているようにみえるので、少し柔軟性を持った書き方を。(大聖座長)

    →価格を全く見ないわけではないが、燃費と価格を両方合わせて評価する考え方を書く。どこまで書くか調整したい。(環境省)

  • 誤解をしていたかもしれないが、環境契約の意味がもう少し幅広いと思っていた。排ガス0の車が出た場合、どのような評価になるか。今回は地球温暖化に特化すると割り切って考えてよいか、それとももう少し枠を広げるのか。(八谷委員)

    →法律の枠組みとしては、排出ガス全般を対象とすることは可能。まずは温暖化ガスということから始める。来年以降他のものも入れ込めればと思う。(環境省)

    →温室効果ガス等の「等」を広く解釈していただければ幸い。(大聖座長)

2.使用に伴い温室効果ガス等を排出する物品の購入に係る契約に関する解説資料(案)

□事務局より解説資料、今後の検討課題の説明(資料2,3)

  • [1]4頁以降の維持費用は、特殊なもの以外は標準的な7年間とするのがよい。走行距離の1万kmは、それを超えて走る車については実態に応じて計算する。[2]契約実務では、交換の場合、最も有利なものとされるが、下取り価格を本体価格から差し引いて考えるか、本体価格をそのまま初期価格と使うか、どちらか。(和泉澤委員)

    →交換差額については実務で困らないものとしたい。(環境省)

    →初期費用と維持費用とのバランスの問題。当初価格をどうみるか、決めの問題。(和泉澤委員)

    →環境に配慮したものとして走行距離や供用期間などガイドラインを具体的に示しておいてもよい。そうでないと恣意的に少なくすることもできるため。(水戸部委員)

    →供用年数に7年とか9年とか書いてあるが、公用車の実態はどうか。(大川代理)

    →自動車によって異なる。この周辺の車は5年くらいで入れ替わっている。走行距離には使用目的によって全く異なる。地方では大きく、大臣車は小さいなど。(環境省)

  • 3頁(1)[1]の選定基準の書き方は、先の議論に沿って修正して欲しい。[2]の「行政目的等が確実に…」は、行政目的等を達成し、かつ、環境配慮の視点が必要。6頁図をみると、CO2を半分にしても調達されないというメッセージを送っているように読める。もう少し評価されてもよい。(大川代理)

    →初期費用と燃料費のバランスの問題だが、下取り価格を加味すると本体価格のウエイトが下がる。また、図はカタログ価格だが入札になると価格が下がる。(環境省)

  • 排気量の括りは、同じ調達目的で買う車かどうかの判断が必要。ハイブリッド車の位置付けをどうするか。ハイブリッドを買う方はどれと比較しているか。(環境省)

    →プリウスで補助金を出したときは、カローラの1.5Lか1.6Lぐらいの車。(水戸部委員)

    →検討課題にあるように、今は別々に扱うとしたものを将来どう融合していくかというグルーピングのための統計データ等について課題があったとのまとめでどうか。(和泉澤委員)

    →次回までに絞り切れないところは資料3に明確にする。グルーピングについて考える。ハイブリッドの位置付けをどうするか考える。なにか意見をいただければ。(環境省)

  • 計算の前提の7年1万キロは発注者の実態に応じて変わるのか。いくらでも動かせるということか。設定の仕方で評価が逆転することもあり得る。(八谷委員)

    →発注者が変更してよい。誤解のないような記述にする。(環境省)

    →発注者の使用実態をどのように客観的に評価するか。そうでないと、結論ありきで走行距離等を設定する可能性がある。(八谷委員)

    →恣意的な設定は行政監査や情報公開があり指弾を受ける。目的に合わせた仕様に決めないと非難される。仕様の書き方は昔に比べて明確になっている。(環境省)

    →交換の場合、前車を踏まえて。新規の場合はどうするか。(八谷委員)

    →新規はほとんどないと思われる。新規に車を購入するには予算上かなりの説明を要する。交換入札の場合、前車相当程度が適当。(和泉澤委員)

  • 4頁の維持費用で、燃料費と重量税以外無視されているが、保険、税金、車検料の影響もある。軽はそれが安いから売れている。それらを含めた方がよいのでは。(大川代理)

    →保険料はどう入れたらよいか難しい。税金は国には掛からない。(環境省)

    →車検費は同格の車であればそれほど変わらない。(大聖座長、浅川委員)

  • 非常に燃費のよい車が出たら買い換えた方がよいかもしれない。(大聖座長)

    →ライフサイクルを考えて何年で買い換えたらよいか、その辺は必要が出てきたところで検討をお願いする。(環境省)

  • [1]自動車が代表例になっているので、「使用に伴い温室効果ガス等を排出する物品の購入に係る契約に関する」という名前でよいかどうか。[2]下取りの話があったが、購入する側の車と関係のないところで価格が決まるのでそれをどう考えるか。(環境省)

    →一点目は、基本方針の本体ペーパに「当面の間は自動車」と入れられないのであれば題名を変え、入れられればこのまま。二点目については、確かに、下取り価格は、理論的には選定スキーム自体には関係ない。しかし、法律上、交換差額が一番安いものという縛りがあり、それを踏まえないと理屈が苦しくなることがある。(和泉澤委員)

    →理論的にいうと、7年使った後の下取り価格との差が最も安いものであるが、それは難しいので現在の交換差額になる。全体としていくらか、で入札することになる。それを含めて、交換価格か車体価格か書き方に工夫。(環境省)

    →購入する車の価値でないものを入れる理屈をどう構成するか。(環境省)

    →一般的には差額で考える。そうでないと一度国庫に収めないといけない。(環境省)

    →紛れが起こらないように記述する。(環境省)

  • 今の考え方だとイニシャルコストの影響が大きい。環境性能は補正程度。官庁は率先して環境負荷の低いものを選ぶのがよいのでは。検討課題でよいので、「小さな車を買うべき」のような内容を含めて欲しい。(大川代理)

    →今回入れられるかどうかは分らないが検討したい。(環境省)

  • 資料3の検討課題にあるように、まず単純な姿からスタートして、将来は総合評価におけるウエイト付けを1.5にしたりする政策的な意思決定が必要。(和泉澤委員)

  • 意気込みが見えるのは資料3の背景のところのみ。環境に配慮した象徴のようなものがあるといい。(水戸部委員)

    →解説資料は実務向けのものであるので方向付けが出ていないところがある。どのように書けるか知恵を絞りたい。今後の検討課題で方向付ける。(環境省)

  • 解説資料の中で「自動車」が前面に出ているが、将来自動車以外の物品についても成り立つ記述になっているか。(大聖座長)

    →閣議決定部分の基本的事項においては、「物品」の下に「自動車」と小見出しを入れて書く。物品の一般論については事務方の意見として必要かと考えている。検討会への報告は自動車についての報告になる。(環境省)

以上