環境配慮契約法基本方針検討会 自動車ワーキンググループ(第1回) 議事要旨
- 出席委員:
浅川委員、和泉澤委員、笹之内委員、大聖委員(座長)、八谷委員、鈴木氏(水戸部委員代理)、和田委員
日時
平成19年9月10日(月) 13時30分~15時15分
場所
経済産業省別館10階 1014号会議室
大聖座長の司会により、概ね以下のとおり議事が進行した。
1.今後の検討の進め方について
□事務局よりスケジュールの説明(資料3)
2.自動車における環境配慮契約法基本方針の方向性について
□事務局より資料4~6、参考4の説明
[1]法律上物品が対象。自動車から始めて将来的には他の物品も含めるのか。[2]現場の実務担当者は環境のプロではないので分かりやすくするべき(和泉澤委員)
→ どのようなものが環境に良いか分かる仕組みが必要。燃料種については、2009年以降ディーゼル乗用車が出てくる可能性がある。(大聖座長)
走行距離を10,000kmと想定した理由は何か。(笹之内委員)
→仮に10,000kmで計算するとこのような結果が出るとの意味で用いた値。実際には、契約の実態に応じてどのくらいにするか決める。(環境省)
国等が利用する自動車とあるが、地方にはバス、清掃車もある。国では自衛隊もある。どのような自動車が対象なのか共通の理解を得られるように整理したらどうか。(和田委員)
→ 資料4に「行政目的等を適切に勘案し」とあるように、目的に応じた調達を行う。例えば、自衛隊に環境配慮を求めるのは難しい。比較可能な部分を対象に。(環境省)
大型バス、トラックはグリーン購入法上どのような整理になっているか。(和泉澤委員)
→グリーン購入法では一般公用車が対象であり、大型車は含まれていない。(事務局)
物を購入する場合、まず目的や使い方などが考慮される。カテゴリーが決まれば同一カテゴリーで比較するが、そのカテゴリーはどのように選ばれるか。(鈴木氏)
→物品購入者が購入目的に合わせてカテゴリー分けをする。例えば、何人乗せられるかなど。燃料種もそのような中で決めていただければ。(環境省)
調達に際して3ナンバーは駄目などの指定がある。環境配慮の前に車種などの用途を考えるべき。(和田委員)
→法律では購入者の選ぶカテゴリーまでは縛っていない。行政目的に合わせて車種を決め、その中で選択する。(大聖座長)
→条件が適当かどうかの判断は会計検査など環境配慮契約法律の外で決まる。(環境省)
燃料種の違うものは比較しないとしているが、ハイブリッドはどうなるのか。技術の発展に伴いさまざまな燃料の組み合わせが考えられるが、それらは別々か。(八谷委員)
→ハイブリッドはガソリンでエネルギーを生み出すのでガソリン車と同一とみなす。プラグインハイブリッドは将来課題。価格競争力があるのはガソリンとディーゼルだけなので、それ以外は出てきた段階で考える。(環境省)
→ハイブリッドは資料5の対象に入り得るか。(和泉澤委員)
→入っている。燃料電池車になると行政目的で入れないと難しい。(環境省)
参考資料5に燃費測定モード変更の話、2015年燃費基準の話がある。これも議論に加えていただければ。(大聖座長)
[1]公用車の調達は交換差金であることが多く、新車を満額で買うことはまずない。その際、ディーラーが見積りをするので、ディーラーと役所で共通の計算方法が必要。誰が計算しても同じようになるよう、情報公開が重要。[2]地方公共団体の中には環境会計を実施しているところがあり、進んだ自治体とこの法律のコンフリクトが起こり得る。先進自治体においては、本法との調和が取れるように配慮してもらいたい。(和泉澤委員)
→基本的にはモードを決め、走行距離その他を実態に合わせて計算する。(環境省)
小泉内閣時に導入を決めた低公害車は法律か。それと整合は取れているか。(笹之内委員)
→あの方針は法律ではなく、政府の意思として低公害車を導入しようとするもの。義務付ける意味でこの法律がある。(環境省)
CO2排出量の少ない車の開発・普及促進と、使用する行政におけるCO2削減の二つの目的がある。後者では、使用状況のモニタリングをしないとCO2を減らせない。(笹之内委員)
→参考資料2の5頁の政府実行計画にあるように、自らが出しているCO2をしっかりカウントすることにしている。(環境省)
→グリーン購入法により、今でも一定以上の車が購入対象。しかし、燃費の良いものを選ぼうとしても、トータルコストの低いものを選ぶ理屈は立ち難い。この法律によりランニングを含めた契約が可能になる。(環境省)
ランニングコストに自信がない事業者が思い切った値引きを提示する可能性があるが、どのように防止するか。(笹之内委員)
→ 今回はそこまで考えていない。グリーン購入法のレベル以上のものについては、ランニングコストの差以上に値下げしても排除しない。(環境省)
→自動車は消耗品なので、未来永劫ダンピングし続ける覚悟でやるなら別だが、適正、公正な競争は確保できるのではないか。(和泉澤委員)
新技術の実証実験的なものについてはかなり割り引いてリースしているが、それはどう考えるか。どのように進めればよいか。(八谷委員)
→行政目的が普通の自動車とは異なり個別議論となる。すべからく同一条件とするわけではない。適切な条件を示すことが必要。(環境省)
燃料種ごとに利便性が異なる。そのようなことをどのように配慮するか。単に燃料コストで比較するか、利便性もある程度ポイント付けするか。(八谷委員)
→その点もあるので、異なるものを競争させるのは難しい。(環境省)
→軽油とガソリン、ガソリンベースのハイブリッドの利便性は同様。これらを分けて考える必要、意味はない。経産省はディーゼル乗用車を推進している。(八谷委員)
→ディーゼルの話は、価格、税制、環境負荷など政府全体の経済政策、環境政策に関わる話。このWGのタスクではないが視野には入っていると受け止める。(和泉澤委員)
LP車の調達実績はあるか。あれば考え方を用意したほうがよい。(和泉澤委員)
→LPガスは全国1900ステーションぐらい。27~28万台走っているがほとんどがタクシー。(大聖座長)
10・15モードとJC08モードの並存期間があるが、これをどのように比較するか。0.914を掛けると合うというデータがある。実態に近い点でJC08 モードがよい。(大聖座長)
トータルコストの算定において、1点2点の差で決めていいか。トータルコストとCO2排出実態の関係がはっきりしない。CO2排出評価の方法をクリアにするべき。(浅川委員)
→実用的な燃費を考えると議論が発散する。公表されているデータを使うしかない。(鈴木代理)
資料5に、ランニングコストを2倍に評価する方法について提案した。(環境省)
→政策的な重み付けがよい結果になる場合もあるが、調達者が一定基準で求めるのが難がない。相応の根拠があればよいが、実態に応じて計算するのがよい。(和泉澤委員)
→選定するための基準であって、結果をモニターするための基準ではない。実態に合わせないと説得力がない。(和田委員)
→メーカーにおいて低CO2は大きな流れ。重み付けをしないと環境配慮が進まないのであれば今後重み付けもあり得るというメッセージを発信してはどうか。(和泉澤委員)
→そこまでシビアに計算しなくてもよい。例えば、燃費基準を20%超過達成にすれば一定水準は担保される。あとは価格でよい。(大聖座長)
→燃費基準は階段状なので、重い車のほうが燃費基準が甘く、過達率が大きい。燃費の絶対値がよい。また、国の排出量が減ったかどうかモニターする必要がある。(和田委員)
→今までの実績を基に走行距離を何パーセント減らせというほうがメッセージは明確。複雑な設計より、問題を踏まえつつも簡単な設計の方が修正が効く。(和泉澤委員)
JC08にはいつ頃切り替わりそうか。(環境省)
→JC08の英文が出ていないので準備できていない。輸入車組合としては最速でも2009年。輸入車は遅くなることをご理解いただきたい。(和田委員)
→国産車は、モデルチェンジのときなど随時切り替えていく。(浅川委員)
JC08とインターナショナルスタンダードは整合的か、ばらばらか。(和泉澤委員)
→国ごとの統一は取れていない。統一は難しい。あるとしても2015年以降。(大聖座長)
3.その他
- 次回は9月25日に開催。
以上