平成23年度環境配慮契約法基本方針検討会 ESCOワーキンググループ(第1回) 議事録

日時

平成23年10月7日(金) 14:00~16:00

場所

中央合同庁舎第5号館22階 環境省第1会議室


事務局: (開会の挨拶)本日はお忙しいところ、ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、これより平成23年度「第1回環境配慮契約法基本方針検討会ESCOワーキンググループ」を開催いたします。会議に先立ちまして、環境省総合環境政策局環境経済課正田課長よりご挨拶申し上げます。

環境省(正田環境経済課長): ただいまご紹介いただきました環境省環境経済課の正田でございます。本日は大変お忙しい中、第1回環境配慮契約法基本方針検討会ESCOワーキンググループにご出席いただきありがとうございます。平成19年に施行されました「国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律」を環境配慮契約法と称しておりますが、国や地方公共団体等の公共機関が契約を結ぶ場合に、競争性を確保しつつ、価格に加え環境性能を含めて評価し、契約相手とすることの仕組みを制度的に構築したもので、国等による環境負荷の削減と環境負荷の少ない持続可能な社会の構築をねらいとしております。本ワーキングでは省エネルギー改修事業、ESCO事業と称しておりますが、この契約に関する基本的事項について、国土交通省の「官庁施設におけるESCO事業導入・実施マニュアル」及び省エネルギーセンターの「ESCO導入のてびき」で算定されております平均点を基にして、平成19年度に解説資料を作成しているところであります。そういった中で今年の5月に国土交通省におかれまして、設備更新型ESCO事業につきましての内容を充実させるということで改定を行っておられます。従いまして私どものESCO事業の契約に係わる解説書につきまして、改定内容をどのように反映させていくかということ等をグループでご審議を賜りたいと思っているところでございます。委員の先生方には幅広いご見識、ご指導を賜りますようお願いいたしまして、簡単ではございますが挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございます。

事務局: (委員紹介 省略)(ワーキンググループの公開等について 省略)それでは以降の議事進行につきましては坂本座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

坂本座長: みなさん、こんにちは。最初に議長の挨拶ということになっておりますので、座ったままで恐縮ですけれども簡単にご挨拶させていただきます。この環境配慮契約法ですが、今、課長からのご挨拶にございましたけれども、当初からESCOという分野がございまして、ESCOをどんどんやってCO2削減に貢献しなければならないという使命があるのです。しかし、残念ながら実際に国のいろいろな施設等でのESCOの実績は非常に少ないものでございまして、どうしたものかと思っていたところ、国土交通省の営繕でESCOのマニュアルを改定し、少しESCOをやり易くしました。設備更新型のESCOというものをESCOの一部にしたということでございまして、そういうことから環境配慮契約法のESCO関係もそれに準じていろいろな修正をして、もっともっとESCOを推進していこうということで、このワーキングというのが開かれているわけでございます。そういう観点からみなさんのご活発な意見を頂戴しまして、ESCOを少しでも盛り上げて、少しでも多く実施したいと考えております。どうぞみなさんご協力のほどをよろしくお願いいたします。それでは早速議事に入りたいところなのですが、議事に入る前に事務局から本日の議事予定、配布資料確認、および検討会の公開について、簡単な説明をお願いしたいと思います。

事務局: (議事予定、資料確認 省略)

坂本座長: ありがとうございます。それではここから議事に入らせていただきます。本日は議事次第にあるとおり大きく2つございまして、ひとつは「省エネルギー改修事業に係る契約に関する検討について」、2番目が「検討スケジュールについて」でございます。この2つの議題について議論していただく予定です。それではまず1番目の「省エネルギー改修事業に係る契約に関する検討について」、資料3および資料4を事務局よりご説明願います。なおご説明にあたっては初めての委員もいらっしゃいますので、必要に応じて、環境配慮契約法および基本方針の内容、特にESCO事業に関する箇所についてもご説明をお願いしたいと思います。ではよろしくお願いします。

事務局: (資料3、資料4説明 省略)

坂本座長: ありがとうございました。資料3の説明と資料4の説明でしたけれども、資料3においては本ワーキンググループの検討内容の概要をご説明いただきました。また併せて環境配慮契約法基本方針のうち、ESCO事業に関連する箇所を中心にご説明いただきました。それから資料4では、本年5月に国土交通省において改定された「官庁施設におけるESCO事業導入・実施マニュアル」の考え方に即して、基本方針解説資料の具体的な改定案が示されております。本日はESCO事業に係る解説資料の改定案について委員のみなさまのご意見をいただきたいと思いますが、議事の進め方としてまず質問があれば先に出していただきまして、その後ご意見をいただくことにしたいと思いますので、まずはご質問があればお願いいたします。

大森委員: 資料4の16ページですが、プロポーザル方式というところで「事業内容が確定していない」というフレーズなのですが、事業内容が確定していないという意味があまりよくわからないのですが、総合評価だと事業内容が確定しているけれどもプロポーザルだと事業内容は確定していないという意味でしょうか。だとすると意味がよくわからないのですが。

事務局: 舌足らずですみません。総合評価の場合は、仕様を示して最低限こういうことをやりたいということを示すというかたち。主としてプロポーザルの場合は、事業者の方に多くの技術提案をいただくかたちになるというふうに理解しております。もちろん総合評価も技術提案が多くなる場合がありますので、ここについては表現を検討させていただきたいと思います。

坂本座長: よろしいですか。他にご質問はございますか。

栗山委員: 3ページです。設備更新型ESCOが追加されたことは非常に嬉しいことなのですが、設備更新型の更新する設備の費用を入れてしまうと成り立たなくなると思うのですが、これの枠外でお支払いになると考えていいのでしょうか。

事務局: ESCO事業については設備更新とは切り離してということになります。

栗山委員: ESCO事業は、削減した光熱費のなかで事業費をまかなうというやり方なのですが、設備更新型の場合は光熱費が削減できませんから、事業費は別途お支払いになるということですね。

坂本座長: よろしいですか。

永野委員: 基本的な質問ですが、国等の施設でESCOの実績がなかなか上がっていないことなのですが、例えば国立大学病院とか地方公共団体ではけっこうESCOの実績があるのですが、分析をされたのであればその結果を教えていただけるとありがたいです。

事務局: 地方公共団体についての取りまとめは行っておりませんけれども、これは22年度ということで昨年度行われた実績でございますが、最近国立大学などの取り組みは徐々に広がってきているというふうには思います。国はなかなかESCOの対象になる施設が少なくなっていると言いますか、例えば入札案件にかけても手を挙げる事業者がいらっしゃらないケースもありまして、残念ながら上手く進んでいないということがあります。そもそもESCOの導入に適した施設がなくなってきているということだと思います。今まで国土交通省の方でグリーン庁舎などによる設備更新が行われることで、かなり効率が良くなってきているので、対象になる施設がなかなかないということもひとつの要因ではないかと思います。

永野委員: 入札はけっこうかけられているのですか。それなのにESCO事業者の方が応募していないのでしょうか。

事務局: 数が多いかというとそれほどでもないと思いますが、入札の案件もあります。しかし、実際に応札されないケースもあるということでございます。

永野委員: 対象の施設が少ないとおっしゃっていて、7ページの方で年間光熱水費5,000万円以上という基準を設けられているのですが、より一層少なくなるということはないのでしょうか。

事務局: 1ページでございますけれども、政府の実行計画、平成19年3月末に閣議決定したものでございますが、既存の建築物についてESCO事業導入のフィージビリティ・スタディを実施し、可能な限り幅広く導入する、ということが決まってございます。今回参考2に書かれてございますが、実際のフィージビリティ・スタディは、22年度で言いますと結果的に独立行政法人等で1件ということです。21年度の実績は4件で、そのうち導入可能性があるというふうに判断されたケースが2件ということで、これらについては今後導入可能性ということで検討される状態にありますので、今後実際にESCO事業に向かわれる可能性もあるということになろうかと思います。

永野委員: 今回こうして改定されることによって、どれくらいの案件が出てくるのか、想定されているのか、それともされていないのか。想定されていれば何件くらいありそうだとか教えて下さい。

事務局: 想定はしていないというのが実態です。設備更新費を国が支払うことによって、よりフィージビリティが立ちやすいだろうという程度の認識です。

栗山委員: 9ページですが、ESCO部のところで「10年以内で投資回収できるすべての技術」と書いてありますけれども、ESCO事業の場合は複数の技術を導入いたしますが、最もいいものが数年で回収する技術、10年以内ですね。最も悪いものは10何年かかる。ただし組み合わせると10年以内で収まるということが多いですね。ですから、これは単独なのか組み合わせなのかということがひとつです。それからもうひとつは、プロポーザル方式を国がやるという可能性があるとおっしゃいましたが、ないですね。

事務局: ないです。地方公共団体はプロポーザル方式もあります。10年というのは法律によって従前の5年から10年へ長く出来たということで、これは組み合わせで10年以内に回収できるということが含まれます。

栗山委員: それを記載していただいた方がいいと思います。

事務局: 事業期間を10年取れば10年で回収できる。おっしゃるように5年でやると5年で回収できるというという話になると思いますけれども、短くすれば短くするほど大型の改修ができにくくなると思いますので、長くなっているというふうにご理解いただければと思います。

坂本座長: わかるようにカッコして、組み合わせ技術も含むとか、そのように書くということですよね。少し説明をつけた方がいいと思います。他にございませんか。

大森委員: 資料4の33ページ、[8]構成員に関することの2行目ですけれども、「それぞれのJV内では連帯責任を負う」。JV内では連帯責任を負うということは、発注者との関係では負わないという意味なのですか。それとも発注者との関係でも負うという意味なのですか。

事務局: 出典になっている国土交通省に確認をいたします。

永野委員: 今のところですが、設計役割と工事役割と維持管理役割間で連帯責任を負わないということは、ESCOは普通3つセットで責任を取るものなのですけれども、工事を実施後で維持管理をしている最中に維持管理会社が倒産してしまった場合に、設計した会社も工事を行った会社も責任を取らなくていいということであれば、維持管理会社がおかしくなってしまった時に国との関係が終了してしまう、国が責任を取るということなのでしょうか。確認しておいて下さい。

坂本座長: 他にございますか。

倉田委員: 38ページの監視職員等のところで、監視職員と検査職員と二人出てきているような感じがあるのですが、これは工事中が監視で、工事終了後の維持管理、計測、検証入ったところから検査職員の方が検査なりしなければならない、そういう想定でよろしいですか。

事務局: 事業の実施状況について検査を行うというような位置付けになります。

倉田委員: 実施状況というのは工事中の監視も含むという意味ですか。

事務局: 実施状況の監視は監視職員です。

倉田委員: そういう意味ですね。

坂本座長: 質問としては、以上でよろしいでしょうか。

永野委員: 前回委員をやらせていただいてから随分経っているのですが、7ページの長期供用計画というくだりですが、確かあの時の記憶では、基本的にはESCOを検討しなければいけないが、検討することができないいろいろな理由があれば検討しなくてもいいとなっていたと思います。その最たるものが、長期供用計画が立てにくい。省庁再編などでこの施設を10年間使うのかどうかわからないので、そういうところは検討しなくてもいいですという話で、そうするとほとんどの施設が対象外になってしまうのではないかという指摘がありましたが解決しないまま終わった記憶があります。その点は今までの間に実際にESCOの発注が少なかった理由のひとつではないかと思っているのですが、いかがですか。

事務局: 長期供用計画自体は、例えばいくつか建物があった場合にはそれがちゃんと使用されているのかどうか、統廃合というのは当然起こるというふうに考えられるのでそこを見越した上で、もちろん法律上で10年間事業契約ができるということになったということでございますので、それについて将来を見越したかたちでESCOをやって下さいということになったということでございます。その結果として事業が減ったかというと、情報があるわけではないので正確なお答えができないのですが、長期供用計画を立てることが原因で何もやらなかったということはないと思います。

坂本座長: 多少すでにご意見も入ってきているかと思いますけれども、改めて自由にご意見ということで、もう少し内容の突っ込んだところとか、あるいはこのマニュアルの内容で十分か、不足しているところはないか、そういうところも含めてご自由にご発言願いたいと思います。

大森委員: 33ページに関連し、先ほどの質問に関連することなのですが、構成員に関することのところで、いわゆる連帯責任を負う、負わないの話なのですが、連帯責任を負わないという方式はどういう結末を迎えるか。先ほどの倒産時というのは下に特別の対応を定めようというふうに書いているので、それは置いておくとして。健全だった時に瑕疵が生じたら誰が責任を負うか。連帯責任の場合は、発注者が設計役割、工事役割、維持管理役割を特定せずに瑕疵であることを立証できれば責任追及できます。しかし、連帯責任を負わないということになると、発注者がそれぞれの役割の行為によって生じた瑕疵であるという原因まで特定しないといけないことが多くなる。そうすると、もし立証に失敗すると誰にも責任を負わせることができないことが多くなるのが結末です。コンソーシアムというのは基本的にそういう方式です。それを避けようとすると、瑕疵さえあれば誰が原因者であろうが責任はあるというのが連帯責任ということになります。そういうリスクを負った方式であるということを前提に考えた方がいいと思っています。それからもう一点、35ページから36ページにかけてですが、特に36ページの性能に関するリスクに関して、例えば既存部分がすべて健全であることが前提になっているリスク表のような気がするのですが、要するに、既存部の健全性を発注者は保証するという前提でいいのですか。そこを抜きにすると、実はこの性能に関するリスクというのはすごい争いの元になってくる。何でもかんでも受注者という訳にはいかないと思うのです。特に既存部に関することというのは、事業者がどこまで調査できるのかわからないので、その辺も少し考えていただいた方がいいかという気がします。

坂本座長: 今すぐ何か回答というわけにはいかないですね。では次にいってよろしいですか。次のご意見をどうぞ。

栗山委員: 大森先生の一つ目のご意見に関わるのですが、国の場合は事業役割という役割を設定されていないんですね。自治体の場合は事業役割という役割が設定されていて、そこが発注者との間で全部契約しているかたちになっていて、事業役割、設計役割、建築役割、その他役割でその中で連帯責任を持つというかたちにされているので、この中で事業役割という責任を持つ主体がないというのはちょっと不思議です。総合落札方式だからそういうふうになっているのか、ちょっとよくわかりませんが参考までに申し上げました。私の要望は2つありまして、まず一つ目は8ページでございます。総合評価落札制度の場合には、プロポーザルでない方式の場合には、フィージビリティ・スタディ。プロポーザル方式、自治体の場合にはプロポーザル方式がほとんどなのですが、フィージビリティ・スタディをやられているところが大半です。ただし、そのフィージビリティ・スタディは大半が信頼性のおけないところです。ですからESCO事業者が一からやっている。フィージビリティ・スタディを無視してやっている。ところが国の場合は、このフィージビリティ・スタディですべての枠組みが決まってしまいますので、フィージビリティ・スタディがすごく大事なんです。ですから、ここをやる事業者がしっかりしていないとESCO事業が破綻してしまいます。そういう意味でここに書いてある内容プラス責任リスク、責任を負担させるような内容を記述していただきたい。この発注をして、ESCOの工事をして、結果的にフィージビリティ・スタディに沿ったような結果が出なかった場合にどうするのかというような責任を負わせない限りは、国の発注方式ですとフィージビリティ・スタディの調査結果で9割以上決まってしまいますから、その辺に責任を負わせていただきたいというのが要望です。それからもう一つ。10ページから11ページですが、フィージビリティ・スタディを行った業者がESCO事業に参画できるかどうかというのは、両方できるということが記載されていますが、これは今申しましたようにフィージビリティ・スタディは非常に重要でとことん入り込んで調査しないといけないですから、それでなおかつESCO事業に参加するというのは非常に不公平ですので、これは排除された方がいいというふうに私は思います。

坂本座長: 今の段階で何か回答はございますか。

事務局: フィージビリティ・スタディをやられた事業者がその後入札に参加できるかどうかというのは、実は3年前の議論でもかなりありまして、その際公平性が確保できる場合は参加可能ですという書き方で決着しました。今回の国土交通省の場合は基本的には不可となっております。3年前の議論では入れるべきか、入れないべきかという話がありまして、公平性が確保されていれば入れてもいいのではないかということでこういう決着になっております。

栗山委員: 事業者の責任については。

事務局: フィージビリティ・スタディをやられる方には、8ページの下の方に書いているように、要件をすべて満たす方が適切でありますということにしております。そもそもフィージビリティ・スタディを行う事業者を選ぶ際に、発注側で考慮しますということで記述しているということなのです。結果がだめかどうかはやってみないとわからないと思いますが、そのリスクについて書き込むというのは相談させていただきたいと思いますが、発注者側が事業者を適切に選ぶということで担保するようなかたちに今はなっているということでございます。

栗山委員: 自治体のフィージビリティ・スタディもそういうかたちでやっておられて、選ばれるわけですけれども、ほとんどが値段で決まってしまいます。ですから安かろう悪かろうで決まってしまい、結局ほとんど信頼できないものになってしまっていることが多いです。ですから国の場合にはそういうことは絶対に避けなければいけないので、少し自治体のフィージビリティ事業者の選定においても厳しめな基準を設けていただきたいというのが要望です。

坂本座長: ここのところは3年前に作った時に随分いろいろ議論がありました。フィージビリティ・スタディはいらないのではないかという話もありました。

栗山委員: あの時は自治体のことが頭にあったものですから。

永野委員: あの時は日建設計さんはそうおっしゃっていて、ESCO事業者の方は、そもそも総合評価落札方式ではESCOではない、プロポーザル方式がESCOだとおっしゃっていました。プロポーザル方式でなかったら、事業者としてはやっていられない。仕様が決まっていて、これをやって下さいと言われたら、民間の創意工夫をするとことがないのではないかと言って、随分そこで揉めました。ですが国の立場もいろいろあったので両方併記にしたのです。でも、総合評価落札方式の方でみなさん検討されて、上手く進まなくて、発注がかかってこないのではないかと私は今思っています。それを分析されたのかと思って先ほどお聞きしたのですが、されていなさそうなので、どうしたものかなと思いあぐねています。

坂本座長: 環境配慮契約法は環境省が担当ですが、ESCOを実際に発注するのは国土交通省だという部分で、どうも上手くいっていないのではないかと思います。ESCOというのは国の事業でして、国の既存の建築物に対して行う事業ですので、法律とかで縛られるところがいっぱいあります。そういうことを考えるとESCOというのは実施がなかなか難しい事業だと思います。今までのやり方とか法律を逸脱するような何かがない限り、ESCOがどんどん事業化されるということはないかもしれない。環境配慮契約法が促進剤になって出てくるというのはなかなかないと思うのです。そういう意味で環境省はつらい立場に置かれているという認識を、私は持っています。このあたりが一番大元なのでしょうが、なかなか難しいですね。前の話を蒸し返されても困ってしまうというところです。

栗山委員: 自治体がプロポーザル方式で取れて国が取れないというのは、自治体の場合は費目の変更が可能だからです。国の場合は費目の変更がまったくできないという法律があって、だからプロポーザル方式ができない。そうすると、本当に国のESCO事業を推進していくのであれば、その法律まで遡って、その法律をESCO事業の場合は適用しないとかいうことにしない限りはプロポーザル方式にならないですから、本当にやるのであればそこの法律をなくさないといけない。

永野委員: くどいようですが、国立大学法人はけっこうESCOがかかっているのですが、そこは全然違うのですか。

岡本委員: 初めて参加させていただいて、法体系、大変立派なものができているようでびっくりしたのですが、実効が上がっているかという点が一番関心のあるところでございます。実態をみると3ページのところで現状はわずかだということでございますね。アメリカの場合ESCO契約が年間約6000億円くらいで、そのうち7割くらいを公共関係が占めているということを見ると、我が国と大きく事情が違っているということを感じるわけでございます。法律の3条に努力義務と書いてあって、環境に配慮した契約の推進に努めなければならないというふうに書いてあるわけなのですが、例えばこういった時に努力目標を書くというようなことは法律的には難しいのでしょうか。年間どのくらいやるというようなことを明示するということは法律的に難しいのでございましょうか。そうでないとまた3年後集まって、やはりあまり進んでなかったというような話になるのではないでしょうか。今回特に設備更新型を入れたということで少し良い方向にはなるのでしょうけれども、何かESCOを具体的に前に進める方策というのをどういうふうにしたらいいのかということを考えておったのでございます。

事務局: 法律の3条では、国および独立行政法人の責務という定義がございまして、その中で環境に配慮した契約の推進に努めなければならないというところを見ていただいたのだと思います。この3条を受けて、5条で基本方針を作って、6条で契約の推進をさらにしていこうということになっておりまして推進をしているのですが、5類型あると最初にご説明をいたしました配慮契約法の中の電力というのが一番ポピュラーでして、電力調達につきましてはほぼ自由化範囲の発電については、環境配慮契約法を用いて契約をしていただいていますので、ESCOというところで縦割りでご覧になるとちょっと推進率が低いというのを参考資料2でご覧いただけたようですが、電力についてはそこそこ推進をし始めてきているということでございます。平成19年の11月、この法律の一番後ろです。152ページのところに附則というのがございまして、附則の2番、検討等というところで、政府はこの法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行の状況等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする、ということになっております。従ってこの法律につきましては、平成24年の11月をもって5年を迎えますので、来年度の親検討会におけます基本方針検討会の席では5年経過を受けて見直しの議論をさせていただく予定にしております。ですので、項目によって取り組みの状況にばらつきがあるということと、ご指摘いただいた目標みたいなものを法体系もしくは基本方針に組み込んでいくのかということも含めて、基本方針検討会の中でご指導いただきながら詰めていきたいと思っております。

坂本座長: よろしいですか。

倉田委員: 私は設備工事をやっている業界の人間なので、設備を更新されるのに加えて省エネルギー改修ということで工事ボリュームが増えますので、こういうやり方は当然大歓迎なのですが、先ほど栗山委員からも出ましたように、これをやるにあたってやはりフィージビリティ・スタディできちっとしたものが出ないといけない。ただそのフィージビリティ・スタディをやるにあたっても、技術が日進月歩で様々な省エネ技術が進んでいますので、フィージビリティ・スタディを1回やって終わりではなく、ある程度の期間を持って定期的にやられると、新しい省エネ技術を盛り込むことでESCOが成立する可能性があります。また、フィージビリティ・スタディで省エネ効果が多少少なく、ESCOが成立していない建物でも、各業者が設備更新部分での独自の省エネルギー技術を提案することでESCOが成立する可能性が出てきますので、フィージビリスタデイで可能性がない場合に全く出件させないのではなく、少し余裕を持ったかたちで出件させるということをお願いしたいと思っています。

坂本座長: 何かコメントございますか。

事務局: 坂本座長からも先ほどお話がありましたように、環境省としては若干運用面についてはつらい部分がございます。

坂本座長: 他に何か言い残したことはございますか。

栗山委員: 46ページ。一番下にボーナスが出るというのを設けていただいたのはESCO事業者としては大歓迎でございますけれども、ここに係数というのが入っていまして、これが例えば1を超える数値とするとあります。現実的には、1.1ならボーナスがないというのと一緒の扱いで、1.00001くらいでないと具合が悪いということで、1を超える数値というのはなしにして、1にしていただけないでしょうか。余分なものが出たら、発注者とESCO事業者で半分にしましょうということになりますから、1でも十分ではないでしょうか。

事務局: ここにつきましては、他の事業等々の関連もございます。これは個別に契約者間で協議する必要があると思います。それはケースバイケースで、いくつというのは発注者と事業者と話し合いによって決まるものであると思いますので、1なのか1.5なのかというのは決めかねるということです。

栗山委員: 1割出たらいいところなので、1.1掛けられたらもう終わりですよね。

事務局: 1を超える数値ということです。

栗山委員: 1.1で終わりですから。ボーナスはないというのと一緒ですから。

坂本座長: 削減額が沢山あればいいのでは。

事務局: 削減額から契約書に定める削減補償額に係数を掛けた値を引き算して、それを割った1/2ということ。

栗山委員: 削減額が1割大きくて、保証額に1.1掛けられてしまうとゼロになる。

坂本座長: 係数が1以上の場合というのはどういうケースがあるのだろうか。削減保証額に対して何か係数をかけなくてはならないのは、どういう場合を想定してこの係数が設定されているのか。1でなくて1以上の想定される場合というのは、どういう場合なのか。

事務局: 1の場合は単純に。

坂本座長: 単純ですよね。それが1.2とかいうケースというのは、どういうケースにその1.2を使うのでしょうか。

事務局: お手元にマニュアルをお持ちすればよかったのですが、削減額についてはグラフがあります。

坂本座長: グラフはわかるけれども、例えば初めの削減保証額が低すぎると、後で低すぎることがわかったとか、そういう場合にはこの係数を1.いくつかにしていいわけですよね。そういうことを想定してこういう係数が設けられていると考えられるのかなと思ったのですが。そこはよくわからない。契約の時に決めるのですか、この係数は。そこは1.1なんかに想定されたら契約しないということになるのではないですか。

永野委員: そこよりもっと根底のところで問題があるので、そこまでいかないと思います。

大森委員: 1点だけ。先ほどのフィージビリティ・スタディの責任の話が出たのですが、私はあまり詳しくないのですが、与条件整理の業務のようですけれども、一般的には責任が書いていなくてもこれは準委任契約だろうという気がするのですね。準委任契約だと、スタディの結果だけではなくて、そこへ導く過程の合理性が担保できていないと債務不履行責任を負います。従って、例えば制約となる条件を間違えた、もう少し注意すれば見えたのにミスして入れなかったというようなことになれば、その後出てくる事業に伴って発注者がもし損害を被れば損害賠償の対象になるのは当然だと思います。むしろこれは瑕疵担保にはなじまないし結果保証ではないと思います。結果保証ではないけれども、その時点で合理的な想定のもとで導かれたものかどうかが問題になります。だからその過程において問題があれば、全部損害賠償の対象になると思われます。

栗山委員: ある手法があって、例えば光熱費がこれだけ削減できて、通常で工事費を算出すれば10年以内で償却できるという手法があった場合に、フィージビリティ・スタディをやられる方が間違えて工事費を高くみてしまったとしたら、ESCO事業から外れてしまいます。その事業自体がなくなってしまうという、そういう事態も考えられるのです。

大森委員: それにともなって発注者が何らかの損害が出れば損害賠償です。でもただ単に事業を止めたというだけで損害がなければそれだけのことです。

坂本座長: 当然そういう法解釈になるということですね。そうであればそれを前提にこういうマニュアルを作ってもよろしいのではないかと思います。あと何か言い残したことはございますか。だんだん時間が迫ってきたのですが、ワーキングをもう1回開くかどうかというところが1番ポイントなのですが、昔に戻るような議論も出ましたけれども、みなさんの感触としていかがでしょうか。最初の大森先生の質問は、少し官庁営繕部に聞いてみてご回答するとします。あるいは文言の修正等があるのかもしれませんが。それから栗山さんが33ページに関連して事業役割ということをおっしゃっていましたね。地方公共団体では事業役割という担当があると述べていました。そのあたりも含めて営繕に質して、この文言を修正する必要があるのかどうか。もしあれば修正するということでよろしいのではないかと思いますけれども。どうでしょうか。資料4をもう一度見直し、整備して、もう一度ワーキングを開いてこの場で確認する必要があるかどうかということについて、みなさま方のご判断、ご意見はいかがでしょうか。

大森委員: 私は坂本先生と事務局に一任します。

坂本座長: いかがですか。修正されて私が確認するということでお許し願えますでしょうか。

列席委員: 異議なし

坂本座長: そうであれば、ワーキングは今日でお終いということにしたいと思います。どうもありがとうございました。委員のみなさまから出されました解説資料の改定案に関するご意見を伺いましたので、それを踏まえて事務局において第2回環境配慮契約法基本方針検討会に報告する内容ですね、解説資料改定案等の取りまとめを行っていただくこととします。第2回検討会まではまだ時間がありますので、取りまとめの内容については各委員にご確認いただき修正は可能ですが、最終的な検討会への報告内容については座長にご一任いただいております。どうもありがとうございました。それでは次の議題に移りたいと思います。検討スケジュール、資料5を事務局から説明していただきます。

事務局: (資料5説明 省略)

坂本座長: ただ今のスケジュールのご説明について何かご質問、ご意見ございますか。よろしいですか。ちょっと確認したいのですが、永野委員から国立大学法人では随分ESCOの事例があるということをおっしゃっていて、東大でもESCO的なことをやっていますし、京大などでは随分やっているという事です。名古屋大もそうですけれども、いろいろな大学から随分ESCOのような事業の実施について伺っているのですが、この法律は国および独立行政法人等、「等」ですね、「等」の読み方として国立大学法人が何故入らないのかと思ったのですが。
 事務局:入っております。冊子の155ページ、特殊法人、例えば日本私立学校振興・共済事業団から日本年金機構までありまして、その下に上記の他国立大学法人について対象になっていますということで入っております。今回22年度の4件のうちのいくつかは国立大学法人が発注者になっております。

坂本座長: そうですか。では大学も入って4件ということですか。

事務局: 22年度に事業を開始したのが、というケースです。

坂本座長: わかりました。ありがとうございます。

永野委員: 名古屋大学でESCOをやらせていただいて、医学部で年間7,000tのCO2削減実績を出しています。7,000tですよ。他の国の施設もぜひESCOをかけていただきたいです。民間であれば、これだけ実績が上がっていなかったら、なぜ上がらないのか分析するのが普通だと思うのですが。ぜひ分析していただいて、5年後に見直しと書いてありますが、5年を待たずに検討いただければと思います。

坂本座長: そうですね。分析は環境省の仕事だと思いますので。これは件数しか出ていませんけれども、電気の供給などについてもCO2のトン数で表したらどうなのかと思います。どこの案件が削減量が多いかとか、そういうことも必要かなと思います。よろしくお願いしたいと思います。

事務局: 削減効果につきましては来年の一月に試算結果をご報告したいと思っております。

坂本座長: そうですか。ではよろしくお願いいたします。それでは他にご発言はございますか。なければ予定の時間もほぼきましたので、今日の議論についてはこれで終了させていただきます。本年度の環境配慮契約法基本方針検討会ESCOワーキンググループについてはこれで終了させていただきます。委員のみなさまにはご協力ありがとうございました。

以上

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