環境配慮契約法基本方針検討会 ESCOワーキンググループ(第3回) 議事録

出席委員:
古賀委員、坂本委員(座長)、杉原委員、筒見委員、永野委員、本城委員、前川委員、松縄委員(代理)、村越委員
欠席委員:
大森委員

日時

平成19年10月2日(火) 10時00分~12時10分

場所

環境省第1会議室

1.開会

環境省(笠井課長):委員のみなさまにはご多忙にもかかわらず朝早くからお集まりいただき、ありがとうございます。お手元の資料1が基本的事項ということでESCO関係が閣議決定される予定の文章です。解説資料ということで資料2を用意しております。それと参考1で前回の議事録。資料2の3ページ、図が間違えておりましたので、その修正を加えております。メンバーは変わっておりません。それでは以降、坂本座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

2.議事

(1)省エネルギー改修事業に係る契約に関する基本的事項(案)について

坂本座長:おはようございます。今日が最後のワーキングの予定でございますので、ご審議のほどよろしくお願いしたいと思います。早速ですが議事次第に基づきまして、議題の1番目「省エネルギー改修事業に係る契約に関する基本的事項(案)」について事務局からご説明をお願いします。

環境省(原田補佐):(資料1説明 略)

坂本座長:ありがとうございます。今のご説明について何かご質問、ご意見ございましたらお願いいたします。

前川委員:ぜひお願いしたいと思っているのは、法律でもそうなのですが、この基本方針にも国が積極的にESCOサービスを調達するような努力をしなければならないとか、ESCOの普及に努めなければならないというのが読み取れる部分がなくて、いずれも、もしESCOをやるんだったらこうしなさいということしか書いてないような気がします。環境配慮契約法の趣旨から言うと、基本的事項に「国は積極的にESCO事業の導入を図るべし」という方針を一行書くべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

環境省(原田補佐):次の資料2の2ページに書いてございますが、簡易診断を行って積極的にフィージビリティ・スタディを実施して可能な限り幅広く導入していこうというのは既に閣議決定されている事項で、これを書こうと思ったのですが、書いてしまうと逆にフィージビリティ・スタディをすることが必要なのではないかという印象を与えるのではないかということで文言を落としています。どういう記載をするべきか悩ましいのですが。書くのであれば、閣議決定をした内容自体を書くのがよいのではないかと思っております。今のところ落としていますが、みなさま方の意見で記載をした方がいいというのであれば検討して入れたいと思いますがいかがでしょうか。

坂本座長:このことに対して応援演説あるいは反対意見がございましたらお願いします。

古賀委員:月並みでございますが、中身の資料の中にその趣旨、表現の問題はあるのかもしれませんが、ぜひお加えいただきたいなと思います。

坂本座長:他いかがですか。

永野委員:同意見でぜひ入れていただきたいと思います。

村越委員:すみません。前2回出ることができませんでした。ESCO推進協議会の村越と申します。私も前川さんの意見に同意見でございまして、せっかく閣議決定されていることと、それから他のさまざまな国の計画の中でもESCO導入というのは謳われているものがいくつかございますので、ぜひ最初の方に入れておいていただければと思います。

筒見委員:前回も申しましたけれども、ESCO事業というのは、ここで書いていただいておりますけれども、協議会もできていろいろやってはいるのですがなかなかまだまだ産業というレベルにまでに育っておりませんし、なかなか強力なESCO事業者というのが独立的に何社もいて競争関係があるわけでもない状況なので、今回のことを契機に市場というか優良業者を育てていただくという視点をぜひ持っていただきたいなと思います。そういった観点からも、ぜひ積極的に進めるということを基本方針の中に書いていただければ大変ありがたいと思っております。

前川委員:今事務局の方から説明がありました点で確認です。ESCOの簡易診断というのが平成19年3月30日に閣議決定されているのは我々も把握していることなのですが、簡易診断を普及促進させるということを我々はお願いしているわけではなくて、ESCO事業の推進そのものを応援してくれるような事業の調達を国として努力していただきたいということでございます。簡易診断というのはあくまでもESCOに適する建物がどれなのかということを確認するためのものであって、事業の調達とは基本的に違うという趣旨で、今我々がお話した基本的事項の中にESCOの積極的な導入と書いていただきたいと思いますので、そこはよろしくお願いしたいと思いますがいかがでしょう。

環境省(笠井課長):事実関係を説明しますと、資料2の2ページのところで引用しています政府の実行計画の中に「ESCO事業導入のフィージビリティ・スタディを実施し、可能な限り幅広く導入する」とあります。本体については可能な限り幅広く導入するというのは3月30日時点の閣議決定となっています。同日開かれた幹事会で、このフィージビリティ・スタディに関係して簡易ESCO診断を3,000m2以上の建物では各省やっていこうということを各省の局長レベルに申し合わせているという状況です。何を言いたいのかというと、3月30日時点でこれが政府全体の共通の認識になっておりますので、こういうラインになるのかなということです。

前川委員:ありがとうございました。ぜひお願いいたします。

坂本座長:まだ経済産業省の三木課長がみえてないのですが、立場上やはりESCO推進でしょうね。ちょっと資料1で気になるのですが、タイトルが「省エネルギー改修事業に係る契約に関する基本的事項」になっていますよね。「省エネルギー改修事業の契約の推進に関する基本事項」とか、そういう感じだったら読み取れるけれども。でもその前の大きなタイトルが「削減に配慮した契約の推進に関する基本方針」ですよね。一番大きなタイトルとESCOに係るサブタイトルが、推進という字が抜けているしちょっと違うのではないかなという気がします。ここのサブタイトル的なものは何か決められているのですか。

環境省(原田補佐):全体で調整をして、他にもワーキングが動いていますのでそちらと合わせて、今のご指摘を踏まえて調整したいと思います。それから先ほどのご意見の部分は、閣議決定をされた内容をもとに文を考えましたものです。

村越委員:今の坂本委員長の発言に関連するのだとすると、たぶん契約ではなくて調達という言葉をどこかに入れて、調達と契約ということになると思います。調達の手法があって、その結果としての契約と考える。言葉の定義がどうなのかというのはよくわからないので申し訳ないのですが、もし「契約」の中に調達の制度、スキームそのものが入っているのであれば「契約」でかまわないでしょうけれども、そうでなければ前回2回は調達のスキームそのものの議論というのがずい分あったように思いますので、「調達」という言葉をどこかに反映していただければというのがひとつです。
それから2つ目ですが、この基本方針の中には触れられていなくて、私今まで2回出てこなくて急にこんなことを申し上げるのは僭越で申し訳ないとは思うのですが、今までの議論の議事録を見させていただいて、ESCO事業を純粋な形で、純粋と言いますか合理的に入れていこうという形とそれから現状の調達スキームというのはやはり大きなところと小さなところと多少の齟齬があったりするわけです。それについては今後何らかの形で修正するなり、検討するというような方向性をどこかで謳っていただけないでしょうか。つまりESCO事業に限らず省エネを最大限導入するような調達のスキームについては今後さらに検討を進めるというような文言を一か条入れていただけると、今後の省エネ推進には非常に役立つのではないかと思っておりますのでぜひよろしくお願いしたいと思います。

環境省(原田補佐):まず「調達」という言葉を入れるかどうかというのは、これもここだけの話ではなくて4つの分科会全般に共通することです。すべてのことについて見直しを行っていく必要性がありますので、その辺も含めて検討していく必要性があると思います。残念ながら国のESCO事業というのは実施例が1つしかなく、どういう形が国にフィットしているのか、どういった形でやっていくかというのがまだまだわからない段階だと思います。ですから本日ご議論していただいた内容の中でも宿題としなければいけない部分もあると思います。そういう内容も踏まえて今後検討して修正していく必要性があるのは間違いないことだと思いますし、おそらく他のワーキングも含むすべての契約を実施した結果を踏まえて必要な修正を行って、推進力を高めていく必要性があると思いますので、全体の中で適切にフォローアップをして必要な推進を行っていく旨の記載をさせていただければと思います。

村越委員:ありがとうございます。ぜひお願いしたいと思います。世界の中で中央官庁にESCOが入っている国はそう多くはありません。アメリカ、カナダ、オーストリア等々が代表的なところですが、そこの事情を調べていきますと基本的には調達方法を大幅に改良しています。アジアの諸国はほとんど中央官庁に入っていない。これはやはり聞きますと、単年度会計であるとか調達方法であるとか、日本で言いますと会計法、財政法というようなものに非常に近いものが各国ございまして、それがなかなかESCOの合理的な導入と結びつかないというところがあって入っていかないという事情がございます。アメリカの場合には、クリントンの行政命令の13123というのが出まして、この中でDOEに対してESCO事業を推進させるためには連邦調達規制に抵触してもかまわないので新しい調達方法をDOEは考えるべきであるという、日本でいうと閣議決定に近いようなものが出て、それを皮切りに様々な制度改革というものが長年かけて行われたという経緯がございます。もしここの閣議決定に一行でもかまわないのですが前進させるようなことが入りますと、これからの活動に非常に大きなはずみがつくのではないかというふうに思いますのでぜひお願いしたいと思います。

本城委員:タイトルですが、「省エネルギー改修事業に係る契約に関する基本的事項」というのは、これは法律の中で基本方針の中でこういうタイトルになっているので直しようがないと思うんですよね。つまり政府の閣議決定をしてやっていく時のタイトルはもう決まっているのでそこはいじれないと思うのですが。

村越委員:質問ですが、これはサブタイトルの方も決まっているのでしょうか。

本城委員:第5条の第1項第3号でタイトルが決まってしまっているのでこれは変えられません。

坂本座長:法律を変えない限り変えられないわけですね。ちょっと私としては狭い範囲になってしまったサブタイトルだなと思ってしまったのでそういう話をしたのですが、それは形式的な問題だと考えれば。今のみなさんのご意見でぜひESCOの推進的な内容をもった事項を入れるべきだということを承りましたので、これは事務局側と検討して最終的な案にぜひその内容を入れたいと考えております。資料1に関わる議題についてはこんなところでよろしゅうございますか。

環境省(笠井課長):村越委員からご指摘があった、現在の会計法調達制度の中でどれだけのことができるかというのがあって、会計法だけではいけないのでということで環境配慮契約法というのができたわけですが、本当に法制度にまで関わることになると変えられないところもあるわけでして、ただその中でどういうことがESCOの推進のためにいいかということを今議論してきて、残る課題があればその課題については検討するのでしょうが、いきなり法律を変えなければいけないというようなところまでいくかどうかというのはなかなか難しいところです。おそらくそういうところまでは閣議決定に書くというのは難しいと思います。なので、今の仕組みの中で最大限できる方式を考えるということで資料2を用意させていただいたので、これで残る課題があるのであればその辺は資料2の中で検討課題として入れる、または委員会の意見として出していただくということではないかと思います。

(2)省エネルギー改修事業に係る契約の解説資料(案) について

坂本座長:ではよろしいでしょうか。次に資料2の議論にまいりたいと思います。省エネルギー改修事業に係る契約に関する解説資料(案)について事務局からご説明をお願いいたします。

環境省(原田補佐):(資料2説明 略)

坂本座長:ありがとうございました。時間も十分ございますので、資料2は1章ごとに分けてご意見を伺うということにしましょうか。それでは1章の「背景と意義」というところで何かご意見、コメントございましたらお願いします。

杉原委員:1章の5ページにギャランティード・セイビングスとシェアード・セイビングスという書かれ方がされております。ESCOが入りそうなので幅は広くなったかなと思っておりますけれども、一般的な世の中でやっておりますギャランティード・セイビングというのは丸々国が全額一気に準備しますよ、あとはサービス料で数年間の契約料でやりますよというパターンになっているのですが、この3ページを見ていけばある意味返済分というのがゼロで、そういう考え方のギャランティード・セイビングというのは頭の中にありませんか。

環境省(原田補佐):ギャランティード・セイビングをどう考えるだと思いますが、事前に満額をお支払いするということはたぶん有り得ないと思いますので、100%ギャランティード・セイビングにはならないと思います。逆に言えば、全くないかというとそれも何とも言えないのですが、一般的な工事などの感覚でいけば、シェアード・セイビングに必要な前払い金が発生をするとかそういう形になるのではないかという気がしますが、いかんせん先ほどお話をしたとおり、どういう形の予算の種類を使うかについての個別の事業の判断になります。ミックスされた形に近いものになる可能性がありますので、そこは必要であれば記載をしたいと思いますが。

杉原委員:自治体ではけっこうギャランティード・セイビングをお使いになって単年度で処理をされるというケースが多いものですから。もちろんないよりあった方がいいですし、一般的な国の施設も受け入れやすいような気がしますけれども。もうひとつ。3ページに更新改修費というのが載っていまして、これは右と左は同額ですよとおっしゃられましたが、一般的にESCOで改修をしていく時にはより高効率な機器をできるだけ入れようと、そうするとCO2削減、省エネ額も増えますねということになりまして、ひょっとすると右の方の更新改修費が大きくなるし省エネも大きくなるという方向になると思うのですが。

環境省(原田補佐):この図はどちらの視点で見ていくかということになるのですが、これは役所の視点として見ていくので。役所の視点で見ると予定価格というのがありますのでそれは変わらない。事業者の中で配分を見直して高効率の機器に変えて、それで削減量を大きく出して事業性を出すのは当然で、逆に言うとそこにESCO事業のノウハウがあると思いますので、実施の段階ではそういう運営をされると思いますが、あくまでここで考えているのは発注者側の判断として考えた時に当初想定した設備更新で更新をすると決めた費用です。

杉原委員:そうすると例を出しますと、例えば、来年熱源更新に1億準備しましたよといった時が左の図ですよね。施工工事を入れると1億2千万かかります。ですから1億分はここの更新改修費としておいて、2千万プラスその他省エネの部分についてはシェアードに持っていくという、そんなイメージになるのですかね。

村越委員:私はこの右と左の金額の大小はあまり意味がないと思っていまして、左側の実際の工事であっても高効率のものを入れるというのは基本的な考え方であろうと思います。従来型であっても最高のものを入れるということはよく行われることであろうと私は思います。従ってESCOだから高効率のものを入れるということではなくて、役所であれば基本的には高効率のものを入れていくということだろうと思いますので。それで提案なのですが、これは右と左に書いているので高さが同じように見えないといけないとかちょっと違うとかそういうことで議論が出てくるようであれば上下にすると。ちょっと書き方が難しいのですが。実はESCO事業をやると提案者が違ったり、様々なことが起こってきて、工事費も変われば削減額も変わるということなんですね。では国が単独でやったものが全てESCO事業より悪いかというと、ものによってはそうでないことも起こり得るということもございますので、誤解を生じないように、大きさというものはあまり重視していない、ただ構造が変わりますということを言いたいための図だとすれば、むしろ上下にすれば。いろいろな考え方ができる余裕を残してしまうかもしれませんが、誤解を生じないのではなかろうかと。構造を説明しているというふうに考えた方がわかりやすいのではないかと思います。

杉原委員:そうすると、設備改修費と書いている部分がありますけれどもここは宣言してしまうというのはどうですか。これは1億以内としますというやり方にすれば、あとはESCO業者が勝手にもっと高効率のものをもってこようがどうしようがもうこれは予算取れているわけですからね。

環境省(原田補佐):これは国土交通省に聞いた方がいいのかもしれませんが、設備機器の最低限の性能というのは絶対記載します。おそらく概ねの事業総額の予定価格も役所が算定をすると思いますが、事業全体の上限額というのは何らかの形でわかるように伝達されると思います。

国土交通省(関本補佐):(事業規模は)標準案を示すことでお知らせすることになると思います。

環境省(原田補佐):予定価格を示すわけにはいきませんのでそこは工夫が必要ですが、ある程度事業規模ということがわかりますし、ここで想定されている機器というのは必要なスペックが与えられて、わかる形で発注をされると考えています。

永野委員:質問ですが、当初予定していた熱源の方式がESCOの提案で全く違う熱源方式で入れるものが変わってしまう、金額も変わってしまう、その場合はこの扱いはどうなるのでしょうか。

環境省(原田補佐):そういうケースの場合は最初に質疑を出していただく必要性があると思います。事業提案を求める際に仕様等を説明しますので、その時点で質疑を出していただく必要性があるのではないかと思います。役所が考えている範囲を超えて提案した場合に、更新をするという意思決定のそもそものベースモデルに誤りがあれば何らかの修正をする必要性があろうかと思いますが、そうでない場合は基本的に設定をした内容から変えないと思われます。

村越委員:今の発言は1章ではなくて2章とか3章の後ろの方でもう少し具体的な話が出てくると思うのですが、私は今事務局の発言が正しいとは思いますけれども、そのような、先に見込んだものがやはり少しおかしいよという話が更新される時の手続が問題になると思うんですね。それが現実的に上手くすぐに変わっていくような、きちっとした手続きが簡易に行われるということをどう確保するかというところが実は一番大変で、普通ですとなかなかそういうことはやっていただけなくて、最初公募が出てしまいますとその通りに概ねいくというのが通常ですから、そこは今の制度では、本当はできるんだけれども、実は現実的には難しいという領域になっているのではないかと思いますけれどもいかがでしょうか。

坂本座長:ここは「背景と意義」という章でございますので、あまり細かい議論はない方がいいですよね。

松縄委員(代理):ひとつだけ確認させていただきます。重要だと思いますので。3ページの図ではちょっとわかりづらかったのですが、11ページにございまして。先ほど杉原委員からご質問もあったかと思うのですが、11ページの右側の上で飛び出している部分が予定されている更新改修費ですね。これはお役所が予め工事費として予定していますよと。その部分で返済分とESCO事業者の経費という部分がありますが、ここがシェアードのESCOでやりますよということで、ですから飛び出している部分以外のところのシェアの部分でESCO事業は成り立つというふうに考えてよろしいのですか。プラスこの予定されている更新改修費はプラスとしてESCO事業とは別枠で抱き合わせで更新すると、そういう費用枠と考えてよろしいでしょうか。自治体でもこういうやり方をされている場合がありますので。更新改修費は別に予算取りしておいてプラスαとしてシェアードで、修理改修、高効率とかそういう部分をシェアでやる場合があります。こういうことがされるとすごくESCO事業が推進されるわけですね。非常に嬉しいと思っていまして、最初の前川さんのご意見に私はあまり諸手を挙げて賛成はしなかったのですが、というのは、今の枠組みでいくと国の施設でESCO事業の対象になる施設はそんなに多くないものですから。ところが11ページで今申し上げたような枠組みを作っていただきますと非常に施設が多くなると思いますので、ぜひお願いしたいなと思っているのですがいかがでしょうか。

環境省(原田補佐):まさにご指摘のとおりで、予定されている更新改修費をどういう予算費目とするかは財務省と調整する必要がありますが、基本的な考え方として、更新が必要だと判断をして指定をしたものについては既に維持管理をしていくために必要な経費の中に入っていますので、それと同額についてはそのまま積んだままでシェアード・セイビング型のESCOをして下さいというように、抱き合わせで発注してシェアード・セイビング型のESCOをすることについてもこの事業の範囲ですよという趣旨で書いてあります。まさに今言われた内容のとおりです。

古賀委員:この図のコンセプト自体は前回もお話したようにかなり進展した形で、シェアード型でも成立する件数がかなり増えるだろうなという期待は一応あります。先ほど背丈の問題はおいておこうよというお話はあったのでそれはここでこだわりませんが、背丈の高さがいくらであるのか。それからもうひとつは今日差し替え版で光熱水費の基本的なベースラインと呼んでいいのか、これは修正前は従来実払いしていた光熱水費だと。今回それが差し替え版になりまして、更新後の機械での光熱水費の想定値というふうに引き下げられているのですけれども、背丈とベースラインは誰がどういう手続においてこの数値を判定されるのか。フィージビリティをやられる会社なのか、それとも熱源更新の計画をされる国土交通省なのか。それからこの数字に関しても、もし入札ないしはプロポーザルの公募が出る時にESCO事業者には開示される前提でお考えなのか。ちょっとここがわからないと提案をするベースがわからないので混乱を招くのではないかと思いますのでご質問をさせていただきたいのですが。

環境省(原田補佐):更新に伴っておそらく元々使っていたものよりは多少性能は上がりますのでその部分は算出して、上限の設定ですが、光熱水費の中から一定量差し引かなければいけないのは間違いないと思います。その最終的な意思決定は発注者が行う必要性があると思っていますので、発注者に所定の算定能力がなければフィージビリティ・スタディを実施する会社がやるのではないかと思います。当然ここの費用の見込み額というのは事業の根幹に関わる内容ですから、適切な情報開示がなされなければ、要は適切な費用が規定されなければそもそも事業提案の余地がありません。今の段階ではここの部分の費用を開示して下さいときちんと注意点として書いていないので、修正して記載を行いたいと思います。ベースになるところをきちんと提示をして下さいという旨だと思いますので、その旨は何らかの形で記載をしたいと思います。

古賀委員:そうすると、熱源の更新を例にとれば、こういうものに熱源を更新しますというイニシャルと、それで想定される効率が上がったことでのベースラインの補正想定値、これがESCO事業者には開示されて、それに対しての提案なり入札という形になると表現されるということでよろしいですか。

環境省(原田補佐):そのとおりです。

村越委員:そのとおりですとお答えになったことに理解できなかったのですが、つまりFSでいろいろ決まったものをベースにやりますということで修正されるのでしょうかというふうに古賀さんが質問をして、それでそうですというお答えがあったということなんですよね。

古賀委員:発注者がそれを判定されるとおっしゃられていましたので、一応FSなりで、ないしは熱源更新を元々予算化、計画をされた時にそういう想定が計画の中にあるというふうに私は理解しました。

村越委員:熱源更新分のみを扱うのであればそういうことはあるかもしれませんけれども、ESCO事業が他のものも扱って様々なことをやってということになると、これはFSのところで議論した方がいいと思います。今までの議事録を見ていても、FSそのものがどれだけ有効かという議論は随分されてきたと思うのですが、やはりもう一度FSの抱える問題点というものがまだこの中にきちっと反映されていないような感じがいたしましたので、そこはFSのところで議論した方がいいのではないかと思いますが。

坂本座長:こんなところで図1-2に関する議論はよろしいでしょうか。ここは事業の概要の話ですから、一般の方にもわかるような図がここで出てくるべきだと思いますので。いろいろなケースがあってそれぞれによって違うのでしょうけれども、典型的なケースではこういうふうになるという断りを入れて、おおよその概念を説明するというような図でまとめられてはいかがでしょうか。11ページの方はかなり踏み込んだ図でけっこうだと思いますので、ここのところは割合丁寧に書かなくてはならないのかなと思いますけれども、3ページに関してはわかりやすい図で。あまりいろいろ説明を入れない方がいいと思います。そういうことでまとめられてはと思います。第1章、図1-2以外で何かご指摘ございますか。

前川委員:せっかくこの度簡易診断マニュアルというのをお作りになったのですから、その固有名詞を1-1のどこかに入れておかれてはいかがかなと思います。例えば、閣議決定においてもESCO事業導入のフィージビリティ・スタディを実施可能な限り幅広く導入するとしてマニュアルを定めたところである、とかそういう書きぶりで。せっかくあるものをこのレベルで位置付けたらいかがかと思います。

環境省(原田補佐):検討したいと思います。

坂本座長:では第2章導入計画というところで。このあたりになると議論がまだ残っているところがあると思いますけれども、第2章に関してご指摘をお願いします。

古賀委員:8ページのフィージビリティ・スタディのところで、前回も、プロポーザルなのか総合評価なのかという時に、プロポーザルの妥当性それからESCO事業者側の裁量の自由度というのが、いただいた資料の中でもいろいろメリット・デメリットという形では比較検討はなされているのですが、ケースとしてはフィージビリティ・スタディの妥当性とかそれから数値に関する事業者側がリスクを負うということの話に絡んで、リスクを負う事業者の数値あるいは提案そのものの中身とフィージビリティ・スタディの齟齬というのがけっこう大きい要素になっています。その数値の大元になるのがFSの数字だとすると、どこかの一連のステップの中でFSの内容に関する発注者側と事業者側の審議質疑等のようなもので何か担保がなく、FSは正しいという前提から入っていくとなかなか本質的に良い提案にはなりにくのではないかと。具体的にどういう方策があるのかというのは非常に難しいところですが、プロポーザル型であれ総合評価であれFSの検証を提案の中にないしは技術資料の中に入れて評価をいただくというようなことはお考えいただけないでしょうか。

杉原委員:単純に言えばあるFS会社が、投資をできるだけ安くして省エネ効果をできるだけ高く書いて、これはESCOが成り立ちますよというようなFSが前面に出てしまうんですよ。それを見て国あるいは自治体はじゃあESCOやろうと出してみたにも関わらず、ESCO業者から出た提案ではこんなレベルではとてもできませんよということで全く成立しなかったというような例があります。投資がすごく安かったケースとか沢山ありまして、我々がすごく困ったケースもありますし、自治体も困っているケースが多々あります。先ほど古賀さんが言われたのは、どこかでそれをチェックする機能はありませんかというのがひとつと、私はそういう方々は罰則を入れてもいいのかなという気がしますし。あるいはESCO業者で出せなかった業者は罰則を出すとか。それはパフォーマンスで返せばいいですか。そういうことがありますので、その辺をFSの会社に関しては何かの審査機構なり設けていただいたらということです。

前川委員:今のを国の立場でお答えしますと、国のそういう発注つまりフィージビリティ・スタディを受け取る側はしっかりしていますので自治体のような齟齬はありません、というのがたぶん国の基本的なお考えだと思うんですよ。要するにこのマニュアルは、事前のFSを発注してもそれをきちんと咀嚼して、国側もこれなら大丈夫というようなESCOみたいなものをまずは確立して、その上でESCOのコンペをやらせますよというような理念に貫かれているんだな。何度か議論させていただいて私も理解に至ったところです。それがいいかどうかは別として、ここの理念はそのような間違いは起きませんという前提でできているかなと理解しているのですが違いますでしょうか。

国土交通省(関本補佐):国の行うFSが100%完全とは言い切れませんけれども、なるべく間違いがおこらないように、(FSでは)詳細に検討しておかなければならないと考えております。

村越委員:FSをやるのはたぶん制度上やらざるを得ないからで、つまり、予定価格を作らなくてはいけない、予定価格というのは妥当に評価されなければいけない、しかもちゃんと数字が積み上がっていて、妥当な認識の技術の上で成り立っていなければいけないという背景があって、これは法律で決まっているわけです。従ってFSをやらざるを得ないということになっているわけです。ここが今のESCOと合わないと言っている、例えば私が先ほど制度上問題がありますよねと言っているところのひとつであるわけです。本来であればこういうFSというのをやっているとなかなか前に進まないということがございます。我々が議論したいのは現状の制度論云々ではなく、いかに早くしかも効果的にESCO事業を国の施設に導入していって二酸化炭素の削減を果たすためには一体どういうパスがあるのかということを現実的な問題として議論しなくてはいけないと私は思っています。そうすると、先ほどのまだ齟齬があるような制度上の問題については今後検討するべきであろうとどこかで、解説資料の中で書くのが今のところ限度であろうということは私も認識をいたしましたが、そのどこかで書いていただきたいと思っております。もし具体的に何かを挙げるのであれば、そのひとつはこの予定価格を作成するためにフィージビリティ・スタディが必要であって、そのフィージビリティ・スタディを実施する会社とESCO事業者が違うと。従って提案内容も変わってくるとあまり合理的ではないと。挙げればPFIでも何でも様々あるけれども、ESCO事業の場合には小額のものが多いのでそのような手続きを踏んでいるとどんどん遅くなるとか、合理的な導入が遅れるとかということを挙げようと思えば挙げられるので、どこまで挙げるかは別にしまして、そういうことで制度上の問題の解決策の検討を続けるということを一項書いていだたきたいというのがひとつ。
もうひとつ、(1)のフィージビリティ・スタディの書きぶりをもう少し柔らかくしていただけないでしょうか。つまり3行目にある「可能な限り詳細に検討、整理」というのはやはりちょっと引っかかります。今議論が出ていますように、FSではESCO事業者の提案とはかなり異なるということも出ておりますし、それからESCO事業者が数多くいて、それからFSを単独でできる能力のある事業者が大量にいるという事情があるのであれば別ですが、現実はそうではないことも踏まえますと、有能なFSができるようなところがどれだけあるかということは非常に難しい。その中で審査基準を設けるというようなことをやっているのでは、国のESCO事業というのは全然捗らなくなってしまうのではないかと私は思いますから、そういうことを重ねるのではなくてここは一歩引いて、ここの表現を少なくとも「可能な限り詳細に」というのは取っていただきたい。FSは今の制度ではやらざるを得ないのであればやりましょうというふうに書くのでしょうけれども、少し柔軟性を持たせて担当者の判断に任せられるようなFSというものができるような余力をこの中に含ませていただければというのが、現状でできる最大限の譲歩ではないかと思います。

永野委員:総合評価落札方式でやった場合に、FSの調査の結果というのは非常に重要になってくると思われるのですが、言ってしまえばFSで決まったことを大幅に変更するのはかなり困難ではないかと。例えばガスの熱源にしましょうというようなFSの結果が出たのを電気に変えましょうというのはすでに難しくなってしまうと思います。そうするとESCO事業者がどうしようかと思った時に、FSの調査をする会社に協力をしようと。調査協力や設計協力をして、できるだけ自社に有利な形に働くように営業活動をするのではないかという。建築の業界に身を置いていないので的外れだったらご容赦いただきたいのですが、普通に考えたらそういうことをするのではないかと。そうした際にその後にくる公募の時に本当に公平性が保てるのかどうかという。プロポーザル方式の場合、この問題は生じないんですよね。自分たちが調査して設計して出すわけですから。総合評価落札方式でやっていった時の問題点がそこに生じてくるのではないかと思うのですが、であれば対策、いやそんな心配はいらないとおっしゃるのであればその旨をいただきたいのですが。

環境省(原田補佐):何点かございます。まず1点目ですが、事業の実施の適否の部分のところにまず一般論が抜けておりますので、おそらく前提にあるのはきちんとした、発注者がきちんとジャッジをして受け取るというのは当たり前なんですよね。そこがまず抜けているので、発注者の責任においてちゃんと検討結果の適切化をして下さいという、何かそういう内容が必要なんだと思います。ですからそこの部分は何か記載がいるのではないかという気がいたします。それからその上でございますが、今みなさんがおっしゃられた内容というのは重々わかるのですが、先ほどの閣議決定内容をみても、これから相当量のフィージビリティ・スタディが実際にこれから行われるわけで、ESCO事業自体も実施例が少なくてばらつきを持っているのが実態だと思う中で、一方的にフィージビリティ・スタディをする業者に実績がないのでおかしいと言われても、ちょっとそれはおかしいのではないかという気がしないでもないと思います。逆に言うと実績を積み重ねていくことできちんとした調査コンサルタントに育成をしていただかなければいけない。要はそうしないとなかなかいつまでたってもESCO事業の信頼性というか、要は一社だけが提案した内容をどこまで信用するかという問題があるかと思いますが、プロポーザル方式にはプロポーザル方式固有の問題がありますのでそことの整合を図っていく上でも、事業の実施を重ねて有能なフィージビリティ・スタディができる方を育成していく必要があるのではないかという認識でいます。

経済産業省(三木課長):遅れてまいりまして申し訳ございません。経済産業省の三木でございます。本来であれば事務局で調整をして資料をお出しするべきだと思うのですが、ちょっとこれはまだ未調整でございまして。今のご発言にも絡むのですが、フィージビリティ・スタディの必要性とかそういうところはもう少し精査をするべきではないかと思っていまして、全体のトーンとしてESCOをもっとどんどん入れようという趣旨でもっと打ち出すべきではないかと思いますし、フィージビリティ・スタディが本当に必要なのかどうかということから始めて、もともとESCO事業自体は光熱費の削減分でペイアウトさせるというのが基本的原則だとするとそんなに利益率が高いわけでもなく、じゃあフィージビリティ・スタディの費用は誰がどう負担をしているのか、結局はこの部分から負担するということに原則になるわけでどこまで厳密なものを求めるか。あるいはフィージビリティ・スタディというのは、当然ESCO事業者がその後活動しやすくなるような前提でFSというのは行われなければならないと思うので、その後ESCO事業者が活動しにくくなるようなFSをぎちぎちやるという方向が本当に望ましいのかどうかということは、この委員会としてご議論いただくべきではないと我々は思っております。そういう意味では村越委員のおっしゃるとおり、本当に詳細なFSが必要なのか、あるいはESCO事業者と別のFSをするようなコンサルタントみたいなところが本当に育つ必要があるのかというのは我々はやや疑問に思っております。全体としてきちんとやらなければならない。国の施設なのできちんと行われなければならない、評価をされなければならない、チェックが必要だという趣旨はわかりますけれども、そういうところを総合的に勘案して、あるいは全体のトーンとしてESCO事業をどんどん国の施設に入れるんだという方向性で環境省はしておられるという理解なので、使い勝手のいいように、ESCO事業がどんどん使われるようになるようなFSの仕組みにしていただきたいと思います。

村越委員:私も三木さんと全く同じ考え方であります。本当のことを言うとFSというのはたぶん必要がなくて、現実問題自治体の公募でも、例えば5社提案すると本当に内容が違うんです。やはり自分のところの価格で、自分の技術で、自分ができる保証というものを入れるものですから、内容と金額は全然違うと。これは5社出てくれば5通りの提案が出てきます。従ってフィージビリティ・スタディでも5社がやれば5通りの計画が出てくる可能性があるというふうに考えます。これは優秀な人が集まってもそういうことになりますので、有能なフィージビリティ・スタディの事業者を育てたら本当に完璧なものができるかというとそれは無理でございます。元々そういうものでございますので。やはり最終的には自分で責任を取るESCO事業者がこうだと言ったのが一番合理的な判断になると考えます。従って、これは今の制度では認められませんけれども、本来であれば保証しますという保証契約ができた段階で財政的な合理性が担保されるというのがESCO事業の特徴なわけです。ただ今の制度ではその手順が認められていないというところに非常に難しいところがあるということなんです。ですからそこをどうかご理解いただいて、FSに関しては本来必要であるかどうかという議論も含めて本来はやるべきであろうということです。

前川委員:段々私が従来から申し上げた話になってきて嬉しいのですが、まず今政府実行計画における庁舎ESCO促進のための簡易ESCO診断実施基準に基づいて、それぞれの大臣が自分が持っている建物の中でどれがESCOに向いているかどうかを早急に把握しなさいという指示が出ているわけですね。私の理解はそこで十分にFS的なもの、つまりどれが向いているかということなどもわかるはずだと。そこから後どうすればいいかというと、これはESCOに任せてほしい。これが我々の基本的な立場だと思うんですね。ところが国の制度の中では、いい加減な予算で財務省からお金を配分してもらうわけにはいかないという、そこをどう調整するかというのが今までの議論の論点だと思います。そこで、例えばこういうことはできないかと思っているのです。今平成19年の10月に総合評価落札方式でコンペをします。12月に当選者が決まります。当選者は1月から3月にかけて二次診断をやって、これなら大丈夫という、FSではなくてきちんとしたESCO計画をまとめます。それに基づいて20年の8月までに21年度予算の申請をしていただく。そうすると20年度の年度末に予算が決まって、21年度からその予算が執行できるということになりますね。そうすると財務省に対してもきちんとした予算の内訳を持ったものが提案できるし、19年に総合評価落札方式で決まった、競争が行われた結果決まったESCO業者が事業を受託できるし、2年もかかるという問題はありますけれども、今の財政法とか会計法の制度に基づくコンペがきちんと行われる仕組みではないかなというふうに思いますがいかがでしょうか。

環境省(原田補佐):そこの部分は大きな問題を抱えておりまして、そこで予算計上された金額を財政当局が正しいと判断するかどうか保証がないわけです。その問題が大きいので実施できませんということでございます。地方公共団体のように意思決定をする方が同じであればこういう問題は生じないんです。逆に言うと、事業者が提示をしてきた必要経費と言われる部分が正しいかどうかはどうやって判断するのでしょうかということです。

前川委員:20年の概算要求に入れていただく予算というのは、優勝したESCO業者が作ったものではありますけれども、それをあくまでも当該官庁が自分の予算だということで計上する費用になるわけなので、そこは通常の予算の要求と財務省の査定の協議という意味で同じではないかと思うのですが。

環境省(原田補佐):その通りですが、予算の制約を受けて実施ができる内容が変わってしまえば、1番のところが必ずしも1番になるとは限らないんですね。1番の事業者が必ずしも1番になる提案をできるとは限りませんので、そこに大きな問題があるのではないですかということです。

前川委員:1番というのは、今のお話だと12月に当選者が決まったその1番の業者が競争によって勝ち抜いた案が1番ではないのですか。

環境省(原田補佐):その通りですが、それは予算が全額付くという見込みで計画された中ではそうですけれども、予算の金額が変わってしまって実施できる内容が変わったらそこが一番効率がいいかどうかは確定できないですよね。それでは困りますということです。

前川委員:だから予算が満額取れるように頑張るということになるわけですよね。

村越委員:これは今の予算では認められないのですが、非常に単純に言うと予定価格の決定方法は5年なら5年、10年なら10年で10%の削減金額というものを、光熱費の20%くらいだというのがいいのだと思いますけれども、削減金額を10年間積み上げたものを最大の予定価格とするというようなことをやっても、後でコンペをやってESCO事業者がきちんとした保証を入れるということをやりますと、最終的な出来上がりというのはかなり財政的にも技術的にも合理的なものになるというふうなことは、これはわかると思いますので。ただ、今予定価格の決め方にそんなラフなことはできませんよというような、そこが問題になっているので。もし非常にラフな予定価格の決め方というのが制度上許されるのであれば、本来であればその方がESCOは上手く入っていくし、こういうよくわからないFSというようなステップも本来いらなくなるということがあるんですね。ですから最初に私が申し上げた閣議決定の一番下のところに、今後の調達制度について何らかの前進ある方向を検討して欲しいとするというような項目を書いていただければと言ったのは、そんなところにも本当はあるんですけれども。

坂本座長:どういたしましょうかね。前回から議論が沸騰しているところですけれども。

環境省(原田補佐):少し誤解があるようなので。法制度上そういう問題があるので、できるだけいろんな提案をできるように配慮するために、2-4の(2)の四角の2つ目を見ていただきたいのですが、採択される技術の決定で価格ではなくてCO2の削減効果が最大になるような組み合わせを設定して下さいという形で、要はここで求めているフィージビリティ・スタディは何かというと、この対価に対してこの性能を保証して下さいというラインをきちんと算定をして、そこのベースにそれを超える事業者を決定していこうという考え方だと思うんですね。ですから、この文言を見る限りかなり効率よく実施をしながらある一定の予算以内に納めるような事業計画に基づいて立てたものに対して、より優れた提案をしていただいて勝ち取っていただく仕組みであるということ。これをきちんと整理をするためにはフィージビリティ・スタディが必要なんだと思います。何らかの根拠を持って予算要求し、効率的に予算を使っていくので、国民の税金ですから、ただCO2削減できればいいということではないですね。効率的にいかに上手く使っていくかなので、そこのところで考え合わせた時にこういう要件が必要なのではないかということで整理されているわけでありまして。逆に言えば、事業、成果の積み重ねによって、ESCO事業の効率性みたいなものがきちんと保証されてくるともう少しここの部分には改良の余地が生まれる可能性はありますが、現状を考え合わせた時に導入を推進していく必要性は確かにご指摘ととおりだと思いますが、かたや国民の税金を使って実施をしていかなければいけないことを考えた時に必要な措置なのではないかと考えて、今はこの案にしているという状態です。

筒見委員:今の考えはそれはそれでお立場で理解はできるのですが、やはり聞いていておかしいなと思うのは、特に我々ここに出ているのは実際現場を知っているESCO事業者の立場で発言させていただきますと、フィージビリティ・スタディというのが、すごく信頼性の高いものが非常に優秀なものがひとつ必ず出てくるという、そういう信頼性に基づいてすべてが進んでいるように思いますし、ここの書きぶりもすべてフィージビリティ・スタディの結果に基づいてとか、これが絶対というふうにどうしてもなっていくような気がするのですが、実際の現場も私自身も、実際フィージビリティ・スタディというのも省エネ診断も自分でやったこともありますし、そういう報告書を書いたこともありますけれども、これは本当にやる人間の立場あるいは技術のベース、どういう会社に所属しているかによって全く違う結果が出るんです。これは事実です。ですから国民の税金を無駄にと言うのであれば、そういうフィージビリティ・スタディをやる、それに当然お金をかけるわけですけれども、それの方がある種無駄ではないかなというくらいな気がします。制度上どうしてもこれを入れないと無理だというのであれば、フィージビリティ・スタディは最初の入口の単なるプロセス上の必要なものだという程度で、これがないとすべてが進まないという書きぶりになっているところは和らげていただくことが最低限お願いしたいと思います。本音を言えば、これは無駄な作業だと思います。無駄なプロセスだと思います。これははっきり実務的に断言しておきます。

環境省(笠井課長):みなさん言われること、三木課長のご指摘もよくわかるのですが、結局のところ自治体と国の予算の違いがあって、結局改修が必要だというところの証明もいろいろいるのですが、ESCO事業をやるというところの説明もいろいろいるわけで、その前提で予定価格をどのくらいに出すかとか、実際に事業を行うために何らかのフィージビリティ・スタディがないと動かない形になっていて、その上で原田の方からも説明しましたが、2-4のところでCO2削減効果が最大の組み合わせによるということで、FSを通して出てきた効果をしっかり担保できる形で実際の事業の業者選定を行うとするしかないのかなというようなことでこの案を示させていただいているのです。先ほど前川委員が言われたようなことはおそらく通常の予算要求ではやり得ないことなので、やり得ないことをやれと言われてもそこはちょっと。逆にそういう予算の仕組みの制約がある中で国でどう進めていくのかということに上手くならないのではないかと思うのですが。だからその上でFSは何らかの形でやって担保を示さなければならないとした時に、ここのところをどういう改良をするのがいいのかという方向で検討していくしかないと思うのですが。

環境省(原田補佐):誤解があるようなのですが、FSはあくまで標準案の作成ですので最適案ではないんです。ですから当然最適案であればその方針でやって下さいという話になりますので、そもそもESCO事業は成り立つというということにならないと思いますので、あくまでこれは標準案を作成して標準的な統一を求めて、それに対してそれを超える事業を提案していただいたところに発注していく仕組みですので、そこは誤解がないようにしていただきたいと思います。

坂本座長:標準案というのは考えられるのですか。そもそも。標準案なんか有り得ないというのが。

筒見委員:標準案というのは言葉では美しく聞こえますけれども、私はそういうものは現実的にはないと思います。先ほど5人やれば5通り出てくると言いましたが、それが全部標準になってしまうので。ですから標準案という言葉は非常にきれいですけれども、私はそれはあまり意味のない実態のないものではないかと思います。

松縄委員(代理):数少ないESCO、FS事業者として申し上げますが、私ども今まで自治体を10いくつやらせていただいていますが、私どもが作った内容に対してその通りになった事例は1回もありません。ですからFSの内容がそのままESCO事業に活かされることはほとんど有り得ないと思います。標準枠ということでしたが、今までいろいろ議論が出ているのは、やはりFSをする人間にもピンからキリまであるわけですね。いい方に当ればたぶん標準案に近いということができるのですが、地方自治体の場合はみな入札で決まってしまいます。10施設くらいを例えば500万くらいでやってしまわなければいけない。そしたら標準枠というようなレベルまでも至らないような案になってしまうわけです。もっと言いますと、FS事業者では工事費が全く出せません。普通の自治体の決められている価格の工事費が出せますが、実際の実勢の価格は出せませんので実態とかなり違うFSになってしまうんですね。FSをどうしてもやらなければいけないということであれば、やはりFSをやる方の資格を少しきっちり決めていただいて、今おっしゃった標準枠に近いようなものを出せる業者が選ばれるようなやり方といいますか、そういうものをぜひお願いしたいと思っています。

村越委員:参考例を申し上げますと、アメリカの連邦政府はFSはやりません。もともとESCO事業者が持ってきた案を施設の担当者と協議をして、それが仕様書を作ると。つまり最初から随意契約を求めています。これは競争原理の放棄というので制度化されています。ただしそこには競争原理をどうして放棄をしたかというと、それに代わるESCO事業者というのを競争によって決めています。つまり指定業者制度です。その指定業者制度が、もしここで言うFSの事業者の認定みたいなことをやるのであれば、そこは非常に競争をさせて、その中で一番いい提案を持ってきた上位数社を選ぶというようなことをやるのでしょうが、アメリカではこれに大企業しか残れなかったというので、政府の元請になる事業者というのは大企業だけが生き残りまして、法律上でも非常に問題があるというような指摘が各所で行われているというもの事実です。ただこういう大改革を今すぐできるとはとても思えませんので、現状の中でしからばどうしていこうかというと、なるべくESCOの提案のところに柔軟性を持たせていただくようなFSにしていただきたい。つまりひとつは金額であります。予定価格を上回るような提案というのはなかなか、基本的には認証できないでしょうから、受け取ることは難しいでしょうから、ESCO事業者が予定価格を上回った場合にはどういう形でそれを認めていくのかというような措置を考えるであるとか。それから技術内容も当然変わってくるわけです。これは今までの議論のなかで、提案の中の技術内容が異なった場合にはFSと違う場合にはこうこうこうするんだというようなことがたぶんできているのだろうと思いますけれども、予定価格と両方ございます。それからFSで選択をした技術というものに提案は縛られないんだということをやはり明記していただきたい、というのがあると思います。予定価格を作るためにはやはりFSをやって、先ほど標準案とおっしゃっていましたけれどもたぶんそうではなくて、予定価格を作るためには合理的な根拠が必要でありますから、それをFSで持ってこようというのが考え方だと思います。そうすると、通常自治体でやる場合には、予定価格は後から自治体が作るのですが、その前の予算説明上の資料というのは結局何をやるかというと自治体発注価格というのがございます。それを参考にして積み上げてしまうということも行われる。FSの段階です。そういうことが行われることもあります。従って経済効果はあまり出ないと。ただ予定価格は非常に高くなるというようなことが起こることがございますので、これが放っておくとそういうようなことが行われるのではないかと思います。従ってFSのところの表現はなるべく、あまり厳密に書きぶりとしては少し抑えていただいて、後の提案の方の柔軟性をもっといっぱい出してあげるようなところにむしろご配慮いただければというふうに考えています。

前川委員:それは結局いい加減な予算を財務省に計上するというリスクを孕むわけですよね。柔軟なフィージビリティ・スタディというものは。

村越委員:ESCO事業というのは元々財政の方には基本的にお世話になりませんという、そこは保証契約をするということがありますので、出来上がりとしていい加減なESCO契約が結ばれるということは基本的には、最善の注意を払っていく上ではそういうことは有り得ないということでございます。もうひとつは、仮に民間資金の活用でいくということであれば、国民の血税を使うという表現が先ほど事務局からありましたが、仮に民間の資金を活用するということであれば国には収入が入るのみでございまして、国から支出するということはございませんので、それが税金を使うということとは若干違うというふうに考えております。

前川委員:先ほどの笠井課長のお話の中で、先ほど私が申し上げたコンペ終わったあと一年以上かけて実施するというのは制度上無理というお話があったのですが、それは何故無理なのか教えていただけますか。

環境省(原田補佐):先ほど言ったように、100%予算がつかないとすると、そもそも当選した前提が崩れてしまうので随意契約ができなくなるわけですね。

前川委員:それは100%予算がつかないという前提でお考えになっているということですね。

環境省(原田補佐):つくかどうかはわからないということです。わからないリスクがある状態で行政手続を続けるわけにはいかないので。

前川委員:制度上こういったものを遂行しようと思えば、例えば100件のうち予算が足りないから30件しかできない、でもその30件については100%予算がつくというようなやり方だってあるわけですよね。

環境省(笠井課長):ですから予算は各省が説明責任を持って財務省に説明するわけで、それは別に提案者が誰かというのがくっついた予算ではないわけです。そこで査定の入り方というのはいろいろあって、その査定の入り方によっては条件が変わってしまうので同じ人に落ちない形になる。

前川委員:むしろそれはそうならないように、数を減らしてでもその案件については守るというような査定の回避のやり方もあるのではないかと思います。要するにコンペの結果通った案をどう守るかという話だと思います。

環境省(原田補佐):そこは何度かお話していますが、個別案件での評価になりますので、個別案件ごとに規定をして確定をさせていますから、勝手には流用できないんですよね。そうすると、何かの費用をまとめてお金をひとつのものに集めるということはできませんので。

経済産業省(三木課長):趣旨はESCO事業を国の施設に入れていこうとことだと思います。かたや国の予算上の制約があるというのも我々は一応理解しているつもりです。これだけESCOの専門家の方々からいろんなご意見をいただいていますので、やはりFSというところは書きぶりを注意した方がいいのかなと。本来FS自体がいるのかというそもそもの疑問はあるのですが、FSをやらざるを得ないということだとしたら使い勝手のいいように、後々ESCO事業者が活動しやすいようなFSにするべきだろうと思いますので、少しこの8ページの書きびぶりのところは事務局で相談をさせていただいて、またお計りするという形でいかがでしょうか。

坂本座長:もう時間もないですし、いい提案も出ましたので、ぜひお役所側で協議して少し書きぶりを変えていただくということで、この場は一応終わりたいと思います。時間もなくなってまいりましたので、3章4章、全体どこでもけっこうでございます。残りの時間でご自由にご指摘いただきたいと思います。

村越委員:12ページのプロポーザル方式における予算化の手続の中で、先ほどのご説明がありました、これは独立行政法人であるとか地方公共団体であることが前提でプロポーザル方式が行われているということを最初に書くというふうにおっしゃって、現実問題今の国の制度にプロポーザル方式が入るかというと制度上様々な問題があってなかなか入りにくいだろうと私も思いますので、たぶん現実問題そういうことになるんだろうと思います。ただ書いていただき方は、プロポーザル方式で国でもすぐ採用できるのではないかと思われるような書きぶりをしていただいていることは、ESCO事業者にとってはむしろ幸運で先に可能性を見せてくれるような書きぶりになっているのは大変好ましいことであろうとは思っておりますけれども、現実にはそうではない。従って、(2)のプロポーザル方式に関しましても、こういうものが合理的に国の中に入っていくような制度については今後検討すべき課題であるというような、課題なら課題というふうにむしろ書いていただいた方が、あるいは検討した方がいいであろうというふうな書きぶりで書いていただいた方がいいと思います。つまり独立行政法人、地方自治体についてはこれができるのでこういうふうなこともできるんですというのを先に書くのであれば、じゃあ国はどうなのかということになりますので、国についてはこういうようものが早期に導入されるような整備をすべきであるということを、むしろ一緒に書いていただければというふうに思っております。

杉原委員:手短に言わせていただきます。32ページに業績監視という書き方をしていますけれども、これは省エネルギーの実績を発注者とESCO業者で見ていきましょうということでよろしいですよね。最近業績が悪くなったとかそういうわけではないですね、わかりました。それから11ページのグラフですが、民間のESCOには成果配分という要素が含まれていまして、今ここに絵が出ていますけれども、要するに斜線の部分をESCO業者の努力でもっと下げることができるケースも多々あるんです。斜線をもっと下げられる、あるいはいろいろな努力で運用改善でひょっとすると10%くらい余分に省エネが出る可能性もあります。そうするとその部分がどうなるかというと、丸々国の利益になりますよではなくて分けましょうというのが民間では常識的にやっておりますので、例えばあと500万余分に省エネを出したら200万くらいESCO業者に返してもいいのではないかという成果配分を、どこの予算でどう出すかというのはまだ難しい部分はあるとは思いますけれども、そういう要素も考えていただければいただくほど国の省エネは進んでいくというふうに私は思います。それからもうひとつ、参加資格の規定がちょっとはっきりしないのですが、17ページ「設計役割は、設計業務の技術上の管理及び統括に関する業務を担う」ここは建築コンサルタント等の能力がある方、ちょっと詳細が書いてありませんが、工事役割については「単純工事よりも省エネをやった分だけ増えるので、単純改修工事の金額に見合う業者だけではなくて、もっと多い金額になるので上位の業者にも参加資格を与えることが考えられる」という書き方をしています。それから維持管理については「役務提供の資格を持っている」ということで、この辺の資格の判断とかは国土交通省の意見を聞けばいいのですかね。参加資格はどのようにお考えでしょうか。

国土交通省(関本補佐):この辺の書きぶりはESCOマニュアルと同じですが、(ESCOマニュアルでは)設計を担う方については最低限この程度の能力が必要。同様に、工事を担う方についても最低限この程度の能力が必要であろうということで、設定しています。

永野委員:同じ17ページですが、一般的に自治体でやるESCOの時には事業役割というのがあるのですが、この案では、設計、工事、維持管理のみとなっています。事業全体の責任を負う事業役割、あと付け加えるのだったら、その他役割というのが維持管理だけではなく金融、エネルギー供給も含めてあるのですが、本案で事業役割やその他役割がないのは特に理由があるのですか。

国土交通省(関本補佐):設計と工事と維持管理の役割は必ずありますので、ここでは最低限必要な役割を記載しているのだと思います。それ以外については、今ご指摘があったとおり、自治体の例もみますと事業者役割等いろいろあると思いますが、その場合は18ページで触れているとおり、「不良不適格業者の参入排除に十分留意」して設定する必要があると思います。

村越委員:最初に大阪府でこの事業役割云々というのを、私どもと大阪府で一緒に考えてこういう役割をいくつか付けたというのがスタートなんですが、その時の本当の意味はどういうことかというと、役割というのは契約をするものだけで本来いいわけなんですね。受注者でいいのでこういう役割というのは本来想定していなかったのですが、議論をしていくうちに小さい事業者もいるでしょうと。それから小規模な事業者もやはりESCO事業としていろいろなことができるということをいろいろ考えたい。そうしていくと役割を少し区分していくと、いろいろな事業者が1つの事業に対して共同契約というような形で入ってくることができるのではなかろうかと。ですから枠を最初に作っておいた方が、そういうのを誘導しやすいでしょうというので、事業役割、建設役割、設計役割だとか維持管理役割というのを作ったんです。その時に一番重要なのは実は事業役割でございまして、下請けの施工業者等を拾ってあげましょうというので作ったのがこの役割の分担、区分なわけです。永野さんのご指摘はごもっともでございまして、その一番重要な事業役割が消えてしまって、設計、施工というような、もともとあるからということなのでしょうが、それだけが残っているということでありますと、最初にこれを私どもが考えた時の趣旨から考えると、どうもちょっと違うなというところは確かにございますので、事業役割というのはもう自治体等々で一般に行われていることでございますから、むしろここに明記してかまわないのではないかと思います。

環境省(原田補佐):検討します。

永野委員:7ページに「(2)導入可能性判断[2]ESCO事業としてのふさわしい事業規模が確保されること」とありますが、これはいくらくらいなのか。ESCO事業者によって魅力のある事業規模というのは違うと思うのですが、環境配慮基本法の中に中小企業に配慮するというような条項があったと思いますが、これは全体を通してなのですがけっこう大手の企業しか参入できないようなイメージをどうしても感じてしまうのですが、どこかでそういった中小企業への配慮をしていただくようなことをしていただけないかというお願いです。

環境省(笠井課長):「ESCO事業としてのふさわしい事業規模」というところは、ちゃんと減らすことができるような事業にしてくれという意味で、会社の規模のことを言っているわけではありません。ただし中小企業配慮というのは他のワーキングでも出てきている話でもあるので。ここの解説資料に書くのか、全体の中で書くのかありますけれども、公正取引の確保ということで4つのワーキング全体に係るところに書いた方がいいのか、個別に書くのがいいのかということを含めて検討させていただきたいと思います。

杉原委員:先ほどの参加資格のところで出てくるかもしれませんね。何百万以下だから。

永野委員:参加資格がけっこう厳しいのかなと思ったものですから。村越さんがおっしゃったように事業役割とか設計役割とかあって、単体では会社の規模が小さくて参加資格がないんだけれども、みんなでコンソーシアムを組むことによって評価できるのであれば、中小企業の参入の余地が出てくるので、そういう形がいいのかも含めて、中小企業に不利にならないようなご配慮をいただければと思います。

国土交通省(関本補佐):ESCOマニュアルを検討していた際、ESCO事業としていくら以上くらいであれば事業として成り立つかという議論がありました。例えば1千万くらいのESCO事業というのは本当に成り立つのかどうか。ESCO事業としては最低でも1億くらいはないと事業としては成り立たないというようなお話も聞きました。なかなか難しいと思いますが、その様な視点の判断も必要ということで、ESCOマニュアルでは書いております。

村越委員:2点お願いがございます。20ページ、21ページの除算法、加算法のところに注意書きの追記をお願いしたいのですが、除算法は分母に価格を持ってきて、分子に点数を持ってきます。点数の開きというのはそんなに大きな開きというのは実はそんなに出てきません。現実的な問題として。価格の方は非常に大きな開きをするというのが有り得る話です。変動幅が違うものの重みを50%価格がもっていくということになりますと、これは相当な価格偏重になるというのが一般的な考え方であろうと思います。もちろん技術的にそれを回避する様々な手法というのは取り方があろうかと思いますけれども。それに対して加算方式は価格に何ポイントおくかというのによって比重が変わるわけですけれども、むしろ技術とそれから省エネ量とそれから価格というものを公平に評価するということであれば、加算方式の方がむいているのではなかろうかと思っております。従って、除算法と加算法に関しては、価格偏重にならない、価格のみが偏重にならない方式をこの中から採用することと。つまり技術であるとか二酸化炭素の削減であるとかということに十分配慮した方式を採用すること、ということをひとつ付け加えていただきたい。次は31ページ、各段階のリスク分担でございますけれども、ここには一般会計、財源からもってくるものについては特に申し上げませんが、民間資金を活用する場合においてはこのリスクの分担の仕方が民業圧迫にならないようにということを書いていただければと思っております。特に民間資金を活用する場合にあっては、社会的な変動あるいは金利等々のリスクというものが民業圧迫にならない配慮というものをすべきである、というような一文をどこかに入れていただければというふうに思っております。

坂本座長:事務局側、検討ということでよろしいですね。それではもう12時回りましたので、まだご意見あろうかと思いますけれども。重要なことで後で気が付いたらメール等で事務局に連絡する、ということでよろしいですね。それでは、今日でワーキングは最後でございますが、今日のご意見を踏まえて修正ということになります。修正したものについましては、私に一任していただければ大変ありがたいのですが。よろしゅうございますか、ありがとうございます。それでは座長一任ということでやらせていただきます。事務局から何かありますか。

(3)その他

環境省(笠井課長):現場を踏まえたご意見ありがとうございました。追加の意見につきましては日程的に厳しいものがありますが、明日の午前中にいただければ、案をつくって座長と相談したいと思います。今後につきましては、10月15日に第2回検討会を行いまして、その上でパブコメの案を作り、パブコメに掛けまして、11月20日前後に法の施行になると思います。引き続きよろしくお願いします。

坂本座長:どうも長時間ありがとうございました。本日はこれで終了したいと思います。お疲れ様でした。

以上