環境配慮契約法基本方針検討会 電力ワーキンググループ(第1回) 議事録

出席委員:
小川委員、鶴田委員、中村委員、山地委員(座長)、渡邊委員 (五十音順、敬称略)
欠席委員:
酒井委員

日時

平成19年8月31日(金) 13時30分~15時30分

場所

経済産業省別館 1042号会議室

1.開会

環境省(笠井課長):それではただいまから環境配慮契約基本方針検討会の電力ワーキンググループ第1回を開催いたします。
 (資料確認、趣旨説明、委員紹介等 略)
以後の進行は山地座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

2.議事

山本座長:座長を務めさせていただきます山地です。よろしくお願いします。この環境配慮契約法基本方針の検討会、法律の施行の都合もあって時間が切迫しておりまして、このワーキンググループも9月いっぱいで結論をまとめることになっておりますのでよろしくお願いします。早速議題に入っていきたいと思いますけれども、お手元の議事次第にありますように、今後の検討の進め方ということで事務局からお願いします。

(1)今後の検討の進め方について

環境省(笠井課長):(スケジュールについて説明 省略)

山本座長:ありがとうございました。今説明いただきましたスケジュールについて何かご質問等ございますか。よろしいでしょうか。特に無いようでしたら今日の本題に入っていきたいと思います。2番目の議題でございますけれども、電力分野における環境配慮契約法基本方針の方向性についてということで、資料について一括して説明していただいて議論ということにしたいと思います。ではご説明をよろしくお願いします。

(2)電力分野における環境配慮契約法基本方針の方向性について

環境省(原田補佐):(資料説明 略)

山地座長:ありがとうございました。今から2番目の議題について議論していただくわけですが、2つの部分に分けようかと。まず説明していただいた内容について、事実確認的な意味でのご質問をいただいて、その後でご意見等をいただいて議論をする、そういうふうに進めたいと思います。事実確認的な意味でのご質問等いかがでございましょうか。

鶴田委員:資料4の基本的事項の3つめで、「中小企業者が不当に不利にならないようにする等公正な競争」となっておりますが、公正な競争となったらもう少し枠を広くするべきだと思います。例えば、「事業者間の競争を不当に阻害しないこと、および中小企業者に不利にならない」とすると公正な競争という概念が極めて明確になると思います。

山地座長:ご意見ということだと思いますが、伺っておきたいと思います。他にいかがでしょうか。

小川委員:一点は、資料5で神奈川県では排出係数を18年度と19年度で見直しをしたという事例が示されていまして、それで国の方の事例で内閣府等でやられているのは先発の事例というお話があったと思うのですが、内閣府等の事例は2年くらい経過していて、排出係数の見直しを行うようなステップまで入っているのか、それとも入ってなくて決められた内容でやられているのかということを聞きたいと思います。

山地座長:事実確認の質問ですから、ひとつひとつわかる範囲で答えていただければと思います。

環境省(原田補佐):これはそれぞれ省の考え方があるので一概にはいえませんが、各省の会計サイドの方々が先行事例を調べられたりして定められておりますので、十分競争性があってもう少し厳しめにセットして良いのだろうと判断をした、環境省等と書いてありますが、うちの省などが少し厳しめにセットし直して今実施をしている、状況だと考えていただければと思います。

経済産業省(片山課長):経済産業省の例について言いますと、地域ごとに設定するという発想に立っていなくて、沖縄は無理ですけれども全国どこでやってもある程度入札が成り立つだろうということを前提にやっています。従って、経済産業省が初めて実施した時点では、温対法に基づく個別排出係数のルールなどが定まる前でございましたので、これは経済産業省独自の計算ルールを入札の方式に書き込んだ上で、全国どこでやってもある程度複数の応札者が出るだろうということで実施したものです。それが、係数自体というか温対法に基づくルールを用いるやり方に変わってきましたが、当時の発想はそういうことです。

山地座長:よろしいでしょうか。

小川委員:あとの意見とも絡んでくる話になるのですが、裾切り方式の構成要素に排出係数と未利用エネルギーの話と新エネの取り扱いの話が入っています。例えば新エネルギーなどを[3]の方法で評点として扱った場合に、排出係数の中でもある程度そういう新エネルギー評価の要素は含まれているような気がするので、ダブルカウントになっていないのかと思います。ダブルカウントの理解はどういうふうにされてこの方式を決められているのでしょうか。

経済産業省(片山課長):経済産業省は実際に入札をやったのは一番初めではなかったのですが、コンセプトを考えたのは先行してやっていましたので、その時の考え方というのは当然新エネにしても電源のところで追いかけて排出係数ゼロというふうにしておりますので、排出係数の中に含まれております。含まれているのですが、先ほど環境省の説明にもありましたように、電気の排出係数自体というのは長年の電源構成なり何なりで規定されているところがあってすぐに変わらない。なおかつ需要に応じて供給して在庫ができないという性格の財でございます。当然のことながら排出係数だけに着目してしまうと、なかなかうまい入札の仕組みはできないのではないかと。従って未利用エネルギーをどんどん活用しましょうということですとか、あるいは新エネはRPS法という法律で電気の小売事業をやっている事業者に義務付けているという世界があるものですから、それらの履行状況は国の施策体系としても特出しをしてやっている部分ですので、入札の評価をする際に特出ししてもおかしくはないのではなかろうかということで、正確には二重なのですが、それぞれ特に政策的にも推進しているということで別の評価を与えているという考え方で実施しました。

小川委員:一般の電気事業者などは平均すると恒常的に排出係数がなかなか変わらないというのはよく理解できるのですが、例えばPPSなどでバイオマスなどに特化して電力を供給しているという業者が仮にいて、この入札に参加した場合には、排出係数でも非常に高い評価を受け、新エネの導入状況でも高い評価を受け、ある意味ですごく特別に扱われているというような構図になってしまわないかという懸念があります。その辺は何か考慮されているのですか。

経済産業省(片山課長):これは総合評価方式ではなく、あくまでも入札資格を与えるだけですので、70点であっても100点であってもそこをクリアしさえすれば同じスタートラインです。

山地座長:環境省から何かありますか。

環境省(地球環境局):先ほどの補足ですが、今の環境省を含めて霞ヶ関は、排出係数の計算の仕方が温対法の排出係数に基づくものではなくて、独自に、例えば環境省の例で見ると(2)の例にもありますが「東京都内に電気を供給する場合」というふうにしていてオールジャパンにしていなかったり、おそらくまだ温対法の排出係数の計算方法そのものを使った形にはなっていないと思います。

山地座長:ありがとうございます。あまり生産的でない質問で恐縮ですが、今からの議論ではそうならないと思うのですが、今ちょうどおっしゃったところの資料5の国における事例のアとイの場合は、直近1年間で東京都内で電気を供給する場合の削減単位というのは、私の経験から言うとかなり難しいと思うのですが、やってこられたということですか。東京都に供給するというのをどうやって計算しているのか、興味はあるのですが、これに対する答えはいいです、この場で議論することじゃないですから。それから未利用エネルギーは定義をされていますか。

環境省(笠井課長):未利用エネルギーは仕様書の中で定義しています。

山地座長:これは今後にも関係することなので確認したいと思います。一般的に未利用エネルギーというと何を指すかというのはそれほど共通の認識ではないと思うので。

中村委員:確認ということで、先ほど事務局の方からも二重線で囲ったところが閣議決定事項で、今回のワーキングの中ではそれの解説として基本的考え方をこれから議論し、閣議決定事項の最初の入札の条件の裾切り方式が先ほどから議論になっていますけれども、未利用エネルギーが何かとかありますが、排出の程度を示す係数と事業者の新エネルギー、未利用エネルギーの状況を加味して、ある程度加点して評価した上で落札者を決定する、こういった枠組みの中でより具体的に今回は基本的な考え方を議論するということで間違いないか確認したい。特に事例の中でも東京都のような事例を見ると、裾切りと言いながらも排出係数のみで裾を切られているような印象を持ちますので、どういった形の裾切り方式なのか確認したいということです。

環境省(中山補佐):二重枠の中も含めてワーキンググループで議論をしていただく範囲でございます。どこまでやるかということも議論の中身なのですが、立法過程の議論からしても、総合的に係数以外のところを含めて議論していただきたいと考えております。

環境省(笠井課長):これは叩き台ですから論点はどんどん出していただければ結構なので、これ以外も考慮した方がいいのではないかということがあればどんどん言っていただいていいと思います。先ほどの説明の補足ですが、温対法と別のやり方をやっているかのようなことを言ったわけではなくて、資料6の排出係数については[1]で「公表された排出係数(参考表参照)」と、または「電気の使用者において把握できる係数」ということになっておりました、これでたまたま公示されているもの以外に電気事業者がホームページに公表しているものもあるとか、地方公共団体がその地域に存する事務所向けに公表しているものある、または言い値といいますか、このくらいで1年間供給していたというようなものを出してもらうというようなことで選んでいるというのが政府のこれまでの調達です。それから片山課長が言われたように、省エネとか新エネの努力を政策的に評価するということも非常に重要でありますが、資料6のような形で実行計画の排出量に反映されるということで、各省の中ではやはり排出係数の方に重みを置こうということで70点というような配点をしているところの方が今のところ多いのかなと思っております。

経済産業省(片山課長):先ほど山地座長からあった未利用エネルギーの定義ですが、当省で実施した場合は工場等の廃熱または排圧、廃棄物の燃焼に伴い発生する熱(ただしRPS法で新エネになっているものは除く)、それから高炉ガスその他の副生ガスというのを未利用エネルギーだと定義をしておりまして、それらが仮に混合される場合にはどういうふうに按分計算するかというルールも定めたうえでやっております。

山地座長:ありがとうございました。他に確認的な事項に関する質問はありませんか。

小川委員:資料4の2ページの(4)検討に当たっての留意点のところで「時間差への対応」という言葉が出てきますが、これは、新しい年度に入った時に前の年度の数字が半年くらい遅れでないと決まらないというようなことを意味しているのか、それとも事業者によってそういう数字を決める時間に差があるという話を言っているのでしょうか。

中山補佐:基本的には前者です。

山地座長:他にございますか。

中村委員:先ほど排出係数の話があったかと思うのですが、参考資料5のところで、全国平均の係数は平成17年度から温対法の数値ですのでそういった係数で、先ほど事務局からもお話があったように、それ以前の係数についてはPPSでは出ているところも出ていないところもございます。これは東京都の場合において出した係数があったり、そういった計算方法なので、同じ方法で出されているとか全国なのかエリアなのか、これで違いがあるということです。付け加えます。

山地座長:他になければ本題の議論、基本方針の方向性についてご意見をいただきたいと思います。鶴田先生から先ほど、資料4の1ページ目の四角の中の3番目のところの「公正な競争」というところで、中小企業者が不当に不利にならないようというだけではなくて、業者間の競争を不当に阻害しないようにという意味の文も付け加えるべきではないか、というご意見をいただきました。他にご意見をお願いします。

鶴田委員:4つほど申し上げます。一つは、全体をどういうふうな考え方で考えたらいいのかという基本的な視点について、それから裾切りの具体的な設定方法について、3番目がCO2排出係数の課題について、4番目にグリーン電力証書の評価について、この4つについて申し上げたいと思います。
 全体をどう考えるかといった時に、8月26日の東京新聞に大変興味深い新聞記事が載っておりました。この記事にはこれからの環境配慮契約法をどういうふうに運用するべきかという基本的な視点が出ています。小林環境省官房長が、ご自分の家をエコハウスとして完成させた、そういう記事を拝見しました。実は排出係数だけではなくて、電気を使う方がどういう考え方に立つかということがものすごく重要だろうと思います。私事で恐縮ですが、私の家は30年ほど経ったのですが、30年前はエネルギー危機の直後でしたけれども、快適な家を求めたいという一般的な考え方があってセントラルヒーティングにしているんです。したがって床にパイプがあって、暖房を入れると暖かい空気がずっと床をはっているんです。暖める部屋はひとつかもしれませんが、パイプの中には暖かい空気がずっと通るわけです。仮にそういう仕組みをずっと使っていると、いくら排出係数が少ない電気を買ってもやはりエネルギーは無駄にしています。CO2もそれだけ排出しているのだと思います。にもかかわらずもうひとつ悪いのは、30年前の機械ですから相当効率が悪くて、二重の意味でCO2の負荷が大きいのではないかと思います。したがいましてこういうものをいつまでも使っていたら、どんなに排出係数の低い電気を使ってもCO2に対する負担は大きいだろうと思います。特に今CO2排出量が多いところとか、また増加率が多いところというのは、商業ビルとか大きな建物、それから自動車がありますが、それぞれのユーザーの方々がCO2の削減に努力するような、インセンティブとなるような仕組みでなければ、私は不十分だろうと思うわけです。排出係数というのはひとつの参考にはなりますけれども、絶対的な価値基準にはならないということを私たちは念頭においておかなければいけない。自分でCO2を削減するような、そういう努力を各人がするようにしなければ効果は上がらないということを最初に申し上げておきます。と申しますのは、先ほどのご説明にもありましたが、電気使用量が増加していますが、そのうちの圧倒的多数3.7%が電気使用量の増加です。やはり各お役所が使用量を削減するような努力をしていくことが必要であると思います。特に先ほど片山課長がおっしゃいましたように、電気の供給システムは1年や2年といった短期間で再構築できるものではありませんし、過去の長い歴史の中で各電力会社は電源構成をしております。過去の何十年という歴史的遺産として今の排出係数が存在しているわけですから、各社の電源の技術的、経済的特性に応じた構造があるわけで、CO2排出係数が悪い会社から良い会社に切り替えたとしても全体のCO2排出量は減るものではない。やはり各経済主体がそれぞれCO2削減に努力するということが必要だろうと思います。もちろん中長期的に言えば、電気事業者にCO2の排出削減を促すことも否定するものではありませんが、いわゆる国が省エネ努力よりも電気の入札を通じてCO2排出係数のより良い電力会社を選択するという手法に安易に流されると、CO2全体の排出量は減りませんし、むしろ電力消費における競争が歪曲される、あるいは競争阻害効果を持ってしまうというところにきちっとした認識を持つべきだろうと思います。短期的な辻褄合わせのために入札制度が利用されることを防止しながら、同時に電気事業者にCO2排出量の削減が必要かつ必須であるというメッセージを発信していくことが大事だろうと思いました。これは全体を考える視点であります。
 それから裾切り方式ですが、中央省庁で実施されている方式というのは先ほどのご説明にありましたように、評価点の配分分けとなっておりますけれども、評価のポイントは共通していなかったというふうに思います。これを起用とすることでいいだろうと思います。ただ、行政機関が自らのCO2排出量削減の辻褄合わせのために意図的にCO2排出係数を裾切りすべきでない、ということは言うまでもなく基本方針として明記すべきだと思います。ただ地域のことを考えるとずいぶんややこしいなという気もします。経済産業省の事例の排出係数は全国一律ですべての地域に適用することを前提としているということでございましたが、現実には東京都方式のようにかなりきついところがあります。そうしますと各地域がバラバラにCO2排出係数を算定していた場合、地球温暖化対策推進法に基づくCO2排出係数と各地域でバラバラに算定されるCO2排出係数の関係がいったいどうなるか、また日本全体のCO2排出の集計に当たって、民間企業が計算する係数と行政機関が計算の基礎とする係数が異なっているかどうか大きな疑問となります。私見ですが、各地域でバラバラの排出係数を作るよりは、これは要するに参加基準ですから、緩くても全国一律の方が望ましいと思います。もうお忘れになっているかもしれませんが、公害対策の時にどういうふうに国が対応したかというと、全国一律の排出基準を作りました。閾値という、これ以下ならば人間の健康に害を与えないというレベルを設定して、それに対する基本的な取組みがある。ああいうふうに厳しくするかはさておいて、やはりこういう環境基準というのは全国一律の方がいいのではないかという考え方を持っています。ただそういうことが可能かどうかということは、いろいろ議論があるところでありますが。
 それから3番目にCO2排出係数についての課題についてですが、入札時に利用可能なCO2排出係数と実際に調達した電気のCO2排出係数が異なることは、電気という財が需要によって供給され在庫できないという性質を持っておりますから、これをどういうふうに規定したらいいのかということは非常に大きな問題であろうと思います。現に今、東京電力管内では、入札時で例えば原子力を7基全部動くという前提で排出係数を計算されていますが、地震の影響で7基落ちてしまっていて、しかも長期に亘るとしたら、結局石油とか石炭とかLNGとかでカバーする、そうすると具体的に購入時に予定されていた排出係数と異なってきますね。そういうケースというのはままあるので、そういうことをどういうふうに考えていったらいいのかというのが大きな問題だろうと思います。特に一定のCO2排出係数を契約で事後的に担保しようとしましても、大きなリスクを取ってまで入札する事業者が存在するのかどうかというのは非常に疑問になるところです。取り得る手段としては、一般電気事業者およびPPSが自主行動計画に基づいてCO2排出係数を改善していくことを前提とするならば、こうした取り組みの成果を地球温暖化対策推進法に基づくCO2排出係数に的確に反映することが大事だと思います。ポイントはこの前の環境省の議論でも申し上げましたけれども、CDMクレジットのCO2排出係数の反映をしなければいけません。要するに反映できない仕組みをいつまでも続けていくと企業は努力できない。企業が自主的に企業の外的環境の変化に適応できないということになりますから。CDMクレジットのCO2排出係数への反映を即刻にできるような仕組みを作らなければいけません。環境省における検討状況はどうなっているのか、伺いたいと思います。
 最後にグリーン電力証書の評価でございますが、グリーン電力証書の発行条件となる電源は、風力、地熱、太陽光、バイオマスとなっているのですが、電気事業者のCO2排出係数を算定するにあたりましては、こうした電源の電力量およびCO2排出量は当然加算された上で排出係数が算定されております。このためグリーン電力証書の購入をCO2排出係数で反映することはダブルカウントになります。この点は、RPS価値の購入と全く同じです。したがいましてグリーン電力証書の購入を入札において評価するのであれば、グリーン電力証書とPRS法上のRPS価値とダブルカウントがないことを踏まえて項目として評価するということになります。
 そして5番目に冒頭に申し上げた二重枠の公正な競争の部分は修正した方が望ましい、と思います。以上です。

山地座長:鶴田先生のお話を少し整理しておいた方がいいと思います。一番最初にご指摘になった点に関して、8月13日に検討会が行われた時の議論を少しご紹介したい。簡単に説明があったのですが、環境配慮契約法の中では電力だけではなくて、自動車、建物、設備、ESCO事業とありますので、そちらの調達の方でエネルギー需要そのものを下げるというのはカバーされる。我々の電力ワーキンググループのところでは購入する電力のところに焦点を絞っているということで、一番目のポイントはワーキンググループの作業範囲としては少し違うかなと思います。非常に重要な点だと思いますけれども。
 裾切り方式の地域性云々ですが、まず我々が議論する叩き台は資料4ですね。資料5はあくまでこういうことをやっています、ということですので。したがって鶴田先生のご意見は正しいのですが、地域性も考えて裾切り値を変えましょうというのが資料4の提案ですね。これに関しては検討会でも議論があって、特に今は一般電気事業者がその地域の最終保障義務を負うことになっているものですからその役目等を考え、それからここの文言では安定性という言葉も入っていますが、そういうことで地域別の裾切り値をというのが資料4の提案です。それに対して鶴田先生は全国一律にした方がよいのではというご意見だったと受け止めております。
 それから入札時の係数と実際の運用時の係数が違ってくることの処理。これが実は難問でまさにこのワーキンググループでどう対応するかというのを考えなければいけないと思っているところです。みなさんのご意見もいろいろお聞きしながら今後議論を進めていきたいと思います。この中でふれられたCDMクレジットを考慮すると。クレジットの排出係数への反映方法というのは、この資料4でも最後の方でふれられているところです。環境省でどうなっているかは私も聞きたいところなので、後で答えていただきたいです。これは重要なポイントです。それだけではなくて、入札時と実際のところ、入札時の排出係数も実は温対法の係数とはまたずれているということで、その時間差ですね。これも検討課題のところにある時間差はまさにこれだと思うので、いろいろご意見いただきたいと思います。
 4番目のグリーン電力証書の件は、私はグリーン電力認証機構の委員長ですのでその立場で申し上げますが、RPSとのダブルカウントは避けるという約束で認証しております。ここのところは当然議論していただければと思います。気になった点があったので少し。

鶴田委員:先ほど、地域について可能ならば一律が望ましいと申しましたが、その場合には経済産業省の加点有りの裾切り方式のようにかなり緩い基準でないといけないと思います。と申しますのは、資料4の(2)の基本的な考え方の5番目「電力の安定供給およびユニバーサルサービス性に対する充分な配慮」とあります。これはやはり地域ごとで個別に考えないことには安定供給、ユニバーサルサービスができないということが念頭にあるのかどうか。ですから、もしこういうことを考えていた場合には、あまり厳しい排出係数ではなく、経済産業省程度の基準でということです。もしそうではなくて、厳密に環境省なり内閣府等々が使っているような厳しい裾切り条件にするのであるならば、これはやはり地域ごとに進めるということを考えていかなくてはいけないのではないか。

山地座長:鶴田先生がかなりポイントを沢山出されましたので、ちょっとレスポンスを聞いてから他の委員の方の意見を聞くということでよろしいですか。

経済産業省(片山課長):地域ごとに裾切りの方式をどういうふうに設定していくかということと、地域ごとの排出係数という概念は違うと思います。例えば、関西電力管内で入札をやる場合に、大阪府は大阪府で供給される電気の全電源排出係数というのを自ら設定してやるとか、そうすると沖縄以外46都道府県みんな各都道府県ごとの排出係数が仮にできてしまったとして、ではそれと温対法に基く排出係数の関係は一体どうなるのかとか。政府は実行計画でいろんな係数を使えるというのが今の状況になっていまして、入札時にそもそも何に着目してやるのかというのと、政府が報告する時に何に着目してやるのかというのが互い違いになってしまうと何をやっているのか訳がわかりませんし。なおかつ電気事業者が自主的にCSRの報告書で出しておられる排出係数というのも参考5で出ておりますし。それと同時に温対法ではデフォルト値で0.555というのもありますし。このあたりをどういうふうにしていくのかというのは、地域ごとというものと、採用する排出係数が全国一律なのかそれぞれでもいいのかというあたりは、委員のみなさま方でご議論をいただかないと、今そこが混在したような、鶴田委員と山地座長のやり取りだったのではないかという気がいたしております。

山地座長:今までのところで環境省から何かありますか。
 地球環境局:係数の検討状況についてご説明させていただきたいと思います。係数の検討につきましては、温対法の係数の検討会でも反映させる方策については、目達計画の評価見直しのプロセスにおいて十分に検討をして、結論について関係者に周知をはかるというふうにとりまとめの文書でも書かせていただきました。その後、今まさに目達の見直しをしております、中環審、産構審の合同会議においても二度議論いたしまして、その中ではそもそも現行の温対法上は事業活動に伴う温室効果ガスの排出量を温室効果ガスの排出量といいますよ、というふうに、実際に排出した量を基にして計算するような制度になっておりますので、今の現行法では係数に反映させて、相当量を電気の需要家の排出量から控除する仕組みは困難ではないかというような議論がされていました。クレジットは本来補完的に使用すべきものというふうに、京都議定書、国の目達計画にも書かれておりますので、ただちに反映していいのかという意見もかなりありました。いずれにせよ今後更に検討を進めていきたいと考えております。簡単ですが以上です。

環境省(中山補佐):温対法と合わせるべきところは合わせるということだと思っております。ただクレジットの反映ですとか、証書の話なども含めて、契約に時にどう全体としての温暖化を防止していくのかという観点から、中でどういうふうに扱っていくのかというのは必ずしも絡めなければいけないものではないだろうと思っております。ただ、どういうやり方がいい手法なのかというのは、いろいろ案を練ってみて、ご議論いただく必要もあるのかなと思っておりますけれども、まずは考え方についていろいろとご意見をいただいて、その上でどんなものが考え得るのかという部分については、必要があればまた経産省などと相談をしながら案を作ってみたいとは思っています。

環境省(笠井課長):現状について補足をしますと、言い値みたいなことまでやっている民間業者があるかどうかということがありますけれども、それは民間業者もそういう方法で供給サイドが自ら証明できればいいということでルールとしてはある。あとクレジットについてですが、中環審、産構審の合同会議で原発の議論がありまして、電力は現在の原単位は確保するという話になっておりまして、これができれば全体の3%~4%くらいの寄与があって、大きいものですので、そういう大条件の中でどういう具合に位置付けていくかという中で、今地球局の方では温対法改正ということで検討していますので、その中の重要検討課題にしているものと理解しております。入札の要件、この時の係数をどうするかという大問題がまだありますが、入札の要件をどうすることが電力の消費に伴う環境負荷をどう減らせるかという点で検討していきたいと思います。

山地座長:ワーキンググループは3回あって今日は1回目ですので、いろんな意見をまず出していただくということで、意見に対する意見ももちろんけっこうですが、今日の段階で収束させようとせずに、むしろいろんなお考えを言っていただくということを今日の役目にしたいと思っていますので、そのつもりでご発言いただければと思います。

小川委員:ひとつは今も議論になっていました、資料4の2ページ目の(3)の地域ごとに裾切りを設定という話についてです。私自身は、全国一律では到底無理ではないかと思いますけれども、例えば地域ごとと言っているのが10電力会社がカバーする地域を指しているのだとすると、そこで一律ひとつの方法で決めるというような考え方を本当にとる必要があるのだろうかと思います。資料5に、調達主体の方がいろいろなアイデアを持って、こういう方法でこういう条件を満たしてやって下さい、という話が出ていて、すごく多様なことが出ているわけですね。むしろそういった意味では、基本的にこういうことは守って下さいという最低限の条件を設定することは必要だと思いますが、それ以上のことに関しては、電力の調達主体が私はこういう条件で供給するものに入ってもらいたいという条項を設定して、そういうことも含めていろんな競い合いをしながら進めていくという考え方の方がいいのではないかと思います。先ほど議論があった最終保障義務に関しては、何かトラブルが起こった時にはその地域は最終的にはこの電力会社がカバーするということが要するに決められているわけです。したがって、少なくとも最終保障義務を持つ電力会社が参入できないような条件は設定しないようにするということさえ担保されていれば、調達主体によるそういう多様な方法の設定方式をやってもいいのではないかということです。地域ごとに一律で同じ方法で、こういう方法でやらなくてはいけないと決める必要はないのではないかと思います。
 次に、排出係数への反映という議論ですが、当然京都メカニズムによる排出権を手に入れて、そのことでできたCO2削減を評価して欲しいという要請というのは、環境配慮法の枠内でなくても全体的に起こってくる議論だと思います。そういう活動を反映させる方法が必要だと思いますが、ただこの委員会の中で、ではどうやって反映しましょう、この中ではこうですよという方法を決めるのはきっとあまりふさわしくないと思います。やはり日本全体のいろいろなところでそういう反映方法が必要になってくるでしょうから、温対法などの検討の中でこれが共通の一般的なルールですというものを決めていただいて、その決められたものを環境配慮法の取り扱いにも反映してくるという考え方なのかなと思います。したがって、独自のものをこのワーキングの中で決める必要はないという気がします。
 第三に、京都メカニズムのそういう取り扱いと同じように、グリーン電力の取り扱いも考える必要があります。先ほど山地先生の方からグリーン電力の話がありましたが、今グリーン電力証書ということで認証されているものはRPS法で対象にしているものとダブルカウントになっていないことを確認して認証している状態で、環境の価値にあたるものが他にダブルで使われているという状態ではないものを取り扱っています。それを事業者が手に入れてこういう電力供給にセットにして使いたいということであれば、京都メカニズムのいろいろな排出権とかを手に入れてきて使うという話と同じだと思いますから、これも排出係数に反映させる一定の方法を決めて、それで考慮していくということが必要じゃないかと思います。ただし、今申し上げたようなダブルカウントをできるだけ避けて公平性が保てるものにするという点が重要であると思います。
 第四に、議論として大きなものにはならないのかもしれませんが、例えば横浜市の方式で、CO2の排出係数が40点くらいになって、それ以外の部分が60点くらいを占めるような評価方法になってくると、これはダブルカウントがかなり関わってくるのではないかという気もします。その辺のところは、少なくとも原則としてダブルカウントにならないように注意するようなことをアピールする形というのは、きちんと設定ルールのどこかに入れておく必要があるという気がします。
 最後に、時間差の話ですね。温対法で統一的にデータが整理されて出てくるようになっていると思います。温対法で統一的に扱われたものが年度すぐの4月には出なくておそらく9月くらい、半年くらいずれてしまうという問題があるということだと思います。しかし、年度だから4月から翌年の3月までということにこだわる必要はなくて、きちんとしたデータが出るのであれば、9月に出たデータが適用される期間は9月から翌年の8月末までの1年間、その次には新しいデータが出てくるのでその次の周期を考えていけばいいと思います。このルールメイキングさえはっきりさせれば、それはそれで新しいデータが始まるところから適用されていくという構造で動くかたちになりますから、年度ということでどうしても4月にデータがなくてはいけないとこだわる必要はないのではないかという気がします。その辺のルールメイキングをはっきりさせればいいのではないかということです。以上です。

山地座長:ありがとうございました。事務局提案は係数という言葉を使っていますが、ここで言っているのはポイントですよね。排出係数というのが係数なので。それに例えば新エネルギーの導入とか未利用エネルギーの利用状況というのをポイント化して、係数もポイント化して合計のポイントで裾切りをすると。ちょっと言葉の使い方に問題があり、どの係数か混乱する可能性がある。例えばグリーン電力を排出係数の中に入れるのか、排出係数とは別のポイントに入れるのかはたぶん方式としては違う。そのあたりも念頭に置きながら、ご発言をしたりご発言を聞いていただければと思います。

渡邊委員:先ほど鶴田先生からいろいろなご指摘を受けて、個人的にはかなり固定概念でこれを読んでいたものですから、かなり幅広い解釈があるなと思っていたところです。資料4の2ページ目に書いてある(3)のところに「・」が5つあり、これの主語が書いていないのですが、この主語は「入札実施主体は」だろうなと勝手に思っていました。ところが先ほど鶴田先生の話で、ひょっとしたら「国が」という解釈もできるのかもしない、と。ここで「地域ごとに」と書いてありますので、電気事業者としてはこれは「入札実施主体者が(は)」という主語になるのだろうなと思っていました。それからもうひとつ排出係数の時間差の話ですが、二酸化炭素の排出係数と書いてあるものを、個人的には明らかに温対法の排出係数というふうに固定概念で解釈していましたが、ひょっとしたらそれは違う、ここで言う排出係数というのが導入される可能性があるというのも今知りました。個人的にはいろいろな係数があるよりは、やはり温対法による排出係数を採用するべきではないかと思っています。
 ただ、時間差の問題ですけれども、環境配慮契約法のもともとの概念が電気事業者(供給者)に削減のインセンティブを与えるということがメインだろうなと、そうすると時間差の問題が多少あるにしても、やはり将来的に下げていくのだというメッセージを出すことがこの法律の趣旨かなと思っております。先ほど鶴田先生がおっしゃったように、事後的に担保するとかそういう表現になると、やはり供給者側としてはいろいろな制約を受けますので、その文言については検証が必要かなと。削減インセンティブを与えるということがこの法律の趣旨であって担保をさせるということではないと解釈しております。それから、CDMクレジットの係数への反映についてですが、これについては、私は排出係数を温対法の排出係数と解釈しておりましたので、いろいろな議論がされていますけれども、早急にクレジットを排出係数に反映するということをぜひやっていただきたいと思っています。ただ小川先生がおっしゃったように、その温対法の排出係数についてはこのワーキングでの命題ではなくて、別に排出係数の考え方を整理する場を設けていただけると思っておりますので、そちらで検討するべき課題なのかなというふうに思っております。
 最後にグリーン電力証書の話でございますけれども、こういう新エネを導入するに当たって、我々電気事業者に対してはRPS法のもとで新エネを進める努力をしてきたということで、今回の配点方式の中にもそれが出てきますけれども、グリーン電力証書の解釈は、RPS法で我々電気事業者が新エネの推進をする、グリーン電力証書は電力の需要家(お客様)が意欲を出して、いわば国民全ての方々の負担で新エネを推進する方法というふうに我々は理解しております。そういう意味では、グリーン電力証書を供給者側の選定にあたるこういうものに導入するというのはいかがなものかなというふうに感じております。以上です。

山地座長:これは作った事務局から言っていただきたいと思います。資料4の2ページ目の基本方針の一番最初、基本方針として地域ごと、この地域の区分がどうかですが、どうも最終保障義務が云々というところを見ると一般電気事業者の供給区域のような、それごとに裾切り値を設定するというのが基本方針で、どういう裾切り値になるかというのは入札主体というか、国等とあるから自治体も含まれるのかもしれませんが、そこの入札実施者が決定するということでしょうか。

環境省(笠井課長):国等といっているのは国と独立行政法人など政府の機関で地方公共団体は含まれません。当然各省でも地方支局とかありますから、それはその地域で考えることになりますので、そういう意味では国等であっても入札実施主体であってもいいのかなと思います。基本方針で決めておいて、各省それぞれありますからそれに従って各省の方針を決めるということで、各省が入札主体になっている。

山地座長:地域ごとの値は各省によって違ってもいいのですか。

環境省(笠井課長):それは有り得ます。

経済産業省(片山課長):実際に入札の公告を出す主体が入札条件を定める。官報に掲示する者が具体的に定めることになると思います。基本方針は閣議決定するわけでございますので、そこにどこまで個々の実際に入札をする者を縛ることを書き込んでいくのか、ということがこのワーキングのミッションということです。いろいろなバリエーションがあるものをこのエリアはこれしかやってはいけないというような、具体的な評価点の配点まで決めてしまうようなことはやり過ぎなのか、やった方がいいのかということも当然ここでご議論いただかないといけませんし、これはやってはいけないという「べからず」を書くのではないかという小川先生のご提案もありました。事業間の競争を阻害しないようにという鶴田委員のご発言もございましたし、まさしくそういう意味で、抽象的に書くのか、ある程度定量的に書くのかといったあたりでも全然違うと思いますし、ましてそれがこのワーキングの課題なのではないかと思いますが。

山地座長:ありがとうございます。

環境省(笠井課長):4月にこだわるのではありませんが、各省で契約を結ぶ期間はそれぞれなんですね。確かに温対法の告示が出てだいぶ変わってきたのかもしれませんが、やはり直接電気事業者などに聞いて、この直近の1年間どうだったかというのを見てやっているというのが現状です。

山地座長:それをどうするかはこのワーキンググループで。ただ基本方針という時に、年度で切るのか直近なのかということも議論項目です。

中村委員:PPSの立場から、今回の裾切り方式について、競争条件の観点からコメントする。特にPPSは電源のポートフォリオの構成上どうしても原子力・水力等CO2フリーの電源を持ち得ないなかで、CO2の排出係数のみで裾切りされるような方式をとられるととても大きなハンディを負うということなので、ぜひ多面的な評価をしていただいてポイント制でお願いしたい。またポイント制においても、競争が働くようなかたちでの設定をお願いしたいと思います。PPSの事業において国等の入札の案件というのは非常に大きなウエイトを占めています。この案件について、いかに裾切りのところを設定するかによってはPPS自体が即、市場から撤退というような状況に追い込まれかねない、ひいては電力市場の競争の活性化につながらなくなるのではないかという危惧もございますので、ぜひそういった高い視点のなかで環境と競争を並列させて、裾切り方法を設定していくかということをお願いしたいと思います。また個々の議論でございましたけれども、排出係数のCDMの議論についてはみなさま言われているように、このワーキングというより温対法の関係がございますので、そういったところの状況の中で議論していただきたいと思います。これは余談になりますけれども、その中でPPSとしてはCDM等についてはまだ持ち得ていないというところがございますので、そういったところもぜひ考慮いただきたいと思います。あとRPSとグリーン電力証書の関係でございます。RPS法については電気事業者に対して一定の義務を課されて、それに対して入札の案件についてそれぞれ努力した義務について評価されているということですが、グリーン電力証書については、電事連の渡邊さんからもあったように、もともと需要家がクリーンなエネルギーの取組についてバーチャル的に取り扱う証書ということなので、これを電力供給事業者が扱うという観点に立つともう少ししっかりとした交通整理をした上で扱いを議論していただきたいと思います。以上です。

山地座長:ありがとうございました。ひととおりご意見をうかがいましたが、みなさんのご意見を聞いて何か付け加えたいことはありますか。

鶴田委員:CDMクレジットについて割りとみなさん方おとなしいなと思います。他の委員会で議論していただけばいいというご意見でした。この委員会で議論しようとは申しませんが、やはりこの委員会としては、どういう考え方に立って、検討すべき委員会に対してどうあって欲しいのかという注文くらいは出してもいいのではないですか。

環境省(笠井課長):山地座長に先ほど整理していただきましたが、算定方法そのものをどうするかというのはもちろん温対法の話です。係数という言葉を使っているので誤解を与えるというのはあるかもしれませんが、ポイントとしてどのくらいに考えていくかというのは入札要件を考えるこの委員会の課題なので、そのポイントの中でクレジットやグリーン証書をどう扱っていただくかというのはこの場で議論していただくことだと考えています。

山地座長:ひとまわりしたので私なりにある程度まとめてみたいと思います。みなさん大体共通のポイントを指摘されています。
 ひとつは地域ごとの裾切りということですが、これに関してはそういう必要性があるというのは共通の認識だと思います。全国統一の裾切り方式ではなく、地域ごとに裾切りをするということに関してはおそらく合意されていると、私にはその意見が多かったと思えます。
 それからCDMクレジットですね。CDM以外のクレジットもありますが現実的な問題なのはCDMクレジット。CDMクレジットを考慮するということに関してはみなさん合意されていますが、ではどういうふうに裾切りポイントの中に算定するのか。排出係数の中に入れるというのは温対法の排出係数の計算のところに絡むので、それの進行をウォッチしないといけないが、これはもっとそれより先に基本方針を出さなければいけない。ただし、CDMクレジットはもちろん反映させるが、電気事業者が持っているCDMクレジット分をkWh当たりの排出係数に計算すること自体はテクニカルにはできるでしょう。温対法のCDMクレジットを反映していないものにプラスαして計算することはできるし、あるいはCO2排出係数はそのままにしておいて別のポイント項目としてやることも可能だと思います。
 グリーン電力に関して言えば、グリーン電力証書は消費者向けだというご指摘があって、ちょっとそぐわないのではないかというご意見もございましたが、グリーン電力証書というのも考慮すべきファクターに入るのではないかという意見の方が多数ではあったと思います。これの入れ方については、ポイントにするか、これも係数に入れるかが問題になりますが、係数に入れようとすればかなり難しい作業という気がします。消費者でないのに、例えばPPSとか一般電気事業者がグリーン電力証書を買う、買ってたぶん入札のところに応募する時にそれを使うということになれば、たぶんグリーン電力証書の価値が国等に移るのではないかなと思います。グリーン電力証書を運営する側から見るとそう思います。ですから最終的には電力消費者に渡ると考えればいいのではないかと思います。
 もうひとつなかなか難しいところが時間差で、これは年度でいくのか直近1年でいくのか。ただ温対法の排出係数の計算でもおわかりのように、きちんと計算しようとすると大変な作業になります。直近1年間の東京都内へ電気を供給する場合の需要端での二酸化炭素排出原単位というのが書かれていますが、これは本当に真面目にやるとしたらなかなか運用が難しいのではないか。やはりその辺はある種、それほど無理な作業をせずに済ませる方法が必要で、その時に時間差をどう考えたらいいのか。時間差というのは2つあるわけですよね。温対法の排出係数を使うとしたら温対法の排出係数自体がすでに時間差のある遅いものである。排出係数を温対法で算定した後で運転を開始する発電所があるということがあったら、それをカウントすることはある程度何かできるかもしれない。もう一つの時間差は、入札した時と実際に使った時の時間差ですけれども、こっちは、今回は当面は裾切りでやりますので問題にならないと思うのですが、もし総合評価方式で行う時には本当にそうだったのかチェックがいると思います。が、裾切りの時にはそこは多少、そこまでフォローしなくても済むのではないかと個人的には思っています。いずれにしろ時間差の扱いは大切な問題になっているということは理解いたしました。それから公正な競争のところ。これは文言的なことかと思いますけれども。こんなところでよろしいでしょうか。

公正取引委員会:公正な競争というところについて、鶴田委員から事業者間の競争を不当に制限しないという趣旨にというご指摘だったと思います。もちろんその点については公正取引委員会として異論はないところですが、鶴田委員のご意見ですと、資料4の(1)の二重枠の中の「中小企業者が不当に不利にならないようにする等公正な競争」、ここの部分を修正するという趣旨のご意見だったと思いますが、かぎかっこの中の文言は法律の12条の文言そのものでございますので、これ自体を直すというご趣旨なのかどうか。公取側としては、事業者間の競争を不当に制限しないことというのはこの“等”のところに含まれており、いろいろな事情で中小企業者云々のところが特出しされている、そういうことで理解をしております。鶴田委員のご意見のとおり、事業者間の競争を不当に制限するということはあってはならないわけですので、(1)にあるこのかぎかっこの中のことをブレイクダウンするようなかたちで、(2)以下の基本的考え方なりのところの中でそういうような考え方を取り入れていくというような方法もあるのではないだろうかと思います。

山地座長:私が拙いとりまとめをしたのですが、それに対して委員のみなさん、それから環境省、経済産業省のみなさんのコメント等ありましたらいただきたいと思います。

経済産業省(片山課長):CDMのクレジットとかグリーン電力証書とかを仮にポイント制でやるといった場合に具体的にどういった確認の手段があるのだろうかと。特にクレジットの場合、持っているだけでは何の意味もなくて、一体どういう時点でそれをポイントにするのかといったあたりというのはかなり難しいと思います。入札を実際に実施する行政機関ごとにそれを確認しろといっても、仮にやるにしても簡便な方式で具体的に、例えば償却が確認されたとか、そういうエビデンスがきっちりある場合にそれを確認するなりなんなりというふうにしないと、非常に運用が難しいと思います。私はグリーン電力証書というのがどうなっているのかよくわからないので、そういうのが簡便にできるのかというのはよくわかりませんが、おそらくそういったあたりがしっかりできるかとどうかということではないかなと思います。

山地座長:グリーン電力証書は現在の保有者というのは把握できていますので、そういう点では、入札に応募するものたちがどれだけ持っていて、そこにいくら使うかですね。それを国等の方へ移権するということを合わせて行うという意思、入札ですから実際に移権するかどうかは別としてそういう意思を示せば、また、彼らがもし現有所有量を上回っても調達するという計画を出せば可能であり、グリーン電力証書に関してはエビデンスは出せると、それだけちょっと申し上げておきます。他にはいかがですか。

小川委員:エビデンスが出せるかという話でいくと、内閣府とか環境省等で実施している調達方法で、東京都の数字はどうやって計算しているのでしょうか。数字としては事業者は何らかの方法で出すと思いますけれども、それが確かに間違いないというのはどうやって確認をとるのですか。今おっしゃったグリーン電力のエビデンスと同じような問題がここでもあります。東京都内へ電気を供給する場合の排出原単位でとして事業者が出した数字を第三者が確かにそうだと認めることができるような方法でやらないと、本来はおかしいことですよね。その辺はどうやって担保しているのですか。

環境省(笠井課長):契約担当者から聞いたところでは、出してもらえる範囲で聞いたりしているということを言っていましたが、東京都については東京都が公表している数字がありましたので、それを使ったのではないかと思います。

山地座長:離島ははっきりしていますが、ネットワークでつながっている本土部分は、他の地域を切り離して東京都について算定するというのはたぶん難しいというか、原理的にできない。そういう点でも、算定法上に問題を抱えるようなものはできるだけ避ける方がよい。そういう点では、やはり温対法に基く排出係数というのは非常に安定的なもので使い易いものなので、大体そのイメージをみなさんお持ちじゃないかと思いますが。

鶴田委員:実務的な議論なので、わかりやすい仕組みが必要だと思います。

山地座長:そのほかに意見はありませんか。

渡邊委員:グリーン電力証書の件ですけれども、反映するためにはいろんな方法はあるのでしょうが、グリーン電力証書が全国にどれくらい出回っているかあまり私も持っていないのですが、例えば電力会社の係数に影響するほど出回っているとは到底思えないものですから。そういう意味でいくと、係数への反映というインセンティブは全くないだろうなということ。もうひとつは、反映してその年にやったものがお客様のところへ移るというシステムにすると毎年それも購入していかなければならない。その購入の量にもよるでしょうが、なかなか現実的ではないのではないかと思っています。もうひとつはCDMの係数への反映について、鶴田委員から言っていただいてどうもありがとうございました。我々電気事業者としても、これは悲願のことでございますので、ぜひ係数に入れていただいて、事業者がインセンティブを与えるという政策をとっていただきたいと思っています。

山地座長:私はグリーン電力証書に関係しているものですから座長としての発言ではないと思って聞いていただければと思いますが、その事業者の保有する証書全部を含ませるのではなくて、その一部を使うとか、そういったやり方になると思います。そこは使った証書は保有者から消えるということになりますが、それは大変テクニカルな問題だと思います。私はCDMの方については、本来は温対法の中できちんと排出係数の中に反映していただければ、CDMクレジットの問題というのは非常におさまりよく対応できるというふうに考えております。

環境省(原田補佐):両方考えられるのだと思っております。記載をさせていただいたのも個別契約で評価をするべきなのかも含めてご議論していただいた方がいいのではないかと。

鶴田委員:両方というのは何と何ですか。

環境省(原田補佐):全体の排出係数としてカウントをするという考え方があって、たぶんそれは例えば排出係数だと温対法でやるべきだろうという議論なのですが、個別契約上でそういう仕組みを上手く定着させるために組み込んでいくという考え方もありますので、そういう整理をしていけば、個別契約の要件を緩和するためのカウントとして評価をしていくことができるのではないかと考えてられるのではないかと思っております。

経済産業省(片山課長):おそらくクレジットを電気事業者が買うという努力をしたりというのは、自主行動計画をどう達成するのかという日本全体のマクロの話だと思います。その努力を個別のプロジェクトに当てはめていくというアプローチが果たして正しいのかどうかというところがあろうかと思います。おそらく電気事業者の自主行動というのはいろいろな産業界の自主行動計画の基礎をなしているようなところがあろうかと思います。温対法の排出係数にクレジットを反映するというのは、まさしく電気を購入している需要家全てにイコールで公平に透明にそれを均定する仕組みだと思います。それまでできないからといって行政機関の入札の時にそれを使って、例えば、では行政機関が事後的に低くなった排出量を計算するとしたら、それは本末転倒のような気がしておりまして、排出係数のところでクレジットが償却されていたとしたら、温対法上反映できないのだけれども、入札をする時のルールとして反映した係数で評価点を作りましょうというようなアプローチならわかるのですが、個別の入札ごとに何かクレジットを使ったものと見なすとかというアプローチはやや変な感じがしております。また、中村委員がおっしゃったように、PPSというのはクレジットをすでに持っているところと持っていないところで彼我の差が圧倒的にあるわけで、おそらく個別の入札プロジェクトごとに何らかの手段でそれを使ったものと見なす、それは所有権を移転するわけではないのだとすると、すでに持っている一般電気事業者が圧倒的に入札で有利な立場に立つのではないかと。これは事業者間の構成な競争というところで、電源構成以外にさらにクレジットのところでも非常に大きなハンディキャップをPPSが背負うことになってしまうのではないかという点も危惧されます。したがって全体に反映するというのはわかるのですが、個別プロジェクトごとというと相当大きく競争条件に差が出てきてしまうのではないかというのが懸念されるところです。

山地座長:私がグリーン電力証書でいったのはグリーン電力証書に限ることで、CDMクレジットに関しては今片山課長がおっしゃったとおり。非常に仕組みとして難しいし、日本全体のCO2削減という方向から考えても非常にゆがみを持っていく。

渡邊委員:私も同じ意味でいっており、個別の購入条件にクレジットを反映するということではなくて、全国一律の温対法の排出係数にクレジットを反映するという意味で、広くお客様にクレジットのものを寄与できるという意味の反映をしていただきたい。そういう意味でございます。

山地座長:それが基本ではないかと思います。ポイント制にするにしてもその視点からのポイントにしなくてはいけない。

環境省(笠井課長):係数でみるかどうかというところは、先ほど片山課長も言われましたけれども、償却がされてクレジットを国に渡したということになれば、その者はクレジットを抜いた係数で供給しているということになるので、それ程問題はないのではないかと私は思ったのですが、それはよく議論していただければいいと思います。それと先ほど山地座長も言われましたが、温対法の係数を定数としておいて、ポイント制で見た時にこういう数字になるのではないかというようなかたちで2つの係数を並べるというやり方もあるのかなという気がしましたけれども。

山地座長:設計はすごく難しいと思います。

経済産業省(片山課長):まさしく償却されたクレジットが係数に反映されていれば全然問題はないわけで、私が申し上げたのは温対法上の正式な係数にするには時間がかかるといった場合に、環境配慮契約法上の係数というもののスペシャルバージョンみたいなものをさらに作るというようなイメージでお考えであれば、それは有り得るとは思いますが、ただまた係数の種類がただでさえ多いのに増えてしまうというデメリットがあって、ということだと思うんです。私が申し上げているのは、個別のプロジェクトで何かクレジットを当てはめることによって、それが評価点になってしまうと、すでに大量のクレジットを持っている一般電気事業者が圧倒的に有利な立場に立ってしまうのではないかということを申し上げたんです。

山地座長:排出係数というのは非常に困ったもので、平均を使うと個別の取引に伴う実際の削減をきちんと測れないのは理論的に明らかで、マージナルなところを本当は使わなくてはいけない。しかし、現実にはこれができないので平均を出しているのだが、平均にすると排出係数ロンダリングということが必ず起こるわけで、あまりこれを議論しても仕方ないことで、やはり裾きりに使うくらいのことが適当なのですが、CDMクレジットに関してはやはり排出係数に反映するのが本来の筋と私も考えています。今日は言いっぱなしでいいという1回目ですので、まだご発言したいという方がいらっしゃれば若干の時間の余裕がありますのでどうぞ。ここで議論を取りまとめようとは思っていませんので、次回以降だんだん詰めていきたいと思います。何かご発言の希望はございますか。事務局から何かございますか。

(3)その他(次回の日程等)

環境省(笠井課長):次回9月12日でございます。本日の意見を踏まえまして資料を提出したいと思いますが、さらに追加等あったらどうしようかと一瞬迷ったのですが、どういたしましょう、月曜日くらいにお伝えいただければそれも反映することにしたいと思います。第2回は9月12日水曜日の15時30分から環境省の第1会議室で行う予定です。よろしくお願いします。

山地座長:今回は論点出しというか意見出しですので、それをある程度整理していただいた資料を出していただくと考えてよろしいですね。

環境省(中山補佐):整理をして、今日宿題になっていたようなポイントについて、どういうやり方があるだろうかというところについて、できればみなさんの議論の叩き台になるようなものを作れればと思いますが。

山地座長:今日の議論のことで付け加えたいことがあれば、メール等で連絡すれば、12日ですから早急にということですけれども、その時にある程度盛り込んでもらえる。3日までですか。他にはございませんか。それでは本日はこれで終了します。どうもありがとうございました。

以上

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