平成29年度環境配慮契約法基本方針検討会(第1回) 議事録

日時

平成29年8月17日(木)14時00分~15時30分

場所

経済産業省別館1階 104各省庁共用会議室

出席者

出席委員:秋鹿委員、赤司委員、大聖委員、田中委員、原委員、野城委員、山地委員、山本委員(座長)
欠席委員:藤野委員

(五十音順、敬称略)

議事録

1.開会

事務局:本日はお忙しいところ、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、これより平成29年度第1回環境配慮契約法基本方針検討会を開催いたします。会議に先立ちまして、環境省大臣官房環境経済課 奥山課長より御挨拶申し上げます。なお、カメラ撮りは配布資料の確認までといたします。

環境省(奥山課長):環境経済課長の奥山でございます。検討会委員の皆様におかれましては、本年度も環境配慮契約法基本方針検討会に御参画いただきまして、誠にありがとうございます。皆様御承知のとおり、環境配慮契約法につきましては国等の温室効果ガスの削減を図り、環境の負荷の少ない持続可能な社会を構築することを目的としております。その目的に沿って、委員の皆様から御意見を頂きながら、平成19年度の策定以来、基本方針の改定、新たな契約類型の追加などの制度の充実、そして運用の強化を図ってまいりました。そうした中で、昨年11月にはパリ協定が発効して、我が国におきましても2℃目標に向けて、地球温暖化対策計画、政府実行計画に示された対策や施策を進めていく必要があるという状況にございます。その中で電力小売全面自由化や、送配電部門の法的分離などの電力システム改革による状況の変化に対応していくために、本年度も電力専門委員会を設置し、引き続き電気の供給を受ける契約の課題について検討していただきたいと思っております。
 また、CO2削減に向けては建築物からの排出というところも見逃すことはできません。建築物に関する契約につきましても、維持管理業務の環境配慮契約の導入可能性を検討していただければと考えております。本年度の検討会につきましては、本日を含めまして合計3回開催を予定しております。検討会の検討を踏まえまして、必要に応じて基本方針の見直し、解説資料の見直しなどを行っていきたいと考えておりますので、委員の皆様におかれましてはきたんのない御意見をよろしくお願いいたします。私からの挨拶は以上でございます。よろしくお願いいたします。

事務局:まず、本検討会に御参画いただいた委員の皆様を御紹介いたします。委員名簿は資料2としてお手元に配布しておりますので適宜御参照ください。

資料2に沿って委員の紹介(省略)。

事務局:次にお手元に配布しました資料1、検討会開催要領を御覧ください。中段の3.組織の(2)の規定により、本検討会の座長を委員の皆様の互選で選出していただくことになっておりますが、せんえつながら事務局から御提案させていただきます。本検討会が設置されて以降、座長を務められ、環境配慮製品・環境配慮契約にお詳しい山本先生にお願いしてはいかがかと思います。皆様いかがでしょうか。

(異議なし)

事務局:それでは本検討会の座長は引き続き山本先生にお願いすることとし、今後の議事進行につきましては山本座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

山本座長:御指名ですので、座長を引き受けさせていただきます。
 皆様も体感されていると思いますが、日本も豪雨や熱波が度々起こっているわけでございまして、私も少し調べてみたら、熱波についても、ペルシャ湾岸、それから南西アジアがこれから大変な時代になるということです。湿球温度といったwet-bulb temperatureが35℃に達すると人間の生存限界と言われているわけですが、このままでは今世紀末には南西アジア、ペルシャ湾岸は35℃を超えるのではないかと。そこに15億の人間が住んでいるわけですけれども、30%が生存限界に達するという論文が公表されたり、7月にはニューヨークマガジンにinhabitable earthという居住不能な地球という論説が載せられて、大変な論議を呼んでいて、海面水位の上昇と熱波、豪雨に見舞われる地域が増えて、地球が居住不能な惑星になるのではないかという恐れが出てきているわけです。そういう訳で温室効果ガスの削減は待ったなしの状況でありまして、気候シミュレーションの最近の結果を見ても、1.5℃突破は2024年か2026年、2℃突破は2036年くらいで、2040年までには、夏は、北極海氷は全部溶けてしまうと、そういうことが最近の報告書でどんどん発表されているわけでありまして、相当気合を入れてやらないと削減はできません。
 我が国は2013年の排出量を、特に政府は2030年までに4割削減、私の記憶では政府系の排出は年間150万㌧くらいだと思いますが、それで4割削減というと60万㌧減らさなければいけません。毎年計算していただいているわけですが、この環境配慮契約法で政府系機関が一生懸命取り組んで削減できている量というのは、私の記憶では40万㌧くらい、ということはさらに20万㌧くらい追加で削減しなければいけないということになると思います。
 もう一つ、温暖化に伴って世界の平均気温が1℃上昇すると、主要な穀物が5%から10%減収になるという論文が出ているわけですけれども、そうなると大変だということで農林水産省のホームページを見てみたのですが、日本の農地でバイオマスを土壌に漉き込むだけで、380万㌧削減できるというデータがあるんですね。そうすると、環境配慮契約法で40万㌧、60万㌧減らすよりも、日本の農家全部でバイオマスをすき込んでもらった方が減るのではないかという気もしているのですが、この法律では政府系機関で温室効果ガスを減らすということが目的でございますので、努力をしなければいけないと座長としては考えているところであります。政府系機関はガソリン自動車は調達しない、電気自動車1本でやる等、そういうことをやらないとだめなのではないかと考えているところです。
 それでは今日の議事に入ります前に、事務局から本日の議事予定、配布資料の確認、検討会の公開等について説明をお願いします。

◇本日の議事予定

事務局:本日の会議は、16時までの2時間を予定しております。

◇配付資料の確認

事務局:次に配布資料の確認をさせていただきます。

配付資料

資料1  平成29年度環境配慮契約法基本方針検討会開催要領

資料2  平成29年度環境配慮契約法基本方針検討会委員名簿

資料3  平成29年度環境配慮契約法基本方針等の検討方針等(案)

資料4  電気の供給を受ける契約に係る検討内容等について(案)

資料5  平成29年度環境配慮契約法基本方針検討スケジュール(案)

参考資料 建築物の維持管理業務に係る環境配慮契約について

 このほか、環境配慮契約法基本方針関連資料の冊子をテーブルの上にお配りしております。なお基本方針関連資料には法律や基本方針、解説資料が盛り込まれておりますので適宜御参照ください。資料の不足等ありましたら、事務局までお申し付けください。
 続きまして、会議の公開等についての御説明をさせていただきます。

事務局:資料1「4.公開等」について説明(省略)。

山本座長:それでは早速議事に入らせていただきます。本日は、環境配慮契約法基本方針等の検討の進め方について、電力専門委員会の設置について、検討スケジュールについての3つの議題について御議論いただく予定であります。

2.議題

(1)環境配慮契約法基本方針の検討の進め方について

山本座長:それでは資料3を事務局より簡潔に御説明願います。

事務局:資料3について説明(省略)。

山本座長:ありがとうございました。野城先生、何か補足説明がございましたら。

野城委員:建築物に関する契約ということですが、赤司先生が担当されているESCOと私が担当しております設計等については、後ほど御紹介があるかもしれませんが、かなり件数も限られてきております。新しく作る、あるいは大きな改修工事をするということが前提になっておりますので、どうしても件数が少なくなってきております。それに対しまして、今御説明がございました建築物のオペレーションに関する削減可能性についてはまだスコープの外になっておりまして、これを環境配慮契約の中に入れることができないかということは検討に値するのではないかと思っておりまして、本日の御提案は大変素晴らしいと思っております。ある意味では、建物の新築を前提とした設計であるとか、あるいは大きな改修をするESCOというものが、例えは悪いですが、イトーヨーカドーという企業グループで大きなスーパーマーケットを作るようなものだとすると、このオペレーションの方は一つ一つは小さい単位ですから、セブンイレブンのような感じなのですが、それを足しますと圧倒的にセブンイレブン系の、要は各官署からのオペレーションの運用を改善していくことから出てくる削減量というのは、削減可能性としては非常に多いので、冒頭に山本座長がおっしゃいました、政府系機関の60万㌧という数字のそれなりの下支えをする対象になるのではないかと思っております。そういうことで、運用改善に関してデータを集めて解析をして、ムリ・ムダ・ムラを見つけて運用改善していくというような業務が、サービス業務としては民間では行われておりますけれども、まだ大きなマーケットにはなっておりません。数年前に経済産業省が、エネルギーのアグリゲーターということで、補助金を付けて市場に定着させようとしたのですが、なかなかうまくいかなかったということもございます。それだけに、政府系機関がこういったサービスを調達して、効果を上げていくということは、それなりの大きな効果を生んでいく可能性があるかと思いますので、ぜひ検討を始めることについて御賛同いただければと思います。

山本座長:ありがとうございました。それでは委員の先生全員に御意見をいただきたいと思いますので、秋鹿先生からきたんのない御意見をお願いしたいと思います。

秋鹿委員:秋鹿でございます。大学にいた時に、新しいものを作るといった時に環境配慮契約法をと言ったのですが、非常に準備状況が遅くて、十分検討されたとは言い難いようなものを作りました。私は外の委員会にいただけなのですが、そういう記憶があります。また件数も減ってきたということで、今ある建物の維持管理については、他の省エネ等々の設備とも関連するかと思いますけれども、ぜひ進めていただければと思います。よろしくお願いします。

赤司委員:先ほど野城先生に御説明いただいたとおりなのですが、建築物の運用管理、運用段階での維持管理によって省エネを図っていくということについて、我々専門分野ではわかっていることなのですが、一般にはあまり理解されていないことが多いと思います。その一つに、新築や大規模改修で省エネの建物を作るとその後もずっと省エネだという認識があると思います。実際はそうではなくて、きちんと適切な維持管理をしないとエネルギー消費はどんどん上がっていきますし、逆に適切に維持管理をしていくとエネルギー消費が下がるという、プラスとマイナスでエネルギー消費が大きく変わるということです。ここに切り込んで、省エネ、低炭素を進めていくというのは非常に大事です。海外では、国は運用段階で国の施設に対して省エネを進めていかなくてはいけないという法律のようなものがあると聞いています。国が民間に先駆けて事例をきちんと示していくというのは非常に大事なことだと私も思いますので、ぜひ進めていければと思っております。

大聖委員:自動車の購入等に係る件ですけれども、今非常に複雑な状況になってきていまして、2020年度から燃費基準の改定があるのですが、それとは別に国際基準に調和した、WLTCと言っていますが、乗用車等に係る試験モードが変わります。それによって燃費の表示は変わってきます。ですから、従来のテストの仕方、表記の仕方と新しいテスト法とその表記の仕方を並列して、オーバーラップして、ある期間実施されますので、その辺をどう考慮するかというのがポイントだと思っております。
 それから、建物の運用ということが、環境配慮契約法の守備範囲、趣旨から考えるとそぐわないような気もいたします。実質的な効果があって、それを推進する理由付けがいるような気がいたします。もし運用まで踏み込むのであれば、車ですとエコドライブの実施などがあるわけですが、今政府機関が保有している車がきちんとエコドライブをやっているかというのは、実施するのとしないのとでは10%、20%減るので、大きいと思っております。少し余計なことを申し上げましたが、以上です。

山本座長:私もお願いを。資料3の最後のところに「海外における国の率先的取組事例に係る情報収集」とあります。これは、以前から申し上げているのですが、ぜひ予算を確保して、海外の先進事例を収集していただきたいということをお願いしておきます。

田中委員:④の産業廃棄物の処理に係る契約について、「裾切り方式の運用に当たっての改善・見直しの必要性を検討する」と出ているのですが、こういう問題はどこから出たのかというのが一つあります。今は上手くいっていると思っていたのですが、裾切りプラス入札というやり方そのものが問題だと指摘されたのか。あるいは環境配慮の仕方で、廃棄物では物質回収型のリサイクルや再生利用などを環境配慮だと高く評価する場合と、CO2削減という観点から言えば、廃棄物のエネルギー利用ということでCO2を削減することをメインとするべきではないかという議論があります。小さな処理施設でエネルギー回収がなかなかできないものを、ある程度効率よく集めて、規模を大きくして、発電をして、化石燃料の消費の抑制に繋がるような処理をするというところに結び付けることになかなかできていないので、それを促進するようなことが課題ではあると私は思っています。その辺の、必要性がどこからきているのか、教えていただければと思います。

原委員:この検討会は今回初めてということで、実際に契約の実施状況等々について詳しくはないのですが、契約の実績を分析して、例えば進まないような状況がある場合には何が問題かというところはしっかりと分析していただいて、問題点について積極的に切り込んでいただきたいと思っております。
 また、今回の建築物の維持管理の運用について対象にするかどうかという検討については、私は賛成でございます。以上です。

山地委員:次の議題の電力専門委員会のところで申し上げればと思いますが、今の資料3で言えば3ページのところに書かれている5項目を今回は対応しようと思っています。この段階で申し上げると、①から⑤のうち④の非化石価値取引市場については、制度設計を今進めているところで、FIT電気の非化石価値証書をまずやろうということで、これは今年度やろうということになっていますが、まだ具体的に決まっていません。それを横にらみにしながら検討を進めていかなければと思っています。これは非化石価値証書という形になると思うのですが、これについては元々の本来はゼロエミッション電源比率というのをエネルギー供給構造高度化法に基づいて、2030年44%という目標を持っているわけで、その達成に使おうというのが本来の目的ですけれども、併せて排出係数の調整にも使われるということなので、我々の検討にも入ってくることになります。今年度に関してはFIT分ということになります。ついでに言うと、⑤のグリーンエネルギーCO2削減相当量認証については、グリーン電力証書があって、今までもそれを使えるようにはなっていたのですが、今回これを温対法に基づく電力のCO2排出係数に反映できるようになったものですから、それを取り込もうということでございます。詳しくは次の議題で話が出てくると思います。
 それから、資料3の2ページ目の3.基本方針等の改定検討のところの地球温暖化対策計画、それから政府実行計画の閣議決定が平成29年5月となっていますが、昨年ですよね。恐らくミスだと思います。以上です。

山本座長:事務局から説明できることは説明してください。

事務局(環境省):大聖委員からお話がございました自動車の関係について、今そういう状況だということはこちらも承知しております。別途グリーン購入法の中で検討していかなければならないということで考えておりますので、そこについては別途行っていければと考えております。
 建物の関係で、今日はあくまでも頭出しということで調べた結果などはお示ししておりませんので、今回の検討の中でこういった形で調べて進める場合にはという資料を第2回検討会で報告をさせていただく形になると思います。今のお話も含めて、実際のファクトなどを整理して、第2回検討会で御説明させていただきたいと考えております。
 田中委員からお話がございました廃棄物の関係でございますが、ここに記載されていなくて申し訳ないのですが、今の廃棄物の裾切り方式の中で電子マニフェストが評価項目の中に入ってございます。それが今度義務化となった時に配点の項目の見直しなどが今後出てくる可能性があるというところで、そこがいつからどうなるかというところを見極めなければならない状況でございます。現段階で、どういう形で進めていくかお示しできていなかったため、こういった表現になっているのですが、そういったところで記載をさせていただいているというところでございます。

山本座長:今の事務局の説明でよろしゅうございますか。資料3は今年度の検討方針について、その方向についての文章でございますので、お認めいただけるでしょうか。異議なしと認めます。資料3は御了承いただいたということにさせていただきます。

(2)電力専門委員会の設置について

山本座長:第2の議題の電力専門委員会の設置について、資料4が準備されておりますので、事務局より簡潔に御説明をお願いします。

事務局:資料4について説明(省略)

山本座長:ありがとうございました。電力改革と環境エネルギー政策の変化と大変複雑な状況になっていると思うのですが、山地先生からぜひ御発言をいただきたいと思います。

山地委員:先ほどの議題の時に少し先走って大分発言しましたので、付け加えることに関して申し上げたいと思います。山本先生がおっしゃったとおりで、電力システム改革、ガスも一緒にやっていますが、制度設計自体が今進行中なものですから、そことの時間的なタイミングの問題があるかなと思っています。今回一番問題になるのは非化石価値取引でありますけれども、それも今年度中に進行するのはFIT電気の分だということはわかっているのですが、それもいつぐらいのタイミングになるか。専門委員会の3回の検討の中でうまく取り込めるかどうか、まだ確たる自信がない、要するに我々では決められないことですので、そこは注意しながらやっていこうと。ただ、排出係数自体は時差がありますよね。リアルタイムではなくて過去の排出係数が実際は使われていくので、そこのところを考えながら現実的な対応を取っていきたいと思っております。
 その他の項目で言うと、未実施機関への対応については、状況とその理由の把握が必要であり、それと複数年契約も、これはある意味ずっと問題になってきていることなのですが、やはり状況を把握していく必要があります。
 問題になるとすれば、これもずっと議論しているのですが、裾切り方式でいくにしても地域ごとか全国一律か。これは参入状況が大分変わってきております。それも新電力の参入だけでなくて、旧一般電気事業者同士の相互参入も盛んになってきていますので、そこは実態を見て、専門委員会の委員の先生方の意見を広く聴取して対応を考えていきたいと思っております。
 グリーンエネルギー証書のCO2削減相当量に関しては、これは排出係数に反映できることになったので、これはそちらの方で統一していけるのではないかと思っていますが、もちろん委員会で議論します。
 メニュー別排出係数はもう少し見た方がよいかと思います。複数メニューを出せるとして、例えばゼロエミッションメニューを出してくると残りの部分にしわ寄せがいくわけですよね。政府機関がゼロの部分だけを買って、では日本国全体としてどうかというと、そういうメニューに需要が付くということで長期的な効果はあるかもしれないけれども、少なくとも残差の方にしわ寄せがいっているわけなので、どう考えたらよいのか。ここも専門委員会で検討したいと思います。現状申し上げられるのは以上です。

野城委員:私は不勉強で、非化石価値取引市場については知識がないのですが、この種の話では、この非化石価値をどう計測するかという物差しが、あるべき論というピュアな話と利害とがあるので大変だと思うのですが、このマーケットの仕組みを考えますと、国境を越えることもあり得るとすると、ここで考えていく物差しというのが国際的にコンパティブルかどうかというところが一つ課題になってくると思います。その点はどういうことになっているのでしょうか。

山地委員:非化石価値取引市場は国内のものだと思ってください。国内でエネルギー供給構造高度化法というものがありまして、小売をする電気事業者に、2030年にゼロエミッション電源、非化石電源の比率を44%にするという規制をかける。それも、2030年の手前に44%よりも緩いでしょうけれども規制がかかるかどうかもわかっていない。だけれども狙いはそこにある。まず国内です。しかも規制をかけるのは電力小売事業者です。小売事業者が自身の非化石で44%を出すのは難しいケースが多いので、非化石価値証書という証書を取引する。そうすると取引市場の中で枠が決められますから、価格付けがされるであろう。ところが、現在、非化石価値の規制はないので、現在始めてもこの規制に関しては価格が付かないであろう。現在始めてプレミア価格が付くとすれば、排出係数の削減の価値、これもFIT電気の場合には全国全電源平均係数で調整していくわけですけれども、それでも高いところの排出係数を下げられるわけです。そこで使われる可能性があります。そこで使われる一番明瞭なのが環境配慮契約法の世界、だからこれを考えましょうということです。国境を越えたバウンダリーというような大きな話には繋がらないと考えています。

野城委員:わかりました。この中の議題ではないですが、キャッピングというか規制がかかってくるとより意味を持ってくる市場ということですね。ありがとうございました。

原委員:電気の関係ですけれども、未実施機関への対応というところで、どういった点にそういう未実施機関があるのか、しっかり調査をしていただければと思います。
 質問なのですが、複数年、長期契約に対する対応ということで、これは既に長期契約があるので、新たに配慮契約をできないという観点なのか。それとも、新たに別途やる時に環境配慮契約が選択肢になっているという形なのか。それとも既存の契約の問題と考えればいいのでしょうか。

事務局:両方あり得ると思います。現状どうなっているかというと、例えば3年なり5年なりで契約されているケースがあって、毎年度排出係数なり再生可能エネルギーをどれくらい使っているかといったところで評価することになっているのですけれども、複数年の場合は3年に1度、5年に1度にしかならないということですので、そういったところをどうするかという問題が1点。それから、今後複数年の契約をされるというケースも当然あると思いますので、その場合についてどう対応するかということも議論になるかと思います。

原委員:わかりました。

田中委員:資料4の分野では専門ではないのですが、廃棄物の方で日頃から思っているところで、再生可能エネルギーで廃棄物発電というのが今注目されているのですが、御承知のように日本ではプラスチックの部分が非バイオマスということで、その部分を引いてバイオマスの部分だけが再生可能エネルギーとなっています。アメリカと比べますと、州によって違うのですが、廃棄物全体の発電を再生可能エネルギーとして、バイオマスと非バイオマスを区別しないところが数多くある。日本は、プラスチックが汚れて廃棄物になったものを燃やして発電したものは石油だと、化石燃料だということで、FIT制度には適用されず、FITの価格で購入されない。結果的には発電することが良くないことだというような評価で、物質回収の方に無理やりにやられている。これが何とかできないかというのが思いです。アメリカは州に独自性があるので違いがあるのですが、その結果日本ではどうしているかというと、毎月詳細な廃棄物の組成分析をやっています。可燃ごみの部分の繊維部分を除いた部分を、プラスチックと繊維の部分に分けて、繊維の部分はその比率で、それ以外の木材や紙だけをバイオマスとして評価されて、プラスチックは不当に低評価されているということで、廃棄物が発電に利用されないような力が働いているようなところが残念だと思います。

山本座長:田中先生の御指摘は私もごもっともと思うところがあるのですが、今プラスチックの問題は国際的にいろいろなことが指摘されていて、これはぜひ循環経済の方でもっと今年は議論していただきたい。公の報告書がたくさん出ておりますので、要するに地球が今プラスチック惑星になりつつあることや、このままいくと2050年には海の中のプラスチック総量が魚の総量を超えること、それからマイクロプラスチックの問題が大変に深刻だということが報告書に記載されています。ごみ問題については私も田中先生の御意見に賛同するのですが、トータルに物質循環の問題として、循環型社会、循環経済で広く議論していただいて、その結果として環境配慮契約のこともその一環として決めていただければよいかなと思います。

大聖委員:少し脱線してもよろしいですか。先ほど電気自動車が増えればよいというお話がありましたが、私もそう思うのですが、今原子力発電が止まっているのと、再生可能エネルギーが今一つ伸びていないものですから、化石起源のCO2が電力にはけっこうあります。自動車の方ではTank to Wheelといって、電池からそれ以降のカウントしかしていないものですからCO2はゼロというカウントなのですが、最近自動車メーカーによってはWell to Tankで考えるべきではないか、ライフサイクル的に考えるべきではないかという意見があります。私もそういう評価が必要だと思っているのですが、ところが今電気自動車の急速充電は30分くらいかかってしまいます。50kWの制限があります。それをCHAdeMO(チャデモ)というところで協議していまして、150kWにしようと。3倍にするんですね。もう少し先には350kWにしようという話があります。そうすると充電時間が数分で済むのですが、瞬間的には大電流が必要となる。それをマネージするところまで誰もまだ考えていないものですから、台数が増えると必ずこの問題が出てくると思います。50kWで2万台のEVが普及すると、原発1基分になります。電池の問題も、私は性能的にはまだ不十分だと思っておりますので、2030年に向けてまだまだ問題があると思っています。

山本座長:大聖先生はガソリン自動車に郷愁があるのでは。

大聖委員:そんなことはありません。電気自動車もメーカーと一緒に何台も作りましたし、バスも作りました。

山本座長:最近の新聞の論調を見ていると、日本は電気自動車で相当後れを取ったのではないかという指摘がございますね。

大聖委員:そうですね。一番大きいのは、バッテリーで韓国製に後塵を拝している。パナソニックだけ1社、頑張っているのですが、それ以外は値段で勝負されると負けてしまう。そういう状況だと思いますけれども、やればそれほど難しい話ではないと思います。

赤司委員:電力の供給側は私も専門から外れるのでよくわからないのですが、先ほどから出ている非化石価値取引市場について、この市場、あるいは証書があることで需要側にも再生可能エネルギーが導入されやすくなるということになるのでしょうか。最近では、建築民生部門の低炭素化、さらには脱炭素化を目指さなければと言われています。今ESG投資等がいろいろ言われていますが、証書化することによって価値を生んで、再生可能エネルギーを買うようになるということでしょうか。

事務局:買いやすくなるということです。

赤司委員:買いやすくなって、あくまでも供給側に再生可能エネルギーが普及するという意味でしょうか。

事務局:非化石の市場は、いわゆる電気そのものの価値と再生可能エネルギーの価値を分けるということで、分けた再生可能エネルギー、再生可能エネルギーですとゼロエミッション、CO2を出さない電気ということになって、ユーザーがというよりエンドユーザーがと考えた方がよいのかもしれませんけれども、ゼロエミッション、CO2を出さない電気が欲しいとなった時は証書の形。今グリーン電力証書というのがございまして、同じような形でやっておりますけれども、うちの買ってきた電気はCO2の排出がないものなので、これでつけた電気や使った電力はゼロということで使えますので、ユーザーが買いたくなるというか、そういう電気を欲するということになれば、再生可能エネルギーあるいは非化石の電気が普及していくためのインセンティブになる。もちろんそこにはある程度の価値が、非化石なのでゼロエミッションの価値というものが値段的にも高くなるということになれば、そういう形で普及が進んでいくのではないかということです。長期的にみれば、そういったところで再生可能エネルギーの導入促進につながるだろうと考えられると思います。短期的にはこれから状況を見ていかなければいけないと思っております。

山地委員:非化石価値証書だけではなく、もう少し一般的に言うと、カーボンプライシングといわれるものに類似しているものだと思います。例えば、非化石証書が、プレミアムが付いて、証書価値として1kWh当たり1円から2円付くとすれば、今1kWhの電気で大体500gのCO2ですから、もし1kWh当たり2円付けば 、CO2が1kgで4円、1㌧で4,000円ということですね。カーボンプライシングの一つの指標にはなるかなと思います。それが一般的にどうかというと、これは電力の世界ですよね、他の一般のカーボンプライシングに比べて高い、低いといった議論ができるきっかけにはなると思います。

秋鹿委員:私は今たまたま内閣府のSIPでエネルギーキャリアの担当をしていますので、その立場でもあるということで御了承いただきたいと思います。私はこの環境配慮契約法に初期の頃から参画していて、最初はいわゆる省エネ法で、トップランナーで扱ったような商品をたくさん導入するというような部門で大分成果を上げてきたと思います。省エネ法でエネルギー変換機器の効率が良くなるということは、言ってみればWin-Winの関係で省エネ製品を使えば安くもなるということで、非常にこれが上手く進んできたのですが、いよいよその時代は終わって、エネルギーそのものに来たわけです。電力の委員会がまさにそういうところだと思うのですが、そうするとエネルギーそのものがCO2をどれくらい使ったかということで決まってしまうので、CO2フリーにしようと思うと価格が高くなるので、どうしてもトレードオフの関係になってしまって、非常に大きな壁があるわけですね。まさに今そういう時代に来たのですが、それを乗り越えないとこれは進まないであろうと。とすれば、環境省で検討されている、あるいは電力専門委員会で検討されているようなカーボンプライシングというか、炭素の価格トレードをしたり、あるいはタックスにしたりしないということをしないと絶対に進まないと思うんですね。あるいはそういうインセンティブを作れば、だんだん変化してくるかもしれない。ということがあるので、やはりこの部分についてたくさんデータを出して、どうしていったらよいかということを、どこの部分で国民が納得するか、業界が納得するかということだと思いますので、この数年は大事な時期に来ているので頑張らなければいけないという気はします。政府もおそらく12月に新しいエネルギーの基本方針、基本方針の改革を目指していると聞いております。それに合わせて、そこに環境省の御提案のあったような、例えばカーボンプライシングの委員会がある程度結論を出したものが盛り込めれば一番よいと思うのですが、やはり前とは違う局面に来ているということが、新しいエネルギー政策の中にぜひとも入って欲しいというのが一般的な思いです。
 一方具体的に、92年からWE-NET等々で水素エネルギーキャリアというのをやってきたのですが、世界中の余った安い電力ができた場合、それを水素に変えて運んできたらいいだろうと。その水素を液体水素にしてもいいし、当時はメタノールにしてもいいし、アンモニアにしてもいいし、MCHにしてもいいというようなことがあって、長いこと研究されてきたのですが、液体水素、MCHは成功してきたのですが、昨今アンモニアの利用が非常に上手く研究開発で行われてきて、これは私どものグループが発信しているのですが、エネルギー経済研究所等々のレポートもありますけれども、一番近い実現性ができるのではないかと試算されてきています。どういうことかと言いますと、今年の1月20日に電力中央研究所でプレス発表したのですが、微粉炭燃焼に20%までアンモニアを混ぜて燃やすことができて、等価のエネルギーを出して石炭を20%減らしても、NOXがまったく変化しないということで、アンモニアが代替になり得るというプレス発表がございました。これもSIPの一つの成果なのですが、それを受けて今年の7月5日に中部電力が、1ギガ近い発電所、微粉炭の燃焼装置なのですが、そこの0.6%、1週間アンモニアを加えて燃焼することに成功して、最後は1%までいったのですが、NOXも増えない、コントロールできる。今アンモニアを燃やしてもCO2はまったく出ませんから、それだけをカウントすれば、微粉炭燃焼に20%アンモニアを加えれば国内のCO2が4%減るだろうと試算されていますけれども、本当はもし海外からアンモニアを持ってくるとしたら、その持ってきたところでどれくらいCO2を出して作っているのかということが問題になるわけで、日本でこういうものを使う可能性があるということですね。実はSIPのグループが東欧の国際的な機関と研究会を始めています。国が3つか4つ、世界企業が5つくらいです。そういうところが、CO2フリー、CO2レスのアンモニアを出すことができるという検討を始めています。これも少しずつディスクローズされてくると思うのですが、そうやって少しずつ、もしかしたらCO2がなくて安い電力ができるかもしれない。現在のところの試算では、LNG火力と比べて、国内のカーボンプライシングをトンあたり1万円と試算すると、20%混ぜた場合にとんとんになるくらいということで、やはりカーボンプライシングの力を借りなければ互角には戦えない状況なのですけれども、やはりきちんと経済合理性の中で回るような、あるいは大きなインフラがありますので、そのインフラの計画が極端に変わるようなことがなく、少しずつ変化するような状況を作り出していかなければいけない。非常に複雑なシステムを経て、これから実現してくると思うのですが、そういう新しい流れもありますので、そういうことを見据えながら、環境省もいろいろなスタンダードな基準を作っていただきたいと思います。例えば、昨年度からお願いしていましたけれども、再生可能エネルギー電力のカーボンフットプリントの委員会が立ち上がりつつあるというのをホームページで知っておりますし、それからいろいろな新しい産業の中のCO2排出量のデータも環境省のホームページに出てくるようになって、大分進んできていると思うのですが、こういうところでこの先動きがあるようなところを見据えて、分科会を作って、国民にスタンダード、どのようにカーボンフットプリントを考えていったらいいかということを提供して、議論の中心になっていっていただければと思っております。

山本座長:ありがとうございました。今先生方の御意見を伺って私が思ったのは、地球温暖化の進行で既に実害が表れているわけですよね。九州北部豪雨では福岡県で9時間で700ミリ雨が降ったとか、大変な状況になっていて、毎年のように九州が豪雨に襲われているとか。そうすると激甚災害に指定して税金で助ける。あるいは保険会社は保険料を上げざるを得ないということになってくると、そういう温暖化適応の財源をどこに求めるかということになってくると思うんですね。ですからカーボンプライシングは一般財源として考えざるを得ないところまで来ているのではないかと思います。この委員会で議論することではございませんけれども、先ほどの秋鹿先生のご指摘のように、Win-Winの関係が終わって、強引に我々は脱炭素化というか温室効果ガスを減らさなければいけないというところに来ておりますので、全力を上げてやらなければいけないということでございます。

野城委員:先生方の御発言を聞いて二つだけノートとして留めていただけたらと思うのですが、一つは自動車の件でございますけれども、霞が関や中央官舎は無理だと思いますが、先ほどから挙がっている電気自動車のことを考えますと、一番素直なのはPVと電気自動車をセットで地方官舎で買っていただいて、2、3階建の建物にPVが乗っていて、そこでインフラを入れずにEV車の充電をして使っていただくという、セットみたいなものにすると、量としては少ないですがデモンストレーションの効果があると思います。
 先ほど山地先生に御説明していただきましたが、日本のバイオマスはかなり海外のバイオマスで安定的な稼働をされているということなのですが、日本のバイオマスを使っていこうとすると、広く薄く存在していますので、混焼と言いましょうか、生活の廃油と木くずなどを一緒に混焼するとか。あるいは先ほど田中先生から御指摘があった廃プラも一緒にということで、今はそういう技術がありませんけれども、将来的には混焼することによって利用していこうという方向性もあると思います。その時に按分するなりカウントするのかということもありますけれども、そういう技術が出てきた時にはぜひ使えるという観点から使い勝手のいいように、電気等についても御検討いただけるとありがたいと思います。以上でございます。

山本座長:大変貴重な御指摘ありがとうございました。それでは資料4はお認めしていただいたということにさせていただきます。

(3)検討スケジュールについて

山本座長:スケジュールの説明をしてください。

事務局:資料5について説明(省略)

山本座長:ただ今の説明について、御質問、御意見等ございますか。議題はこれで全部終わったわけですが、その他何か御発言等ございましたら。よろしゅうございますか。
 本日御発言いただけなかった点や、新たな提案等がございましたら、後ほどでもけっこうですので、事務局までお願いしたいと思います。それでは本日の環境配慮契約法基本方針検討会はこれで終了いたします、ありがとうございました。

以上

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