平成27年度環境配慮契約法基本方針検討会(第3回) 議事録

日時

平成28年1月20日(水)15時00分~16時20分

場所

経済産業省別館310会議室

出席者

出席委員:秋鹿委員、赤司委員、鈴木委員、大聖委員、田中委員、野城委員、山地委員、 山本委員(座長)
欠席委員:藤野委員

(五十音順、敬称略)

議事録

事務局:本日はお忙しいところご参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただ今から平成27年度「第3回環境配慮契約法基本方針検討会」を開催いたします。
写真撮影等につきましては配布資料の確認までとさせていただきます。それでは早速ですが、以降の議事進行は山本座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

山本座長:みなさん、こんにちは。みなさんもご承知だと思いますが、この年末年始、私の関心を惹く2つニュースがありました。ひとつは年末に異常低気圧が北極圏を襲い、12月30日には半日くらい北極点の気温が0℃を越えたというニュースがネットで全世界を駆け巡りまして、衝撃的であったわけです。
もうひとつ、これはまだあまり騒がれておりませんが、1月14日に「ネイチャー」にドイツのシェルフーマーのグループの論文が掲載されました。今まで次の氷河期がいつ来るかについてはたくさん論文がありましたけれども、私はこれがほとんどとどめの論文だと思っています。要するに空気中のCO2が炭素換算すると500Gt(ギガトン)、ですからCO2になおすと1兆8,000億㌧程度あり、それくらいあるともう氷河期になれない。つまり中緯度地方で夏に軌道が遠方に外れると太陽光が弱くなりますが、その時に空気中にCO2が大体240ppmあると、それで温暖化をさせてしまって、氷河の成長を阻んでしまう。つまり臨界点がCO2で500Gtだということがこの論文で主張されて、つじつまがあって、過去の氷河期、間氷期がちゃんと説明できるということです。そうすると、産業革命以前は280ppmですから、わずかに500Gtを上回っていたわけです。だから、かろうじて産業革命の直前に地球は氷河期に入ることを免れていたと。ところが今400ppmまで増やしてしまって、もう少なくても5万年以上、CO2をこれからも放出し続けると10万年も次の氷河期が来ないということです。これが科学的な結論で、氷河期が来ないのは結構なのですが、困ったのは1.5℃ターゲット、2℃ターゲットをもうあと数十年で突破してしまうというところまで、我々の地球の気候状態がきていることです。この論文は改めて人間がジオロジカルフォース、地理学的な力になっている、つまり地球の表面を変えつつあるということを証明しているということで、今いろいろなところで引用されております。
パリ協定が締結され、死にもの狂いで温室効果ガスの削減をやらなければならないというのが国際社会の世論になっているわけでありますが、このグリーン契約法はまさに温室効果ガス削減を目標にした法律でありますので、来年度は電力をどのようにグリーン調達するかということが非常に大きなテーマになる、ならざるを得ないと感じております。
それでは事務局から本日の議事予定、配布資料の確認をお願いしたいと思います。

 

◇本日の議事予定

事務局:本日の会議は、17時までの2時間を予定しております。

◇配布資料の確認

事務局:続きまして資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第に配布資料の一覧がございます。

【配付資料】

資料1  平成27年度環境配慮契約法基本方針検討会委員名簿

資料2  電気の供給を受ける契約による環境負荷低減効果の試算(案)

資料3  平成28年度における検討方針・課題(案)

資料4  平成27年度環境配慮契約基本方針検討スケジュール(案)

参考1  産業廃棄物の処理に係る契約に関連する参考指標の検討

参考2  国及び独立行政法人等における環境配慮契約の締結実績及び取組状況等について【第2回検討会提出資料】

参考3  環境配慮契約による環境負荷低減効果の試算について(案)【第2回検討会提出資料抜粋】

このほかメインテーブルのみでございますけれども、環境配慮契約法の基本方針関連資料の冊子をお配りしてございます。こちらは毎回のご案内ですが、お帰りの際にご不要でございましたら、机上に置いたままご退席いただければ幸いでございます。
資料は以上でございますけれども、不足等ございましたら事務局までお申し付け下さい。
すでにご案内のとおりですが、本検討会の資料および議事録は、座長の承認を得た上で、環境省のホームページで公開いたします。資料の確認等は以上です。

議  題

山本座長:それでは早速ですが議事に入ります。議事が2つありまして、ひとつは取組状況、それから環境負荷の低減効果、これが第1の議題で、第2の議題は平成28年度における検討方針・課題について、この2つであります。

(1)国及び独立行政法人等における環境配慮契約の取組状況及び環境負荷低減効果等について

山本座長:今日は所用のため早退される先生もいらっしゃいますので、議事はなるべく早く、簡潔に進めたいと思います。まず、参考1の産廃の処理に関する契約の関連指標の検討からご説明をお願いしたいと思います。

事務局:参考1について説明(省略)

山本座長:今新聞等で報道されている愛知県の産廃業者は、この優良認定業者に認定されていないですよね。確認されていますか。

事務局:すみません。まだ確認はしていませんが、わかる範囲で確認いたします。

山本座長:参考1をご説明いただいたわけですが、田中先生、何かコメントはいかがですか。

田中委員:ありがとうございます。山本先生がおっしゃった、CoCo壱番屋の廃棄物を受け取ったダイコーという産廃処理業者の横流し事件、基本的にはマニフェストで、どこに持って行って処理をするかを追跡するシステムがあるのですが、それがどうだったのかというのがありますし、実際に処理を委託する排出業者がちゃんと処理しているところを確認するとか排出者の責任もあります。物を大切にするというのはいいのですが、処理、処分、廃棄を依頼されてこのように虚偽の横流しは、非常に産業廃棄物業界全体に悪いイメージをもたらしたと思っていて、不幸な事件だと思っております。
このような産廃処理業者と契約をしないで、きちんと適正な処理をする業者を選ぶということで環境配慮契約法の効果には期待しているわけです。参考1の説明では、どのようにCO2を算定するか、それができるのか、という点に興味があるところなのですが、表1の下の方の環境配慮の取組というのは、ISO14001あるいはエコアクション21のどちらかの認証を取るということですよね。エコアクション21の方はCO2の削減目標を作って、それを報告するということなので、そのCO2の算定の仕方が業者によってまちまちではないかというのがちょっと気になって、どういう方法で算定して、その信憑性はどうか、といったところを検証したいと個人的には思います。
CO2の削減という目的で契約法はあるのですが、廃棄物の分野ではやはり、今回の愛知県のような産廃問題が起こらないように、不法投棄をしない、適正な処理をする業者を選びたい。ある日突然こういう新聞記事によって、排出事業者の契約がおかしいとか、現地を確認できなかったということが明るみに出る。こうしたことを一番なくしたいのが目標になっていますが、その辺の実質的な目的と、CO2を削減するというところをどう関連付けられるかが重要だと思います。例えば、CO2の削減をしていますとPRをしているが、それはエコカーを使っているとかエコドライブをしているからCO2が減っているという形だけではなく、環境配慮する業者の廃棄物の処理にどう関連付けられるかというのが重要ではないかと思っています。

山本座長:ありがとうございました。その他、先生方から何かコメントはございますか。よろしいですか。それでは、環境負荷低減効果、CO2の排出量をどれくらい削減したかということは前回もご報告があったわけですが、さらに試算結果が更新されておりますので、資料2、参考3を事務局から簡潔にご説明下さい。

事務局:今調べました範囲では、ダイコーは優良産廃認定を取っていないようです。

事務局:資料2について説明(省略)

山本座長:ありがとうございました。先生方からご質問あるいはコメントはございますか。
要するに、グリーン契約法の意義あるいは効果は明確だけれども、削減量については若干計算方式によって差が出ているということで、60万㌧減ったというとちょっと言い過ぎだということなのですが、20万㌧か30万㌧減っているというのが真実の値に近いのではないかということだと思うのです。
特にないようでしたら、来年度の議論にいきたいと思います。

(2)平成28年度における検討方針・課題について

山本座長:それでは、平成28年度における検討方針・課題について、を議題にしたいと思います。資料3の説明を簡潔にお願いしたいと思います。

事務局:資料3について説明(省略)

山本座長:ご説明ありがとうございました。大聖先生が所用のため早目に退席されるということを伺っておりますので、まず自動車についてご発言いただきたいと思います。

大聖委員:地方公共団体への普及啓発、環境配慮契約の採用を促すような取組が必要だと思います。国と独立行政法人だけですと、やはり限られてしまうわけですから。
それからもうひとつは、実際の削減効果ということになると、これは面倒な点もありますけれども、実際に年間走行距離がどの程度なのかという把握も必要ではないでしょうか。ちょっと難しいお話かもしれませんけれども、それくらいは、こういう公的なところでは記録を取っておくべきで、そういうことを促すような取組を進めていただければと思います。以上です。

山本座長:今の事務局の資料3のご説明ですと、電力の小売りの自由化に伴って改定を考えなければいけないということで、電力専門委員会が3回開催されるということが提案されておりますが、これは山地先生いかがでしょうか。

山地委員:今事務局から丁寧に説明していただいたとおりで、50kW未満の小口を含めて全面自由化になるということです。環境配慮契約法が対象としているものにどれくらい影響があるか、まだ十分に読めない状況です。ただ、それとともに従来の自由化範囲のところでも電力会社がエリアを越えて相互参入をし始めていますから、いずれにしても地域ごとの裾切りの話というのは検討する必要があると思います。ただ、4月からの開始に向けて、いろいろなメニューが出されていますが、たぶんそのうち消えたりするものもあると思います。このタイミングでの3回の検討で本当に長期に安定的な取組ができるかどうかについては、自信がないのですが、いずれにしてもやらなくてはいけないことは事実だと思います。
それからPWR(加圧水型軽水炉)を中心に原子力の再稼働が進んできますので、今後は排出係数も大きな変化が起こると思います。そのあたりの状況を踏まえる必要があると思っております。
地方公共団体においても、50kW未満が自由化になると対象となる案件が増えるかもしれないと思っているので、自動車と同じく電力についても地方公共団体の取組の推進が必要になってくるという認識はしております。
今思いつくのは以上なのですが、蓋を開けてみないとなかなかわからないという感じがしております。ただし、事業者の数はすごく増えているのですが、環境配慮契約の入札に参入する事業者がどれくらいあるかというと、それほどでもないという感じはしています。

山本座長:電力小売り自由化のパブリックコメントはもう終わったのですか。案が提示されて、パブリックコメントをやっていましたよね。

山地委員:私は審議会で電力システム改革には関係していなくて、今私が関係しているものでパブリックコメントをやっているのは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の運用見直しに関するものです。今国会に改正法の法案を出そうとしているのですが、それに関するパブリックコメントは今やっています。

山本座長:FITの扱いはどういうふうにされるのですか。

山地委員:FITの扱いは、現在は電力会社が買い取りを行っていますが、今度法律改正になると送配電事業者が買い取ることになります。FIT制度で電気事業者が負担する費用というのは回避可能費用という通常の電気としての価値に相当するコストのみで、それを上回る買い取り価格の部分は賦課金として電力消費者が、減免の話は別途あるのですが、原則として均等に負担するものです。FITで導入される再生可能エネルギーによって電力のCO2排出係数は下がるのですが、その環境の価値自体はすでに消費者のところに均等配分済みだということで、電力会社間では差を付けないということになっています。排出係数もそういうことで調整して計算することになっています。近く今年度の排出係数の委員会が始まるのですが、FITに関しては、電力会社の排出係数に反映する時に均等に反映するということでやってきましたが、今後もそうなると思っています。

事務局:パブリックコメントですと、小売電気事業者のガイドライン(電力の小売営業に関する指針)案が公表されていたと思うのですが、例えば電力の電源構成を事業者が示すことを推奨するといった内容であったと記憶しています。

山本座長:電力の品質の情報を公表して欲しいと、グリーン購入ネットワークから意見書を提出しているはずです。
今日はここのところが一番重要な議題でございますので、先生方から全員ご意見を頂戴したいのですが、野城先生から。

野城委員:全体の内容につきまして、よろしいかと思います。私の担当の建物関係で言いますと、赤司先生のご担当のところと重なるのですが、既存の建物のエネルギーの運用上の削減策みたいなものを、この中にそろそろ視野として入れてきた方がよろしいのではないかと思います。来年度は既存の建築ストックの運用改善ということをテーマとして検討するくらいはどこかに入れていただけると良いのではないかと思います。以上でございます。

山本座長:野城先生、国土交通省は環境不動産に関するいろいろな促進を今議論されていますよね。それと絡むような話はございませんか。

野城委員:当然あると思います。例えば民間建物、どちらかというと不動産の取引でグリーンあるいはサステナブルと言われているものが、むしろ付加価値を持って流通していくといったようなことによって、冒頭に委員長がおっしゃったような課題に対して、直接的に効果が出ていくということでございます。それで大事な点は、わかりやすいベンチマークを作るということで、これは前回から申し上げていますように、カーボンメトリックということで、建物が年間に何㌧のCO2を出しているかという総量を、民間取引では参考に表示していくということです。また、公共の建物でも年間で何㌧、あるいはインテンスでいけば㎡あたり何㌧のCO2を出しているかということを表示していくと、民間、公共を含めて、共通のコンセンサスが取れますし、また同種建物、特に公共建築ですとカーボン・インテンシティが高いのではないかとか、カーボンメトリックが大きすぎるのではないかといったベンチマークによる比較もできますので、そういうようなことをまずはやって、外堀を埋めていくのが結構ではないかと思います。

山本座長:カーボンメトリックというのは、国土交通省は何かやっているのですか。

野城委員:いえ。国際規格ができて、私はコモン・カーボン・メトリックの検討を行っております。CASBEEを初めとした環境のレーティングや、あるいは国土交通省が作りましたエネルギーのパフォーマンスを決める指標がございまして、これはこれでプロが使う指標として意味があるのですが、若干技術的な知識が必要となりますので、全建物でそれを使うのはなかなか難しいと思います。
カーボンメトリックの方は、東京電力、東京ガスなどからの請求書に示された使用量と合意された排出係数があれば誰でも計算できる仕様ですので、その2頭立てでのボトムラインで、建物について、カーボンメトリックを悉皆的に示していくとよいと思います。必ずそれくらいは計算できるわけなので、それを表示していくということから始めていくと運用改善の外堀が埋まっていくのではないかと思います。

山本座長:それはいいですね。では田中先生。

田中委員:資料3の4ページに産業廃棄物処理の契約のことが書かれています。平成25年度、26年度と27年度の3年間の実績が調査されるわけですので、来年度は環境配慮契約実施率が急速に増加して100%に近くなることを期待しております。興味を持って見ていきたいと思っています。
産業廃棄物業界は、優良産廃認定を取ったら何もメリットがないとずっと言ってきたので、優良産廃認定の業者になったら環境配慮契約法に基づく契約に参入できて、仕事が増えて、良かったと評価されているのかどうかというのがあります。
追加するテーマに、スポット的に廃棄物が出てきて契約する単発と、医療廃棄物のように定常的に病院から毎月何㌧程度出るというのを継続的に1年間契約、あるいは3年契約とか、そういうような契約の内容のそれぞれのメリットもわかればいいなと思います。
それに加えてコスト。安かろう悪かろう、不適正処理、というふうにつながるので、優良な産廃処理業者がきちんとやるから、その分だけコストが上がっても仕事が取れるようにという期待があるのですが、そうなっているのかどうか。こういう環境配慮の契約をすることによって、より適正な処理がされて、コストが上がってもよい業者と契約でき、より適正な処理が行われるといったことが分かると、いろいろ制度を導入したことによる効果がわかると思っています。
最後のところに記載のある環境配慮契約の効果について、今はCO2の算定というのがあるのですが、CO2の削減以外に効果を評価できるような指標としてどんなものがあるか、そういうものを調べられないか。それから産廃処理業者で優良産廃認定制度に参入した人たちからの不満や問題点を指摘してもらって、環境配慮契約法の運用の改善につながればよいと思いました。以上です。

山本座長:ありがとうございます。では鈴木先生。

鈴木委員:資料2について、地方公共団体の場合と異なり特に対象となる機関が国や独立行政法人については、未実施の理由を把握するだけではなくて、その理由に妥当性があるのかという評価をしていただくということをお願いしたいと思います。自動車のリースの場合は触れられているのですが、自動車だけではなく、すべての契約類型について、未実施の理由とその妥当性について把握して欲しい。これは事務局の方でも人手不足などで大変かもしれませんが、その点をお願いしたいと思います。

山本座長:赤司先生。

赤司委員:先ほど野城先生から大分ご意見をいただいたので、あまり私の方からはないのですが、私の担当は省エネ改修事業ということで、先ほどの説明の5ページのところで、海外は官公庁が率先して省エネに関して、いろいろなことをやっているということで、海外のことを調べたらどうですかと前回申し上げました。そこで質問なのですが、例えば、省エネ改修についてESCO事業を使ってフィージビリティスタディすると、導入可能性があるものもあるけれども、実際には導入可能性があるものは少ないということで、そうであるならば、次の手を打ち出すようなことを次年度の基本方針の中に入れるようなことを考えなければいけないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
先ほどカーボンメトリックの話がありましたし、やや専門的だという話はおそらくBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)のことなのではないかと思うのですが、そういったラベリング制度が他省でもだんだんと活発になっています。新築の場合は、2017年から、ある一定の性能を確保しないと建築してはいけないという形で省エネ性能について強い義務化が始まりますが、これと並行して、任意ですがラベリング制度があり、クリアしている度合いでこの建物は星1つ、この建物は省エネ性が高いので星5つというものが表示されることになっています。そのラベリング制度は新築だけでなく既存改修も適用可能になっていますので、例えば国や独立行政法人の建物は必ずラベルを取るとか、そういうようなことをやると、相当な省エネを意識してやらなければいけないというようなことがあるかと思います。
CASBEEの話もありましたが、米国では官公庁は必ずLEEDを取るということが義務化されています。そうするとLEEDの中で省エネの項目というのはけっこう大きなウエイトがあって、省エネというのはCO2排出を削減することにつながりますので自然と省エネになる。日本のCASBEEも省エネ新法の動きに合わせて改定を進めていますけれども、そういうようないろいろな手を総合的に組み合わせて考えた方がいいのではないかと思います。以上です。

山本座長:では秋鹿先生。

秋鹿委員:来年度COP21の余波といいますか、世界中で何とかしなくてはいけないという流れがあるということと、それから電力自由化もあるということで、次年度は問題先送りではなくて少しずつ片づけていかないと、日本がCOP21で約束したことが達成できないので、できるだけのことをやっていかないといけないと思っております。
電力の目標、「電気事業における低炭素社会実行計画」で2030年度に0.37Kg-CO2/kWh程度を目指すということはかなり大変なことではないかと思うので、こういうことができるくらいのことをするにはどうしていったらいいか。電力会社はしっかりしたインフラを持っているので、なかなかそれを変えていくというのは大変なことだと思いますし、そうでありながらやはり再生可能エネルギー等々を導入していかないとと思っています。
環境省の方にお聞きしたいのは、確かホームページで再生可能エネルギーの排出係数の委員会が今年3月末までにできるのでしょうか。今年度中に何か結論を出すのか、来年度なのか、なかなか大変な作業ではないかと思うのですが、これがどういうふうに決まるのかなと。NEDO等の資料はありますけれども、風力だったらどのくらいとか、ソーラーだったらどのくらいというふうに決めるのか、それとも細かい条件がいろいろ付くのか。もちろん技術的な問題があると思うのですが、それを系統に入れていくための技術等もそれなりに課題ができれば発達していくと思います。そういうものを「見える化」して、この環境配慮契約法もできるだけ先取りと言いますか、同時進行しながら、そういう動きを加速するようなことにもなればいいのではないかと思います。今年はかなり電力が重要な年になってくるのではないかと思いますので、期待しております。

山本座長:ありがとうございました。事務局から。

環境省:政府の実行計画等につきましては、この春までに策定ということで作業を進めていくことになります。

秋鹿委員:もちろん電力会社は自分で計算して、排出量を出してやっておられると思うのですが、そういうことも含めて国民が見える化というか、そういう検討に参加したいということが大事なのではないかと思います。

環境省:ありがとうございます。ご意見承りました。

山本座長:先生方よろしゅうございますか。その他にご意見がございましたら。

山地委員:まず排出係数に関しては温対法のもとで報告しなければいけないので、電力会社の排出係数の計算を今までもしています。その中でFITができてどうするかというのは先ほど申し上げたとおりで、それは今までもやってきていることであります。
私が想像するに、電力が自由化になって、いろいろな料金メニューが事業者から出されるので、消費者が選択する時に電源構成を表示しろという、これは結局義務付けではなくなったと思うのですが、どちらかというとポジティブに評価してエンカレッジするというような方向で議論が進んでいると思います。その時にもFITの電気については、環境価値はすでに消費者に配分されているので、それは再生可能エネルギー、グリーンな電気というのではなくて、FIT電気という特別なカテゴリで表示するということで話が進んでいると思います。FIT以外で調達した太陽光とか風力とかの再生可能エネルギーは、基本的にはCO2ゼロで計算することになると思います。

山本座長:ありがとうございます。先生方よろしゅうございますか。それでは資料3はご承認いただいたということで、資料4、平成27年度の基本方針検討スケジュールをご説明下さい。

(3)その他

事務局:資料4説明(省略)

山本座長:ありがとうございました。それでは最後に奥山課長からご挨拶をいただきたいと思います。

環境省(奥山課長):環境経済課長奥山でございます。本日はどうもありがとうございました。また本年度これまで3回に渡りましてご審議いただきまして、ご意見、ご指摘をいただきました。いただいたものをこちらできちんと吟味させていただきまして、環境配慮契約の推進というところでさらに邁進してまいりたいと思います。
来年度のことでございますけれども、冒頭の山本座長のご挨拶に尽きているかと思っております。パリ協定ですべての国が等しく参加する枠組みができて、日本がその中できちんと、しっかりと取組を進めていかなくてはいけないという中で、この環境配慮契約の中でやらなければいけないこと、非常に大きいものだと我々思っております。電力の話もそうでございますし、建築物の話もそうでございますし、自動車の話もそうでございますし、来年度は課題が山積だと改めて感じているところでございます。
今年度まだ少し残っておりますので、その中できちんと今いただいたものを整理いたしまして、来年度の検討に備えられるように我々としてもきちんと準備をしてまいりたいと思いますので、来年度また引き続きよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。

山本座長:先生方よろしゅうございますか。それではこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上