平成24年度 環境配慮契約法基本方針検討会(第1回) 議事録

出席委員:
秋鹿委員、碓井委員、乙間委員、坂本委員、鈴木委員、田中委員、野城委員、 山地委員、山本委員(座長)
欠席委員:
大聖委員 (五十音順、敬称略)

1.日時

平成24年7月12日(木)14時~16時

2.場所

中央合同庁舎第7号館13階 共用会議室1320室


事務局: 本日はお忙しいところ、ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、これより平成24年度第1回「環境配慮契約法基本方針検討会」を開催いたします。
会議に先立ちまして、環境省総合環境政策局環境経済課正田課長よりご挨拶申し上げます。

環境省(正田課長): ご紹介いただきました環境省環境経済課の正田でございます。大変お忙しい中、各委員の先生方におかれましては、今年度第1回の検討会にご出席たまわりまして誠にありがとうございます。また併せまして日頃より環境行政に多大なるご理解、ご協力をいただいておりますことに御礼を申し上げます。環境配慮契約法でありますが、この法律は平成19年5月に制定されまして、同年11月から施行されたものでございます。当初の基本方針作成から山本先生始め、各委員の皆様にご指導をたまわってきたところでございます。もとより環境配慮契約法は、価格だけではなく、環境負荷にも配慮した契約を進めていこうということで、直接の効果は、調達機関である公共機関、国の環境負荷低減ということでございますが、さらにそれが技術開発や民間への発注という形で社会全体の環境配慮が深く浸透するように役立っていけるものと、私どもも取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
本年度については、後ほど事務局からご説明を申し上げますが、一つ、昨年度から検討を始めてございます新しい契約類型について、産業廃棄物の処理に取り組んでいるところでございます。これにつきましては、できるだけ本年度に結論を得られるように、私どもは取組を進めてまいりたいと思っておりますので、ご指導をたまわりますようお願い申し上げます。
また電力につきましても併せまして、ご承知のとおり再生可能エネルギーの固定価格買取制度、いわゆるFITでございますが、この制度が開始されまして、これに伴いましてRPS法が廃止されるということになってございます。その中で現在は、裾切り方式ということで、電力の供給の際に採用する要素について、環境変化に応じてどういった項目が適当かということを検討したく考えております。併せましてエネルギー政策、特に原子力発電の検討が進められているところでございます。これを踏まえまして環境配慮契約法の中で対応することがあるかどうかということも、こちらはやや中長期的な検討課題であると思っておりますが、検討してまいりたいと存じます。
さらには先ほど申し上げましたように、本年度11月にこの環境配慮契約法は施行5年を迎えるところでございます。この法附則第2項によりまして、施行5年が経過した場合に施行状況を再確認して必要な見直し等の検討を致すこととされております。本年度は準備段階で、来年度に本格的な検討を致すことになりますが、契約の締結実績、競争環境の状況把握等につきましてご指導をたまわってまいりたいと思ってございます。本日は第1回目で、本年度は3回程度の検討会を予定してございます。ぜひ各委員の先生方には、大所高所からご指導をたまわりますようお願い申し上げまして挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございます。

事務局: まず本検討会にご参画いただきました委員の皆様をご紹介いたします。
資料2について説明(省略)。
次にお手元に配布しました資料1「検討会開催要領」をご覧ください。中段の「3.組織等の(2)」の規定により、本検討会の座長を委員の皆様の互選で選出していただくことになっておりますが、僭越ながら事務局からご提案させていただきます。平成19年度に本検討会が設置されて以降、座長を務められ、環境配慮製品・環境配慮契約にお詳しい山本先生にお願いしてはいかがかと思います。皆様いかがでしょうか。

(異議なし)

それでは本検討会の座長は引き続き山本先生にお願いすることとし、今後の議事進行につきましては、山本座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

山本座長: それでは、ご指名でございますので座長を務めさせていただきたいと思います。毎回申し上げていることですが、地球温暖化の深刻さということが、社会に認識されていないとかねがね思っております。人為起源の温室効果ガスによる温暖化が進行していることはほぼ間違いがないです。今、太陽活動の低下による地球の寒冷化が指摘されておりますが、それも0.3~0.6℃ぐらいの平均気温の低下と考えられております。我々はおそらくあと50年で4℃を突破する気温上昇に直面しているわけですから、例え寒冷化が起きたとしても温暖化のほうが優勢になります。しかもCO2が大気中に千年から数万年漂うということがわかっておりますので、今、我々が直面している気候変動の大津波は不可逆的であります。つまり今度の大津波は引かないわけです。これがよく認識されていなくて、とにかく温室効果ガスの排出をゼロにしない限り、気候の安定化が図れないということは、繰り返し様々な研究者が指摘しているところです。そういう中で今何が起きているかというと、全世界的な異常気象が頻発しています。特に北極圏においては、海洋の温暖化が進んで北極の海氷の面積・体積が減少しているわけです。今日現在、観測史上、最少の面積・体積になっています。このままでは早ければあと3年で、9月の北極海氷は消滅すると考えられています。北極圏では、この2年間でメタンガスの放出が続いています。そこで今年の2月24日にイギリスの下院のエンバイロメント・オーディット・コミッティでは公聴会を開いて、ケンブリッジ大学のピーター・ワッドハム博士が、このままでは大変な温暖化の加速が起きて暴走に移る。北極圏をジオエンジニアニングで冷やさなければいけないという主張をしております。そういう中で昨年12月のCOP11では、2020年までに全世界での大幅な温室効果ガス排出削減を先送りし、先月のリオのサミットでは、グリーンエコノミーについても持続可能な開発目標についても目覚ましい成果を上げることができませんでした。今、我が国は鳩山約束の25%を半分以下に落とそうということを考えているわけですが、それでは京都議定書の約束はどうするのか。我々は、1990年の排出量の12億6,000万トンの6%、年間7,500万トンを今年の末までに削減しなければいけません。先ほど課長から地球温暖化ばかりではなくて、様々な環境配慮も組み込んでというお話がございましたが、環境配慮契約法はこのパンフレットにも書いてありますように、地球温暖化防止に向けて、要するにCO2の排出、温室効果ガスの排出削減に取り組もうという法律です。国、独立行政法人等の排出のうち20万トン程度は環境配慮契約法で削減できているとの試算があります。しかし、今日1日で化石燃料起源の温室効果ガスは全世界から9,000万トン放出されます。これを我々は、2050年までに、少なくとも1990年レベルの50%まで削減していくということを目標としています。1990年のCO2の排出量は、全世界で220億トン。2010年のCO2の排出は335億トンですから、この巨大な排出削減をしなければ、いかに間に合わないか。つまり2℃以下に抑制することは不可能になります。そういう状況にいるわけですが、残念ながら政治家も経済界も国民もこの問題を全く忘れているのではないかと大変危惧しているところでございます。
ちょっと長くなりましたが、要は我々がこの法律に基づいて実行しようとしていることは大変な意義を持っているということを改めて申し上げたかったわけでございます。
それでは、議事に入ります前に、事務局から本日の議事予定、配布資料の確認、検討会及び議事録の公開等のご説明をお願いいたします。

◇本日の議事予定
事務局: 本日の会議は、16時までの2時間の予定しております。

◇配布資料の確認
事務局: 次に配布資料の確認をお願い致します。

 このほか、環境配慮契約法基本方針関連資料及び地方公共団体のための環境配慮契約導入マニュアルの冊子、環境配慮契約法パンフレットをお配りしております。なお、基本方針関連資料には法律や基本方針、解説資料が盛り込まれていますので、適宜ご参照ください。
資料の不足等あれば事務局までお申し付けください。

引き続き資料1の「4.公開等の(1)~(3)」に即して検討会及び専門委員会の公開等について説明(省略)。

山本座長: 要は、公開にするということですね。

事務局: そうです。

山本座長: はい、ありがとうございます。

3.議題

(1)環境配慮契約法基本方針の検討の進め方及び専門委員会の設置について

山本座長: それでは早速議事に入らせていただきます。本日は、3つの議題が予定されております。
(1)環境配慮契約法基本方針の検討の進め方及び専門委員会の設置について
(2)環境配慮契約の実施状況等に関する調査について
(3)検討スケジュールについて

それでは、最初の議題の「(1)環境配慮契約法基本方針の検討の進め方及び専門委員会の設置について」、資料3及び資料4を事務局と廃棄物の部分については田中委員よりご説明をお願いします。

事務局: 資料3について説明(省略)。

田中委員: 資料3(廃棄物専門委員会)について説明(省略)。

事務局: 資料3、資料4について説明(省略)。

山本座長: はい、ありがとうございました。地方公共団体全体で温室効果ガスの排出量はどのぐらいありますか。先ほど政府の排出は160万トン程度ということでしたが。

事務局: はっきりした数値はないですが、経済規模的にいいますと、国:地方で1:2ぐらいです。ただ地方においては、公営事業として、いわゆるバスや鉄道などからの排出もあります。もちろん廃棄物処理もされていますので、その点から考えると、おそらく経済規模の比率以上に多い量になっているのではないでしょうか。

山本座長: 500万トンぐらいですか。

事務局: 申し訳ございません。もっと多いものと推定されますが、数値は把握してございません。

山本座長: 500万トン以上排出しているところが、環境配慮契約法を認知している割合が非常に低いわけでしょう。あとで出ると思いますが。そこは改善してもらわないといけないですね。資料3と資料4のご説明をいただきましたが、本日の一番大事なポイントは3つの委員会の設置をご了承いただかなければいけないので、先生方のご意見を全員からいただきたいと思います。秋鹿先生からぜひお願いいたします。

秋鹿委員: 5年目の見直しというのも非常に重要だと思います。この5年間で相当世間も変わってきた点もありますし、また一般の方々の意識が変わらない点もありますので、そういう意味では非常に重要な時期だと思います。それからごみと電力については、喫緊のことですので設置して進めていただければと思います。

碓井委員: 産業廃棄物の処理については、結論からいきますと、ここは環境配慮契約法に基づく基本方針を検討する場所ですが、環境省は全組織を上げて、ぜひこの問題に取り組んでいただきたいと思います。先ほどもお話に出てきた優良事業者の認定制度が動き出しているようですが、それを使って、例えば地方公共団体にすでに入札時の基準に挙げているところもあります。同時に優良事業者をインターネットに載せるということで、排出事業者に対する宣伝効果を持たせるような努力もされているようです。他の分野もそうかもしれませんが、この分野は民間に波及していけば大きな意味がありますが、多分そこはなかなか難しいです。民間の排出事業者にすれば、どうでもいいから安くやってくれるところがいいと思うかもしれません。ですからその辺りが課題です。そうなると環境省がとやかくいえることではないですが、産業廃棄物に税金をかけている県が多いわけです。多分、分量に応じて、トン当たりいくらという率の決め方をしていると思います。例えば優良事業者が収集運搬している場合には、そういう税率を軽減するとか、そうでないものは高くするとか、一種の不均一の課税をするとか。環境省として総合的な戦略をぜひ検討していただかないと、環境配慮契約だけでやっても、それほど効果は出ない気がします。

乙間委員: 皆さんが仰っているとおりで、電力と廃棄物についてはタイミングも良いので全く賛成で、異議はございません。廃棄物のところで先ほども議論がありました認定制度の話ですが、既にある認定制度やシステムとの連携を検討していただければ、オーバーラップや事業者が迷うようなこともないので、ぜひ検討のときに考慮していただきたいと思います。
3つ目の見直しの件については、この専門委員会で具体的にどういうアウトプットを出すのかがよくわからなかったので、機会があればご説明をいただきたいと思います。

坂本委員: 今年、電力と廃棄物の2つをやっていくのはもちろん大賛成です。個人的な興味になってしまいますが、電気がどうなるかということはものすごく関心があるところですので、あとで山地先生のご意見をぜひ伺いたいと思います。電気は原子力の話がずっと基盤にあったわけです。それがひっくり返りましたので、ここでいっているPPSの事業者ですが、これから電力の自由化の話も本格的になってくるでしょうし、そこにおいて原子力を除いて化石燃料の効率的な使い方ということが前面に出て評価される仕組みができればいいと思っています。私は4月から職場が変わったのですが、独立行政法人はアンケートの対象になるという話もございます。私どもの研究所に聞いてみたら、東京電力からは買っていなくてPPSから買っています。どういう買い方をしているのかはよくわからないですが、こういう法律もございますので、今度は実践する立場から、ここの検討会の動向を注目していきたいと考えております。

鈴木委員: 廃棄物につきまして各委員からご指摘がありましたが、関連するかわからないですが、総合評価落札方式が財務省との関係で変わったということは分かりますが、その結果、今までできたことでできなかったことがあるのかを教えていただければと思います。

田中委員: 廃棄物につきましてご意見をいただきましてありがとうございます。廃棄物専門委員会は産業廃棄物の処理に係る契約という話になっていますので、一つは産業廃棄物以外の一般廃棄物処理の契約も検討の範囲になり得ると思っています。当面は、産業廃棄物ということで検討を進めますが、自治体によっては、一般廃棄物の許可業者に許可を出して、事業系一般廃棄物の処理を選択して契約できるというところもありますので、そういう契約にも範囲が広がると思います。
それから既にできているいろいろな制度を活用すべきだということで、碓井先生からは、廃棄物から税金を取っているというご指摘をいただきましたが、それは多分埋立税だと思います。最終的な埋立量を減らすための経済的な政策として、1トン当たり1,000円などの料金を取ることをいくつかの県でやっていますので、検討するときの参考になると思います。
それから優良事業者制度は国や東京都がいろいろやっています。また教育研修制度もあります。研修を受けた人が大勢いるということが優良制度の項目になっています。いろいろな既にあるものも活用すべきだというのが乙間委員からもご指摘された点で考慮したいと思います。
鈴木先生の総合評価落札方式がなくなって裾切り方式になったことによって損なわれる部分については、事務局から答えていただきたいと思います。

環境省(峯村課長補佐): 環境経済課の峯村でございます。僭越ですが、田中先生に代わってお答えさせていただきます。総合評価落札方式というのは、価格が高くても評価点が高ければ、その業者から買っていいという制度でございます。資料3のp.4にある項目をチューニングして評価して、評価の高い事業者は、トン当たりの処理費用が、例えば10%ぐらい高くても、その事業者が落札者になるようにという制度が総合評価落札方式でございます。裾切り方式はより良いことをしているという評価項目で線を引いて、それをクリアした事業者に入札に参加していただくという仕組みです。まさに価格競争になります。ですから一定条件以上は安い事業者のほうが落札の可能性が高まります。総合評価落札方式がなくなったことによってできなくなったというのは、良い業者だが少々高いというものを国が優先して買えなくなってしまったという点だと思います。評価項目と価格の関係についての評価が現時点ではなかなか難しいので、一旦裾切り方式を導入して、国や独立行政法人、さらに地方公共団体の皆様からご報告いただく内容を持って、具体的な金額評価項目が出てまいりましたら、改めて総合評価落札方式も視野に入れて見直しをさせていただきたいと事務局としては考えているところでございます。

田中委員: ありがとうございました。そういうことで総合評価落札方式では確かに桁違いに安い値段で実績を作るために入札したけれども、最後はこの料金では処理できないということで不法投棄をするというリスクはあります。それに比べて裾切り方式はまちがいないという資格を持って入札した事業者の中から、最も安い事業者を選ぶ。どちらも利点、欠点があると考えております。

野城委員: 総合評価落札方式は、建築の公共工事の請負業者を決める際に実際に使われております。今の優良業者その他の制度と、総合評価落札方式は、建築の事例を考えれば両立は可能です。そもそも入札に参加できる事業者が、例えば優良業者でなければ参加できないプレクォリフィケーションがあり、その上でさらに総合評価落札方式の優れた側面を有することができるものです。資料3のp.3の総合評価落札方式が無理になったという論理がなぜなのかわからなかったのですが、それが悪い先例にならないようお願いします。つまり1年後、2年後に再度総合評価落札方式を検討することになったときにお互いに担当者が変わっていて、2年前に決着しているからという話で既成事実化して、なかなか現状を変えないという慣習があるので、ここで1回引いたということは分かりますが、論理でない論理が既成事実化しないように常にジャブは打ち続けられたほうがよろしいと思います。協力が得られるところがあるとすれば、仮想的に裾切り方式で運用したとしても、もし総合評価落札方式でいったらどうなったかということは常にデータを取っていく必要があるのではないか。データを積み上げてリターンマッチをされたらいかがでしょうか。

山地委員: 私が座長をすることになっている電力、それから廃棄物と5年目の見直しに関する専門委員会をつくることには賛成です。5年目の見直しのところも今もアンケートをやっているものレビューをして課題を見つけてどういうアクションを取るかです。最後の議論はもちろんこの親委員会でしょうが、その整理をしていかなければならない非常に重要な専門委員会になるのではないかと思います。
廃棄物については、総合評価落札方式のことは同意見です。総合評価落札方式ではなぜダメなのか。今後検討すると書かれてありましたので、それでいいと考えています。
問題の電力は、難題が山積していて、現実に大きな変化が起きていますし、これからも大きな変化が予想されています。それにはいくつかの要素があって、それぞれ不確実性を持っています。エネルギー政策自体の基本計画の議論もあります。電力システム改革の議論もありますので、そこをある程度見極めながら運営していきたいと思っています。簡単ではなく、時間がかかりますので早急には結論が出ないだろうといっておきます。固定価格買取制度は既に実施に入っていて、RPSはそれに伴って廃止です。ここはむしろ淡々とできるところだと思います。ただ福島の事故後、電力が止まって化石燃料が焚かれて、排出係数が昨年度、今年度ものすごく上がった。ただ今後原子力の再稼働如何で変化が相当予想されるということで、そういうときに一時的に上がったからどうこうと短期的な措置を取っていいものかどうか、そういうことの見極めも必要です。それからもうちょっと大きいインパクトがありそうなのは、電力システム改革です。発電、送電と販売というところが段々分かれてくると、電気を売っている事業者の排出係数の責任はどこにあるのかが段々わからなくなってきます。どうすればいいのかという基本的な問題です。
資料4のPPS、元々特定規模電気事業者という長い名前を枝野大臣の指示で新電力と呼ぶことにしたので、ここでも新電力とした方が簡単だと思います。ここでの指摘は新電力と公正な競争条件を担保してくれという要求だと思います。そこも今後の電力システム対策如何でいろいろ変わり得るし、先ほどの公営電力の云々はある程度見通しがたったという話もあります。それ以外のところも電力システム改革の状況で変わってくるので、ここも政策の動きを見ながら対応するということにならざるを得ないと思っております。
資料4を読んでいて、一つ理解に苦しんだのは、「課題に対する対策案」で、2番目の「電気の供給を受ける契約」のところに「PPSに30分同時同量の制約がある点を考慮すべき」とあります。新電力は30分同時同量でいいが、一般の電気事業者は瞬時、瞬時ですからもっと厳しいです。これは何をいっているのかがよくわからなかったです。ここを説明していただけますか。30分同時同量は厳しい制約というニュアンスで書かれていますが、むしろ楽なのでちょっとよくわからなかったです。
それから一番違和感を持ったのは、資料3のp.2の「放射性物質による環境汚染防止のための措置」は、環境配慮になじまないように思います。この管轄が元々文部科学省だったのが、原子力規制委員会に移り、その規制委員会が組織上、環境省の中にあるという話だと思いますが、環境配慮契約法の中で配慮するという点に違和感があります。

山本座長: 国会で質問を受けたからですか。

山地委員: それで事務局に聞きました。「国会で質問を受けて検討するということになったため」ということで理解しました。検討事項には入れますが、座長として予断を持った発言はしませんが、一般的にいうとなじまないということだけは申し上げておきたいと思います。

山本座長: 事務局、今のご質問はいかがですか。資料4の提案内容がよく理解できないということですが。

事務局: 実はこれからご提案をなされた方にはヒアリングを行う予定です。そこで細かなところを含めてお話を聞きたいと思っています。再生可能エネルギーの場合は安定的に供給できる電源ではないということをおそらく仰りたいのではないか。従って30分同時同量を満たすということが、排出係数を下げるために再生可能エネルギーを導入することによって難しくなるから、そこを考えてくれないかというご提案だと思います。

山地委員: そこは理解していますが、電力供給にとっては30分同時同量ではすまないと思います。だから一般電気事業者はもっと困難な対策を取らなければいけないわけです。だからこれで新電力側が不利になっているというのが不思議だということです。

事務局: 分かりました。その辺りは、もう一度ヒアリングで明らかにしたいと思います。

山本座長: ありがとうございました。それでは、その他にいかがでしょうか。

秋鹿委員: 一つよろしいでしょうか。あまり議論を複雑にはしたくないですが、今、電気を作る条件に取り組んでいます。エネルギー全体から考えると電気と熱を同時に発生して、それを上手にマネージすることも一つの目標になっているわけです。この委員会はそこまで踏み込んでやるのでしょうか。ESCOにも関係してくると思いますが。それは問題を2つにすることですから、そうしなくてもいいとなると思いますが。

山本座長: この法律には、それは書いていないですね。事務局、いかがですか。

事務局: 温室効果ガス等と書いてありますので、温室効果ガスが主になりますけれども、環境負荷ということも全て入ると法律上は理解できると思います。

山地委員: 温室効果ガスの中でコジェネの排出係数をどう見るかです。一部は熱になり、一部は電気になっているわけですから、CO2をどう配分するかということです。これもマージナルか、平均かという議論をしていますので、コジェネから出た電気の排出係数の計算方式はありますが、ただ多少意見が分かれている部分でもあります。コジェネの場合の排出係数ということでカウントはしています。

山本座長: その他よろしいですか。

野城委員: ちょっとよろしいですか。附則の第2項の見直しの範囲ですが、例えばESCOで有効に機能していると思います。政府が持っているファシリティからの運用等のCO2排出量を考えますと、ESCOほどの大きな統一をしなくても運用改善をしていくところがかなり大きな分野だとは思います。先ほどの廃棄物の事業者に対するものと同じように、運用改善するという産業がまだ未成熟という感があれば、一つの検討としてはESCOのカテゴリーなのか、ESCOの外側なのかはともかく、運用改善をしていく分野はこの専門委員会に入るのでしょうか。そうだとするとそういうことも検討に入れていただきたいという要望を申し上げておきたいと思います。

山本座長: 事務局はいかがですか。

環境省(峯村課長補佐): 法律で申しますと、ESCOは第五条二項の三号です。省エネルギー改修事業ということで、「事業者が省エネルギーを目的として、庁舎の供用に伴う電気、燃料等に係る費用について当該庁舎の構造、設備等の改修に係る設計、施工、維持保全等(以下この号において「設計等」という。)に要する費用の額以上の額の削減を保証して、当該設計等を包括的に行う事業をいう。第七条において同じ。)に係る契約に関する基本的事項」とあり、ここだけ妙にマニアックに書いてあります。もっと一般的に書いてあれば運用改善もここで読めるのですが。

野城委員: 読めないですね。改修しないといけない。

環境省(峯村課長補佐): そうなると廃棄物を入れようとしている第五条一項四号が、「建築物に係る契約その他国及び独立行政法人等の契約であって、前二号に掲げる契約以外のものにおける温室効果ガス等の排出の削減に関する基本的事項」で読んで立ち上げるイメージですので、省エネのための運用改善についても、ESCOをふくらますというよりは、別項を立ち上げる方向性が考えられます。

野城委員: 何れにしても必要性が高いように思いますのでご検討いただければと思います。

山本座長: また発言の機会はあると思います。特に今回は電力、廃棄物、5年目の3つの専門委員会を設置することはご了承をいただいたということにさせていただきます。ありがとうございました。

(2)環境配慮契約の実施状況等に関する調査について

山本座長: それでは、資料5-1、5-2の調査に議論を移したいと思います。事務局から簡潔にご説明をお願いいたします。

事務局: 資料5-1、資料5-2について説明(省略)。

山本座長: 参考の平成23年度のアンケート調査の概要はいかがですか。

事務局: 参考について説明(省略)。

山本座長: はい、ありがとうございました。私は昨年の3月11日の福島第一原発事故で大変な衝撃を受けました。事故調査報告書が続々出ておりますけれども、とにかくわかっていても対策を取らないということが我々の最大の問題だと、科学者として思うわけです。14mの津波が来るということがわかっていても、防潮堤の高さを徐々にしか上げられないわけです。科学者は気温上昇を2℃以下に抑えるためには2020年までに先進国は温室効果ガスを25~40%減らさなければいけない。2050年には、同じく80~95%削減するとIPCCの報告書には書いてあるわけです。ところが今我が国は、京都議定書の約束さえ果たせるかどうかわからない。しかも25%鳩山約束は、今や空前の灯になっているわけです。何れにしても先進国は2050年には温室効果ガス排出をほぼゼロにするというぐらいの取組をしなければいけない。この環境配慮契約法は温室効果ガスの削減、その他の環境負荷を減らそうという趣旨でございますので、今年設置する3つの専門委員会、特に鈴木先生の委員会では、この法律をどのように見直したらいいか、泥縄ではありますが、ぜひご検討をお願いしたいと思います。
あとはスケジュールぐらいしかありませんので、もう1ラウンドご意見をいただきたいと思います。今回は逆に山地先生からご意見をいただきたいと思います。

山地委員: 電力の専門委員会が大変で覚悟を決めないといけないということで頭がいっぱいです。温暖化対策については不確実性もあるので、それこそ津波が15m来ると思ったら15mの防潮堤を建てればいいというものではなくて、それを超えた場合はどうするのかという多段階の備えが必要だと思います。温暖化対策もある意味多段階の対策を持つ柔軟性が必要です。最終的なところは、困ったらジオエンジニアリングで冷やすという選択肢も持っておく。そういう保険をかけるような対策も必要だと思います。その中で環境配慮契約法はどういう位置づけかということを考えてやっていく必要があります。バックアップも後の方にいるのか、前の方にいるのか、考える必要があります。私は具体的に減らせるミティゲーションは前の方にあると思っています。この段階では、は非現実でものすごくコストがかかるものというよりは、ちょっと努力が足りなくて、本当はやってもいいができていないものをきちんとやらせるというように判断をする必要があります。

野城委員: アンケートの企画を聞いていて、キーワードは「周知」だと思います。環境省が自治体向けに開催する説明会には、担当職員の方がいらっしゃるのだと思いますが、自治体の仕組みを考えますと、良くも悪くも首長さんの力が強かったり、あるいは財務部門の力が強かったりすると跳ね返されることもあると思います。国と意思決定が違うとすれば、首長さんに届くような、ある意味では目立とうとする首長さんが増えているので、そういう人たちに環境配慮契約法の地方版を率先するクラブみたいなものでやっているぞといって、彼らの人気取りにも良い意味で利用してもらえるような工夫が必要ではないかと思います。
もう一つこの環境配慮契約法のユーザーになっていただくためには、国もそうだと思いますが、今UNEPと私どもは一緒に、コモン・カーボン・メトリックを建物について作ろうと思っています。先進国が使っているようなLCC的な非常に複雑な評価ではなくて、単純にいえば電気、ガスの請求書があっていくら使ったかがわかれば、それぞれの建物についてどれだけのCO2を出しているかということが全て表示できるようにしようということで、UNEPはCDMのようなものを世界的に建築に使おうとしています。日本は、たまたま私がUNEPから要請を受けて国際提案を持ち込んでいます。日本が提案したものですから、ヨーロッパはかなり政治的な理由で反発しています。来週早々パリでかなり難しい技術論というよりは、彼らの政治的な妨害をどう阻むかという非常に低次元な話をしてきます。ただUNEPは一生懸命に応援してくれているので何とかなると思いますが、非常に単純なマーキングで、例えば公共建築について、総務課長がガス代と電気代と水道代を計算すると、あらゆる設備のカーボンメトリックが分かります。その統計を取れば一目瞭然で、自分の自治体の持っている建物、国もパフォーマンスが分かります。そこの位置づけを見ると皆さんは焦り始めると思いますので、周知もただパンフレットを出すというよりは、一つは首長さんみたいな人にボールを投げていくということと、もう一つはごく単純な指標で相互比較をして、皆さんの競争心にスイッチを入れるような工夫をされたらいいかと思います。
私の担当する建築関係では、意外と国の方を見ますと普及しています。独法と書いてありましたが、まさに灯台下暗しで恥ずかしいですが、東大の中で環境プロポーザルという話を施設の人から聞いたことがないです。文部科学省の文教施設企画部などが環境省からの情報を各法人にばらまいてくれているかがややわからないところがありますので、少しねじを巻かれるといいと思います。要は間接統治です。国土交通省はこういうチャンネルは直轄なのですぐ実施できますが、文部科学省では直接統治が減っています。中央としては各独法に回していらっしゃるとは思いますが、いい方がどのぐらいの強さか分かりません。マイナーなことかもしれませんが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

山本座長: 野城先生の今のご提案の中で、表彰を考えるといいかもしれません。環境配慮契約法に取り組んでいる最も優秀なところにアワードを贈るということです。

野城委員: 自治体ですね。

山本座長: 自治体です。田中先生、いかがですか。

田中委員: 持論を申し上げますと、この法律は温室効果ガスの削減ですので、廃棄物処理が温暖化ガスの削減に貢献できるかという点で効果があるのはごみ発電だと思っています。この契約でごみ発電が誘導できるかというとそうはなっていない。資料4でごみ発電が一般の入札ではPPSにとって調達が難しいという側面があります。ごみ発電で電力全量買取制度も17円85銭という値段で、他に比べると安いです。それからプラスチックは除かれるということですが、プラスチックの処理が石油由来だというので低く評価されています。その辺りが問題だと思っています。産業廃棄物も一般廃棄物を含めて発電に回せば相当電力が賄えるが、そういう仕組みになっていないような気がしておりますので、廃棄物関連で温室効果ガスの削減できるかというと、環境配慮契約法では限界があると考えています。

鈴木委員: 法律や制度は何でも一定期間の検証が必要だと思っていますので、今回環境省が前倒しをして検証をするということはいいことだと思っています。特にメンバーの一人としていわせていただきますと、環境配慮契約法は、オールジャパンの中で温室効果ガス削減に占めるウェイトは相対的に小さいと思いますが、姿勢もあるので不十分なところがあれば明らかにしていきたいというのが基本的な考え方です。

坂本委員: 環境配慮契約法ということで、公共機関でいろいろなことをして、それが波及すればいいというお考えでしょうが、一方で建物全体に対する省エネ基準になると厳しくしようとしているわけです。それと既に建った建物の中でのエネルギー消費を減らそうというのがありますが、後者のほうに電力会社との契約で考えるという話と、今回の3.11以降の電力のひっ迫によって節電をすることになったので、案外省エネも結構達成されています。東大も昨年15%減とすごく省エネになったわけです。本当にやる気になればCO2削減対策は、あまりイニシャルコストをかけなくても実はあるのではないかと思います。日本は元々省エネ的で世界の国々と比較するとエネルギーの効率を良く使っています。国の契約の話でいえば、一方で高くてもCO2削減に貢献するものを買いなさいという話と、元々の契約のようにできるだけ安いものを買いなさいということです。私どもの独法でも経費削減ということで、常に監視されていて、毎年報告をしなければならないです。そういう対立する話もいろいろあって、かなりごちゃごちゃの世界になっているので、もう少しすっきり単純明快に省エネ、省CO2ということにいかないかと思っています。私はESCO担当ですが、野城先生が仰るように、大げさな言葉を使えばESCOの前にエネルギー診断をやって、エネルギー使用の単純な無駄を削減するという方法がありますが、残念ながら日本ではビジネスとして成功していないです。実は各組織は自分たちでやっています。東大もTSCPということで野城先生と一緒にやっていましたが、環境配慮契約法のターゲットにしてやるべきなのか。別にそういうことをしなくても他の法律や3.11の節電で大きく削減できたということもあるので、環境政策や省エネ政策を霞が関全体で少し整理してみたほうがいいのではないかと思います。まとまらない話で申し訳ありません。

山本座長: 貴重な意見をありがとうございました。

乙間委員: 地方公共団体に環境配慮契約法がなかなか普及しないということですが、多分メンバーの中で地方に住んでいるのは私一人ではないかと思います。地方在住の実感として、ここで書かれている以上に全く地方には認識されていないようです。私は北九州市に住んでいますが。市長や市の幹部は、環境が大好きですが、環境配慮契約法というのは環境の分野でも地味なので、市長や市の幹部が熟知していないかもしれません。そういう状態でアンケートを各都市の担当者が書いています。特に根拠もないのですが、担当者が本当に自分の市のことを全部知って回答をしているのかどうか疑問に思います。先ほど野城先生が仰った、首長さんに働きかけるという話ですが、私は以前にも言ったことがありますが、自治体の実名を公表してもいいのではないか、都道府県・政令指定都市では何%といっても、市長は痛くもかゆくもないのです。自分ががんばろうというモチベーションにもなりません。表彰することも自治体名を公表するのも一つの手ではないかと思います。例えば50万人以上の市町村の状況を自治体名とともに公表するなど。大学で環境政策論を教えていますが、政策を分類する中で規制的手法、経済的手法、最近は情報的手法ということもいわれます。情報的手法は、情報を流して刺激を与えます。インセンティブを与えます。これは政治家や市長には非常に効果的なようですので考えてみてください。

山本座長: 環境配慮契約ランキング、それはいいかもしれないです。

乙間委員: 少し努力すれば簡単にランキングを上がることが出来ます。予算もそれほどかかりません。市長が、あるいは市の幹部が一言号令をかければ結構できる内容だと思っています。

碓井委員: 環境配慮契約というときに推進者である環境省が調達者となるものであればやりやすいですが、主たる調達が他の省庁、ときには独法であったりすると、非常にやりにくいと思います。先ほど総合評価落札方式のことを伺っていて、典型的なものを捉えて、そういう省などに協力を求めて、先ほどは包括協議という話でしたが、個別協議という形を使えば実験的なことも多分できるわけです。そのこと自体、競争主義を盛り込むことがいいのかどうか分かりませんが、そういうことをやっていかないと簡単に打開できないような気がします。

秋鹿委員: 先生方に2~3付け加えさせていただきますと、最近授業でエコピープル養成講座という本の講義をしました。環境配慮契約法というのはグリーン購入法とセットでちょっと書いてあるだけなのです。環境を勉強する人たちの中でこの割合は、先生方が仰るようにインパクトが小さい。少し迫力が足りないような気がします。そのインパクトを上げるには、今お話に出たように、法律の構造全体をもう少し大きな枠組みの中でもう一回捉え直すということも一つ必要でしょう。今のままでやるにしても、先ほどのランキングをつけるとか、よく企業の環境白書などは、学者が研究して、いろいろ比較したり、クレームをつけたりとすごくナーバスにやっています。それに比べて自治体は、これをやったらどうかという気持ちがあまりないです。今回アンケートは取りますが、評価をするということですので、もし間に合うならそういうことが必要です。
それからもう一つ、ごみ発電は田中先生が仰ることを私も日頃感じています。電力の固定価格買取制度の中で小型ソーラーは42円で、他は24円で、ごみ発電は10数円であるそうです。私は何度か、東京都のごみ焼却場の見学ツアーをやっていますが、皆さんで見てみるとわかると思いますが、非常に技術が進歩しています。担当者がいうことには、今まで夢の島で捨てる場所をたくさん確保していましたが、従来よりも数分の一で済んでいます。それはなぜかというと、分類、処理、発電ということで、非常に技術が進歩しています。それから民意も上がってきているということだと思います。そういう実状を皆にもっとよく知ってほしいと思います。それを見ているとやはりそれなりの投資も必要です。どんどん進んでくれば、そういうところで作った電気というのは非常に貴重な電気です。粗末な電気ではなくて廃棄物の電気ですから、もう少し高く買ってあげてもいいというのは痛感します。今いろいろなところで変化は起こっていますが、実状をもう少し見た上でしかるべき姿はどうか、特に3.11以降、世の中は大分意識が変わってきたので、いろいろなところで見直す良い機会ではないかと思っています。三点だけです。

山本座長: はい、ありがとうございました。ちょうど良い時間になりました。

(3)検討スケジュール

山本座長: それでは、今後のスケジュールにつきまして事務局からご紹介ください。

事務局: 資料6について説明(省略)。

山本座長: ありがとうございました。何かご質問・ご意見等がございますか。

(4)その他

田中委員: 廃棄物の準備会合は1回目と数えるのですか。2回というのは、専門委員会を8月から11月にかけて、これから2回開催するという理解ですか。

事務局: そういう予定でございます。

山本座長: 各専門委員会は、大変ご苦労様ですが、一つよろしくお願いしたいと思います。
それでは予定の時間がまいりましたので、本日のご議論は終わらせていただきたいと思います。本日、ご発言いただけなかった点や新たなご提案等につきましては、後ほどで結構でございますので、事務局までお願いできればと思います。他に発言がございませんようでしたら、本日の環境配慮契約法基本方針検討会はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

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