平成22年度環境配慮契約法基本方針検討会(第2回)議事録

出席委員:
秋鹿委員、乙間委員、坂本委員、鈴木委員、大聖委員、野城委員、山本委員(座長)
欠席委員:
碓井委員、山地委員

(五十音順、敬称略)

日時

平成22年11月24日(水)14時~16時

場所

経済産業省別館 1111号会議室

1.開会

事務局: 本日はお忙しいところご参集いただきまして誠にありがとうございました。これより平成22年度第2回「環境配慮契約法基本方針検討会」を開催いたします。
 会議に先立ちまして、環境省総合環境政策局環境経済課正田課長よりご挨拶を申し上げます。

2.あいさつ

環境省(正田課長): 環境省環境経済課の正田でございます。本日も第2回検討会にお忙しい中、ご出席を賜りまして誠にありがとうございます。本日は、9月の第1回の検討会で設置されました自動車、OA機器の2つのWGにおける議論の内容、さらにはその結果につきまして各座長からご報告をいただく予定でございます。詳しくは、引き続き各座長からご報告をいただくということでございますが、自動車につきましては、ガソリン自動車とディーゼル自動車を同一の評価値で評価を可能にするということ、またOA機器につきましては、その実態調査の調査方法でございますとか、発注者としての留意事項といったことをガイドラインとしてとりまとめることとなりました。各WGの座長としてご尽力いただきました両先生、また委員の皆様には大変熱心にご議論を賜りました。この場をお借りして、改めて御礼を申し上げます。また本日の第2回の検討会でご議論をいただきまして、今後は、基本方針の解説資料案をとりまとめていきたいと考えております。予定といたしましては、来年の1月に第3回の検討会を開催し、基本方針解説資料の改訂を行ってまいりたいと思っております。引き続き委員の先生方には活発なご議論、また熱心なご指導を賜りますようお願い申し上げます。よろしくお願いします。

事務局: それでは、以後の議事進行は山本座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

3.議事

山本座長: 山本でございます。昨日は、北朝鮮の事件があり、私もびっくりしました。アメリカの海軍の報告書を読む機会がございまして、気候変動が戦争の原因になり得るという報告書ですが、戦争は地震と同じように、我々が忘れた頃に突発的にやってくるものであるということを、私も昨日は改めて思ったわけでございます。環境戦争、気候戦争を起こさないためにも、この環境配慮契約法を最大限に我々が活用する必要があるわけでございます。議事に入ります前に、事務局から本日の議事予定、配付資料の確認をお願いいたします。

事務局: 議事予定、資料確認(省略)

山本座長: それでは、早速議事に入りたいと思います。事務局から、資料2-1、2-2について簡潔にご説明をお願いしたいと思います。

環境省: 資料2-1、2-2について説明(省略)。

山本座長: それでは資料2-3につきまして、座長の大聖先生からお願いいたします。

大聖委員: それでは、資料2-3を用いまして説明したいと思います。WGは3回開きまして、各分野の方々からいろいろなご意見をいただき、修正をしております。赤い部分が新たに追加、あるいは修正したところでございますので、それを中心にご説明をさせていただきたいと思います。
 まずp.2です。「2.契約方式の解説 2-1自動車の購入等に係る契約方式の基本的考え方」が述べられております。[2]の2番目、「当分の間、燃料種別ごとに入札条件を設定すること」となっておりましたけれども、実はガソリン車とディーゼル車の燃費基準が同一の燃費基準で、2015年度基準から施行されることになりました。もう一つが、2005年度に燃費基準の改定がディーゼル車に対してありました。それから2010年にガソリン車の燃費基準の強化があったわけです。これまでは、燃料の種別ごとに入札条件を設定してきていたわけですが、2015年度からガソリン車とディーゼル車が同一の燃費基準になるという背景があります。そこに赤く書いてありますように、「ただし、ガソリン自動車及びディーゼル自動車であって、発熱量換算燃費値により、同一の燃費基準に係る車両重量区分(以下「同一区分」という。)として比較可能な場合にあってはこの限りではない。」ということで同一に考えていくということにいたしました。この発熱量換算燃費と言いますのは、軽油のほうがガソリンに比べて発熱量が1割ぐらい高いものですから、0.9を掛けるという換算をして、同一に扱うということであります。
 それからもう一つ、書き足しました項目についてp.3をご覧ください。「(2)行政目的に応じた調達」というところで、これまで、電気自動車、天然ガス自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車、水素自動車、クリーンディーゼル自動車といったものを我々は次世代自動車、あるいは環境対応自動車と言っておりましたけれども、そういった環境性能に優れた新たな自動車の普及、新技術の実証実験の支援といった行政目的を持った場合は、その目的に対応した条件を設定した調達が可能だということでありました。それに加えて、「ガソリン自動車及びディーゼル自動車について、同一区分として比較可能な場合であっても、行政目的や使用用途、想定される走行距離等により、燃料種別ごとに入札条件の設定が必要である場合は、燃料種別ごとの調達の実施を妨げるものではない」と設定いたしました。これはどういうことかと言いますと、先ほど言いましたように燃費基準が同一になったということもありますが、例えばディーゼル車を特に使用したいとの目的が発生した場合、それを区別して調達してもよいことにしたということであります。例えばディーゼル車の場合には、想定される走行距離がより長い等、地域それぞれの使用用途による可能性があります。特にディーゼル車というところに限定して入札条件を設定したという意味であります。
 2-3には、総合評価落札方式の考え方が述べられております。これはこれまでの考え方と同じでありますので、省略させていただきます。
 その次に、p.5をご覧いただきたいと思います。(2)評価値の算定例です。2,000ccクラスのセダンのガソリン自動車の例ということで書いてあります。これまでの算定方式に従って計算された例が、その次にあります。p.5最後の行 ※3は、入札価格は希望小売価格で設定しているわけですけれども、これは以下の例示でも同様ということでございます。
 次のp.6ですが、年間走行距離、供用期間を削除し、説明を加えております。加算点の計算の説明の中で、「グリーン購入法の特定調達品目に該当する場合であって、複数の車両重量区分にまたがる仕様により調達を実施する場合には、燃費基準値は、もっとも燃費の劣った区分の数値を、燃費目標値は、もっとも燃費の優れた区分の数値を、それぞれ使用するものとする」ということであります。具体的に言いますと、式4の分母に燃費目標値があります。これがもっとも優れたものです。それから燃費基準値は、もっとも燃費の劣ったものになりますので、比較する中で一番燃費の差が大きいものが分母になっているということになります。それから脚注2のところでレギュラーガソリンの価格のことに言及しておりますけれども、これは年によって動くことがあります。平成21年度の価格はちょっと下がっておりますので、例としてガソリン価格を125円としております。比較をしますと、点数がA、B、C、D、Eに分かれるということであります。その場合ですと、このやり方では、もっとも評価値の高い車はDということになります。
 その次ですが、燃費に対して一定の環境価値を認めた点数換算を行うということですが、2,000ccのセダンについて計算しております。これは特に変更はありません。供用期間を7年として算定したということです。その次のページは特に修正はありませんが、セダンというのは、3BOXのことを言っているわけですが、わかりにくいということでセダンという名前にしました。エンジンルームとトランクルームと、居住空間ということで3つのBOXになっているので3BOXと言っています。
 次は、1,500ccクラスのハッチバックです。これは2BOXと言いますけれども、ガソリン車の例を入れて比較をしております。1台当たりの燃料使用量の比率は削除しております。
 その次のp.10です。「燃費に対して一定の環境価値を認めた点数換算する場合」ということで、点数を計算しております。これも従来と同様であります。
 その次のp.12をご覧ください。ここが新しく、2,000ccのクラスの多目的ガソリン車とディーゼル車を同一に扱う場合の比較を例示しております。AからFまでございます。先ほど言いましたように発熱量換算燃費値によって比較可能です。調達者が同一区分として扱うことが適当であると判断した場合の具体的な評価値の算定例を示すものです。ここにAからFまで6車種の候補があります。表<3>-2-3のような表示がなされております。
 これは専門的な話になりますけれども、燃費の試験モードが実は10・15モードからJC08へ移りつつあるわけですけれども、JC08モード燃費は公表していないものに関しては、10・15モードの燃費に0.9を乗じております。これは統計的に大体こういう数字の傾向があるという意味でこのような値を乗じております。またディーゼル車は、先ほど1割と言いましたけれども、JC08モードの燃費を1.1で乗じているということです。これは軽油とガソリンの発熱量の換算をやっています。
 次のアは、「目標値に対する燃費の達成度合いから加算点を設定する場合」ですが、このように算式を掲げております。A、B、C、D、E、Fという結果が出ております。ここでも、一番Dの評価値がよいということで、D>C>E>F>B>Aということになりますので、評価値がもっとも高いDを提案した者と契約を結ぶということになります。この場合ですと環境性能を考慮しているわけですが、入札価格がもっとも低いものが選択されることになっております。但し書きとしては、「なお、もっとも燃費の優れた車名Eは、入札価格点が294点で第6位となっているが、環境性能を加点した結果、評価値が0.401と第3位となっている。」ということで具体的に言いますと、これは唯一のディーゼル車であります。
 その次の「イ.燃費に対して一定の環境価値を認めて点数換算をする場合」ということで、2,000ccクラスの多目的自動車の比較例を示しています。評価点について燃費を設定している。またグリーン購入法の特定調達品目に該当しますので、自動車の判断の基準を満足する製品であるということを最低限の要求要件として、グリーン購入法の判断の基準を満たす車に対して標準点100点を付与する。そのような要件で計算しました。また燃費に関しては、そのような条件でしており、要求条件を満たしたものを0として、最高水準が50点以下になる範囲で設定するとしたものであります。こうやって計算いたしますと、D>C>E>F>B>Aとなり、評価値がもっとも高いDを提案した者が契約を結ぶということになります。これが以上の追記した主な点であります。それ以外には、3BOXをセダン型に変えたというのが修正点であります。
 また、最後になりますが、p.20の「2-4 燃費表示モードの移行」をご覧いただきたいと思います。先ほど申し上げましたように、10・15モードからJC08に順次切り替わっていくということになっております。その結果、具体的に説明いたしますと、2011年4月以降、型式指定を受ける自動車については、JC08モード燃費を表示することとなっています。燃費表示の移行期間について、10・15モードによる燃費とJC08モードによる燃費を比較する必要が生じるケースがあります。この際、上記のJC08モード燃費のほうが概ね1割程度低いという傾向は、過去に一部車種をサンプルとした調査による全体平均の値に基づくものでありますが、実際には個々の車両毎にばらつきが存在することに留意する必要がでてきます。すなわち、客観性や公平性等の観点から厳密な議論が求められる制度においては、単純な換算係数を用いることは不適切と考えられます。その一方、本制度においては、他の評価指標の設定方法も含め、調達者に一定の裁量判断が委ねられており、調達手続きの簡素化の観点から、一定の換算係数を用いることは許容されるものであると考えることにいたしました。このような移行期でありますので、柔軟な考え方を取る必要があるということです。以上を踏まえて、10・15モードによる燃費とJC08モードによる燃費を比較する必要が生じた際には、10・15モードの燃費に0.9を乗じることでJC08モードの燃費とみなすことを認めるということにいたしました。以上であります。

山本座長: はい、ありがとうございました。それでは、資料2-4、これは第1回検討会で野城先生からご提案をいただき、庁舎等の施設において、省エネ診断を行い、その結果に基づき運用管理によって省エネを推進することについて解説資料に追加したものであります。追加した内容につきましては、事務局からご説明をお願いいたします。

環境省: 資料2-4について説明(省略)。

山本座長: はい、ありがとうございました。それでは、資料2-1から2-4までご質問・ご意見等がございましたら、いかがでしょうか。野城先生、こうれでよろしいでしょうか。

野城委員: 前回の検討会の私の発言にご対応いただき、ありがとうございました。こういったことで概ねよろしいかと思いますが、今説明を聞きながらミスリーディングされる心配が一つだけありますので申し上げておきたいと思います。一つは、チューニングを誰がするかということです。庁舎を使っているユーザーの方ができそうにも読めますし、こういったチューニングをする専門家に委託、つまり一種のESCO事業ではないですが、何らかの調査委託をする対象になるかが読み取れない部分があります。私の趣旨は、各省庁のあるユーザーが使う場合もあると思いますが、一般論として、専門家の方が今ご説明になったようなことをするESCOの一つではないかと思いますので、それを読み取れるようにするとよろしいかと思います。二つ目は、編集上はESCO事業ということで、構成は変えられないと思いますが、本当はチューニングして、その中でどうしようかという選択肢の一つとしてESCOをやるのは本来だと思います。これは検討会ではどうしようもないことがわかりますが、何れにしても一つ目については、誰がやるのかわからないので困らないようにと思います。

山本座長: 事務局から今の問題につきましていかがでしょうか。

環境省: 一点目につきましては、ご指摘のとおりでございます。第3回目までにもう一度検討をして修正したものをもう一度ご提示させていただきたいと思います。二点目につきましては、先行にESCOを検討するとありますから、ご指摘のとおりチューニングをまずやっていただくということもありますので、そういうことも併せて読み取れるような形にして、省エネチューニングを先に持ってくるというのはなかなか難しいですが、今入る文章の中で、場合によってはESCO事業の検討の前にやる場合もあるようなことがわかるように修正をしていきたいと思います。

山本座長: 専門家の坂本先生、この問題はいかがでしょうか。

坂本委員: 誰がこのチューニングに責任を持ってやるのかというと、責任というところでは誰もないような感じです。今の各省庁の仕事の分担から見ると適当なところがないのかもわかりませんが、本音はやっぱりメーカー、作っていくところが一番ポイントだと思いますので、それについて何らかの記述があるとありがたいと思いました。そもそも環境配慮契約基本法というのは、ものの調達を担当する方がちゃんとやるということだと思いますので、そういうことをちょっと考えないと、ここのところはわからないです。これで大変結構だと思います。

山本座長: その他、自動車の燃費等、いろいろございましたけれども、乙間先生、何かございますか。

乙間先生: 今のチューニングの件ですが、前回欠席しておりましたので把握できていないかもしれませんが、チューニングまでを入れるとしたら、ESCO事業の場合は、ある程度大きい規模の建物を念頭に置いてESCOの調査のための調査をスタートするわけですが、チューニングまでやるとしたら全ての建物にやりなさいということを盛り込めるようになるのでしょうか。ESCOに至らなくてもチューニングは意味のあることですので、ESCO導入の検討をして、結局は導入しなかったところだけにチューニングなのか、もし前にチューニングをするとなったら、相当な範囲に要求していることになります。

環境省: 現在ESCO事業につきましては、一定規模以上でないと、そもそもの光熱水費があまり多くないということで、5,000m2以上との一応の目安を決めて取り組んでいるところです。ご指摘のとおり、この省エネチューニング運用改善につきましては、当然小さい施設でも実施は可能です。ESCO事業の検討をして、導入不可だからということではなくて、最初から取り組むことも含めてわかるように書き直していきたいと思っています。現在グリーン購入法の中で庁舎管理を委託する場合等の規定をしておりますので、ここと併せて、多くの施設で検討するべきだということがもう少し伝わるように、「1 ESCO事業導入検討結果の活用」冒頭にわかるような形で次回までに修正していきたいと思います。

山本座長: 鈴木先生、いかがでしょうか。

鈴木委員: 自動車について教えていただきたいのですが、p.22の資料編のところです。総合評価方式による入札方法について2,000ccの事例が2つ出ています。これは評価値が良く価格も安いという一番わかりやすい事例ですが、例えば価格は予定価格を超えているが、評価値が非常に良かったという場合は、どんなに評価値が良くても失格になるということでしょうか。

事務局: p.5にイメージの図がございます。総合評価方式というのは、いわゆる一般競争入札ということになりますので、予定価格はもちろん用意されています。それを超えると落札できないということです。

鈴木委員: 評価値は数字を出さないのですか。

事務局: この場合は、普通は出さないと思います。

大聖委員: それを超える場合は最初から落札不可です。この予定価格以下でないと、ということです。図<3>-2-1で言いますと、Cは不可になります。

山本座長: はい、ありがとうございました。

秋鹿委員: 自動車の場合は大変シンプルでわかりやすいです。ガソリン車とディーゼル車を同じように評価するということになってくるということで、換算係数を加えたりして非常にわかりやすいですが、このガソリンの価格とディーゼル燃料の価格はそれぞれ変動しても問題にしないというスタンスなのでしょうか。これはそう見えるのですが、それで特に問題は出なかったのでしょうか。

大聖委員: このやり方は例示としては挙げていますが、実際には計算には入ってきておりません。ですから軽油のほうが安いわけですから、走行距離が長いという場合は、経済的にランニングコストとしてはメリットがあるわけです。そういう場合には、p.3に赤字で書きましたように、想定される走行距離、あるいは使用の目的に合わせて燃料種ごとに入札条件を設定したほうがよいという判断をすれば、そのような調達のやり方をしてもよいということを認めておりますので、そういう燃料価格のメリット、走行距離、使用の目的を配慮していただいて、燃料を指定して入札条件を設定するということになります。ランニングコストを計算に入れますと、大変煩雑になりますので、それは考慮しておりません。

秋鹿委員: 誰でもわかるように非常にシンプルな形でスタンダードを作っておいて、特殊に使うような部署にはそれぞれ、この辺を加味したようなことを加えてもいいと理解してよろしいですね。

山本座長: それでは次の問題に移りたいと思います。資料3、OA機器ワーキングからのご報告になります。OA機器WGの座長の秋鹿先生からご説明をお願いしたいと思います。

秋鹿委員: OA機器を検討するWGを任されております秋鹿でございます。資料3にありますように経緯を若干述べさせていただきますと、検討は3年目になります。1年目の平成20年には少し大きな目標を掲げまして、最適配置というキーワードの中で台数も減らしたいし、省エネ性能のよい機器も調達したいということをいっぺんにやるようなことを検討しました。それは大変良かったのですが、具体的にはなかなか難しいということで、平成21年度には詳細が決まらず、結局、私はこれを因数分解と言いますが、台数を削減するための調査という項目と、環境負荷を低減するための契約方式の2つに分解しまして、それを掛け合わせれば、前の年の目標ができるのではないかというような、わかりやすい形にしようということを21年度にかけて行いました。今年度はそれぞれのところの調査と、あるいは機器を調達するための契約方式の中身をどのようにしていったらよいかということを検討しております。WGを2回ほど開催いたしました。ところがいろいろ検討した中で非常に問題だと思ったことがあります。図にありますように、OA機器の環境負荷を総合的に評価する際、統一的、客観的な評価手法を指標として用いることが必要なことから、機器の消費電力量を対象に検討を行ってきました。これは経済産業省の省エネ対策法でいろいろご努力されているデータが使えるのではないかということでやってきたわけです。少し古い資料ですが、産業環境管理協会が調査をした報告書の中に、複写機のライフサイクルというのがあります。実はこのデータというのは、調査した方々も言っていますが、データが少ない中でやったので、これが必ずこういうものだとは私も思ってないですが、数字をどこまで信用してよいかということは別にしてもこの電力の部分が10%にも満たない。それに対して紙に対するCO2の排出量がいかに多いかがわかります。使い方がいかに大事かということがわかりましたので、改めて電力の省エネの基準を標準にした数字のみで評価をするということは無理なのではないかという結論に至りました。それがp.2に書いてございます。それからこの業界は省エネ対策、省エネ法を非常に長くやっておりまして、機器として省エネの努力が非常に大きく、例えば消費電力は97年度比で72%削減というふうに非常な努力をしてきた業界でもあります。消費電力を減らすということが、複写機という機器の中ではかなりの限界に近いところに来ているというようなことも一方にありました。従いまして定量的な指標はなかなか確立することが困難であるということで、数値で出すことは止めて、ガイドラインという形でまとめたらいいのではないかとワーキングでは考えております。
 また、ガイドラインの内容についてですが、まず台数削減のための調査を行う。それからその調査に基づいて、どのような機器を購入したらよいかという入札をする場合の発注者が留意すべき項目事項について取りまとめることにしております。前回、山本先生からご指摘があった、アメリカの電子技術協会のEPEATという基準等の項目も参考にしたわけでございますけれども、その他にグリーン購入法等々も頭におきながら発注者が留意すべき事項を整理した項目を作ってまいりました。それがこのp.4~p.5のほうにあるガイドラインの案でございます。先にそちらのほうを説明させていただきます。
 p.4です。1番が、環境に配慮したOA機器調達の必要性と意義についてというガイドラインの最初の序言があります。このような策定した目的があります。調達する機関が配慮すべき項目として、まず(1)で調査をします。調査を実施するに際して望ましい対象を整理します。しかるべき、このぐらい以上の規模の場合に望ましいというようなことが中身としてはございます。それから調査実施の主体というのは専門的な知識のある職員がオフィスにいれば、調達者が行うこともできますが、場合によっては、機器の事業者、それからコンサルティング会社が行うことも可能です。それらのどれかを選んで調査をします。その調査項目や内容を整理して提供をすることになります。この調査結果をまとめ、活用方法を整理します。また、どの程度の期間が必要か明らかにするために、どのぐらいのスケジュールでどういう項目を調査するかということも載せております。
 もう片方の項目が、それに基づいて調達する際の、入札の条件です。留意点というのがございます。台数の削減が必要であります。それから使用の用紙も少なくてすむような機械であるかどうか、使用時の電力の削減です。これはTEC値と言って、省エネ法の数値でございます。それからメンテナンスの効率をよくする方法の整理、OA機器の使用時以外の環境負荷についても考慮する点があれば整理します。その他にもございます。
 (3)として、調達する際に整理して提示する仕様書の内容について記述します。場合によってはチェックリストで、最終的にチェックします。これについては、調達者側で必要に応じてその中から選んでどれが重要か、あるいは重要でないか。あるいは場合によっては、オフィスによっては点数を付けたりするところがあるかもしれませんが、そのための必要なガイドラインを作るという方針に大きく変更したわけでございます。
 p.2に戻りまして、職員が留意すべき項目と併せて検討するということがございます。こういうことを第2回までにやってきたわけでございますが、本日、この基本方針検討会においてこの方針で進めていいということをお認めいただければ、12月14日開催の第3回のWGでこの項目を確定させていただいて、再度それを1月予定のこちらの委員会に提出して、今年度中には決めたいと考えております。よろしくご検討をお願いします。

山本座長: 秋鹿先生、ありがとうございました。それでは、資料3のガイドラインの案につきましてご意見がありましたら、乙間先生、いかがですか。

乙間委員: 私は自分のオフィスと一致していてよいと思いました。これは調達に係るガイドラインですが、オフィスにおける使用時が問題です。紙をたくさん使うというのも、例えば一旦、画面で最終版をチェックしてから出力するのか。まずは出力してしまって、紙をたくさん使用するのか。メンテナンスをどうするのかというのが非常に大きくて、調達及び使用に係ります。例えば良く言われているのは、調達するときに、どういう使用状態を設定するかによって違うと思います。裏紙は使うことを前提にするのか。出力は極力1回に抑えるようにするのかというようなことで、使うときの状況は多分調達するときのスペックに係るはずですので、そういうことを含めて入れていただけるとよいのではないかと聞いていて思います。

事務局: 使用時のところがどのぐらい重要かということは重々承知しております。p.2の一番下に、「OA機器の環境負荷低減を図るため管理時・使用時に職員が留意すべき事項についても、併せて検討を実施する」とありますが、使用する職員に対して、このような形の設定をしてくださいということで、OA機器の調達とOA機器を管理する時点での配慮事項を入れていくことは考えております。

事務局: 使用時につきましては、そのように、ぜひ書かせていただきたいと思います。

山本座長: 大聖先生、野城先生、お願いします。

大聖委員: 先ほどは言葉足らずでした。使用時のご質問があったわけですが、資料2-3のp.7で言及してはおりません。要するに入札時のときにどのぐらい使われるかということはわかりませんので。ただしp.6の終わりから、「なお書き」してあります。この試算結果から、燃費目標値の自動車を使用した場合に、どれぐらい燃料費の削減になるかという仮定を入れています。大体年間で11,000kmぐらい走って7年間使ったときには50万円ぐらい削減できるということは、「なお書き」で書いてあります。一応車を調達するときのことをベースにして、そのあとは、どういう使い方をするかということはわからないので、こういったOA機器の場合もそういう感じが実はあると思いますが、車の場合とは若干違うように感じています。

野城委員: 二つあります。一つは、OA機器は日進月歩の面もありますが、かなりメーカーが努力されております。あとはリース期間の設定です。要は借りる方からすると、特に厳しいところですと、それなりにリース料を安くするためにはやや長めにリスクの設定をすると、せっかく機器の性能の差がありながら、そちらのほうの理由でなかなかうまくいかないことも心配されます。私の想像が当たっているかどうかを教えていただきたいと思っています。
 もう一つは、p.2にエコマークやEPEATというアメリカのアセスメントがありますが、ご存知だったら教えていただきたいのですが、先日ヨーロッパの講演会でショックを受けたことがありました。日本の製品と韓国の製品を比べた場合に、韓国の製品の方がより品質がよく、安く、環境にやさしいという言い方をしていました。特にOA機器の分野は、サムスンはType3の自己宣言型のシートを作って出しています。日本ではエコリーフに当たるものです。OA機器のメーカーで日本でもエコリーフを設定されているところもありますが、ある意味では調達先がエコマークか、EPEATということに対して基準を作るのも、メーカー側は大変な話です。シンプルに自己宣言型のType3のLCAに係る情報を開示しておけばそれでいいので、日本のメーカーの水準を考えれば、例えばType3の自己宣言型を情報開示するということをもって知って、調達側が調達をするか対象とするか、しないかぐらいに分けたほうがいいと思います。一々基準を作っていくとその中身をチェックするほうも、また点数も二度手間、三度手間するより効果があると思います。その点をもしご存知の方があればぜひ教えていただきたいと思います。

秋鹿委員: 私どもの委員会でよく問題になるのは、グリーン購入法との関係です。特に業界の方にとっては、グリーン購入法があるのに、また二度手間にならないかという、野城先生と同じようなご質問がございます。それについては、グリーン購入法の網掛けは当然あるもので、その上に立って新たにガイドラインを作っていくので、グリーン購入法と矛盾するようなことはいたしません。そのためグリーン購入法に書いてあることは敢えてあまり書いてないようになっていると思います。そういう意味でもグリーン購入法を非常に意識したガイドラインを目指しております。
 そしてEPEATですが、環境に配慮する項目が51項目チェックがあります。そのうちの一定以上にチェックが入ることが最低条件との基準があって、私どもが見た限りでは、日本のメーカーは、グリーン購入法等々をやっているところはチェックできるのではないかと思っています。またコンシューマーレポート等を見ますと、アメリカで売れているのは、日本の機種が上の方を占めております。最近韓国等々が追い上げてきているとは思いますけれども、私は日本のメーカーはかなりがんばっていると思います。ただアメリカとヨーロッパの考え方はかなり違いますので、やはりヨーロッパの基準にきちんと対応していく必要があると思っています。リース期間については、事務局からご説明をお願いします。

事務局: 一点目のリース期間の設定のところでございますが、これは非常に難しい問題です。今やっております家電エコポイントのときにも、そもそもまだ使える家電製品を省エネ性能が高いものに切り替えるのかという議論もありましたけれども、そういった考え方があると、かなり難しいところではあります。現段階では、ご指摘のように日進月歩で技術は進歩しておりますが、グリーン購入法では最低限の省エネ性能は担保された機器が入ってきておりますので、仮に予算の都合等で機器をしばらく入れ替えなかったにしても、環境性能が非常に悪いものが入ってくる状態ではないということを踏まえまして、あとは、そうは言っても毎年のように入れ替えるのは、行政コストがかかるということもありますので、そこのバランスの問題を考えていかなければならないと思います。ただ繰り返しておりますが、グリーン購入法の基準はクリアしたものが入っているという前提に立てば、ある程度長い期間、行政コストを考えて、期間を設定していただくことで問題はないだろうと考えております。
 それからType3ラベルを活用していくということも一つの考えではありますが、環境省の立場から申し上げれば、LCA的に温室効果ガスの排出量に着目するのはもちろんですが、例えば化学物質の使用ルール、あるいは回収リサイクルを仕組みとして持っているという定性的な部分を含めて、評価をしていきたいということがございます。それを併せまして、あとは調達者側で、出されたときにその数字が多いと読むのか、少ないと読むのかというところを判断するよりは、むしろ今のグリーン購入法の基準を、例えばエコマークの基準とある程度整合が取れていれば、グリーン購入法の基準をクリアしているという形で読み取れます。どういうところが環境配慮されている、だからエコマークを取得しているということがわかりますので、現段階では調達者の側からみれば、Type1型といいますか、基準を一つひとつ設定していって、あらゆる面の環境問題に対応している製品を調達していきたいと今のところは考えております。

山本座長: p.1の複写機のライフサイクルにおけるCO2の排出量は、若干古いデータだと思います。秋鹿先生が指摘されたように、おそらくこれよりも省エネになっているはずです。電力9%はもっと減っていると思います。また、今複写機メーカーは、海外での販売比率が増えて、おそらく8割ぐらいの収益は海外であげています。当然製品を開発するときには、海外のスタンダードをクリアするということが主なターゲットになっているわけです。そして複写機メーカーは国際商品で徹底的なエコデザインがなされています。私の知っている範囲でも部品ごとのCO2の排出量やコストは全部管理されているというぐらいに、徹底したエコデザインがされていると思います。EPEATは大変すばらしいですが、日本の大手メーカーの多くの製品はゴールドラベルを取っているわけで、大体の製品がゴールドラベルですので、あまり差別化がされていないという感じがしております。全体として秋鹿先生のご説明、事務局の説明、それから先生方のご意見等を伺って、ガイドラインでいいのではないかと思いますので、その方向でご検討をいただいて、1月に最終案を出していただきたいということにしたいと思います。
 坂本先生、何かございますか。

坂本委員: 質問をよろしいですか。全く素人ですが、資料3のp.5の[4]のメンテナンスの効率化のところです。メンテナンスが随分CO2を排出しているということが最初にありましたが、具体的に何があるのかと思ったら、「留意すべき点を整理する。」ということで、具体的な内容がわかりません。どういうメンテナンスがCO2排出削減に役立つのでしょうか。

事務局: メンテナンスには、消耗品の交換も含んでいます。一つは、機器を修理するための移動の交通の部分が含まれています。

坂本委員: そういうものはこれほど大きいですか。

乙間委員: これは私の経験で、皆さんも一緒だと思いますが、例えばPCを買うときに、最近一番気にするのは、修理がない、持ち歩くときにタフなPCです。「これはタフだという。」と噂があると、それを買います。実際使ってみた感じで今まで使ったものよりもタフなのです。そういうメンテナンスは大変利いているはずなのに、仕様書には書けないのです。私は今まで公務員をやってきて、仕様書に数値を書けない項目で、実際に使うときには非常に重要なファクターになっているというのは結構あります。それを何とかガイドラインに書いていただけると非常によろしいかと思います。よく「仕様書に書いてあって、これだとこちらに安いのがあるではないか。けれども私はこちらがほしい。その理由を説明してほしい。」と言っても、客観的には説明できないのです。けれども本当は一番利いています。これは私の個人的な事かもしれませんが、持ち歩くPCは絶対にそう選んでいます。

秋鹿委員: 一つだけよろしいでしょうか。WGでは、私どもの1年前、2年前に出した項目を見てか、実際にオフィス、あるいは大学で自分たちなりの入札方式を導入しているところが2~3件ございます。そういうところのものを今、逆に研究してきております。先生と同じように気にされている部署があって、かなりのチェックを入れているところがあります。大体カバーしているつもりですが、そのようなところも研究しながら先行事例も取り入れたいと思っています。

乙間委員: ぜひお願いしたいと思います。

(2)その他

山本座長: 資料4についてご説明をお願いします。

環境省: 資料4について説明(省略)。

山本座長: 何かご質問、あるいはご意見等がございましたらお願いします。よろしいですか。特にご意見がないようでしたら、今日の議論は終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。

ページ先頭へ