平成30年度環境配慮契約法基本方針検討会 電力専門委員会(第2回)議事録

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電力専門委員会(第2回)議事録[PDF 272KB]

日時  

平成30年9月11日(火)10時00分~12時00分

場所  

経済産業省別館11階 1111各省庁共用会議室

出席者

出席委員:小川(喜)委員、髙村委員、竹廣委員、辰巳委員、松村委員、山地委員(座長)  

欠席委員:大野委員、小川(芳)委員、藤野委員                (五十音順、敬称略)

議事録

事務局:本日はお忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、これより平成30年度環境配慮契約法基本方針検討会 電力専門委員会 第2回会合を開催いたします。なお、カメラ撮りは配布資料の確認までとさせていただきます。それでは、山地座長に議事進行をお願いいたします。

山地座長:議事に入ります前に、本日の議事予定、配布資料の確認をお願いいたします。

事務局:本日の会議は、12時までの2時間の予定です。続いて、配布資料の確認をいたします。

議事次第、資料1~資料4、参考資料1~参考資料3

このほか、本年2月に改定した環境配慮契約法基本方針関連資料の冊子をお配りしております。なお、基本方針関連資料には、法律や基本方針、解説資料が盛り込まれていますので、適宜御参照ください。資料の不足等あれば事務局までお申し付けください。

それでは、山地座長、議事進行をお願いいたします。

議 事

山地座長:では議事に入りたいと思います。議事次第にありますように、本日はその他を除けば3つですけれども、中心になっているのは2番目の電気の供給を受ける契約の考え方についてです。最初の議題で契約締結の実績等について、暫定版ということで資料2を説明していただきますが、この件は次のメインの議題の説明資料の資料3と密接に連携しているので、資料2と資料3を合わせて説明していただいて、その後議論というふうに進めたいと思います。それでは、説明をよろしくお願いいたします。

環境省:(資料2、資料3、参考資料1~3説明:省略)

山地座長:ありがとうございます。資料2と資料3をまとめて議論いたします。議論の仕方ですが、資料3の3ページあるいは4ページに、今回の検討事項6項目をまとめまして、ここに再掲されていますけれども、前回と少し順番が変わっています。というのは非化石証書に関することは前回議論したということで最後に置いてありますが、この論点の順番で議論を進めてまいりたいと思います。資料2はいつものとおりの資料ですが、少し私が気になったのは、環境配慮契約を実施したほうが、排出係数が悪くなっている地域が出てきたものですから、後で裾切り基準のグループ化というところで出てきますので、そこで議論していけばと思いますけれども、念頭に置いていただければと思います。この資料3の3ページの1から6の順番で議論していくということでよろしゅうございますか。まず、環境配慮契約の更なる実施に向けた継続的な対応について、いかがでございますか。事務局提案は6ページですね。それぞれ助言する、情報提供するということを書いてあるのですが、いかがでしょうか。

辰巳委員:6ページで、要は安価であるということが問題点だと思っておりまして、もう一度御説明いただきたいと思ったのですが、電気事業連合会に聞いてくださって、それで価格を出せないというお話だった。買う側が私企業の場合は出せないでもいいと思うのですが、これは国の機関や独立行政法人等、買う側の人の立場が企業とはかなり違うと思うんですね。そういうところと契約している単価を出せないという意味なのですか。それは少し変かなと思ったので、そこのところをまずお聞きしたいと思いました。

環境省:この関係では、電気事業連合会に伺ったところ、具体的なところは個社の営業情報になるので、そちらについては出せませんというお話を頂いたところです。ですので、こちらとしてもそれを踏まえた形で、調査している範囲の情報の中で、実際の課題や、公正取引の関係で問題があるかどうか、そういったところを調べながら対応していたところです。

小川(喜)委員:電気事業連合会です。電気事業連合会として、そういう個社の契約の中身を把握することができないということでございまして、電気事業連合会として集約して何か出せるかというと難しく、個別の契約なのでということで回答しています。電力小売の全面自由化が始まって以来、電源種別ごとのCO2排出量ですら個社の状況を電気事業連合会として把握できないという状況でございます。ましてや営業に係る個別の契約というのは、残念ながら我々のところに集約できる状況にないということでございます。

山地座長:よろしいですか。

辰巳委員:少しまだ何となく納得していなくて、売る側の立場の個社という意味だと理解したのですが、私は買う側の立場の国の機関と考えたときに、どういう種類の電気をいくらで買っているというのは出せないという話ではないのではないかとちょっと思いました。

山地座長:買う側のデータということですね。松村先生、どうぞ。

松村委員:経営情報では、たとえ国が買う場合でも、国は出してもいいと言っているのだけれども、先方がだめだと言う経営情報は当然あり得る。私企業から買っていて、その私企業が自分の経営情報であるから出せないということは原理的にはあり得るので、国が買っているのだからあらゆる情報が出せるわけではなく、先方の了解は必要であるケースもあると思います。それが文字通り経営情報だとすれば。しかし私はその点に異議がある。まず電気事業連合会は協力を拒否したというわけですよね。拒否したというのは違法なことをしているわけではなく、不当なことをしているわけでもない。まさに経営情報なので。だけれども、それを集めるという気もないし、こういう理由で集めたいのだけれどもという要請に対して拒否したということが公開の場に出てきたということは、それ自身意味があると思います。次に、価格情報等は出せないとしても、国がどこと契約しているかは公開してもいいですよね。それはさすがに経営情報だとは言わせない。例えば、長期契約を何々電力としているというのは、どう考えても経営情報ではないですよね。それは当然出すべきこと。そうすると6ページのところで、長期契約については安価な契約になっているわけだから、買う側としては一定の合理性があるではないかというようなこと。こちらとしては、それでも環境のことに配慮してほしいと言いたいということはあるけれども、安い価格なのだから、むしろそんなことをして国民の税金を増やす気かと言われれば反論は難しいかもしれない。しかしこれは、そういう契約をオファーするほうの問題なので、どちらかというと問題は買う側ではなく売る側だ。従って、そんなろくでもない理由で環境配慮契約をできないのであれば、それは一体どこの会社から買っているのかを公開することは問題もないと思います。従って、これについては、買う側の問題でなければ売る側の問題なので、こういうことをしているのはどこの事業者なのかを公開することは、対応していない国の機関を公表するということも一つのステップですけれども、こういうろくでもない長期契約をオファーして、それで囲い込んでいるようなところはどこなのかということを明らかにすることは、今後検討していただく余地はあると私は思います。もう一度言いますが、ここに書いてあることは買っている側の問題ではないと言っているように見えます。もしそうだとするならば、それは売っている側の問題で、先ほど独占禁止法上の問題があるという点について言及されましたが、それがあるとすればもっと強く言えるはず。疑いはあってもそこまでは言えないことをそもそも問題にしている。元々独占禁止法上本当に真っ黒だったとすれば、こんなまどろっこしいことをしないで、この委員会を介さないで、当然に規制されるわけで、それは独占禁止法上真っ黒ではないとしても疑義のあるような長期契約をあえて結んで、それを理由にして、しかも国から要請されている環境配慮契約をスキップしてしまうということに対する問題だということはきちんと考える必要がある。独占禁止法上黒かどうかを判定してくださいとお願いしたいのではないということは理解していただきたい。その場合に、どの会社と契約しているのかの情報を公開されたら何か問題があるように思えない。その点については、ぜひ考えていただきたい。以上です。

髙村委員:この未実施機関対応のところなのですが、資料2のところでしたでしょうか。一定の電力使用量以上の国の機関、独立行政法人の長期契約のところが、未実施の一つの対応が求められているというところでは、長期契約の問題と関わっていると思います。もう一つは、今回、高圧以上と低圧で分けて出してくださって、これは前回もそうだったと思いますけれども、使用電力量からすると、やはりオーダーが高圧以上のほうが圧倒的に多いので、一つの対応策として、未実施の機関について、高圧以上ないしは一定の電力使用量以上の国の機関と独立行政法人に関しては特別の対応をしていただきたいということです。これは昨年過激で止められましたけれども、低圧ではなくて、高圧以上ないしは一定の電力使用量以上の国の機関と独立行政法人については、長期契約であるか否かにかかわらず、一定の期間をおいた上で公表というのはされてもいいのではないかと思います。長期契約個別の話は次の論点として後で申し上げたいと思うのですが、資料3で、会計法の話を書いてくださっているところは、私はこれは若干ミスリーディングだと思っています。会計法で長期契約が認められていて、経済的合理性もあるから、環境配慮契約に関する情報提供に努めますというのではないのだと思います。つまり、会計法がある上で環境配慮契約法があって、国、独立行政法人に関して言えば、温室効果ガス削減のために、少なくともその削減に配慮した契約の推進の努力をするということは国の責務ですし、国と独立行政法人に課されているので、単に安価な契約で経済的に合理性があるから長期契約が認められるので対応については緩くしますというのは理由にならない、会計法を使っては正当な理由は出てこないと思います。というのは、長期契約について申し上げたいと思いますが、実際に今回出していただいた資料で、長期契約をしながら入札をやってらっしゃるところもあるわけですよね。ということは、長期契約があるということが環境配慮契約法の実施ができないということではないということだと思います。むしろ、どうやって実施していらっしゃるかという例を、きちんとやれていないところに紹介するということが一つは大事だと思います。長期契約の問題は、松村委員もおっしゃったようにいくつか論点があると思っていて、今回の会議だけで全部解決できないかもしれませんけれども、少なくとも長期契約について、長期契約があるので環境配慮契約法に基づく環境配慮契約ができないという理屈は間違っているということはきちんと表明しないといけないと思います。ですから、会計法のところのただし書きは直していただきたいと思っています。もう一つ長期契約について、今年度は難しいかもしれませんが、論点の5点目と関係するのですが、再生可能エネルギーを主とした、中小の小売が多いかと思いますけれども、むしろ長期契約をしてくれたほうが安価で提供できるというケースもあると思います。ですので、今行われている長期契約の論点と、他方で、ここで言っている論点4のところで再生可能エネルギーをどう増やしていくかという時に、再生可能エネルギーを提供した電力契約を提供できるという、長期で契約ができるということをきちんと組み込んでいくことが必要ではないかと思っています。今回の4番目の論点に関わる点として申し上げています。以上です。

山地座長:情報提供というのは、引き続き情報を収集しなければいけないですね。

環境省:今、御意見を頂きまして、そのやり方についてはきちんと検討しなければいけないということと、長期契約の関係はミスリードに見えるところはお詫びしたいと思います。再生可能エネルギーの関係でも、長期契約をした場合に安価になるという場合もありますので、そこは総合的に勘案していくものということで、安価であることだけで評価するのではなく環境配慮契約を推進しなければいけないということがありますので、そこは全体として総合的に評価しなければならないということだと理解しています。

山地座長:環境配慮契約を長期契約でやるということは当然可能ですか。

環境省:そこは否定されておりません。

山地座長:わかりました。他の論点もあるので、今日はこの論点はこのくらいでよろしいですか。2番目はグループ化ですが、事務局提案は、10ページに書いてある4地域をグループ化して、配点も現行45点を40点にするということ、一段階強化ということです。この10、11ページの提案に関してはいかがでしょうか。

髙村委員:ここで議論されているグループ化というよりは、先ほど山地座長がおっしゃった、資料2にありましたでしょうか、環境配慮契約法に基づいて実施したほうが排出係数が高いエリアがある、この問題はたぶん供給グループをどう作るかという前段の問題として配点の問題があると思います。それを11ページで出してくださっているのだと思うのですが、配点そのものにもう少し強弱をつけたほうがいいように思っていまして、排出係数の高いものを意識的に低くする。今は5点刻みの掲載がされていますけれども、排出係数の低いものを高く評価するような配点という形も含めて、少なくとも環境配慮契約法に基づいて契約をしたほうが係数が下がるというのがやはりできていないという一つの大きな問題。グループ化の議論の前段としての配点の問題があるのだと思いますので、そこは検討といいましょうか、ここで出してくださっていますけれども、少し議論いただいたほうがよいかと思います。

松村委員:ここで言うのが適切かどうかわからなかったのですが、今、資料2の話が出てきたので、資料2の21、22ページのあたりなのですが、こういう試算は一つのやり方として意味がある試算なので、これ自体を否定するものではないのですが、この数字を過大視すべきではない。私は正しい推計がされていると思わないのです。環境配慮契約をしなかったところがするようになった結果として、赤のところはまるでそれをやったら排出が増えてしまっているように見えるのですが、それが本当に正しいかは相当に微妙。例えば仮に、その地域の旧一般電気事業者が原子力発電を持っていたとします。その結果として排出係数が低かったとします。ある機関が環境配慮契約で入札をした結果として、新電力に切り替わったとする。原子力発電を持っていないので排出係数が高いということになるわけですが、しかしこれで本当に排出量が増えるのかというと、原子力発電は絶対に限界電源ではないですから、一つ契約を落としたとしてもそれで原発が止まるということはないのです。どこか別のところに売られることになるので、その分で排出量が増えるということは決してない。つまり、平均排出係数と限界排出係数がごっちゃになっていないかとの懸念。本当にこれで切り替わったことによって増える排出量、減る排出量というのが正確に測れているかどうかというのは相当に微妙。ただ、一方でそういうことがあり得るわけで、ガスを主力にしているところから石炭を主力にしているところに変わったということがあったとしたら、排出量が増えるということもあるので、このやり方が全部間違っていると言うつもりもない。それから限界排出係数は実際に計測するのはとても難しい。だから、ここでも平均排出係数を使っているということで、現実にはとても難しいということはとてもよくわかるのですが、しかしこれが実態を本当に反映しているのかはかなり微妙で、ここで赤になっているところだから、現行だと環境配慮契約をやらなかったほうが排出量はこの地域では減っていたのかというと、そういう解釈はかなりの程度間違っていると思います。一方で、この数字を見ながら配点についてもう少し考慮する余地はあるのではないか、もう少し厳しくしたほうがよいのではないかという議論はあり得ると思いますが、この資料をそういう意味で過大視しないことが重要だと思います。

竹廣委員:松村委員と髙村委員がおっしゃったことと関連して、同じことを申し上げようと思っていましたので、21ページの実績の排出係数については、例に挙げていただいた原子力発電の稼働の問題も関連しているのではないかなというのは、我々も想定の一つとしてはおいていたところです。そもそもの論点のところで、グル―プ化を進めていくということにつきましては賛成でございます。髙村先生からありましたように、ここの配点を一段階強化という案が示されていますけれども、先ほどの排出係数がこうなったという理由のところの分析とセットで、一段階でいいのか、もう少し配点の重み付けをドラスティックにというか大きく差を付けてもいいのではなかろうかと思っているところです。分析とセットで御検討をお願いしたいと思います。もう少し言いますと、資料2の21ページのところはあまり参考にならない部分もあるのかもしれないですけれども、旧一般電気事業者と新電力の排出係数の差があまりないような状況が生まれてきて、あまり点数差が出ないということが原因の一つになっているのであれば、配点方式を見直すということもありますけれども、総合評価落札方式を、先行導入というか、ある国の機関や独立行政法人によっては環境配慮契約を導入して何年か経っていらっしゃるところもあるのかなと思いますので、そういうところに少し御協力いただいて、先行的に総合評価落札方式を導入してみるというのも検討の余地があるのではないかと思いました。以上です。

山地座長:排出係数は期ずれの問題もあって、確かに正確だという気は私もないのですが、資料2の一番最後の図がありますよね。我が国全体の電気の排出係数は下がってきているのですが、環境配慮契約をやったところは上がったところがあるというのは日本全体がどうという議論ではなくて、政府部門が使った電気からのCO2排出が増えたということは、その地域においては、期ずれの問題とは切り離せないのだけれども、事実として受け止める必要があろうかと思います。その上で、ここで議論するのは、一つはグループ化です。それからもう一つは配点を変えるというところなのですが、まずグループ化はどうですか。今までの御意見の中では、この4つのグループをグループ化するということに関しては特に異論がないようですが、よろしいですか。

小川(喜)委員:今回この4つの供給区域のグループ化ということに対しては、非常に数字も似通っていますから、特に問題はないような気がしているのですが、これは28年度ですので、29年度もほぼ変わらないとは思いますけれども、基本的には係数が同程度のところをグループ化するという意味で、4区域に限定するというわけではないという認識でよろしいですか。例えば、もう一つ同じような係数ができたらグループ化すると。グループ化する意味合いは排出係数が概ね同程度という概念でよいという認識でよろしいですか。

環境省:はい。

松村委員:今の点には異議があります。今回の提案は、とりあえずグループ化をするということなので、まず一番問題が起きにくい同程度のところをまとめるということだと思いますが、同程度のところをまとめるとのが基本方針だとすると、グループ化はあまり意味のないことをするようにも聞こえる。そうではなくて、出発点としてまずそのようにグループ化をすることではあるけれども、将来的にはそれは違うこともあり得る。関西と中部と北陸の市場がほぼ一体化してきて、北陸の人たちも中部電力管内や関西電力管内で参入している人からかなりの程度自由に買えることになれば、北陸の排出係数が高かったとしても一緒にすることは当然あり得る。今の提案はそうだけれども、将来の方針はそうではないことを確認させてください。

山地座長:私もそう思っておりますので、そういう意味では資料3の12ページ、四国電力を今回外すという話もここに根拠が少しあって、今4つをグループ化しようというところは大体競争的状況にもあり、かつ先程の話もあることだと私は思っています。結論をすぐ出すのではなくて、グループ化は特に反対はないですか。よろしいですか。ではその次に、配点はどうしましょうか。髙村委員はどうすればいいと思いますか。

髙村委員:先ほど申し上げましたけれども、環境配慮契約を実施しているところについては排出係数が上がっているということだと思うので、契約の配点のところで、できるだけその行われる契約で排出係数が少ないものが選ばれるインセンティブが十分につくような配点。1ランクというのは微修正の範囲に留まっている感があるので、2ランク上げるなり、5点刻みのところの配点を考慮いただくという工夫があるかなと思います。

山地座長:ということですが、他の委員の方はどうですか。これは2段階ずらすとけっこう効きませんか。

辰巳委員:点数の切り方が全部均等ですよね。こういうのが私はよくわからないのですが、ある部分では大きく変化が、例えば場合によっては差が大きいか小さいかに違いがあってもいいような気がします。点数で見ていったときに、同じ40点~45点のところで5点差があって、60点~65点のところも5点差がある。でも、こちら側にきて排出係数を見たらば、それは同じ均等の差ではなくて、取組の効果が大きく反映できるところは大きく点数を変えるけれども、どうせよろしくない数値は全然だめだということで、何と言ったらいいか、表現がよくわからないのですが、わかってくださいますよね。そういう配点方法もあり得るかなと思います。どうすれば公平であるかというのがわからないのですが、そういう形になってもいいような気もします。

山地座長:根拠を付けなければいけないので、そういう逓増型とか逓減型という差にすることについては根拠が非常に難しくなると私は思います。しかもこれは裾切りの基準ですから、これをクリアしていけば、あとは価格の差。

環境省:設定で、幅の入り方によってもすごくピーキーな話になりかねないような数になるかなといった時に、ここはある程度一定の形としたほうが見極められるかなと思います。

山地座長:今ぱっと見て、これはどちらと決めるのは難しいので、まずグループ化はOKですね。それに合わせて配点表を変えなくてはいけないという認識はある。現在一つ案が出ているけれどもどうかということをちょっと考えて、次回最終回になるので、その時に配点表を決めるということでいかがでしょうか。

環境省:幅のところの話で御意見を頂いて、1段階か2段階かという御意見も頂いたという認識がありますけれども、それ以外の意見と言いますか、今の意見でいいということも含めてですけれども、そこをお聞きしたいと考えています。

山地座長:もちろん現段階で結論は難しいかもしれませんが、意見を聞いておかないと。事務局も次回の対応をするために参考になると思います。何か御発言はございますか。よろしいですか。ではそういうことでこの論点を進めてまいりましょう。次は結論までという段階ではないと思うのですが、総合評価落札方式でございます。今回、自動車の調達のところの例が出ました。事務局の提案というかイメージとしてどうですかということですね。

環境省:あまりこれに引きずられてもというところもあるので、議論の場の一案としてということで、まずは考えています。

山地座長:いかがでしょうか。総合評価落札方式を行うとしたらこういう形だという、イメージはわかってきたと思うのですが。何かコメントはございますか。

辰巳委員:印象なのですが、今御提案くださったイメージのところは、価格評価の比率が大きいのかなと。1万円を1点という計算が本当に適切かどうかというところを。この例の場合ですけれども、価格も考えたほうがよいと思います。

環境省:価格も今200万円にしていますが、実際にはもっと高額になってくる形になるとは思います。

辰巳委員:環境配慮契約法の法律の基本的なところで、環境配慮契約法の大きな目的は、電気の購入に関して再生可能エネルギーを増やしていこうということになりましたので、特にそういうことをサポートできる形になっていってほしいと思ったときに、コストが理由で進まないというふうにならないでほしいと思うもので、その辺で価格評価点というのは前後あり得るのかなという思いで申し上げました。

環境省:今後比率について、そういったものを踏まえて検討すべきということですね。

髙村委員:総合評価落札方式に一番こだわっていたのは大野委員だったと思っていて、今日いらっしゃらないので。私は個人的には総合評価落札方式に移ることは方向性としてはいいと思うのですが、結局はどういう仕組みにするかでどれだけの効果があるか変わってくるので、そこの機能をきちんとしないと良いか悪いかというのはなかなか難しいと思っています。これは今日出していただいた資料にもその趣旨が説明されていると思うのですが、その意味で、先ほど竹廣委員がおっしゃった、いくつか試行的にやってみられるようなことはいいことですね。具体的に制度を考えていく上で非常に重要な情報になるのではないかと思います。ここで委員に議論いただくのはいいと思うのですが、制度の構築までここで決めることはできないのではないかと思うので、そうした来年度に向けて橋渡しの作業をお願いできないかなと思います。

松村委員:今回出していただいたイメージは、裾切りは維持した上でということですよね。従って今よりもインセンティブが下がるということはない。裾切り方式の問題は、裾切りさえクリアしてしまえば、後は追加的に努力してもまったく反映しない点にあり、変更後はそれが反映されるようになる。価格のウエイトが高ければ高いほど、今の裾切りに近くなっていく。この方式は自動車ではとてもわかりやすい。例えば、車体の価格が仮に安くても、燃料費が高かったら当然ランニングコストが高くなる。このコストの反映はとてもわかりやすい。さらに燃料費だけではなくて、環境のコストなどを含めれるのも、とてもわかりやすい。もし燃費の悪い車から良い車に切り替えたとしたら燃料消費量が減るのは、その効果だけ見ていればかなりの程度わかる。他に波及することはあまり考えられないので、これはわかりやすい。しかし電気の場合には、先ほどしつこく言った、限界と平均の差という相当難しい問題がある。調達における排出係数を、追加的に下げていくことが環境にどれだけ良いことなのかを計測するのがとても難しいという問題があります。裾切り方式だと、最低限これを満たしてくれないと、というところをクリアする以上のインセンティブを与えていないので、ある意味で「えいや」という基準の決め方でも何とか動いていくかと思うのですが、本当にこの点数を1点あげることが社会的にどれだけ価値があることなのかを詰めて議論しないと、裾切り以上に難しい問題だと思います。従って、そのまま横置きということをするのであれば、辰巳委員の意見に反することを言って申し訳ないですが、価格のウエイトを相当高くしないと恐ろしいことになると思います。一方でアディショナルな努力を本当に評価したいということであれば、価格のウエイトをあまり高くしてしまったら無意味になる。これはそういう意味で指標の正確性、どれくらい環境に貢献するのかということの評価が裾切り方式よりももっと難しくなる価格の比重を高くしないなら、もっと精緻に考えなければいけないと思いました。以上です。

山地座長:これは今年度に結論というわけにはいかないと思っているので、ただ、どうやれば実施できる可能性があるか、それを検討するということで一歩前進したとは思います。具体的な検討は行わなければいけないけれども、本当はデータが欲しいですよね。過去の今までやってきたケースでどうだったかというのが、もし試算でもできるのであれば非常に参考になると思います。今までは、裾切りでゲートをクリアした人は価格だけで決まったわけだけれども、実は総合評価落札方式にすると逆転していたかもしれないというケースが本当にあるのかどうか。そこには興味がありますね。データもなかなか難しいかもしれないけれども、もし可能であればそういうデータを。

環境省:すぐに御回答できないのですが、御意見は頂きましたので、検討の仕方などは考えたいと思います。

山地座長:先ほどの論点で言い忘れたのですが、事務局はどう思っているかわからないのですが、四国地域も逆転しているので、そこの配点を変えるということは事務局提案の中に入っているのですか。

環境省:グループ化とは別ではありますけれども、実際の提案の中としては、独立するかたちにはなるのですが、下げていくということも考えなければいけないと思っております。

山地座長:その点も併せて、中身の具体的な表の配点は今日は難しいと思いますが、そこも併せて次回は出していただけませんか。

環境省:はい。

山地座長:次はメニュー別排出係数で、これは事務局提案が非常にすっきりしていて大丈夫かなと思うのですが、28ページです。どうでしょうか。③というのが新手なのですが、何かよくわからない。低炭素な料金メニューに対応して裾切りの中に入れるというわけですが、30ページに例が出ているのですが、もう一つこれがピンとこない。28ページの①②③に対する意見を聞いておきたいと思います。ちなみに今までの議論をとおして私が感じていることは、やはり事業者全体にしておかないと残差の扱い等もはっきりしませんし、事業者全体で悪いのだけれども良いメニューを出して得点を上げてクリアしてということになりかねないという意見が、今までの意見を集約されている中に入っていますけれども。

辰巳委員:メニュー別の排出係数を、この環境配慮契約法とは別に、事業者に出してほしいという話をした時になかなか出しにくいようなんですね。小売電気事業者の取組のガイドラインで、販売する電気の電源別の表示とメニュー別の排出係数を求めていますが、一般の人たちがグリーン購入をしようとした時にそういうものを見せてほしいと言っても、なかなか出にくいという現状にあるのですが、そういうことが上手く進むようにこの環境配慮契約法もあるといいなと。環境配慮契約法でも、そういうことを示すように事業者に言う。メニュー別の排出係数もあるけれども、全体の排出係数も重要だと思うので、そこをちゃんと出してくださいという格好になって、国が電気を買った時にどうやってメニュー別で計算をするのかわからないが、そういうことで進めていってほしいと私は思っています。だから、メニュー別排出係数はいらないとはしないでほしいという希望です。

環境省:そこはまさに苦慮しているところでして、メニュー別排出係数を否定したいという思いは毛頭ないところです。ただ、今までの議論でも、裾切りにはなじまないというところを皆様から御意見を頂いているところがありまして、その中で苦肉の策として裾切りの中に組み込むとすればということで得点に反映をさせていただきました。

山地座長:だんだん30ページの意味がわかってきましたけれども、少なくとも自分の事業者平均よりも小さい排出係数のメニューで出したいという事業者に対してプラス5点あげましょうということですね。

環境省:そうです。論点5の再生可能エネルギーのメニューを出した時に、メニュー別排出係数が出ているとすれば係数は低くなってくるという形になると思います。コスト的にもそういうものを調達するとなると上がっていくのですが、やはりそこをメリットとしたいという思いの中で、ただ裾切りにはなじまないところの中でどうやって入れ込もうかと考えたのが案③という形になっています。

竹廣委員:この点につきましては、前回の専門委員会においても、やはりこういう環境ニーズが高まっている中で、そういうメニューを用意しているところは評価いただきたいものの、一方でメニューを作ったからといって全体排出係数が下がっていないところまでひっくるめて評価されるのは制度的に問題があるというところで御考慮いただきたいと申し上げたところなのですが、今の議論で、30ページにはこういう表現をされているのですが、これは言い換えれば、メニュー別排出係数を用意していれば加点がもらえるという意味で言うと、加点項目の並びが一つ増えると理解をしました。ただその場合に、メニューを用意しているのですが残差の係数が増えてしまっている事業者について5点をあげるのはどうかと思っていまして、残差の係数が上がらないような努力、つまりはほかで再生可能エネルギーを調達してきたり、非化石証書で排出係数を下げたりという手段が用意されているので、そういう事業者については5点を加点するという仕組みのほうがなじむのではないかと思いました。もう一つ言いますと、今、メニュー別排出係数、CO2ゼロメニューみたいなものを出している事業者の中には、いろいろ工夫をしている事業者もいれば、過去の大型水力のような、いわゆる非FIT、総括原価の時代に作られた電源でメニューを展開されている事業者もあって、そこについても5点をあげるというのは、これは平等ではないと思いますので、これについてはこれから別の審議会で議論されるところでありますけれども、そこについては御配慮をお願いしたいと感じております。以上です。

松村委員:私は案①がいいと思います。メニュー別はなしとするべきだと思います。まずこれは国の機関が購入するもの。メニュー別のものを国が占拠した結果として、民間に回らなくなるということになったら、まさに本末転倒な気がします。事業者の排出係数が低いのであれば、全体として排出係数は低くなる。石炭を天然ガスに替えた結果として全体的に低くなるということであれば、他に買う人の排出量も減ることになると思いますが、天然ガスのところだけ抜き出してメニューに持ってきて、これを国に売るということをして、残りの石炭は民間が買いますなんて、目も当てられない状況だと思います。こんなものは何の意味があるのか。全体として増やすということはとても重要だと思いますが、切り出してということを取り立てて評価する必要はないのではないかと思います。それから民間の事業者もメニューのことは知りたい、メニュー別がほしいというニーズは当然あるし、事業者の方も工夫するということがあると思いますが、それを、そういう工夫をしたことを国の調達で評価するというのは少し筋違いな気がします。私は、この段階ではまだまだいろいろな問題があるのを、ちょっとメニューのところで工夫した、あるいは入れたということを過大に評価するというリスクを冒してまで入れる必要はないと思います。現段階では案①でいいと思います。以上です。

山地座長:ありがとうございます。私も大体同じような考えなので、少なくとも裾切りの中に入れるのは難しいと思います。総合評価落札方式になったら、ひょっとしたら工夫の余地があるかもしれないと思っているのですが、ただ、時間も迫っているので司会者としては、大体の議論は今までもだいぶやってきましたし、わかっていると思うのですが、今日結論ではなくて、もう1回、この点は検討しましょう。今日片付かないところがだいぶあって申し訳ないのですが。ということで残りをやらせていただけませんか。5番目の再生可能エネルギーの比率向上の件なのですが、これに関して事務局案は32ページです。本年度中の結論を求めない場合は継続的な議論が必要、いずれにしてもまだもう少し議論をしましょうという、結論が出れば別ですけれども。結論は出ますかね。私は出にくいなと思っているのですが。

髙村委員:私も結論は出ないと思うのですが、昨年度も継続的に議論をするといった案件があったので、繰り返しになりますけれども、毎年非常に限られた期間で、親委員会との関係もあって議論しなければいけないので、これはぜひ会期中と言いますか、来年度の議論を始めるまでのところでも少し議論をしていただくといいのではないかと。つまり3回で議論をして結論を出すにはかなり大きな議論かと思います。先ほどあったメニューの話も、そういう文脈で、メニューについては松村先生がおっしゃったとおりなのですが、そういうメニューが採用されるということになると再生可能エネルギーの新しい電源開発のインセンティブに間接的にはなっていく可能性もあると思うので、制度設計の問題も含めて、メニューの問題もこの中の一環として継続審議していただけるといいのではないかと思います。

山地座長:メニュー別料金と非常に似ていますよね。これは再生可能エネルギーという決め打ちがあるところが少し違うのですが、メニュー別の議論とほぼ並行的な議論になるのではないかと思います。ほかにいかがでしょうか。

辰巳委員:環境配慮契約法で契約者を国が選ぶというのは、もちろんそうなのですが、これは国がまず率先してやりましょうと、その後独立行政法人、地方自治体、それから企業、国民と、グリーン購入法と同じような感覚で捉えてよろしいんですよね。だから、環境配慮契約法を国がやって、残りがいいものがなくなって、民間の人はいいものがない中から選ぶという形になるのではなくて、率先して国がこういういいことをしているから、みなさんも同じようにやってくださいというのがメインですよね。実質の商品、渡すサービスの内容が限定されるから、松村委員がおっしゃったようなお話になるのかもしれませんけれども、やはりそれは変えていって、いい商品を増やしてもらうというところが一番重要なところだと思っておりますもので、ぜひそのような方向にしていってほしいと思っております。

環境省:そういう意味では、国が率先して広げていくという考えになっています。ただ、松村委員から頂いたような意見の状況になるのはまずいので、そういうことにならないような形での率先を進めていくことは必要なのかなと思っています。

松村委員:再生可能エネルギーとメニュー別はパラレルではないと思います。この再生可能エネルギーの評価は、事業者が再生可能エネルギーの割合をどれだけ増やしたかを評価するのであって、そこだけ切り出して国に売る話ではない。そうすると、再生可能エネルギーの比率を全体として増やせば、民間に売るものも国に売るものも増える。だからパラレルだと私は思っていませんでした。しかし一方で、ここで指摘されているように、ダブルカウントなどの問題があるので難しいということは認識しています。しかしメニュー別と違う結論になったとしてもおかしくはないと考えます。以上です。

山地座長:ほかにはよろしいですか。継続的な議論ということで。6番目は報告、確認事項ですね。非化石証書による再生可能エネルギーの評価については、再生可能エネルギーの購入状況というパーセントのところ、分子側に入れるということですが、これはこれでよろしいですか。どうもありがとうございました。今日は少し積み残しもありますけれども、大体今年度の結論の見通しはできたと思っております。今までの議論を通して、みなさんの発言の御希望がなければ、議題3に移りたいと思います。では、今後のスケジュールについてお願いします。

環境省:(資料4説明:省略)

山地座長:検討スケジュールについて何か。よろしいでしょうか。それでは、以上で第2回電力専門委員会の議事は終了でございます。大変熱心な御議論をありがとうございました。

以上