平成30年度環境配慮契約法基本方針検討会 建築物維持管理専門委員会(第2回) 議事録

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建築物維持管理専門委員会(第2回) 議事録【PDF304KB】

日時

平成30928日(金)1330分~1530

場所

経済産業省別館1階 108各省庁共用会議室

出席者

出席委員:赤司委員、伊香賀委員、興膳委員、成田委員、原委員、野城委員(座長)

(五十音順、敬称略)

議事録

事務局:本日はお忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、これより平成30年度環境配慮契約法基本方針検討会第2回建築物維持管理専門委員会を開催いたします。カメラ撮りは資料の確認までとさせていただきます。それでは早速ですが、野城座長に議事進行をお願いいたします。

野城座長:皆様、お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。議事に入る前に、事務局から本日の議事予定と配布資料の確認をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

事務局:本日の会議は、15時30分までの2時間を予定しております。続いて、配布資料の確認をいたします。

    <配布資料確認>

それでは、野城座長、議事進行をお願いいたします。

議事

野城座長:それでは議事に入らせていただきます。お手元の議事次第をご覧ください。ここにございますように、本日は議事が3つございます。建築物の維持管理に係る契約に関する考え方について、建築物の維持管理に係る契約に関する基本的事項について、検討スケジュールについて、でございます。議題の1と2につきましては密接に関連しておりますので、資料2と3、関連するほかの資料も併せて御説明いただき、御議論いただきたいと思います。事務局より御説明いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

環境省:(資料2、資料3説明:省略)

野城座長:それでは、今御説明いただいた資料につきまして、審議をしたいと思います。資料2の一連のスライドでございますけれども、これについて、皆様から忌憚のない御意見を頂けたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。この資料につきまして、御質問、御意見がございましたら、御自由にお願いできたらと思っております。いかがでしょうか。

伊香賀委員:第1回に欠席しましたので、その時に説明があったかもしれないのですが、維持管理の契約が、事業者が選ばれて通常何年くらい継続的な契約が多いのかというあたりを教えていただきたい。と言うのは、今回問題になっている温室効果ガス削減に関する内容を書かれる時に、単年度で次々に事業者が変わるとなかなか上手く行かないだろうと思っていまして、ある程度何年かまとめて契約ができれば、いろいろなことがわかってできるということだと思うのですけれども。その辺の基本的なところを教えていただければと思います。

環境省:その関係では今集計していないところがございますので、少しお待ちいただいて御回答させていただくということでよろしいでしょうか。申し訳ございません。

赤司委員:資料2について、一通り御説明を受けた感想も含めて発言させていただきます。3ページのグラフは床面積別の件数の割合ですね。CO2排出削減に対するインパクトで言うと、例えば大規模ビルの維持管理に集中した方がいいという話があるかもしれないと思いました。それから4ページの3番目ですけれども、これを見ると、維持管理についてはかなり脆弱な印象を受けました。BEMSの導入施設が5.5%というのは、たとえBEMSが入っていたとしても監視業務がメインでCO2排出削減の取組につながっていないという問題がありますので、非常に小さい数字だと思います。それ以外の省エネ診断やESCOはもっと小さな数字なので、実態としてはほとんど維持管理できていないのだと思いました。それから5ページですけれども、ここのkWh/㎡は2次エネルギーですね。電力消費量そのままの数値なので、ほかにもガスや油があるかもしれません。それを加味して、1次エネルギー換算すると大体10倍弱すればいいので、これまでいろいろなところで集められている原単位とほぼ変わらない数値です。官公庁なので一般のビルよりは小さいかもしれませんが、大きく下がっているわけではなさそうです。7ページ、8ページの評価方式で、総合評価落札方式やプロポーザル方式という部分が非常に少なく、最低価格落札方式や随意契約が多いというのは、御説明にあったとおり、質の高い維持管理を実施することになっていないのかと思いました。総合評価落札方式でも何が基準なのかを確認した方がいいと思います。総合評価落札方式と言いながら、結局コストに引っ張られている場合もあると思っています。11ページですが、機械設備保守管理の半分ぐらいが複数発注になっています。保守管理の業務内容というのは、本当の意味で保守管理をしようとするとかなりレベルが高くなるはずなのですが、複数発注ではどういう業務内容になっているのかを確認してはどうでしょうか。先ほどの話で言うと、維持管理の質レベルの高いところに業務のターゲットを置いてもらうような仕組みにするべきではないかと思いました。14ページに全国ビルメンテナンス協会の話がありますが、まさしく委員限り資料で言われていることが本当にそのままでして、設備の自動制御やロジックなど、そういう多数要素まで踏み込んでエコチューニングしていく、それによってかなりの省エネ、省CO2が達成できます。そのためのスキルが必要であり、データを分析してチューニングするには3年程度はかかる、というところもまさしくそのとおりと思いました。こういうことに現状の官公庁のビルの維持管理をどのようにして持っていくのか、そのために仕組みをどうすればよいのかということですね。16ページにその方向性というような話がありますけれども、書き方が弱いような気がします。今の時代にこの程度でいいのかと少々心配です。維持管理のパフォーマンスをいかに発揮してもらうかというのが非常に大事だと思いますが、そういう意味では資料3も奥歯にものが挟まったような言い方になっているようにも感じます。ただし書きで、「当該建築物の用途・運用状況に照らして温室効果ガス等の排出の削減以外の項目が特に優先される場合」と書いてありますが、ほかの用途と横並びにしない方がいいと思います。必要となるエネルギーは用途によって違いますので、その建物の特性を踏まえた上で、それをどこまで減らせるのかというところに切り込むような契約の仕方みたいなものを、ここで言っていくのがいいのではないかと思います。以上のようなことを感想として思いました。

事務局:伊香賀委員の御質問の件なのですが、御回答いただいた数で申しますと、単年度が70.4%、複数年度は29.6%ということで、7:3ということでございます。複数年度で契約しているという建物の単純な平均面積が32,000㎡くらいです。単年度のところは16,000㎡くらいということで、ちょうど倍くらいです。あくまでも平均なので意味があるかどうかはわかりませんが、大きいところは複数年の傾向があるということは言えるかもしれません。

環境省:速報値ですので、その部分は後ほどまとめさせていただきたいと思っています。

野城座長:ありがとうございます。赤司委員の御感想等々の中で、お話を聞いていて重要なのは建物のオペレーション、運用に関しての独法や官庁建物の現状を考えるとかなり削減できる余地があると言いましょうか、まだBEMSやESCOやソフトESCOなどの実施件数が少ないということは、裏返すとそこを工夫して入れていくとかなり削減余地がある、CO2排出ガスの削減余地があるという読み取り方をするということで感想をおっしゃったように私は思うのですが。

赤司委員:他の一般のプライベートなビルと比べるとエネルギーが少ないのは事実なので、相当我慢されているということだと思います。しっかりとBEMSを活用してエコチューニングなどを行っていくと、適切な環境を実現しながらCO2排出を削減するサイクルを回していける可能性はあると思っています。

野城座長:今おっしゃったことを私なりに解釈すると、我慢されているというのは環境省が率先垂範して我慢しているのではないかと思うのですが、28℃設定で、吹き出し口での測定ですから、場所によってはそれよりも高い温度で執務されている方もいて、作業効率が落ちているわけです。一方では、一般に施設の設備機器はオーバースペックであり、そのまま運転すると無駄が大きい。要するに設計者というのはクレームが怖いので、熱負荷を計算しても、少し大き目の機器を入れてしまうと、結果的には3ナンバーの車が路地を走っているような状態になってしまって、本当ならば5ナンバーや軽でいいようなところを、少し大きいものが入っている。要するに高速道路を走れれば良い燃費だけれども、ずっとローギアで走り続けているような状態があるので。皆さんが我慢する前にそういうところを発見していく方がスマートですよ、ということを赤司委員がおっしゃったのではないかなと。その方が長続きもするしという趣旨でおっしゃったのだと思います。

原委員:基本的なことかとは思うのですが、複数業務のことなのですが、8つの業務区分に分割しているのですが、複数の異なる業務区分の業務という話なのか、それとも同じ業務区分の中でいくつか細かい業務があって、それが複数になっているのか教えていただきたい。もう一つは、この3つの業務について、単独と複数を比べますと、総合評価落札方式が増え、随意契約が減っている。一般競争入札が減るのではなくて、随意契約の割合が減っています。何か理由があるのかどうなのか教えていただければと思います。それからBEMSなどを導入しているところが割合としては少ないのですが、実際にはいくつかのところで導入されている。まだ導入しているだけでわからないかもしれませんけれども、どういう効果があるのかというようなことはお聞きになられているのか、今後聞いていくのかというところをお聞かせ願えればと思います。

環境省:業務の話につきましては、基本的に8つに分かれている形で考えていただければと思います。ただ、それぞれの主体で3つだったり、4つだったり、ばらばらになっているところでございまして、アンケート調査として調べた中では、きちんと分かれている場合はということで、契約として入れ込んで挙げていただいているので、分かれているということで考えていただければと思っております。BEMSの導入は政府実行計画の方でまさに入れていこうという話があって、大規模なところから入れていこうとなっているところでございます。数としては今こういう数字になっているところでございますが、今後入っていくところであろうと考えているところでございます。何分今回の環境配慮契約のスキームという場合、ハードではなく、契約でのアプローチになりますので、なかなかこちらとしても言いづらい部分があるのですが、そういう中で導入について進めていくといったところについてはあるということでございます。2つ目は随意契約との関係だったかと思うのですけれども。

事務局:確かに見る限りは、随意契約が減って総合評価落札方式が増えているように見えるのですが、そこについては、申し訳ないのですが、まだ細かいところまで分析しておりません。見た目では、随意契約が減って、その分が総合評価落札方式になっている。随意契約が減っているというのは、おそらく発注規模が大きくなって、少額の随意契約が減っていて、入札に付す形になっているので、金額規模が大きくなっているところでその分増えているのではないかというふうには想像されますが、そこまで調べていませんので、あくまで想像の範囲ということで御了承願えればと思います。

環境省:先ほどのBEMSの補足ですが、政府実行計画ということになるので、これには独立行政法人は入っていないのですが、国の施設としてということで、BEMS導入対象施設という項目がございまして、まず第1段階ということで、霞が関の中央官庁庁舎でありますとか、50,000㎡以上の大規模な地方官庁の庁舎に導入をしていくということになっています。第2段階としては、50,000㎡未満の地方官庁庁舎への導入方針については、2020年度中に実施される政府実行計画見直しに併せて検討することになってございます。まだ見直しは始まっていないと思うのですが、そういった中で検討していくということになっております。アンケート上では、独立行政法人が入ってくるので割合としては少し違ってくると思います。こういった少ない状況であるということしか言えないのですが、今後に向けて余地があるという言い方もできるのかもしれませんが、現状はこのような状況になっているということでございます。

野城座長:これを報告書にどう書くかということもあるのですが、BEMSについては、頭出しはするとともに、契約のフレーム、技術的な部分ではなくて、委員会の全体の構造からいくと、赤司委員が示唆されているESCOの部会と多分同じですよね。現実的に今の官庁のことを考えると、自分で予算を起こしてBEMSを入れるというよりは、ESCO方式的にBEMSの事業者がセンサーや計測機器や測定を全部入れて、そのベネフィットからもらってくると。初期投資を官庁の方が予算を起こさなくても入れていくという方式の方が、現実感が出てくると思うので。それはここで議論をするわけではないのですが、独立行政法人も同じような事情で、政府が少し押していただければ契約としては工夫の余地が出て、入っていく可能性がありますし、その時は会計法上のロジックはESCOの時はそれでクリアしたんですよね。だから使えるのではないかという感じがいたします。

赤司委員:今、野城先生がおっしゃったことと同じことかもしれませんけれども、BEMSを入れたからといって省エネとか省CO2が進むわけではないのです。ESCOも、極端な話を言えば、費用対効果というか回収する年数等で契約が進みますので、回収年数を小さくしようと思えばターゲットが限定され、省エネや省CO₂は限定的になってそれほど進まないということになります。特にBEMSは、ある種、道具を入れているということだけなので、どのように維持管理業務を行って、どのように本当の省CO2を実現していくかという話はもっと上位概念としてこの契約の中に盛り込むべきだと思います。総合評価落札方式は、これも総合評価落札方式だからいいというわけではないと思います。私も何度か総合評価落札方式の審査の経験がありますけれども、その中でコストが何割か占めてしまうことがあります。ですから、総合評価落札方式といった時に、コストではないところの目標を事前に十分に練っておかないと、いくら総合評価落札方式を行っても省エネ、省CO2が進まないことになりかねません。例えば、国側、契約する側に、こういうパフォーマンスの内容で契約した方がいい、というようなことを言う人たちはどういう方なのでしょうか。仮に相手側にビルメンテナンスをされる業者の方がいて、その方が提案する内容に対して、国側は誰がどういう判断をしているのかという部分です。本当の維持管理業務をするにはかなり専門的なスキルがいるという話ですけれども、その良し悪しを判断する国側の専門家がいるのではないかと思うのですが、今、それがどのようになっているのかがちょっと見えません。

環境省:その意味で言いますと、それぞれの業務で、法令で必要なものについては、基本的には仕様書なりで縛られてくるだろうということで、技術者などというところは、実際には、それぞれの発注者の判断で入るか入らないかという形になるであろうと考えています。今回、実績調査の調べ方として、いろいろな業務の中でも特に環境について回答をしてもらったものですから、広く環境の要素に関するものとしての項目があるかという形で聞き取りをしています。技術者を付けているかどうかという分析はなかなか難しいところがあります。書いている環境の要素で特筆すべきものがありそうだというところを引っ張ってこられるという調査形態になっているというところでございます。回答にはなっていないのかもしれないのですが、今回調査している中で、総合評価落札方式とはいえ、環境の要素がもしかしたら入っているのかもしれないですけれども、環境の要素が空欄というところもありましたので、BEMSがあってもあるだけでは意味がない、使っていかないと減らないというものの類ということがあって、総合評価落札方式の中で提案なりを受け、それに基づいて行っていただくことで、少しは省CO2といったことにつながるのではないかというところから、提案を求めるということを書けないかと考えたところです。書きぶりとして足りないのではないかという御意見になるだろうということはあるのですが、一つずつでも少しでも進めていけないかというところで、案として提示させていただいたところでございます。

伊香賀委員:2点ございます。資料3に温室効果ガスの条項を入れるのが目玉なのだろうと思ったのですが、それに付随して、それを実効性のあるものにするために2つの視点があるのかなと思いました。例えば小規模な庁舎の場合は、複数棟一括で発注するようなやり方をすれば、もう少しきちんとした技術者と言いますか、まとまった金額になるので、より実効性のある温室効果ガス対策というのが期待できるようになるのではないか。そのやり方はすでにESCO事業や公共事業で行われている。複数施設をまとめてというのは今の会計制度でもできそうな気がするというのが1点です。それから、一番問題なのは、複数年度まとめて契約という、例えば5年間まとめてという契約になってくれれば、きちんとした提案もできて、きちんとした温室効果ガス削減の実績も上げられて、それがまた次に、例えば5年が終わった後もその実績を踏まえて総合評価してもらえれば、その実績があるところが選ばれるのではないかとかいうことで、これは国の会計制度上の問題で複数年度契約というのがどれくらい実現性があるのかわからないですが、複数施設一括契約とか複数年度契約というあたりが何も書かれないまま条項だけが入っても、あまり実効性がないのではないかというのが気になった2点であります。それから補足的に、先ほど赤司先生が御質問されたと思うのですが、資料2の3ページの円グラフの施設構成は件数構成であるわけですよね。これも延べ面積構成というのも把握しておいた方がいいのではないかと思いました。というのは、4ページでBEMSの導入が5.5%。これは大規模庁舎で優先的に入っているということもあるのですが、多分小規模庁舎にはほとんど入っていないはずで、これは余地があると見る数字なのか。小規模庁舎にBEMSが全部入るというのはちょっと想像しにくいところもありますので。あるいは省エネ診断も、複数棟まとめてというものである限りはなかなか増えるものでもないような気がします。最後のものはただのコメントですが、最初の2点は大事なポイントかなと思いました。

興膳委員:業界の委員として意見を申し述べさせていただきますと、庁舎に関して言えば、16ページにまとめているとおり、最低価格落札方式と総合評価落札方式というまとめ方になるのだろうなと。最終的には価格で決まる話ではありますが、どちらにも入札条件を付けるということは十分可能なわけでありますので、ぜひそういう形にして、一歩でも前進させていただきたいと。やはり今、国の物件、地方の物件、民間の物件と我々大体3つに分けて話をするのですが、現状で申し上げますと、品確法ができて、ビルメンテナンスの業務発注も、発注事務のガイドラインというものも厚生労働省から出されて、ビルメンテナンスを発注する時にどういう形で契約していくかという話がガイドラインとして出されているわけですが、それの大きな趣旨はやはりダンピングと言いますか、競争が適切でないという、その結果、そこで働いている人、企業が疲弊すると言いますか、逆に育成しなくてはいけないという趣旨でガイドラインが出されているわけですけれども、やはりどうしても官庁の物件というのはダンピングが出たりします。その結果、能力のある企業が入札に参加しないというあきらめの状態、雰囲気が出てしまっています。従って、そういった能力を持った企業をもう一度入札の場面に参加してもらって、少なくとも自分たちの技術能力が評価されるような形で制度ができあがれば、大いに参加する企業も増えてくるのだろうと思っております。今の状況から考えますと、非常にその点が貧困で十分揃っていないものですから、せっかくの能力を持った企業が参加できない、結局落札できないという形で、何年もそれが続いていくと入札そのものに参加しないという状況も出てくる。そんな状況もあるものですから、もう一歩、政府の方から押していただくと、だいぶ状況が変わってくるような気がいたします。資料3の基本的事項についても、伊香賀委員が言われたとおりだと思います。そういう形になってくれば、いろいろな形で能力を持ったところが積極的に参加してくるということも起こり得る話だと思います。そのあたりを十分御検討いただければと思っております。

環境省:先ほどの伊香賀委員からのお話の中での複数年契約については、3回目に向けて資料としてまとめさせていただきたいと思っております。興膳委員からお話があった関係で、厚生労働省のガイドラインでありますとかそういったものについての参照ですとか、次の議題の資料4、今回は骨格だけという形になりますけれども、実際の解説資料の中でどういった形で書いていけるかといったところは、まさに検討しようと思っていたところでございますので、まとまった形でどう表現していくかというのは実際のところ3回目になると思いますけれども、今お話があったガイドラインの参照の仕方であるとか、実際の技術者の関係でありますとか、もう少し解説資料でいかにして書いて、詳しく説明できるかといったところが非常に関係してくるのかなと思っておりますので、本日は骨格の話で次の議題として、3回目の中で御覧いただいて、御意見を頂く形になると思っております。

野城座長:興膳委員がおっしゃった2つ目の議論については、極端なことを言うと、ボールペンを買うような場合の最低価格落札方式と、こういった業務のサービスを買う場合が同じであっていいかというあたりが一つのポイントだと思うんですね。コンサルタントの業務を最低価格落札方式で決めて、ひどい目にあってしまった経験があります。本当に能力のないコンサルタントがある県の仕事を受けて、私はそのコンサルタントを知らなくて、委員会に行ってですね、思うにはこの県はいくらか安くなって得した気持ちだったかもしれないけれども、報告書の出来上がりを見ると、そもそも払った費用が無駄なのではないかということがあったんです。それはちょっと極端な例なのですが、政府全体でCO2ガスを減らす時に、仮にCO2を1kg減らすのにどれくらいコストがかかるかという時に、仮にいくらか増えるかもしれない。だけれども、それによって減る光熱費との比較においてどうなのかというとむしろ増額よりも光熱費の方がもしかしたら安いかもしれないし、仮に多かったとしても、ほかの方法でCO2を減らすよりは、減額するためのコストとして見た場合に1kg CO2を減らすコストとして安いと。すぐにではないですが、その辺の理論武装をしていくと、能力のあるところに、最低価格落札方式ではなくこういった仕事をしてもらうところの合理的な理由が作っていきやすいのかなと思いました。

成田委員:あくまで維持管理に関わる契約のアプローチをされているので、その中でどこまで総合的に、エネルギーとかCO2削減、温室効果ガスのことを考えるかというところがポイントというか、難しいなという感じがしました。そういう面ではBEMSの話も出ましたけれども、エネルギーの話や温室効果ガスを出す時の最低限の前提条件として、BEMS以前に、あらゆるビルの、例えばエネルギー消費量がどれくらいかというのがすぐわかるという状況にしておくというのが最低限だと思うんですね。それをBEMSで行っていくともっと情報が入る。それは際限がないと思うのですが、現状では、中小の光熱費は正確に出ていないのではないかなと。例えば、この部屋だけというのはわからなくて、全体でわかるというように。そういうレベルのものがたくさん古い建物ではあると思いますので。ビル全体ではわかるけれども、個別にはわからない。そうするとそれぞれの省エネ対策を実施したくても、なかなかできないということもありますから、こういう契約をする前提条件として、BEMSとかエネルギーデータを正確に把握する必要があるみたいなものを、何か別のところで用意するというか、必要があるのかなと思いました。もう一つ蛇足を加えてしまうと、今回は温室効果ガスなのですが、省エネという視点だけでいうと、エネルギーだけに焦点を当てられると、それをコストで考えると、エネルギーコストは下がったけれども、失礼な言い方ですけれども、そこで働いている皆さんの生産性がものすごく下がっているということになると、どっちのコストかというと圧倒的に人件費の方が高いんですよね。28℃で頑張るよりも、もう1℃、2℃下げて、頑張ってもらった方が、コストの面ではいいと。ただ、地球環境とかそういう面ではありますが、それをESCOとかいろいろなものとバランスを取りながらどう執務環境のレベルも上げながらエネルギーコストのことやCO2を考えないと、地球のために人間がおかしくなっていくというような形になって、それを上手くバランスを取るのがすごく大事なのではないかなと思いました。それからもう一つ、用途を見ると、独立行政法人は教育施設や試験研究施設とかが多くて、エネルギーコスト的にも圧倒的にその辺が高いんですね。ですからこの辺は用途による、全部を同じようにするのは当然いいと思うのですが、用途によって取組の姿勢を考えるということも必要なのかなと思います。それから先ほど伊香賀委員のお話に複数年契約の話がありましたが、提案する側が疲弊しないといいますか、こういうものに提案していきたいと言って自分たちの実力が出せる仕組みを作ってあげることは、こういう法改正のような時にすごく大事だなと思います。といいますのは、いくら提案しても提案をただ取りされているだけだと思いますと、当然民間の採算が合わないと思えば応募しない。いかに応募した価値があるような仕組みにしてあげるかというのが大事だと思います。どういう方法がいいのかというのは、先ほど複数棟とか複数年度とかありましたけれども、やはり毎年コストメインだけで比較されていると、人間ですから疲弊してしまいますし、先ほど野城座長のお話にもありましたが、レベルの低い業者にいってしまって本来できることができない。こういうところで冗談を言ってはいけないかもしれませんが、警備を最低コストで行ったという例があって、国の施設で道路工事の警備のようにやられて、国の品格みたいなものがどこかへ行ってしまったというようなということもありますので、その辺の仕組みは何か上手く、自分で提案できればいいのですが、ちょっと具体的に思いつかないですが、複数棟とか複数年度を含めた上で何か仕組みがあるといいのかなと。

野城座長:あと10分くらいでこの議題についてまとめていきたい。大括りところだけ、こう理解していいかなということで委員の皆様に確認していきたいのですが、まず事務局としてはこういった調査をしたのは、参考になるベストプラクティスがあって、それを元にスケールアップすればいいかということで行ったが、ベストプラクティスを見つけるのは難しいくらい、非常に少数例しかないというのが結果だったと。それがないからこのままでいいというスタンスではなくて、かなり大きな余地があると。余地があるから、新たな仕組みを作って、少ないけれども工夫をして作っていきましょうと。そのためにこうしたらどうですかという御提案を皆さんから頂いているという、大括りとしてはそういうような方向性でまとめていくということでよろしいですか。現状がないから仕方がないということではなくて、ないからこそ余地があるのでいろいろ工夫をしていきましょうということで、上の検討会に上げていくという。そこはいかがですか。よろしいですか。大括りとしてはそういう方向性で、これから残りの時間を議論に使っていきたいと思いますので、お願いいたします。

赤司委員:温暖化の問題に対して建築物のインパクトが非常に大きく、国が率先して対策を行っていかなければならないというような状況の中で、従来の維持管理業務では済まない、チューニングというようなかなり深いところを取り上げていかなければならない、高度なスキルが求められる業務だということがまずあると思います。それには、やはり複数年、複数棟という契約が必要で、更に推し進めると性能発注だと思います。性能発注をするには発注者側が性能を規定できないといけません。現状のこの建物はこういう性能で、これをここまでの性能に持っていけるはずだというような、性能発注の提案ができないといけないので、この部分を上手く盛り込めないかなと思います。それができると、その性能発注に見合うスキルのある業者が手を挙げてきて、というふうに上手く回っていくのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

野城座長:私も事前の打ち合わせで、ものさしを用意した方がいいですよねと。今、ものさしがないので、ものさしがあるからこそ性能発注ができる。

環境省:個別の形になっているものさしが今ないところがあって、温暖化対策の政府実行計画のところで、ちょうどこれから見直しのタイミングになります。今は実際に省庁ごとで総量に対して10%削減という形になっているところがありますので、少しでも進めていく方策を考えるのもなかなか難しいところがありましたので、なかなか今の現状として難しいですが、お知恵を借りられるところはお借りしたいというのが現状ではあります。

野城座長:何%とかいう話ではなくて、ものさしが必要というくらいの頭出しは、ここで提言としておきたいところですよね。

赤司委員:おそらく一律のものさしはないと思います。現状そこそこやれているビルかもしれないし、全然やれていないビルかもしれない。建物用途によってもエネルギー消費の構造が違っていたりします。契約ごとにものさしを作る人の役割を国がインハウスでできるのか、あるいは、ものさしを作ることも発注するのか。いずれでも構わないと思いますが、そういうこととセットでやらないと上手くいかないような気がするのですが、どうでしょうか。

野城座長:伊香賀先生、そういった御経験をいろいろなところでされているのではありませんか。

伊香賀委員:適切な回答がありません。すみません。

赤司委員:このビルの維持管理業務で何%というのは出しにくいような気がしますが、やはり重要なプロセスの一部だと思います。

環境省:そうなんですよね。そういう意味では、そういったことが重要という形に向かっていく中でも、例えばデータとかを取っていきましょうということでまとめながら、ではどうしていこうというところを少し書いていくなり、あと実際にチューニング的な話も頂いているので、そういった事例として解説資料なりに書いていくとか、そういうやれることをいろいろ集めていきながら、まとめとしてどういうふうにしていくかというところから進めていくのかなと。

野城座長:ちょっと整理しますと、成田さんもおっしゃったし、皆さんもおっしゃっているのですが、発注以前の問題としてデータがないということですね。だから、BEMSも皆さんの意見を聞いているとそれで減るわけではなくて、変な例えですけれども、江戸時代は脈と顔色だけ見て、お医者さんが診察したのを、せめてレントゲンを撮るなり、血圧を測るなりしましょうと言っているのがBEMSのレベルで、だけど見立てが悪ければ何の効果もないわけなので、そうすると今お話があったような、きちんと良いサービス、能力のある人がきちんと仕事を受けてくれないといくら計測してもだめである。だけど一方では計測する方も工夫して、一枚の請求書だけではなかなかどこが無駄なのかわからないので、ある単位で計測できるようなものは必要ですよねということが、まずベースラインとしてあるし、それももしかしたらサービスの範囲に入るかもしれないですよね。更に、発注、受注のお約束をする時にはものさしが必要だということも出てきたと。それと、前提条件として、複数年ということは、やはり1年経ってみないとパフォーマンスは評価できない。この建物がどういう性格を持っているか読み取れないこともあるし、発注者側から見れば、この業者がどれだけ能力があるかも1年以上行ってもらわないことにはどうしようもないということがあると、1年では業務として合理的でない部分もあるのでという説明が今日の御意見の中に入っていたと思いますので、そのあたりをベースラインとして、データを揃えて、ものさしを用意して、そしてできれば、こういった業務の合理性は4シーズン経験して初めて手立てが見えてくるし、発注側も評価できるという現状を踏まえていくと、単年度契約がなじまないところがあるので、そこをどう工夫するかと。あと、発注単位もある程度考える必要があるのではないか。いろいろな独立行政法人がありますけれども、比較的大きなサイトを持っていらっしゃると思うのですが、財務省の理財局のお手伝いをして聞いていると、地方部でかなり合同庁舎があるのでまとまっているかというと、けっこう星粒をばらまくようにある。それが今日の3,000㎡くらいにたくさん入っていると思うと、そうすると同じ市や県、何とか地域で発注をまとめてもらった方が合理的だというのが、伊香賀委員の御意見ですよね。2,000㎡、3,000㎡の小さなところを1棟、1棟維持管理するよりも余地があるのではないかと。発注単位なんかについても工夫があるということは、そうするとダンピングしづらくなってくる。興膳委員に確認したいのですが、先ほどおっしゃった条件を作るというのは、仮に一般競争入札でも、ものさしがはっきりしていれば評価できるから、仮にダンピングして取ったとしても次の年に化けの皮が剥がれるというんでしょうか。今は測っていないので、取ったら取ったで知らんぷりでいくということも。

興膳委員:そうですね。今エコチューニングの方でいろいろ行っているのですが、ビルを診断して、その診断の結果でどこをどういうふうにすれば削減できるかという計画を立てると。計画を立てて、当然ながら実施をして、結果が出るわけで、その結果が削減になったのかどうかというのはまさにどこか基準がないと測れないわけですが、エコチューニングの方では3年間、過去3年間のデータを取って、気候条件だとか、難しいことは、ビルは人が出たり入ったりしますし、用途が変わったりとかエネルギー消費の条件が変わってきたりするものですから、そういったことをどれくらい盛り込んで3年間の基準値、それに対してどれだけ削減できるかというふうな、いろいろなやり方を研究したり、皆さんに紹介したりというようなことで行っているわけですけれども、たぶん今までビルメンテナンスはCO2削減を目的として運用をほとんど実施してこなかったというのは、与えられた設備を運転し、事故のないように監視するという、それが言ってみれば設備管理だったわけですね。それがこの省エネルギー、省CO2の話が出てきた結果、かなり意識的に診断し、計画を立て、ということでそういった管理をやらないとこの結果が出てこないわけですね。従って、業務を請け負う側も考え方を変えなくてはいけないというのは、まさにそのあたりで、データを取って、結果まで含めてマネジメントしていかないとだめだということで、そのあたりをエコチューニングの中心の考え方に据えて、あれこれ工夫をして提案をしたりしているわけなので、性能発注というお話もありましたけれども、結局最終どれだけの成果が出たかという、この設備はどれだけの省エネ性能を持っているかということを明確にしながら、それに近づけていくという、そんな契約ができれば一番ありがたい話ではありますが。契約の時にそんな思想も入れるような何かあれば、少し進んでいくのかなというふうには考えております。

野城座長:JFMAの会員で、そういったパフォーマンス契約、性能発注的なものを御経験だとか、事例などはお聞きになったことはあるのですか。

成田委員:外資系の一部がやられていて、現実にはまだ少ないですが、今年の4月にFMのISOが発効され、去年発効されたガイドラインもあるのですが、そこではまさに性能発注で、SLA(サービスレベルアグリーメント)、KPI(キーパフォーマンスインディケーター)をぴしっとして契約を結べということになっていますね。ところが日本はほとんど性能発注ではなく仕様発注ですので、なかなかそこに付いていくのが大変なのですが、温室効果ガス等についてはこちらで仕様を決められるレベルを超えているので、そういう面から見ても性能発注の方が良いと思います。随分昔ですが、発注者の方がライフサイクルコストを下げたいと。発注の時に一生懸命ライフサイクルコストを下げる条件を言おうとしていたんですね。私はそんなことは考えなくてもいいと。今回の法律と似ているかもしれませんが、ライフサイクルコストを下げる方法を提案してくださいと言って、あらゆるところから出して、もっともパフォーマンスがいいと思うところを選べばいいのではないですか、と半分ジョークで言ったら、実際に民間からだとたくさん出てくるんですね。だからそういうところから選んでやると。それはちょっと乱暴なやり方でしたけれども。本当はもっと具体的にできればいいのですが、法律自身も性能発注的な言い方でしてもいいのかなと。温室効果ガスの削減に努めろと記載するのも、今のライフサイクルコストを下げろというのと似ていて、少なくとも1歩は踏み出す。もう1歩を踏み出すための仕組みを今日の議論の中からできればいいのかなと。そこであまり変な仕様を決めない方が、私はいいのではないかという気がします。

野城座長:たくさんの多様な意見が出ておりますけれども、ぜひ性能発注についても導入を検討するというようなことも、この専門委員会としては提言の中に入れていきたいと思います。調査の内容を見ますと、非常に発注者が小さくてこなせないところと大きいところがあるし、でも、小さいところはできないから性能発注を入れませんという発想よりは、パイロット的に行ってみましょうというような、たぶん皆さんそういう方向感でおっしゃっていると思うので、一律に一時に調達方式が変わるとは思えないのですが、大きな方向性としては。例えば、大きくて発注者にも能力のあるところから、御提言のような方法を入れていくのも一法ですから、なるべく多くの可能性は留めて、上の検討会に上げて、まとめられればと思っております。よろしくお願いいたします。資料2と資料3につきましてはそういったことにさせていただきまして、資料4に移りたいと思いますがよろしいでしょうか。では資料4の御説明をお願いします。

環境省:(資料4説明:省略)

野城座長:ありがとうございます。今日頂いているフレームは、ほかの項目との並びということもあると思いますが、これから今日の御意見をどう入れるか御検討いただきたいと思いますけれども、例えば複数年契約にした方が、単年度は不合理だというのは、2-1の注釈、つまり対象としている建築の維持管理の運用改善をしながらCO2を減らしていくことに対する対象としてはこういう性格があるという話を頂いたので、それは契約がどうあるべきというよりも、契約を考える際の前提条件としてこういうことがありますよということを、なんとか工夫してこの中に入れる、背景の方に入れた方がいいですかね。

環境省:どこに入れるのかも含めて、事務局で検討させていただく形になると思います。

野城座長:今日の意見の半分くらいはそういった前提条件に関わるところだと思いますし、そこをちょっと共有しないと、性能発注するべきという結論のところだけがひとり歩きをしていても、お読みになる方はそれは何ですかとなると思いますので、そこをどう入れるか工夫していただけることを希望します。皆様の方からいかがでしょうか。あと、先ほどのものさしですよね。最低価格落札方式か総合評価落札方式か関係なく、等しく出てくるようなものもどう入れますかね。

環境省:そこは一朝一夕ですぐ出てくる話でもないのかもしれないのですが、資料2、資料3の続きでより細かいところでのという話にはなってきてはおりますが、ある程度意見は頂いて、それを元に事務局でもこういったものを作り込んでいくという形になっておりますので、まだ時間がありますので引き続き意見があればということもありますけれども、後ほど意見を頂くこともありますので、そこも含めてということで。

野城座長:ものさしの話は2-2あたりですかね。今回、性能発注というのはまったく例がなかったのですが、海外では国際化されているとか、国内でも外資系を中心に少し出ているということなので、今回調査の中にかかってこなかったとしても、どうあるべきという未来形の議論はできるといいですよね。

環境省:いろいろと大きな話も頂いていて、今回入れ込めるのは方向性を示すくらいまでしか。いろいろあると思いますので、そこは事務局の方でも考えてみます。

野城座長:実務的に発注する人に対するガイドラインだから。そういう性格ですね。

環境省:そういう形で示していくという性格のものです。

野城座長:このバックグラウンドになる文章というのは別に用意した方がなじむかもしれませんね。今日の議論の内容は。

環境省:そこはちょっと構成等を考えてみます。

野城座長:わかりました。

環境省:この構成は3回目に少し変わるかもしれませんが、ここのミッションとしての報告としては、資料2で報告をさせていただく形になりますので、考え方や将来の方向性として書けるものは解説資料に書くという考え方もあると思うのですが、考え方などについてはたぶん資料2のところでお示しして、この方向でまとめましたという形になります。具体の、行う場合の例とかそういったところについて解説資料に書いていく。もちろん基本的な考え方などに入ってきますけれども、そういう形になるのかなというふうに思っております。

赤司委員:最低価格落札方式のところなのですが、この方式の背景には安くあるべきだというような話があるのですか。

環境省:そこは基本的に会計法上の話になりますので。

赤司委員:性能発注という話と相反する話なのでお聞きしました。もし性能発注というところに上手く誘導したいとなれば、CO2排出を削減していかなければいけないという業務に関して、最低価格落札方式に対する何らかのメッセージを出す必要があるような気がしました。最初にボールペンの話がありましたけれども、その辺のところをお聞きしたいと思います。

環境省:ボールペンの話でいえば、本当に小さいものでそういった大きい入札方式を行ってもそもそも来ないという話も出てくると思います。また、この法律上、ほかの入札に関する制度と連携を取ることが書かれているところでございますので、大前提のところについてはあくまでもそこを踏まえなければならないというところがあります。ただ、方向性でありますとか、実際に総合評価落札方式で行う場合といったところについて、いろいろ考え方がある中で導入されているということがありますので、どこまで書けるかはいろいろと確認してからになります。書きますと今御回答できないのですが、方向性なりを書き込むのか、そこについての工夫、私もまだイメージがありませんけれども、考え方は資料2でこう進めていくという書きぶりをしながらも、将来的にできるかどうかということで書ければいいかなと。そこは事務局でも考えさせていただければと思っております。

赤司委員:コンサル的な業務で、そもそもエネルギーの単価がそれほど高いわけではないので、費用対効果で何年かで元を取るというような話ではないと思うんですよね。こういうCO2排出削減や地球温暖化の話で、何年で元を取れますかという話をし始めた瞬間に全然進まないということになりかねません。ですから、単純なコストではなくて、社会的効用に対する必要経費というような考え方が今後必要になってくるのではないかと思います。そういう意味で、最低価格落札方式と性能発注には、そういう考え方の違いが表れてくると思います。

環境省:頑張っている人がきちんとしたところで入っていただけるのがいいと、担当して思っているところがあって、そこは一般的な入札制度の関係の話とも関わってくるところがありますので、この法律としての中での枠組みで可能なところはどこまでかというところを見ながら、検討させていただければと思っております。

野城座長:私がこの間お話した時に申し上げたように、最低価格落札方式でも複数であれば、パフォーマンスを設定しておいて、あまりにもかけ離れたパフォーマンスしか達成できなかった場合には契約を打ち切るだとか、逆にパフォーマンスを大いに達成した場合はエコチューニングの考え方を使ったインセンティブがあるとか、今の枠組みの中でもいろいろと工夫の余地があるでしょうし、ちょっと変な例ですが、国有地の払い下げですから、むしろ国としてはたくさんお金をもらった方の話ですが、財務省のお膝元の国有地の払い下げですら、最近は特に九段会館のような歴史的な建造物が建っているとか、あるいは都心の都市政策上非常に重要な敷地があった場合は、最初にそこに作る建築の計画について審査をして、そこで合格点をもらったところが最終的なビッティングに参加できると。最後のビッティングは高い価格で買う人が勝ちなのですが、高くお金を入れれば何でも買えるというわけではなくて、その前に2段階で入札するような例もありますので、もちろん発注者コストとか応募コストがあるのですが、最低価格落札を原則としても、いろいろと工夫の余地はあるのではないかと思っています。

環境省:頂いた意見を限られた時間の中で、事務局で検討させていただきたいと思っております。

原委員:先ほどの議論で、最低価格落札方式というのは、あくまでも価格以外の要素は考慮できないという制度で、性能発注というのは、価格以外の業者が持っている性能を選択の1つの要素にするということになります。性能については、総合評価落札方式の優先度をどうするかという問題であり、最低価格落札方式の中でどうするのかとはまた違った話であって、最低価格落札方式では入札参加資格をどうするのかという問題だと思います。入札参加資格ということになると、明確なものさしが必要になってくると思う。総合評価落札方式ですともう少し弾力的なものでもよいと思います。そうすると本件については、価格以外のものも考慮に入れた発注方式というものを増やしていく必要があるとか、増やしていくべきだということが書けるのか。書くべきなのか。そこがポイントではないかと思いました。

環境省:我々の課も、環境としての中で契約に関わるということになるので、契約の全体的なスキームの中で言えるかどうか。実際に組み立てられるかどうかになってくると、正直難しいところがあるので、申し訳ないですけれども、既存のものの中での環境の要素を施行していくということもありますので、事務局としても、今頂いた意見の中でどこまでできるかになると思いますが、精査させていただきたいというふうに思っております。

野城座長:ありがとうございます。御検討させていただくということにさせていただきたいと思います。それでは最後になりますけれども、今後の検討スケジュールについてということで、資料5の御説明を事務局からお願いします。

環境省:(資料5説明:省略)

野城座長:ありがとうございます。よろしゅうございますか。なければ事務局にお返しさせていただきます。どうもありがとうございました。

環境省:ありがとうございます。委員の皆様には熱心に御議論いただきまして、また、御意見を頂きまして、ありがとうございました。今回の件につきまして、御発言いただけなかった点等ございましたら、事務局の方にメールなり、御連絡なりいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、これを持ちまして本日の専門委員会を閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

以上