中央環境審議会 水環境・土壌農薬合同部会 第1回バイオレメディエーション小委員会 議事録

日時

平成16年4月26日(月)15:00~17:14

場所

経済産業省本館17階 西6第2特別会議室

出席委員

(産業構造審議会) (中央環境審議会)
委員長
委 員
 藤田 正憲
 江崎 孝行
 岡村 和夫
 妹尾 啓史
 辻  博和
 中村 和憲
 中村 寛治
 福田 雅夫
 宮  晶子
 山下 修一
 山田 靖子
委員長
委 員
 松本  聰
 加藤 順子
 金子 信博
 高松武次郎
 藤田 正憲
 矢木 修身
 渡辺  信

欠席委員(田口委員、森永委員、冨田委員、大塚委員、森田委員、長谷部委員)

委員以外の出席者

環境省 : 水環境部長、土壌環境課長、環境管理技術室室長、環境管理技術室室長補佐
経済省 : 製造産業局次長、生物化学産業課長、生物化学産業課企画官、生物化学産業課補佐、生物化学産業課補佐

議題

(1) 検討会の設置趣旨(経済産業省、環境省)
(2) 従来の指針について(経済産業省、環境省)
(3) カルタヘナ法の概要
(4) 合同会合における主要な論点(案)
(5) バイオレメディエーション実施事例に関するプレゼンテーション
(6) その他

配布資料

資料1 委員名簿(1-1.経済産業省、1-2.環境省)
資料2 バイレメ等合同会合の設置趣旨(2-1.経済産業省、2-2.環境省)
資料3 バイオテクノロジー戦略大綱(抜粋)
資料4 組換えDNA技術工業化指針の概要(経済産業省)
資料5 微生物を用いた環境浄化の実施に伴う環境影響の防止のための指針について(環境省)
資料6 バイオレメディエーション審査実績
資料7 カルタヘナ議定書国内担保法の概要
資料8 経済省及び環境省のこれまでの指針比較表
資料9 合同会合における検討の視点及び論点等(案)
資料10 今後の審議スケジュール(案)
資料11 委員からのプレゼン資料(バイオレメディエーション技術の開発と課題)
参考資料 カルタヘナ法及び従来の指針(産業経済省、環境省)

議事

(生物化学産業課企画官)
 ただいまから、産業構造審議会 化学・バイオ部会 組換えDNA技術小委員会第1回開放系利用技術指針作成ワーキンググループ及び中央環境審議会 水環境・土壌農薬合同部会 第1回バイオレメディエーション小委員会の合同会合を開催いたします。
 最初に、事務局からのお断りですが、本日の会合は、産業構造審議会及び中央環境審議会の両審議会の合同会合ということで開催させていただいております。各審議会の下での新たな委員会の設立の趣旨は、後ほどご説明させていただきますが、両省において委員会の検討の方向性が同じと考えておりますので、効率的な審議を行うという観点から、第1回目からこのような合同会合とさせていただいております。どうぞご理解のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、委員の方々をご紹介いたします。時間の都合上、お名前だけを申し上げさせていただきます。
 まず、お手元の資料でございますが、資料の1-1の名簿をごらんください。産業構造審議会 開放系利用技術指針作成ワーキンググループからのご紹介でございます。
 まずは、藤田委員でございます。
 それから、青木委員でございます。
 それから、江崎委員でございます。
 岡村委員でございます。
 妹尾委員でございます。
 田口委員は、きょうご欠席ということでございます。
 辻委員でございます。
 冨田委員、ちょっとおくれているようでございます。
 それから、中村和憲委員でございます。
 中村寛治委員でございます。
 福田委員でございます。
 宮委員でございます。
 森永委員はきょうご欠席のことでございます。
 山下委員でございます。
 それから、山田委員でございます。
 なお、ワーキンググループの委員長は、組換えDNA技術小委員会の委員長であります吉倉委員長から、藤田委員をご指名いただいておりますことをご報告させていただきたいと思います。

(環境管理技術室室長)
 続きまして、資料の1-2をごらんいただきたいと思います。バイオレメディエーション小委員会の委員をご紹介したいと思います。
 まず、松本委員でございます。
 大塚委員は、きょうご欠席でございます。
 加藤委員でございます。
 中杉委員は、ちょっとおくれておいでになっているようです。
 また、森田委員は、きょうご欠席でございます。
 次、金子委員でございます。
 高松委員でございます。
 長谷部委員は、きょうご欠席でございます。
 藤田委員は、両委員会を兼務しておられます。
 次は矢木委員でございます。
 最後に、渡辺委員でございます。
 なお、当小委員会は設置した後に、水環境・土壌農薬合同部会部会長より、委員長として松本委員をご指名いただいておりますことをご報告させていただきます。

(生物化学産業課企画官)
 本日は、いずれの委員会もそれぞれの定足数を満たしておりますので、両委員会とも成立いたしておりますことをご報告させていただきたいと思います。
 続きまして、事務局をご紹介いたします。
 経済産業省製造産業局次長の福水です。
 環境省水環境部長の吉田です。
 経済産業省生物化学産業課長の多喜田ですが、ちょっと今おくれているようでございます。
 それから、環境省土壌環境課長太田です。
 同じく総務課環境管理技術室長の徳永です。
 経済産業省生物化学産業課本道補佐です。
 宮本補佐です。
 環境省環境管理技術室の瀬川補佐です。
 私、経済産業省バイオ安全対策企画官の家寿多でございます。よろしくお願いしたします。
 それでは、議事に入ります前に、一言両省の代表からごあいさつをさせていただきたいと思います。

(製造産業局次長)
 経済産業省の福水でございます。お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 司会の声が両方から聞こえるということで、それがすべてをあらわしているかもわかりませんが、産構審と中環審の合同部会ということで、中身はもう既に委員の方はよくご存じのことと思いますけれども、カルタヘナ法ができまして、国内の組換え体の扱いについては、これは両省、さらに厚生労働省、農林省、文科省等の6省庁で分担して体制をつくってきたわけですが、非組換え体の方につきましては、これもご存じのとおり、従来私どもと環境省と両方でガイドラインのようなものがありまして、混乱するといいますか、二重になっているといいますか、効率がよくないといいますか、そういうご指摘も我々は十分承知しておりまして、今回カルタヘナ法ができて、そういうことで両省でこの辺も一緒にやっていこうというふうなことになりまして、きょうを迎えているわけでございます。そういう意味から言いますと、この非組換え体につきましての、特に土壌汚染の防止でありますとか、地下水の関係だとか、そういうふうなところを中心にこのレメディエーションをどうやっていったらいいのか、国民の安全性の確保等、それから技術進歩に対応するすばらしいガイドライン、こういうようなものをご議論していただいて、つくっていただければ我々はありがたいと思っておりますので、お忙しいと思いますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。簡単ですが、私のお願いのあいさつとさせていただきます。

(水環境部長)
 環境省の水環境部長の吉田でございます。重ねてごあいさつを申し上げるのもはばかられますので、簡単にさせていただきますが、今、福水次長からご説明がございましたように、私どもとしても、環境保全の面でバイオレメディエーションの技術が大いに発展をしていくことを期待しておりますが、その際の安全確保というものも、また欠かせない。これはもう長年、1970年代からの議論でございました。大分様変わりもいたしまして、安全性に対する確認もできてきておりますし、それから、一方で新たな期待は拡大をしております。それは必ずしもまだバイオテクノロジーの環境保全分野におけるニッチ、生態学上の位置づけというのと同じような意味合いで申し上げれば、ニッチというのは必ずしもまだ大きくはない。それをどんどん発展をさせていく意味でも、今ご説明のございましたように指針というものを統合して、有効に活用していこうという気持ちでございます。会議も今二つのものが個別に立ち上がって、いかにも先生方におかれましては違和感もあると思いますが、二、三回会議をしていただければ、核融合も図れるのではないかと思いますので、ぜひ早く、私ども事務局としてもしっくりした運営に努めてまいりますので、先生方におかれても活発なご議論を通じて、今申し上げましたように、目的達成に向けてご尽力を賜ればと思っております。
 それから、まことに恐縮でございますが、私、本日別の会議がございまして、途中で中座させていただきますが、何分よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

(生物化学産業課企画官)
 続きまして、お手元にお配りしました資料の確認をさせていただきたいと思います。  なお、各委員に事前に送付いたしましたものから多少の修正がございますので、その点ご了承いただきたいと思います。
 資料ですが、まず資料の1は、1-1と1-2の二つに分かれています。先ほど見ていただいたものでございます。それから、資料2におきましても、バイレメ等の合同会合の設置趣旨ということで、2-1と2-2の二つに分かれております。資料3が、バイオテクノロジー戦略大綱ということで、抜粋でございます。それから資料4、組換えDNA技術工業化指針の概要ということで、経済産業省のもの。それから資料5、微生物を用いた環境浄化の実施に伴う環境影響の防止のための指針について、これは環境省のものでございます。それから、資料6、バイオレメディエーションの審査実績。それから、資料7、カルタヘナ議定書国内担保法の概要。それから、資料8としまして、経済省及び環境省のこれまでの指針比較表。それから資料9、合同会合における検討の視点及び論点等(案)でございます。それから、資料10としまして、今後の審議スケジュール(案)でございます。それから、資料11に、委員からのプレゼン資料ということで、バイオレメディエーション技術の開発と課題ということでお配りしております。それから、その下に、ファイルとしまして、カルタヘナ法及び従来の指針ということで用意しておりますので、法律又は工業化指針及び環境省指針につきましては、こちらの方のファイルの方をごらんいただきたいと思います。
 もし、資料に不備等がございましたら、事務局の方までお申し出いただきたいと思います。
 本日は、二つの審議会の合同会合でございますので、座長は、各委員会の委員長による共同座長という形をとりますが、議長進行役につきましては、この合同会合は今後とも数回開催される予定となっておりまして、各会合ごとに交互に座長をお願いするということにさせていただきたく存じます。
 今回の議事進行は、産業構造審議会の藤田委員長においてお願いいたしたいと思います。
 では、藤田委員長よろしくお願いいたします。

(藤田委員長)
 それでは、今回は私が議事進行役を務めさせていただきますが、お隣に共同の座長であります松本先生もいらっしゃいますので、いろいろと相談をしながら、この会を進めていきたいというふうに考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、まず議題1、この検討会の設置趣旨に入りたいと思います。
 資料の2-1と、それから2-2、それからもう一つ、バイテクノロジー戦略大綱の抜粋の資料3、これに基づきまして事務局の方からご説明をお願いしたいと思います。

(藤田委員長)
 ちょっと忘れておりましたが、この産業構造審議会及び中央環境審議会いずれも、実は会議の公開ということで傍聴を認めております。それから、原則、資料も公開するということになっております。特に議事要旨は、できるだけ速やかに公表をすること、それと議事録、これにつきましても委員の先生方にご確認をいただいた上で公開するということになっておりますので、どうかよろしくご了承願いたいと思います。
 それでは事務局の方で、ご説明をお願いいたします。

(生物化学産業課企画官)
 それでは、産構審の開放系利用技術指針作成ワーキンググループの設置趣旨からご説明いたします。
 資料は2-1でございます。以下のものにつきましては、平成16年2月18日、第14回組換えDNA技術小委員会、これは吉倉委員長でございますが、この小委員会におきまして、産業構造審議会運営規定第15条第1項に基づきまして議決し、ご了承をいただいているものでございます。
 設置趣旨の内容でございます。1としまして、昭和61年から、組換えDNAの閉鎖系においての工業生産に用いる場合の安全対策確保としまして、組換えDNA技術工業化指針が策定されておりますが、平成10年に、閉鎖系利用の他に、開放系利用を指針の対象に加えまして、非組換え微生物等についても、「当分の間、本指針を準用する」ということとされております。
 2としまして、微生物等を利用したバイオレメディエーション等の開放系使用等については、近年の土壌汚染等に対する環境浄化技術として、そのニーズは高まっておりまして、今後ともその利用拡大が期待されるとともに、その安全性確保対策が求められております。
 3としまして、こうした中で、カルタヘナ法が本年2月19日に施行されまして、カルタヘナ法の中の第4条第2項に基づきまして「遺伝子組換え生物の第一種使用等による生物多様性影響評価実施要領」これは告示でございますが、制定されまして、開放系における組換え微生物等利用のバイオレメディエーション等につきましては、今後、実施要領に基づき評価されるということになっております。
 また、非組換え微生物を利用したバイオレメディエーションに関しましては、経済産業省と環境省に並立して存在する安全性に係る指針につきまして、一元化を含めた適切な制度の検討を行う必要が指摘されているところでございます。
 以上のことから、非組換え微生物等の開放系使用等の指針について、上記の実施要領も踏まえつつ検討を行うため、知見のある有識者からなるワーキンググループを化学・バイオ部会組換えDNA技術小委員会の下に設置することといたしました。
 次のページが参考でございますが、参考1としまして、産構審化学・バイオ部会の全体の組織図の改正案としまして、組換えDNA小委員会の下に、開放系利用技術指針作成ワーキンググループを設置させていただきました。
 それから、参考2としましては、産構審の運営規定でございますが、第15条によりまして、小委員会の下にワーキンググループを設置することができるということと、それから、ワーキンググループの委員におきましては、小委員長等が指名すること。それから、ワーキンググループに座長等を置きまして、その座長につきましては、互選ないしは小委員長等の指名する者がこれにあたるということで、吉倉委員長の方から、藤田委員をご指名いただいているところでございます。
 以上でございます。

(環境管理技術室室長)
 それでは、資料2-2をごらんいただきたいと思います。この資料は、環境省の水環境・土壌農薬合同部会決定として、バイオレメディエーションの小委員会を設置したときの資料でございます。同合同部会の決定として3月23日付で小委員会を設置しておりまして、設置の目的といいますか、小委員会で何をするかということが2番のところに書いてございますけれども、バイオレメディエーションに関する適切な制度について調査審議する。また、バイオレメディエーションに関する新たな制度に基づく個別技術の審査を行うということで、この小委員会を設置しております。
 また、小委員会の決議は、合同部会長の同意を得て合同部会の決議とすることができるという、これは審議会の運営規則に基づくものでございます。
 1枚めくっていただいて、次のページに参考として、このような小委員会の設置に至る経緯が書いてございますけれども、ここら辺の経緯につきましては、既に冒頭のあいさつ、あるいは今経済産業省の方から説明がありましたので省略させていただきますが、1の上から四つ目の○のところに、「バイオテクノロジー戦略大綱」の中で、「バイオレメディエーションに係る安全指針について、一元化を含めてそのあり方を検討する」ということで、経済産業省、環境省の両方に宿題のような形で投げかけられておりまして、本日このような合同の委員会を設置するような形になっております。
 また、環境省の方のバイオレメディエーション小委員会としましては、3.のところに今後のスケジュールとして、年内に3~4回開催し、結果をとりまとめていただくことを考えているということで当初はご案内をしておりますが、このような形で合同で立ち上がりましたので、スケジュール的な話等については、この委員会の最後ところで、また、資料が1枚ございますので、そこで説明したいと思います。
 それでは、続きまして資料3ということで、これは先ほど言いました、バイオテクノロジー戦略大綱が直接、一元化を含めて検討しなさいというような形で投げかけてきておりまして、その中、戦略大綱の構成がどうなっているかという概略をまとめたものでございます。
 バイオテクノロジー戦略大綱そのものは、平成14年の7月に内閣総理大臣のもとに設置されたバイオテクノロジー戦略会議、ここで議論されておりまして、同年12月に大綱として取りまとめられております。
 その構成は大きく、資料3の1ページの下半分の図のような形で、第一部と第二部という構成になっておりまして、第一部が総論、第二部が行動計画と未来像という形になっております。この第一部総論の中で、さらに大きく三つ具体的に戦略が書いてございまして、戦略1が研究開発の圧倒的充実、戦略2が産業化プロセスの抜本的強化、戦略3が国民理解の徹底的浸透というような三つの戦略の形になっておりまして、それぞれの戦略の具体的な行動指針、あるいは行動内容というものを第二部の中で、戦略1、戦略2、戦略3にそれぞれ対応するような形で書いてございまして、それらを全部足し合わせると、行動指針としては50個、基本行動計画として88個、詳細行動に関しては200ぐらい、具体的な内容を書き込んだものになっております。
 では、1枚めくっていただきまして、バイオレメディエーションに関する事項としてどのようなものがあるかということでございますが、バイオレメディエーションは戦略2の「産業化プロセスの抜本的強化」という中に直接書き込んでございまして、第二部、行動計画と未来像の戦略2.産業化プロセスの抜本的強化の中のa.環境エネルギー分野として基本行動計画の中に、先ほど言いました安全指針について、一元化を含めてあり方を検討をしなさいというようなことが書いてございますし、また、詳細行動計画も幾つか書かれております。
 その他バイレメに関係ありそうな部分として幾つか抜き書きしておりますが、例えば下半分の方には、戦略1の研究開発の圧倒的充実、やはりここにも環境エネルギー分野というのが取り上げてございまして、そこにあるような記載がございます。
 また、幾つか実際にどんな研究開発をするのかというような、これは環境省あるいは経済産業省だけでなく、全省にわたって幾つか書き込まれているものがございます。
 また、遺伝子改変生物による生物多様性影響に関する事項についても書いてございますが、これにつきましては、ここの中身はカルタヘナ議定書を締結するための国内法整備に生かされた内容だというふうに理解しております。
 あと最後に、4ページのところにちょっと参考として数字が挙げてございますが、2010年においてどれぐらいの市場規模のものになるだろうかという見通しといいますか、予測数値が載っておりまして、バイオレメディエーションに関しましては、4,000億円ぐらいの市場規模になるのではないかという予測数値も載っております。
 私の方からは以上でございます。

(藤田委員長)
 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からのご説明、これは報告事項ということになっておりますけれども、ご説明に対しまして何かご質問等がございましたら、お願いしたいと思います。特に委員の先生方多数いらっしゃいますので、できましたら挙手をしていただければ、私の方からご指名したいと思います。何か、ただいまのご報告に対してご質問等ございますでしょうか。
 もしないようでしたら、次の方へまいりたいと思います。
 それでは、次から本題ということですが、議題の2、従来の指針について(経済産業省、環境省)と書いてありますように、まず、基礎となる二つの指針の仕組みがどのようになっているというのか、その辺のところにつきまして、資料の4、5及び6に基づきまして事務局の方からご説明を願いたいと思います。では、よろしくお願いします。

(生物化学産業課企画官)
 それでは、資料4に基づきまして、経済産業省の組換えDNA技術工業化指針の概要についてご説明させていただきます。
 まず、前提といたしまして、工業化指針の方は、閉鎖系のものと開放系のものが一つのものとして決められております。それから、組換え体についての規定となっておりますが、その中で開放系の非組換え体が準用されているというような仕組みになってございます。したがいまして、そこに組換え体と書かれているのは、非組換え体と読み代えていただければというふうに考えております。
 まず、組換え体の安全性評価の原則でございますが、事業者は宿主の安全性評価、それから組換えDNA分子の性質、組換えDNA分子と申しますのは、ベクターに挿入DNAを入れたものでございまして、組換え体と宿主との性質の比較等を総合して組換え体の安全性評価を行うということになります。この場合、画一的な評価手法は適用することは困難なため、安全性の評価項目の中から個別事例ごとに必要な評価項目について安全性を評価する。ここのところは弾力的になっているということでございます。
 それから、全体の流れといたしましては、そこの四角で囲ったところで、まず、組換え体といいますか、非組換え体ですね、その安全性評価の項目を、まず情報を集めていただいて、その評価項目に基づきまして、事業者が安全性評価を行います。それに基づきまして、この組換え体が開放系利用取扱いの安全性レベルであると評価されましたら、その微生物ということでIIの方、これは二段構えになっておりますが、Iで組換え体の評価を行ったら、IIの方で取扱い方法及び安全管理方法を守っていくということ。要するに、これは組換え体の漏出をなるべく防止して、最小限に抑えるというような措置でございます。
 まず、最初に戻りまして、組換え体の安全性評価項目ですが、まず宿主に関しましては、そこに書かれているとおり、分類学上の位置付けであるとか、遺伝的性質、それからヒトに対する病原性及び生理学的性質、安全に長期間利用された歴史の有無とその記録、主要な動植物に対する病原性及び生理学的性質、生活環・自然界における分布・物質循環への関与、作業区域での挙動、そういったことについての宿主に関する情報を集めていただくことになります。
 それからその下は、この場合は非組換え体については、適用は受けないと思いますので、●にさせていただいております。
 それから、組換え体におきましては、そこに形質発現と宿主との比較がございますが、形質発現につきましては、非組換え体においても準用できるのではないかということで○にしています。
 ということで、ここで評価項目をこのようなことで集めまして、事業者によって宿主の安全性評価をしていただく。安全性評価に関しましては、ヒトに対して非病原性であること、それから作業区域での周辺の主要な動植物に対して非病原性であること、それから、対象物質より毒性物質の残留がなく、利用終了後の増殖可能性が低いこと、それから、自然条件下で生息する生物に有害な遺伝子の伝達性が低いこと、それから、作業区域での周辺の生態系にその他有害な環境を及ぼす可能性が低いこと、こういったものについて事業者がみずから評価いただくということでございます。
 その下は、組換え体の安全性評価でございますので、省略させていただきたいと思います。
 そういったもので、これは開放系の利用として取扱ってよろしいということになれば、IIとしまして、組換え体の取扱い方法であるとか、安全管理方法の原則を守るということです。ここのものにつきましては、組換え体の漏出を防止または最小限にするため、必要とされる取扱い方法、安全管理方法を遵守するということでございまして、(1)(2)とございます、組換え体の取扱い方法につきましては、そこに書かれたところの6項目を守る。それから(2)につきまして、安全管理方法につきましては、そこに書かれた5項目に関して守るというようなことでございます。
 それから、そのほかに管理責任体制というものが、1から8までございまして、その中で生産業務等安全委員会の設置をして、主任者の責任を決めて任務に当たらせる。それから教育訓練等も行うということをもって、管理していくということでございます。
 その下に、有識者の意見を踏まえて確認をするとなっていますが、場合によっては、事業者の方は、経済産業大臣の方に確認のための手続きをとることができる。確認を求めることができるということでございまして、私どもはそれを受けましたら、有識者の意見を聞きまして、指針への適合確認を行うというようなことでやっております。
 以上でございます。

(環境管理技術室室長)
 それでは、資料5をごらんいただきたいと思います。環境省の方で持っております「微生物を用いた環境浄化の実施に伴う環境影響の防止のための指針」、この概要をご説明したいと思います。
 まず、この指針の目的でございますけれども、1番の二つ段落があるうちの下の方に書いてございますが、揮発性有機化合物による地下水汚染の浄化に微生物を利用する場合の事前の環境影響評価に関する事項を検討した結果をまとめて、このような指針を策定し、都道府県知事に通知しているものでございます。
 指針の中身につきましては2のところに書いてございますけれども、微生物を注入する、いわゆるバイオオーグメンテーションといわれる手法を対象にしておりまして、対象物質も揮発性有機化合物による地下水汚染の浄化ということで、非常に限定的なものになっております。また、個別の浄化作業ごとに環境影響評価を実施するような仕組みになっております。
 では、具体的にどのような流れで環境影響を評価するかということでございますが、(2)のところに[1]から⑦まで項目が並んでおりますけれども、ここにあるような項目を[1]から順に行っていくと。具体的には、3ページのところに図1としてフローチャートが入っておりますので、そちらの方で見ていただく方がわかりいいかなと思います。まず、適用現場に係る調査、これが[1]のところでございますが、それと利用微生物に係る調査、これが[2]のところでございますが、これらを行いまして、さらに室内模擬実験を行うと。この三つの結果を踏まえて、まず現場試験ということで、いきなり浄化作業に入るのではございませんで、どんな影響があるかという現場で試験を行う。この試験計画案の評価を踏まえて、具体的に試験計画を立てるという手順を踏んでおります。その試験計画について環境大臣の確認を受けると。この確認を受けた試験計画を踏まえまして、実際に現場で試験を実施し、試験結果をもとに、実際の浄化作業を行った場合の環境影響評価はどうなるだろうかということを検討しながら、浄化作業の計画を立てると。そして、浄化作業の計画に基づき、また、環境大臣の確認を受けることができるようになっております。最後に、浄化作業の計画にのっとって、実際の浄化作業を実施するという、こういう七つの手順で評価を行うような仕組みになっております。
 では、環境影響をどういう視点から評価していくかということが、2ページの(3)のところに書いてございますけれども、[1]から⑦までございますように、利用微生物が人の健康にどんな影響を与えるだろうか、生態系に与える影響、あるいは環境中で残留する可能性があるのかどうか、また、栄養分として注入する物質の影響、こういった点を見るようになっております。ここら辺をもうちょっと具体的に書いたものが、4ページのところに表1と表2という形で、室内模擬実験での調査項目とか、現場試験計画/浄化作業計画に記載する事項等を記載しております。、例えば表1のところですと、汚染物質の分解特性とか、分解生成物の残留性等々、非常に具体的に書き込んでおりますけれども、ここら辺が先ほど言いました(3)の1から7をもうちょっとブレークダウンして書いたものでございます。
 それと(4)のところで、地域の理解をという言葉が書いてございますけれども、開放系で利用しますので、なるべく地域住民等の理解も得るように努めてくださいというようなことも書いてございます。
 資料5につきましては、以上でございます。

(生物化学産業課企画官)
 では、続きまして、資料6につきましてご説明させていただきます。資料6につきましては、経済産業省の工業化指針での審査実績でございます。私ども平成10年に指針をつくりまして、その間、4件の審査をいたしました。まず最初に、財団法人地球環境産業技術研究機構、ライトというものですが、ここから平成11年5月7日、それから続いて平成11年の9月13日に確認を2件しております。工業化計画名ですが、トリクロロエチレン汚染地下水を対象としたバイオオーグメンテーションということでございます。千葉県の君津市で両方とも行われたものでございます。こちらの件につきましては、中身につきましては、後ほど清水建設の岡村委員の方からご説明いただくということになっておりますので、詳しいことにつきましては、そちらの方でご説明をお聞きいただきたいと思います。どちらもトリクロロエチレンの環境基準につきまして0.03㎎/l以下になった時点を処理の終了目安とするというような計画で、目標をとってやっているものでございます。
 申しわけありません、その資料6の2番目の菌の名前がちょっと間違っておりまして、左から3段目の欄ですが、Comamonas testosterone、これはniでsteroniの間違いです。eがiでございます。
 それから、大分期間を置きまして、最近、昨年ですが審査を行いまして、2ページ目ですが、東京都林業試験所の白色腐朽菌利用による土壌中のダイオキシン類の分解ということで、昨年の10月23日に確認いたしました。ダイオキシン類が200~500pg-TEQ/gあるところのクヌギ・コナラ林に100㎡の試験区間を設けまして、そこで実験的なことをやっているということでございます。菌といたしましては、Phanerochaete sordidaということで、屋久島から採集されたものでございます。二つの菌株を使っております。浄化の目標としましては、100pg-TEQ/g以下になった時点を終了の目安とするということでございまして、環境基準の1/10の値でございます。計画の概要につきましては、そこに書かれているとおりですが、ここでのポイントは、剪定枝に菌を増殖させて浄化資材としているということのものということを聞いております。
 それから次のものでございますが、大林組のものでございまして、バイオオーグメンテーションによるトリクロロエチレン汚染土壌の浄化ということで、本年の4月9日に確認をしたものでございます。本日、委員の辻委員からのものでございます。トリクロロエチレンが環境基準の30倍程度に汚染された土壌に対しまして、環境基準が0.03㎎/lとなったところで、目標として実施しているということでございます。菌といたしましてはJanibacter sp.、MO7というのは会社でつけた名前でございますが、その菌株を使っております。これは国内の活性汚泥より単離されたものでございます。ここでのポイントは、上三つはすべてサイトが決まっているところでの実験でございましたが、ここのものについてはサイトを特定せず、日本全国で実施できる場合のものについて確認をしたというようなことでございます。中身につきましては、次回にまた辻委員の方から、この辺のところを含めましてご説明をいただくということになっておりますので、きょうは説明の方は割愛させていただきたいと思います。
 以上でございます。

(藤田委員長)
 ありがとうございました。
 ただいまの資料につきましてご説明をいただいたわけですが、多分、議論し始めると少し長くなると思いますので、それはまた後ほど時間をとっておりますので、まずご説明に対して何か不明な点等がございましたら、ここで明らかにしていきたいと思いますので、どうか挙手を願いたいと思います。
 はい、どうぞ。

(中杉委員)
 ちょっとおくれて来て、申しわけございません。十分理解できていないのかもしれませんけれども、今資料6でご説明いただいた4つの例ですね、これは工業化指針ということですが、これはどういう趣旨でやられているのか。私の理解では、いつでも実証的な色彩でやっているので、実規模の対策というような形でやられているのではないというふうに理解していますけれども、そういう理解でよろしいですか。

(生物化学産業課企画官)
 最初のこのライトの2件と、それから東京都林業試験所は、まずサイトを決めて、その部分についての実験的な確認、または実証という段階でのレベルというふうに伺っております。ただ、最後の大林組につきましては、かなりこれでもって、これから事業化として展開していくというような段階のものと伺っております。

(藤田委員長)
 よろしいですか。

(中杉委員)
 はい。

(藤田委員長)
 そのほか。はい、どうぞ。

(山下委員)
 最初の例でありますけれども、日和見感染菌であったというのは、これはどういうことですか。実験を始めた後に、何に対して日和見感染になったのでしょうか。

(江崎委員)
 ちょうどアメリカのCDCが20名ぐらいのヒトの敗血症の事例で症例を集めておりまして、その総説が出ておりましたので、それをちょっと紹介したという経緯があります。

(藤田委員長)
 そのほか、何かご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは多分、議論につきましては後で時間をとっておりますので、特に先ほどのご説明にもありましたように、環境省、それから経済産業省が、必ずしも同じような形で指針をつくっているというふうには、多分、委員の先生方も受けとめられなかったと思いますので、その辺は今後ということにしたいと思います。
 それでは続きまして、議題の3、カルタヘナ法の概要ということで、これにつきましては、まず資料7に基づいてその概要を事務局よりご説明していただきます。これは後ほど論点を議論する際に、カルタヘナ法での遺伝子組換え生物の評価手法が議論の前提として役立つということで、ここでご説明いただくということになっております。
 では、よろしくお願いいたします。

(生物化学産業課企画官)
 それでは、資料7からご説明いたします。カルタヘナ法の概要でございますが、この資料7の1ページ目には、法律全体の体系図を掲げさせていただきました。法律と政令、それからそこに施行規則、省令として、全体の枠組みとなっているところの部分と、それからその下に省令、告示とあり、全体で省令が三つ、それから告示が四つ、別々につくられておりますので、このような体系図で全体をご理解いただきたいと思います。それぞれの政令・省令・告示につきましては、きょうそこにファイリングされています。そこに法律初め規則が全部ファイルされておりますので、何かありましたら、そちらの方の法律文書の方を当たっていただきたいと思います。
 その施行規則の中の下の方でございますが、左側の方に、「研究開発等に係る第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」ということで、文科省・環境省というのがございます。こちらの方は閉鎖系で、今までやってきた文科省の組換えDNA実験指針、昭和54年3月からスタートしていますが、この部分についてのものが省令化されているというご理解をいただきたいと思います。
 それから、右側の方でございますが、その右側の方に「第二種使用等のうち産業上の使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」とございまして、これが財務省・厚労省・農水省・経済産業省・環境省、すなわち文科省を除く5省ですが、そのものが閉鎖系の産業上の利用についてのものでございまして、これが従来の3省でやってきたところの指針ですが、これが省令化されているものでございます。今説明したのはOECD型の産業利用のそれですが、先ほど説明した左側のものはNIH型のそれでございして、また一番右側の方に、「遺伝子組換え生物等の第一種使用等による生物多様性影響評価実施要領」ということで、開放系で利用するための評価実施をどのような手順で行えばいいかということについて、別に定めております。この部分で経済産業省は両方の指針をカバーしていたわけですが、組換え体におきましては、経済省はこの省令の方に移行することになっております。その部分から非組換え体で準用してきた部分が残っておりますので、この部分と環境省の指針、これはここには組換え体だけですので、環境省の指針は書いてありませんが、環境省の非組換え体の部分と私どもの非組換えとの準用部分と、ここで一緒に統合して一元化をしていくというものでございます。
 それから、右側の方の基本的事項、これは後ほど説明させていただきますが、法律全体を円滑に実施するために法律事項、または努力義務も含めて、法第3条のもとに作成されているものでございます。
 その次は、全体の法律の概要でございますので、省略させていただきます。
 また、その次のカルタヘナ議定書担保法の概要につきましても、直接きょうの本題と関係が薄いので、省略をさせていただきたいと思います。後ほどごらんいただきたいと思います。
 それで、すみませんが7ページをあけていただきたいのですが、ここの7ページに第一種使用等の申請承認のフロー図というのがございます。すなわち組換え体を開放系で利用するもの、これは第一種使用等をしようとする者ということになりますが、その者の承認義務がありまして、第一種使用規程を定め主務大臣の承認を受けることになります。承認を受けるときに、下の方に下記の書類を作成ということで、そこの[2]の生物多様性影響評価書を添付することとなり、それから場合によっては、効果的な生物多様性影響の効果的防止措置を定めるという、緊急時等で必要であるときはそういったもので防止措置を定めるというようなことになっております。そういったものの評価書等を添付しまして、主務大臣に申請し、申請されたら学識経験者の意見を聞き、それで承認をしていくという手はずになります。第一種使用規程が承認されますと、ここの規程は組換え体の種類の名称とか、第一種使用等の内容とか方法、取扱い方が書いてあるわけですが、これについては、告示により公表することになっております。また、場合によっては、告示によりまして、適正使用情報を主務大臣が定めることになっております。遺伝子組換えをユーザーに渡す、使う者に対して情報提供をしていくということを大臣が定める場合があるということでございます。それから、必要に応じまして、国民の意見の聴取としてパブコメを、内容及び方法に応じまして実施していくというようなことになっております。
 そこで先ほどご説明しました、生物多様性影響評価書のところが、きょう関係しますので深くご説明させていただきますと、次の8ページでございます。これは第4条第1項に、そのようなものを法律で定めるということで、告示に落として定めているものでございます。趣旨としましては、生物多様性影響の評価が、科学的かつ適正に行われ、またその結果を記載した生物多様性影響評価書が適正に作成されるよう、必要事項を定めるものでございます。
 上段のここの四角く囲んだところの部分につきまして、評価に必要とされる情報とありますが、まずこれを集めることが必要ですということでございます。この情報の中身としましては、宿主又は宿主の属する分類学上の種に関する情報ということで、分類学上の位置付け及び自然環境における分布状況、それから使用等の歴史及び現状、それから生理学的及び生態学的特性といったものを調べる必要がございます。
 それから、これは●になっておりますが、遺伝子組換え生物等の調整等に関する情報、これは組換え体ということで、そこの供与核酸、ベクター、そういったものについての情報を集める必要があるということです。ここで非組換え体については大きく関係するところはないので、●をつけさせていただきましたが、下線部分、例えば形質発現の安定性であるとか、それから遺伝子組換え生物等の検出及び識別の方法並びにそれらの感度及び信頼性、そういったところは自然界の微生物に関しても適用できるのではないかということで、下線を引かせていただいております。
 それから、その下の遺伝子組換え生物との使用等に関する情報ということで、使用等の内容、使用等の方法、それから開始後における情報収集の方法、それから、生物多様性影響が生じるおそれのある場合における影響を防止するための措置、それから実験室等での使用等又は第一種使用等が予定されている環境と類似の環境での使用等の結果、あと、国外における使用等に関する情報、こういった評価に必要とされる情報を収集するということになっています。
 この情報に関しましては、*印の1と2がございまして、1につきましては、用いる必要がないと考える合理的な理由がある場合は、情報を収集する必要がない。それから、また、上記以外の情報を収集する必要が生じた場合は、追加して収集する必要がある。こういったことで、その点は出し入れが非常に弾力的な書き方になっております。
 それから、この情報を集めて、その情報をもって、下の左側でございますが、評価の項目というものを評価をすることになっております。今ここに書かれておりますのは、微生物等の場合ということで、これは三つに分かれておりまして、微生物等の場合、それから、ほかに植物の場合、それから動物の場合、そういった区分が三つに分かれております。ここでご紹介するのは微生物等の場合でございますが、他の微生物を減少させる性質、それから病原性のその有無でございます。それから有害物質の産生性、それから、次は伝播性ですが、これは組換え体の適用になると思いますが、それから、その他の性質に関しまして、上記に掲げる以外の生物多様性影響の評価を行うことが適切と考えられるもの。こういったものに対する評価をしていくということになります。
 ただ、するにしてもどのようにしてやっていくのだということがよくわからないということで、右側の方でございますが、ここの評価をするに当たって、評価の手順及び評価の実施の方法というものが定められております。かなり、ここでは簡略化して書かせていただいておりますが、どのような手順で、どのような方法でやるかといいますと、まず1番としまして、影響を受ける野生動物というのは種類をまず特定させるということ。それから2番としまして、影響の内容について、実験や情報収集等により評価をしていく。それから、3番としまして、受ける影響の生じやすさについて、当該野生動植物等の生息等、場所、時期その他の情報収集により評価をしていく。それから4としまして、当該野生動植物等の種又は個体群の維持に支障を及ぼすか否かを判断する。こういった手順又は実施方法によりまして、ここの左の方の評価の項目を実施していくということでございます。
 評価をいたしましたら、評価結果を踏まえて、生物多様性影響が生ずるおそれがあるか否かの総合的な判断をいたしまして、これが生物多様性影響評価書という図書の形での記載として、添付書類として提出されるということでございます。
 それで、その評価書が出されたときに、判断するのはどのようになるかということですが、その承認基準というのがございます。これは法律の第3条の規定に基づく基本的事項というものに書かれております。この第3条の規定に基づく基本的事項というのはこれだけではなくて、全体のカルタヘナ議定書の的確かつ円滑な実施を図るために必要な事項を定めたものということで、法律では書けなかった努力規程とか、そういったものも全部ここに網羅されていまして、そこの部分の中の一つの抜粋として承認基準があるということでございます。
 承認基準は三つから成り立っておりまして、次の1から3までのいずれにも適合していることということでございまして、[1]につきましては、イとロと二つ分かれております。イについては個体群の話なので、微生物に対してはロの適用でございます。「その宿主又は宿主の属する分類学上の種について我が国の長期間の使用等の経験のある遺伝子組換え生物等であって、生物多様性影響評価書及び学識経験者から聴取した意見の内容に照らし、当該宿主又は宿主の属する分類学上の種と比較して、生物多様性に及ぼす影響の程度が高まっていないと認められるものに係る第一種規程である」。すなわち、宿主が長期間の使用の経験があるものということと、それから宿主と組換え体等を比較して、組換え体の方がより宿主よりもリスクが高まっていない。そういうような判断のときに承認していく、ということでございます。
 [2]としましては、「実験室等での使用等又は第一種使用等が予定されている環境と類似の環境での使用等をすることによって、生物多様性影響を評価するための情報が得られていること」ということでございます。
 それから、[3]としましては、「第一種使用等の内容及び方法に応じて、生物多様性影響の評価に際し勘案した生物多様性影響の効果的な防止に資する措置が確実に講じられるものであること」ということで、これもちょっとわかりにくいですが、イメージとしては、例えば組換え農作物の隔離圃場で何メートル離すかということが、決まっている場合についてはその効果的な防止措置、そういったことが確実に講じられるものであるがどうか。そういったことが守られるかどうかということが判断基準になります。
 そういったことで、基本的事項については、こういったことの判断のもとに承認されるというようなことが規定されているということであります。
 以上でございます。

(藤田委員長)
 続きまして、もう一つ資料の8というのがございまして、これは今まで説明をしていただきました経済産業省及び環境省のこれまでの指針の比較につきまして、まとめていただいておりますので、これも続いてご説明をお願いしたいと思います。

(生物化学産業課企画官)
 それでは、資料8です。まず最初に資料8の後ろについていますところのA3の方のペーパーをごらんいただきたいのですが、今まで事務局の方で、カルタヘナ法の評価の実施要領と、それから経済産業省の工業化指針と、それから環境省の環境影響の防止のための指針、この三つを説明させていただきました。この三つにつきましての比較表をつくったものがそこのA3のものでございます。それぞれ、今説明しているように全項目を網羅的に挙げまして、それぞれ大体の項目毎に行っているであろうというところのものを全部並べまして、つくった表がこの表でございまして、適用範囲だとか、安全性評価の基本的な考え方、それから安全性評価項目、こういったものについて、それぞれ並べて書き込んだものでございます。すみません、こちらの方はきょうは説明の方は割愛させていただきますので、何かあったらこちらの方を見ていただきたいというふうに思っています。少し説明を付け加えさせて頂きますと
 経済産業省の方におきましては、ここでは第一種利用と第二種利用が二つ掲げられておりまして、開放系では第二種の方、これはカルタヘナ法と呼び方が逆転しておりますが、第二種の方の要、不要というところを見ていただければ、評価項目がわかるというようなことでございます。それから、●のところは、非組換え体については適用できないのではないかということで●をつけさせていただいております。ということで、こちらの方はご説明しても、時間もないので、資料の8のページ1の表の方を見ていただきたいと思います。ここで経済産業省及び環境省のこれまでの指針比較表(概要)というものをつくらせていただきました。こちらの方の左側の項目におきましては、今後議論していく際、主に問題となりそうなポイントを抽出して、それぞれ比較をつくったものでございます。大きく違っているところを重点的にご説明させていただきますと、まず最初の方に基本的事項ですが、経済産業省では、「事業者が組換えDNA技術を成果を産業活動に利用する際の安全確保のための基本的要件を示し、組換えDNA技術の利用に係る自主的な安全確保に万全を期し、もってその技術の適切な利用を促進すること」ということでございます。
 それに対しまして環境省の方でございますが、「微生物を注入して実施するトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物による地下水汚染の浄化を対象とし、事業者は、本指針に定められた項目について調査を行った上で、環境影響評価を行い、これに基づいた現場試験及び浄化作業を行うことにより、微生物を用いた環境浄化の実施に伴う環境影響の未然防止を図る」、こういったところでも最後の表現だけでいうと、ちょっと違うのかなというようにも感がします。
 周知としましては、私どもは経済産業大臣告示であり、環境省の方は、当時の環境庁からの都道府県への通知でございます。
 利用分野につきましては、私ども経済産業省では開放系利用分野全般でして、環境省ではバイオレメディエーション分野というふうに限定しております。
 それから確認方法ですが、これは経済産業省も環境省も同じでございまして、任意の事業者の申請に基づく経済産業大臣確認または環境大臣確認ということであります。ただ、先ほどご説明しましたように、経済省の方は、サイトで特定して確認する場合もありますし、また、日本全国ということで、サイトを決めないで確認をするということもございます。環境省の方は、特定場所、特定サイトで行うということになります。  それから、対象範囲でございますが、浄化場所につきましては、経済産業省では自然条件下で限定された区域だったらどこでもということでございまして、環境省は地下水限定でございます。
 浄化対象物質としては、経済産業省では特に指定しておりません。トリクロロエチレン、ダイオキシンについては実績があるということで、そこに入れさせていただきました。それから、環境省の方では、トリクロロエチレン等揮発性有機化合物ということで、そこに書いてある11物質についてのものについて限定して、規定しております。
 それから利用生物及び利用形態につきましては、経済産業省では準用しているところの非組換えでバイオオーグメンテーションということです。それは環境省も同じでございます。それから、菌の種類でございますが、分類同定されていることは前提で、未分類・未同定の生物を混合したコンソーシアは対象外としております。こちらの方も、環境省も同じように使用する微生物が明らかにされている場合は対象ということで、同じようなことを規定していると思います。
 それから、次のページですが、評価の実施方法、ここがちょっと違っておりまして、経済産業省では二段構えになっておりまして、まず先ほど説明したように、組換え体の安全性評価をして、それが使用できるということになったときに、組換え体の取扱い方法及び安全管理方法を遵守していくというようなことでございます。環境省の方では、段階的な評価になっておりまして、[1]は適用現場に係る調査、先ほど室長からご説明がありましたように、[2]利用微生物に係る調査、それからの室内模擬実験をこの3種類を実施しまして、必要情報を収集するということの上に、現場試験計画をつくって、これを④としますと、浄化作業計画につきまして[1]~④を踏まえて作成するというような、段階ごとの模擬実験についての指針になっております。
 それから、微生物のヒトに対する影響、これにつきましては余り変わらない、どちらも非病原性ということでございます。
 それから、微生物の生態系に対する影響ということですが、こちらの方は経済産業省の方はかなり漠と書いてありますが、環境省の方では水性生物影響試験及びその他の有害影響なしであるということと、そういったものと、実際に淡水魚とか無脊椎動物、藻類のそういった試験も具体的に書かれております。それから、室内実験では、細菌、糸状菌等についても調査と書かれております。あとは既知見ということもございます。そういったことを踏まえて、土地利用等を考慮して判断するということになっております。
 それからあとは微生物の残留性、これにつきましては増殖する可能性が低いこと。これは両方とも同じです。
 それから、分解生成物に関してましても、経済産業省では対象物質より毒性の高い物質を残留しないことということ、それから、環境省の方では環境基準等を超えないということになっていますが、規定こそはちょっと違いますが、大体同じようなものと考えます。
 それから、添加栄養分につきましても、経済産業省では残留等の可能性がある物質を使用する場合防止対策が必要ですが、土壌汚染対策法とか水濁法とか、指針のほかの他法令を遵守しなさいということになっています。環境省の方でも濃度レベルを超えないこと、浄化作業区域外において、作業の実施中におきまして影響が認められないこと。こういったところが書かれております。
 それから緊急対応、こちらも同じようなものでございます。
 それから、モニタリングにつきましても、経済産業省では事業期間中の利用微生物の検出及び生態系への影響について実施するということでございまして、環境省の方も、浄化作業計画に基づく、汚染物質と利用微生物の検出について実施することとなります。  それから、管理・責任体制につきましても、両方とも委員会をつくって、委員会の責任のもとにやっていくことも同じでございます。
 それから、地域の理解につきましても、経済産業省では、必要に応じてそういったことを得てやっていくということ、それから環境省の方では、地域住民の理解を得た上で作業を実施する。こういったような書き方になっています。
 そういったことで比較しまして、全体的にはかなり、経済産業省の方はかなり、範囲でいけばかなり広く分野をとっているのと、環境省の方ではかなりスポット的に焦点が絞られているということ。それから、評価の方もかなり中身が、経済産業省は漠としているところに、環境省はかなり具体的な規定を設けているというところでございます。
 以上でございます。

(藤田委員長)
 ありがとうございました。
 ただいまの資料7と、それから資料8に基づきましたご説明に対して、何かご質問等ございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

(福田委員)
 カルタヘナ担保法は、ヒトへの病原性は含んでいないと考えてよろしいのですか、その確認だけですが。

(生物化学産業課企画官)
 法律におきましては、ヒトへの病原性については含まれておりません。ただ、ヒトへの健康への配慮というのは、カルタヘナ議定書にもそのようなことが書いてありますので、そういったことを踏まえて、基本的事項にもそのようなことの記載があって、そういったことから全体を見ながら審査していくということになるわけです。

(藤田委員長)
 ありがとうございました。
 ほかに何かございますでしょうか。はい、どうぞ。

(中村寛治委員)
 分解生成物で、経済産業省は、毒性の高い物質が残留しないことというように書いてあるのですが、環境省の方は、濃度が環境基準等を超えないことというようになっているのは、これは左の方ですと、最後はきれいになればいいというふうに読み取れますし、右の方ですと、過程においても濃度が高くなってはいけない有害な分解生成物というふうに読み取れるのですが、これは差があるのでしょうか。

(藤田委員長)
 環境省、いかがですか。もしかすると、これも議論の一つにはなるのかもわかりませんけれども、もしお答えできるようであれば。

(環境管理技術室室長)
 ここの部分については、環境省については、まさにここに書いてあるとおり、環境基準というのがございますので、それ以下ですよと。ただ、経済産業省とこの部分の運用について調整したことはございませんので、そういう点ちょっと実例がないので、議論したことがないというのがこの場のお答えになるのではないかと思います。

(藤田委員長)
 これは、多分事務局で覚えていただいて、恐らく今の中村委員のご質問ですと、我々ファイナルで見ると基準はクリアしているのだけれども、中間体として考えたときに、もしかすると基準が一時的に超える可能性があるのではないかという、多分そういうご質問、あるいはご指摘だと思うのですけれど、ちょっとその辺は難しい取扱いだと思いますので。
 そのほか、はい、どうぞ。

(矢木委員)
 資料8の2ページ目のところの環境影響評価に必要な項目及び評価の中で下から三つ目なのですが、微生物の残留性というところで、利用終了後に増殖する可能性が低いことというのは経済産業省で、それから環境省の場合は、利用終了後に増殖する可能性が低く、高密度で残留することがないことと書いてあるのですが、このところに関して、先ほど資料4の組換えDNA技術工業化指針の概要というところで、組換え体のところで○と●がありまして、2ページ目のところなのですが、2ページ目のところに2番目として、2段階ということで先ほどのお話ですと、「開放系利用の組換え体の取扱い方法及び安全管理方法の原則」のところで、次の下の真ん中の括弧ですが、以下の安全性を評価し、遵守することということで、組換え体の取扱い方法で、(1)の組換え体の取扱い方法の下から○の2番目ですか、「事業期間、終了方法とその手順を明確にし、利用終了時において組換え体が残留しないよう不活化すること」と、こういうふうに書いてあるのですが、この辺の整合性というのでしょうか、この評価が資料8の評価と考えてよろしいのでしょうか。

(藤田委員長)
 事務局、いかがですか。

(生物化学産業課企画官)
 まず、事業期間につきましては、環境基準の目標に達したときをもって事業期間が終了したということになりますが、その期間に至るまでに、それぞれ使用微生物が暫減して減少するということを、通常実験において事業者が把握しております。例えば最初の微生物が90%まで減少したというときに埋め戻すとか、そういったことになっておりますので、そういったことが検証できれば、最終的にはもう残留していないというような理解のもとに、不活化という延長線上のものとして理解されているのではないかと考えております。これは完全に全部なくすという意味ではなくて、そういうことで不活化するであろうということも含めて言っていると理解しております。

(矢木委員)
 ある程度は残ってもよろしいということの評価と考えているわけですね。

(藤田委員長)
 基本的には、やはり資料8の方の表現が、適当との理解ですね。

(矢木委員)
 当然残るわけですから。

(藤田委員長)
 当然、非常に高いレベルで残れば不活化しなさいということを、あえて注意として書いていると思います。  そのほか、はい、どうぞ。

(中村寛治委員)
 今のご意見で、資料6で大林組の計画の概要ということで、括弧して一番下に、MO7が9割以上減少ということが書かれていて、この9割という値は意味を持つ正確なものなのか、それとも、例えばツーナイン、スリーナイン、フォーナインというふうに、何かそういうふうな具体的なものがあれば示していただきたい。この9割というのが正確な数字で、何か意味を持つのでしたら、そのようにご説明願いたいというふうに思います。

(生物化学産業課補佐)
 すみません。矢木先生からの質問にも含めてちょっとお答えしたいと思いますけれども、まず、我々の工業化指針の方は、まず組換え体を念頭に置いてつくったものであるということ。それから、非組換え体は、あくまで準ずる形で運用するということになっていますので、そういう意味では、組換え体と書いているものは、そのまま非組換え体に適用されるというわけではないと理解します。それから、実際に非組換え体の場合は、実際に自然界に既にいるものということでございますので、それを根絶するという概念はなくて、そういう意味では、組換え体の考え方をそのまま適用されているわけではないという点。それから、ある程度減少させるということに関して9割という数字がございましたけれども、これにつきましても9割でいいのか、もしくは99%なければいけないのか、あるいは8割でいいのかと、こういったものについては個別の非組換え体の性質等を勘案した中で、この組換え体であれば9割程度の減少を確認した時点で問題ないであろうという技術審査委員の先生方の判断として、たまたまそのケースの場合に9割の数字を引用しているということでありまして、これが一般的に、すべての非組換え体について適用可能な数字としてとらえているものではありません。

(藤田委員長)
 よろしいですか。

(中村寛治委員)
 はい。結構です。

(藤田委員長)
 何か、ほかに何かございますか。
 それでは、8番までの資料をいろいろと、非常に大部ですが、説明をしていただきました。
 それでは、続きまして議題の4、多分これが一番メインになると思うのですが。合同会合の論点等(案)になりますけれども、その前に、実はバイオレメディエーションというのを、実際に現場で実施をされておられます委員が何人かご出席いただいておりますので、その中で清水建設の岡村委員の方から、バイレメの技術開発と課題について簡単にご説明をいただきまして、少しバイオレメディエーションの実際というのを理解をしていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

(岡村委員)
 それでは、資料11に基づきまして説明させていただきます。清水建設の岡村と申します。前半は油に汚染された土壌の修復について。後半は、先ほど紹介がありました、RITEで行いましたトリクロロエチレン分解の実証試験について説明させていただきます。
 まず1ページ目ですが、現在、バイオレメディエーションにつきましては、油を中心に日本でも実際に行われております。最大で10万立米規模での工事も行っているところがあります。これは他の工法に比べまして、肥料を入れて攪拌するというのが主体になりますので、かなり安いということから、油等についてはよく採用されている技術であると考えております。
 その工法につきましては、ここに書いてありますように、いろいろな方法が考えられております。上の方の左から2番目のランドファーミングというのは、主に表層に近いところの汚染について、土壌を掘り上げて肥料等を加えて浄化を行います。それから、バイオベンティングというのは、比較的深いところの油の汚染について、空気を注入して処理を行います。それから同列で本当は書いてはいけないのかもしれませんけれども、地下水を循環する原位置循環というような方法につきましては、地下水に溶解しているトリクロロエチレン等の処理に使用されます。
 次のページに行きまして、まず実際の浄化工事を行う場合には、本当に微生物で浄化できるのか、どういう条件で工事を行ったらいいのかということを判断するために、弊社では密閉瓶を使用した可能性調査を行っております。燃料油の中には揮発性のものがありますので、開放系での試験を行いますと、揮発するものもあって、本当に生物でどのぐらい分解できるかといった判断がつきませんので、このような密閉瓶の中に汚染土壌を入れ、酸素を入れて、酸素の消費量を測定する方法をとっております。
 この密閉瓶の容積は300ccあるのですけれども、この中に油が0.1g入っておりますと、その0.1gの油を分解するためには酸素が約270cc必要となります。ですから、油を分解する場合、予想以上に酸素を消費するということが言えると思います。 下に可能性調査の結果を示しておりますが、通常土壌の中には油を分解する微生物は、非常に多く存在しております。通常ですと、肥料等を入れて、酸素を与えてやれば、油は分解いたします。しかし、この可能性調査の結果は、横軸はバイオ処理日数、縦軸は消費酸素量を示しておりますが、汚染土壌に酸素を与えただけでは、ほとんど酸素は消費しませんでした。それに肥料として窒素、リンを入れた状況でもあまり分解しませんでした。この条件に黒土を添加しますと、酸素が消費されて、油が分解することを確認しております。この可能性調査に使用した汚染土壌は、海岸近くの軽油で汚染しているところのものでして、砂浜ということで微生物が少なかったということから、微生物源として黒土を入れると、分解が促進したという結果を得ております。したがって、通常行っております肥料を入れて耕転するという以外に、黒土を入れることで微生物を補給して浄化をするといったようなことも行っております。
 次のページ上が基本的なランドファーミングの状態でありますけれども、油で汚染した土壌を掘り上げて、肥料を入れ、バックフォーで攪拌することによって酸素を補給する方法をとっております。
 その下に油分濃度の推移を示しましたが、当初2000ppm程度の油分濃度であったものが、約1カ月で500以下まで油分濃度が低下いたしました。このときには、下の二つの線が書いてある表を見ますと、▲印が土壌中の酸素濃度を示しています。最初浄化を始めたときは、油分を活発に微生物が分解するために酸素を使いますので、土壌の中の酸素濃度も5%前後と低かったものが、約20日以降油濃度が下がってきますと、油分の分解も少なくなり、土壌中の酸素濃度も上がってくるといった現象が見られます。したがって、実際の浄化工事では、油分濃度を見るとともに、土壌中の酸素濃度を見ながら状況を確認しております。油分濃度が低下し、公定法で油分濃度が目標値よりも下がっているということを確認した時点で、修復工事終了としております。
 次の4ページ目からは、RITEで行ったトリクロロエチレンの分解の結果を説明いたします。RITEのプロジェクトでは、土壌中の微生物を使ったスティミュレーション法と、汚染サイトから分解菌を分離して、それを大量培養して、再注入するオーグメンテーション法の両方を行っております。ここではバイオオーグメンテーションについての説明を行っていきます。下の図は表層調査の結果ですけれども、千葉県の君津市にありますトリクロロエチレンに汚染された工場の浄化を行うということで、この工場をいろいろ調査させていただいたり、菌を分離したりといったことを行ってきました。
 次の5ページですけれども、この汚染サイトから数十種類の分解菌を分離いたしました。その中でRalstonia eutropha KT-1株がトリクロロエチレンの分解性能がよかったということと、安全性でも問題がなかったことで、実証試験に使用いたしました。この分解菌の分解性能の例を示します。トリクロロエチレンが100㎎/Lのものを約1週間でほとんど分解し、トリクロロエチレンの比較的濃度の濃いものであっても分解ができるという菌であります。このようなRalstonia eutropha KT-1株を、当時通産省の組換えDNA技術工業化指針に係るバイオレメディエーションの確認申請を受けて、安全性の確認を受けております。その後に実証試験を行いました。
6ページにその概要を示しております。まず、KT-1株は外部で大量培養したものを冷凍保存しております。それを実際の実証試験のときにはサイトに持ってきて、まず上の図の右上に賦活槽と書いてあるところでKT-1株を解凍し、トルエンを添加します。トルエンを分解するときにできますトリクロロエチレンの分解酵素をつくります。トルエンが全くなくなったことを確認した後、井戸の中に菌を注入しまして、井戸周辺の帯水層に微生物ゾーンをつくります。その後その井戸から揚水をして、周りのトリクロロエチレンに汚染された地下水を微生物ゾーンを通すことによって、トリクロロエチレンを分解しようと考えました。揚水した地下水の中にはKT-1株も入っておりますので、日本で第1号のオーグメンテーション実証試験ということもありますので、廃水処理設備でUF膜モジュールによって菌はすべて回収し、回収した菌は燃焼処理する方法で処理を行っております。
 微生物の注入方法についてその下の、実証試験運転フローというところに書いております。外部で大量培養、菌体を遠心分離、洗浄、冷凍保存といった工程で保存しております。実証サイトでは、解凍して、賦活槽というところでトルエンを入れて酵素をつくります。その後、賦活槽の中の培養液には窒素・リンが入っておりますので、これをこのまま環境放出すると、窒素・リンが環境に影響を与えることから、遠心分離で菌だけを回収し、それを再浮遊させて、井戸に注入いたしました。菌は脱塩素水道水を使って1分間に10L、これを11時間かけて注入しました。それを地下の帯水層にもう少し押し込むために脱塩素水で10L/min、6時間で注入しております。その後、1分間に3Lの揚水量で通水試験を行っております。帯水層に菌、あるいはブランクとしては脱塩素水道水を注入いたしましたが、井戸に注入しますと汚染地下水は排除されますので、一見トリクロロエチレン濃度は少なくなってくるといった現象が起こります。
 次の7ページ目の上に、揚水した地下水のトリクロロエチレン濃度の数字を示しております。上のblank TCEと書いてありますのが、脱塩素水道水のみ添加したものですけれども、水道水を添加することによって、一見TECがなくなりますけれども、揚水を開始しますと、すぐにトリクロロエチレン濃度が上昇いたしました。それに対してKT-1を注入しますと、約360時間は揚水しても環境基準値以下にトリクロロエチレンが維持されているということで、効果を確認いたしました。
 それから、そのときの全菌数、生菌数の推移をその下に示しました、注入が2月6日からになりますけれども、注入したときには約10の9乗程度まで菌数は増加し、その後揚水をするとともに菌数は減ってきて、注入前と同数になっております。
 次の8ページ、上ですが、微生物群衆を見るということで、TRFLPを使った調査を行いました。注入前には種々の微生物が検出されておりますが、KT-1株を注入することでKT-1株の比率が大きくなりましたが、18日後にはKT-1株のピークが少なくなり、ほかの微生物も出現しているということから、微生物生態系にも影響がなかったものと考えられました。
今までのバイオレメディエーションに関する研究開発の経過についてまとめておりますが、石油系化合物につきましては、湾岸戦争による油汚染が契機で、PECのプロジェクトが始まりました。それから油関係についての実証試験を経て、現在は油槽所を中心に浄化工事が行われてきております。
 それから有機塩素系化合物につきましては、環境省、日本総研のコンソーシアム、RITEバイオレメディエーションプロジェクト等を経て、バイオスティムレーション、バイオオーグメンテーション、それから安全性評価、モニタリング技術というようなものが、検討がされてきています。
 今後、土着菌で浄化できる油系については、そのまま実用化されていくと思いますけれども、ダイオキシンですとか、多環芳香族といった比較的難分解性のものについては、土着菌ではなかなか分解が難しいと考えられ、やはりバイオオーグメンテーションに頼らざるを得ないのではないのかと考えております。
 次の9ページ目、上の方なのですけれども、現状では土着菌の利用が主体でありますが、今後は難分解性物質等についてバイオオーグメンテーションの利用が盛んになるだろうと考えております。しかしながら、単独企業で開発するにはもう限度が出てきておりますので、大学・ベンチャー企業等との共同研究等で成果の活用を行っていくことになると思います。そのようなときに、政策的にもいろいろと課題がありますので、ここにありますような、今回行っております指針の一本化ですとか、審査基準の明確化、審査迅速化等々の指針の整備。それから今検討していただいております、油分の浄化目標ですとか、分析方法の整備、研究支援体制の整備等が必要になってくると考えております。
 9ページの下の方に、環境省と経済産業省指針との比較を示しております。まず基本的な方針としては、環境省が個別の事業毎というのに対して、経済産業省が個別あるいは場所を特定せずということになっております。実際に経済産業省では場所を特定しないものについても確認されておりますけれども、これが実際に汚染土壌修復工事を行うときには、再度個別に環境省の審査を受ける必要があるのかどうか、そこら辺がちょっと明確でないので、検討が必要とおもいます。
 それから、環境省のガイドラインでは効果の確認、安全性確認というものが、室内模擬実験、それから実証試験を経て実証しなければなりません。現状の油修復工事の例を参考にもうしますと、工事を受注して、二、三カ月後には修復工事に入り、早ければ半年、長くて2年ぐらいで修復は完了するというような、スピードとの勝負ということになりますので、審査に時間がかかってしまうと、競争に負けることになります。
 それから、下の各種動物試験影響評価等を行いますと、これも全部やりますと非常にコストがかかりますので、土壌修復工事は、現状では価格高競争になっておりますので、コストが高くなると受注できないといったようなことも考えられます。
 それから、環境省の指針が出たときに、よく耳にした言葉なのですけれども、この指針は実質的には微生物は使ってはいけないのではないの、というような問いかけを何回か受けたことがあります。ということで、安全性の担保というのは重要なのですけれども、現実には実質的な禁止措置になっていると考えております。
 それからもう一つ、今回の委員会とは直接関係がなくなってくるのかもしれませんけれども、土壌修復を考えたときには、物理・化学的な処理等もあります。その中でバイオ修復だけがこのようなガイドラインがあるという、何かアンバランスなところが考えられるのと、バイオレメディエーションを広く考えると土壌だけじゃなくて、生物処理については活性汚泥、それからコンポストといろんなものがあるのですけれども、それは抜きにして、土壌浄化のバイオレメディエーションだけがガイドライン適用になっているといったようなところも、問題なのかなと考えております。
  以上であります。

(藤田委員長)
 ありがとうございました。
 少し時間の方がなくなってきましたので、ただいまの岡村委員のバイオレメディエーション技術の開発と課題につきまして、もし何かご質問等ございましたら、簡単なご質問ということでお願いしたいと思いますけれど。
 よろしいですか。

(「はい」の声あり)

(藤田委員長)
 では、一応これはこういうふうな形で実際に実施されておりますということで、報告ということにしたいと思います。
 そうしますと、続きまして資料9に基づいて、本日の中心的な議論になりますが、合同会合の論点等(案)につきまして、事務局の方からご説明をお願いしたいと思います。

(環境管理技術室室長)
 それでは、資料9をごらんいただきたいと思います。資料8をご説明しましたときに、経済産業省と環境省の指針の比較ということで既にご説明しておりますけれども、相当程度異なっている部分がございます。しかしながら、今回は合同で委員会を設置しましたとおり、一本化したいということで考えておりまして、進め方といいますか、方向性、また、対象範囲をどうするのか等について、検討会を進めるに当たって一つの合意といいますか、コンセンサスを得ておく必要があるだろうということで、資料9は両事務局で意見調整しながら、この合同委員会に提示するたたき台といいますか、今後の進め方に関する資料でございます。したがいまして、資料も案付きのまま提示しておりまして、ご意見をいろいろいただきたいと思っております。
 まず検討の視点、大枠でございますけれども、そこに四つ書いてございますが、非組換え微生物の利用については、環境影響への安全性の確保に万全を期し、もって、一層のバイオレメディエーション事業の健全な育成を通じた環境保全を図るという観点から、指針を策定しその下で継続して実施する。
 二つ目は、非組換え微生物を利用したバイオレメディエーションに関して、経済産業省と環境省に並立して二つございます指針については、一元化を図る方向で検討する。  三つ目としまして、組換え微生物との整合性も考慮する観点から、既に組換え微生物につきましては法律が施行されております。この法律に決められた評価手法及び承認基準、ここら辺を念頭に置いて議論を進めたいと考えております。
 この際、非組換え微生物の開放系使用でバイオレメディエーション以外のもの、これも微生物の利用としてはいろいろあるかと思いますけれども、現在の使用実例、ここら辺を考えて、議論の中心はバイレメ分野に限定して、今回は議論をしたいという形で考えております。
 1枚めくっていただきまして、もう少し、では、具体的にどういう事項を取り扱うかということでございますけれども、検討対象として、以下のものとして良いかということで、問いかけの形で書いてございますけれども、まずバイレメのうち、オーグメンテーションを対象とし、スティミュレーションは除く、これはスティミュレーションについては指針を策定する必要性が薄い、あるいはないということで、基本はオーグメンテーションと考えております。
 また、利用微生物は、分類同定可能な微生物を対象とする。
 環境媒体につきましては、使用頻度から見まして、土壌と地下水、これが一番高いだろうと思っておりますので、ここを中心に議論をしたいと考えております。
 浄化対象物質、ここにつきましては特に指定するということはなく、今、先ほどご説明、委員の方から使用実例がありましたけれども、石油とかトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物、あるいはダイオキシン類、また、一部には重金属、ここら辺も対象になり得るのかなと思っております。
 最後に、評価項目と実施要領等ということで、ここはご意見を一番いただきたいなと思っている部分でございますが、生物多様性影響評価実施要領及び基本的事項の枠組みを活用するとした場合、旧指針、これは経済産業省、環境省二つございますが、ここを踏まえて、評価項目及び承認基準をどんなふうに定めたらいいか。
 二つ目として、具体的な実施要領、申請要領等を含む形になりますが、どんなふうに定めたらいいか。
 三つ目としまして、モニタリング、報告等の必要性とそのあり方について、どういうふうに考えていったらいいのか。
 以上のような形で、この合同委員会を進めるに当たってのコンセンサス及び事務局が今後作業を進めるに当たっての作業の進め方のコンセンサスを得たいと思っておりまして、議論をよろしくお願いしたい思います。

(藤田委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、もうかなり時間の方が迫っては参りましたが、この合同会合における検討の視点、それから論点につきまして、事務局からの案、あるいはさらにこれにつけ加える点等がございましたら、ご自由にご意見をいただきたいと思います。
 はい、どうぞ。

(中村和憲委員)
 ちょっと確認しておきたいことがあるのですが、いわゆる論点の中の利用微生物は分類同定可能な微生物を対象とするということですが、分類同定可能な微生物の範囲といいますか、例えば経済産業省の方の工業化指針のときには、純粋分離微生物及びその混合物というようなことで、もうちょっと限定した言い方になっていたと思うのですが、その辺の分類同定可能というのは、分類同定技術というのは今非常に進んできていますから、混合物についてもかなりの部分が分類同定可能になってきていますよね、そういうところで範囲をどこまでにするのかという、おおよそのイメージがございましたら、お願いします。

(生物化学産業課補佐)
 現在の我々の考え方としては、まず、ここで分類同定可能な微生物と書きましたのは、今回バイオレメディエーションをしたいというときの確認を求める申請が上がってきたときに、どういった微生物を扱っているかよくわからないといった場合について、わからないものについての安全性について審査することはできない。こういうことから、実際にどういった対象の微生物をバイオレメディエーションにして用いるのかということが、明確になっていることが前提になると考えます。そういった意味において書かせていただいております。

(中村和憲委員)
 すると、少なくとも、先ほど岡村委員が言ったような黒土を入れるというのは、少なくとも対象にならないということになりますよね。

(生物化学産業課補佐)
 黒土の場合は極端な例になりますけれど、一体何を入れているか全くわからないということになり、その場合は当然確認をすることはできませんので、対象ではないと。そういう理解であります。

(藤田委員長)
 よろしいですか。
 ほかに。はい、どうぞ。

(松本委員)
 2ページの検討対象の中に、対象物質は云々とございまして、重金属等も対象物質にされる可能性があるということでございますが、重金属については、これはやはり難分解性有機化合物とは根本的に違うので、そこら辺を一緒に扱うと非常に混乱というか、本当に浄化というのはどういうものかというのが非常にわかりにくいと思うのですが、いかがでしょう。

(藤田委員長)
 これは、どちらの方から。はい、どうぞ。

(生物化学産業課補佐)
 ここの項目として上げた趣旨は、特に重金属の場合は、微生物が吸収してしまっても、そこにいる限り結局何もならんじゃないかということのご趣旨だと思いますけれども。我々としては、とりあえず対象物質としては特に限定をかけないということを、ちょっと強調するために書いたものでありまして、今回ここで提示している意味としては、例えばそこ以外に、微生物を用いたということにとりあえずは限定をするということを書いていますが、例えば、ここに植物みたいなものが入ってきますと、例えば重金属を吸収して、種とか何とかに集めるとか、こういうこともあり得てくるものですから、一応のカバーレンジとして重金属も入り得ると考え、重金属を除くという形には、とりあえずしていないということです。

(松本委員)
 バイオレメディエーションとして含むということですか。

(生物化学産業課補佐)
 すいません、今回の検討の対象として、植物を用いたバイオレメディエーションの事業化というのはまだ出てきておりませんので、今回は微生物を用いたバイオレメディエーションということで一元化する指針を策定したらどうかということにしていますけれども、そういった意味において、特出して重金属というふうに強調して微生物のところで書いてあったのは、ちょっと違和感があったのかもしれませんが。

(藤田委員長)
 はい、どうぞ。

(矢木委員)
 今のことに関連して、いいでしょうか。

(矢木委員)
 今のことに関連して、ちょっとつけ加えておきたいと思うのです。この重金属等ですが、最近重金属汚染の改善という意味でも、微生物の出しますいろいろな、いわゆるシネロファー関係なのですが、そういうものを出す微生物を土壌の中に注入して、それで重金属を可溶化して浄化するというようなことも、成功は余りしていないようですが、ありますので、ぜひ入れておいていただいた方がいいかなというふうに、私は思います。

(藤田委員長)
 そうしますと、今の事務局からのご説明も含めまして、浄化対象物質は特に指定することなくという、その前半の方をむしろ強調して、その一つとして、場合によって重金属が上がっても、これは対象になってもよろしいという、そういうふうなことになりますね。
 はい、どうぞ。

(渡辺委員)
 重金属に関しては、例えば塩化第二水銀なんかは、ドイツでは微生物を使って浄化が実用化されておりますので、ですから、微生物を入れれば100ppmぐらいの水銀だったらば、これも浄化水はどんどん飛んでしまうのですけれども、私どもも組換え菌をつくっておりますけれども、100ppmだったら簡単に水から取り除くことができます。そういう意味で水銀なんかは、それからメチル水銀も、今は分解する微生物ができているので、将来は私ども水俣湾をきれいにしたいなという、そんなことも考えておりますので、そういう意味では、ぜひ重金属を入れておいていただきたいなという気がいたします。

(藤田委員長)
 ほかに。はい、どうぞ。

(中杉委員)
 二つほどあります。一つは、環境媒体が土壌と地下水に限定されていますけれども、今非常に重要になってくるのが底質の話が入ってくるだろうと思うのですね。底質を、これは海の底質そのものをやるということではありません。取り出した後でどうするか、これはむしろ土壌なんかよりも、底質の方が適切な場合もあるのであろうということで、必ずしも土壌、地下水というふうに限定する必要はないかなというふうに思います。そこら辺までちょうど、議論としては入ってくるのかな。
 それから、もう一つですけれども、先ほどの四つの事例のうちの三つがサイトごとであり、一つが一般的なというお話がありましたけれども、そこのところをどうするかというのが非常に重要なポイントであろう。多分、開放的な利用といったときの開放的な利用の程度が当然違うわけですね。地上に取り上げて、地上でパイルをつくったり、ファーミングするというような形でやるものと、注入してやるという意味では、コントロールアビリティというのは物すごく違いますから、そういう意味では、そこら辺は区別して議論をしていかないといけないだろう。特に中に入れるようなものについては場所場所によって物すごく違いますから、そういう意味ではそういうことも考えなければいけない。そこら辺のところを一律なもので考えるというのは少し問題があるのかなと思うのですが、事務局の方としてはどういうふうにお考えなのか。

(藤田委員長)
 はい、どうぞ。

(生物化学産業課補佐)
 幾つか質問をいただいたのですけれども、まず一つとして、今回ある一地点のみの浄化のみを対象とするのか、もしくは、日本全国みたいなものを想定したものとするのかということについて、我々はなぜ日本全国を対象とするようなバイレメについても、今回含めようと考えているかといいますと、それはまさにカルタヘナ議定書の国内担保法の考え方、これは組換え体を用いた開放系によるものを念頭に置いておりますけれども、このときであっても、個別サイトであろうが、日本全国適用であろうが、両方カバーし得るものとして法律上カバーしておりますので、今回我々のカルタヘナ議定書国内担保法を準用する形で一元化しようと思っている今回の新しい指針につきましても、個別サイトのみに限定する形ではなくて、日本全国適用可能なものとして申請が上がってきた場合においても、審査可能なものにしようというふうに考えております。ですから、具体的には審査の場というのが一番難しい場面になるわけでありますけれども、それぞれその物をどのように利用しようとしているかということを念頭に置いて、もしその微生物がサイトごとに審査を変えなければいけないというたぐいのものであれば、それは日本全国適用が難しいということになるであろうと思いますし、もしそうでなければ、日本全国適用というのを前提に、使用を確認するということも可能なのではないかなというふうに考えております。

(藤田委員長)
 底質はいかがですか。環境媒体の中での対象としてですね。

(生物化学産業課補佐)
 環境媒体、土壌及び地下水を中心にというふうに書いておりまして、ここのところちょっとあいまいに書いてしまったところがあるのですが、我々としては、特に土壌と地下水のみに限定するという、そこまでは強く思っていなくて、我々、現在これまで申請に当たって審査した過去4件の事例に基づくと、土壌と地下水というものであったものですから、そういうものをまず想定事例として掲げて議論することが、議論しやすいのではないかというふうに考えただけでありまして、そういう意味では、もし今後バイオレメディエーションが実用化される場合に、底質というのが大きく念頭に置かれるのであれば、当然そういうものも含めて議論していただければというふうに考えております。

(藤田委員長)
 はい、どうぞ。

(中杉委員)
 今のお答えですけれども、確かに一般的に使えるということも含めるというのは、それは構わないのですが、一般的にどこでも使えるような形ということになると、逆に言うと、審査の場合、安全性側で見なければいけない、かなり厳しくなる恐れがある。こういう利用の仕方であれば、こうという。そこら辺の区別ができると思いますので、両方を踏まえて、そういうふうな区別があるということで議論をしていった方がいいのかなというふうに思います。

(生物化学産業課補佐)
 今の件に関しまして、まさにそのとおりだと思っておりまして、実際にカルタヘナ議定書の国内担保法の場合であっても、例えば組換え作物の栽培の審査をする場合には、通常の場合、隔離圃場みたいな固定サイトでまずは実施をして、そこでもある程度の科学的なデータを集めて、そういったデータがそろってきた場合には、そういうデータも合わせた状態で日本全国適用の申請を出すと。これが実際にファーストステップで隔離圃場みたいなものを全くせずに、日本全国適用に申請をすることも可能ではあるのですけれども、隔離圃場みたいなところで試験をすると、それ以外のデータがいろいろ集まるものですから、実際に次のステップの審査が通りやすくなると。こういうような運用がされているのだというふうに理解しております。

(矢木委員)
 今のに関連しまして、資料の6をちょっと見ていただきたいのですけれども、経済産業省と環境省との違いについてお聞きしたいのですが、環境省の場合は場が決まっていると、経済産業省の場合には全国規模にも広げられるということなのですが、資料6の最初の三つですか、これについては場が決まっていて評価されているので、このような申請の場合には、全国的にやる場合にはもう一度申請を出さなければいけないのかどうかというのが、一つです。  それからもう一つは、最後の4番目なのですけれども、Janibacterを使っているケースなのですが、掘り起こして、そして浄化して戻すということになっているので、この申請の場合だと現場で浄化する場合は、それも含めてオーケーになっているのかどうか。要するに、この方法ですと、何か外へ出して浄化して、埋め戻すという方法で、戻さないで、そのまま直接やることの方法に対し申請でやれるのかどうか、その辺をちょっと、要するに場の評価の仕方で、やっぱり分けなければいけないのか、一つの意見の考え、その辺をお伺いしたい。

(生物化学産業課補佐)
 まず1点目の最初の3件ですね。最初の3件につきましては、このサイトでのこの利用についてという申請でありますので、これをほかのサイトでやろうという場合には、それは別途の申請が必要であるというふうに理解しています。
 それから、最後のJanibacterの件につきましても、1回土をとって、そこで浄化をして、その土をさらに戻すと、こういう手法を使うという前提のもとで日本全国どこでやってもいいと、こういう理解でありますので。もしこの手法を変えるということであれば、それは再度申請が必要になる、こういうことで理解をしております。

(金子委員)
 利用生物の対象の話に戻るのですけれども、ご存じのように植物のバイオレメディエーションは評価しないというふうに最初おっしゃったのですが、植物の根に微生物がたくさん共生しています。菌根菌と呼ばれていまして、それを使った技術というのは、見かけ上は植物によるバイオレメディエーションなのですけれども、実際には菌、すなわち微生物の特性によりますから、様々な微生物が使われる可能性があります。この点はどういうふうにお考えでしょう。

(生物化学産業課補佐)
 我々の理解としては、今回実際に実用化されてきている例が、微生物を使ったものが中心であったということを念頭に置いていたものですから、それでとりあえず、まず今回は微生物を使ったバイオレメディエーションについて指針を一本化してみようと。その後に、例えば植物を使ったバイオレメディエーションに関しても、安全性評価みたいな確認をしてもらいたいとこういったニーズが出てきた場合には、この微生物の基準をそのまま植物の場合でも適用可能なのかどうかとか、こういった議論をした上で、植物にも拡大するようなことを考えていったらいいのではないかというふうにちょっと考えておりましたので、それでこういうふうな書き方をしています。ですから、もしこの場で、例えば、いや、もうこれは植物についてももう実用化も目の前にあるので、それも加えて議論をすべきであるということであれば、そういう可能性もあり得るのだというふうに考えています。

(藤田委員長)
 はい、どうぞ。

(渡辺委員)
 今回の議論は、非組換え微生物の安全性指針をつくるということだと思うのですが、これを組換え体のカルタヘナ法のことも念頭に置き、さらに環境省、経済産業省が今までつくった指針も念頭に置きながらやるということなのですが、その辺の微妙な違いというのはあると思うのです。例えば組換え体の利用の場合は、基本的に土着、非土着というよりも、どちらかというと非土着を考える。今回も非土着ですが。ただ、組換え体の場合は、そう考えつつも、ホストが分類学上に同じ種だと言われるものであれば、その種の範囲を超えない程度のものであればいいというふうに、分類学的に同種だというところで問題がなければいいのだというような見方をしていますが、この場合は分類学的に同じ種でも遺伝的に違えば、個体群の維持にはつながらないということもありますので、今回の場合は非土着の微生物をある場に使ったときに、どういう問題が出るかというので、若干視点は違ってくるというのは念頭に置きながらやらなくてはいけないのではないかというのが、第1点です。
 それから、第2点なのですが、生物多様性の影響を見るときの重要な視点として、やはり作業区域及びその周辺の生態系の特性が具体的にどんなものであるかというところをどこまで押さえなくてはいけないのかというところは、非常に重要な指針だと思うのですね。何から何までと言われると大変になる。では、どういうところで視点を与えながら、重要な生物群を抽出していくのかというところは、しっかり押さえていかなくてはいけないのではないかなと思います。
 それから、目的によって全然違うと思います。環境浄化を目的にするのなら、作業区域も生態系が変わるのは当たり前ですから、これ。ただ、そうではなくて、自然のまま何かを取り出すときに微生物を活用というときに、それは作業区域内の生態系が今後どういうふうに問題になるかというふうになってくると思うのですね。ですから、かなり目的に応じて、どこからどこまで生物多様性の影響を見積もらなくてはいけないのか。見積もり方をどういうふうに客観的な、定量的なやり方でやっていくのかというのも問題になってくると思います。
 先ほどのご説明にあって、非常に興味深く拝見したのですが、岡村先生の8ページにある、その微生物群集の変動が書かれているのですが、変わったとも言えるし、変わってないと言われれば、そうかなとも見えるし、こういう見方がないような定量的なやり方が必要だろうと。特に微生物の変動の時間的スケールがどんな時間で変動するのかということすらわかっていない段階で、たまたま合った、合わないというレベルの定量的評価はほとんど意味がありませんので、そこはどこまで我々が突っ込んでいくかというところのぎりぎりの言動を相当考えながら、ここはやっていかなくてはいけないというつらさはあると思うのです。今後の議論する視点を言わせていただきました。

(藤田委員長)
 ありがとうございました。
 今の渡辺先生のご意見も考えようによったら、資料9の、例えば検討の内容としては、云々と書いてあります[3]ですが、その中で生物多様性影響評価実施要領ですね、その辺のところにどう盛り込んでいくかということ、そこが非常に大事であるし、また難しいかもしれないというご意見だったと思います。
 一応時間の方も参っておりますので、資料9、この論点等(案)につきまして、特に大事な点は検討の視点として政策的事項、先ほどご指摘がありましたようなことも含めまして、この考え方でよろしいかどうか。特にバイオレメディエーション事業というような形で事業というか、バイオレメディエーションということをしっかりとここに書いております。それから、今のところ植物のお話も出てきたわけですけれども、ここでは微生物というふうに書いております。場合によって、この合同の委員会の中でもやはり植物も含めるべきであるということであれば、ただ、植物の場合、組換えの植物ではなく、今まで多分議論されているのもどちらかというと普通の植物に菌根菌ではないですが、根系の微生物、そこに例えば何かオーグメンテーションするというそういう場合もあるし、全く組換えの植物を使うということも当然出てくると思うのですが、今回の特に議論というのは、非組換えを対象としているということですので、場合によってそれは十分入り得るのではないかなというふうには考えております。
 一応論点の、特に検討対象としましても、今言ったようなことで四つの項目、これで一応話を進めていけばいいのではないかというご意見が多数であったと思いますので、こういうふうな形にしていきたいと思います。
 それから、評価項目と実施要領等ということですが、これはもう先ほどもご意見もありましたように、この辺のところについても、今後評価項目及び承認基準をどのように定めるかというふうなことで議論を進めていきたいと思います。
 それから、あとは余りご意見が出ませんでしたが、当然ということで理解をしていけると思うのですが、具体的な実施要領の策定とモニタリング、報告書等の必要性とそのあり方、これはもう当然ながら必要な事項だというふうに考えておりますので、一応、もしさらにこのような点をつけ加えるというようなことがなければ、一応、今後この合同の会合におきましては、資料9に定められましたこの案について、案をとりまして、こういう論点で会議を進めていくいうことでご了解いただいたというようにしたいと思います。
 よろしいですか。

(「はい」の声あり)

(藤田委員長)
 では、そういうことで、今後はこの論点ということで進めていきたいと思います。
 少し時間がたってしまいました。

(辻委員)  一つだけ、すみません。  今の技術的な対象で、土着微生物を、一応ここのところは「そのまま利用」と書いてあるのですが、土着微生物群を多少加工して利用することはどっちなのかなと、先ほどからずっと考えていたのですけれども。

(藤田委員長)
 ここはやっぱりバイオスティミュレーションで、多分岡村委員の方が説明された、例えばメタンとか栄養源だけを入れて、そこにいる微生物を活性化しただけというバイオスティミュレーション、それはもう議論をしない。
 だから、先ほどちょっと言われましたように、そこから分離をして、それを増殖させて導入すれば、それは必ずしも土着と言えない、そういう理解ではないでしょうか。

(辻委員)
 多分油の話になると思うのですけれども、油の方はまだギャランティー等、規制がなく、むしろ環境に対するリスクを低減する技術として、どんどんバイオレメディエーションをやっていかなければいけないと思うのです。そうなったときは、やはり菌の分離までしないで、土着のものをそのまま培養して、ある程度活性を高めて、戻してやるというのが非常にどうも効果がありそうな感じです。いわゆる分解というのじゃなくて、通水洗浄みたいな方法にバイオを乗っけていくというときにはそういう技術があると思います。そこら辺は次回に判断しなければいけないのかなとは思います。

(藤田委員長)
 では、次回と。もし非常にそういうのが事業として一般化されているということであれば、一度事例を報告していただいて、それはやはり審査対象ですねと、ここでもし皆さんが判断されれば、それも含めて検討するということにしたいと思います。

(辻委員)
 何か、うまく紹介できたらと思いますが。

(藤田委員長)
 ありがとうございます。
 それでは、あと、もう最後になりましたが、今後のスケジュールにつきまして、事務局の方からご説明をお願いしたいと思います。

(環境管理技術室室長)
 資料10をごらんいただきたいと思います。今後のスケジュールでございますが、2番のところで、第2回合同会合については、当初委員の皆様方には5月末ぐらいでどうですかということでご紹介しておいたのですが、なかなか調整が難しいものですから、今、再度調整している段階でございます。6月頭、できるだけ早目に実施したいと思っておりまして、ここでは、きょうは1名からプレゼンテーションをお願いしましたが、さらに数名からお願いしたいと思っております。また、業界団体で関心のあるところでご意見を述べたいというようなところもあるかと思いますので、そこら辺ちょっと意見があるのか打診したいと思っております。それらを踏まえて、きょう大枠ご議論いただきましたが、もっと詳しいその指針の方向性についてご提示したいと思っております。
 さらに、第3回目は、2回目から1カ月弱ぐらいのところでできればセットしたいと思っておりまして、そこで指針の原案についてご議論いただき、3回目の委員会の議論反映後、パブコメを実施して、第4回目を秋頃に実施し、最終的な報告書にまとめたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

(藤田委員長)
 はい、ありがとうございました。
 ただいまのスケジュールなのですけれども、それで何かご質問等ございますでしょうか。
 もしなければ、一応これで。次回は目下調整中ということで、ここではご案内できないということですね。

(環境管理技術室室長)
 メールでご案内をすることになると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(藤田委員長)
 それでは、本日これで会議を終了させていただきます。
 どうもご協力ありがとうございました。

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