第4回 有明海・八代海等総合調査評価委員会 海域環境再生方策検討作業小委員会 議事録

開催日

令和元年11月29日(金)

場所

三田共用会議所第3特別会議室(東京都港区三田2-1-8)

出席者

 小委員会委員長 : 滝川清委員長

 委員 : 小松利光委員、樽谷賢治委員、古米弘明委員、松野健委員、山口啓子委員

 臨時委員:小林政広委員

 専門委員 : 橋本晴行委員、吉永育生委員

(事務局)

  環境省水・大気環境局長、水環境課長
  水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐、水環境課閉鎖性海域対策室主査

議事録

午後1時30分開会

○和田閉鎖性海域対策室主査 定刻となりましたので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第4回海域環境再生方策検討作業小委員会を開会いたします。

最初に、本小委員会は公開の会議となっておりますことを申し上げます。

 それでは、まず、議事に先立ちまして、環境省水・大気環境局長の小野より御挨拶を申し上げます。

○小野水・大気環境局長 環境省の水・大気環境局長、小野でございます。先生方には、大変お忙しい中御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。また、常日頃から大変お世話になっております。どうもありがとうございます。

 本小委員会でございますけれども、有明海・八代海等の水質や底質などの海域環境の変化状況について検討を行っていただいておりまして、本日、午前中に開催させていただきました水産資源再生方策検討作業小委員会と相互に補完するような形で、効率的に再生方策や減少要因等に係る検討を進めるということでございます。

 本日でございますけれども、8月に開催いたしました第3回の小委員会で決定された具体的な作業方針に基づきまして、まず、海域環境に関する調査の情報収集等として、環境省が実施した調査結果を報告させていただきまして、その内容について御審議をいただきたいと考えております。

委員の先生方におかれましては、活発な御議論をぜひよろしくお願いいたします。

○和田閉鎖性海域対策室主査 続きまして、本日の委員の出席状況ですが、欠席の連絡を山口敦子委員、東委員、古川委員よりいただいております。

また、資料につきましては、本日の小委員会はペーパーレスでの開催とし、お手元のタブレット端末の海域小委というフォルダの中に入ってございますので、資料の確認は省略させていただきます。

報道、取材の皆様におかれましては、これ以降のカメラ撮影はお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

それでは、早速でございますけれども議題に入ります。以降の進行につきましては、滝川委員長、よろしくお願いします。

○滝川小委員会委員長 はい、かしこまりました。早速ですが、今日の議事を進めさせていただきたいと思います。

 まず、本日の議題の(1)ですが、海域環境に関する調査の情報収集等としております。

 タブレットの資料2をあけていただきたいと思います。これに基づきまして事務局より御説明をお願いいたします。

○権藤閉鎖性海域対策室室長補佐 それでは、資料2、有明海・八代海等における海域特性について、御説明いたします。

 まず、表紙の次のページ、目次をご覧ください。

 本日御説明いたします内容といたしまして、環境省において行っております底質・底生生物等の海域環境モニタリング、平成28年度評価委員会報告の中のベントス関連の報告内容、また、今回の報告内容といたしまして、底質・底生生物のデータ整理の目的等、続きまして、有明海・八代海等の海域環境特性として海域全体の底生生物の状況、続きまして、海域全体の底生生物の変動要因の検討と、地点ごとの底生生物の変動要因の検討、最後に今後の検討となっております。また、参考資料としてこちらに記載のもの2つをつけております。

 続きまして、次のページをご覧ください。まず、環境省における底質・底生生物の海域環境モニタリングでございます。

 環境省の「有明海・八代海等再生対策検討作業支援業務」というものを行っておりまして、その中で底質及び底生生物の継続的な定点調査を実施しております。定点調査の概要といたしまして、右側に定点調査地点として示しておりますが、この赤で示しております有明海、八代海及び橘湾で計28地点調査を実施しております。調査頻度といたしましては、年2回、夏季及び冬季と。調査方法としまして、まず底質は、スミスマッキンタイヤ型採泥器で3回採取し、混合試料を分析。底生生物につきましては、スミスマッキンタイヤ型採泥器で10回採取し、同定を行っております。調査項目といたしましては、泥色、性状、泥温、粒度組成、含水率、pH、酸化還元電位(ORP)、強熱減量(IL)、化学的酸素要求量(COD)、全窒素(T-N)、全りん(T-P)、硫化物(T-S)、全有機炭素(TOC)、底生生物(マクロベントス)となっております。底生生物につきましては、先ほど現在は10回採取ということで御説明しましたが、2004年度までは3回採取となっておりましたので、今回の検討には2005年度以降、10回採取したもののデータを用いております。

 次のページをお願いします。ベントス関連の平成28年度評価委員会報告の内容でございます。

まず、1つ目の丸として、「ベントスの変化」については、基本的に移動能力が小さいため特定の海域特性の影響を受けやすいと考えられるので、有明海の7海域、八代海の5海域の個別海域ごとに整理をしております。データといたしましては、2005年から2014年までの門別の種類数・個体数の変動(単調な増加・減少傾向)及び測定回ごとの主要出現種(3種)について整理をしております。また、有明海湾奥東部及び湾奥西部の海域は1989年、2000年及び2006年の知見、有明海中央東部は1993年以降の調査があるため、その期間の変化傾向も検討しております。ベントスの生息と密接な関係があると言われる底質については、2001年から2015年の調査結果を検討しております。

その結果でございますけれども、近年の限られた調査データからは、問題点の明確な特定には至らなかったが、海域によっては種組成や個体数の顕著な変化や日和見的で短命な有機汚濁耐性種が多く見られたとなっております。

また、それぞれの個別海域でございますけれども、A1・A6海域につきましては、日和見的で短命な有機汚濁耐性種の増減により、総個体数が前年の10倍以上になる年がある等の変動が見られたため、今後も注視する必要があるとされております。

A2海域につきましては、1989年、2000年及び2005~2015年のデータから、種組成が変化したこと、個体数が約2割減少したこと、群集構造の年変動が大きいこと等の特徴が見られるとなっております。

A3海域につきましては、1989年、2000年及び2005~2015年のデータから、種組成が変化したこと、総個体数が約3分の1に減少したこと、群集構造の年変動が大きいこと等の特徴が見出されております。

A4海域につきましては、1993~2015年のデータから、日和見種の増減によって総個体数が前年の10倍以上になる年があり、群集構造の年変動が大きいことなどの特徴が見出されております。

八代海のY2海域ですが、日和見的で短命な有機汚濁耐性種の増減により、総個体数が前年の5倍以上になる年がある等の変動が見られたため、今後も注視する必要があると、個別海域の解析にはこのような整理がなされております。

次のページをお願いします。平成28年度評価委員会報告の内容の中で、有明海・八代海等の全体に係る再生目標(全体目標)として、今後10年先の目標として掲げられたものでございますけれども、まず、希有な生態系、生物多様性及び水質浄化機能の保全・回復、また、二枚貝等の生息環境の保全・回復と持続的な水産資源の確保ということで、この中で太字にしているところで、海域環境の特性を踏まえた上で、底生生物の生息環境を保全・再生というものが挙げられております。

また、次のベントスの再生方策と今後の課題といたしまして、全体方策といたしましては、ベントス群集の種組成や個体数の顕著な変化が見られる場合、生物豊かな水環境や持続可能性が損なわれている可能性があると。各海域のベントスの群集や底質について、今後も継続的にモニタリングを行い、問題が生じた際にはその原因を評価した上で、必要に応じて適切な対策を講ずるとなっておりますので、これに基づきまして、引き続きモニタリングを行いますとともに、変動が生じたときには、その原因を評価するということで、現在もやっているところでございます。

次のページをお願いします。今回の第4回の海域小委では、データ整理の中間報告として、太字部分に関する整理結果を報告といたしまして、こちらの点線で囲っているところにつきましては、8月に開催いたしました第3回の海域小委で審議、決定いたしました「小委員会における今後の情報の収集・整理・分析について」の中のベントスに関するものでございまして、今回、この太字にしているところ、まず1つ目のところといたしまして、「ベントス群集(種類数、種組成、個体数)及び底質の継続的なモニタリング」及び「ベントス群集の変動要因の解析」については、継続的なモニタリングで得られたベントス群集及び海域環境項目、今回は底質について、地点・海域ごとの変動状況等を整理する。また、その下の太字の部分で、地点・海域ごとのベントス群集と海域環境項目の変動状況との関連性に関するデータ分析を行うとなっておりまして、今回、こちらについても行っております。

まず、1点目の(a)といたしまして、平成28年度評価委員会報告におけるベントスの再生方策の状況確認といたしまして、今回は2015年度~2018年度のデータを追加いたしまして、ベントスの経年変化からベントス群集の種組成や個体数の顕著な変化等について確認をします。今回、橘湾も調査地点ということで、先ほど御説明いたしましたが、橘湾のデータが2013年度からのデータしかないということで、今回は有明海、八代海について確認をしております。

また、下の(b)といたしまして、ベントスの変動要因の検討といたしまして、(a)のデータ整理において、日和見種の増減によって総個体数が著しく増加する等の傾向が見られる海域を対象として活用し、要因分析を実施しております。

次のページをお願いします。まず、有明海・八代海等の海域環境特性ということで、海域全体の底生生物の状況、あと地点ごとの経年変化でございます。

7ページをご覧ください。まず、こちらが有明海における底生生物の種類数の経年変化をそれぞれ海域ごとに示したものでございます。

こちらを見ていただきますと、海域ごとに見て、一番上からA1海域、さらにその中に地点として3つありますので、A1海域については3つの折れ線グラフと、それぞれ海域ごとに複数あるものから1カ所ありますので、それぞれの経年変化を示したものでございますけれども、まずA1海域、3つありますが、右一番上のところですが、変動も小さく、低い値で推移と。A2~A6海域というのは概ね横ばいで推移しておりますけれども、変動が見られると。A7海域というのが一番湾口に近い部分ですけれども、こちらは変動が大きく、地点によっては種類数の差が大きいということで、一番左下の3本あるものですけれども、地点によってかなり変動が大きいというふうなことになっております。

8ページをご覧ください。続きまして、底生生物の個体数での経年変化でございます。

こちらにつきましては、まずA1海域、一番右上になりますけれども、これのAsg-2ということで、赤い線ですけれども、こちらについては、2008年、小さな山でございますけれども、ここでドロクダムシ属、または2011~2012年のカワグチツボ、2016年のヒラタヌマコダキガイを除いて、変動も小さく、低い値で推移と。その下のA2海域、ここは割と変動が大きいんですけれども、著しい変動が見られまして、2009年以降の変動につきましてはホトトギスガイによるものであります。また、A3海域、こちらについては2011年・2015年、または2013年を除いて変動は小さく、近年は低い値で推移と。A4・A5につきましても、変動が小さく、低い値で推移と。A6海域は、近年、2012・2017年、または2011・2018年と出現種が異なっておりまして、変動が見られると。A7海域につきましては、3地点ありますが、個体数としては低い値で推移ということで、それぞれの海域ごと、また、その地点ごとによって違いが出ております。

続きまして、9ページをご覧ください。こちらが底生生物の湿重量の経年変化です。

A1海域、一番右上になりますが、そのうち、黄色い線のAsg-3が過去に大きく変動しておりますが、この大きかったところはサルボウガイが過去には多くあったと、その後、近年はもうほぼ3つの線ともに湿重量的にはかなり低い値と。あと、A2海域の中のAfk-2で、2009年にホトトギスガイ、1つ山がありますが、ここがホトトギスガイによる変動と。その他の地域は、ほぼ大きな変動がないということになっております。

続きまして、10ページをお願いします。ただいま説明した中で、またこれは参考でございますけれども、海域ごと、さらにその中の地点ごとの優占種、多く現れた種でございますけれども、それを参考までにお示ししたものということで、特にこちらについては説明を省略いたします。

順次、次のページは海域ごとで、12ページ、13ページと、こちらは優占種ごとの個体数の推移をお示ししたものでございます。

続きまして、八代海になりますけれども、八代海の底生生物の種類数につきまして経年変化を示したものでございます。

こちらにつきましても、全体としては、平成28年度からの大きな変動は現状ではないと考えておりますけれども、海域ごとに見ますと、Y1・Y2・Y3は概ね横ばいで推移していますけれども、一部変動が見られる。また、Y4の海域では変動が大きく、Ykg-1、青い線ですけれども比較的種類数が多いと。Y5海域、一番八代海の中の湾口部のほうになりますけれども、こちらについては変動が大きく、特に赤い線のYkm-7は種類数が多いという結果になっております。

続きまして、15ページをご覧ください。次は、底生生物の個体数の経年変化を示したものでございます。

種類数で見ますと、Y1海域につきまして、Ykm-1と、一番湾奥部ですけれども、過去には変動が大きく、この実際のグラフを抜けるぐらいの大きさ、値ですけれども、過去はホトトギスガイ、また、2016年にも1つの山がありましてドロクダムシ属、また、2018年はダルマゴカイというような、出現種が異なっているというところでございます。

また、その下のY2海域につきましては、2010年以前というのは変動が大きかったのですが、近年は変動が比較的小さく推移をしております。Y3海域は、ほぼ変動も小さく、低い値で推移と。その次の、左側のY4海域は、変動が比較的小さく推移。また、Y5海域につきまして、Ykm-7ということで、一番湾口に近いところですけれども、こちらのほうも変動が大きくなっております。

 続きまして、16ページをお願いします。底生生物の湿重量の経年変化でございます。

こちらの湿重量につきまして、Y1海域でも、括弧の部分は先ほどご説明したところで、あと、Ykm-2、赤いほうの線の2018年はムラサキハナギンチャクによる急激な変動が見られると。その他の海域につきましては、湿重量で見ましても特に変動も小さく、低い値で推移というふうになっております。

以後は、またこちらも海域ごとの優占種の個体数を参考として示したものでございまして、特にこちらにページについて、個別の説明は省略いたしますが、16、17、18、19ページとそれぞれの海域の中のそれぞれの地点ごとの個体数の推移を示したものでございます。

続きまして、20ページでございますけれども、海域全体の底生生物の変動要因の検討でございます。今回、解析対象とします底質ですけれども、底生生物の生息環境の観点から以下の4つに絞って確認をしております。

まず、1つ目といたしまして底質の形状を示す「粘土シルト含有率」、2つ目といたしまして底質の安定性を示す「含水比」、3つ目といたしまして底質の有機物量を示す「化学的酸素要求量」、4つ目といたしまして生物への毒性を示す「全硫化物」、この4つで今回は確認をしております。

続きまして、21ページをお願いします。こちらにつきましては、底生生物と底質の関連性の検討といたしまして、まず、有明海の中で、底質と底生生物の種類数との関連性について整理をしたものでございます。

底生生物につきましては、日和見種等の増加の影響を受けにくい「種類数」としておりまして、下のほうに、粘土シルト含有率でありますとか含水比、先ほどの4つの項目で、縦に種類数として見ておりまして、それぞれ有明海全域における各項目と底生生物の関係を見ますと、それぞれの項目の値が高くなるほど種類数が少なくなる傾向、右肩下がりの傾向というのが、それぞれの項目ごとに見られておりまして、ただし、地点によって、底質でありますとか底生生物の種類数の状況が異なっているということでございます。

こちらの見方ですけれども、それぞれ色ごとにどの地点かというのを示しておりまして、先ほどお示しした経年変化のそれぞれの点をここに全て表示したものでございまして、例えば一番左上の粘土シルト含有率と種類数のグラフでいきますと、黒い丸というのがAfk-2ということでA2海域、左のほうに海域区分を示しておりますが、ここは割と粘土シルト含有率が低い場所でございますけれども、そこの低い中にあってもそれぞれ丸の数が違うということで、値が低くてもかなり種類数に、その地点ごとで年によっても変動があるということで、割とどの項目を見ましても、同じ色がかたまっているのもあれば、かなり広くばらけているものもありまして、地点によっても年によってもそれぞれの項目ごとの状況が異なっているということで、こういったところからも、個別の海域、また細かくそれぞれの地点ごとに見ていく必要があるのかと考えております。

続きまして、22ページをお願いします。次が有明海における底質項目間の関係性ということで、先ほどは種類数でしたが、それぞれの底質の項目ごとで見ているものでございまして、グラフの上の段につきましては、粘土シルト含有率を下で、あとはそれぞれ含水比、COD、T-Sを縦軸に見ておりますけれども、それぞれ粘土シルト含有率が高くなるほどに右肩上がりで高くなる傾向、それぞれの値、どれもそのような傾向になっております。

ただし、地点によっては傾向が大きく異なっているということで、粘土シルト含有率においては比較的低い地点では他の項目の変動が小さいと、粘土シルト含有率が高い地点では他の項目の変動が大きいということで、右にその値が上がるほど変動が大きいという傾向になっております。

次のページをお願いします。こちらが八代海でございます。底生生物について、先ほどの有明海と同様で、種類数としております。

すみません。1点訂正ですけれども、1つ目の黒点のところ、有明海全域における各項目と書いておりますが、こちらは八代海でありますので、後ほど訂正して、確定のときに上げます。

八代海全域における各項目と底生生物の関係でございますけれども、先ほどと同じように前者の値が高くなるほど種類数が少なくなると、粘土シルト含有率が上がると種類数としては減っていくという傾向になっております。また、その他のものにつきましても、それぞれの値が上がるごとに種類数が減っていくという傾向が見られておりますが、やはり、地点によっての状況がそれぞれ異なっているということでございます。

続きまして、24ページをお願いします。八代海における底質項目間の関係性でございます。海域全体といたしましては、粘土シルト含有率が高くなるほど、先ほどの有明海と同様に、含水比、COD、T-Sも高くなるという傾向が見られております。ただし、地点によって傾向が大きく異なっていると。また、粘土シルト含有率においては比較的低い地点では他の項目の変動が小さくなると。粘土シルト含有率が高くなると、他の項目の変動が大きいという傾向になっております。

続きまして、25ページをお願いします。こちらは参考として掲載しておりますけれども、底質の水平的な分布と底生生物の出現状況を把握するため、底質は粘土シルト含有率、含水比、COD、T-S、底生生物の出現状況の指標として、今回は多様度指数というものを選定して整理したものが、こちらでございます。

有明海の7海域と八代海の5海域の全調査回の海域ごと平均値の平面分布を示したものでございまして、下に式を書いておりますが、多様度指数といたしまして、こちらの数値が高いほど、それだけ生物多様性が大きいということになっておりまして、それに対応する右側に底質の状況を示しまして、例えば粘土シルト含有率でありますとか含水比が高い海域では多様度指数が低いというような傾向が見られております。

次の26ページをお願いします。同様に、多様度指数とともに、COD、T-Sとの関係を見ておりまして、それぞれの値が高い海域ではやはり多様度指数が低いということで、生物の生息環境として、それらの値が高くなると生物的に生息が減少してくるということで、多様度指数としては低い傾向が見られるということになっております。

続きまして、27ページをお願いします。次が、底生生物の変動要因の検討(地点ごと)ということでございます。

28ページをお願いします。まず、これまでに整理した地点ごとの経年変化等のデータを踏まえまして、ベントス群集の変化についてその要因分析手法を検討しております。

地点ごとのベントス群集の種組成や個体数等の変化の状況に着目をいたしまして、生息場である底質や、各地点に影響を与えていると考えられる要因といたしまして、河川流量でありますとか降水量、陸域からの負荷量、貧酸素水塊、隣接海域・外海からの影響等を想定しておりますが、これらを整理いたしまして、地点ごとにその変化状況への影響を確認するとしております。

今回、試行的でございますが、A2海域の中のAfk-2という地点についてデータ分析を行ったところです。今後、引き続き他の地点についてもデータ分析を行う予定としておりまして、今回、事務局のほうで試行的にデータ分析を行っておりますが、こういった観点から見たほうがいいのではないかと、いろいろな御意見をいただきまして、それを踏まえて、今後その他の海域についても順次分析を進めていきたいと思っております。

また、下に選定理由として、今回Afk-2を選んだ理由といたしまして、まずは、平成28年度の評価委員会報告におきまして、「ベントスの群集(種類数、種組成、個体数)を保全・再生する」という再生目標が、まずA2海域に設定されております。

A2海域の中のAfk-2につきましては、2009年以降、日和見種であるホトトギスガイが大量発生していると。そのようなものがありますので、この地点を今回選んで、試行的にデータ分析を行っております。以後、その内容を御説明いたします。

 29ページをご覧ください。先ほど幾つかの項目を選定ということで、要因解析に当たりまして、下記の項目についてデータ整理・確認することにより、解析を行うということとしておりまして、6つ挙げておりますが、まず底質につきましては、ベントスの生息基盤、有機物の状況、生物への毒性の状況等の生息環境の変化状況を直接的に確認。河川流量につきましては、河川からの影響(淡水流入量、流況、土砂・負荷の堆積等)が変化することにより、ベントスの生息状況への影響が想定される。降水量につきましては、海面への直接降水に伴う塩分や水温等が変化することにより、ベントスの生息状況への影響が想定されると。陸域からの負荷も想定しておりますが、陸域からの負荷につきましては、陸域からの海域にもたらされる負荷量が変化することにより、ベントスの生息基盤である底質への影響が想定されるんですが、今回、年間値のため今後の検討ということで、今回は、この分については入れておりません。また、貧酸素水塊の発生状況というのも想定しておりますが、今回の地点は、そういった海域ではありませんので、また貧酸素の発生している海域につきましては、この項目についても検討してまいります。また、隣接海域・外海からの影響ですけれども、隣接海域・外海からの移流等に伴い、水質・底質・土砂供給等の状況が変化することにより、ベントスの生息状況への影響が想定されるということで、今回、4つの項目で確認・解析を行っております。

 続きまして、30ページをお願いします。底生生物の変動要因の検討のAfk-2でございます。

 31ページをお願いします。こちらでございますけれども、示しておりますグラフの上のほうで、左のほうにピンクの線のほうが底生生物の種類数、青い線が、右側にありますように個体数ということで、それぞれ示しておりまして、幾つか特徴がある点を囲って表示しておりますが、それぞれAfk-2の底生生物の状況といたしまして、まずは①ということで左側に示しておりますが、2005年8月、2006年5月につきまして、個体数が上昇しており、種類数も高い値となっております。このときには、優占種以外のドロクダムシ属によるものでございます。その次の山であります2007年5月、これにつきましては、個体数・種類数が上昇しておりますが、イシクヨコエビ科が優占しております。また、その次の3つ目、③でありますが、2009年10月、個体数・種類数、また、その下にあります緑の線、湿重量も大きく上昇しておりまして、これまで優占種でなかった二枚貝類であるホトトギスガイが優占していると。続きまして、4つ目のところでございますが、これも同様にホトトギスガイ属が優占と。また、最後に⑤といたしまして、近年の個体数等が上がっているところも、近年はホトトギスガイが多くなっているというような状況が、こちらのAfk-2の状況でございます。

 続きまして、32ページをお願いします。こちらのグラフでございますけれども、赤で囲っているところは、先ほどの個体数なりが上昇していると。変動があったところを示しておりまして、それぞれ底質を示して、その大きな移動があったときに、底質に変化があるかというものを見るためにお示ししたものでございますけれども、必ずしも何かの変動があったときに底質の値が上昇しているとかというところが見られているということではないというものでございます。

 続きまして、33ページをお願いします。今のグラフの説明として書いたものでございますけれども、それぞれ個体数であるとか種類数、また湿重量が上昇したときに、出現した種でありますとか、底質の状況がどうなっているか等を表に整理したものですが、同じようにドロクダムシ属が増えたときに何か底質が上がっているかとか、そういったもので、あと、近年、ホトトギスガイのピークが見られますが、ホトトギスガイが増えたときに、必ず一部同じ項目もあるのですが、必ずしも同じ傾向で、底質が変わったことによって、この底生生物が増えたという傾向も、必ずしも明確なものが現時点では見られていないということでございます。

 続きまして、34ページでございます。こちらは参考までに種別でございますけれども、各年の主要な出現種を示したものでございます。こちらは参考ですので、説明は省略いたします。

 続きまして、底生生物の変動要因の検討ということで、河川流量でありますとか、降水量を見たものでございます。今回のAfk-2を見るに当たって、対象とする河川と流量観測地点ですけれども、最も近接しているのは矢部川ですけれども、筑後川、嘉瀬川、六角川の影響も受けているものと想定いたしまして、それぞれ、筑後川の瀬ノ下、矢部川の船小屋、嘉瀬川の川上、六角川の溝ノ上と、こういった地点の河川流量を見ております。また、降水量の観測地点としては、Afk-2に一番近い降水量観測地点として、大牟田の値を見ております。

 次のページをお願いします。こちらにつきまして、まず河川流量を見たものでして、それぞれ下のほうで種類数でありますとか個体数が変動した、その直近のときに河川流量がどうなっているのかというのをグラフで重ねたものでございますけれども、ところどころ、河川流量が多いときに変動も上がっているという地点もあるんですが、必ずしもそれも一致していないということで、変動が見られたときに、河川流量が比較的近いところで多いんですけれども、必ずしもその月と一致していないというところではございます。

 続きまして37ページ、お願いします。こちらは降水量等と比較したものでございますけれども、こちらも上の降水量の赤で囲ったところが、個体数でありますとか種類数の変動が大きく上がったときを示しておりますが、こちらの降水量との明瞭な関係も見られていないと。現時点では、そのような状況になっております。

 続きまして、38ページをお願いします。隣接海域との関係での検討でございますけれども、平成28年度の評価委員会報告書における海域間の流量収支によりますと、A2海域のAfk-2につきましては、隣接地点のA1海域のAfk-1からの流入が考えられるということで、当該地点との関係性についての検討を行っております。

 続きまして、39ページをお願いします。まず、隣接海域からの影響といたしまして、ベントスの推移、まず、こちらは上がAfk-2のベントスの推移でございますけれども、下の部分がAfk-1という隣接海域でございまして、下の部分を赤で囲っている部分というのが、Afk-2とAfk-1が同じように上がっているところと。黒いところというのは、あまり関連性が見られないというところで、一番、Afk-2については、隣接海域としてAfk-1からの影響を受けるのではということですけれども、ベントスの推移といたしまして、必ずしも、その2つの海域が連動しているということでもないということに現時点ではなっております。

 続きまして、40ページをお願いします。こちらは要因の確認として優占種個体数を示したものでございます。特にこちらのほうにつきましても、Afk-2とAfk-1を比較しまして、先ほどの傾向と同じですけども、優占種で見ましても、必ずしも傾向が一致しているということではないということでございます。

 続きまして、41ページをお願いします。こちらが表に整理したものですけれども、左側がAfk-2で、隣接するAfk-1を右側に書いておりまして、先ほども御説明いたしましたように、個体数・種類数・湿重量、Afk-2が上昇しているときに、Afk-1の状況を表に整理したものですけれども、必ずしも、出現種も異なっておりますし、その上昇の傾向も異なっているということで、特段の傾向が見られないというようなことになっております。

 続きまして、42ページをお願いします。こちらは参考といたしまして、A1海域(Afk-1)の主要出現種としてお示しをしたもので、特にこちらのほうについては説明を省略させていただきます。

 続きまして、43ページでございますけれども、底質の推移ということで、先ほどのAfk-2の変動があるときの隣接するAfk-1の底質の推移を見たものでございます。こちらは、まずグラフで表示したものでございますので、この次のほうで、それぞれ解説したものです。

 44ページのほうに移ります。隣接海域(Afk-1)の底質の変化状況と。また、Afk-2において個体数の変動が見られた際の底質の変化状況を比較したところでございますけれども、こちらにつきましても、明瞭な傾向が見られないということになっておりまして、隣の海域から影響を受けると言いつつも、なかなか明瞭な傾向が現時点で見られていないというところになっております。

 続きまして、45ページをお願いいたします。今後の検討ということでございますけれども、今後につきましては、底生生物の種や季節別の変化状況等に着目したデータの整理や、底生生物に影響を与える要因を整理して、底生生物と環境要因との関連性を確認すると。具体的な検討項目といたしまして、季節別の底生生物・底質の変化状況を整理すると。また、生息環境が限られた種と、どうしても日和見種となりますと、なかなか短期間で増えたりというものもありますが、ある程度、生息環境が限られた種に着目いたしまして、地点ごとの指標種としての変動状況の評価を検討すると。有明海において主に有機物が多くかつ泥地に生息する種といたしまして、その例といたしまして、カワグチツボでありますとか、トライミズゴマツボ、ヒラタヌマコダキガイ、ダルマゴカイ等と。また、有明海において主に有機物が少なくかつ砂地に生息する種といたしまして、こちらに例示しているようなもの、そういったところに着目して見ていくと、また何か見えてくるのではないかというふうに考えております。

 また、上記の指標種のほかにも、優占種個体数でありますとか、門別組成比、また、多様度指数等と底質の変化状況との関係を地点別・時系列的に解析すると。また、ベントス群集の変動に影響を与える要因といたしまして、河川流量や降水量、陸域からの負荷量、貧酸素水塊、隣接海域・外海影響等を整理して、地点別にその関連性を解析すると。また、最後の丸ですけれども、近年多発している気象イベントにおける海域環境の変化やベントス群集の変化に関する検討も行うと。特に長期変動、季節変動、一時的な気象イベント等による短期変動の影響を考慮した解析を進めるということで考えております。

 こちらの下の点線で囲っているところでございますけれども、「小委員会における今後の情報の収集・整理・分析について」ということで、今後は、太字にしている部分について、さらに分析を進めていきたいと考えているところでございます。

 続きまして、46ページ、以下は参考資料でございまして、47ページをまずお開きください。こちらが底生生物の種ごとの生息環境特性、まず、こちら有明海ですけれども、上のほうにつきましては、粘土シルト含有率と、それぞれの種の生息状況を示したもので、例えば一番左のほうは泥っぽいところで、一番左にありますカワグチツボでありますと、かなり幅も狭く、90%、100%、かなり泥のところを好んで生息するものであると。また、一番右にありますミサキスガメ、こちらは逆に砂地といいますか、あまり泥っぽくないところに限定して住むということで、それぞれのこれまでの調査結果から整理したものですけれども、どのような種がいるかということと、その生息環境等を整理したものでして、下も含水比で見まして、かなり種によって特徴が見られておりますので、真ん中のほうにつきましては、かなり幅広く生息しているというものもありますが、泥っぽいところでありますとか、砂地に生息していると。そういった、ある程度限定的なところに生息する種もありますので、そういったものを見ていけば、また何か、どういったところかというものが見えてくるのかなと考えてございます。

 以下48ページも、それぞれの項目ごとで、底質で見ていったものでございます。

 参考資料2、49ページが地点ごとの底質の経年変化ということで、先ほど前のほうで地点ごとに丸であったり図で示したもののもとになる経年変化のグラフでございます。こちらも参考でつけておりますので、また後ほどそれぞれご覧になっていただければと思います。

 以下、八代海までの経年変化が61ページまでに掲載をされているところでございます。

 以上、雑駁ではございますが、まず、私からの説明を終わります。

○滝川小委員会委員長 どうもありがとうございました。

 ただいま事務局のほうから、海域小委のほうの課題として挙げられておりますベントス群集と海域環境項目についての解析状況ということで、今回は、特にその中でベントスの群集・種類・組成、それから個体数ですか、それと底質の項目に限って、その変動だとか海域ごとの特性だということをお示しいただいたと。それの要因・原因ということに絡めて、1つのA2という海域を対象に、ほかの変動要因もこうだとか、河川流量だとかということの要素も加えながら考察をしてみたというところをお示しいただきました。非常に資料数が多くて、一度に説明されましたので、分かりにくいかなとは思いますが、今後の方向としたら、今申し上げたような底質に限った評価ということではなくて、さらに水質、気象、海象等も含めて検討していかなきゃいけないという今後の検討の方向性を示されました。

 各委員におかれましては、今日の御説明のまず質問事項、あるいは御意見等をいただきながら、さらには今後どういうふうな方向でこれを整理していったらいいのかというアドバイスをいただけたらということでございましたので、どうぞ忌憚のない御意見をいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。

 小松先生から、どうぞ。

○小松委員 何点かあるんですが、3ページに全体の概要として、「問題点の明確な特定には至らなかったが」という記述があるんですね。その後、変化・変動を中心に議論しているというふうに思うんですけれども、変化・変動もですが、その平均値、今の環境そのものは問題がないのか。もし、今の環境そのものに問題があれば、改善に向かっていなきゃ問題ありということになるんじゃないかなと思うんですけども、最初の問題点の明確な特定には至らなかったというところがちょっとひっかかります。

 それから、底生生物と環境要因との関係を調べられているんですけども、底生生物同士で捕食関係みたいなものがないのか。もしあれば、底生生物の間で何か相殺しちゃったりするようなことがあるんじゃないかなと。私、生物では素人なので、ちょっと素人的な質問ですが。

 それと、もう1つは、環境要因と底生生物の関係なんですが、底生生物だから、タイムラグがあって当然じゃないかなという気がするんですけど。底生生物の量が多いところで出水があったかなかったかとか、そういう見方をしていますけども、環境が変化して、底生生物がそれに追いついていくのに若干タイムラグがあるのかなという気がするんですが、それはネグリジブルなものなのか、それとも、ある程度大きいものなのか、その辺はいかがでしょう。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございました。

 事務局のほうから、お答えはありますか。

○和田閉鎖性海域対策室主査 まず、1点目の3ページに書かれている点線囲みにつきましては、平成28年度委員会報告で書かれた内容を抜粋しているものになっておりまして、前回の報告については、1970年代からの変動を追って確認した中で、主に底質を見て、なぜ減少したかまでは得られなかったということでまとめられているというふうには認識しているものでございまして、我々が、今回やっているのは、そこから、何かもう一歩踏み込めないかという形で、今回はピークという形をメインに、この後、解析を進めているというのが、まず1点目の御質問への回答であります。

 2点目につきまして、捕食関係について、まだそこまで手をつけられていないという部分がありまして、我々が見ているのは、ベントスの中でも、1mmメッシュでふるいの後に残ったマクロベントスを見ておりますので、マクロベントスの中の捕食関係があるとか、それ以上の、魚類とかもあると思うんですけれども、どこまで見るかというところは、まだ検討が進んでいないのが現状でございますので、そこも捕食関係という視点でまた整理はしていきたいというふうに考えてございます。

 あと、環境要因ですけれども、ベントスについてもさまざまな環境要因、タイムラグの関係でございますけれども、どうしても今は年2回、昔は年4回なんですけれども、その中で何かわかることはないかという問題の確認を今進めているところでございまして、大きいベントスもあれば小さいベントスもあるんですけれども、日和見種は割と短命で、多くのベントスは1年程度というふうには認識しているもので、大きなベントスは2、3年という形ではあるんですけども、大体1年の中でという形ですと、今のところ、まだ平均という視点というよりは、そのときそのときの値を見て、減少とか増加というのを確認したというのが今の解析の方針になってございます。

○小松委員 じゃあ、一番最初の、今も変動を主に対象として議論していると思うんですけれども、変動もなんだけど、平均値というか、現状、例えば多様度指数って使っていますよね。多様度指数を挙げられているんだけど、有明海の中で、どこそこは多様度指数がやはり高いの低いのという見方はできるんだけども、じゃあ、どれぐらいが参考基準になるのかというのがわからないと、有明海全体が大体どの程度の海域なのかというのもわからないわけですよね。ですから、できたらほかの海域の平均値なり何なりを参考基準というか、そういう感じで与えていただけると、平均値が大体どんなものだというのがわかるので、ぜひお願いしたいなと思います。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございます。

 平均値を見るのか、イベント的なものもあるので、短時間内の変動を見るのかと。その見方も、あるいはデータの整理の仕方もいろいろ複雑なので、苦労されているところかと思いますが、そういったことも含めて、平均的な議論と局所的な議論、イベント的な議論というふうなものも、こういうふうに整理したほうがいいよというふうなアドバイスも含めて、御意見をいただけるとありがたいというふうに思います。

 ほかに御意見いただけますか。

 はい、どうぞ。

○橋本委員 36ページについてですが、先ほどのタイムラグの質問にも関連するんですけど、河川流量と底生生物の個体数などとの相関ではなくて、流量と底質との相関をまずは調べるのが先と思うんですね。流量の増加によって例えば底質が変わって、その結果として、ベントスの生息数が増えたとか減ったとか、そういうふうになると思うんですよね。ですから、まずは流量と底質との関係、相関を調べるのが最初にあると思います。そうすると、タイムラグとか、そういう問題は解けると思うんですね。

 以上です。

○和田閉鎖性海域対策室主査 河川流量につきましては、第3回のときに、まさに橋本委員から御指摘いただきましたとおり、河川流量を見ないといけないんじゃないかということで、今回の解析でも新たに追加している視点になります。見ている範囲として、個体数が大きくなった月と前月という形で、メルクマールをつけて見てみたというのが今回の結果でございますけれども、おっしゃるとおり、まずは底質との関係を見ればデータをつないでいけるんじゃないかという御提案だと思いますので、その点、また加味して検討していきたいと思っております。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございます。

 ほかに。

 松野先生、どうぞ。

○松野委員 関連する質問なので。

 先ほど和田さんから、ベントスによって、何年生きるか、1年なのか数年なのかというのでは違うというお話があったと思うんですけれども、これは先ほど質問がありました36ページの流量とベントスの増加との比較を見ると非常によく分かるんですけど、元々あるベントスがいて、河川流量が大量に出ることで、個体数が一気に増えるということは恐らくあり得ないと思うんですね。それが1年の生活サイクルを持つものだったら、これで見ると、増えているのは夏だということが分かるかと思うんですが、最初の時系列を見ると、冬と夏をずっとまとめて描かれているので、ギザギザしているんですけれども、例えば2005年から7年までのギザギザしているのが、夏のデータだけをつなぐと、多いまま継続するわけですね。だから、冬は減って夏が増えるというような生物がいるというのは、それは多分1年ぐらいのライフサイクルを持ったやつで、たまたまといいますか、その年に非常に成長しやすかった年は増えるという状況かなと思いますので、可能なら、ライフサイクルごとに調べると、どういう条件のときに、例えば2年、3年ぐらい生きるやつは、夏も冬も個体数はあまり変わらないのが普通でしょうから、ライフサイクルごとのスケールでデータ整理できると、どういう条件のときに増えやすいとか、あるいは、その生物のほうが応答できるのかということが見えてくるのではないかという気がします。

○滝川小委員会委員長 何か。

○和田閉鎖性海域対策室主査 ライフサイクルという点なんですけれども、なかなか文献がないという部分はあるんですけども、例えば先ほど日和見種とか莫大に増えるものの特徴としては、サイズが小さくて、生活史が極端に短くて、産卵数も多いという特徴があるので、こういうピークが、もしかしたら見られるのかなという推測はしているところでございます。一般的には、割と大きなベントスは割と長く生きているということもありますので、そういう大きさであるとかという部分は、入れられるか分かりませんけれども、また文献等を確認しながら進められたらと思っています。

 Afk-2につきましては、夏場が上がっている海域ではあるんですけども、その他の海域でも少しずつ解析は進めているところで、冬場に上がるところというのも実はありますので、最後の45ページの今後の方針として、季節で分けるという視点を1つ入れさせていただいているところでございます。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございます。

 今、ここの36ページのところは、個体数というふうに書いてありますし、今、松野委員のほうから御指摘がありましたように、さまざまな要因を分析していく上では、どういう組成といいますか、どういう種なのかというところまで落とし込んでいると。それによって応答が違うよというお話、また、季節も違えばというふうなこともあるので、そういうデータがあるのが一番望ましいんですが、よく中のほうまで入り込んで今後調べていくということだろうと思います。それに関して、平均で見るのか、イベントごとに見るのか、タイムラグがどの程度きいているのか、考察の方法も変えないと、おかしなことになっちゃうというふうなことだろうと思いますので、今後、御検討いただきたいというふうに思います。

 ほかに何か御質問。

 はい、山口先生のほうから。

○山口委員 ちょうどA2の話が来ていますので、ちょっと私もホトトギスガイのことで。A2のベントスの変動は、主にホトトギスガイが大量に出たかどうかが主な要因になっていると思うんですけども、ホトトギスガイは、流量とかで考えるよりも、ホトトギスガイがマット状のコロニーをつくると個体数がばっと増えるということになりますので、マットがなぜできたと考えるか、もしくはマットが普段はなぜできないのかと考えるかということも大事だと思います。例えば今回は流量でやっておりますけども、マットができるかできないかということであれば、流量よりも波浪とか、波の攪乱とかは結構きくと思うんです。そういうものをもう1つ検討項目に入れてもらうのもいいと思いますし、あとは、難しいと思いますけど、捕食者ですね。夏に捕食者が多いと例えばマットができないとか、例えばですけども、そういう要因もかなりあると思いますので、それ以外の要因も考えていただきたい。

 A2水域がおもしろいというか、多分、解析がある意味やりやすいのは、砂の堆積物ですね、底質の変動がほとんどない砂であって、しかも砂なので、さまざまなほかの底質要因もほとんど変動していない。そのため、底質以外の要因で解析すればといいということになってきますので、それはA2での要因推定がやりやすいところになるかと思います。

 ちょっと別のことになりますけども、そういう意味で言うと、今回の底質との解析をするのであれば、A1は、明らかな傾向が出ていますよね。サルボウガイがいなくなって、細粒化して、含水率が上がっている。含泥率が上がるということは、含砂率が下がるということで、砂による希釈効果が少なくなるということですので、当然、さまざまな有機物が増えてきて、それによって起こるCOD上昇やT-Sの上昇とかにもつながってきますので、もちろん含水率も上がっていきます。なので、そういう底質との関係を解析したいときには、A1水域というのは解析しやすいのではないかと思います。今後、いえ、すでにされていると思うんですけれども、せっかく海域ごとに特徴を分けたので、今みたいにA2海域というのは底質がほとんど変動しない水域で砂であるという解析の仕方、A1海域は粒度、細粒化をしている傾向のある水域であるというような、そういう見方をしながら解析方法を変えていくというのが、海域分けをした意味があるのかなと思いますので、ちょっとそれも御検討いただければと思いますけど。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございます。

 何か御回答はありますか。

○和田閉鎖性海域対策室主査 委員の御指摘のとおりだと思っておりまして、何の要因・変化が効くのかというのが、非常に重要だと思っています。それが何か起こったときに手を打てるものの何を見ればよいかという指標になるのかなというふうに思っておりますので、まずは底質という視点で見ておりますけれども、底質なのか、それ以外の要因なのかというのも意識しながらまとめていきたいというふうに考えております。ありがとうございます。

○滝川小委員会委員長 今回は、底質に関する調査項目もたくさんあると。その中で、形状を表すための粘土シルト、それから安定性のための含水比、それから有機物のCODと毒性であるT-Sですか、というものを中心に、物差しとして見ていた。場所によっては、それ以外のことも当然考えていかなきゃいけない。ここは底質の物理的性状だけで今は議論しようとしているんだけれども、それでは説明がなかなか難しいし、というふうなことなので、A2海域を例に、ほかの要因も検討を始めましたということになっているんですが、多分、ほかの海域もやりながら同じような悩みになっていくんだろうと。ただし、注意しなきゃいけないのは、A2海域とA1海域、あるいはほかの海域で、小松先生が御指摘のように、基本的に底質・水質等のレベルが全然違うということを一番最初にお示しがありましたけども、基本的な海域ごとの平均的な違いがある。ということで、平均論で海域ごとにやるということも難しいし、今はA2海域の中のAfk-2というポイントについて議論している。ですから、そこの議論が平均で見るのかポイントで見るのかということも重要な視点なので、そこに、今の解釈の仕方ですが、Afk-2という地点で、それを代表して考えているということを御理解いただいて、また御指導いただければと思います。

 ほかに何か御意見。

 古米先生。

○古米委員 大量のデータが集まってきて、直感的に何かうずもれたままで何か脱皮できていないという感じがします。底生生物の議論の最初として、A1とかA2とかA3とか、海域としての類型の話を一回私は忘れたほうがいいんじゃないかなと思います。言いかえると、底質としてどう類型化されるのかを最初に理解してから底生生物と底質の関係を考える方が、手っ取り早いのではないかと思います。有明海と八代海で、全部で22地点あるのかな、22地点で収集したデータが10年間、冬と夏とあったとして、地点ごとでかなりの数のデータがあるので、どの底生生物は冬と夏で平均的な値が出る地点なのか、冬と夏で変わるのか、ある大雨が降った後には変わるのかなど、その地点ごとの特徴みたいなものをまず理解します。一方で、ある地点の10年間でも平均的な代表的な底質の特性は、大体、CODはこんなもので、硫化物があるのか、酸化還元電位が低いとか高いとか、いろいろありますよね。それらの底質の指標を整理されて、各指標間で非常に相関性のあるものがあるとするならば、独立性のありそうな強熱減量(Ignition Loss)、あるいは硫化物量は残そうとか、ORPは必要だとか、pHは要るのか、粘土質なのかシルトなどの粒径は絶対要るとか、含水率もやっぱり独立性があるから要るという、まず、独立的な底質の特徴を示す指標をまず抽出する。抽出できると、今度は、そのデータを使って全地点をクラスター解析するなり、あるいは主成分分析をして有明海と八代海の底質はどのような軸とどのような軸で特徴を表現できるかという底質評価のためのドメインをまず定義する。そのドメインの中で、どういう底質グループがあるかという認識でクラスター解析して、まず類型化する。それに対して、各地点に関する底生生物の情報も同じようにあるので、それも類型化してみると、どことどこは相互関係がありそうなのか、ないのかしないのかを調べる。多くの地点は関係が一致するんだけど、この年だけは関係がずれているとして、それはちょうど大雨が降っているからずれているのかみたいな議論をする。そういった解析手順を体系立ってやればいいんじゃないかなと思います。今のままだと、何となく大量のデータをちらちら見ているように感じます。私は、底生生物の分野はそれほど専門ではありませんけれども、統計データの解析手順としてこの程度は考えられるのかと思います。もう少し体系立った、海域ごとで何とかという議論ではなく、今まで引きずらないで一回海域分類をチャラにして、地点の底質との関係で考えたほうが、意外に底生生物との関連性が見つかるのではないかと。大胆すぎるかもしれませんが、意見を申し上げます。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございます。

 何かありますか。

○和田閉鎖性海域対策室主査 今、たくさんの御指摘をいただいたものというふうには認識はさせていただいておりまして、今、少しずつ、クラスター解析であるとか、まとめる作業もあわせてやる必要があるんじゃないかという形で、作業は進めさせていただいているところでございます。

 指標としてという話で、全ての相関をとるというよりは、ベントスを最初に見るのであれば、ベントスにとっての環境の中で、同じような項目は落とすなどの作業をしながら進められたらいいのかなという形で、今後、御指摘いただいたことも含めて、検討していきたいというふうに考えております。

○古米委員 最初から先入観を持って底生生物をこれだというよりは、まずは底質がどうなっているのかというのを素直に一回私は把握したほうがよいと思います。そして、底生生物は底生生物で、この地点とこの地点は似ているよねという整理は別にやっておいてもよくて、そうすると、底質は違うのに底生生物では似ているのか、やっぱり底質が似ているから底生生物も似ているのかというように検討をすることがよいのではと考えます。せっかく底生生物のこれだけのデータが、10何年もあるというのは非常に貴重なので、とにかく地点ごとの底生生物の特徴を押さえておいて、その上に別途検討した底質の類型化情報を重ね合わせるというのかな。そのほうが、素直な気持ちでデータが見られて、きっとこうなんじゃないかなという先入観があると、中途半端な解釈にならないかなと懸念されます。今のデータ整理の状態であれば、一旦チャラにして、素直な気持ちで再整理したほうがいいんじゃないかなというふうに、私は思います。今の回答も同じことを言われているのかもわかりませんは、私が聞いている範囲内だと、最初から結びつけようみたいな意識がちょっとあるような気がするので。一旦、底質自体を再評価すればいいんじゃないかなと思います。底生生物を議論しないといけないので、どうしても底生生物の話が前面に出てきやすいんだけど、今さらかもしれませんが、やっぱり底質がどうなっているのかをしっかりと整理する。ある年から、ここの地点は変わっているということも場合によっては見つかるかもわからないでしょうし。これだけの多くの地点で10何年間データがあるというのはとても大事で、底質とは直接関係ないんでしょうけども、地点の水深みたいなものも底生生物の存在に影響しているわけですよね。だから、水深なども含めその地点の持っている属性みたいなものを体系的に整理して、ちょっと地点別の特徴を見るというのを一回やってみるといいと思います。改めて整理をやるとなれば私も協力します。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございます。

 よろしいでしょうか。いや、私もコメント申し上げようかなと思ったんですが。

 今、古米先生の御指摘のあった分析の仕方、視点とか考え方というのは非常に大事なことだろうと、だろうといいますか、大事なことなので、過去の経緯からしますと、今おっしゃったように、底質について、あるいは底生生物について、水質について、過去にあるデータを全て整理し直しました。今までの議論の中でも、過去の資料を見ていただければそうなんですけど、今回の海域環境を区分しています。この区分をするもとになったのは、そういう過去のデータ、底質項目、いろんな底質項目。そろっていないデータもいっぱいあるわけですね、場所の。過去の全てのデータを分析して、底質によるクラスターを分析した。あるいは、底質以外の水質による分析と。そういう全ての項目を考えられるやつをセットした上で、この海域区分をやっているところです。ですから、もともと原点に戻ってというお話、あるいは、そういったやつをもっと生に近いデータ、形成される前のやつをもう一回引っ張ってきて、皆さんにそれをもう一度御理解いただくというか、確認していただくということ。それに、今回は、こういう海域区分をしたのは、生物小委、水産小委のほうとの御判断で、それの結果をあわせてこういう海域区分に今なっているということです。だから、物理環境だけで規定もできませんよと、いつものだけでも規定できませんよという状況のもとに、こういう海域を一応区分した。私が、さっきから平均値で議論するという話と、ポイントで議論するという話と違いますよというふうに申し上げたのは、そういう平均的な海域で、一般論をつくるには平均論でいいんですが、底質と底生生物の関係というのを明確にしようと思ったら、やっぱりポイントごとに見ていかなきゃいけない。それと、イベントを重ねなきゃいけないという流れがありまして、それで、こういうふうな海域の区分のもとに今やり始めている。

 ここで一番わかりやすいのは、先ほどの24ページ辺りでもいいんですが、見ていただくと、粘土シルトと種類数とかを見ると、地点ごとに特性があるわけですよね。含泥率の高いところは、生き物がどうしてもやっぱり少なくなる可能性が、まあ、当然の話なんですが、それはやっぱり海域によって違うということをまず理解する。多分、先生がおっしゃっているのは、こういうものがそれぞれの地点、地点でどういう海域特性があるというものをもう一回おさらいするという、そういうお話なんだろうなと思います。ですから、そういったことがもう一度わかるように整理してというか、そういう資料をまた出していただく、あるいは見直していただけるといいのかなと。

 今後は、難しい話なんだけど、その一つ一つの要因を少し深掘りしてみましょうというところに差しかかっている。もっと大事なことは、その分析したことが有明・八代の再生にどうつながるのか、再生目標をどうやって設定していくのか、そっちのほうが次の課題としてあるので、それに向かうような整理の仕方が大事なんだろうなと。御指摘のような基本ベースを押さえつつ、どういう海域だから、これはこうすればいい。極端に言えば、A1の海域のところとA7の海域の底質をごろっと入れかえちゃえば本当にそうなるのかというふうな議論にもしていかなきゃいけないのかなという気も、すみません、過去の経緯を含めて申し上げているんですが、そういったことで今後のことを考えていただきたいと。

 すみません、室長、どうぞ。

○中野閉鎖性海域対策室長 もう委員長に全ておっしゃっていただいたとおりだと思いますが、1つ、山口先生と、それから古米先生の御指摘の中では、キーワードとして、もう少し底質をしっかり把握すべきではないかといった御指摘もあったかと思います。要素としてですね。

 実は午前中に開催いたしましたほうの小委員会でも、タイラギの生息に関して、タイラギを比較試験で生息を見ていったときに、底泥というか、底にタイラギをまいて育てるときに、今、大きなへい死が起こっている。立ち枯れへい死とかというようなへい死の状況が夏に起こっていて、その原因を探る上で、海中で多少1mぐらい浮かせて、宙づりにして育てるものとの比較をしたときに、どうも宙づりにしたほうが生き残る率が高いというようなデータがあって、やはりその差が、1つは、そこで測っている水質の指標ですと、濁度ぐらいしか違いがわからなくて、底質のほうは濁度が高くて、浮いた1mのところは、それに比べて濁度が低かったというようなデータがございまして、そちらでも、やはり底質環境をもう少し考え、質の問題としても考えなきゃならないんじゃないかというような御示唆も賜ったところで、まさに今日、図らずも2つの委員会で、もう少し底質のことを前提に置いていろいろ考えるべきというような御示唆を賜ったと思いますので、今までの御議論の御指摘を踏まえた上で、我々もそうしたところを留意しながら、さらに作業を進めたいと思います。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございます。

 そういうことで、よろしくお願いしたい。

 底質環境という言葉を使われましたけど、正確には、僕の理解としては、底層環境だというふうに思いますので、底質・水質を含めたところの環境として、どう捉えていくのかと。その捉え方、あるいは計測の仕方、測定項目等々も含めて、各委員の方々のアドバイスをいただければというふうに思います。

 ほかに、すみません、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 それでは、御意見はないようでございますので、次の議題に進ませていただきます。

 その他になるんでしょうか。その他の議題に移らせていただきたいと思います。

○権藤閉鎖性海域対策室室長補佐 それでは、その他の中で、資料3を御用意しております。

 内容といたしまして、令和元年8月の前線に伴う大雨の影響についてというもので御用意しております。

 ただいま資料2のほうで御説明いたしました、環境省の「有明海・八代海等再生対策検討作業支援業務」におきまして、底生生物を調査しているということで御説明したところなんですけれども、これらのデータを用いまして、本年8月26日から29日の「令和元年8月の前線に伴う大雨」の影響について検討を行っておりますので、御報告をさせていただきます。

 まず、1番目の検討に用いたデータについてということで、本検討では、まず、図1に示す調査の底質・底生生物の定点調査地点における底質調査結果、また、国土交通省の水文・水質調査における筑後川の流量、観測地点として瀬ノ下、及び気象庁が行っております地域気象観測(アメダス)の降水量、観測地点といたしまして嬉野、白石、佐賀、久留米、大牟田を収集、整理しております。

 国土交通省が観測しております筑後川の瀬ノ下の流量ですけれども、2018年3月までは水文・水質データベースにおける確定値、2018年4月から2019年9月までは国土交通省九州地方整備局筑後川河川事務所のホームページで公表されている速報値を収集、整理しております。

気象庁が行っているアメダスの嬉野、白石、佐賀、久留米、大牟田の各降水量は、2019年8月25日から9月2日までの降水量を収集、整理しております。

 下のほうの図1で、それぞれの調査・観測地点をお示ししております。

 2ページをご覧ください。

 まず、筑後川の流量の状況ということでお示ししております図2でございますけれども、こちらにつきましては、2011年~2019年の筑後川の瀬ノ下地点における日平均流量を示しております。日平均流量が毎秒3,000㎥を超えるという出水が過去に3回記録をされておりまして、2012年、2018年、2019年と。今回のものが、赤い線で示しているところでございまして、今年の8月28日に毎秒3,210㎥を記録しているということで、過去、これだけの期間においても、今回、3番目に多い流量であったということでございます。

 その下に降水量の状況を整理しておりますけれども、それぞれ先ほど御説明いたしました地点の降水量を整理しておりますけれども、上から2番目の白石と3番目の佐賀、この縦軸が1時間当たりの雨量ということで、1時間100mmを記録したということで、かなりの雨が降っておりまして、あと、総雨量のほうが赤い折れ線グラフですけれども、こちらが右の軸になりますが、1つの降雨ごとの累加雨量といたしましても、400mmを超えているというような雨が短期間で降っているというようなことになっております。

 続きまして、3ページをご覧ください。こちらは参考として気象庁発表資料をつけておりまして、色がついているところで、黄色、赤のところが、かなりの雨が降ったところということで、このような資料も参考でおつけしております。

 続きまして、4ページ、こちらも同じく気象のデータの参考でございますけれども、かなり紫色、色が濃いほどに、いろいろな大雨の警報でありますとか、そういったものが出された危険度の分布、洪水警報の危険度分布ということで、かなり、佐賀、福岡、この辺りにこのようなものが出されて、かなり大雨が降ったというところでございます。

 続きまして、5ページをご覧ください。底質調査の結果でございます。測定地点につきまして、有明海の中を示しておりますが、先ほども御説明したとおり、底質については、3回の採取と、混合試料を分析しております。

 続きまして、6ページをご覧ください。

 今年の夏の調査での調査の日時等をお示ししておりますけども、先ほど8月下旬に大雨が降ったというところで、今回、環境省のほうで調査している調査日というのが、ちょうどその直後に調査をしておりますので、このような日付で、8月29日~9月2日辺りということで、日にち的には大雨の直後にそれぞれの有明海の地点を調査しているところでございます。

 下の(2)の底質の状況といたしまして、有明海・八代海等の底質の平面分布の変化につきましては、次のページに載っておりますが、各地点における底質の変動をまた図8ということで、後ほど示しております。今回、先ほど申し上げましたように、今年の夏季のデータにつきましては、大雨の直後ということで、有明海のみをお示ししております。

 これまでのデータを比較いたしますと、湾奥部の測定地点におけるCODが顕著に高い値を示したというふうな特徴があります。また、湾中央や湾口の測定地点では特に大きな変動は見られておりません。

 CODが高い値を示した地点ですけれども、大雨の直後の調査であると。水深が浅い地点であること、今回の大雨は、有明海の湾奥に流入する六角川・嘉瀬川流域に集中していることから、大雨の影響の可能性が考えられるのではないかとしております。

 ただし、現時点では、筑後川以外の有明海に流入した河川流量ですとか淡水の影響範囲、また、底質以外の水質や流動等のデータが得られていないこと、また、一定時間が経過した後のデータ、また今年度冬期にもデータを得られますから、そのような理由から要因解析に当たっては引き続き検討が必要であると考えております。

 また、2019年の夏季の底生生物のモニタリング結果につきましても、現在分析作業中であることから、底生生物への影響の検討も引き続き必要であると考えております。

 続きまして、7ページをご覧ください。以下、昨年の夏と今年の夏のそれぞれの項目の状況で、赤いほどに値が高く、青いほど値が低いということで、それぞれの項目ごとをお示ししたものでございます。

 特に昨年との比較で顕著に変わっているところというので、先ほど、8ページのほうが、CODでありますとか、その奥のほうが、ほぼ、右側の2019年の夏が赤くなっているというところが、まず1つの特徴となっております。

 以下9ページ、また、10ページ以降が年ごとの経年変化を示したグラフでございます。

 順次、11ページ、12ページとありまして、ここはもう、その後の経年変化のものをお示ししたものということで、先ほどの6ページのところで御説明いたしましたように、底質の状況といたしまして、一部変動が見られますが、現状、まだ、ある速報値ということで、今回、佐賀のほう辺りで大雨が降ったということで、その影響は何か見られないかなというところで、今回お示しした参考的な資料でございます。

 まず、私のほうからの説明は以上です。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございました。

○中野閉鎖性海域対策室長 すみません。1点補足をさせていただいてよろしいでしょうか。

○滝川小委員会委員長 はい、どうぞ。

○中野閉鎖性海域対策室長 この資料ですけども、大雨の影響を深掘りしていくというよりは、今後も、今年のデータを含めた経年変化ですとか、時系列の分析をしていくときに、今年度のデータについて留意すべき点というものをきちんと整理して、蓄積しておきたいという目的で整理をさせていただいたものでございますので、趣旨について御理解いただければと思います。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございます。

 ただいま大雨の影響についてということで、事務局から説明いただきました。何か御質問等はございませんでしょうか。お伺いしたいと思います。よろしいですか。

 それでは、以上で令和元年8月の前線に伴う大雨の影響についてということにつきましては、終了させていただきます。ありがとうございました。

 そのほかに、事務局のほうから何かございますか。

○権藤閉鎖性海域対策室室長補佐 特にございません。

○滝川小委員会委員長 それでは、本日の委員会全体を通しまして、各委員からの何か御質問等はございませんか。よろしいでしょうか。

 それでは、ないようでございますので、最後に私のほうから、途中でも申し上げましたけども、確認させていただきたいと思いますが、評価委員会として、今後、どのように再生に関わる評価を進めていかれるのかというのを御説明いただければというふうに思います。今日、議論いただいたようなことにつきましても、かなり複雑になっておりますし、どういうふうに取りまとめていくのかと、方向性を理解していただきながら、小委員会も今後続けていかれるものと思いますので、将来の評価の進め方について御説明いただきたいと。よろしくお願いいたします。

○中野閉鎖性海域対策室長 この評価委員会でございますが、御案内のとおり、前の評価委員会の報告書が平成29年3月に取りまとめられたところでございまして、その中では、次のフェーズ、つまり今行っているフェーズについては、10年の再生目標を定めて、10年後であります令和8年度に次の報告を取りまとめるという大きな方針の中、その半分の5年を経過した令和3年度に、中間報告をさせていただくというようなスケジュール感で作業をお願いしているところでございます。

 この中間報告、どういったイメージかといったところを、今、ちょっと簡単なイメージにはなるんですが、私どものほうでは、中間報告、つまり令和3年度の時点までの知見ですとか成果を確認した上で、もともと29年3月の報告書では、再生目標ですとか、あるいは再生方策といったところを個別に決めたりしているところでございますので、そうした再生目標に対する方策の進捗度について、令和3年度の時点で評価を行っていただきまして、あわせて、その結果、再生目標に向けて不足しているデータですとか、あるいは取組といったもの、今後5年間、特にどういったことをやるべきかといった点について、留意点として取りまとめるようなことを、まだざっくりとではありますが、イメージしているところでございます。

 そうしますと、少なくとも来年の7月ごろ、今回、第4回の小委員会でございますが、来年の7月ごろに第6回、2回後の小委員会を予定しておりますが、残り2回については、あと2回分は、ベントスとか有用二枚貝ですとか、ノリですとか、魚類の、主要4項目に関係する海域環境について、引き続き、関係省庁ですとか、関係者の方から、まずファクトとなるような調査研究の成果ですとか、こうしたものを御報告、皆様方に御確認いただきまして、まずは、この2回小委員会としての最新の知見の整理を行っていただいた上で、第6回以降、これを踏まえて、事務局として中間報告の案を作成していく上で、随時、必要な御意見を頂戴していきながら、令和3年度に1つまとめをさせていただきたいと思っておりますので、どうぞ引き続き御理解と御協力をお願い申し上げます。

○滝川小委員会委員長 ありがとうございます。

 何かほかの委員の方々から、よろしいでしょうか。

 今、御説明のとおり、今後、引き続き中間取りまとめ、令和8年度のまとめに向けて整理、データ収集・整理を進めていくということでございますので、どうぞ御協力、よろしくお願いいたしたいと思います。

 それでは、ありがとうございました。

 それでは、本日予定されておりました議事につきましては、全て終了いたしました。

 議事進行への御協力にお礼申し上げますとともに、進行を事務局にお返しいたします。

○和田閉鎖性海域対策室主査 滝川委員長、ありがとうございました。

 事務局から、最後に2点御連絡がございます。

 本日の議事録ですが、後日、事務局より確認依頼をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。内容確認後ですが、議事録については環境省のホームページで公開する予定をしております。

 また、次回の小委員会につきましては、令和2年2月ごろの開催を予定しております。その議題につきましては、本日、環境省から海域環境に関する調査結果を御報告しましたが、引き続き、他の関係省庁における海域環境に関する調査の情報収集等を議題として進めたいというふうに思っているところでございます。具体的な日程につきましては、別途、御相談させていただきます。

 それでは、以上をもちまして、第4回海域環境再生方策検討作業小委員会を閉会します。本日はありがとうございました。

午後3時03分閉会

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