第5回 有明海・八代海等総合調査評価委員会 水産資源再生方策検討作業小委員会 議事録

開催日

令和2年7月29日(水)

開催場所

WEB会議システムにより開催

議題

1.開会

2.議題

(1)ノリ養殖、魚類等に関する情報収集等

(2)有用二枚貝に関する情報収集等

(3)海域環境に関する調査の情報収集等

(4)小委員会における情報の収集・整理・分析の実施状況について

(5)その他

3.閉会

出席者

小委員会委員長 : 樽谷賢治委員長

委員 : 岩渕光伸委員、古賀秀昭委員、内藤佳奈子委員、速水祐一委員、松野健委員、山室真澄委員、山本智子委員

専門委員 : 川原逸朗委員、中村勝行委員、松山幸彦委員、矢野浩一委員、吉田雄一委員

評価委員会委員長:古米弘明委員長

(関係省庁)

農林水産省農村振興局農地資源課 松宮課長補佐

水産庁増殖推進部研究指導課 楠課長補佐

        栽培養殖課 中西課長補佐

(事務局)

環境省水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐、水環境課閉鎖性海域対策室主査

議事録

午後1時30分開会

○冨永主査 それでは、定刻となりましたので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第5回水産資源再生方策検討作業小委員会を開会いたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、誠にありがとうございます。

 本日は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ウェブ会議での開催とさせていただいております。委員の皆様には御不便をおかけしますが、会議中、音声が聞き取りにくい等、不具合がございましたら、事務局までお電話、またはウェブ会議システムのチャット機能にてお知らせください。

 なお、本小委員会は、公開の会議となっており、環境省公式動画チャンネルのサブチャンネルでライブ配信を行っております。

 議事中、マイク機能は、委員長及び発言者以外はミュートに設定させていただきます。

 なお、御発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックしてください。青色に変わりますと挙手した状態になりますので、御発言の意思はこのマークで確認します。委員長からの御指名後、マイクのミュートを解除していただき、御発言いただきますようお願いいたします。御発言後は挙手アイコンを忘れずにクリックし、黒になるよう操作願います。挙手アイコンは事務局でオンオフを操作できないため、御協力よろしくお願いいたします。

 それでは、まず、議事に先立ちまして、環境省閉鎖性海域対策室長の中野より御挨拶を申し上げます。

○中野室長 皆さん、お疲れさまでございます。環境省の閉鎖性海域対策室長の中野と申します。

 委員の皆様におかれましては、本日、お忙しいところ、本小委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

 この有明海・八代海を臨みます九州地方におきましては、今月の豪雨災害によりまして被災をされております方々に、また、謹んでお見舞い申し上げたいと思います。

 本来であれば、この小委員会は3月4日に開催をさせていただくことで御案内を申し上げてきたところでございますが、国内におきます最近の新型コロナウイルスの感染の発生状況を踏まえまして、感染拡大の防止という観点から開催を延期し、本日ウェブ開催という形で開催をさせていただくこととなりました。

 本日の議事につきましては、これまでに関係省庁など関係機関が新たに積み上げた新しい調査の結果ですとか調査の実施状況の御報告をさせていただくとともに、この小委員会につきましては、本来であれば年度単位で開催状況を整理して、親委員会でございます評価委員会に報告することとさせていただいておりまして、昨年から第4回、それから本日の第5回の開催状況をどのようにサマライズして親委員会に報告させていただくかについても御審議いただきたいと思っております。限られた時間と、それからウェブ会議ということでいろいろ御不便があるかもしれませんが、ぜひ忌憚のない御意見を頂戴できればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。

○冨永主査 この度、委員の任期に伴い、令和元年12月12日付で委員の改選がございましたので、委員の皆様の御紹介をさせていただきます。

 それでは、資料1を御覧ください。水産資源再生方策検討作業小委員会の委員の皆様を名簿順に御紹介させていただきます。

 まず、福岡県水産海洋技術センター有明海研究所所長の岩渕委員です。

 続きまして、元佐賀県有明水産振興センター所長の古賀委員です。

 続きまして、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所環境・応用部門沿岸生態システム部副部長の樽谷委員です。

 続きまして、県立広島大学生命環境学部環境科学科准教授の内藤委員です。

 続きまして、佐賀大学教育研究院自然科学域農学系准教授の速水委員です。

 続きまして、九州大学名誉教授の松野委員です。

 続きまして、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授の山室委員です。

 続きまして、鹿児島大学水産学部教授の山本委員です。

 続きまして、佐賀県有明水産振興センター所長の川原委員です。

 続きまして、長崎県総合水産試験場場長の中村委員です。

 続きまして、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所環境・応用部門沿岸生態システム部主幹研究員の松山委員です。

 続きまして、鹿児島県水産技術開発センター所長の矢野委員です。

 続きまして、熊本県水産研究センター所長の吉田委員です。

 最後になりましたが、評価委員会の古米委員長でございます。

 委員の皆様につきましては、以上でございます。

 本日の委員の出席状況ですが、全委員に出席をいただいております。

 続きまして、環境省側の出席者も紹介させていただきます。

 先ほど紹介させていただきました閉鎖性海域対策室長の中野でございます。

 同室長補佐の濱名でございます。

 同室長補佐の横内でございます。

 私が、閉鎖性海域対策室主査の冨永でございます。

 なお、本日は関係省庁も出席しておりますので、御紹介いたします。

 まず、農林水産省農村振興局農地資源課の松宮課長補佐でございます。

 続きまして、水産庁研究指導課の楠課長補佐でございます。

 続きまして、水産庁栽培養殖課の中西課長補佐でございます。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。事前にご案内のとおり、議事次第のほか、資料1が有明海・八代海等総合調査評価委員会水産資源再生方策検討作業小委員会委員名簿、資料2-1がノリ養殖に関する資料の収集・整理・分析状況~有明海におけるノリの色落ちにかかる整理と検討~、資料2-2が魚類に関する資料の収集・整理・分析状況~有明海・八代海における鞭毛藻赤潮にかかる整理と検討~、資料3が二枚貝類養殖等を併用したノリ色落ち軽減技術の開発、資料4が有用二枚貝に関する資料の収集・整理・分析状況~貧酸素水塊の発生状況と予察の取組にかかる整理と検討~、資料5がタイラギに関する4県協調の取組、資料6がアサリの生息環境の評価法(HSI)の検討について、資料7が有明海奥部におけるCODによる餌料環境とその長期変動の推定について、資料8が有明海南部海域及び八代海における藻場・干潟分布状況調査の結果について、資料9が小委員会における情報の収集・整理・分析の実施状況について、参考資料1が小委員会における今後の情報の収集・整理・分析について、参考資料2が有明海・八代海等総合調査評価委員会報告(平成29年2月)について、参考資料3が有明海・八代海等総合調査評価委員会関係法令等となっております。

 なお、資料につきましては、本日は事務局が画面上に掲載して進行させていただきますが、事務局からお送りしている紙資料も御参照願います。

 それでは、議題に入ります。

 以後の進行につきまして、樽谷委員長、よろしくお願いいたします。

○樽谷委員長 はい、かしこまりました。

 本日は、御案内のとおり、多数の報告が予定されておりますので、円滑な議事の進行に御協力をいただきますようよろしくお願い申し上げます。

 それでは、早速ですが、議事を始めさせていただきます。

 まず、本日の議題1ですが、ノリ養殖、魚類等に関する情報等といたしまして、関係県及び関係省庁が実施されました調査等の情報収集を行うこととしております。

 それでは、まず初めに、松山委員よりノリ養殖と魚類をまとめて御説明をお願いいたします。発表時間は20分程度でよろしくお願いいたします。

○松山委員 はい、了解しました。水産研究・教育機構の松山でございます。取りまとめ結果を御報告いたします。

 今回は、収集した資料は非常に膨大ですので、説明につきましては重要な部分を中心に御説明します。幾つかの資料はお手元で御確認いただきたいと思います。

 まず、資料の2-1、ノリ養殖に関する資料の収集・整理・分析状況ということで、有明海におけるノリの色落ちにかかる整理と検討について御報告します。

 次のスライドをお願いします。第3回水産小委で決定されたノリ養殖に関する項目の資料収集方針です。赤字で示した部分が今回収集できた項目を示しております。

 次のスライドに行きます。これは、県ごとのノリの生産枚数と生産額の推移を示しています。生産量は近年横ばいで、比較的安定していますが、2000年のように大規模な珪藻赤潮でノリの生産量が激減するという事例も発生しております。

 次のスライドをお願いします。ノリの生産に大きな影響を及ぼす珪藻類の赤潮発生状況ですが、ほぼ毎年発生して、被害を与えているという状況です。

 次のスライドをお願いします。この発表は、2013年度以降、主に水産庁事業で観測された結果に基づいて資料が収集されています。内容は、主に広域モニタリング、発生メカニズムの解明、それと予察技術の開発の3本柱となっております。

 次のスライドをお願いします。観測の期間と定点はこの図に示しております。

 次、お願いします。ここに冬季の赤潮の発生状況とノリの被害の関係について、カレンダー形式で示しております。珪藻類は小型、中型、大型と分けておりますけども、一般的には大型のものが発生すると栄養塩の低下が顕著となって、ノリへの被害も大きくなる傾向があります。2000年に発生したリゾソレニア・インブリカータも大型珪藻に分類されます。

 次のスライドをお願いします。最初に、最も影響の大きな大型珪藻の一種であるユーカンピアについてです。本種の特徴としては、広域で赤潮を形成する特徴があり、もともと栄養塩類がノリの漁期の後半ということで少なくなっているときに赤潮を起こして、さらに栄養塩を枯渇させるというような特徴があります。

 次のスライドをお願いします。ユーカンピアに関しては、有明海以外も含めまして、既往知見が多数見られます。ここに文献の一覧を示しておりますので、御確認をお願いします。

 次のスライド。これは観測結果になります。

 時間の都合上、次のスライドをお願いします。先ほどの調査と日光の連続観測して、環境データ等もまとめている状況になります。

 次のスライドをお願いします。実際の観測結果を見てみますと、この真ん中の上部に赤い矢印が入っておりますけども、これはユーカンピアが増殖可能な光の強度、光量の資料というのがNishikawa & Yamaguchi,2006で示されておりまして、この光強度をどこの水深まで達成しているのかというのを観測データから遡ったものです。こうして見ますと、増殖が可能な水深というのは大潮、小潮の周期に応じて浅くなったり深くなったりということをしておりまして、浅海域のP6に関しては、海底からの巻き上げが多くて光が届きにくい、濁って届きにくいということで、有光層が浅くなっていることが分かります。

 次のスライドをお願いします。ここに実際にユーカンピア、スケレトネマが一番下から2番目のところに、最初にスケレトネマが1月の下旬から2月の頭に発生し、その後、2月に入ってユーカンピアが増殖するというような特徴があるわけですけども、一番上の水中光量子束密度を見てみますと、スケレトネマが発生しているときというのは非常に浅くて、実際、海域が濁っているという状況の中でスケレトネマが発生し、この濁りが収まった頃にユーカンピアがちょうど増えてきて、赤潮化すると、そういった特徴が見てとれます。

 次のスライドをお願いします。このスライドはちょっと割愛し、次のスライドをお願いします。まとめのポンチ絵になります。ユーカンピアは基本的に光環境が改善したタイミングで、沖合域で増殖していると推定されます。赤潮の非発生年と発生年の差異ですけども、左のように淡水の流入が多くて、密度成層によって鉛直混合が比較的少ない年は赤潮の発生が少なく、逆に、右側のように降水量が少なくて、表層でも高塩分化するような年に発生しやすいという特徴が見られました。

 次のスライドをお願いします。以上の知見から、次に関しまして、文献、ちょっと飛ばしてください。

 16をお願いします。続きまして、小型珪藻のスケレトネマに関してですが、スライドの17から19にかけて観測結果を示しております。この説明は割愛させていただいて、次、スライドの20を御覧ください。これは、有明海の湾奥西部におけるスケレトネマの出現特徴としては、Stnの2、Tの13、2つ、各年度の発生状況、青い線がスケルトネマの出現ですけども、水温が12度を下回ると頻出すると、こういうようなパターンが見られておりまして、一つの予察指標となっております。ただ、なぜ水温12度以下になるとそれが顕在化するのか、そこのところの解明は十分なされておらず、今後の課題と考えています。

 次のスライドをお願いします。アステロプラナス・カリアナス、本種は中型珪藻に位置づけられております。この種は、塩田川の河口域でローカルに発生する特徴があります。全国的に見ても出現しているのは有明海だけということで、非常に珍しいタイプの珪藻類です。本種は、前回委員会報告にも掲載されており、その後、多数の論文等も出ているということから、ここからスライド25までは既往知見の図表を論文等から抜粋して貼り付けています。申し訳ありませんけど、お手元で御確認いただきたいと思います。

 26ページを御覧ください。本種の発生機構図のポンチ絵を最後にまとめとして貼っております。この種は、冬季の活発な鉛直混合発生地で、主に12月から1月になりますけども、海底泥中に存在する休眠細胞が発芽しまして、主に塩田川河口域という栄養塩の濃度が高く、かつ、冬季の淡水流量が著しく低下する環境下で赤潮を形成すると考えられております。

 次のスライドをお願いします。秋から冬の赤潮に関するまとめになります。ユーカンピア、スケルトネマ、アステロプラナス・カリアナス、この3種について資料を収集しました。いずれの種も、水温、流動場、降雨量、濁度、こういったものが赤潮発生予察に基礎的な項目であるということが分かっております。

 次のスライドをお願いします。今後の課題を3項目記しております。ノリの養殖に影響を与えるユーカンピアですけども、これの発生と非発生年の差が非常に大きいということで、今後も観測などを通じて知見の蓄積、発生予察の高度化を図る必要があると考えられます。珪藻類の赤潮は、潮汐だけではなく、降雨、こうしたイベントがありますと、数日単位で大きく変動いたします。すなわち、出現と衰退が日単位という短時間で発生することから、先ほど観測データがありましたけども、連続観測などのモニタリングは非常に重要となります。また、ノリの色落ち対策としては、珪藻類が二枚貝の餌として重要ですので、この後、水産庁さんからもご報告あるかと思いますけども、二枚貝資源を恒常的に維持することがノリ養殖の安定化のためには重要であると考えられております。

 まず、資料の2-1の説明は以上です。

 続きまして、資料2-2、魚類に関する資料の収集・整理・分析状況ということで、有明海・八代海における鞭毛藻赤潮にかかる整理と検討の資料をご説明いたします。

 2ページをお願いします。スライドの2をお願いします。これは、有明海・八代海で夏場に発生する赤潮生物の顕微鏡写真です。

 次のスライドをお願いします。これは、八代海におけるブリ類生産量の経年変化を示しております。八代海は国内でも有数のブリの生産地でありますが、この赤い矢印が図の中に入っておりますけども、この矢印で示したところでシャットネラによる大規模な赤潮が発生し、年によっては生産量の低下を引き起こしております。特に2009年と2010年の被害は、2年合計で86億円と膨大でした。その影響がグラフからも読み取れます。

 次のスライドをお願いします。こちらは、有明海、八代海、橘湾における赤潮の発生件数の推移を示しています。これは、2009年委員会報告にも掲載されている図ですけども、2018年、直近までの発生状況を追加して、図を示したものです。有明海も八代海も、2000年代に入る頃から件数が増加し、その傾向がずっと続いているということが分かります。

 次のスライドをお願いします。ここには、赤潮の被害件数のほうです。こちらは、顕著な増加傾向は見えません。

 なお、橘湾のところで、2016年に被害の件数が1件入っておりますけども、これは入力ミスです。前年の2015年の値をそのままダブルカウントしてしまっておりますので、2016年は被害なしということで、修正をお願いしたいと思います。

 次のスライドをお願いします。夏季の赤潮の発生の中でも、特に魚類に対して有害なシャットネラ属の赤潮発生件数を示しております。この赤潮生物については、ここ20年ほど発生が常態化していることが読み取れます。

 次のスライドをお願いします。先ほど赤潮の被害件数は顕著な増加傾向にはないと説明いたしましたが、魚類に被害を与える種類に着目して整理した結果を御説明いたします。この図は、ラフィド藻のシャットネラ、左側ですね、それとヘテロシグマ、右側、この魚類に対して毒性のある赤潮の最大密度と赤潮の発生期間を掛け合わせた結果を県別に整理したものです。密度と期間を掛け合わせた理由としては、赤潮の発生規模を表現するためとなっております。この図は29年委員会報告にも出ております。こうして見ますと、有明海ではこの2種が2000年以降、大規模に発生していることが分かります。長崎県海域では特に規模の大きな赤潮が発生しているのがわかると思います。

 次のスライドをお願いします。同様に八代海のデータを整理したものですけども、こちらは、ラフィト藻に加えまして、渦鞭毛藻の2種類ですね、コクロデニウム、下の左側とカレニア属、下の右側、こちらも加えております。八代海でもシャットネラが2003年以降に大規模な赤潮を形成しているというのが読み取れます。前回委員会報告後としては、2016年に2億円の漁業被害が発生しております。また、ここ最近、八代海では、あまり赤潮を形成してなかったカレニア属というのが2015年以降、赤潮を形成するという現象も発生しています。

 次をお願いします。次に、有明海における鞭毛藻赤潮の発生状況について御説明します。

 有明海では魚類の養殖というものはほとんどありませんが、有明海で発生した赤潮で天然の魚貝類が大量に死亡する、貧酸素が誘発する、あるいは近接する橘湾へ赤潮が流出して、魚類養殖へ被害を与えるということが問題となっており、モニタリングが実施されております。この図は、諫早湾の中央部にあるB3観測やぐらの連続データとシャットネラの細胞密度、増殖速度との関係をプロットしたものです。簡単に言いますと、本種は、25度から30度の範囲で活発に増殖するというのが室内培養で分かっています。実際の現場でもそうした温度範囲で発生していて、最大増殖速度、1日に1回という分裂をするのですが、それに近い数値が観測されています。

 次のスライドをお願いします。次に、シャットネラの出現状況に関する現地観測結果を説明します。有明海では、夏季に広範囲にわたって分布調査行われていますが、ここに示した2定点については、重点調査海域としてほぼ毎週の調査が行われています。

 次、お願いします。このデータは、平成25年の第4回生物小委で提示されたデータです。これは4年間のデータですけど、有明海におけるシャットネラ、赤い線ですが、それと競合します珪藻類、緑の線、両者の毎週の出現を示しております。これを見ますと、緑の珪藻類の出現の谷間、あるいは出現があまり見られない時期にシャットネラが出現するという関係が見てとれます。

 次、お願いします。この調査定点ではその後も継続して調査が行われていまして、今回、2013年から17年までのデータを同じように追加しました。これを見ますと、2014年を除きまして、珪藻類の発生の谷間、あるいは珪藻類の出現があまり見られない時期に、赤の線で示したシャットネラが赤潮を形成するという傾向が続いております。

 次、お願いします。小型珪藻類との種間競合ということで、赤潮の発生の予察を行う上で、赤潮生物はどうしても光の環境、あるいは栄養塩をめぐって種間競合を引き起こすことが知られており、赤潮の発生そのものを数値モデル等で再現するというようなことを取り組む場合に、この種間競合というのがパラメーターとして表現するのが非常に困難であるということが多い状況です。幸い、有明海ではこうしたデータとブイによる連続観測データが存在するということで、データの蓄積が非常に進んでおり、今後、これらの現地観測結果が有効利用されるものと期待しているところです。

 次のスライドをお願いします。八代海における夏の鞭毛藻赤潮の発生状況を収集いたしました。このポンチ絵は前回委員会報告で提示された夏季のシャットネラ赤潮の発生状況を簡単にまとめたものです。ここでは、ブリの漁業被害が大きい2009年と2010年の赤潮が梅雨の降雨期に奥部の河口域から供給された栄養塩を使って増殖し、これが南部方向へ移流、拡散して、南部の漁場に流入いたしまして、漁業被害を与えている、そういったプロセスを示したものです。

 次、お願いします。前回委員会報告後もシャットネラ赤潮は発生していますが、近年はやや様相が異なってきています。これは、縦に月を4月から10月まで並べまして、横に89年から2019年まで各年度を並べています。赤潮の発生期間を示しておりますが、2014年以降、直近の5年、6年になりますけども、それまでは緑の線、8月の中旬と下旬の間に緑の線を引きましたけども、お盆よりも前にシャットネラの赤潮というのは発生する傾向がありましたが、近年はお盆過ぎ、場合によっては9月の下旬まで赤潮が発生するということで、どうも晩期化している状況です。

 次、お願いします。この晩期化の原因についていろいろ解析しているところです。2015年以降、カレニアが同じ海域で発生しているということで、それも晩期化の要因として想定されたのですが、カレニアが主に増殖する海域とシャットネラが増殖する海域は同じ八代海の中でも場所が異なっているということで、関係性が不明瞭であると考えております。ただ、いずれにしても、赤潮が晩期化すると警戒態勢や餌止めの期間、これが長期化します。あと、それによって養殖業の経営を圧迫するなど、これまでよりも事態は深刻化していると考えております。

 次、お願いします。ここに前回委員会報告の第5章でお示しした折田ら2013年の赤潮予測式を示しております。これは、赤潮の発生を重回帰分析することで、ここに示した項目からほぼ100%の確率で赤潮の発生の有無を予測することができる、そういった事例紹介として前回委員会報告に引用されているところです。

 次、お願いします。この予測式について、前回委員会報告後も赤潮が出ているので、同じように予測をしてみたとこですが、右側にマル・バツが書いてありますが、直近は5年のうち4回が外れるということで、予想外の結果となっております。

 次、お願いします。その理由ですが、折田ら2013年の予測式では、ここにフロー図が描いてありまして、シャットネラの赤潮の発生を6月から8月上旬までの赤潮発生をターゲットに予測しているという、そういう予測式です。先ほど説明したように、直近はお盆過ぎに赤潮が出るということで、そもそも予測期間を外れておりますので、このことにより結果が合致しない理由と思われます。

 次、お願いします。折田らの予測式では、2015年、16年、2018年は赤潮の非発生年と判定され、実際にお盆の前には本種の赤潮は発生しておりません。したがって、お盆前ということで限れば、予測式は当たっています。これが、この3か年についてはどうも有明海側から八代海側へシャットネラ細胞が移入しているという年となっていることが分かりつつあります。

 次、お願いします。実際に2015年、平成27年の結果を示しておりますけども、この年は8月の下旬までは八代海にはシャットネラは発生しておりませんでした。8月の28日のデータが入っておりますけども、有明海でシャットネラが出ておりまして、かなり南部のほうまで高い、紫色のポイントがありますが、分布をしてきて、その直後ですけども、翌29日に八代海の北部に低密度ですが侵入し、徐々に増えてくるという結果になっております。

 次、お願いします。9月に入りまして、その入ってきた細胞が増えて、赤いドットで示した魚類が斃死する可能性がある細胞密度まで増えました。このときは主要な漁場でぎりぎり漁業被害が発生する密度まで到達してなかったということで、被害は発生しませんでした。

 次、お願いします。スライドをお願いします。次は、翌年の28年ですが、このときは漁業被害があり、図を1枚にまとめてしまいましたが、この年はお盆前後に、左の上に分布図を張っておりますけども、有明海側でシャットネラ赤潮がかなり高密度に発生していました。その後、三角の風のベクトルと姫戸ブイの洋上風を示したように、8月の19日ぐらいから8月の30日ぐらいまでほぼ10日間、北風が連吹するというような状況があって、そのとき、有明海側に分布していたシャットネラが少しずつ八代海側に低密度ながら侵入してきまして、9月に入って、その侵入した細胞が八代海側で増殖して、赤潮を形成するというようなイベントが見られています。入ってくる量というのは実際に三角ノ瀬戸と柳ノ瀬戸を合わせた1日当たりの海水の通過流量とそこから大築島以北の海水の体積を出すと数%程度です。入ってくる側のシャットネラが濃いということもありまして、計算しますと大体侵入してきた量は合うということが分かりました。

 次、お願いします。このスライドは後ほど説明しますので、割愛いたします。

 30をお願いします。八代海の晩期赤潮の特徴についてまとめました。ポイントとしては、有明海側から低密度の細胞が入ってくるということと、入ってきた後の発生に関しては、これまで言われていた出水を伴う栄養塩を利用するのではなくて、鉛直混合によって海底近くから供給される栄養塩を使っているということが分かっています。これは、かつて瀬戸内海の東部でシャットネラが発生したときの発生メカニズム、これとよく似た現象が起きているということが分かっております。

 次、お願いします。スライド31をお願いします。スライド31から41までが、シャットネラの赤潮と栄養塩類との関係についての資料です。時間の都合上、割愛いたしまして、スライドの40に、八代海の北部、中部、南部の栄養塩の実測値をグラフで示しております。この網かけがされているところというのは、シャットネラが増殖するにあたって、窒素、リンの必要最小限の、これ以上の濃度ないと増殖ができないという濃度ですが、北部ではこの網かけより上に観測値がありますので栄養塩が潤沢にあるということが分かります。中部、南部というのは外洋的な性質ですので、栄養塩濃度が非常に低くて、シャットネラの増殖に必要な栄養塩は恒常的に不足しているということが分かります。

 次のスライドをお願いします。ただ、この中南部でも、シャットネラの増殖に必要な栄養塩が年によっては高い時期がありまして、8月22日の(DINの)水平分布を示しておりますけども、こうした中南部でも高い栄養塩が観測されたときというのは、右側のシャットネラの細胞密度もこの海域で高く出てるということで、赤潮の被害を軽減するというためには、この中南部に流入したシャットネラが増えないようにする、栄養塩の動向を監視するということも重要と考えております。

 次、お願いします。前回委員会報告後に頻発する晩期型赤潮というのは、29年委員会報告における発生パターンと比較すると、Ⅰ型とⅡ型の中間的な要素を含んでおります。

 次、お願いします。この晩期型赤潮の発生メカニズムをポンチ絵にしますと、このようになります。出水を伴わず、鉛直混合によって、中層、底層にある栄養塩が表層まで現れる、これを使ってシャットネラが増殖するというような特徴がありまして、前回委員会報告でありましたような出水を伴う赤潮とはまた違うパターンの赤潮が見られることが分かりました。

 次、お願いします。そうした意味では、スライドの44にありますように、栄養塩の連続観測体制などが構築できてきますと、この晩期型赤潮の予察精度も向上しますので、引き続き密なモニタリング体制を維持するということが重要と思います。

 次、お願いします。こういった連続観測データがブイとかで栄養塩とかの、硝酸塩だけのデータでありますけども、連続観測を実際に実施し、赤潮の発生前に高い硝酸塩濃度が見られる、そういったものも観測されているということです。

 続きまして、時間の都合上、残りのスライドは要点だけの説明といたします。

 スライドの49を御覧ください。これは、本種の赤潮が八代市の2月から4月の平均気温と九州南部の梅雨入り日から何日経過したかという二つの変数を用いて、意外と高く予察ができると、そうした資料になります。前回委員会報告にもこれは載っておりますけども、直近の結果も示しているというところです。

 次に、スライド54には、これは赤潮の今まで予察だったわけですけども、対策も進捗しておりまして、こちらありますように、鹿児島県が改良粘土というのを赤潮の生物の防除対策として開発し、これをマニュアル化して情報公開しています。実際の赤潮発生時にこれが直接防除法ということで被害軽減策の一つとして実用化されつつありますので、お手元の資料で御確認をお願いします。

 最後に、スライド62に今後の検討課題を示しました。赤潮の発生メカニズムはこれまでも多くの資料が提示されてきておりますが、逆に、どういう時に発生しないのか、あるいは赤潮がもう収束するのか、衰退機構が明確になっておりません。漁業者さんとしては、いつまでもモニタリング、あるいは餌止めを続けるというわけにいきませんので、いつ頃赤潮が終わるのかという情報も重要と考えております。モニタリングに関しましては、昨今の予算縮減もありまして、継続が困難なものも出てきております。これを連続観測装置やAIなどによる機械予測など、新たな手法を取り入れていく必要があるのかなと考えているところです。また、既存の赤潮被害軽減策が効率的なものなのかどうか、例えば餌止めでありますとか生けすを沈めるといったものが科学的にどうなのかという、検証も必要と考えております。

 以上、資料2-1及び資料2-2の説明を終わらせていただきます。

○樽谷委員長 御説明ありがとうございました。

 御意見、御質問につきましては、次の説明の後にまとめて承りたいと思います。

 それでは、続きまして、二枚貝類養殖等を併用したノリ色落ち軽減技術の開発につきまして、こちらは水産庁の中西課長補佐より説明をお願いいたします。発表時間は10分程度でお願いいたします。

○中西課長補佐 水産庁栽培養殖課の中西と申します。

 私から、資料3に基づきまして、水産庁の委託事業であります二枚貝類養殖を併用したノリの色落ち軽減技術の開発につきまして、簡単に御説明をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 スライドを1枚めくっていただきまして、このスライドは先行事業の概要と経緯を示しております。説明は割愛させていただきます。

 次のスライドです。全国及び有明4県におけるノリの生産枚数の推移についてのグラフをお示ししております。有明の生産枚数ですが、2000年を除いて、概ね40億枚程度生産されているということでございますが、全国の生産枚数は徐々に若干減少していることもあり、全国の生産枚数における有明の4県の割合は増加傾向にあるということでございます。

 次のスライドをお願いいたします。本課題の背景と目的、先ほども多少のお話はございましたが、右側にありますように、ノリの色落ちというものが生産金額に与える影響はかなり大きいということがございますので、珪藻類が増殖することで水中の栄養塩濃度が低下することによりノリの色落ちが発生するということに対して、ここをどうにか改善できればということで課題に取り組んでございます。

 次のページお願いいたします。この事業におきましては、ノリと栄養塩を競合するような植物プランクトン、こちらを消費しつつ、栄養塩を海域に添加する、言わば、二枚貝類の排せつ物が栄養塩として海域に添加されるという、こういった機能を持つ二枚貝類の増養殖をすることで、それをノリの養殖と一緒に生産をするということで、ノリの色落ちを防止しつつ、高品質なノリを安定的に生産するということの技術開発ができないかということを取り組んでございます。大きく1)、2)とございまして、1)は研究室の中でやっている研究の部分であり、主に2)番の内容についてご説明させていただければと思います。

 次のページをお願いいたします。これは説明を割愛させていただいて、もう2枚めくっていただくと、2)の①として、福岡県の地先有明海における二枚貝の増養殖によるノリ養殖の高品質化という資料がございます。実際にノリの養殖場において、左側ですが、ノリの養殖漁場においてモニタリングを行いまして、アサリを放流した場所、アサリの放流区と対照区をそれぞれ設けまして、アサリの分布密度、肥満度と海水中の栄養塩濃度やノリの色調、L値と書いておりますけども、以上を比較しているというデータになります。上のグラフ見ていただくと、アサリを放流したところ、実線のところですが、アンモニア態窒素の濃度はアサリの放流区で高い傾向にあるということで、アサリによる栄養塩の添加の効果はあろうということであります。また、下のグラフ見ていただくと、ノリの色調、L値ですね、L値は下がるということで、ノリの色落ちがないということです。逆にL値上がるということは明るいということですから、これは色落ちをしているということになりますけれども、このノリの色調はアサリの放流区と対照区では、大きな違いは見られないという状況になってございます。

 その同じスライドの右側ですが、港内の浮き桟橋において、アサリを収容したかごを垂下いたしまして、砂のみを入れたかごと比較したときに、クロロフィルの濃度と栄養塩濃度を比較したところ、アサリの収容区においてはアンモニア態窒素の濃度が、グラフ見ていただくと分かるとおり、有意に高いというようになってございます。これを見れば、アサリの栄養塩添加というのがあるのであろうと示唆されているということです。一方で、下にありますクロロフィルの濃度につきましても、アサリ収容区が低い傾向にございますので、アサリが摂餌をすることで植物プランクトン除去をするという効果もあるのではないかということが示唆されているという状況になってございます。

 次のスライドをお願いいたします。こちらの説明は割愛させていただいて、その次のページ、先ほどはアサリでしたが、今回は佐賀県の地先において二枚貝としてマガキを入れております。ここは、図に示しておりますとおり、閉鎖区、半閉鎖区、流水区があり、閉鎖区は下に蓋をしているもの、半閉鎖区は下には蓋をしないもの、流水区については横向きにして、横倒しにして、中の海水交換がより活発になるという形になっているものということで大きく3つの試験区があります。さらにそこにノリと二枚貝を、マガキですけれども、入れていくという場合に、植物プランクトンの最高濃度はどうだったか、あとはL値がどうだったかということを調べております。閉鎖区と半閉鎖区においては、植物プランクトンの細胞密度は低密度で推移する傾向にあったということで、カキの摂餌によってプランクトンが除去されるという効果も確認されたということです。

 また、カキを収容した閉鎖区、それから半閉鎖区、下のグラフですけれども、では、L値が低い値で推移するということで、カキと複合養殖することでノリの色落ちの軽減効果はあるのではないかということを確認してございます。

 右のページですが、さらに半閉鎖区で平成30年度に行ったものは、ノリと二枚貝をそれぞれ試験しまして、ノリの芽付数が二枚貝による色落ちの軽減効果に影響するかどうかを検証しております。右下に説明で書いておりますけれど、結果としてノリの色調を維持するためには、1小間当たりに206トンとかなりの量のマガキを垂下養殖しなきゃいけないという、これは試算でありますが、試算がなされております。

 次のページをお願いします。同様に熊本県の地先でも同じように、こちらはマガキですけれども、試験をしております。左上、ノリ養殖場でマガキの垂下養殖を行ったところでございますけれども、潮上よりも下流側でクロロフィル濃度が減少するということで、マガキによる植物プランクトン除去の効果というのがあるのであろうということが示唆されているところでございます。また、通常のノリと色落ちノリについて、マガキを併用して試験的に養殖をしたところ、通常のノリについては、マガキと併用した場合においてもそうでなくても色落ちがあったという結果で、色落ちしたノリについてはマガキと併用した場合には色調に変化ない、ノリのみの場合には色落ちは悪化するということで、ここもマガキによる効果というのはあるのではないかという結果が得られております。

 それで、次のページから、参考資料をつけてございます。今までの結果で申しますと、二枚貝、アサリであるとかマガキによって栄養塩が添加されるとか、もしくは植物プランクトンを減らすだとか、そういった効果はあるのではないかというところですが、それが果たしてノリの色落ちに対して、どれぐらいの量があれば、ノリの色落ちによりよい効果が出るのかということです。参考資料1ページ目は、これは試算として有明海のノリ漁場をアサリでろ過するにはどれぐらい必要なのかというと、一番下ですけど、1小間当たり、254キロと非常に多い量のアサリを垂下しなければならないという試算が出ております。

 次のページを御覧ください。最後のスライドです。二枚貝の、特にアサリですけれども、垂下式養殖につきましては、天然のアサリよりも垂下した養殖のアサリのほうが、かなり成長が良いということでありまして、この丸の三つ目に水質改善効果みたいな部分がございますので、こういった養殖はまだこれからですけれども、期待を持っているところでございます。

 説明は以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 それでは、先ほどの松山委員からの御報告と水産庁からの御報告につきまして、御意見、御質問等がございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。

 それでは、まず、山室委員からお願いいたします。

○山室委員 二枚貝についていろいろ御検討されていたのですが、私、カキについてはあまりよく分かりませんが、アサリはノリの色落ちが起こる時期はろ過量とか、それから栄養塩の排せつ量が低水温のために落ちるのではないかと思うのですけれども、その辺りの御検討はいかがでしょうか。

○中西課長補佐 水産庁の中西でございます。すみませんが、そこまでは細かいデータは取れていないという状況でございます。以上です。

○山室委員 はい、分かりました。ありがとうございます。

 それともう一つは、植物プランクトンの捕食者として、確かに懸濁物食二枚貝は非常に有効ですが、こういう季節性を考えると、動物プランクトンがこの時期、色落ちが起こる時期にどうなっているのかとか、もしくは経年変化的に赤潮が増えるとともにもしかしたら捕食者としての動物プランクトンが減っていないか、という可能性についてはいかがでしょうか。

○中西課長補佐 水産庁でございます。今回も二枚貝とノリの複合増養殖の部分に着目した内容になっておりますので、今御指摘があったところまでは調べ切れていないというのが現状でございます。すみません。

○山室委員 はい、ありがとうございます。

 私、この委員を承諾したときに過去の資料を読ませていただきまして、その中のどこかで、最近ベントスの中で甲殻類が減っているというような報告を見たことがございます。動物プランクトンも甲殻類が非常に多くございます。もしかしたら捕食者が減って、植物プランクトンが増える傾向にあるのかなと思いましたので、これは水産庁さんがやることではないのかもしれないですが、どこかの委員会なり機関で捕食者としての動物プランクトンの経年変動も押さえていただくと、今後、考えるのによいのかなと思います。

 私からは以上でございます。

○樽谷委員長 コメント等、ありがとうございました。

 有明海では動物プランクトンの観測データそのものが非常に不足しているのが現状です。これから動物プランクトンに関するデータも積極的に取っていく必要があると私も感じています。

 それでは続きまして、岩渕委員から質問等、よろしくお願いいたします。

○岩渕委員 岩渕です。資料2-1の17ページ、19ページの図について確認を一つさせていただきたいのですが、スケルトネマの出現変化で、佐賀県の湾奥西部のデータがありますが、この当該年のこの時期に佐賀県さんで施肥をされていたのかどうかということを確認させていただきたいなと思います。いかがでしょうか。

○松山委員 発表者の松山では、この観測データは把握しておりますが、この時期に施肥がされていたかどうかという確認が取れていませんので、佐賀県さんの委員からコメントがもしあれば補足していただきたいと思います。

○樽谷委員長 川原委員、いかがでしょうか。

○川原委員 佐賀の川原です。岩渕委員、もう一度、施肥が行われていたかどうかの確認の年度を教えていただけますか。

○岩渕委員 資料2-1の17ページになります。2018年度ですから、2019年の1月ですね、この時期に施肥が行われたのかどうかということです。

○川原委員 分かりました。今、私の頭の中の記憶にはっきりした状況がありませんので、確認をして、後ほどお答えさせていただくということでよろしいでしょうか。

○岩渕委員 はい、後ほどで結構ですので、よろしくお願いします。

○樽谷委員長 それでは、よろしくお願いします。

 それでは、内藤委員から御質問等、よろしくお願いいたします。

○内藤委員 私から、資料2-1のノリの色落ちと珪藻赤潮についての評価について確認ですが、3ページのところの図の4の4のところですけれども、2005年とか2006年のときには珪藻の赤潮が発生していますが、色落ちの漁業被害などは起こっていないと示されておりますけれども、瀬戸内海東部に関しましても近年は珪藻赤潮が発生していてもノリの色落ち被害が起きていないという状況が発生しておりまして、近年、有明海においてはノリの色落ち被害と珪藻赤潮との関係の評価というのは栄養塩、競合に関してはあるのですが、何か新たに評価し直しているところとか、そういったところはございますか、という質問でございます。

○松山委員 説明をいたしました水産研究・教育機構の松山から回答したいと思います。

 一般的な話にしかならないのですが、説明の途中でもありましたように、海域の環境の栄養塩が低いときに大型珪藻のユーカンピア、こういったものが出ると、特に栄養塩の濃度が低くなりますので、漁業被害も発生しやすくなると、そういった一般的な傾向があります。逆に言うと、途中に説明がありましたけども、スケルトネマなどが比較的まだ海域の栄養塩の濃度が高い時期に赤潮を形成すると、まだ海域の栄養塩濃度、小型珪藻ですので栄養塩の消費量も少なめということもありまして、赤潮は発生するけども、ノリの色落ちという被害は出にくいと、そういった傾向もあります。ですので、一概に長期的にどういう傾向になっているかは分からないのですが、今言ったような一般的な傾向は委員会では認められている状況です。

 瀬戸内海はよく内容を存じておりませんので、コメントは控えさせていただきます。

○内藤委員 分かりました。

 近年、今回報告していただいたデータといたしましては、2017年度まで示していただいているのですよね。それで、ここ二、三年の珪藻赤潮との関係は同じような状況でしょうか。

○松山委員 色落ちは直近もほぼ毎年のように発生している状況です。

○内藤委員 はい、分かりました。ありがとうございます。

○樽谷委員長 ほかにございますか。

(なし)

○樽谷委員長 それでは、以上で議題1を終了させていただきます。御議論等、ありがとうございました。

 それでは、続きまして、議題2、有用二枚貝に関する情報収集等に移りたいと思います。

 ここでは、資料の4から8の全ての説明をしていただいた後に、まとめて御意見、御質問等を承りたいと思います。

 それでは、まず初めに、貧酸素水塊の発生状況と予察の取組にかかる整理と検討につきまして、松山委員より御説明をお願いいたします。発表時間は10分程度でお願いいたします。

○松山委員 了解しました。

 資料の4になります。今ありましたように貧酸素水塊の発生状況、予察の取組にかかる整理と検討ということで説明いたします。

 次のページをお願いします。ここに、第3回水産小委における決定事項がありまして、赤字のところ、貧酸素ですけども、海域ごとの環境特性、関連性についても資料を収集いたしました。

 次、お願いします。この資料は、主に有明海の奥部で2005年以降に水産庁事業を中心として実施されている貧酸素の連続観測結果を中心に御報告いたします。左の地図を見ていただきたいのですが、湾奥西部の佐賀県沖から諫早湾まで測器を入れて観測が行われております。このうちの3定点、P6、P1、ここには右下にありますような連続観測装置が周年設置されておりまして、溶存酸素濃度を含みます水質、それと流速が計測されております。それと、諫早湾の中心部のB3、ここには九州農政局が設置したやぐら式の連続観測装置が入っております。それ以外の定点に関しては、右上に概略図がありますけども、鋼管の近傍に表層と底層の水質と流速の測定というような簡易の計測装置が設置されていると。

 次、お願いします。有明海における貧酸素の発生メカニズムにつきましては、既に幾つかの論文が提示されております。三つほど資料を提示しておりますけども、これらの既往知見から、貧酸素の発生パターンから見まして、浅海域である干潟の縁辺域、それと沖合域では発生機構が若干異なるということが推定されることもありまして、ここでは両者を分けて短期変動、経年変動について検討することといたしました。

 次に短期変動の特徴について具体的な事例を紹介します。上が干潟の縁辺域であるT13、下が沖合であるP6の観測結果です。下の図はP6が抜けておりますけども、沖合になります。大潮、小潮の周期で、緑色で示しました溶存酸素濃度が変動します。この上がる、下がる変動のパターンは両者とも同じですが、その変動幅は異なります。特に上の干潟縁辺域では、日変動が非常に大きく、いわゆる貧酸素の水平移流の影響が見てとれます。また、この赤く網かけをした場所ですけども、干潟の縁辺域では、台風が通過する、あるいは北風が連吹するというようなイベントがありますと、一時的に、短時間で溶存酸素濃度が回復するというような現象が見られますけども、沖ではこうした短時間の風の影響というのがあまり及んでいないということが見てとれます。

 次に、経年変動の要因を探るために、ここでは物理的な要因に着目し、干潟縁辺域であるT13における底層の潮流振幅の3乗、それと溶存酸素濃度3mg以下の累積値からの関係をプロットしております。そうしますと、両者の間に弱い負の相関が見てとれます。

 次、お願いします。そこで、潮流振幅に影響を与える要因として、河川流量に着目しました。筑後川の7月から8月の平均流量との関係を左図のとおりですけども、平均流量と潮汐の振幅との間には弱い負の相関が見てとれます。また、干潟縁辺域での表層と底層の密度差、右側の図になりますけども、これとの潮汐振幅との関係を見たところ、同様に密度差との間に負の相関が見られるということが分かりました。すなわち、干潟の縁辺部では、淡水の流入による底層潮流振幅の変化で貧酸素の経年変動が説明可能ではないかと考えています。

 なお、参考までに、今年は豪雨によりまして、例年になく淡水流入が多い年というのは冒頭の御挨拶にもあったとおりですが、干潟縁辺域だけではなく、沖合まで強い密度成層が現在発達しておりまして、7月7~10日ぐらいから強烈な貧酸素が発達しておりまして、現在もそれが続いているということで、大変憂慮される事態になっています。

 次に、同様の解析を沖合域でも実施しています。沖合域でも、潮流振幅とDO3mg/L以下の累積時間との間に弱い負の相関が出ています。

 次に、筑後川の平均流量等見てみますと、今度は相関が逆相関の関係がかなり弱くなってきているのが見てとれます。

 次、お願いします。この理由として、沖合域のP6では水深がありますので、干潟縁辺域のT13とは異なりまして、淡水の供給による密度成層化、これも、もちろん影響していますが、それと長期的な潮汐振動、具体的には月の昇交点運動に伴うfの変化を想定していますが、これによって貧酸素の経年変化が説明可能かもしれないという結果を想定しているところです。

 次、お願いします。まとめの図、一つ目です。時間の都合上、詳細な説明は割愛しますが、基本的に貧酸素水塊が大規模化する頻度が多い年は河川流量が多い。それと、月の昇交点運動を考慮した潮汐振幅が小さい年、この両者が合わさると貧酸素が大規模化するということが示されています。

 次の図をお願いします。まとめの二つ目の図になります。海域別に貧酸素の発生メカニズムの整理ということで、上の図は18年、あるいは29年委員会報告で有明海の貧酸素の発生機構図を1枚の図として示しているのですが、今回の観測結果から、この図を干潟の縁辺域、例えば左側のA1海域、それと沖合域A3海域、このように海域別に発生のメカニズムを変更するということも一つ提案しています。

 次、お願いします。予算的に非常に厳しい中でこのような連続観測を実施しているのが実態ですが、この観測は引き続き継続すべきものと考えております。特に沖合域まで達するような大規模な貧酸素化という事象は、有明海における二枚貝の資源変動要因を考えた場合に相当なインパクトをもたらすと考えられます。この発生メカニズムを考える上で、先ほども説明がありましたけども、18.6年周期の月の昇交点運動と貧酸素との関係を1サイクル、18年ぐらい観測し、見極める必要があります。そのためにはあと4年ほどの観測が必要になります。

 次、お願いします。ここまで連続観測装置をライン上に設置した結果を示しましたが、面的な調査ではありません。海域のどこの範囲まで貧酸素が影響しているかとなると、面的な調査が必要になります。連続観測を補完するという意味ではそのような調査が必要ということで、毎年、夏季の小潮期に関係機関の協力を得まして、貧酸素の一斉観測というものを実施しております。ここに御協力いただいている関係機関の名称を右下に、字が小さいですけども、一覧として示しております。各機関さん、手持ち弁当で協力いただいているということで、この場を借りまして、御礼を申し上げたいと思います。

 次のスライドをお願いします。この一斉観測は夏場の小潮期、最も潮が止まる時期の満潮時に実施していますが、2010年から継続的に実施しております。この調査によりまして、有明海における貧酸素水塊の広がりが徐々に分かるようになってきております。観測の初年度の2010年の貧酸素の規模が最も大きく、2012年、あるいは2016年も規模の大きな貧酸素が発生していました。連続観測や一斉観測の結果を解析して、貧酸素が二枚貝資源へどのようなインパクトを与えているか検討が必要だろうと考えています。

 また、スライドの右下に赤囲みしてありますが、有明海の奥部に似たような環境があります八代海の北部でも実は貧酸素が発生しているというのがこの調査で分かってきております。

 次、お願いします。生物への影響を評価する手法の具体例です。例えばタイラギの初期稚貝が貧酸素に最も弱いということが室内実験で判明しておりまして、DOが3.1mg/L以下、これが96時間継続しますと、半数の個体が死亡してしまいます。これを一斉観測の結果と照らし合わせ、さらには継続時間を面的に推定することができれば、例えばこの範囲にはタイラギがこの年は生息できないような空間があったというようなことが評価できるということです。こういった貧酸素の観測だけではなく、生物への影響評価を推定していくというのも、二枚貝資源の減少を解明する上で重要な取組ではないかと考えております。

 次、お願いします。スライドの16から19にかけて貧酸素の予察技術に関するスライドを貼っておりますが、時間の都合上、説明を割愛いたします。16ページから19ページまではお手元の資料で御確認いただきたいと思います。

 まとめのスライド20です。前回委員会報告後に新たに判明した結果を示しております。繰り返しになりますけども、干潟縁辺域の貧酸素の経年変動というのは、河川からの出水、それに伴う密度成層の形成による低層潮流振幅の変化、これに依存する可能性が高いということを示しております。それと、沖合域の貧酸素の経年変動は、この密度成層のみならず、月の昇交点運動を考慮した潮汐振幅の長期変動、これでも説明できる可能性があると考えています。

 説明は以上になります。

○樽谷委員長 ご報告ありがとうございました。

 それでは、続きまして、タイラギに関する4県協調の取組につきまして、農村振興局の松宮課長補佐より説明をお願いいたします。発表時間は10分程度でお願いします。

○松宮課長補佐 農村振興局の松宮でございます。私からは、タイラギに関する4県協調の取組として、タイラギの浮遊幼生調査の結果を報告します。

 それでは、1ページ目を御覧ください。概要でございます。有明海では、母貝の減少による浮遊幼生の発生量低下と稚貝加入量の減少が資源量減少の要因の一つと考えられています。  

このため、母貝の資源保護の取組や浮遊幼生の着底場における底質環境改善の取組を効果的に進めることができるよう、有明沿岸4県と国が協調し、西海区水研、現水産技術研究所になりますが、この技術指導を得て、平成27年度からタイラギの浮遊幼生調査を実施しているところです。今回は、平成27年度から平成30年度までの4か年の調査結果をまとめて報告します。

 調査の概要です。平成27年度から3か年と、平成30年度からの調査地点数を下の左側、表や図に示しています。調査時期や頻度は同じですが、平成30年度以降、調査地点数はそれまでの3か年の調査結果を踏まえ、各県、主要漁場近傍で定常的に浮遊幼生が観測された場所に絞って調査を実施しているところです。4年間で各県、48回の調査を実施し、4県合計で2,400を超える試料の分析をしているところです。

 調査分析の流れは右側記載のとおりで、目幅58µmのネットで表層、中層、底層の3層、または水深が7メートルより浅い箇所については2層で、エンジンポンプを用いて揚水し、試料採取をしています。

 2ページ目は、タイラギの浮遊幼生について、表のとおり成長ステージ区分をしています。

 3ページ目は、各年度の浮遊幼生の出現状況を取りまとめています。次ページ以降に図や表を掲載しているので、それらを見ていただきながら説明します。

 4ページ目は、有明海の地図に円グラフで各調査地点における浮遊幼生の出現状況を記載しています。6月から9月に実施した計12回の調査結果を合計した浮遊幼生数を表しています。平成27年度からの3か年は22から24地点の調査を実施していますが、平成30年度の調査地点数に合わせて11地点のみを記載しています。全地点の調査分については、8ページ、参考資料として掲載していますので、後ほど御覧ください。また、図中に分析個体数を表記しており、5ページの表に各地点の分析個体数を掲載しています。浮遊幼生の出現状況ですが、平成27年度は有明海湾奥部で浮遊幼生が確認され、平成28年度から平成30年度は概ね全域で浮遊幼生が確認されています。

 5ページ目について、平成27年度は、出現の密度が低く、佐賀-5が最大で、1㎥当たり7個体、11地点合計で17個体となっています。同様に、平成28年度は福岡-2が最大で40個体、合計で93個体、平成29年度は熊本-7が最大で28個体、11地点の合計は66個体となっています。また、平成30年度は、佐賀-1が最大で42個体、合計158個体となっており、地点間、年度等による変動があるが、全体的には増加傾向にあると思っています。表には記載していませんが、令和元年度の調査結果が概ね取りまとまってきています。長崎-6が最大で18個体、合計で117個体になっていました。また、令和2年度については、調査中ですが、6月下旬の調査において、長崎-1で、1回の調査で底層1層分ですが、88個体の浮遊幼生を確認しています。佐賀-5、長崎-6でも40、50個体、これは2㎥、3㎥の値であるが、比較的多い浮遊幼生を確認しており、母貝団地造成の効果が少しずつ出てきているのかと推測しているところです。地点毎に見ると、有明海湾奥部の福岡県沖、福岡-2、佐賀県沖、佐賀-1、諫早湾、長崎-1、有明海中央東部の熊本県沖、熊本-6で浮遊幼生が多く出現する傾向でした。

 6ページは、経旬変化を掲載しています。平成27年度は明確な発生ピークはなかったものの、平成28年度以降は有明海における浮遊幼生の発生ピークは旬ごとに見て、年によって月は異なるが、1回から2回のピークが見られていると思っています。

 7ページは、今、説明した内容をまとめて記載していますので説明は割愛をさせていただきます。

 8ページ以降は、参考資料です。時間のある際、御覧ください。

 私からは以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、アサリの生息環境の評価法の検討につきまして、水産庁の楠課長補佐より説明をお願いいたします。こちらも、発表時間10分程度でよろしくお願いいたします。

○楠課長補佐 水産庁研究指導課課長補佐の楠と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 当方からは、昨年1月に開催されました第4回の小委員会におきまして、各地域の特性に応じた有明海の漁場環境改善実証事業の取組について説明させていただいた際に、委員からいただきました御指摘とその検討状況につきまして、追加的に御説明をさせていただきたいと思います。

 それでは、次のスライドをお願いいたします。前回におきましては、実証試験漁場の環境調査の底質に係るデータからSIモデルやHSIによる評価を行いまして、その結果を図のようにお示しをさせていただきました。それに関しまして、委員から、下の枠囲みのようにいただいております。まず1点目として、①SIモデルにつきましては、底質項目のSIのみで評価するのではなく、例えば塩分濃度などは直接影響してくるので検討するべきではないかという点でございます。2点目といたしましては、HSIの算出式につきましては、単なる掛け算で評価されておりまして、1項目がゼロになるとHSIがゼロになるといったことから、そういう方式をさらに検討すべきではないかといった点でございます。

 次のシートを御覧いただきたいと思います。ここでは、この事業でHSI評価に取り組んできた目的について、まずは御説明をさせていただきたいと思います。この事業は、有明海のアサリの生産性向上のための技術開発を行うことを目的としておりましたので、開発中の技術の効果的な導入場所の検討、それからその効果を適切に実証するための手法の検討が必要でございました。下の1点目にお示ししておりますように、HSIは生息場の環境を0から1で評価する指標で分かりやすい。また、その2点目にお示しいたしましたように、HSIはアサリの生息環境に関係する環境要因の評価指標であるSIを利用して求めますので、3点目にございますように、底質、干潟の地盤など、そういった要因が複合的に影響する有明海のアサリの生息環境を評価する手法としては適当ではないかというふうに考え、この検討を進めてまいったところでございます。

 次のシートを御覧いただければと思います。これまでのこの事業で取り組んでまいりましたHSI評価の内容を示しております。まず、1点目にございますように、SI算出に利用可能なSIモデルの検討を行っております。主にシルト粘土分、中央粒径、含水率、強熱減量、COD、全硫化物といった底質項目を中心にいたしまして、前回の委員からの御指摘も踏まえつつ、水質項目も検討過程で追加してまいったところでございます。また、HSI算出に当たりましては、各SIの積で示す方法、SIのうち最小の値をHSIとして採用する方法、SIの相加平均や相乗平均で示す方法などが考えられますが、今回はアサリの生息状況を示すデータと最も適合する積法を採用いたしまして、前回の報告で御説明をさせていただいたところでございます。

 次のシートを御覧いただければと思います。前回の御指摘を受けた点を踏まえて、検討状況を御説明させていただきます。まず、最初のページで御説明しました委員からの御指摘を踏まえまして、まず、HSI算出式に利用するSIを底質のみに限定せずに、水質や物理環境の項目も利用できないか見直しを図りつつ、さらにその中でも特に重要な因子の選択と重みづけなども併せて行い、アサリの生息状況により適合した算出式となるよう検討を進めているところでございます。また、成貝や稚貝ごとのSIの相違なども踏まえまして、成長段階に応じた適切なHSI算出方法も検討しているところでございます。まだ検証中のところでございまして、具体的なデータでお示しすることができませんが、例えば、右図を御覧いただければ、低塩分の出現率、それから粗砂の比率といったSIでは、イメージ図のような稚貝や成貝の差異が見られそうだといったことで、さらにデータの精査を進めているところです。今後、これらのことについて検討を進めまして、結果を取りまとめていく予定でございます。

 以上、私からの説明を終わらせていただきます。

○樽谷委員長 検討状況のご報告、ありがとうございました。

 それでは続きまして、有明海奥部におけるCODによる餌料環境とその長期変動の推定について、こちらは事務局より御説明をお願いいたします。

○横内補佐 環境省です。有明海奥部におけるCODによる餌料環境とその長期変動の推定について報告いたします。

 次、行きまして、今回はタイラギの餌料環境の長期変動を把握するためのボックスモデル解析による検討と餌料環境の指標としてCODを用いたときのタイラギ生残率との関係について検討しましたので、御説明いたします。

 次に、ボックスモデルの解析について、有明海奥部のうち主要な四つの流入河川のあるBOX1のエリアとそれ以外の湾口側のエリア、BOX2の二つに設定しております。浅海定線調査と国交省の水文水質データベースを用いて解析を行いました。

 次、お願いします。ボックスモデル解析に入る前に、BOX1におけるCODの経年変化についてお話しします。こちらは、各月におけるCODの11年移動平均での経年変化を示しております。11年移動平均というのは、ある年を中心として、前後5年間のCODの値を平均した値になります。赤枠の部分が夏季の状況です。CODが年々増加している一方、他の季節では1990年代以降、減少傾向にあります。このため、今回のボックスモデル解析では、夏季とその他の季節に分けてCOD濃度変動の要因について解析を行いました。

 次、お願いします。こちらがボックスモデル解析の流れを示しております。まずは、海水交換量qを算出しまして、その後、内部生産量のRを算出しております。10年スケールの変動を調べるため、先ほどのCOD経年変化と同様、11年間の平均について計算しております。

 次、行きます。夏季のBOX1におけるCOD増加要因としては、こちらに示す(1)から(4)が推定され、ボックスモデル解析によりどれが要因であるかを検討しました。

 BOX1における夏季のCOD収支の経年変化を示します。1980年代から1990年代に注目しまして、まずはCODの初期値、1986年から1988年で増加したものの、その後は減少しております。内部生産は増加傾向で、ここでは内部生産の値がマイナスになっていることについては後ほど説明いたします。海水交換によるCODの流出量は増加し、移流による流出量は横ばい、陸域からの負荷も横ばいでした。これらのことから、CODの流出量は増加しているにもかかわらず、夏季のCODが増加傾向にあった要因として、内部生産の増加が考えられました。さらに、このことは、BOX1において、①有機物の生産自体が増加、または②有機物の消費量が減少、あるいは①と②が同時に起きていることが考えられます。

 次に、ここで先ほどの夏季の内部生産がマイナスを示す理由について御説明します。本モデルで使用している陸域からの負荷量は、スライドの右下の図の筑後大堰より上流の地点の値です。夏場の出水では、河道感潮域から大量の懸濁物とともに有機物も海域に流入しますが、本モデルではこの河道感潮域起源の有機物量を評価できていませんので過小評価になり、内部生産がマイナスとなります。しかしながら、経年変化における内部生産のトレンドを見ることは可能ということであります。

 続いて、夏季以外の季節におけるCOD減少要因について解析しました。こちらはBOX1の内部生産の経年変化を示しております。青枠で囲っている部分について、減少傾向にあることが示されています。このことは、秋から春の基礎生産量が低下した可能性を示唆していると考えられます。

 続きまして、秋から春の基礎生産量の低下が示唆されたことにより、タイラギの餌料環境の悪化が考えられますが、有明海では餌料環境の指標であるクロロフィルaの長期データがないため、ここではCODを餌料環境の指標として解析できないか検討しました。浅海定線調査測定のうち8点、図の赤丸のところになりますが、について採水・分析し、CODとPOC、クロロフィルaの関係を解析しました。

次、BOX1における平均のCODとクロロフィルa、CODとPOCの関係について示しております。いずれも弱いながら有意な正の相関を示しています。このことから、CODを餌料環境の指標としてみなせる可能性があると考えられます。

 さらに、餌料環境としてCODとタイラギの生残との関係について検証を試みました。こちらでは、佐賀県のタイラギ55点調査データのうち、着底回数が概ね5回以上の海域を高頻度着底海域として選定し、タイラギの生残率の変化について解析をしました。

 次に、タイラギの生残率の変化について示します。1998年以降、生残率は減少傾向にあることが分かります。このタイラギ生残率の変化と餌料環境とのCODとの相関を検討し、どの時期のCODが最も影響があるか解析をしました。

 解析の結果をこちらに示しています。図の見方について、縦軸がCODの平均値の開始月で、横軸が平均の期間となっています。例えば、開始月を10月、平均期間を3か月としたところでは、10月、11月、12月のCOD値を平均したものとタイラギ生残率との関係を示したものとなります。その相関係数について色づけをしております。この図から、秋から冬に正の相関があり、かつ、秋から春のCODが減少傾向にあることから、タイラギ生残率の減少には餌料環境の悪化が要因の一つとして示唆されると考えられます。

 まとめです。有明海奥部において、夏季のCODは年々増加する一方、秋から春季は1990年代以降、減少傾向である。夏季のCOD増加は内部生産の増加より生じ、基礎生産の増加、または植物プランクトンの捕食量の減少、あるいはそれらの複合が要因として推察された。秋から春季のCOD減少は内部生産の減少により生じ、基礎生産の減少が示唆された。CODとクロロフィルa、POCとの間には弱いながらも有意な正の相関があり、CODを餌料環境の指標と仮定し、タイラギ生残率との関係を解析した。その結果、1998年以降のタイラギ生残率は秋から冬季のCODと正の相関があり、餌料環境の悪化がタイラギ生残率減少の要因の一つである可能性が示唆されたものと考えられる。

 説明は以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 以上の議題2で御説明をいただきました有用二枚貝に関する4題の御報告につきまして、御意見、御質問等ございましたら承りたいと思います。何かございませんでしょうか。

 それでは、山本委員から質問等、よろしくお願いいたします。

○山本委員 山本です。

 資料5について質問させていただきたいのですが、このタイラギ幼生の調査、非常に情報量が多くて、良いデータになったなと思っているんですけれども、幼生のステージのデータを取っているので、これを重ねていくと、D型幼生というのはどこでそれが生まれたかということをある程度は示唆して、一番最後のステージの幼生の分布を見れば、最終的にはそれが成貝というか、着底稚貝になるということを予想、その分布を予想できると思うのですが、平成27年度のデータで、ステージ別に分布を出しておられて、その分布がさらに平成30年度に向けてデータ数が増えているので、どうなるのか非常に興味深く、スライドの4枚目のタイラギ浮遊幼生の出現状況というのを、これをステージ別に記載してもらうと例えばどういうことになるのでしょうか、あるいは8ページの図でもいいのですが。

○松宮課長補佐 農村振興局です。すみません、先生、この有明海の図面の円グラフのところに、ステージ別に表記したらどうなるかということでしょうか。

○山本委員 はい、そうです。特定のステージのものだけプロットするとかステージ別に入れてみるとか。

○松宮課長補佐 今、手元に資料がないので、お答えできませんが、ステージ別には調査をしていますので、ステージ別のプロットは可能です。ただし、10ページを見ていただきたいのですが、記載のとおりステージ別で調査していますので、これを円グラフに落とすという形になると思います。この調査で、平成30年の7月の中旬に、フルグロウンが福岡-3で見られていますが、これ以外は、フルグロウン幼生が観測できていない状況です。底層、中層、表層、3層で採取していますが、フルグロウン幼生は、底層にいると思われます。底層は海底から1mのところで揚水をしており、そのような関係もあって、もしかしたらフルグロウン幼生が観測できてない状況があります。いずれにしろ、図面に整理して、どのような傾向にあるかを検討したいと思います。

○山本委員 ありがとうございます。

 一つだけ確認させてください。ステージのデータは、サンプリングされたほぼ全てのステージ毎のデータがあるという理解でよろしいですか。

○松宮課長補佐 はい、全てのデータが調査回毎にあります。

○山本委員 はい、分かりました。

 もしよろしかったらちょっとそのような解析をお願いします。ありがとうございます。

○松宮課長補佐 はい。

○樽谷委員長 それでは、山室委員、御質問等、よろしくお願いいたします。

○山室委員 資料6について、私が今回、この委員会に初めて出るので、よく分からなかったので教えてください。

 この資料6の最初のところに、成貝、稚貝と、今回調べられたシルトとか強熱減量との関係があるという前提で、モデルというか、このHSIというのをつくろうとされていると理解したんですけれども、こういう指標をつくるときによくやるのは、まず独立変数を幾つか並べて、従属変数として目的のものを入れて、例えばこの場合でしたら、稚貝の個体数なり、成貝の個体数になると思うんですが、それが互いに影響のない独立変数のどれによって一番よく説明されるかというのを、例えばステップワイズ法を使った重回帰とかをして決定すると思うのですが、これを見ると、そんな感じじゃありません。まずそのHSIというものが出てきたときに、それは一体何を示す指標であって、それによって、この稚貝とか成貝がどれぐらい生息できると予測できるものなのか理解できませんでした。一番分からなかったのは、例えば強熱減量とCODは、通常、相関が強いので、こういうものをどちらも並べるというのがそもそもどうなのかという点です。私が今までやってきたいろんな手法とはかなり異なりますので、基礎的なところで申し訳ないのですが、その辺り教えていただけますでしょうか。

○楠課長補佐 お答えいたします。

 まず、5ページ目の図を見ていただきたいのですが、実は前回、1ページ目にありますような、シルト粘土分とか、強熱減量とか、硫化物、中央粒径、含水率といったようなものにつきましては、このようなSIのグラフを作っておりまして、このような分析を踏まえた上で、HSIの積法による算出で出した結果が、こちらの図表になっております。

 御指摘いただいたように、このどの項目について重みづけをするかとか、その計算式につきましては、前回の先生の指摘もいただいているところでございまして、現在その5ページにございますような、HSI算出式を利用するSIというのを具体的に、より適切に出すためにはどうしたらよいか、その中でも、特に生態の中で重みのある部分について重みづけを行うべきなのかとか、あるいはその算出式につきましても、全て掛ける方法でいいのか、それとも、別の方法がいいのかといったようなことも含めて検証中のところでございます。まだ具体的な検討のところでございますので、そういった結果がお見せできないんですけども、全体、各項目につきまして、そういうSIのグラフをお見せした上で、HSIの分布図という形でお出しをしているという状況でございます。以上でございます。

○山室委員 このSIを出すまでにどういう統計を使ったかとか、どういう式を使ったかとか、そのときの相関係数や危険率は幾らかとか、そういったデータがないと、見せられても妥当性を評価できませんが、この辺りはどうですか。

○楠課長補佐 その点につきましては、今こちらで、具体的なデータの持ち合わせがございませんので、明確に申し上げることはできませんけども、今回いただきましたような御指摘もいただきまして、検討を進めていきたいというふうに思っております。

○山室委員 ありがとうございます。せめて、何年から何年の、これだけ分の塩分データ使ったとか、CODデータを使ったとか、それに対して何年から何年の、いつのアサリ稚貝とか、アサリを使って、これぐらいこの指標によって説明できましたというのを見せていただかないと、この指標の有効性を私は全く評価できないでいますので、そういう基礎的な統計データもきちんと出した上で次回は御説明していただけると、こちらも評価しやすいかと思います。

○楠課長補佐 いただきました御指摘も踏まえつつ検討を進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。

○山室委員 よろしくお願いいたします。

○樽谷委員長 ほかにございますか。

 それでは、速水委員、質問等よろしくお願いいたします。

○速水委員 それでは、速水です。資料5について質問させてください。

 二つほどあるのですが、今回のこのデータ、非常に貴重なものですが、これと、現在のように連続休漁になる前の比較的、タイラギの漁獲があった当時のデータとの比較ができるようなものはあるのでしょうかということが一つ。

 それから、もう一つは、母貝団地の効果について、実際に産卵して幼生供給につながっているという、そういう証拠はあるのかどうかという、この二点教えてください。

○松宮課長補佐 農村振興局でございます。

 まず1点目のタイラギが禁漁になる前の浮遊幼生量のデータについてですが、平成29年の報告書にも浮遊幼生量が載っていたのではないかと思いますが、記憶が定かでございません。

 2点目については、母貝団地について、平成30年度から本格的に造成を開始しています。成熟も定期的に観測をしているところで、各県からは成熟をしていたという報告も受けていますので、産卵をしていると考えています。以上です。

○速水委員 分かりました。特に夏季のデータについては、ここ3年ほど増えてきているという評価をされているわけですが、それがどのくらい意味のある増え方なのかということを評価することにも関係するので、昔のデータがあればぜひ並べて紹介していただければと思います。よろしくお願いします。

○樽谷委員長 ほかにございますか。

 それでは、古賀委員からよろしくお願いいたします。

○古賀委員 資料7について質問です。

 結論から言うと、13ページの生残率の減少がCODの減少、つまり餌料環境の悪化が影響したということが示唆されるという図がありますけども、ちょっと分かりません。前提条件として申し上げたいのは、まず、確かにCODとクロロフィルaというのは相関があると思いますが、タイラギの餌料というのは珪藻ばかりではありません。要は有機懸濁物とかそういうのも摂っているはずです。だから、そういう部分がないデータを用いていいのかということ。もう一つは、12ページの生残率が減少しているというデータがありますけども、この減少率というのは稚貝の数と翌年の成貝、1年経った後の成貝の発見数ですよね?減った原因というのはこの海域では貧酸素は確かに少ないかも分かりませんけども、少なくとも食害とかの被害が多い海域です。そういう1年の間でいろんな明確な減少要因がある中で、ただ単に生残率の減少と、餌料環境といいますか、CODを直接結びつけるのはどうかと考えます。ということで、この13ページの結論については、もう少し検討が必要ではないかなというふうに考えました。以上でございます。

○樽谷委員長 ありがとうございます。

○中野室長 環境省ですけども、先生がおっしゃるとおりでして、タイラギの生残率の低い原因については、餌のみならず様々な要素があるというのは、これまでも言われてきたところですが、少なからずどの要因が効いているのかですとか、そうした定量的な分析ができないものかと、いろいろと試行錯誤していく中で、ひとつCODに注目して、餌環境と、仮にこれを置けるぐらいの相関がクロロフィルaなどからあれば、そのトレンドを見てみたいというのが、今回の試みの一つでございまして、これ一つを取って餌環境が悪くなって、タイラギの生残率が減少したという断言はもちろんできないと思います、ただ可能性の一つとして言われているもののうち、餌環境もやはり多少傾向があるものは見受けられたのではないかということでございます。

 今後のことにつきましては、先生おっしゃるとおり、様々な要因を複合的に評価できると一番いいのですが、それを単一的に、項目で着目したときの解析ですとか、またいろいろなデータが集まった中で、そうしたトレンドを出せるかどうかというのは引き続き調査してみたいと思いますが、まず今まである、我々で解析できる材料の中から一つ取り出して検討してみたといったところまでで、今の状況でございます。ですので、今後は先生のおっしゃるとおり、さらなる検討ですとか、他の原因を説明できる説明変数があったりするのかですとか、そうした調査が必要だと考えております。以上です。

○古賀委員 分かりました。増減については、もうちょっと検討していただければと思います。以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございます。

 ほかに御質問等ございませんでしょうか。

 それでは、川原委員からよろしくお願いいたします。

○川原委員 先ほど(1)の議題で、岩渕委員から御質問があった件、どのタイミングでお答えしたらよろしいでしょうか。もしほかに御質問、この(2)でなければ、お答えさせていただければと思っていますが。

○樽谷委員長 分かりました。それでは、ここで承りたいと思います。

○川原委員 ありがとうございます。先ほど岩渕委員から御質問があった、2018年度の佐賀県における施肥の実施時期でございますが、この年は、1月上旬からスケレトネマの発生によりますノリの色落ちが起きてしまったこともありまして、1月中旬から2月の下旬ぐらいまで、佐賀県で施肥を実施しております。その際は、週に2、3回ほどモニタリングを行いまして、スケレトネマの増殖状況とかそういったものを把握しながら施肥を実施したという状況でございます。以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 岩渕委員、よろしいでしょうか。

○岩渕委員 分かりました。もしよろしければ、プランクトン、のり時期の珪藻プランクトンの発生に関しては、特に発生の動態については問題ないと思いますが、それが消滅している、衰退していくということに関しては、やはり施肥の影響というのはどの程度あるのかなというのに関して検討が必要かなと思いますので、この年に限らず、どういう時期にどの程度の施肥が行われたかという情報につきましては、可能であればお示しいただきたいと考えております。以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 佐賀県さんにデータを御提供いただけるようでしたら、その点も含めて今後検討を進めていければと考えています。よろしくお願いします。

○川原委員 佐賀県です。

○樽谷委員長 はい。

○川原委員 佐賀で施肥を実施する際には、学識経験者の方も入っていただいている協議会でその実施の判断をしておりますし、施肥の実績についても集計したものもございます。ただ漁協が取りまとめを行っておりますので、そちらとも確認しながらお答えできるところはしていきたいと思います。

 もう一つ、この年の施肥実施後のスケレトの動向につきましては、たしかこの年は、スケレトが発生している現場海水を汲んでまいりまして、その現場海水に施肥をし、室内での培養をセンターで行っておりまして、増殖が見られないということの確認をしております。以上でございます。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 それでは、ほかにございませんでしょうか。

(なし)

○樽谷委員長 それでは、議題2につきましては、ここで終了とさせていただきます。ありがとうございました。

 それでは、続きまして、議題3、海域環境に関する調査の情報収集等に移らせていただきます。

 ここでは、有明海南部海域及び八代海における藻場・干潟分布状況調査につきまして、事務局より御報告、御説明をお願いいたします。

○横内補佐 環境省です。それでは、有明海南部海域及び八代海における藻場・干潟分布状況調査の結果について御説明いたします。

 有明海・八代海における藻場・干潟の分布状況については、平成10年度以降、把握されていないことから、環境省では、広範囲を効率よく、かつ定量的に把握することができる衛星画像の解析手法を用いて、藻場・干潟の有無の分析をすることにより、有明海・八代海における藻場・干潟の分布調査を平成30年度、31年度の2か年間、調査を実施したところでございます。平成30年度には有明海北部海域、31年度には有明海南部海域と八代海を対象に調査を行いました。平成30年度の調査結果については、第3回の小委員会で報告したところでございます。今回は、昨年度行いました有明海南部海域と八代海の調査結果を中心に、藻場・干潟の状況について御説明いたします。

 表紙の次のページ、まず左の図ですが、有明海・八代海等を再生するための特別措置に関する法律の有明海・八代海等の海域の図になります。それから、右側の図になりますが、ピンク色の線で囲まれた対象海域①が、有明海の南部海域になります。

 続きまして、2ページに行っていただきまして、右下の図の黄色の線で囲まれた対象海域②のところが、八代海になります。

 続きまして、3ページに行っていただきまして、調査方法についてです。広範囲を効率的かつ定量的に調査を行うことができる衛星画像による解析手法を用いて調査を実施しました。本調査では、画素ごとに藻場・干潟の有無を分析するもので、従来のヒアリングなどと比較して、より詳細に分布域を抽出することが可能となっております。

 まず、このページの右側の図に、ヒアリング調査の特徴とありますが、既往調査といたしまして、漁業関係者や学識経験者などにヒアリングを行い、地図上に藻場・干潟の分布域を描画するものです。この緑で描かれた分が、ヒアリングにより分かった分布域のイメージになります。今回の衛星画像を用いたものが左側でございまして、画素数が3m×3mということで、画像解析により詳細なデータが得られることとなっております。

 続きまして、4ページに行っていただきまして、衛星画像解析による藻場・干潟の面積についてです。以下の表が衛星画像解析の結果になります。30年度に行った有明海北部の結果も表に加えて、有明海の合計を出しております。藻場につきましては1,456.8ha、干潟が1万8,799.3ha、八代海においては、藻場が2,385ha、干潟が4,992.4haとなりました。

 続きまして、5ページに行っていただきまして、衛星画像解析による藻場・干潟の分布についてです。平成30年度に調査した有明海北部の調査結果も含まれた図になります。

 左側が藻場の分布図になります。緑色の部分が藻場になります。右側が干潟の分布範囲の図です。黄色の部分が干潟になります。

 続きまして、6ページに行っていただきまして、藻場・干潟の面積の状況として、既往のヒアリング調査結果との比較についてです。先ほど調査手法のところで御説明しましたように、過去は、実際に地図の中に藻場や干潟の位置を描いて、ヒアリングにより行うということで実施しておりました。平成30年度から31年度の調査においても、過去の調査と対比するために、衛星画像を用いた手法とは別に、既往の調査と同じヒアリング調査の方法を用いて行っております。

 今回の結果から面積を算出して既往の調査と比較した結果が、下の表になります。有明海と八代海について、平成30年から31年度のヒアリング調査結果では、既往の調査と比べましたところ、藻場については約15%増加しております。また、干潟については約5%増加しております。

 7ページ以降につきましては、衛星画像による調査方法の参考ということで掲載しておりますので、説明は省略させていただきます。

 以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 ただいまの事務局からの御報告につきまして、御意見、御質問等がございましたら承りたいと思います。何かございませんでしょうか。

 それでは、山本委員から御質問等よろしくお願いいたします。

○山本委員 ありがとうございます。山本です。簡単な質問を一つだけ。

 6ページの表は、平成9年と30年のヒアリングの結果ですけれども、これを衛星解析と対比はできないのかと。さらに言うと、面積だけじゃなくて、大体この辺とかそういう情報も含めてという御質問です。

○横内補佐 環境省です。ヒアリングの調査につきましては、有明海全域を調査の対象としていませんので、既往の画像、有明海全域の状況を示している衛星画像解析と対比することはできない状況です。

○山本委員 すみません、何というか、全部が対比できなくても、特定のエリアでヒアリングを行っていて、そのエリアで実際に画像解析からデータを出した場合と、ヒアリングでデータを出した場合、あるいはヒアリングも、一応、多少なりとも空間的にこの辺という情報いただいているでしょうから、その情報と画像解析の情報というのちょっと何らかの形で、ヒアリング情報があるブロックなりなんなりだけを切り出してやることはできないですか。

○中野室長 すみません、環境省ですけども、そのようなことも取り組んでみたいと思います。今回の調査で重要なのは、ヒアリング調査はかなり大がかりに、いろんな方にお話を聞いたりする調査の仕方をするので、かなり労力も時間もかかって、高頻度で行える調査じゃない、前回の調査が20年前ほどになりますので、それを何とか最新の技術で、より効率的にできるやり方として、別な物差しで行っている調査でございます。なので、単純に同じ数字として扱いは、するのは難しいかもしれませんが、今御指摘いただいたとおり、ヒアリングを行ったエリアを特定のエリア、標本として用意して、そこを比較するなどの検討はやってみたいと思います。以上です。

○山本委員 それぞれのやり方で出てきた結果をどういうふうに解釈するかという部分があります。それで、過去のものについては、特にそのヒアリングのデータなりなんなりを、変化を見るときにどう解釈したらいいかという意味でも、ぜひお願いします。ありがとうございます。

○樽谷委員長 ほかに何かございますか。

(なし)

○樽谷委員長 それでは、以上で議題3を終了させていただきます。御議論ありがとうございました。

 それでは、続きまして、議題4、小委員会における情報の収集・整理・分析の実施状況について、に移りたいと思います。

 有明海・八代海等総合調査評価委員会におけます審議の進め方におきましては、毎年度小委員会で行った議論でありますとか、作業の結果を評価委員会で審議をすることとなっております。このために、事務局において作成しました評価委員会へ報告するための令和元年度からの小委員会の実施状況を取りまとめた資料が、資料9となります。この資料につきまして御審議をいただきたいと思います。

 それでは、まず初めに、事務局から簡単に概要を御説明いただきたいと思います。

○横内補佐 環境省です。そうしましたら、小委員会における情報の収集・整理・分析の実施状況について、水産資源再生方策検討作業小委員会について御説明いたします。

 表紙をめくっていただきまして、資料の経緯についてです。第1回から第3回の水産資源再生方策検討作業小委員会及び海域環境再生方策検討作業小委員会において、今後の情報収集等の具体的な作業方針を決定しており、これを踏まえ、第4回と第5回の水産小委において情報収集を行っているところです。本資料については、小委員会で行ったことを評価委員会へ報告するために、環境省において小委員会の資料を基にまとめたものになります。

 次のページをお願いします。小委員会の作業方針について、小委員会の作業分担として、水産小委の情報収集・整理・分析では、水産資源と漁場環境を行うこととなっております。また、水産小委の主な検討事項の作業分担では、有用二枚貝、ノリ養殖、魚類等について行うこととなっております。

 次のページをお願いします。水産小委における情報収集等の状況についてです。第44回水産小委が、昨年の11月開催され、各関係機関から6項目の報告がありました。それから、第5回水産小委について、先ほど関係機関から7項目の報告がありました。

 次のページをお願いします。6ページから7ページは、第4回水産小委で環境省から有明海におけるタイラギの生残・成長要因の検討結果の報告です。浮泥に関する検討やタイラギ移植実験による小型捕食者の検討を行っております。

 検討結果として、浮泥層厚は、有明海奥部西側から中央で高く、東側で低い傾向、既往の知見により、東側がタイラギ稚貝によい環境であることが示唆されたということなどです。

 今後の課題として、浮泥の濁りや堆積がタイラギの生残・成長等に与える影響に係る検討などです。

 8ページから9ページについては、西海区水産研究所の有用二枚貝に関する資料の収集・整理・分析状況のアサリの報告です。福岡県、長崎県、熊本県の取組として、アサリ資源の現状に関する調査などが行われております。

 アサリ資源の現状、変動要因のまとめとしては、2009年以降、過去最低レベルの漁獲量が続いているが、2017年には福岡県海域を中心に、漁獲量の回復が見られたことなどです。

 今後の課題として、アサリ漁場の底質はアサリの生息に不適なほど広範囲に泥化しているとは判断されず、資源減少の要因が不明瞭であることなどです。

 続きまして、また、アサリ資源と再生に関する取組のまとめとしては、福岡県、長崎県において覆砂、移植などを用いた資源再生に取り組んでおり、一部では効果が見られております。

 今後の課題としては、覆砂による底質改善は、浮遊幼生や定着稚貝の特性及び海域環境に応じた改善策が必要であることなどです。

 10ページから11ページについては、西海区水産研究所の有用二枚貝に関する資料の収集・整理・分析状況のタイラギの報告です。福岡県、佐賀県の取組として、タイラギの稚貝から成貝期における大量死の調査などを行っております。

 タイラギの減少要因に関する新たな知見の取りまとめとしては、大量死は引き続き発生しており、発生時期や要因は異なると推察されることなどです。

 タイラギ減少の要因に関する今後の課題としては、エイ以外の食害生物の長期的な資源変動が不明瞭であることなどです。

 続きまして、12ページから13ページにつきましては、農林水産省農村振興局のアサリに関する4県協調の取組の報告です。アサリの浮遊幼生調査やアサリの浮遊幼生ネットワークの形成に向けた取組を行っております。

 浮遊幼生調査結果のまとめとしては、浮遊幼生は、春季、秋季ともに有明海全域で確認されており、特に湾奥の福岡県沖、中央東部の熊本県沖で多かったことなどです。アサリの浮遊幼生ネットワークの推定結果としては、主要なアサリ漁場と産卵場、着底場が一致する結果となったことなどです。

 今後の課題としては、熊本県の網田や川口の母貝団地管理のあり方の検討が必要ということです。

 14ページについては、水産庁の各地域の特性に応じた有明海の漁場環境改善実証事業の報告です。アサリ母貝の保護など、漁業者が自ら実施可能な技術開発や実証試験、各実証試験場の環境調査を実施しており、まとめとしては、環境調査では、HSI等による実証漁場でのアサリの生息環境を評価していること、また、実証試験では、離底型かご飼育、被覆網など生残率向上等の有効性を確認したことなどです。

 今後の課題としては、生息環境を底質のみならず、水質などの調査結果を利用して評価することなどです。

 続きまして、15ページについては、水産庁のタイラギ種苗生産・放流・移植技術についての報告です。タイラギの種苗生産、母貝造成の取組やアゲマキ、ウミタケの種苗生産や放流の取組を行っており、まとめとしては、タイラギの人工種苗生産は、福岡県で4,000個、佐賀県で9,000個、長崎県で387個の着底稚貝の生産に成功したことなどです。

 今後の課題としては、タイラギの人工種苗生産の安定が必要です。

 16ページにつきましては、ここからは第5回の小委の概要になります。環境省の有明海奥部におけるCODによる餌料環境とその長期変動の推定についての報告です。餌料環境の指標としてCODが適切か検討しております。まとめとしましては、CODとクロロフィルa、POCの間には弱いながらも有意な正の相関があり、CODを餌料環境の指標として仮定し、タイラギ生残率との関係を解析しました。その結果、1998年以降のタイラギ生残率は、秋から冬季のCODと正の相関があり、餌料環境の悪化がタイラギ生残率減少の要因の一つである可能性が示唆されました。

 17ページにつきましては、環境省からの有明海南部海域及び八代海における藻場・干潟分布調査結果の報告です。衛星画像解析により藻場・干潟分布図を作成、藻場・干潟のヒアリング調査結果と既往の調査結果の比較を行っており、衛星画像解析による藻場・干潟分布図等を掲載しております。

 18ページから19ページについては、水産研究・教育機構のノリ養殖に関する資料の収集・整理・分析状況の報告です。有明海のノリ色落ち原因の赤潮のユーカンピアゾディアクス、スケルトネマ属、アステリオネラの発生のメカニズムの解明、予察技術の開発について検討を行っております。

 新たに蓄積された知見として、ユーカンピアについては、広域モニタリングから出現特性を把握したことなどです。

 今後の検討課題としては、ノリ養殖に最も影響の大きいユーカンピアについて、初期発生期の動態についてさらなる知見の蓄積が必要であることなどです。

 20ページについては、水産研究・教育機構の魚類に関する資料の収集・整理・分析状況の報告です。シャットネラ属、珪藻類の出現特性の調査、八代海におけるシャットネラ赤潮の晩期化要因の推定などを行っており、夏場の鞭毛藻赤潮に関するまとめとしては、有明海におけるシャットネラ赤潮は、珪藻類が衰退した隙間で発生していることが判明したことなどです。

 今後の検討課題としては、短期動態予測の基礎情報として、衰退機構の解明が必要であることなどです。

 21ページについては、水産庁の二枚貝養殖等を併用したノリ色落ち軽減技術の開発の報告です。二枚貝からノリの栄養塩供給量の推定方法の開発や養殖現場でのノリの生理状態評価手法の開発を行っており、まとめとしては、二枚貝の窒素排出物のノリ養殖への寄与率kは、右の式により推定可能であることなどです。

 今後の検討課題としては、ノリ漁場における二枚貝による栄養塩添加効果の試算などです。

 続きまして、22ページにつきましては、有明海・八代海における二枚貝の増養殖によるノリ養殖の高品質化についてですが、福岡県、佐賀県、熊本県において、二枚貝増養殖によるノリ養殖の試験を行っております。まとめとしては、アサリ増殖試験の結果、アサリの栄養塩(アンモニア態窒素)の添加効果が示唆されることなどです。

 24ページにつきましては、水産・教育機構、有用二枚貝に関する資料の収集・整理・分析の状況です。貧酸素水塊の発生状況に係る整理と検討のため、水質の連続観測や貧酸素水塊の予察の可能性の検証などを行っており、まとめとしては、干潟縁辺域の貧酸素の経年変動は、河川出水とそれに伴う密度成層の形成により、底層潮流振幅の変化に依存する可能性があることなどです。

 今後の課題としては、貧酸素水塊モニタリングの継続が必要ということです。

 25ページにつきましては、農林水産省農村振興局のタイラギに関する4県協調の取組の報告です。タイラギの浮遊幼生の観測を行っており、まとめとしては、浮遊幼生は、2015年度を除いて有明海全域で確認され、湾奥部の福岡県沖及び佐賀県沖、諫早湾、中央東部の熊本県沖で調査期間中の出現個体数が多い傾向であることなどです。

 説明は以上です。

○中野室長 すみません、補足をさせていただきます。環境省ですけども、この資料につきましては、毎年度、本来小委員会での開催状況を、親委員会であります評価委員会に報告させていただくという進め方にしておりまして、概ね1年間、前回と今回の審議の開催状況について、配付資料がそれぞれかなり膨大ですので、事務局の環境省でサマライズをさせていただいてまとめたものとなってございます。

 特に本日の開催分の部分については、本日委員からいただいた御意見という部分もあります。例えば環境省のところで申しますと、16ページになりますけども、有明海奥部のCODの餌料環境の話につきましては、先ほど古賀委員から御指摘があったとおり、タイラギの生残について、餌料環境だけのように誤解が生じないようにですとか、ほかの要因もしっかり考える必要があるといったような課題を御指摘いただいておりますし、その次の17ページについては、山本委員からヒアリングとの比較、精査ですとか、特にトレンド解析する上でのそうした課題も御示唆いただいておりますので、そうしたところは、御示唆いただいた部分も書き加えた上で、評価委員会に報告申し上げたいと思っておりまして、そうした観点で、言葉が足りているかどうかですとか、お気づきの点をぜひ御意見頂戴できればと思います。以上でございます。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 ただいま事務局からも御説明がございましたように、最終的には、本日いただいた御意見等を踏まえて、このような形の資料の修正版を作成いたしまして、評価委員会に提出できればと考えているところです。

 現段階で何か、他にお気づきの点等ございましたらここで承りたいと思いますが、何かございますか。

 それでは、吉田委員からよろしくお願いいたします。

○吉田委員 熊本県の吉田でございます。9ページのアサリ資源の再生に関する取組のまとめですけれども、熊本県においても覆砂事業等を実施しておりますので、熊本県も加えていただきたいと思います。

○樽谷委員長 アサリ資源の再生に関する取組のまとめについては了解いたしました。

 ほかに何かございますか。

(なし)

○樽谷委員長 それでは、また後ほどお気づきの点等ございましたら、本日から1週間程度を目途に、事務局までお寄せいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 また、修正いたしました内容につきましては、事務局と引き続き検討いたしますが、本資料の最終的な修正につきましては、委員長であります私に御一任いただければと思います。よろしいでしょうか。

(了承)

○樽谷委員長 それでは、このような方向で進めさせていただきます。

 それでは、以上で議題4を終了させていただきます。ありがとうございました。

 続きまして、議題5、その他に移ります。

 事務局より何かございますか。

○横内補佐 特にございません。

○樽谷委員長 それでは、本日の委員会全体を通しまして、各委員の皆様から何かございましたらここで承りたいと思います。何かございますか。

 山室委員、よろしくお願いいたします。

○山室委員 ありがとうございます。参考資料1ですけれども、これ、私今回初めてこの小委員会に出させていただきまして、二つ小委員会があるというふうに理解いたしました。それぞれの小委員会ごとの主な検討事項の作業分担というのが、3ページに書かれているのですが、ベントス、有用二枚貝、ノリ養殖、魚類などということがありまして、ノリ養殖のところで、先ほど、動物プランクトンも検討しなければいけないのではないかということを申し上げましたが、今回の議論を通じて動物プランクトンを調べていたのは、唯一、二枚貝の浮遊幼生だけでして、ほかについては全く、どちらの委員会も調べてないように、この表からは見受けられました。

 それで、ベントスは、二枚貝もそうですけれども、必ず浮遊幼生期は動物プランクトンでありますし、それから、さきに申し上げましたように、ノリ養殖に関わるかもしれない植物プランクトンを食べるのも動物プランクトンであります。また、魚類も、稚魚のときには動物プランクトンに依存するものが結構多いので、例えば動物プランクトンのうち、私が懸念しておりますカイアシ類などの節足動物が減ると、二枚貝の浮遊幼生への、魚類の子どもの捕食圧が多くなるという可能性もあるわけですね。有明海において、このベントスと二枚貝と魚類と、それから、植物プランクトンは調べておられるのに、動物プランクトンがないというのは、全体を把握する上で非常にネックになる可能性があると危惧します。ですので、可能な範囲で今後は動物プランクトンのデータを収集していただきたいのと、あと、速水先生が先ほども指摘されたように、できれば過去の動物プランクトンの状況も、論文なりどこかの報告書なりであれば、そういうものも比較できるようにそろえていただけると、今後の環境再生ですとか水産資源の再生に役立つのではないかと思われます。以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

○中野室長 事務局、環境省でございますが、今の御指摘も、資料9の中に御意見として加えさせていただいた上で、評価委員会に報告できるような形にしたいと思います。

○山室委員 ありがとうございます。

○樽谷委員長 ほかに何かございますか。

(なし)

○樽谷委員長 それでは、本日予定されていました議事につきましては全て終了いたしました。

 議事の進行に御協力をいただきまして、誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

 それでは、進行を事務局にお返しいたします。

○冨永主査 樽谷委員長、ありがとうございました。

 事務局から2点連絡がございます。本日の議事録ですが、後日事務局より確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、議事録は環境省ホームページで公開をさせていただきます。

 また、次回の小委員会ですが、2つの小委員会の開催状況を踏まえ、評価委員会における御議論をいただいた後、改めて開催をさせていただきたいと考えております。小委員会の開催日程につきましては、後日日程調整をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、以上をもちまして第5回水産資源再生方策検討作業小委員会を閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

午後4時02分閉会

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