海域再生対策検討作業小委員会(第10回)会議録

日時

平成27年9月16日(水)午後1時30分~午後3時30分

場所

中央合同庁舎4号館共用108会議室

出席者

小委員会委員長 : 滝川清委員長

委員 : 青野英明委員、小松利光委員

専門委員 : 白谷栄作委員、橋本晴行委員、古川恵太委員、東博紀委員、松野健委員

事務局 : 水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐

午後1時30分 開会

○村澤閉鎖性海域対策室主査 それでは、定刻になりましたので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第10回海域再生対策検討作業小委員会を開会いたします。

 最初に、本委員会は公開の会議となっておりますことを申し上げます。

 委員の出席状況ですが、欠席の連絡を山口敦子委員、山口啓子委員、清水委員よりいただいております。また、本日は、評価委員会の岡田委員長にもご出席をいただいております。

 続きまして、開会に当たりまして、環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室長の根木よりご挨拶を申し上げます。

○根木室長 環境省閉鎖性海域対策室長の根木でございます。

 本日は、皆様、まことにお忙しいところご出席いただきまして、誠にありがとうございます。有明海・八代海等総合調査評価委員会第10回海域再生対策検討作業小委員会の開催に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。

 有明海・八代海の再生につきましては、特別措置法に基づいて各種対策を実施しているところでございます。しかしながら、現状では、今年度も赤潮や貧酸素水塊の発生が確認されているなど、まだまだ再生の道半ばと、予断を許さない状況と考えております。

 本日の小委員会では、28年目途の評価委員会の報告の取りまとめに向けまして、特に各海域の区分の案を提示させていただいて、ご議論いただくとともに、有明海湾奥部での問題点とその原因、要因の考察について、ご議論、ご審議いただきたいと考えております。委員の皆様には、忌憚のないご意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○村澤閉鎖性海域対策室主査 続きまして、会議資料の確認をさせていただきます。まず、一番上が本日の議事次第、次に座席表、次に資料2から、続きまして、資料4は枝番がついておりますのでご注意ください。枝番が1、2、3、4、5と付いております。資料5、6と、参考資料の添付をしております。

 なお、参考資料につきましては、本日、午前10時にこの場所で開催された生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会の配付資料をつけております。参考資料につきましては、委員のみの配付としておりますので、ご承知願います。

 不足の資料がございましたら、事務局にお申しつけください。よろしいでしょうか。

 そうしましたら、報道取材の皆様、これ以降のカメラ撮影はお控えくださるようにお願いいたします。

 それでは、以降の進行は、滝川委員長、よろしくお願いいたします。

○滝川小委員長 かしこまりました。

 それでは、早速ですが、議事を始めさせていただきたいと思います。

 本日の議題につきましては、お手元の議事次第にございますが、(1)「有明海・八代海等総合調査評価委員会報告」について、(2)海域区分(案)について、(3)海域毎の問題点とその原因、要因の考察について、それから(4)農林水産省からの報告、及びその他ということの五つの議題がございますので、議事進行にご協力をよろしくお願いいたしたいと思います。

 それでは、早速ですが、議題(1)「有明海・八代海等総合調査評価委員会報告」としまして、委員会報告の全体的な構成につきまして、事務局のほうから説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○束原室長補佐 それでは、議題(1)委員会報告について説明させていただきます。資料2をご覧ください。「有明海・八代海等総合調査評価委員会報告」についてというタイトルでございます。ここに有明海・八代海等総合調査評価委員会委員会 報告 目次(イメージ)と示しております。委員会報告につきましては、平成28年を目途に、前回の委員会報告以降の調査結果を整理して取りまとめることとしておりまして、前回の小委員会でご覧の委員会報告の目次(イメージ)としてお示ししてきたところです。

 このうち、3章につきまして、新たに9番目の項目としまして、生物についても追加をすることとして検討しておりますので、今回、改めてお示しすることといたしました。あわせて、3章のところ、「八代海等の環境等変化」ということで、「等」という文字も入れさせていただきました。

 4章ですが、4章の3.問題点と原因・要因のところ、前回は「整理」と入れておったんですが、今回「考察」ということになっておりますので、ここについても若干修正させていただきました。

 本日のここの議題(2)以降では、この4章について取りまとめたものを、委員会報告の素案という形で取りまとめたものをお示しすることとしております。さらに、問題、全体的な経緯につきましては、その3章、さらに、それぞれの推移等の事実関係については3章で示すこととしています。今後の対応等、再生への目標、これについては5章に載せるということでございまして、今回、4章について、中心的に議論をいただくこととしております。

 資料2については以上でございます。

○滝川小委員長 ありがとうございました。

 ただいま事務局から委員会報告の全体的な構成ということについて説明がありましたが、それにつきまして、何かご意見、ご質問のある委員の方はいらっしゃいませんでしょうか。古川委員、どうぞ。

○古川委員 古川です。

 今、ご説明いただいた目次の中身について承知していないので、もしかしたら要らぬ心配かもしれないですが、2点ほどございます。一つが、3章のところで環境と変化ということで、個別の汚濁負荷から始まって、今回、追加された生物ということで書いていますけれども、有明海・八代海全体としての生態系としての評価といいますか、変化ということに関しての総合的な視点をどこかで書いていただくということが必要なのではないかなと思います。個別の評価だけが先行して並ぶということが、ちょっと心配しました。もしかしたら、違う章のところでそれをまとめてということなのかもしれませんので、それの抜け落ちがないように、一つ入れていただきたいと思います。

 それと、第2章のところで、海域の特徴及び漁業生産ということで、有明・八代では、欠くべからざる漁業生産と書いてありますけれども、それ以外の産業活動または企業活動、社会的な活動についても、どうぞ漏れのないように、海域の特徴の中で、経済、社会的な背景についても述べていただけるようなことを期待しております。

 以上、2点です。

○滝川小委員長 ありがとうございます。

 ただいまの点につきまして、事務局のほうから何かご回答がございましたら。

○根木室長 1点目のご指摘の部分について、いただいた意見を受けとめさせていただいて、今後、検討をしたいと思います。

 2点目につきましても検討したいと思いますが、例えば、特にこの部分が重要じゃないかとか、例示のようなものでも結構ですが、いただけると幸いです。

○古川委員 ありがとうございます。

 どうしても有明海・八代海と銘を打って評価をされるときに、海域のほうに目が向きがちです。今の調査内容ですとか、今までの検討内容を拝見して、そういう心配は杞憂だとは思っておりますけれども、やはり有明海・八代海は、沿岸域として、また、流域を含む全体として成り立っているということから、例えば流域、県の中でどういう活動、生活が行われていて、その影響がどんな形で出ているかという、気候の話まで入ると細かい話ですけれども、その背景となる海域を取り囲んでいるところで行われている産業活動の様子、概況、また、歴史といったようなものが、簡単でいいですから書かれているということが、今の環境を理解する上で、総合的な視点を追加するという意味で、大切かなと思っております。

○根木室長 いただいたご意見を踏まえて、今後、案のほうを作成していきたいと思います。

○滝川小委員長 どうもありがとうございました。

 ただいまご指摘の点、非常に重要なことだと思いますが、全体を通じて、第2章あるいは第3章にわたって、八代海・有明海の環境、特性を記述するということになっています。3章の中に入れる、あるいは第2章の中にそういったことも考えるということも、内容的には検討できるかと思いますので、そこを含めまして、ご指摘の点について、また今後、検討していけたらというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 他に何かございませんでしょうか。

(なし)

○滝川小委員長 それでは、特にないようでございますが、ただいまいただきましたご指摘を踏まえまして、事務局のほうで生物小委との調整も必要かと思いますが、次回の小委員会等々の中でまた議論してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。(2)海域区分(案)についてでございます。これにつきましては、前回の評価委員会では、暫定的な区分ということで示しておりましたけれども、今回の海域区分の修正案というのが検討されまして、事務局のほうから、それについてご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○束原室長補佐 それでは、資料3をご覧ください。海域区分などについて(案)となっております。ここに1番とありますが、これは、海域区分の基本的な考え方ではなくて、問題点とその原因・要因の考察の基本的な考え方といたしまして、先ほどの目次の第4章の1番の全体を見直す基本的な考え方をここに示させていただきました。基本的には、平成18年報告の考え方に準じまして、さらに、一番下のなお書きのところですが、今回の検討では、基本として1970年ごろから現在までの環境変化を対象として整理を行うこととしたということで、これについては、前回の小委でも報告しているところでございます。

 海域のところについては、2番目のところですね。海域区分の意義について記載しておりまして、これについては、前回まで9海域に分けて検討を行ってきたということでございます。その考え方について、ここに整理いたしました。

 3番目、海域区分の方法。これも、これに準じたような形で9海域になっていたわけですが、基本的なところをおさらいということで、簡単にご説明したいと思います。

 ページをめくりまして、5ページ、参考のところでございますが、一応区分としまして、水域、環境から見た場合、あと底質環境から見た場合、さらに、有明海についての生物の生息状況から見た場合ということで、整理をしております。

 まず、1番目の水質による海域区分についての考え方でございます。これにつきましては、下の①解析に用いたデータ(6項目)とございますように、この6項目について、長期間、分析したもののクラスター解析を行いまして、最終的に四つのグループに解析を行い、さらに、河川水の影響等を総合的に加味して海域を区分しました。これが次のページ、図4にございます解析結果でございます。A1から9までの9海区に分けられました。

 次に、底質による海域区分ということで、これにつきましても、この表にございますように、含泥率、T-S、強熱減量、COD、全窒素、全りんの6項目について、クラスター解析を行いまして、さらに、その共通のデータとなる含泥率、これに注目しまして、比較し、類似性からその海域区分を設定しました。それが次のページ、8ページでございまして、ご覧のような、これも4色ございまして、青、緑、黄、赤の順に、その含泥率が高くなっているというような形でグループ分けをしております。

 さらに、9ページでございますが、有明海につきましては、やはり重要な生物の生息状況から見る必要があるということで、水産資源として重要な二枚貝類の代表といたしまして、タイラギ、サルボウ、アサリの3種類、プラス、ノリの養殖場等を勘案してグルーピングを行いました。その図が、次のページ、10ページにございます。それぞれ、タイラギ、サルボウ、アサリの生息状況で、成育環境、生息状況により、このような色分けを行いました。

 さらに、11ページでございますが、生物の生息状況から見た海域区分と、水質、環境、特性から見た海域区分、これを重ねて合わせてみると大体一致をするというようなことで、こういったものを勘案いたしました。

 次のページ、12ページでございますが、八代海についても同様に、水質、底質のそれぞれの観点で解析を行ったものでございます。12ページの図8については水質、13ページの図9については底質による海域区分、これも底質についても4区分ということで解析を行いました。

 資料の一番最初に戻っていただきまして、3番、海域区分の方法ですが、今申し上げたことがずっと書いてありまして、①として、これらの環境データをもとに各グループの特性を整理し、問題点と直接的な環境要因との関係に関する考察を行うためには、グループ分けをあまり細分化することは適当ではないこと。②として、再生に向けた評価を行うためには、水環境の特性を踏まえつつ、重要な生物の生息環境等を勘案すべきであること。この2点から、水質のクラスター解析によるグルーピングを基本としつつ、重要な二枚貝の生息状況を勘案して一部線引きを修正いたしました。その最終的な案というのは、4番に記載しました海域区分図(案)ということでございまして、差し替え資料を入れておりますが、図1が有明海の海域区分ということで、A1からA7までの7海域に区分、八代海につきましては、前回お示ししたものと同じ5海区の区分としております。

 次の3ページ目に、海域区分ごとの環境特性というのを一覧表にまとめさせていただきました。ただ、ここで、本来ならばA1からA7まで、さらに八代海でも載せるべきなのですが、本日、今回につきましては、次の議題で使いますA1からA4までについて、先行して検討していた都合もございまして、A1から4までの分についてのみ、まとめさせていただいております。3ページ表のほうは海域小委で主に検討いただいている内容、次のページ、4ページ目の項目については、主に生物小委で検討いただいていることを中心にまとめさせていただいております。

 資料3については、以上でございます。

○滝川小委員長 ありがとうございます。

 ただいま海域区分の区分の仕方、あるいは、それについて最終的に修正したわけですが、それについての経緯を含めてご説明いただきましたが、その海域区分の案に関しまして、何かご意見、ご質問のある委員はいらっしゃいますでしょうか。

○古川委員 古川です。

 細かい点です。大きな考え方について賛同するものでありますので、確認のためにということで、ご質問したいと思います。

 海域区分ということで考えますと、この有明海なら有明海のある部分を取り出したときに、それがどこの区分に入るのかということを言うことが必要なのかなと思うんですが、例えば2ページの図1で見ますと、場所をわかりやすくしていただくために、非常に模式的に線が引かれています。この間に入っているのは、この区分に入らないということなのか、それと、区分と区分の境界はぼやっとしているから中心を表しているのかというのは、どこかではっきりさせておかないと、後々、誤解を生じるのではないかなと思いました。私は、ここら辺を中心にA4があって、境界がきちっと線で引けるものではないので、模式的に描かれているだけであって、すき間があるから、そのすき間に別の、その区分に入らないものがあることではないんだろうと理解しておるんですが、それでよろしければ、そういうところはどこかに断っておいたほうがよろしいかなと思いました。

○根木室長 今、古川委員にご指摘いただいたとおりだと思っておりまして、すき間のところは入らないということではなくて、この評価委員会では、大きな再生の評価、方向性を出していくことが目標だと思っておりますので、少し線引きのどっちに入るんだという議論をすることは、この委員会の目的ではないと思っておりまして、この丸から模式図が外れているところは、そのエリアから外れるとか、そういうことではないということでございます。それをどこかに書いたほうがいいというご指摘について、検討させていただければと思います。

○滝川小委員長 よろしいでしょうか。他に何かご意見ございませんでしょうか。

 それでは、特にご意見はないようですが、海域区分の整理の仕方につきましては、基本的な方向というのは、ここでお認めいただいたということでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 それでは、こういった海域区分の方向の中で対応を進めていかれるように、よろしくお願いいたしたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、次の議題に移らせていただきたいと思いますが、議題(3)海域毎の問題点とその原因・要因の考察についてということでございますが、これまで、当小委員会で検討してきました有明海・八代海等における問題点とその原因・要因の考え方につきまして、報告書への記載というものを念頭に再整理をしておりますが、その内容につきまして、事務局から説明をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○束原室長補佐 それでは、資料4-1から4-5までについて、説明させていただきます。資料の構成としまして、ただいまご了解を得ました海域区分のA1からA4までの記述となっておりまして、それぞれ、資料4の1、2、3、4に該当しております。資料4-5ですが、これは参考基礎データということで、1番のほうにベントスということで、これは18年度の報告の抜粋になるんですが、参考として掲載させております。資料4-5の2以降については、二枚貝のタイラギ、サルボウ、アサリの漁獲量の推移等、これは参考ということで掲載しております。これについては、適宜、参考ということで、必要に応じて参照していただければと思います。

 この資料4ですが、まず、位置付けとしまして、先ほど目次にありました4章の3に当たる部分を取りまとめることとしております。それぞれの海域ごとの構成なんですが、1番目にありますように、この海域の特性、次のところに問題点と原因・要因との関係の関連の可能性というのを示した、いわゆる連関図をつけております。さらに、海域小委で担当、検討いただきましたベントスの減少の項目について掲載しております。そのベントスの検証につきましては、さらに底質の状況について、泥化なり、有機物・硫化物について、考察を加えているということでございます。

 それでは、資料4-1から説明させていただきます。1番、まず、この海域の特性、各海域について掲載されていますが、まずはA1海域については、例えば筑後川をはじめとした大小の河川が流入しており、河川からの影響を大きく受けていると考えているということで、河川からの影響というのをまず掲載しております。次に、水平的には反時計回りの恒流が形成される、そういった内容。さらに、鉛直的にはエスチュアリ循環流が掲載されている。このような海域の流動性というのか、そういったところを掲載しております。さらに、また、塩分の年間変動から見て、出水時には全層にわたって河川水が流入する。それに従って、出水時に筑後川等から流入した粘土シルト分は河口沖に堆積し、湾奥へ移流されると。そういったような海域特有の現象というものを掲載しております。さらに、水質については、特に筑後川からの影響が大きく、筑後川から流入した栄養塩類が反時計回りに移流・拡散していくと考えられている、こういったこと。さらに、底質は、西側では泥質干潟、東側は砂泥質干潟が形成されており、浅海域で調査した結果によると、2001年以降は粘土・シルト分、有機物及び硫化物に増加傾向は見られない。こんなような書きぶりで各項目を記載しております。

 図1に、A1海域の位置図ということで、先ほどの7海区のうち、この赤い点で囲った海域をA1の海域ということで示しております。

 次のページをお願いいたします。図2に、いわゆる連関図を掲載しております。凡例を付けておりまして、まず緑のボックス、一番右側にございますが、ノリの色落ちとか、魚類等の減少なり、ベントスの減少、二枚貝の減少ということで、生物、水産資源の直接的な問題点を記載しております。次に水色のボックスですが、海域環境について掲載しております。その次に、黄色のボックス、これが陸・河川からの影響。赤いボックスが、気象、海象の影響について記載しております。

 凡例の一番左側、赤い枠がありますけども、これが直接的な原因・要因に当たるということで、それぞれ、連関図のうち、直接的な原因・要因に当たるものを赤く枠どりをしております。

 さらに、その下に※で、図中、枠内の語尾に※を付した原因・要因は当該海域への影響が他の海域を経由するものを示すということで、海域によっては直接的に影響を受けない場合もありますので、ただ、そういう場合に、どういった記載が適当かと考えまして、※を付して、項目自体をなくすと非常に問題といいますか、この連関図の考え方としては、議論といたしまして、主要な原因・要因のみだけ載せて、あとは消すということもありますが、今回、検討しているのは、その可能性のあるものは残しておくという考え方で進めておりますので、その影響あるものについても全くなくすということではなくて、矢印を消すということではなくて、他の海域を経由して影響があるものですということで、※を付しております。ちなみに、この影響の海域では、一番左側の赤のボックスにあります、外海の潮位の上昇、潮位差の減少、ここに※を付しております。

 次、3ページの2、ベントスの減少でございます。①として現状と問題点の特定ということで示しております。一応そのデータがある・なしということで、まず、データの取得状況を掲載しております。ここでは1970年頃からのベントスのモニタリング結果がないため、2005年以降の調査結果を確認しましたとしています。図3に示したように、2005年以降では種類数、個体数及び湿重量は変動が見られるものの、減少は見られていないということを記載をしております。それぞれの調査点につきましては、右側の小さな図の中の星印で記載しております。

 次のページ、②要因の考察ということで、底質の泥化についてですが、泥化という表現がありますけども、ここでは粒径が細かくなる細粒化の観点から整理を行うということとしております。2001年以降の調査結果から要因の考察を行うこととしておりますが、図4、次のページでございますように、浅海域で調査した結果によりますと、さらなる定義なんですが、細粒化とは何かということですが、粘土・シルト分の増加を細粒化というふうにみなしまして考察を行ったところ、2001年以降、泥化傾向は見られていないとしています。さらに、有機物、硫化物についても2001年以降、増加傾向は見られない。このような形で、それぞれ、底質の推移というものを分析、考察を載せております。

 最後、6ページのところですが、まとめというのを記載させております。まとめといたしまして、ベントス調査結果については、2004年以前のデータがない状況にあります。この中で、調査結果のデータがあります2005年以降においては、A1海域では、ベントスの種類数、個体数及び種類数が減少している傾向は見られませんでした。

 底質につきましても、2000年以前のデータがない状況にあります。

 調査結果のデータがあります2001年以降においては、浅海域で調査した結果によると、底質の泥化(細粒化)、有機物・硫化物の一様な増加は見られなかった。このような考察をしております。

 次に、資料4-2をご覧ください。1、この海域の特性、これについても、先ほどと同じような観点で記載をしております。A2の海域を図1に赤い点で示しております。

 次のページをご覧ください。図2にA2海域の連関図を掲載しております。先ほどの図とほぼ一緒なんですけれども、先ほどの※、左側のオレンジのボックスが三つありますけども、さらに、外海からの潮位の上昇、潮位差の減少、ここの四つについて※を付しております。

 次に、3ページ、2のベントスの減少でございます。①現状と問題点の特定。ここにつきましても、1970年からのベントスのモニタリングデータがないため、ここでは1989年夏と2000年夏の調査、さらに2005年以降のモニタリングの結果を確認して掲載しております。

 図3、下のほうにマクロベントスの調査地点というのがございます。この地点について、1989年と2000年に調査が行われていますので、比較を行いました。表の一番左ですが、全個体数の1平米当たりの個体数が若干減少をしているということでございます。

 次に、次のページ、図4をご覧ください。A2海域におけるベントスの推移ということで、有明海A2海域のところの地図に星印を付しておりますけども、ここの地点の経年変化、2005年から14年までのデータを掲載しております。これを見ますと、種類数については、2005年以降では減少が見られておりますけれども、個体数については、ヨコエビ等の大量発生があるものの、減少傾向は見られないとしています。湿重量についても減少傾向は見られないという考察を記載しております。

 次に、5ページ、②要因の考察、ここにつきましては、ベントスの生息場である底質の状況を確認しております。底質の泥化につきましては、先ほど申しましたように、粒径が細かくなる細粒化の観点から整理を行うこととしております。データがそろっています1989年から2009年ごろのデータを中心に要因の考察を行うこととしております。

 図5、下に地図がございますが、底質調査地点ということで、各年共通のデータが得られました18地点について分析を行いました。ちょっと前後しますが、上のほうに、ア、イ、ウ、エとありますが、細粒化について、この間、四つの観点から検討を行っております。その結果を順次説明いたしますと、まず、表2、これにつきましては、Mdφ7以上の微細泥地点数と、泥分率70%以上の地点数ということで記載しておりまして、これによりますと、一方向、いわゆる単調増加・単調減少の粒径は見られていないというような考察を行っております。

 次のページをご覧ください。図6ですが、さらに1989年から2000年までの変化と、その図7では、2000年から2009年までの中央粒径と粘土シルト含有率の変化について掲載しております。上のほう、まず1989年から2000年の変化でございますが、赤く染められているところが細粒化、紫になると粗粒化と示しております。これによりますと、1989年から2000年の変化としては、中央粒径は小さくなっており、粘土シルト含有率は増加して、泥化の傾向を示しているんですが、下のほう、2000年から2009年の変化では、場所によって異なる傾向が見られております。

 これをさらに図8、右側の7ページですけれども、中央粒径と、今の粘土シルト含有率の変化の傾向に加えまして、調査地点ごとの粒径加積曲線、これの変化や、細粒子の含有率の変化を確認しております。その結果、ある特定の大きさの粒子含有率が増加するという自然な粒径変化が起きるのが確認されております。これは覆砂等の人為的な影響が考えられることから、調査地点の結果は底質の泥化の評価の対象外とし、それ以外の地点のみで評価をすることとしております。その結果が図8にございます。上のほう、2000年から2005年までの変化、下が2000年から2009年まで、上を含んだような形の変化を記載しております。それぞれ、上のほうに凡例がございますが、細粒化、粗粒化、判別対象外というのと、右側のほうの含有率の変化ですが、ここでは-10%以下なり、その紫色の-10から-0%、そういった数字が散見されております。

 さらに、次の8ページ、図9にA3海域が含まれていますけど、2008年から2013年にかけての含泥率の調査結果を掲載しております。これによりますと、数字の中に矢印がございますけれども、ここの数字は調査地点の番号ですが、この矢印の方向を見ますと、変化傾向がその地点によって異なっており、場所によっては含泥率の増加傾向を表す地点も見られるということがわかっております。

 次に、9ページでございますが、底質の中の有機物・硫化物の増加について確認を行っております。これによりますと、先ほどの図と同じように、調査地点が18点、赤い点がございますが、この中で、それぞれ、焼却減量が10%以上の地点数、粗粒化物量0.5mg/g乾泥以上の地点数ということで掲載しておりますけれども、一方向の変化、つまり、単調増加なり単調減少傾向は見られていないということでございます。

 次の10ページ、図11をご覧ください。さらに、ここでは、この星印の点の長期的なデータ、2001年から2013年までの最近のデータについて掲載しております。これによりますと、全項目とも明瞭な増加傾向あるいは減少傾向は認められないとしています。

 まとめといたしまして、ベントス調査結果につきましては、2004年以前のデータがない。

 調査結果データがある期間については、A2海域では、2005年以降にベントスの種類数は減少傾向であったが、個体数、湿重量は同様の変化傾向ではなかった。

 底質の調査結果については、2000年以前のデータがない。

 このため、調査結果データがあります2001年から2013年、これについて分析したところ、底質の泥化、有機物・硫化物の一様な増加・減少の傾向は見られなかったとしております。

 

 次に、資料4-3、A3海域でございます。これも1番目、この海域の特性、先ほどと同じような形で記載をしております。図1にA3海域の図を示しております。

 次のページ、図2に連関図を掲載しております。これも先ほどのA2海域と同じでございまして、黄色のボックスが三つ、あと一番左側の赤のボックス、外海からの潮位の上昇、潮位差の減少、これについて※を付しております。

 次に、3ページ、2、ベントスの減少ということで、これについても先ほどと同じような手法で検証を行っています。表で見ますと、1989年から2000年の変化ですが、表の一番左に全個体数、ベントスの減少が見られております。

 さらに、次のページに、図4としてA3海域におけるベントスの推移を載せておりますけど、この星印の地点での2003年から2014年までのデータを掲載しております。これも見ますと、種類数については非常に変動が多くかなりの種が見られない年もありますし、たくさんの種が見られるときもあると。そういった中で、個体数としては、一部飛び抜けているところがありますが、これはヨコエビなり、ダルマゴカイが発生していますが、それ以外には変動は少なく、減少傾向は見られないということでございます。

 次に、5ページ、②要因の考察、これも先ほどA2海域と同様な方法で検証を行っています。A2海域につきましては、下にありますように、図5、底質調査地点にありますように、17地点、ここについて、表2にありますように、Mdφ7以上の地点、泥分率70%以上の地点数というのを掲載しております。これにつきましては、2005年以降については、これについても一方向の底質の変化、単調増加・単調減少等の傾向は見られていないという結果が得られております。

 次に、6ページでございます。これも先ほどと同じで、図のオレンジのところがA3海域のところですが、2000年から2009年では、中央粒径、粘土シルト含有とも小さくなっていない。下の図のほうでは、2000年から2009年にかけて、粒径の粗粒化といいますか、そういった傾向が見られているということで、多くの地点で泥化の傾向が見られなかった。

 さらに、同じように右側、7ページですけども、これについても粒径加積曲線による検討を行っております。7ページの図の下ですが、これらの結果と過去の調査結果を取りまとめると、1970年代から1989年代にかけては粗粒化傾向があったということで、これについては、次の図9、8ページをご覧ください。表頭のほう、①、②、③、④とございますが、これについて、青のところが粗粒化傾向、赤字が細粒化傾向、緑がどちらでもない、灰色が判別不能、点線が粗粒化傾向(明瞭でない)、こういった区分をいたしまして、検証したところ、1970年代から1989年にかけては粗粒化傾向が示されていますけれども、1989年から2000年にかけて細粒化が進んだことが示されていますが、Mdφ=7のコンターによると、1997年には、既にある程度、細粒化が進んでいたと考えられております。

 8ページの上のほう、文章のほうなんですが、2005年から2009年にかけては変化傾向が明瞭ではないが、2005年から2010年の間で見ると、細粒化が進んできたことがわかるとしています。

 ただし、2000年から2010年の間で見ますと、粗粒化の傾向が見られると。これらの結果から、A3海域では長期間にわたる一方向の変化を呈していないと考えられました。

 ただし、次の9ページの図10にありますように、これも先ほどと同じように、2008年から2013年にかけての底質の含泥率の変化傾向を示したものですが、矢印が必ずしも一定方向ではなくて、場所によっては増加傾向を表す地点も見られていると、そういったことに注意が必要ということでございます。

 次に、10ページでございますが、これは底質中の有機物・硫化物の増加について確認したものです。同じように、図11の赤い点のところ、17地点の数字のところ、ここについて、焼却減量が10%以上の地点数、あと、総硫化物量0.5mg/gの乾泥以上の地点数、これを掲載したものですが、2005年以降については、これも一方向の変化は見られていないという結果が得られています。

 さらに、11ページの図12ですが、右側に図がありまして、星印がありますけども、この地点の底質のモニタリング結果でございますが、ここでも明瞭な増加傾向あるいは減少傾向というのは見られていないという状況でございます。

 最後ですが、まとめといたしまして、A3海域では、全マクロベントスの平均密度は減少していましたが、2003年以降の毎年調査では年によって変動はあるものの、種類数、個体数及び湿重量が経年的に減少している傾向は見られなかった。

 さらに、底質の泥化については、1989年から2000年までは泥化傾向が指摘されているんですが、1975年から2010年にかけての一定方向の変化というのは見られなかった。さらに底質中の有機物・硫化物も、1989年から2000年にかけての増加の指摘があるものの、2005年以降については一定方向の傾向は見られなかったとしています。

 次に、資料4-4をご覧ください。これはA4海域でございます。ここも同じように、海域特性について記載しております。図1にA4海域について赤い点で示しております。

 次の2ページですが、連関図ということで、外海の潮位の上昇、潮位差の減少に※を付しております。

 次に、3ページでございますが、2、ベントスの減少につきましては、熊本県沖での調査で、地先と沖合に分けて説明をしております。まず、データの情報ですが、1970年代ごろから1990年代ごろにかけてのベントスのモニタリング結果がないため、ここでは93年以降の結果から問題点の特定を行うこととしております。

 4ページをご覧ください。図3でございます。右下に地図がございますが、No.①、②、③、④、⑤、⑥と、6地点ございます。地先の6地点について、ベントスのモニタリングが行われておりまして、その結果が図3に示されております。底生生物の個体数で、2007年ごろ、軟体動物の大量発生による変動がありますが、全体的には1993年から2001年に比べて2001年以降は若干減少傾向にあるということが示されております。

 次に、5ページの図4の右側の図に星印がついておりますけど、ここは熊本の沖合側ですが、ここについては2003年から14年までベントスのモニタリングが行われております。この結果を図4に示しております。これを見ますと、種類数と湿重量のグラフは大きな変化が見られないんですが、個体数は2007年以降、減少傾向にあるという考察をしております。

 次に、②要因考察でございますが、まず、ベントスの生息場であります底質の状況を確認しております。同じように、データがございます1989年から2009年の調査結果を中心に考察を行いました。

 図5をご覧ください。これも同じように、熊本の沿岸、No.①からNo.⑥までの6地点のデータでございます。ここで、粘土・シルト分の変化というのを細粒化とみなしますと、1993年から行われているこの調査では、熊本地先で大きく変化していないんですが、有機物・硫化物については、グラフの上から2番目と3番目、これについては、2005年以降、増加傾向にあるということを示しております。

 同様に、沖合の地点ですけども、図6にございます。星印の地点、これにつきましては2007年以降、栄養塩類、有機物等が増加しており、硫化物、粘土・シルト分も増加ということでございます。このことから、A4海域のこの地点では、底質の泥化、有機物・硫化物の増加が見られていることがわかります。

 最後に、8ページのまとめでございます。A4海域では、ベントスの個体数は、1993年から2001年より、2001年以降は減少しており、沖合でも2007年以降減少傾向があるとしています。

 熊本地先では、調査データがある1993年以降について検討を行ったところ、底質の有機物については、2004年まで減少傾向が見られますが、2005年以降は増加傾向が見られるとしています。

 さらに、沖合海域のほうですが、2001年以降において、底質の泥化、有機物・硫化物の増加が確認されたということでございます。

  資料4については、以上でございます。

○滝川小委員長 どうもありがとうございました。

 ただいま資料4ということで、海域ごとの問題点とその原因・要因の考察についてということでご説明いただきました。確認ですが、今、ご説明いただきましたのは、有明海のA1、A2、A3、A4について中心にご説明いただいて、それ以外の海域、有明海もございますし、八代海もある。それにつきましての進行はどうなっているかと、まずそこをご説明いただけますか。

○根木室長 本日は、A1からA4までについてご説明いたしましたが、先ほどの海域区分の資料でご説明したとおり、有明海についても、A5、A6、A7、そして、八代海も五つの区分で整理をするということでありますので、今日は間に合っておりませんが、次回以降にお示しして、ご議論いただくということでございます。

 あと、加えて、午前中にご指摘いただいた点でもございますが、今日の資料は、目次でいうところの4章の問題点と原因・要因の考察を海域ごとにというところの一部でございますが、海域の特性とか、ベントス、そして底質のところだけでここをまとめようということではございませんでして、午前中には、例えばタイラギ、サルボウ、アサリの減少というところを問題に捉えてというところもありましたが、少し午前中の生物の小委員会と合わせて、この4章のところをまとめていきたいということがございます。その点、ご留意いただければ幸いでございます。

○滝川小委員長 ありがとうございます。よろしゅうございますか。ご理解いただけましたか。

 先ほど、資料2のほうで、目次(イメージ)ということでご説明いただきましたが、今、ここで、海域再生小委員会での説明は、基本的考え方及び環境特性、海域区分ごとということを資料2で説明いただきまして、今、議論していただいている問題点と原因・要因の考察については、生物小委の結果も同時並列といったら変ですけど、生物のほうのことも入れて、その項目から行きますと、海域ごとに、ここの資料じゃないんですが、海域の特性、それとベントスの減少、それと生物のほうではアサリ、タイラギとか、サルボウとか、それぞれの項目についてのまとめがずっと入っているということでございますので、全体をイメージしていただいた中で、ご議論いただければということで、よろしくお願いします。

 ただいまの説明をいただきましたけど、何かご意見、ご質問のある委員の方はいらっしゃいませんでしょうか。どうぞ、橋本委員

○橋本委員 言葉の定義ですが、例えば資料4-1の4ページのところを見ますと、「細粒化」という言葉が出てきますよね。それから「泥化」というんですか、そういう言葉がここで出ていますよね。この細粒化というのは、普通、僕らが細粒化と言われたら、例えば礫サイズのものから砂レベルに変化することも細粒化といいますし、砂レベルからシルトサイズに変わるのも細粒化というわけですが、ここでいう細粒化というのは、次の資料4-2のところの5ページに「細粒化は、ア、イ、ウ、エの四つの観点から行った」と書いてありますよね。この一連の中で使われている「細粒化」というのは、このア、イ、ウ、エの四つの観点云々という、これが定義なんですか。私は河川の立場ですが、河川の立場から見たら、底質の表現というのが、訳がわからないというか、そういう表現になっているんですね。「細粒化」と「泥化」は全然意味が違いますよ。

 「細粒化」というのは、あくまでも、例えば非常に粗いものから細かくなるのが細粒化、その逆は粗粒化ですよね。いわゆる相対的に粒径が変わっていくのが細粒化、粗粒化ですね。「泥化」というのは泥質成分が増えることですよね、多分。泥質成分が増えることですよね。全然意味が違いますよね。

 ここで言われている「細粒化」というのは、定義は何なのかというのを、順番から行ったら、資料4-1から出てくるのであれば、ここで最初に「細粒化」とは何ぞやという定義をしていただいておかないと、こんがらがって、訳わけがわからないというような表現になっている感じがするんですね。

 細粒化、粗粒化というのは、あくまでも相対的に粒径が細かくなったり粗くなったりすることであって、どの成分が増えるということではないですね。

○滝川小委員長 事務局からご回答はございますか。

○根木室長 アドバイスもいただきたいところでございますが、資料4-1の「細粒化」というものは、どのデータを見てそこを捉えたかというと、次の5ページの図4の一番下の粘土シルト含有率、ここのデータを捉まえて、このような表現、考察をしたと。

 資料4-2のエリアについては、いろいろな観点で確認をしたということで、ア、イ、ウ、エという、この四つを総合して表現しているというところが実態でございます。なかなか全てのエリア、統一的に調査ということにはなっていないところなんですが、少しその辺をわかりやすいように整理することが必要かなと感じた次第です。

○滝川小委員長 よろしいでしょうか。定義を明確にしながら、誤解のないように、ぜひお願いしたいと思います。

 ほかに、白谷委員。

○白谷委員 検討を進められているということはわかるんです。今日の報告を簡単にまとめると、海域1については問題もない。底質の要因もない。海域2については問題がある。でも、要因は底質の観点から言うとない。海域3についても一緒。海域4については問題がある。底質の要因も恐らく関係するだろうと。そういった簡単なまとめになると思うんですけども、果たして、それでいいのか。

 先ほど、生物小委の結果も一緒に、最終的にはまとめるということになったと伺ったんですけども、こういった議論でまとめていったときにちょっと危惧があって、恐らくちょっと違和感が残るまとめになりかねないというふうに思います。それで、少しまとめを急いでいただいて、もう一回フィードバックして、さらに検討を深めると、そういったスケジュールで進めていってはどうかというふうに思っておるんですが、いかがでしょうか。

○根木室長 今後の、当面のスケジュールの想定としましては、11月ごろに、本日いただいた指摘も踏まえて、もう一度、小委員会をやらせていただいて、できれば年内に一度、評価委員会をやってというようなところで考えておりますが、今、ご提案のフィードバックというのは、もう少し具体的におっしゃっていただくと。どんなようなことか、少しお願いいたします。

○白谷委員 今も、この小委員会と生物小委で、それぞれに問題点の設定も難しいんですけどね、実は。ベントスだけでいいのかと。冒頭の古川先生のご指摘もありましたけども、いろんな観点から問題点は設定できると思うんですけども、まず、それもありますね。仮にベントスの減少というのを、ここに書いてあるように問題点とした場合でも、その要因の分析の範囲が、これで適切だったんだろうかと。ここにご参加されている先生方、有明海のことは非常に詳しいわけで、その結果について、満足というか、違和感なく、そうだねという形でまとめられるかどうかというのは、現時点の結果を見て、ちょっと懸念を持っておるんです。

 生物小委と今回のこの小委員会の結果を早目にまとめていただいて、まとめはこうですよというのを早目に示していただいて、いや、それ以外にこういった問題点も設定すべきじゃないのかとか、こういった要因もあるんじゃないのかと、こういった議論の期間をある程度とる必要があるというふうに思っております。

○根木室長 いただいたご意見を少し検討させていただければと思います。あとは、このまとめのところで書いてありますとおり、1970年ごろから現在までのデータの推移を見たいというところに設定をしておりますが、なかなか過去のデータは不明なところが多いというところが悩ましいなとも思っておりまして、そのあたりも含めて、何かデータとかご助言とかがあれば、随時いただければありがたいと思っております。

○滝川小委員長 よろしいでしょうか。他に。

○小松委員 底質の変化、特に粒径等の変化について、私はA2とA3が極めて重要だと考えているんですね。資料4-2の6ページに、図6、図7で粒径分布の変化が描かれているわけですね、A2とA3についてのこういう変化はもちろん大事なんですが、元々A2とA3がどういう性格だったのかという元のデータがあって、かつ、その後こういう変化があったよという表示がやっぱり重要なんじゃないかなと思うわけです。

 それともう一つは、非常に微妙な変化をしていると思います。ただ、いわゆる中央粒径等の変化というのは物理現象ですから、地形などの物理的な変化に対応して、こういう中央粒径の変化が出てくるだろうと考えると、例えば2000年から2009年というのは、それほど大きな物理変化はないわけですね。2000年の前に物理的な変化があったという意味では、こういう1989年から2000年との差、また2000年から2009年の差というだけでなくて、1989年から2009年の差というのも表示してほしいなと思います。

 もう一回言うと、こういう差分だけじゃなくて、例えば、もとのA2がどういう性格があって、A3がどういう性格があってそれがどう変わってきたかということです。以前も出てきていたと思うんですが、こういう差分をとるときに、もとの性格、性質みたいなものをまず表示して、そして、差分をとると良く分かります。それから、差分をとるときも、こういう微妙な変化をするときは少し長いタイムスケールで、1989年から2009年についても表示してもらうということが大事かなというふうに思います。

 それから、もう1点は、A2ついて、こういう整理の仕方をしていて、ほとんど同じなので、A3についても同じような図を使って整理されているんですが、A3については、資料4-3の8ページの図9で、1975年からの変化を考察されているんですね。A2については、こういう考察がなかったんですが、A2についてはこういうデータがなかったから、しなかったということでしょうか。A3についてはこういうデータがあったから、たまたまこういう整理をしたということでしょうか。もし、データがあるのであれば、A2とA3は同じような整理の仕方をしてくれると良く分かっていいかなと思います。

○滝川小委員長 よろしいでしょうか。

○根木室長 まずは、もとのデータが大事というご指摘でありますが、もとのデータというのは、変化だけじゃなくて、絶対値みたいなところという。

○小松委員 もともとA2がどういう性格で、A3がどういう性格だったというのをこの前に示してもらって、そして、その後こういう変化が出てきたよというように示して欲しいということです。

○根木室長 それは、例えば1970年もしくは75年ぐらいがこうであったというような。

○小松委員 1989年でもいいと思いますね。

○根木室長 少し検討させていただければというふうに思います。

 あとは、A2のエリアについて、A3のエリアのような図がというご指摘につきましては、例えば、資料4-2の7ページのところを見ていただくと、A2のエリアについて、判別対象外と、これは人為的な影響が考えられると、自然な粒径変化が起きているというところでありますが、そこの点がかなりを占めていて、その判別の対象とした点がかなり正直少ないというところがあって、A3の海域のような図を作成していないというところではあります。これまでの経緯としてはそういうところでありますが、このポイントで、このA3と同じような図をつくれるのかどうなのかというところが少し悩ましいところではあると思っております。

○滝川小委員長 よろしいでしょうか。

 今、小松先生、それから先ほどの白谷委員のご質問といいますか、ご発言にもありましたが、海域の特徴をどう捉えていくのかといった視点から見たときに、差分だけではちょっと難しいよという話、要するに、もともとがどういうベースで動いているのか。もともと砂質のところ、もともと泥質のところ、その差分だけで議論しちゃうと、よくわからない。何を知りたいのかというと、そこの海域の環境の特性を知りたいわけですね。影響のその対応がどうか。そういった意味で、多分白谷委員がおっしゃったのは、それに生物がどう応答している、その海域を今みたいな平均的な議論だけでよろしいのかみたいなお話も多分出てくるんだろうと。全体として、物理環境と生き物の環境をどう評価していくのかというのが、これは粛々とそれぞれに単独にまとめられてあるので、非常に見えにくいと。だから、それを議論した上で、もっと詰めて議論しましょうというご意見だったろうと、私は解釈しておりますが、そういった方向でも議論いただきたいというふうに思います。

 それで、私のほうから質問するのは変なんですが、どこでもいいです。熊本沖のところのA4海域ですか。ここのところのデータをまとめられるのに、例えば、6ページ、7ページのところをご覧いただくと、観測地点の結果が、小さな絵が描いてあって、6ページは、①から⑥までのこの熊本の地先のデータを使って描きました。右側の絵は底質の推移ということで、A4のある地、1点ですか、スタートが描いてある。その平均で見るのか、各地点で見るのか、そこの議論もまだできていない。

 例えば6ページのところの図5を見ると、ここの熊本地先というのを①から⑥まで平均で見ていいんですか。海域ごとに整理しているのは、海域ごとの平均で見たいという気持ちはあるんですが、ここに出てきているデータの結果を見るときに、底質とか、底生生物の環境を見ていくときに、例えば平均だけの絵を描いてあるのと、最初のA1のところは、地点ごとに絵がずっと、折れ線グラフが描いてありまして、平均で議論するのか、個々の要素がどうなっているのかということを見ながら議論していかなきゃいけないだろうなと思っているんですが、そのところではそういう断りがなくて、個々のデータがそのまま並んでいたり、平均として、A4ならA4の代表地点みたいな絵の描き方をされていて、文章がまとまっているというふうになると、どこにスポットを当てているのというのがよく見えないという気がいたします。そこのところも含めて、データがなければ仕方がないといったら変ですけども、そこも含めて理解をしながら、考察を加えていく必要があるのかなと思いますので、そのデータの整理の仕方についても、今後、ご指導いただきながらまとめていけたらと思います。よろしくお願いしたいと思います。

 他にご意見ございますか。松野先生から参りましょうか。

○松野委員 この四つの海域についてのデータと、それから連関図との関係をご質問させていただきたいと思います。今の時点ではデータを見て、こういうふうになっているから、ここの海域ではこういう連関図だというところまでは多分できていなくて、こういう連関図だろうという想像が描かれているのかなと思いますが、最終的には、この連関図のそれぞれの矢印を、あるだけのデータを使って、その矢印がどれくらい本当らしいかというか、できれば量的にどう関係しているかということを、可能なところをはっきりさせたいということかなと思います。先ほど生物のほうと組み合わせると言われていましたが、ここの底質のほうのデータを見て、それぞれのコンポーネントについて、こう変化があったというご説明になっています。ただ、それぞれのコンポーネント間の関連というか、例えばCODと強熱減量との関係を見てみると、例えばA4海域の全体、つまり図6を見ると、結構対応しているように見えますが、熊本の地先のほうだけを見ると、特に2005年以降はCODは増えていないのに強熱減量は増えている見えるところもあります。また、A3海域の図12は、CODと強熱減量が逆のセンスのようにも見える。普通に考えると、両者は、、センスとしては同位相というか、同じ方向に変化するような気がしますが、必ずしもそうではない場合もある。それから、A1海域では、CODの変化傾向がはっきりしていますが、2003年から2007年くらいまでが割と小さくなっていて、それからまた大きくなっています。こういうような長期的な10年以上にわたるデータが出てきていますので、これは潮位差の変動との関連を少し論じられるのではないか、つまり、この連関図を見ると、潮位差とか、潮流の低下というのは結構影響として重要な位置を占めているような形になっていますので、潮流の変化に対応している部分が本当にあるのかどうかというのが見えるような、あるならあると出てくるようなだけのデータが集まってきているのではないかなという気がします。というのは、潮流、これぐらいの期間のデータになりますと、18.6年周期、これが何%か、M2については±4程度あると思いますので、潮流自体がそれぐらいのレンジで変動しているわけです。それに対応したほかの要素の変動がもしあれば、本当に関連しているということが言えるような気がします。

 それから、連関図で見る、もう一つ、重要な栄養塩の流入とか、有機物の流入がこういうことに影響しているという矢印がありますので、こういう底質の変化に対して、そこにどれだけものがインプットされているかというのが、評価できるかどうかはわからないですけど、それを評価して、それと比較することで、それぞれの連関図がこのデータからどの程度裏付けされるのかということをできる範囲で出されたほうがいいのかなというふうに思いました。

○滝川小委員長 ありがとうございました。貴重なご意見いただきましたけど、何か事務局のほうからご回答はありますか。

○根木室長 まず、この連関図は、今日お示しした案は、1970年ごろから現在、45年間の変化を捉まえていて、可能性のあるものはその線を残すというようなことで描いております。45年間のデータが全部そろっているというところが少なかったりもしますので、データがないから削るということも少し難しいので、今、今日お示ししたものは、可能性のある線を残すというようなことでつくっているものであります。

 今日ご指摘いただいたようなところについて、その関連性とかを考察してみるとか、検討してみるということは重要じゃないかと感じた次第です。それがこの連関図に図として、どこまでフィードバックできるかというと少し難しいところもあるのかもしれないなという感じもしておりますが、いろいろご助言いただきながら、進めていければというふうに思っております。

○滝川小委員長 よろしいでしょうか。青野委員。

○青野委員 ベントスの変化について、ちょっと意見なんですけども、各海域、種類数と個体数、特にここ10年ぐらいの変化が書いてありますが、種組成について言及する必要はないかなと。例えば18は貧酸素に強いものに置きかわっているけども、数と種類数だけを見ると、何も変わっていないように見えるという可能性もあると思うんですよ。種類数を調べているわけですから、組成は恐らくわかっていると思いますので、その辺、全部詳しく載せる必要はないかもしれませんけども、変わっていない、あるいはちょっと変わってきているとか、その辺の言及はするべきかなと思ったんですが、いかがでしょうか。

○滝川小委員長 お答えはありますでしょうか。

○根木室長 検討させていただければと思います。

○滝川小委員長 他にご意見はありませんか。東委員、どうぞ。

○東委員 まず、確認ですが、今回示して頂いた、「粗粒化、細粒化の傾向がある」というのは、何か「統計的に有意」とか、統計解析に基づいたものなのでしょうか。

○根木室長 現時点では、そこまではしていないです。

○東委員 できれば統計的に有意であったか、そうでなかったかを明らかにしていただけるとよいのですが。それを行わないのであれば、そういう断りを入れた上で、こういう傾向が見られると文章に書いていただいた方がよいかと思います。

 あともう一つ、例えば、A1海域の資料4-1の5ページの図4とか、資料4-4の図6などの粘土・シルト分の含有率の変動を見ますと、1年のうちに3、4回計測されているときがありますが、同じ1年の中でも測定値がかなり大きく変動しているところがあると思います。これは恐らく出水あるいは潮汐によって、土のシルト分が巻き上げられたり、沈降して再び堆積したりというのを顕著に繰り返しているような場だと思われます。このような場所、例えば4-4の図6とかですが、「細粒化、粗粒化の傾向が見られる」と書いてありますが、これだけ大きな変動をしているところで、そういう解釈ができるのか、少し疑問に思います。そいう考えを示す際には統計的な解析・検定をある程度加えていただきたいと思います。

○根木室長 検討させていただきます。

○滝川小委員長 古川委員、よろしいですか。

○古川委員 今、東委員から統計的なという話が出ました。それもとても大切なことだと思います。ただ、白谷委員からのいろんな関連を考えて、この後、フィードバックをしていかなきゃいけないといったときに、厳密に統計的には変化を見られないとしてしまうと、要因を結びつける手がかりがなくなってしまうので、見られるとは言えないんでしょうけれども、怪しいところは書いておくべきだと思っています。

 今日の資料で、それぞれの海域で追加していただきたいコメントがあります。A1では5ページのところで、一番下に粘土シルトの含有量の分布がありますけれども、これは平均的に変化がない、時間的に変化がないという目で見るか、Stn1、2、3のところで、空間的にソートされているか、ソートされていないかという目で見ると、2004年を境にして、その前は混合されていて、その後はソートされているというようなことがどうもあるように見えます。そこら辺のところを注意していただきたい。

 A2の海域については、種類数が変わっていないというんですけれども、4ページの一番上のところを見ると、少し減っているように見えますし、その前のページで二枚貝が減っている。甲殻類が増えているというような、そういう顕著な種組成の、これは青野委員からご指摘があったところが、実はデータとしてはちょっと見えているわけですね。そういうのを補佐して見ると、これは種類数が減っているかもしれないということが言えるでしょうし、9ページの表3で、10%以下の地点数がやや増えているようにも見える。そうすると、種組成が、二枚貝が減って、同化が進んでいるという解釈で見れば矛盾のないデータですので、その可能性は排除すべきではないと思います。

 小松先生が、A2とA3はしっかり見なきゃいけないよと言っていたのを裏付けるかのように、A3では、それの逆の傾向が出ているように見えます。ベントスの種類数がやや増えていて、泥化が、粗粒化というといけないんですが、じゃないほうに進んでいっているというような表2の変化があります。それをコメントとして追加していただくと、この後の検討のときに役立つかなと。

 1点だけ、A4の3ページのところに、ベントスの変化傾向として、一番最後の行ですけど、「1993年~2001年に比べて2001年以降は減少している」と書いてあるんですが、個体数のデータは、4ページの一番上か、または2番目の(2)の門別個体数の表しか、私は見られていないと思うんですけれども、ここでおっしゃっていることがどうも読み取れない。逆に、読み取れないものを読んでしまってはまたあれなので、コメントの追加と、一番最後だけ質問ですけれども、これの解釈は正しいんでしょうかと確認させていただきたいと思います。すみません、長くなりました。

○根木室長 最後にご質問をいただいたのは。

○古川委員 資料4-4の記載としては3ページ目の一番最後の行です。「1993年~」というところで、それを説明する図面は4ページのものですかということです。事実関係を確認したいという意味でご質問いたしました。

○根木室長 データが掲載できていない可能性がありますが、そこのところは確認して、次回にまたご説明させていただきたいと思います。また、全般的にコメントいただいた話、検討の参考にさせていただきます。

○小松委員 資料4-3の最後のまとめの書きぶりですが、要は何かというと、全マクロベントスは、1989年から2000年までは平均密度は減少していたけど、2003年以降はあまり変わらないよということですよね。

 それから、底質の泥化についても、1989年から2000年にかけて泥化が指摘されているけど、その後は一方向の変化はないということです。それから、底質中の有機物・硫化物も、1989年から2000年にかけて増加しているけど、2005年以降は変化がないよと書いてあるわけですね。その書きぶりが、最初の全マクロベントスはいいとして、その後が、「指摘されているものの」とか、いるものの、それがどうしたという感じで、後で否定するような書き方をしているんですよ。ところが、1989年から2000年まで大きな物理改変があったわけで、そこで変化していて、その後、変化がないというのは、もう平衡状態になっていて変化がなくなってるという可能性があるので、この書きぶりは誤解を与えやすい書きぶりになっていると思います。だから、もう少しデータに素直に書いていただいたらいいなという気がするんですけどね。

○根木室長 今、ご指摘いただいて、誤解を与えないかというご意見の意図はよくわかりましたので、書きぶりを検討させていただきます。

○滝川小委員長 ありがとうございます。たくさんのご意見をいただきまして、ありがとうございました。時間も押していますので、次の話題に移りたいんですが、今日いただきましたたくさんのご意見、海域ごとにそれぞれの特性をまとめていただいているんですが、このまとめ方そのものが縦割り的といいますか、底質だけ、あるいは底生生物だけみたいな形になっているので、その総合的な検討が必要でしょうというご指摘をいただいて、それにつきましては、たくさんのご意見をいただきましたし、各委員の先生方からの今後のまたご指導も含めて、チェックしていただく、あるいは、ふだんからでも結構だと思うんですが、この委員会の機会だけに限らず、どんどん意見を言っていただきながら、まとめていっていただきたいというふうに思いますので、また今後とも、どうぞご指導をお願いいたしたいと思います。

 私、確認したかったのは、ここは海域ごとに細かい海域特性についてまとめていただく。それと、第4章の2番目、環境特性ということで、今日の資料3の2枚目ですか、海域区分ごとの環境特性ということで一覧の表が描いてありますが、ここは今のところ、どういう位置づけになっているのかということを確認させていただきたいんですが。

○根木室長 目次のイメージとして、資料2を最初に説明いたしましたが、4章のところで、基本的な考え方というものがまずありまして、その次に、環境特性(海域区分ごと)ということでありまして、資料3の3ページ目からの図は、4章の2節を意識して描いているものでございます。これは海域の特性という観点で、過去からの推移ということではなくて、現在の海域の特性という観点で整理しているつもりであります。その後に各海域ごとの問題点と原因・要因の考察ということで、目次のほうはそのようになっておりまして、そこのところを意識して、今日お示ししたのが資料4-1から4-4と、そんなようなところで考えております。

 繰り返しになるかもしれませんが、資料4-1から4-4は、案というようなレベルのものではないと思っておりますが、そこを意識してつくったものであって、今日のご意見を踏まえ、また次回もご検討いただければというふうに思っております。

○滝川小委員長 僕が申し上げたかったのは、4章の2のところで環境特性というのを各海域ごとにまとめていただいていて、これは先ほど議論にもなりましたけど、海域ごとに陸域からの負荷だとか、流動の特性だとか、いろんなことが全体として書いてありますよね。それを細かく見ていくのは、第3節の問題点と原因・要因の考察につながっている話なんだろうなというふうに考えられ、そういうふうにまとめられている。そういった中で、せっかく海域区分ごとの特性というのがあって、ここも反映されるような議論というのが、今のところ、出てきていないので、ここを生かしながら海域ごとの特性を把握していく。場合によっては、全部の海域は把握できないので、ケーススタディとか課題ごとにつながるのかもしれませんが、重点的にそういったところを見ていくという流れになるんだろうなと考えていますので、その方向でご検討といいますか、ご意見をいただきながらやっていければというところです。

 それでは、申しわけございませんが、時間になりましたので、次の話題に移らせていただきます。今日の最後の報告になりますが、農林水産省からの報告についてということで、農林水産省からご説明をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○杉山調査官 農林水産省農村振興局でございます。

 諫早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門に伴います環境の変化を把握するための調査を行っており、本日は、その結果について、要点のみ簡単にご説明をしたいと思いますが、その前に、資料5というのをお付けしております。資料の一番最後についているものでございますが、これは前回の委員会(H26.12.16)でも若干ご説明しましたが、有明海の沿岸4県が参加いたします、有明海漁場環境改善連絡協議会におきまして、本年4月から取り組みを実施いたしております内容でございます。これは3カ年かけて実施する計画にしておりまして、現在、4県の間で情報共有や調整を図りながら、調査や現地実証等、現在、進めているところでございますので、ご紹介にとどめさせていただきたいと思います。

 それでは、本題でございますが、A3の資料の資料6というものでポイントをご説明させていただきたいと思います。

 1枚めくって、1ページでございます。この調査につきましては、排水門の開門によります環境変化を定量的に把握するために、有明海全体約100地点におきまして、水質や潮流などの調査を行っておるところでございます。昨年度の委員会におきまして、平成24年12月から平成25年12月までの1年1ヶ月間の結果につきましてご報告いたしましたが、その後も継続して調査をしておりまして、本年3月までの2年4カ月間のデータを整理いたしましたので、ご報告いたします。

 なお、今年の4月以降、現在、開門調査を実施する時期のめどが見通せないということがございまして、4月以降は、調査地点などの箇所数を縮小しまして調査を継続をしているという状況でございます。

 このページの左下に有明海の図がございますが、調査地点は、以下に示す地点でございます。右の上にございますのが、期間中の排水門からの排水の状況で示しております。青色が北部排水門から、赤色が南部排水門からの排水という状況になっております。

 2ページへいっていただきたいと思います。こちらにつきましては、気象、潮位、潮流について整理しております。左上につきましては、北部排水門付近におけます降水量と気温のグラフでございます。年間降水量は、平成25年が約1,800mm、平成26年が約2,000mmと、平成26年のほうが降水量が多く、期間中、日雨量100mmを超える日が2回観測されております。

 左下にございますが、調整池の水位と諫早湾と有明海の潮位であります。調整池の水位で最高となりましたのは平成26年8月6日で、標高-0.02mという状況でございました。

 右側でございますが、これは夏季の潮流でございます。流向別流速出現頻度につきましては、平成25年、26年ともに、表層と底層では概ね同様な動きが示されまして、筑後川下流のStn6を除きますと、各地点の流れの向きは概ね湾軸方向が卓越しているという状況でございます。

 次の3ページをご覧ください。こちらは冬季でございますが、平成25、26、27年と、3回の調査となっております。同様に流れの向きは湾軸方向が卓越しているという状況でございます。

 次に、4ページをお開きください。水質について整理をしておりますが、ここでは調整池の中、それから諫早湾中央部、それから有明海の中央部、そして有明海湾奥部の4地点につきまして抜粋をしております。各調査項目は、月1回の観測データのため、連続観測でないことにご留意いただければというふうに思います。

 塩分濃度につきましては、海域では年間を通じまして30‰前後で推移しておりますが、平成26年の夏季におきまして、表層で10~28‰とデータが見られます。これと同じ時期、海域のDOも底層で約6~4mg/L以下まで低下しております。

 次に、5ページをお開きください。左側が赤潮の発生状況でございます。上段の冬季につきましては、平成25年2月は、佐賀県及び福岡県沖でノリの色調低下の要因となりますユーカンピアが発生いたしまして、養殖のノリの色落ち等が確認されております。平成26年2月は、佐賀県及び熊本県でユーカンピアが発生しております。

 下の段、夏季でございますが、平成25年8月は、有明海及び諫早湾の広域でシャットネラの増殖による赤潮の発生が確認されております。平成26年8月は降雨が多く、赤潮の発生頻度が平成25年よりは少ない状況でございました。

 右側でございます。夏季の貧酸素状況でございますが、上の段が平成25年、下の段が平成26年、ともに酸素飽和度の低い青色または水色部分が、有明海湾奥部と諫早湾において、それぞれ発生しているというところでございます。

 次に、6ページをお開きください。こちらは底質についてでございます。開門事前調査ということで、開門操作に伴う堆積物を分析するという観点から、ここではサンプルの表層1cmを採泥いたしております。強熱減量、T-N、T-Pは、期別の変動は基本的に小さい状況で、硫化物につきましては、左下の諫早湾の奥のB3地点、それから、右下の有明海湾奥部の西側のStn4で若干ばらつきが見られるという状況でございます。

 7ページ以降につきましては、水生生物、それから、鳥類について整理をしております。7ページは植物プランクトン、それから、8ページは動物プランクトン、9ページは魚卵、10ページは稚仔魚、11ページは調整池や河川等の魚介類、12ページは底生生物というふうに記載しておりますが、これらにつきましては、基本的には、これまでの環境モニタリング等の結果と異なる特段の変化は確認をされておりません。

 13ページ、一番最後のページでございますが、鳥類、鳥のポイントセンサスで確認されたものについて整理をしています。鳥類については、季節によって確認できる種や個体数が大きく変わりますが、特徴的なものといたしまして、平成24年のカモ目が、平成25、26年と比べまして、1オーダー多く確認をされております。特にスズガモにつきましては、過去のモニタリングでは概ね2万羽となっておりまして、24年は特異的に多く確認されたということが特徴でございます。

 以上、かいつまんで駆け足でご説明しましたけれども、詳細な概要につきましては、お手元の参考資料1に載っておりますので、ご参照いただければと思いますし、また、バックデータあるいは生データにつきましては、ご要望があればご提供させていただきますので、個別にご相談、ご連絡をいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○滝川小委員長 どうもありがとうございました。

 農林水産省さんのほうから、開門に伴う環境変化を把握するための調査の結果ということでご報告いただきました。ただいまのご報告につきまして、何かご意見、ご質問はございますか。どうぞ。

○小松委員 2点教えてください。2ページ目の右上に、潮流を測られていて、表層と底層で同じような動態を示したということでした。それから、湾軸方向が卓越していたということです。特に夏等であればエスチュアリー循環があると思うんですけど、それが検出できないぐらい同じような動きをしていたということなのでしょうか、それとも、データを見て、同じような動きをしていたねという程度の、非常に大まかな印象で書かれているのか、それとも、ある程度、詳細な分析をして、こういうふうに書かれているのかというのが1点。

 それから、もう一つ、4ページ目の水質のところで、左上に調整池(B1)のCODの図がありますよね。このCODの値を見ると、この2年間ぐらいで何となく下がってきていますよね。これは何か原因、理由があるのかどうか。その2点をお願いします。

○杉山調査官 1点目のご質問は、エスチュアリー循環が観測できるか、できないかといったお話の趣旨ですか。

○小松委員 エスチュアリー循環で、平均をとると、表層は沖のほうに行って、底層は奥のほうに行くという流れが出てきますよね。ここの書き方は、上層、底層、同じような動態だったということなので、それはエスチュアリー循環が出てこないぐらいの流れだったのか、それとも、細かくきちんと計算したら、それはまだ検出できますよということなのか。

○杉山調査官 ここで表していますものは、基本的に1カ月の観測ですが、その全体としてのコメントを書いているだけですので、そういった観点から分析した結果をここに記述しているということではないというふうに理解をしております。

 2点目ですが、調整池の水質が若干改善傾向のように見えるがということですけれども、調整池につきましては、当然さまざまな水質改善対策を行っておりますけれども、なかなか長期的に見て、目に見えた形での水質の改善というのは進んでいないというのが実態でございます。ただ、平成26年度については、平成25年度のほうが、全般的に日射量が多い月が多かったということがございますので、そういった毎年の条件の微妙な差によって、この程度の傾向といいますか、変動というのはあり得るというふうに思っていますので、必ずしも調整池の水質が目に見えて良くなっているということとは限らないというふうに理解しております。

○滝川小委員長 ありがとうございます。

 まだまだご質問があるかもしれませんが、ご質問のある方は、また時間、この後ででもご質問をいただければというふうに思います。

 それでは、もう一つ、議題(5)その他というのがございますが、事務局から何かございますか。

(なし)

○滝川小委員長 それでは、ないということですが、本日、たくさんのご意見をいただいていますが、特に海域ごとの問題点とその要因・原因の考察ということにつきましては、各委員からのご質問もいただきながら、再度、ご検討といいますか、議論を重ねていきつつ、その成果を評価委員会に諮っていきたいというふうに思いますので、また引き続き、ご意見、ご指導をいただきたいというふうに思います。

 また、最初に申し上げましたけれども、今日、エグザンプルとして示していただいたのは有明海のA1からA4まででございますので、それ以外の海域につきましても、まとまり次第、特に次回の委員会には少なくとも出していただけるんだろうなと思いますが、次回、これに含めてご検討していただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、各委員の皆様、また、関係の各省庁、都道府県の皆様には、検討作業に必要な情報の提供等につきましても、今後ともご協力いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日、予定されておりました議事につきましては全て終了いたしました。議事進行へのご協力、お礼申し上げたいと思います。

 進行は、私から事務局にお返し申し上げます。ありがとうございました。

○村澤閉鎖性海域対策室主査 事務局から2点、連絡がございます。次回の委員会スケジュールでございますけれども、次回小委員会は11月ごろに開催を予定しておりますので、後日、日程調整でのご協力をお願いいたします。

 また、後日、事務局より議事録の確認依頼を行いますので、あわせてよろしくお願いいたします。

 それでは、これで第10回海域再生対策検討作業小委員会を閉会いたします。ありがとうございました。

午後3時24分 閉会

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