生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会(第12回)会議録

1.日時

平成28年2月23日(火)13:0015:00

2.場所

熊本市国際交流会館 6階ホール

3.出席者

小委員会委員長 樽谷賢治委員長
委員

岩渕光伸委員、古賀秀昭委員、滝川清委員、内藤佳奈子委員、速水祐一委員、

山本智子委員

専門委員 伊藤史郎委員、佐々木謙介委員、平山泉委員、藤井明彦委員、松山幸彦委員
事務局

水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐、水環境課閉鎖性海域対策室主査

午後1時00分 開会

○村澤閉鎖性海域対策室主査 それでは、ただ今から、「有明海・八代海等総合調査評価委員会 第12回生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会」を開会いたします。

 最初に、本小委員会は、公開の会議となっておりますことを申し上げます。

 委員の出席状況ですが、本日は委員全員のご出席をいただいております。また、本日は、評価委員会の岡田委員長にもご出席いただいております。

 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。まず、本日の議事次第、次に座席表、次に資料1から順番にですが、資料2-1と2-2は同じホチキス留めをさせてもらっております。資料3も枝番1から8までありますが、同じくひとくくりの資料とさせていただいております。続いて資料4-1、4-2、資料5となっております。また、参考資料の1と参考資料の2がございます。このほか、参考資料の3といたしまして、午前中に行われました海域再生対策検討作業小委員会の資料を、委員のみ配付させていただいておりますので、ご了承をお願いします。

 不足の資料がございましたら、事務局までお申し付けください。よろしいでしょうか。

 報道、取材の皆さま、これ以降のカメラ撮影はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、これ以降の進行は、樽谷委員長、よろしくお願いいたします。

○樽谷委員長 了解いたしました。

 それでは早速ですが、議事を始めさせていただきます。本日の議題につきましては、議事次第にありますように、「二枚貝の減少・ノリの色落ちに関する海域毎の問題点とその原因・要因の考察について」、さらに「再生への取り組みの検討について」、それと「その他」の3つの議題が準備されております。

 まず、参考資料1、委員会報告の目次のイメージをご覧ください。本日の議題のうち、1番目の「二枚貝類の減少・ノリの色落ちに関する海域毎の問題点とその原因・要因の考察」につきましては、目次のイメージの第4章に関連するものとなります。一方で、議題の2「再生への取り組みの検討」につきましては、5章「再生への取り組み」の部分に関連するものとなっています。本日は新たにご検討をいただきます内容もございます。活発にご議論をいただきますとともに、議事進行にもご協力をいただきますよう、お願いいたします。

 それでは、まず議題1「二枚貝類の減少等に関する海域毎の問題点とその原因・要因の考察」につきまして、これまで検討してきました有明海に関する資料に加え、今回、新たに八代海に関係する資料についてもご用意がされています。まずは、有明海に関する資料につきまして、前回、11月に開催しました第11回小委員会からの変更点の部分を中心に事務局からご説明をお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、資料2-1をご覧ください。この資料は、最初の2枚が、前回の第11回生物小委員会におきます委員からのご意見とその対応を整理しております。後半の3枚目、4枚目につきましては、1月7日に行われました37回評価委員会における委員からのご意見とその対応を整理してございます。この意見等に基づきまして、資料の修正等を行っております。具体的な内容については、各資料を説明しながらご紹介したいと思います。その際、資料2-1、2-2の左側にナンバーを付けておりますので、その番号を踏まえて、前回の生物小委での何番、評価委員会での意見の何番という形で説明をさせていただければと思います。

 それでは資料3-1という冊子をご覧ください。A1海域からA7海域までと有明海全体として、資料3-1から3-8までひとまとめにとじています。

 まずA1海域、資料3-1から変更のあった点をご説明していきたいと思います。

 2ページの下から3行目、②要因の考察がございます。これにつきましては、前回小委の意見の1番、滝川委員より、要因の考察については、考察できない場合もその旨記載すべきとの意見をいただき、漁獲量や資源量の長期的な推移が不明なため、問題の特定に至らなかった旨記載しました。

 次に3ページ、2番として、サルボウを記載しております。これは前回小委員会の3番の意見として、古賀委員より、サルボウはA3海域にも生息するのですが、漁獲のメインはA1海域であるといった指摘を受けていました。佐賀県での漁業権の設定、漁業実態から、やはりA1海域に記載するのが適切ではないかということで、A1海域に移して記載をいたしました。内容的には、A3海域に記載したものと同じになっております。

 次に6ページですが、覆砂の実施エリアを記載しておりますが、評価委員会での2番の意見として、古賀委員から、海域再生小委での底質の変化についての検討、考察の際に、覆砂のエリアについて、もう少し正確な図が必要ではないかとの指摘を受け、各県に協力を得まして、現在、新しい図を用意中でございますので、これについては今後、差し替えていこうと思っております。

 また、左下側に「近年の関係県による覆砂量」も併せて記載しました。

 次にA1海域の7ページ、図7のアサリ漁獲量のグラフですが、前回小委2番の意見として、岩渕委員より、A2海域の「峰の洲」での漁獲分が含まれているのではないかというご指摘を受けております。このため、注書きとして米印で「1982年から1984年にかけての漁獲量の大幅な増大については、例年では漁獲があまりみられない「峰の洲」(A2海域に該当)と呼ばれる海域で漁獲がみられたためである」と記載しました。

 次に9ページですが、「まとめ」を今回新たに記載しております。これにつきましては、前回小委5番の意見として、岡田委員長より、サマリーを記載すべきとのご指摘がございまして、生物小委についてもまとめというものを記載しております。

 まとめの2番目、「アサリについては浮遊幼生や着底稚貝の量が低位で推移している中での資源管理方法が確立されていない」という記述を新たに入れております。これは、8ページの下から7行目あたりにも記載しておりますけれども、アサリやタイラギについて、母貝がいて、産卵し浮遊幼生が発生し、それが着底する。その着底のときにも浮泥の影響などいろいろあって、着底をしたり、しなかったりする。また、浮遊幼生の浮遊の状況、来遊の状況が年によって変わっている。着底後の死亡はどうか。着底しても親貝に至るまでどうかという、いろいろな段階があるわけですが、そのステージごとでの現状に応じて資源管理をしていくべきではないかということを踏まえて、今回の総合的なまとめに再生への道筋を付けるための一つのキーワードといたしまして、資源管理というものを入れておいたほうがよいかとの判断で、事務局で入れさせていただきました。

 最後にナルトビエイの食害についてです。ナルトビエイについては、有明海全域における二枚貝全体の漁獲量に対する食害量の割合を試算しますと、平成21年は4割弱と最も大きかったが、近年7年の平均は2割弱であったということで、これは後ほどナルトビエイをまとめた部分で説明する予定ですが、各海域の記述でも説明を記載しております。

 次に資料3-2、A2海域です。ここにつきましては、6ページの下から3行目あたりからですけれども、浮泥の記述を新たに入れ込みました。読み上げますと、「浮泥の再懸濁が移植タイラギ稚貝に与える影響について調べられた結果を以下に示す。なお、この調査においては、潮流・波浪等によって活発に再懸濁・堆積を繰り返している流動性の高い堆積物を浮泥として測定した。」ということで、この調査での定義といいますか、浮泥の説明を行っております。

 7ページの図8ですが、A1海域、A2海域、A3海域がございます。A2海域についてはT5で、ここでのSS濃度を調べております。図9にその結果がございます。T5というのがA2海域、隣のT6、T15、O-5a、SU-Hとございますが、これは左側に行くに従って、西側の海域になっております。図9には、左右2つ図がございますが、海底の直上と海底から20センチメートル上げたところの懸濁物の影響について調査を行った結果です。8ページの図10ですが、海底直上、この時の懸濁物SS濃度を比較したところ、稚貝の生残率は、SSが高濃度ほど、生残率が低くなるという結果が示されております。

 次に8ページの図11の上のところですが、ここからは浮泥厚についての検討です。A2海域の同じ場所ですけれども、ここの浮泥厚の変動は少なく、2015年度6月中旬に10ミリメートルを超えた以外は5ミリメートル前後と安定しているということで、9ページの図12、一番上ですけれども、2014年、2015年の調査結果を掲載しています。

 さらに、9ページの図13ですが、グラフが3つございまして、左側が中央粒径値、Mdφで、6、7、8、9とありますが、Mdφの数字が高くなるほど粒径が細かくなります。真ん中のグラフが有機炭素含量で、一番右がクロロフィル色素含量です。

 浮泥に関しては、A3海域に比べてA2海域のTにおける浮泥はA3海域に比べて素粒子の割合が多く、有機炭素量が低く、さらに浮泥厚がA3海域に比べて薄い。一方で、クロロフィル含有量はA3海域に比べて高い傾向にあるが、浮泥厚が薄いことから、クロロフィル色素の絶対量は少ないと考察をしております。

 次に11ページですが、先ほど資源管理の話を掲載することを説明しましたが、11ページ下から4行目のところにも、タイラギの資源管理について記載しております。

 12ページは、まとめということで各項目に記載した内容を、再度記載しております。ナルトビエイについても記載しております。

 次にA3海域です。A2海域と同様、8ページの図10のところから、浮泥について記載しております。図はA2海域と同じものが使われております。図11のA3海域における浮泥厚の経時的変化につきましては、2015年8月が10ミリメートルを超えた以外は7ミリメートル前後で推移しているということで、A2海域よりも若干大きな数字を示しております。

 9ページの図12は、赤い点線のところがA3海域を示しておりまして、先ほどのA2海域に対する比較で、考察内容も同じように記載してございます。

 10ページの下、サルボウですが、A1海域に記載する前はここに記述が入っていました。サルボウの主な漁場としてはA1海域ですが、生息状況的にはA3海域もあるということで、その旨記述しました。

 11ページにまとめとして、他の海域と同様に記載してございます。

 次に、資料3-4、A4海域です。ここにつきましては、特段変更はないのですが、1ページの要因の考察で、4行目あたりに「底質中のマンガンの影響があげられている」という記述があり、前回の1月の評価委員会の8番、内藤委員より、マンガンの影響について、ご質問がありました。最近の知見等、小委でも報告された事例がございましたので、これについては次回以降、記載していこうかと思っております。

 2ページですが、図2といたしまして、緑川河口におけるアサリ浮遊幼生の出現状況についての資料を新たに付け加えました。また、3ページにまとめを追記しました。

 次に資料3-5、A5海域ですが、これは変更なしです。

 資料3-6、A6海域ですが、まず1ページの要因の考察について、前回小委意見の10番として、藤井委員より修正意見がございましたので、それに沿って修正いたしました。

 また、ナルトビエイの食害がありますが、これは前回小委意見の11番、岡田委員より、食害の根拠等を示すべきとの指摘で、これはナルトビエイのところで説明したいと思います。あわせて、具体的な数字を記載すべきとの指摘がありましたので、これらについては分かる範囲で記載していくという整理です。

 2ページの下ですけれども、まとめを記載しております。

 次に資料3-7、A7海域です。②の要因の考察について、前回小委意見の12番として樽谷委員長から要因の考察も付けるべきということで、記載してございます。

 次に資料3-8です。有明海全体の資料ですが、有用二枚貝の減少の2ページ、図2の下に説明分を付け加えました。これは、前回小委の11番の意見として、岡田委員長から、ナルトビエイの食害について、食害の根拠について記載すべきとの指摘がございまして、記載してございます。「図2に平成18年から25年までの有明海における二枚貝漁獲量と採捕調査結果に基づくナルトビエイによる二枚貝食害の推定結果を示す。胃内容物組成と量、有明海に飛来するナルトビエイの個体数から推定し、本種による二枚貝等の食害量は数百トンから3千トンまで変動している。有明海全域における二枚貝類の漁獲量に対する食害量推定の割合は、平成21年は4割弱と最も大きかったが、近年7年の平均は2割弱であった。」ということで、この最後の2~3行については、各海域にも記載しました。

 次に5ページですけれども、タイラギ浮遊幼生の減少について、新たに付け加えました。これは、前回の評価委員会の3番の意見で、中田薫委員から、浮遊幼生は他の海域の母貝から浮遊していくということで、全体的なまとめが必要ではないのかというご意見がございました。こういったことから、A2海域、A3海域、A6海域でのタイラギ浮遊幼生の調査、出現状況についての結果を掲載しました。「2010年夏期に貧酸素を中心とした環境変動によって、この海域におけるタイラギ資源は被害を受けているが、2012年以降、湾奥全域でタイラギ資源の凋落傾向が顕在化している。この期間の減少として、親貝資源の減少による再生産機構の低下が示唆されている。」としています。

 6ページに、2013年から2015年にかけてのタイラギ浮遊幼生の水平出現特性ということで、グラフに3本立っていますけれども、左側から2013年、2014年、2015年のデータとなっています。7ページでは、図7でサルボウの浮遊幼生の3カ年の出現状況をお示ししております。

 次に8ページ、ノリの色落ちの件ですが、これにつきましては、変更点はございません。

 以上、資料3の関係、説明させていただきました。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 ただ今、事務局から有明海の各海域および全体の問題点と原因・要因の考察につきまして、前回の小委からの変更点を中心に説明をいただきました。ただ今のご説明につきまして、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。

 平山委員、お願いいたします。

○平山委員 熊本県の平山でございます。

 やっとA4海域以後のページが少しずつ埋まってきた感じがしているのですけれども。

A4海域、本県の海域ですけれども、主要な二枚貝は当然ながらアサリということで、長期的なトレンドとしては資源の減少傾向は変わらないですけれども、近年の資源の大きな変化。例えば、平成22年ぐらいに5千トンあった資源が、次の年に1300トン程度まで減っております。この時には競合生物でありますホトトギスガイが、非常に大きな生物群が発生したために、アサリの生息環境が悪化し、非常に減少したと。その時は確か浮遊幼生、肥満度も高まりませんで、浮遊幼生数も少なかった。

 その後、平成24年に九州北部豪雨がございまして、平成22、23年の資源減少から少し回復基調にあったところに北部豪雨による土砂の流入堆積、シルト粘土を中心とした、いわゆるガタ土が50センチメートルとか1メートル堆積したために、やはりアサリの生息環境が非常に悪化し、急激にまた、1千トン以上あったものが、200~300トンまで減少しているという明確な減少要因がありました。そういう部分についての記載が一切ないものですから、ただ単に資源が変動したようにしかみえないのですね。

 干潟にいる生物というのは、当然そういう環境悪化の影響を極めて強く受けますので、明確に原因がはっきり分かっている、記載のある、記録のあるものについては、この中でも記載しておいていただく必要があるのかなと。でないと、また後年に見る方が、ここはいったい何があったのだといったところを、他の資料でもって検証しなければならなくなりますので、そこについては、ぜひとも記載をいただきたいと思います。

○樽谷委員長 重要なコメントだったと思いますけれども、事務局のほうから何かございますでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 記載できるところは、記載追加などを基本的にしていきたいと思っております。そのために、やはりデータに基づいて記載を追記していくところが、どうしても必要がありますので、関連のデータのご提供などをお願いできるとありがたいと思っております。

○樽谷委員長 岩渕委員、よろしくお願いします。

○岩渕委員 今の平山所長さんと同じですけれども、報告書そのものは、やはり有明海沿岸の漁業者、あるいは研究をしている人に対してのものだと思います。それを考えると、今、平山委員からありましたように、この前の報告書以降のいろいろなイベントといいますか、特異な現象について、ある程度考察というか、原因について述べるべきではないかなという気が、やはりします。

 今、平山委員から九州北部豪雨についてのコメントがありましたが、私のほうから、A1海域で、例えば平成23年、2011年にサルボウの大量へい死がありまして、これについては、確か第31回か32回、そこら辺の評価委員会の中で、サルボウのへい死についての考察といいますか、原因等についての話、報告があったと思いますので、できれば、やはりA1海域のサルボウについても、2011年のへい死について、せっかく検討をしていますので、記述していただいたらなと考えます。

○樽谷委員長 ありがとうございました。事務局からコメント等ございますでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 ご指摘を踏まえて検討したいと思います。

○樽谷委員長 ほかに何かございますでしょうか。

 では、平山委員から、お願いいたします。

○平山委員 すみません。A4海域、3ページのまとめのところですが、最後の終わり方といいますか、「資源管理について、浮遊幼生や着底稚貝の量が低位で推移している中での資源管理方法が確立されていない」という閉め方をされています。確かに、その方法自体は確立されていないかもしれませんけれども、過去に比べると、やはり現場の漁業者の意識もかなり変わってまいりまして、実際、アサリの最大の産地であります緑川河口域は、それぞれの地区が漁業者自ら干潟の耕耘をやっていますし、各地先に保護区の設定もしていますし、禁漁期の導入もすでに入っていますので、やはり現場の漁業者が実際に活動している姿を、やはり確立はされていないものも取り組みをやっているのだといった前向きの活動、その辺についても記載いただければと思います。

○樽谷委員長 よろしいですか。

○根木閉鎖性海域対策室長 ご指摘も踏まえまして、また追って、さらに具体的にお伺いできるかと思いますが、少し、今、おっしゃったようなことについて、例えばその要因の考察のあたりで、具体的に書くということでいかがかなと思います。まとめのところは、さらにそのエッセンスのところを取り出して、少し課題として残っていると思われるところを、さらに抜き出すということで考えております。これは、今、おっしゃったようなところも十分にくんで書く必要があると思っています。検討させていただきます。

○平山委員 記載される場所については、事務局にお任せいたします。最初の書き出しが、前回の報告の中で、資源を採り尽くしているとか、どうも乱獲傾向だけが記載されているものですから、過去にはそうだったかもしれませんけれども、今、現場では資源を何とかしなければいけないと危機感を非常に持って、自らの取り組みをしていますので、そこについてもご記載いただけたらと。よろしくお願いします。

○樽谷委員長 それでは岩渕委員。

○岩渕委員 A2海域の最後のまとめのところですけれども、まとめの3行目、4行目です。「タイラギの立ち枯れへい死の発生メカニズムは不明である」と記述されています。確かに、立ち枯れへい死のメカニズムそのものは、まだこうだというところは、当然分かっていない、不明であるのは間違いないでしょうけれども、これまで立ち枯れへい死について評価委員会の中でも、仮説といいますか、推定といいますか、こういうこともあるのではないかという議論はされてきたと思います。調査研究の評価ということで、評価委員会の報告書ということでありますので、確かに確定していないことは書きづらいのかもしれませんが、推定される考え方については、やはり記述していただいたほうが、その後の各県、われわれの調査研究の方向性だとか、そこら辺に、やはり役に立つといいますか、方向性が定められるのではないかと思っていますので、この部分についてはメカニズム、あるいはその可能性、原因、要因の考察をやはり入れておいていただきたいという気がいたします。

○樽谷委員長 ただ今いただきましたご意見について、事務局として、何か見解等はございますでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 このあたりは、まさに委員の皆さんの意見もいただきたいところであります。過去にも議論をされてきているところでありますけれども、現時点では、やはり確たることが分かっていないということだと思います。このあたりについて、今後、何か分かってくることがあれば、もちろん掲載していくこともあろうと思いますし、また、議論した内容を、少し議論したということを残すというのがあるのか、ないのか、そのあたりは、少し検討が必要かもしれません。

 今の時点では、あまり不明確なものを、可能性があるということで載せると、逆にどうかという、不確実性がかなり高いものであれば、まとめのところに載せていくのは難しいかなというところも感じております。このあたり、引き続き、皆さんのご意見をいただければと思います。

○樽谷委員長 伊藤委員、よろしくお願いします。

○伊藤委員 すみません。細かいことですけれども、A2海域の7ページの図8と図9についてです。平成27年度の有明海二枚貝類の減少要因解明等調査の報告書を読んでおりませんので、的外れかもしれませんが。この7ページに記載されています内容については、移植した稚貝の生残をもって評価されているということだと思いますが、この稚貝の定義は、どのサイズなのかというのがちょっとよく分からないので、そのあたりがどうなのかということと、これは意見ではなくて質問ですが、T5ですから、この図8の中のT5の浮泥懸濁区分の濃度が高いということで、これは次のページの、いわゆるSSの濃度と生残率の相関図というのでしょうか、散布図で、SS濃度が高いほど、この移植した稚貝の生残率が下がるということですか。そうした場合に、その稚貝の定義というか、どういうサイズでということが、ちょっとここは分からなくて、この海域というのが、いわゆるこの調査結果と、例えば去年の夏に発生した稚貝の発生状況と合っているのかということは少し疑問だなと思いました。

 それから、これも質問で教えていただきたいのですが、有明海全体の最後のとりまとめの中で、6ページに有明海全体でのサルボウなりタイラギの浮遊幼生調査の量の分布結果が出ています。タイラギについて見てみますと、この有明海全体を網羅した調査の結果、これが結論、推定なり、何かこの後、書かれるのかどうか分かりませんけれども、この図を見る限りでは、例えば熊本県の干潟域が一つのソース、湾奥部のソースになっているのではないかというような見方になるのでしょうか。

 例えば、私たちはずっと有明の試験研究機関でタイラギ等の調査もやっていますが、熊本県の干潟にたくさんのタイラギが立っているというのが、あまり記憶にというか、情報がないのですけれども、そういう実態が、これが合っているのかというのが、ちょっとよく分からないので、そのあたりを少し教えていただければと思います。

○樽谷委員長 3点ほどご質問をいただいたと思いますけれども、事務局からご回答できますでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 まず、タイラギの稚貝のサイズは、10ミリ程度であります。

 あとは、全体の資料のタイラギの浮遊幼生につきましては、あくまでこの3カ年のデータについて、この有明海全体の6ページでお示ししたポイントで調査をしたところ、このような結果が出たということであります。これを踏まえて、どのように今後、考えていくかというあたりで、このあたりも委員の皆さまのご意見をぜひともいただければと思います。

○樽谷委員長 よろしいでしょうか。

 それでは古賀委員、よろしくお願いします。

○古賀委員 先ほどの岩渕委員の立ち枯れへい死の記述ですけれども、私もまったくそのように思います。少なくともまとめに書かなくても、要因の考察のところには、議論した部分について、こういったことが想定されたけれども、現状ではまだ不明であるとか、そういった文章はやはり書いておかないと、後から見たときに、何をやったのか分からないということなので、ぜひ、そういうところについては検討いただきたいと思います。

 A2海域の6ページの図6、その前の4ページの一番下にも書いてありますけれども、「2011年に比較的規模の大きな立ち枯れへい死があった」と書いてありますが、その後はないように聞こえます。実際は図6には、へい死するようなタイラギがいなかったわけですね。だから、そういったことも踏まえて、この図6には、少なくとも福岡県さん、佐賀県さんの協力を得て、2015年ぐらいまでをこの表に付け加えるというか、そういったことが必要かなと思います。

 例えば、2002年については、大量へい死もあってないわけですね。だから、そういった格好で整理をされたほうがいいと思います。

 それと、これは大したことではないのですが、A2海域の1ページの図1、2ページの図2、それと10ページの図14、同じような図がいっぱいあります。少なくとも図1は1976年から1999年ですけれども、次の2つの図は、あまり時期が変わらないのですね。だから、これは少なくとも図2と終わりの図14は、どちらかをまとめられたほうがいいのかな。たぶん1、2年しか変わっていないです。だから、その辺をお願いしたいということ。

 最後に、この前の親委員会で速水先生からご指摘があったA6海域のタイラギの分ですけれども、確かに以前、A6海域のタイラギについては評価の対象にしないということではあったのでしょうけれども、A6海域の現状を示す上では、タイラギの漁獲量の推移については、ぜひ記載をしておかないと、何となくおかしいのかなと思います。少なくとも、漁獲量のデータは長崎県さんが持っていらっしゃると思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。

○樽谷委員長 何点かご意見、コメントをいただきましたけれども、基本的にはご対応いただくということで。

○根木閉鎖性海域対策室長 そうですね。立ち枯れへい死について検討したことをきちんと残すべきだというご指摘だと思います。先ほどもご指摘いただきましたが、その観点で検討してみたいと思います。

 あとは、資料が、少しデータが、もう少し最新の年度まで掲載できるのではないか、この点も確認をして、可能な限り最新年度まで載せるように努力をしたいと思います。

 あと、データを逆に少し整理したほうがいいのではないかということも検討します。

 あとは、タイラギのデータについて、しっかり載せるべきだというご指摘について、例えば今日の資料の最後でしょうか。参考資料の2がありまして、これは以前から何回かお示しをしております。これの2ページにタイラギのデータ、3ページにサルボウのデータを掲載しております。4ページにはアサリもありますが、アサリは比較的沿岸で採れるということで、海域ごとの資料にもデータとして基本的に落とし込んでいるのですが、タイラギやサルボウなどは、なかなかエリアごとに漁獲量として振り分けることが難しいのではないかという話がありますので、全体のものとして、ここに記載をしています。

 こういったタイラギやサルボウのデータは、評価報告書の中で位置付けていく必要があると考えております。以上です。

○樽谷委員長 藤井委員のほうから、よろしくお願いいたします。

○藤井委員 1点、資料3-6のA6海域の2ページの上から8行目、9行目に「シャットネラ赤潮の増大が直接アサリ資源に影響している可能性は考えにくい」という記述があります。諫早湾の場合は、シャットネラ赤潮の発生に伴って貧酸素が誘引され、それに伴ってアサリの大量へい死が過去に数回起こっていることが明らかになっているので、この影響している可能性は考えにくいという記述は、ちょっと妥当ではないと考えます。

 資源といえるのか、下の段にも、アサリの生育上、不適な海域ということで覆砂をして、そこにアサリを移植して生産に結び付けているような生産の場がありますから、アサリの生産に大きな影響を与えていることは間違いないので、そういう記述に変えていただければと思います。

○樽谷委員長 よろしいでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 このあたりは、委員の皆さまのご意見もぜひともいただきたいところでありますが、どうでしょうか。もし、ご意見がないということであれば、ご指摘を踏まえて検討をしたいと思います。

○樽谷委員長 速水委員、お願いいたします。

○速水委員 今のコメントに関してですけれども、諫早湾内は貧酸素のモニターのデータも十分にあるので、そういうものも生かしながら、ぜひ記述をしていただけたらと思います。

○樽谷委員長 それでは、有明海の部分につきましては、まだまだご意見等あるかと思いますけれども、時間の関係で、ここまでとさせていただきたいと思います。

 この部分につきましては、本日いただきましたご意見を踏まえて、一部資料の修正等も検討した上で、次回の評価委員会に提出し、ご議論いただくということにしたいと思います。

 それでは続きまして、今回、新たにご準備をいただいております八代海につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。資料につきましては、4になろうかと思います。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、資料4-1と4-2になりますが、4-1がY2海域、4-2が八代海全体となっております。

 魚類養殖や貝類など、いろいろな観点から検討しておりますが、魚類関係につきましては、今回、まだ漁獲の資料が整っていませんので、次回以降とさせていただきます。今回は養殖関係と貝類を中心に整理ということで、アサリの漁獲があるY2海域についてのみ、海域区分別として説明いたします。

 資料4-1ですが、球磨川河口域の干潟を中心としてアサリの漁獲が認められ、1985年には2500トンに達していますが、2008年以降に漁獲量が減少しております。本海域は河口干潟に属するため、大雨時の淡水流入による突発的なへい死、台風等による逸散が多く、豊凶の差が激しい海域であり、近年はホトトギスガイの繁茂などが指摘されております。

 資料4-2ですが、八代海全体の資料となっています。1ページから魚類養殖業について記載しており、最後の14ページがノリの色落ちという資料構成になっております。

 1ページ、2ページとして、差し替えの資料をお配りしております。凡例が抜けていましたので、差し替えということで、お示しいたしました。

 現状と問題点の特定ですが、八代海では、ブリ、マダイ、トラフグ、シマアジなど、魚類養殖、真珠養殖業も広範囲に行われています。八代海における魚類養殖については、ブリ類とタイ類で全体の90%以上を占めていることから、ここでは両者の生産量と問題点について考察しています。

 基本的に、前回の18年報告をベースに修正を行って、データも追記しております。図1にブリ類、図2にタイ類の生産量を示しております。赤い矢印が付いておりますけれども、赤潮によって1億円以上の漁業被害が発生した年を示しております。近年では、2008年から2010年、平成20年から22年の赤潮による大規模な被害が発生しております。これが前回の有八特措法の改正要因にもなっております。

 図2のタイ類につきましては、生産量が横ばいに転じた1990年代ごろ以降、おおむね6800から1万2000トンの範囲で推移しています。

 赤潮生物の中でも、コクロディニウム属とシャットネラ属については、魚類、特にブリ類に対する毒性が極めて強いため、赤潮が発生すると養殖魚類に甚大な被害を与えることが知られております。この海域においては両種による赤潮発生頻度が高いことから、この海域における安定した魚類養殖の生産を阻害している重要な要因と考えられております。

 ②原因・要因の考察ですが、特にシャットネラ赤潮による減産の影響が多いとされております。シャットネラ赤潮につきましては、有明海においても増加傾向がみられますが、その影響は天然魚介類のへい死、貧酸素の誘発などに限られております。一方、八代海においては、魚類養殖が広範囲に営まれていること、シャットネラが魚類に対する毒性が強く、赤潮が発生すると養殖魚類に甚大な被害を与えることから、この海域における安定した魚類養殖の生産を阻害している重要な要因と考えられております。

 3ページ、図3に八代海で養殖魚類をへい死させる赤潮生物としてシャットネラとコクロディニウムの写真を掲載してございます。

 中段になりますけれども、本種による赤潮は、1998年まで散発的で規模も小さく、ほとんど被害がなかったのですが、2003年から2010年まで発生頻度も規模も急激に拡大し、漁業被害額が2008年に1.8億円、2009年に28.7億円、2010年には52.7億円という甚大な被害をもたらしております。コクロディニウムに関しましても、記述をしてございます。

 八代海におきましては、カレニア・ミキモトイ赤潮の発生頻度は比較的少ないものの、、漁業被害は発生しております。

 ヘテロシグマ属による赤潮は散発的に発生しておりますが、上記3種に比較すると毒性が低く、大きな被害は発生していません。赤潮ごとの発生状況については、4ページ、5ページに図を掲載してございます。

 5ページの中段ですけれども、漁業被害が最も大きいシャットネラ属とコクロディニウム属の2種の赤潮の発生状況と問題について考察をしてございます。

 八代海ではシャットネラやコクロディニウムによる赤潮発生は、繰り返し発生しておりますが、この2種による魚類のへい死につきましては、鰓機能の障害による窒息死という症状について共通しております。

 赤潮生物と魚類の組み合わせにより、影響が大きく異なることが知られておりまして、この海域における主な養殖対象種、ブリ、マダイ、シマアジ、トラフグ、ヒラメのうち、一般的にヒラメが、最も赤潮生物に対する耐性があり、マダイも影響を受けにくい種類であるとされています。

 訂正がございます。6ページの表1、「2010年赤潮被害発生時のシャットネラ属細胞密度とブリ被害発生状況との関係」という表ですが、タイトルはそうなっていますが、表の下に、この寒色の度合いはブリのへい死率を示しているということで、シャットネラ属の細胞密度は、ここには記載をしておりません。表のタイトルの、「シャットネラ属細胞密度」の部分は削除させていただければと思います。

 なお、シャットネラ属の細胞密度との関係についてはお示ししたいと思っておりまして、次回以降、整理でき次第、追加して掲載する予定でございます。

 図7には、シャットネラ赤潮の生活史を掲載してございます。

 7ページの図8ですが、八代海におけるシャットネラ属のシストの分布を掲載してます。2010年と2011年の調査によりますと、八代海の湾奥、楠浦湾、宮野河内湾において高密度に分布しており、これらが赤潮のシードポピュレーションとして高いポテンシャルを有していると考えられますが、それ以外の海域にも広範囲に分布していること、シストの分布には年変動があることなどから、特定の海域が赤潮の初発海域であると断定することは困難であるという考察をしております。

 図8の下ですが、「シストより発芽し、海域へ出現した遊泳細胞は水温の上昇とともに分裂増殖する。これら初期増殖域は、通常海水の停滞性が強い海域でみられることが多い。また、河口域など、極度に低塩分化する海域では至適水温であっても、増殖阻害を受ける。過去のモニタリング調査の結果から、初期増殖域はY2、もしくはY3海域を中心とした海域であることが推定されている。遊泳細胞の急激な増殖は、水温が20度を超える夏季にみられ、室内培養試験から得られた至適増殖水温と実際の海域における高密度出現時の水温は概ね一致している。従って、本種の増殖には第一義的に水温が重要な影響を及ぼしていることが推定される。」と考察しております。

 8ページの図9に水温による増殖速度、図10には、Chattonella antiquaの出現状況等のデータを掲載してございます。

 表の2に、気象との関係について、整理したものを掲載しております。これは6月中旬の日照時間、平均風速、入梅日の3項目によって赤潮発生を予測できることが示されております。

 10ページの図11に、メカニズムといいますか、これらの関係をまとめた記載あります。上の図が、発生した年として、風速が強く、日照時間が多く、梅雨入りが遅い場合。逆に発生しない年は風が弱く、日照時間も少ない、梅雨入りが早く、こういった場合には発生しにくいというような傾向といいますか、こういった関係図を掲載してございます。

 11ページの図12に、赤潮の発生パターンを示しております。八代海におきましては、ⅠからⅢのパターンを示しますが、Ⅰ番の地元成長広域型、これが発生頻度が高いとされていますが、漁業被害はⅢ型の流入型というのが非常に高くなっているということを示しています。

 漁業被害が大きかった2009年に関しては、Ⅰ型であったとされています。この原因として、河口域からもたらされる豊富な栄養塩を用いて、Y2、もしくはY3海域で増殖したシャットネラの赤潮水塊が、吹送流や密度流によって主要な漁場が存在するY4海域やY5海域へと移流拡散し、急激な細胞密度の上昇によって、へい死を起こしたと考えられています。

 次に12ページの図13に、赤潮の粒子追跡実験結果と、その下に2009年のシャットネラ赤潮発生状況との関係を掲載してございます。

 図13の下の文章ですが、「赤潮の発生については、植物プランクトンの成長に必要な栄養塩等の負荷および競合他種との栄養競合など、化学的および非生物学的要因も影響する。沿岸や内湾域における過度の魚類養殖業の展開は、残餌や糞尿から海域への栄養塩負荷を引き起こすことが知られている。」として前回の委員会報告から引用しております。

 また、「八代海における窒素やリンの負荷につきましては近年漸減傾向にあり、海域におけるCOD、窒素、リンについては近年増加傾向はみられない。特に魚類養殖については、生産効率と海域への負荷軽減のため、生餌から水に難溶状のペレット状に加工されたものに転換がされ、かつ、給餌も、給餌効率を計算し、成長に必要最小限な給餌形態となっている。」ということで、最近の状況についても記載しております。

 最後、14ページ、ノリの色落ちについてです。八代海でのノリ養殖につきましては、有明海と比較すると規模は小さいですが、湾奥部(熊本県海域)と、南東部海域(鹿児島県海域)でノリ養殖が行われております。

 図14に、それぞれの県の生産枚数の推移を載せております。熊本県海域では特に2000年代前半以降、減少傾向にあり、2009年以降はおおむね1千万枚前後で推移しています。鹿児島県海域におきましては、2000年代前半以降、こちらも減少で、2010年以降はおおむね1千万枚弱で推移しています。

 このように、近年、八代海におけますノリ養殖の生産枚数は減少傾向にございますが、この間、熊本県海域においては、毎年のようにノリの色落ちが発生しているということで、図15に、その発生の期間について掲載しております。

 2000年度からの調査データということですが、2000年度には色落ちはなかったようです。

 以上が八代海についてのご報告になります。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 八代海におけます問題点と原因・要因の考察ということで、主に有害赤潮による魚類養殖への被害と、ノリの色落ちの部分について整理した結果について、ご説明をいただきました。

 それではただ今のご説明につきまして、ご質問、コメント等がございましたら、よろしくお願いいたします。

 平山委員、お願いいたします。

○平山委員 八代海の記載で、これから他の海域、Y1からY5までの海域についての記載が入っていくのかなと思うんですけれども。以前から感じていたんですが、海域区分の線引きですね、Y3からY5。Y3、Y4、Y5については、当然ながら赤潮と養殖業との兼ね合いでの記載になっていくのかなと思いますが、生産等の数字をまとめていく中で、現在の線引きですと、ちょっと数字が出しにくいのかなと。これは鹿児島県さんの海域もそうだと思いますが、八代海の真ん中に浮いています御所浦島の間に線が入っていますので、たぶん、養殖の生産等を分解できないのではないかと思うんですね。

 だから、海域の部分自体は、この小委員会の議論の内容ではないのかもしれませんが、少し線引きをお考えいただかないと、まとめる上で数字が出てこないのかなと思うんですけれども、線引きについて、見直しというのはいかがでしょうか。

○樽谷委員長 事務局からご回答いただけますか。

○根木閉鎖性海域対策室長 魚類養殖につきましては、今回お示ししていますとおり、むしろ海域ごとにというよりも、全体でまとめてお示ししたほうが分かりやすいのではないかと思いまして、今回の案をお示しいたしました。

 海域ごとの特質がいろいろと強く、海域ごとに示すべき項目、または全体で示すべき項目、有明海でもあると思いますが、八代海も両方あると思いまして、魚類養殖については全体で示したほうが、むしろ分かりやすいのではないかということで、今回の案をまずお示しいたしました。このあたりも、いろいろとご意見をいただければと思います。

 海域の区分についても、絶対に変えませんということではありませんが、必要があれば、その都度議論していくということだと思っております。

○樽谷委員長 よろしいでしょうか。

 ほかに何かご質問、コメント等、ございますか。

 山本委員、お願いいたします。

○山本委員 八代海全体の資料の5ページですけれども、質問というか、1件なんですが、赤潮が魚類に与える影響について、かなりはっきり、ヒラメは最も耐性があるというようなことが書かれているんですけれども、これは発生海域で養殖がなされているにもかかわらず、被害が出ていないという現象をとらえて、そういう結論なのか、飼育実験とか生理的な耐性実験のデータがあって、こういうことなのかによって意味が違ってくると思います。少なくとも出典があるのであれば、出典だけは示したほうがいいと思うんですが。

○根木閉鎖性海域対策室長 このあたり、確認をさせていただければと思います。委員の皆さんも、もし何かご知見などあれば、ご意見もいただければと思います。

○樽谷委員長 ほかに何かございませんか。平山委員、お願いいたします。

○平山委員 本県内でもヒラメは養殖されていますけれども、海面での養殖というのは今ございませんので、陸上養殖の形態になります。

○樽谷委員長 ほかに何かございますか。

 佐々木委員、お願いいたします。

○佐々木委員 まず資料4-1ですけれども、4行目のところに、「ホトトギスガイの繁茂」とありますが、動物に「繁茂」というのは何か違和感があるので、語句を検討していただければと思います。

 それから、資料4-2の八代海全体の3ページの真ん中のところに、コクロディニウムとカレニア ミキモトイの記載がありますが、5ページの上の7行にも同じようにコクロとカレニアの記載があって、重複感があるので、ここも整理したほうが読みやすくなるのではないかと思っております。

 その5ページの10行目くらいに、コクロディニウム属による赤潮発生が繰り返し発生している。この2種による魚類のへい死についてとあり、その次にも「症状について」と「ついて」が繰り返されているので、ここもうまく表現いただければと思います。「魚類のへい死は、鰓機能の障害による窒息死という症状が共通している」と簡単に書いてもいいのではないかと思います。

 それから、私は本県の報告書を見ていなかったので、申し訳ないんですけれども、同じところの10ページで、下のほうの文章の1行目、「折田ら」のところの一番後ろに、「以下のⅠから」というところを図12が次ページにあるので、「図12のⅠから…」と示していただきたいなと思います。

 そして「2009年に関してはⅠ型」と、すごく断定的に書いてあります。私の感覚では、2009年についても、流入型と地元成長広域型が複合しているとか、そういったことがあるのではないかとも見ております。例えば6ページ、これは2010年の鹿児島県の被害の状況ですけど、二山ありまして、流入型と地元広域型の2タイプの赤潮があったのかなと。同じ年の中で違う赤潮が2つ出たような感じで、必ずしもⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型できれいに分かれないので、そのあたりの表現も少し検討していただければと思っております。以上です。

○樽谷委員長 事務局から回答等をいただけますか。

○根木閉鎖性海域対策室長 ご指摘を踏まえて検討をいたします。

○樽谷委員長 それでは、八代海につきましても以上でよろしいでしょうか。

 それではこの部分につきましても、本日、幾つかご意見、コメント等をいただきましたので、それを踏まえた上で、一部資料を修正して、次回の評価委員会に提出して、ご議論をいただくことにしたいと思います。

 それでは次の議題「(2)再生への取組の検討について」に移りたいと思います。こちらは本日、速水委員からご説明をお願いすることになっています。議題(2)につきましては、関連する5章について、今回、小委員会では初めてご議論をいただくことになります。ということで、まずご説明をいただく前に、第5章の構成と4章との関係、さらには本日、速水委員からご報告をいただく内容が、この5章のどこに位置付けられるのか等について、事務局からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 参考資料1の目次イメージをご覧ください。

 生物小委で扱います内容につきましては、その3章で言いますと、6、7、8、9で、今回はお示しできていませんが、さらに4章として3番の「問題点と原因・要因の考察」ということで、今まで資料3、資料4でご説明してきたところです。

 さらに、「問題点とその原因・要因の考察」を踏まえて、5章「再生への取り組み」がございまして、「再生目標」「ケーススタディ」「再生方策と評価」「解明すべき課題」というような項目で、今後、検討していく予定になっております。

 4章の「問題点と原因・要因の考察」というところで、原因が不明なところとか、いろいろと出てきたわけですが、5章の2「ケーススタディ」を想定した内容といたしまして、再生への取組として、どんなことが考えられるのか、そういったことを念頭に、今回、発表いただこうかと思っております。

 資料5になりますが、ケーススタディとして、1番目として、カキ礁の再生、カキ礁を使った取り組み、2番目として、タイラギ母貝集団の保全・育成ということで発表いただきます。先ほど、有明海全体におけます浮遊幼生の発生状況等について説明いたしました。実際、タイラギを漁獲されている方からすると、実感がずれているのかもしれませんが、浮遊幼生の調査をしてみると、有明海のいろいろなところで浮遊幼生が確認できております。当然、その母貝があるわけで、浮遊幼生なり母貝なりのネットワークというのは形成できないだろうか。そういった観点から、再生に向けたケーススタディとして、現在、お示しできるものをご発表いただこうということであります。

 今回示したものが、全てケーススタディとして、5章にそのまま入るかどうかについては、これをブラッシュアップしながら、また皆さんのご意見等を伺いながら検討することとします。また、これによらない、他の項目についても検討していこうかと思っています。今回は現段階で再生に向けたケーススタディとして、資料がまとまったものとして、速水先生からご発表いただこうと思っております。

○樽谷委員長 それでは「再生に向けたケーススタディ」ということで、速水委員から、プロジェクターを使用して、ご報告いただきます。

○速水委員 それでは、「再生に向けたケーススタディ」について、ご紹介したいと思います。

 まず最初に、カキ礁の再生です。

 これは、有明海における底層溶存酸素濃度の分布を示した図です。このように、有明海奥部と諫早湾の2カ所で、現在、毎年のように貧酸素水塊が発生しています。こうした貧酸素水塊によって、二枚貝をはじめとする海洋生物に悪影響が生じております。

 これは、貧酸素が生じる主要内湾の酸素消費速度を比較したものです。これを見ますと、有明海は東京湾と並んで、最も酸素消費速度が大きくなっています。こうした大きな酸素消費速度が、有明海で大規模な貧酸素化が起きる原因の一つと考えられています。

 また、こうした酸素消費に関しては、懸濁物の寄与が大きいこと。それから、特に海域で生産された有機物の寄与が大きいことが報告されています。従って、こうした有機懸濁物を減少させることができれば、貧酸素の緩和につながると考えられます。

 続いて、有明海におけるカキ礁です。こちらは有明海におけるカキ礁の分布を示したもので、黄色が1977年、青が2006年から2007年の分布です。

 このように、かつては有明海の奥部で546ヘクタールものカキ礁が分布していたのですが、漁場整備のためにこれが減少しまして、現在は3分の1以下になっています。

 こうしたカキ礁は、もともと明治時代より養殖漁業として造成されてきたもので、有明海のカキ礁の特徴として、他の日本の内湾と違いまして、マガキ、シカメガキ、スミノエガキという3種類のカキが、カキ礁を構成しているという特徴があります。

 こうしたカキ礁の役割としては、幾つか考えられますけれども、そのうちの一つが、カキ礁による環境浄化機能です。これは、カキ礁によるろ水量を現場調査に基づいて試算した結果ですけれども、これを見ますと、1m2のカキ礁当たり、1日に57~184m3もの海水をろ過していることが分かります。

 また、下の図はシミュレーションの結果ですけれども、カキ礁がない場合とある場合で、植物プランクトン量の比較をしたものです。これを見ますと、表層の植物プランクトン量が湾奥部で大きく違っていることが分かります。こうしたことは、カキ礁のカキによって植物プランクトンが補食され、赤潮の抑制効果が生じているということを示しています。

 また、カキ礁は、生物多様性の保全機能も有しています。こちらは有明海のカキ礁とその周辺の干潟におけるマクロベントスの調査結果です。一番上が個体数、それから湿重量、種数になっています。赤がカキ礁で、青がカキ礁周辺の泥干潟です。いずれの項目についても、カキ礁のほうが多くなっていることが分かります。

 また、カキ礁の中には、ウネナシトマヤガイや、カワグチツボといった、絶滅危惧種になっているような生物も含まれています。このように、カキ礁は多様なベントス種の保全機能を有しているということが分かります。

  さらに、魚類に関しても、カキ礁は生息場所、摂餌場、排卵場等を提供しています。その中には、有明海特産種であるヤマノカミやハゼクチといった魚種も含まれています。

 こうしたカキ礁によって、有明海の貧酸素水塊の抑制効果があるのではないかということで、平成24年度環境省請負事業の結果報告書から、その結果をご紹介します。

 目的は、数値シミュレーションにより、有明海奥部におけるカキ礁の貧酸素抑制効果を評価し、さらにカキ礁を増加させた場合の貧酸素軽減効果を推定するというものです。

 用いたモデルはFVCOMです。モデルに関する詳しい説明は省きますけれども、こういった特徴を持っています。このモデルを用いまして、2007年の4月から8月末までの期間について計算を行っています。

 これがモデルの計算領域と、生態系モデルの概要を示しています。

 この中でカキ礁をどのように扱ったかですけれども、このモデルの1メッシュ、1メッシュは、カキ礁の一つの面積よりも大きいですので、その一つのメッシュのうち、どのくらいの割合をカキ礁が占めているのかという割合を、カキ礁の被覆度で表しました。それにカキの密度を与えることで、このカキ礁の効果を与えています。カキの密度に関しては、現場調査に基づいて、このような数値を与えています。

 これが現況のカキ礁の被覆度の分布になっています。これに対して、カキ礁を造成した場合としまして、湾奥の東部に増やした場合、北部に増やした場合、西部に増やした場合の、3つのケースについて試算を行っています。

 それぞれカキのバイオマスを現状の2倍にしています。

 これはその一例として、湾奥東部海域にカキ礁を造成した場合の、海底直上のDOの分布について、現況と比較をしたものです。こちらが現況で、こちらがカキ礁を2倍にした場合。そしてこちらが、これとこれの差になっています。

 これを見ますと、有明海奥部、諫早湾の広い範囲で、カキ礁があるほうが底層のDOが上昇していまして、A3海域、それからA6海域の貧酸素水塊の緩和効果があることが分かります。

 さらに、もう少しこれを定量的に示すために、カキ礁の分布の違いによる底層溶存酸素濃度の変化としまして、溶存酸素が3mg/L以下を下回る水塊を「貧酸素水塊」と便宜上おきまして、その容積の違いを比べてみました。

 このラインが現況です。それに比べると、カキ礁を増やした場合には、最大で現況よりも貧酸素水塊の容積が2割小さくなっていることが分かります。

 以上の結果をまとめますと、有明海のカキ礁は、1977年から現在までの間に3分の1以下に減少しました。カキ礁のカキにより、植物プランクトンの補食による赤潮の抑制効果が期待されます。

 カキ礁は魚類に生息場所、摂餌場、産卵場等を提供するとともに、多様なベントス種の保全機能をもたらしていました。

 さらに、カキ礁は貧酸素水塊の抑制効果を有しています。カキのバイオマスが現況の2倍になると、有明海の底層溶存酸素濃度が3mg/Lを下回る水塊の容積は、最大で2割小さくなると推定されました。

 続いて、タイラギ母貝集団の保全、育成について、ご紹介します。

 これは有明海におけるタイラギの漁獲量です。大きな変動はありますが、全体として右肩下がりで減少していることが分かります。

 さらに、これは有明海奥部におけるタイラギの浮遊幼生の出現状況です。2008年から2011年までは、そこそこの浮遊幼生の発生が認められますが、2012年以降は極めて少数になっています。

 さらに、これは先ほども出てきた図ですけれども、過去3年間の有明海の広域的なタイラギの浮遊幼生の出現状況を調べた結果です。これまでタイラギの主要漁場とされてきた有明海の奥部以外に、このように有明海南部の熊本県沿岸でも多くのタイラギの浮遊幼生が出現しました。

 さらに、これは先ほども示したタイラギの漁獲量の変遷です。1999年以降、低迷していたのですけれども、2008年に少しまとまった漁獲が得られています。これはタイラギの浮遊幼生のA2海域・A3海域の8月15日以降の浮遊幼生出現状況を示したものです。この大量着底があった2008年は、非常に他の年に比べて多かったということがわかります。

 こうした結果から、この2008年は南部海域から湾奥に浮遊幼生が供給されやすかった。また、2008年は浮遊幼生に対する貧酸素の影響が小さかったという、この2つの仮説を考えました。

 それについて、シミュレーションで検討を行いました。目的としましては、タイラギ浮遊幼生の輸送過程を推定し、さらに浮遊幼生が安定的に漁場に供給される上で障害となる環境要因を整理する。その結果に基づいて、主たる母貝集団適地を選定するというものです。

 方法としましては、粒子追跡法を用いた数値シミュレーションで、さらにシミュレーションで扱います各粒子について、経験する水質パラメータを記憶させて、輸送中に起こる水質変化、特に溶存酸素について、その影響を評価しました。

 この図の太い線で示したのが、2008年の浮遊幼生の出現状況です。このように7月と9月の2回ピークがあったのですけれども、このうち9月のピークをターゲットにしまして、8月10日よりA、B、C海域から粒子を放出しました。そして粒子の輸送について、2007年から2010年までの各年の比較を行いました。

 なお、ここでそれぞれの海域を選んだ根拠ですけれども、このA海域は、有明海の奥部で一番最近まで漁場として機能していた海域ということで選びました。それからB、C海域に関しては、有明海の南部海域で、徒取りでタイラギの漁が行われているという情報があり、そうしたことに基づいて、こうした海域を選んでいます。

 これが放出から3週間後の粒子の分布です。2007年から2010年のいずれの年についても、この南部の海域から放出した粒子が湾奥へと輸送されていることが分かります。また、2008年が、この中では最も湾奥に多くの粒子が運ばれています。

 これをもう少し分かりやすくするために、湾奥西部、奥東部それぞれに到達した粒子の数、このうち着底可能期間、放出してから3週間から4週間における粒子の数を示したのが、こちらの図です。これを見ますと、この緑で示した2008年が、いずれの海域についても最も多いということが分かります。

 こうした粒子の輸送特性だけでもって、2008年の大量着底を説明できるかどうかは議論がありますけれども、2008年が物理的に湾口付近の粒子が、湾奥に輸送されやすかった環境であったということは分かると思います。

 それではなぜ、2008年に粒子が輸送されやすかったかといいますと、これはこの点における、湾軸方向の流速の鉛直分布を示したものです。いずれの年においても、上層で流出、下層で流入のパターンを示しています。

 こうしたエスチュアリー循環型の潮流が卓越することによって、この下層の流れに沿って、南部から湾奥向けに粒子が輸送されたと考えられています。

 そして、これがこの点における表層と、それから30メートル層における平均流の違いを示したものです。この緑で示した2008年が、他の年に比べて底層で強い湾奥向きの流れがあったということを示しています。

 それでは、なぜこの年に湾奥向きの流れが強かったかということを検討しました。これは、有明海の湾奥に流入している一級河川の河川流量の、年による比較を示したものです。2008年は他の年に比べて多かったということが分かりました。こうした淡水流入が多かったということが、エスチュアリー循環の強化をもたらしたものと考えられています。

 もう一つ、風の影響もあります。これは佐賀における風のデータについて、東西南北方向の平均風速を整理したものです。2008年は北西風が他の年に比べて多かったということが分かります。こうした風は、湾奥向きの流れを励起させます。

 従って、こうしたエスチュアリー循環の強化によって、2008年は湾奥への粒子の輸送量が多かったものと考えられます。

 さらにこの図は、このB、C海域から放出後に、有明海湾奥東部、西部に到達する粒子の、貧酸素の暴露日数を示したものです。ここでは便宜上、3mg/L以下の濃度を「貧酸素」としまして、その濃度を、平均的に粒子がどれだけ経験したものかというものを、数値でもって示しています。

 こうしてみますと、2008年は他の年と違い、貧酸素の影響がまったくなかったということが分かります。こうしたことから、2008年は貧酸素の影響に関しても小さかったと推定されます。

 以上、まとめますと、シミュレーション結果によると、B、C海域、あるいは南部海域からの粒子は、いずれの年も湾奥に輸送されました。2008年はエスチュアリー循環の強化により、他の年に比べて湾奥に到達する粒子の数が多かった。そして2008年に南部海域から湾奥に輸送された粒子は、貧酸素の影響が小さかったと推定されます。こうしたことは、有明海奥部における2008年の大量着底のメカニズムを説明します。

 また、こうしたことは、有明海南部の母貝集団が、湾奥部への浮遊幼生供給源としての働きを有するということを示しています。

 さらに有明海南部のこうした海域は、これまであまりタイラギにとって重要視されてきていないために、資源の保全といった方策が採られていません。また、有明海南部海域は、貧酸素や浮泥などの影響も受けにくいという特性を持っています。

 こうしたことから、こうした海域からの幼生の供給というものは、湾奥に対して資源回復の効果をもたらす可能性があると考えられます。

 今後は他の海域から粒子を放出した場合についても、数値計算を実施して、引き続き検討を進めていく予定です。以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 ただ今、再生に向けたケーススタディの事例といたしまして、カキ礁を活用した事例と、タイラギ母貝集団の保全育成という観点から、浮遊幼生の輸送過程等について検証した結果について、ご報告をしていただきました。

 それではただ今のご報告につきまして、質問、コメント等がございましたら、よろしくお願いいたします。

 山本委員、よろしくお願いいたします。

○山本委員 前半で伊藤委員からもご質問があった件と重なると思うんですけれども、タイラギに関して、生態が実際に見つかっているかどうかは別にして、湾口部のA4海域あたりに母貝と想定できるような集団が存在するということをプランクトンの分布から想定して、それが湾奥に運ばれて着底しているという仮説を、物理環境的にそれが成り立ち得るのかということを、モデルを使って検証しているということだと思います。

 そのモデルの前に、例えば、資料3-1の、有明海全体の資料の5ページの図5、これがA2、A3、A6と、それぞれどのタイミングで幼生のピークがあるかというのが分かるようになっているんですけれども、こういう図をA4についても書けば、今の仮説が正しければ、A4でピークが出た後、ちょっと遅れてA2とかA3でピークが出てくるということになると思うんです。

 あるいは、もしかしたらA4のプランクトンデータが、あまり古いものがないかもしれないので、例えば図6では、2013年から2015年まで扱われていますので、2015年に、それぞれの海域で、どのタイミングでプランクトンが出てきているかというのを書けば、さらにというか、その仮説はクリアに支持されると思うんですが、いずれも使えるデータがないんでしょうか。

○速水委員 図6のデータに関しては、1カ月の間に複数回の調査をしていますので、トレースできるデータになるはずですけれども、実際にそのデータを見てみますと、きれいにピークをトレースできるような結果になっていないんですね。

 やっぱりこれは、サンプリングの空間的な特性をきちっと押さえられていないとか、そういった原因が考えられると思います。

 この前の図5に関しては、残念ながらA4の海域ではデータがないので、トレースが難しいです。

○樽谷委員長 よろしくお願いします。

○滝川委員 速水委員に直接お答えいただくという質問ではないかもしれません。事務局からのお答えを期待したいんですが。

 今まで第3章、あるいは第4章のところで、海域別に特徴を把握してきて、その話の中で、確かケーススタディ地区はA3、A4海域を対象にという話が出てきたと思いますが、その点と、今お示しなさったこのケーススタディというものとの関連について、まず確認させていただきたい。その後、もう一つ質問させていただきたいんですけれども。

○樽谷委員長 事務局からよろしいでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 今回の資料で、例えば有明海の海域につきまして、まとめのたたき台を示してもおりまして、これについても引き続きご議論いただくということでありますが、やはり並行して、議論も、このケーススタディもしていく必要があるだろうということであります。

 例えば、前半のカキ礁については、貧酸素水塊の軽減に役に立つのではないかということで、まとめのところで、貧酸素のことが課題になっている海域がありましたので、そういったところにつながるのではないかということであります。タイラギについては、複数の海域で課題として取り上げられておりまして、特に、これは減少ということでありますが、浮遊幼生が最近、特に少ないというところもありまして、そのあたりのところをとらまえて、このケーススタディにつながっているということであります。

○滝川委員 確認したかったのは、A3、A4海域を対象に再生策を議論しますという話が出てきていましたが、それが消えているわけではないのですねという確認です。

○根木閉鎖性海域対策室長 A3、A4という話もありますが、必ずしもA3、A4だけというのでは、逆にないと思っていまして、A3、A4以外のところでも、このケーススタディが使えるものであれば、つながっていくということでもある。そこは議論をぜひいただければと思っています。

○滝川委員 いや、分かっているつもりですが、以前、発表されたA3、A4を中心にという話と、今回の、このケーススタディの話がどうリンクするのかなというのを確認したかったということです。要するに、全体としての議論もあるし、局所論的な話がA3、A4だけに限らなくて、いろいろな問題が海域に関わっているから、こういうことも必要だよというのは分かりますが、A3、A4をやめてしまって、こういう全体的な話で再生のケーススタディを議論しましょうということではないのですよねということを確認しているんです。

○根木閉鎖性海域対策室長 答えというか、返答としては少し繰り返しになってしまいますけれども、各海域で、有明海でまとめのたたき台をお示しして、そこで浮かび上がってきた主な現象に対して、このようなケーススタディとして、今回、ご発表いただいたということでありまして、あまり固定しすぎないほうがいいかなと。

○滝川委員 分かりました。おっしゃっているのはよく分かっているのですが、そういう論理からしますと、2番目の質問ですが、海域にいろいろな問題があるということをおっしゃって、カキ礁は貧酸素水塊が課題になっているからカキ礁をやりましたということですよね。カキ礁が先にあるんじゃないですよね。

 要するに、地域の特性、課題があって、課題に対してどういう手段を用いますかということですよね。これはカキ礁というのは手段ですよね。だから目的を探すために海域特性を今までいろいろ議論してきているわけですよね。要するに、海域の環境の悪化の要因・原因は何ですかということを議論してきていて、その原因があるから、その原因に対して、目標をこう定めましょう。その目標を定めると、この事例からいくと、貧酸素ですよね。貧酸素に対して、一つの手段としては、他の手法があるかもしれないけれども、カキ礁をやりましたという話ですよね。だから、その説明の順序が逆になっているので、カキ礁が、手段が先に来るのではないんだということを強調してほしいということ。ストーリー性がないんです。これは逆の方向から議論しようとしている。

○根木閉鎖性海域対策室長 私は先ほど、そうお答えしたつもりではあったのですが、どうなんでしょう。

○滝川委員 だから、こういう発表の仕方は、速水先生は、こういう業務を受けたからやりましたという話は、それはそれでいいんだけど、これをまとめて、どう整理して、再生に結び付けるのかというのは、カキ礁ありきではないんです。貧酸素に対してどういう対策を採るのかというのが、なぜ先に出さないのかということを、ちょっと腹立たしく思っているものですから、言っています。

○根木閉鎖性海域対策室長 私の回答は、先ほどのまとめがあって、それで発表につながって、そこはある程度、並行して議論しないといけないので、そのようなことで、今回、速水委員にご発表いただいたということであります。

○樽谷委員長 ほかに何かございますでしょうか。

 伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 タイラギのシミュレーションの件ですが、幼生のネットワークということで、幼生を、親貝をいかに確保するかというのが今の課題だと思います。

 その際に、先ほどパワーポイントで幼生の発生量が3年分ありましたね。その量的なものを考察される場合に、このデータを基にシミュレーションされる場合、タイラギ側の情報としては、タイラギというのは非常に浮遊期が長いというか、幼生のサイズがものすごく大きいのですね。マックス600ミクロンぐらいになりますので、この棒グラフの中のサイズを分解すれば、どのサイズで、どこに発生して、それがどういうふうに広がっているというのが分かりますので、量的なものだけで評価をしないほうがよいと思います。

○速水委員 貴重なコメントをありがとうございます。

 この図の、熊本沖のこの幼生に関しては、かなり小型の幼生がたくさん含まれています。そういった意味でも、比較的、この点に近い海域でもって幼生の供給源があったものと考えています。

○樽谷委員長 お願いいたします。

○古賀委員 関連です。22のスライド。到達数が書いてありまして、この数的な評価というのは、どうしたらいいのかが、まず分からないのと。それに関連ですけれども、2008年9月上旬のピークに関してシミュレーションをされたということだったんですけれども、まずお聞きしたいのが、3週間後の到達だったと思いますが、基本的には3週間から4週間というのが、浮遊期間です。そうすると、着底するような時期のシミュレーション結果になると、要するに、9月上旬のこのピークのときの幼生の殻長組成を見たら、ほとんどが400ミクロン、500ミクロンであれば、ひょっとしたら湾口から行った部分があるかもしれませんけれども、湾奥部の幼生の殻長組成は、ぜひ見ておく必要があろうかと思います。この数的な評価というのが、どういうふうにしたらいいのかなというのが2番目です。

 それと、分布の図を見てみますと、むしろ湾奥に向かっているわけでもなく、湾外にも結構いますよね。そうすると、今の段階で言っていいのかどうか分かりませんけれども、まとめの2行目のところに、「いずれの年も湾奥に輸送された」というのは、非常に誤解が生じるような表現ではないかと思いました。数点の質問と要望でございます。

○速水委員 まず、1点目ですけれども、これに関しては、このシミュレーションはあくまでも、B海域、C海域から放出した浮遊幼生だけのシミュレーションなんですね。実際には、同時に湾奥で発生した浮遊幼生もあれば、他の西岸域で発生した浮遊幼生もあるかもしれない。実際の浮遊幼生というのは、それのミックスになるので、ここまできれいな湾奥だけの寄与にはならないと考えています。

 ただ、2008年に湾奥で浮遊幼生が多かったという事実と、2008年に南部海域から湾奥への輸送量が多かったということがあるということは、どの期間の寄与かは分からないけれども、この年の特異的な現象として、南部からの浮遊幼生の供給が寄与したであろうと考えられると、そういう内容です。

 2つ目に関しては、書きぶりなんですけれども、「湾奥にも輸送された」というほうが適当だとは思います。その辺、まとめを短く書くということもありまして、こうした記述になっています。今後、検討したいと思います。

○古賀委員 殻長のデータがありますよね。

○速水委員 殻長のデータは、過去3年間あります。それよりも前の。

○古賀委員 2008年9月上旬の、ピークの幼生の殻長のデータは、たぶんあると思いますけどね。だからそこは、一回、見ておいたほうがいいのではないかと思います。

○速水委員 分かりました。これに関しては確認するようにいたします。

○樽谷委員長 はい、どうぞ。

○滝川委員 速水先生、1点だけ教えていただきたいのですが。タイラギの浮遊幼生の状況というか、浮遊状況を計算されていますが、これはタイラギと、例えばアサリの浮遊幼生ですね。シミュレーションだけで、そのタイラギとアサリの区別がつけられるのかという、そこの確認。あと、計算する上で、よくやられますか。

○速水委員 根本的に発生場所、浮遊日数が異なりますし、ここでは完全に粒子として計算していますけれども、アサリなどの場合は鉛直移動があるということが。

○滝川委員 浮遊幼生そのもののモデルが違うということですか。

○速水委員 そうですね。

○滝川委員 モデルのどこが違うのか、ちょっと簡単に教えていただけたらと思います。

○速水委員 アサリの計算は、われわれはしていませんけれども、アサリの計算をする場合は、まず、粒子の発生海域を変える必要があると思いますし、浮遊日数がこんなに長くないとなります。

 それから、アサリに関しては、鉛直分布を与える必要があるという知見がここにありますので、それを組み込まないと、やはり合ってこないと思います。

○樽谷委員長 速水委員、ありがとうございました。

 この内容につきましても、本日、いただきましたご意見等を踏まえながら、さらに検討を進めていただければと思います。また、次回の評価委員会に提出いたします資料につきましては、基本的に事務局と委員長に一任していただくということで、よろしいでしょうか。それでは、その方向で進めさせていただきます。各委員の皆さまや、関係省庁、関係県の皆さまにおかれまして、引き続き、検討作業に必要な情報の提供等について、ご協力をお願いいたします。

 それでは次に、議題の「その他」に移りますが、事務局から何かございますか。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 特にございません。

○樽谷委員長 それでは、本日予定されておりました議事につきましては、全て終了いたしました。議事の進行にご協力いただき、厚く御礼申し上げます。

 それでは進行を事務局にお返しいたします。

○村澤閉鎖性海域対策室主査 事務局から2点、連絡がございます。

 まず、今後の予定でございますが、本日の小委員会を踏まえまして、3月23日に第38回評価委員会を開催いたします。次回、小委員会については、新年度5月頃の開催を予定しておりますので、日程調整のご協力をお願いいたします。

 2点目ですが、後日、事務局より議事録の確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、環境省ホームページに公表させていただきます。

 それではこれにて、第12回生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会を閉会いたします。ありがとうございました。

午後2時59分 閉会

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