第8回有明海・八代海総合調査評価委員会小委員会 会議録

1.日時

平成18年5月18日(木) 14:30~16:40

2.場所

農林水産省別館8階 水産庁中央会議室

3.出席者

小委員会委員長 荒牧軍治委員長
委員 本城凡夫委員
専門委員 荒木宏之委員、岩下徹委員、川野田實夫委員、古賀吾一委員、小林信委員、中村武弘委員、野口敏春委員、濱口博彦委員
発表者 有明海・八代海総合調査評価委員会 岡田光正委員
事務局 環境省水・大気環境局水環境担当審議官、水環境課閉鎖性海域対策室長、閉鎖性海域対策室長補佐

午後2時30分開会

○水環境課閉鎖性海域対策室長 それでは大変お待たせをいたしました。定刻となりましたので、ただいまから第8回有明海・八代海総合調査評価委員会小委員会を開会いたします。
 本日は委員の中で弘田委員、須藤委員ご両名からご欠席ということで連絡をいただいておりますので、10名の先生方に出ていただいております。また会議の後半には、評価委員会の方から岡田委員にも参加をしていただく予定になっております。また、今回新たに小委員会のメンバーになっていただいた先生方が3名いらっしゃいますので、ご紹介させていただきます。
 熊本県水産研究センターの岩下所長でございます。それから福岡県水産海洋技術センターの小林所長でございます。それから長崎県総合水産試験場の濱口場長でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 それから、事務局の方の出席者をご紹介したいと思います。水環境担当審議官の坪香でございます。私、担当の閉鎖性海域対策室長、高橋と申します。よろしくお願い申し上げます。
 それでは議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元をご覧いただきたいと思いますが、議事次第の裏に配付資料一覧がございますけれども、1として委員の名簿がございます。2として文献リスト一覧(案)、それから3として文献シート(案)、資料4-1として問題点と原因・要因の関連について(試案)、4-2といたしまして、その資料編というのがございます。それから番号がついてございませんが、平成18年度版・文献概要リスト一覧表、正誤表というのがございます。これは資料を印刷したあと、若干ケアレスミスがありましたものですから、修正するものでございますが、あわせてご覧をいただくこととなっております。以上でございます。特に過不足がございましたらばお申し出いただければと思います。
 そうしましたら、これからの進行につきましては荒牧先生にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○荒牧委員長 皆さんには、お忙しい中、ご出席をいただきまして本当にありがとうございます。それでは早速ですが、最初の議題、平成17年6月から平成17年12月までに発表された文献についてという議題で審議をお願いしたいと思います。
 それでは、資料について事務局の方から説明をお願いいたします。

○水環境課閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、資料2、資料3について説明させていただきます。
 それと、ゼムクリップで止まっております正誤表でございますけれども、申し訳ありません、事務局の方にミスがございまして、[6]赤潮のところでございますけれども、判断基準のところが2であるべきところが3になっているものが3つ、1であるべきところが2になっているものが1件、3であるべきところが4になっているところが1件ございましたので、申し訳ありませんけれども、資料の方、差し替えの方お願いいたします。申し訳ありませんでした。
 それでは、資料2でございますけれども、文献リストでございます。対象につきましては平成17年6月から平成17年12月までに発表された文献を収集したものでございます。これにつきまして判定基準ということで1から4までございます。1につきましては、最も参考になるものということで、有明海、八代海の環境であるとか水産資源の長期的、短期的な変化の原因を定量的、定性的に明らかにしているものというものが1でございます。2というものにつきましては、有明海、八代海の環境や水産資源の長期的、短期的な変化の状況・程度を定量的、定性的に明らかにしているものということでございます。その他3、4ということで参考になるものということでカテゴライズしております。
 今回の対象文献につきましては、全部で110ございまして、分野別で申しますと、干潟につきまして19ございまして、このうち文献シート、資料3でございますが、これをつくるとされている評価1、2のものにつきましては、それぞれ評価1が1件、評価2が3件ございました。
 それから[2]の潮流、潮汐でございますけれども、14件のうち評価1が2件、評価2が1件でございました。これにつきましては、資料2の11ページを見ていただきますと、下の欄の[2]-12のところでございますけれども、ここにつきましては備考のところをご覧いただきたいんですけれども、本来このカテゴリの1から4という基準に従えば、判定は3ということになるということですが、もし開門調査などの検討においてこういったものも参考になると思われるので、この判断は小委員会に委ねたいというようなご意見がございました。
 それから[3]でございます。汚濁負荷の関係でございますけれども、これは9件ございまして、評価1は0、評価2が3件でございます。
 それから[4]河川の流況でございますけれども、これは5件、評価1につきましては0件、評価2が1件でございました。
 それからあと、[5]土砂の採取でございますけれども、これは0件でございました。
 それから[6]の赤潮、貧酸素でございますけれども、これは16件、うち評価1が1件、評価2が7件ございました。
 それから[7]の水産資源でございますが、30件のうち評価1が8件、評価2が5件ということでございます。
 それから[8]のその他のところですが、全部で17件ございまして、うち評価1が1件、評価2が0件でございました。
 これら評価1、2につきまして、資料3として文献シートということで、1課題につきそれぞれ概要をまとめたものをつくっております。これにつきましては、また内容をご確認いただきまして、ご意見などがありました場合は5月中までに事務局まで連絡いただきまして、修正のあった文献シートにつきましては、6月に配付することを考えております。
 事務局からは以上でございます。

○荒牧委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今の事務局の説明についてまずご質問ありましたらお願いいたします。
 事務局からの説明では、先ほどありましたように、ここで判断をしましょうというのが11ページの2段目、H18[2]-12というものについては、これをお読みになった先生は3だと思うけれども、将来的なことを考えると1ということも考えられるということで判断をお任せしますということでした。それは後で議論をさせていただくことにして、ほかに今のご説明について何かご質問ございませんでしょうか。
 それでは、今ここに述べられています審査員としては3だというふうに思うけれどもということで、審査された先生に意見を聞いてよろしいですか。いいですよね。どなたでしたっけ。荒木先生かな。11ページのH18[2]-12、下段の部分の備考のところにそういう判断が示されていますけれども、荒木先生でいいですか。中村先生か荒木先生か。荒木先生でいいですね。趣旨は、この上の方に書いてあるのが、環境水産資源の長期的、短期的な変化の原因を定量的または定性的に明らかにしているというタイトルになっていまして、それに対応しているだろうかということをお書きになったんだと思うんですけれども、荒木先生いかがですか。この委員会でどう判断するかというのは、この件ともう一つ、今までずっと議論してきた中のやつでいうと、アサリのマンガンについての説について何か少し我々議論を交わしたことがありますけれども、そういう意味でならば、ここで議論を交わしてどういうふうにするか決着をつけていくわけですが。

○荒木委員 ここに書いているとおりで、本来の小委員会の文献調査の目的、趣旨にはちょっとそぐわないかな、原因究明ということで、本来なら3だろうと判断しましたけど、開門調査のシミュレーションというのは余りないという意味で、ここに書いていますように、そういう意味で参考になると思われるということですね。小委員会がここまで将来の参考にしようということであれば。

○荒牧委員長 いかがでしょうか。ご意見ありますか。
 実は、だんだんこの我々の作業と本委員会の作業のつながりが明確になってきて、例えば1で挙げたものは原則的には要因それから原因分析の貴重なものとして本文に載せるぐらいのレベルのところまで持っていこうというふうに、我々がやった作業を相当高く評価というか、重要視していただくことになっています。ですから、そういう意味でならば、もともとの作業の要因が、上に書いてあるように、長期、短期的な変化の原因を定量的、定性的に明らかにしているかと、そうすると、大体そこで書かれている1と挙げたものは、小委員会の委員長としては是非要因、原因の分析の方の重要な資料として必ず何らかの形で記載してもらいたいというふうに申し上げているわけですね。そういう点で今、荒木委員が言われたみたいな意味でならば、ちょっと少しそぐわないかなという感じがしますけれども、これは私の意見です。私が今、本委員会でそういうふうな趣旨を述べて、ここでやった作業、特に大学の先生方がおやりになった研究の内容で、我々が一定程度重要だと思ったものについて要因、原因を分析しているということについては、挙げようということにだんだん明確になってきたんですね、最初の頃は。ちょっとこれがどういうふうに利用されるかがよくわからないというところがあったんだけれども、そういう形で認めてもらっておりますので、そのことを考えると、ちょっといわゆる水門を開けたときの影響というのが要因、何とかの分析そのものではないかなという感じはしますけど、皆さん方いかがでしょうか。これは私の意見を申し述べていますけど。よろしいですか。
 それと同じ理由で、私の方からもう一つおやりになったことを、これは先ほどからずっと前から話題になっていることですので、あえて私の方から問題提起をさせてください。それは一番最初が37ページ、それから40ページ、41ページ、いずれも前からこの小委員会で話題にしております、いわゆるアサリの減少原因がマンガンであるという、この委員会では相当に大部分の委員の方がその説は非常におかしいと、そのことが我々としては納得しがたいということだったんだけれども、ただテーマそのものは非常に直接的な長期、短期の原因をあらわしているものなのでということだったので、前は1という形にしました。ただし、直接的に今アサリの減少がマンガンによるということが多分本委員会の原因、要因の分析の中にもあらわれてはいないと思います。それは我々が、この研究は必ずしもこの同意はできないけど、こういう説があることを封印することはできないので、挙げますという注釈をつけたことが大きな原因になっているのかもしれません。そういうことがあって、今そういう取り扱われていることを今現状考えて、この論文、3つもしかも挙げておられるのは、多分前の継続でおやりになっている、やっていただいたんだと思いますけれども、そのことについて担当された方、ちょっとご意見があれば言っていただけませんでしょうか。備考の欄に書いてあるとおりだと思うんですけどね。どなたが担当されたか、よければ教えてください。どうぞお願いいたします。

○岩下委員 熊本県ですけども、今回、初めて参加させていただいておりますので、どういう形で意見を述べたらいいのかちょっと要領がよくわからないんですけども、今回のこのリストの整理の中で[7]-2、[7]-22、[7]-23、今お話しになった3件ですね。それについて、この中で総合的に後でちょっとご説明しようかなと思っていたんですけれども、よろしいでしょうか。
 では、[7]-2、[7]-22、[7]-23が、今お話ありましたように、同一のあれですので、まとめて熊本県としてのお話をさせていただきたいと思います。ご承知のように、昭和52年に6万5,000トンというピークから平成9年にかけて直線的にアサリが減少いたしておりまして、ここ最近3ヵ年間5,000トンから6,000トンに若干回復しておりますが、しかしながら、その減少原因といいましょうか、そういったものが必ずしもわかっている状況にございません。そういった中でこういったマンガンというものが減少の原因ではないかというものも1つの減少の要因としては非常に興味を持って読ませていただきました。その感想といいましょうか、それを述べさせていただきますと、この火山の熱水由来のマンガンがアサリの減少に影響しているという1つの仮説だと思うんですが、これを検証する段階で、大きく分けますと3つほどその疑問といいましょうか、そういったものがあるんじゃないかなというふうに思っております。
 まず第1点は、熊本県の県北の荒尾地先と一番南の緑川地先が非常にマンガンの影響が強くて、その間にあります、例えば菊池川地先とか白川の河口域の漁場というのは余り影響がない、あるいはデータそのものがないという状況にございまして、私たち地元に住んでいる者から見ますと、むしろ火山の影響を受けるというのは、白川を初めとして、あるいは菊池川と、この辺がかなりマンガンの影響というのは河川からの影響というのが大きいんじゃないかなというふうに思っております。それで、各河川域の漁場の形質中のマンガンのデータが必ずしもそろっていないと、あるいはこの漁場といいましても、みんな独立しているわけでございませんで、各漁場間が大体北から南まで4~5キロメートル程度ということで、狭い上に干潟がつながっているという中でこういった差が出るのかなというのが1点目の疑問でございます。
 次に2点目は、河川からの砂の流入というものを、これもマンガンを当然含んでいる河川水と思いますが、これがその漁場形質のマンガンイオンの被害を防ぐだけの効果があるのかなという疑問が2点目でございます。砂の補給の減少といったものが1980年代以降のアサリの急激な減少につながっているということに対して、その砂が流入しなくなったということがイオンの被害を防ぐだけの効果というものはあるのかなというのが疑問でございます。
 それと3点目は、実は覆砂の効果というのを荒尾と緑川河口地先で述べられておりますけど、覆砂の効果といいますのは、この2ヵ所に限ったものではございませんし、平成14年、15年に菊池川、あるいは17年に白川でも覆砂はやっておりまして、効果があるということを聞いておりますし、しかも最近は本件でやっています覆砂にかわる採石による効果とか、あるいは竹等の漁場の構築物でもそういった確認がされているというようなこともございまして、そういったところから見ますと、マンガンにその原因を求めるというのは少し疑問なところもございます。いずれにいたしましても、こういう疑問がございますが、今後やはりマンガンイオンのアサリに対する毒性とか、あるいは漁場基質のマンガンの含量のデータといったものが今のところ不十分でございますので、やはりこういったデータといったものを継続してとっていただければというふうに思っております。
 以上です。

○荒牧委員長 それでは、岩下委員さんの方から今説明がありましたけれども、これを1で最も参考となるものという形で挙げること自体には問題がないということでよろしいですか。
 それとも、例えば先ほど言いましたように、この1で挙げたものというのは本委員会では主として原因の参考にしてほしいと、我々が挙げた。この前はそこら辺がはっきりしないまま上にとにかく参考になりそうなものを挙げておこうということをしたんですけれども、本城先生、それでいいですよね。本委員会では、この委員会が1と挙げたものは、できるだけその本文に記述するぐらいの重要性で扱ってほしいというふうに申し上げておるということでよろしいですね。そういうふうに取り扱われる、そうすると、今これだけの疑問が出ているものを1として挙げることが正しいかどうか、せいぜい2とか、あるいは3とかというレベルで一度挙げましたので、そのレベルで挙げてもよいのではないかという判断もあります。それは私が実は挙げましょうということを言って1で挙げた記憶があります。ですけど、これはもう一応そういう形でマンガン説がありますよということが了解されたというか、周知された、そしてまだ皆さん方専門の方がご覧になって、また十分に証明になり得ていないということであれば、少しここで判断を変えて、2とか3とかということもあり得るというふうに判断しますけれども、いかがでしょう。本城先生、ご意見があればお願いいたします。

○本城委員 疑問があることはすでに確かですね。しかし、先生の方は実際に科学技術振興調査費の予算でもってここを証明しようと努力されておられます。生理学的な面から、一応害があるというような結果が出てきていると聞いていますので、私は1として取り上げるよりも、2、3のところでまだペンディングにしておく、いつでも挙げられるようにはしておくというようなことで処理すればよろしいかと思います。

○荒牧委員長 提案なんですが、ほかとのバランスがあるもんですから、この同じ内容のものは多分ほかの先生方は評価をされていないかもしれない。だから同じことの内容が3つ丸で挙がることも少しバランスを欠くかなというふうに思いますけども、そこのこともちょっとご意見いただければと思います。2なら2というレベルにとどめておくということでいかがですか。ちょっとずっと読ませてもらって、ほかとのバランスの問題もありますので、実はこれずっとこの小委員会の中で、特に水産センターの方々が皆さんほとんど少し疑問が多いということをおっしゃっていたように思いますので、それがまだ解消されないのであれば、今、本城先生おっしゃったように、ご本人はそういう基礎的な実験からずっと進められておられるということですので、それまで待ってということではいかがかと思うんですが、いかがでしょうか。もしよければ、1つだけ選んでいただいて、これが中心論文であるということを、0というわけにはいきませんので、2ぐらいのところにして、ほかのところを3にするとかということではいかがでしょうか。そういう処理があり得ていいかなと思うんですけど。いかがですか。ずっと私、気になっていたもんですから、それが今回多分私が申し上げたことで皆さん方はずっと続きとして継続的にそういうふうに挙げられておられると思いますけれども、もう3回目だと思うんですよね。3回目になって、なお水産の現場に携わっておられる方々の中から疑問が出るのであれば、これは原点に戻って、2あるいは3という形でいかがかというふうに思います。事務局いいですか。何か特に問題があるところありませんか。よろしいですね。そしたら、担当された方がどなたか、熊本県で担当されたんでしょうか、それとも手分けしておやりになったのか。
 岩下委員さん、申し訳ありませんが、今言った私の提案でよければ、1つを主論文と思えるものを2にしていただいて、ほかは3という形で整理し直すということで、少しずっと懸案なものですから、どこかで決着をつけなきゃいけないと思います。
 ほかの委員の先生よろしいですか、それで。本城先生。

○本城委員 所長の言われた1、2、3、4、あの文章が残るようにすれば良いのではないでしょうか。

○荒牧委員長 そこは是非備考欄のところはそのまま残しておいていただいて、是非お願いをしたいと思いますが。

○岩下委員 そうしますと、今後の作業はどういうふうにすればよろしいでんしょうか。

○荒牧委員長 これ修正していいですね。まだこちらの方も、先ほど荒木先生が担当されたところは3にするということで、丸を外して。

○水環境課閉鎖性海域対策室長補佐 シートに加えて、リストにつきましても、ご意見。

○荒牧委員長 それでは、申し訳ありませんけど、岩下委員さんの方でもう一回修正をしていただいて、そしてもし修正版があればこれファイルでも送れますよね、委員の先生に。

○水環境課閉鎖性海域対策室長補佐 シートとあわせてまた6月。

○荒牧委員長 それでは、この2つが多分私がずっと気になって、今、荒木先生が言われた分とこの分がちょっと気になっていたもんですから、もしよければそういう形で処理させていただければと思いますが、委員の先生方よろしいですか。水産センターの方々、皆さんほとんど同じ意見だったもんですから、ずっと気になっていまして、そういう処理をさせていただきたいと思います。
 それでは、それ以外のことで何かご意見ありませんか。
 では、申し訳ありませんが、ちょっとまだもう少し時間をとれそうですので、多分これで最後ですよね。これで文献検索についてはこれが最後です。そして、これから先は多分本委員会が行っているさまざまな要因、原因分析の中で意見聴取という形のやつがメインになってくると思いますので、ぐるっと回って荒木先生からこれずっとやってこられた感想、あるいは野口委員さんは先ほどメインのテーマを述べられたのかもしれませんが、感想なり、あるいはご意見があればお聞かせいただけませんでしょうか。ぐるっと回ってご意見をお願いします。

○荒木委員 こういうことになるとは思わずに余り考えていませんでしたけど、一番最初の小委員会のときに、私は論文の良し悪しではなくて、学術的な興味じゃなくて、ここの趣旨である参考になるかならないかという原因究明に参考になるかならないかという視点で選ぶというか、1、2、3をつけましたということをお話しました。その後、親委員会との関連で、委員長おっしゃったように、だんだんと明確になってきた部分とか、少し質が変わってきた部分があったかと思いますけれども、感想として言えば、実にいろいろな見方があるもんだというものを逆に非常に勉強させていただいたということですかね。ただ、随分小委員会の方の努力はこの数と時間と論文にするとすごく多かったと思うんですね。それがいい形で生かさせていただける方向になったということでいいんですけれども、それもやはりある意味じゃ限られた分野だったのかなという気も若干しております。ですから、親委員会では当然もっと広範な視野というか、情報に基づいていろいろなことを評価してきていただければなというふうに思っています。以上です。

○濱口委員 初めまして。変なことを申し上げますが、この文献シートの整理の仕方でございますが、これは小委員会としてこれで出すということでございましょうか、それとももう少し。

○荒牧委員長 議論していただいて構いません。今、提案されて構いませんので。

○濱口委員 ちょっと気になることがあったもんですから、私、長崎県でございますが、文献シートの今の1というものは載せるということで、先ほど意見がでてました物差しのバランスの関係でございます。私どものそれぞれ各県さんにもお願いをして分担をしてやってきたんですが、私どもがやっていない文献の整理を見させていただいた中で、具体的には佐々木先生が書いていらっしゃる38ページと39ページでございますが、今のマンガンの話もありましたけれども、佐々木先生の分も読み合わせますと、基本的に1点、作業仮説の提示が中心になっているんじゃなかろうかなと思われます、中身を見させていただきますと、果たして1でいいのかなというような感じを大くくりの中での意見でございます。具体的には、7-15を申し上げますと、漁獲量の減少が潮流の減少と湾内に流れ込む水質の悪化した調整池の影響というようなものが中身としてはあるわけでございますけれども、推定できる直接的な資料の提示といいますか、こういったものが実際に文献を見させていただいた中でなかなか見えないというようなことでございます。
 それから、次の[7]-16でございますけれども、アゲマキ、サルボウに貧酸素が具体的にどのように影響を与えるのかということは明らかになっていないんではなかろうかなと、これは私どももアサリ等でいろいろ携わっているわけでございますが、貧酸素の発生については、ほかの先生方の意見では、諫早湾と佐賀県鹿島沖では個別に別個に発生しているというような事実が明らかになっております。そういった中で、現在西海区水産研究所が中心となって調査研究が進められておりますので、これを1とするのは少し無理があるのではなかろうかなという感じがいたします。
 それから、39ページでございますけれども、ノリの関係でございます。ノリの生産の及ぼすいろいろな不作の原因というものは、ご案内のとおりいろいろなことが考えられております。その場の気象、海況もございますし、直近の河川水、あるいはそういった栄養塩の状況というようなものが指摘されております。赤潮の発生件数の増加というのは、干潟の消失などとの関連というものが伺われておりますけれども、これは有明海全域の問題でございまして、特に諫早湾の締め切りとの因果関係を示す資料はないんじゃなかろうかなと考えております。ご案内のとおり、赤潮の発生機構というのはスケレトネマ等の小型藻類あるいは今回問題になりました大型藻類、あるいはラフィド藻類などの発生機構というのはそれぞれの文献の中で違っているというようなことが示されております。諫早湾堤防の締め切りと赤潮発生とノリの成長への影響への因果関係を示すには、定性的なデータとしてはちょっと不足しているんではなかろうかなという感じを持っております。
 以上でございます。

○荒牧委員長 今のここのところについて担当された方がおられましたら、もしご意見を承ればと思いますが、どうでしょうか。

○小林委員 この件につきましては、福岡の方で多分担当したと、前任者の方が担当したと思うんですけれども、その場に引き継ぎを受けて、全体的に私が感じたことは、確かに文献で1、2、3という評価をするわけですけれども、実際に非常に膨大な調査に基づき、資料に基づき、ちゃんとした科学的な根拠も踏まえて1にする文献もございますし、また先ほど出ましたように、仮説だとか、あるいは個人の推論で1にせざるを得ないのもあるということで、要するに、同じ文献でも非常に重いのもあれば軽いのもあるということで、この件に関してもはっきり言って自ら調査をやられたのじゃなくて、いろいろなデータをとりまとめて仮説を立てて推論をしていると、それで備考のところに書いております、これは多分それを担当した私の前任者の方が書いたと思うんですけれども、一応こういった見解を示している以上、参考文献とせざるを得ないという苦しい立場を書いていると思うんですけれども、そういった形でこういった評価をして、この仮説を否定するだけの事実があれば、これは当然1ではない別の評価になるんだと思いますけれども、そういう形で1というふうに評価しているんだと思います。

○荒牧委員長 いかがでしょうか。
 多分、ここの備考を一番丁寧にお書きになっていらっしゃるところから見ても、しかも文章のあれから読んでも、参考文献に挙げざるを得ないとか、参考文献とせざるを得ないとかと、ちょっと意見は自分とは違うけれども、挙げておきますというニュアンスの文章になっているんじゃないかと思いますけれども、ほかの方どうでしょうかね。本城先生、こういうときはどうすればいいかお知恵をかりるわけにはいきませんか。

○本城委員 先生をお招きして、そして講演を聞きましたですよね。そのときにいろいろな委員の先生から指摘がありました。慎重に対応しなくちゃいけない部分があるよというような発言もあったように思いますし、私自身もそのような発言をさせていただきました。ただ、正しい指摘も含まれています。だから、どこが正しいか、今決めることはできませんが、どこが正しいのかを抽出できたら、それは残しておくことであろうと思います。そういう判断しか私には今のところできません。

○荒牧委員長 これは分担作業ですので、皆さん方お読みになっていらっしゃらないというところでなかなか意見交換がしにくいんですけれども、長崎県の濱口委員さんの方からは、ずっと読んで、必ずしも全面的に賛成できない部分が多いと、それから多分福岡県さんの方でも担当していただいた分でも、少し違うけれども、一定程度の、先ほど荒木先生言われたけれども、これが議論としてはあり得るテーマだから挙げておくということもあり得るということだとすると、それをどの点に評価するかというのはここで決めればいいんじゃないかという気はしますけれども、どうぞ。

○本城委員 長崎県の方が指摘された部分は、確かに類推の強い箇所であります。ですから、この文献の中でどこが良いのか、これは間違いなかろうという箇所を指摘し、抽出できるかどうかです。時間を費やしてこの箇所を抽出していただいて、どなたかが判断して、それは間違いなかろうとなったらその箇所は1に入れるべき大事なものですよとなるのでしょうね。その時には内容を分担をして正否を決めていくことになるのでしょう、僕もこの文献全体はわかりませんので。

○荒木委員 数回前から判定を書くところに、備考のところに注意点みたいなことを書くようにしましたよね。いいんだけど、例えばこういうところは少しまだ調査が、データが足りないとか、突っ込みが不足しているとか、要するに親委員会でそれを参考にされるときに参考になるようなコメントを書くようにしたんですよね。ですから、そのような書き方をひとつされれば、今の件ですよ。

○荒牧委員長 そういうふうにお書きになっているんだろうと思うんですよね。

○荒木委員 そうしておいて、挙げざるを得ないというか、ところあると思うんですね。私が最初この委員会で自分の仕事だなと思ったのは、要するに自分の考え方だけで論文を査読するというか、そういう意味ではないんだろうと思ったんですね。十分科学的な知見、調査とかに基づいてそれなりの結論を導き出されているとすれば、その文献自体は読むといいますか、参考にする価値はあると客観的に思わざるを得ないということですね。そうしないと、恐らくそれぞれの委員の方の要するに主義、主張といいますか、スタンスだけでここに挙がってくるものが決まってしまうということになってしまわないのかなと思いましたので、私は非常にそういう意味で客観的にそれなりのバックデータだとか何とかがあるものについては主張してありますよ、ただし、まだまだ例えば評価が分かれるところですとか、解析が不十分ですといったようなコメントを書いて出してきたつもりです。ですから、この件についても、どこがよくてどこがちょっと問題かということをもう少し明確に書いていただいて出すなり出さないなりということにすれば、本委員会も扱いやすいんじゃないだろうかと思います。

○本城委員 備考はすごく書いてありますね。しっかりと。

○荒牧委員長 しっかりと書いてあるんですね。ですから、もう一つ先ほど申し上げたように、私ちょっと意見を申し上げると、1というのはある程度この委員の方々が、これは多分本当に近いというか、自分たちが押して是非参考にしてほしいということ、2は一応シートをつくるわけですよね。そして参考にしてほしいという、1と2の違いというのは、1は先ほど申し上げたように、本委員会で是非それは何らかの形で反映させてほしい、2は参考にしてほしいというようなことを言っているようなところがありますので、その1と2の違いをうまく使い分けて、といってシートをつくらないというのではないけれども、我々としてはまだ疑問がありますと、この委員会の意見がそこに反映されているというやり方もあるわけですよ。それは委員長をやっていて一番どうするかなと悩んでいたのは、この委員会の意見も反映させてほしいという部分もあるわけですね。荒木先生が言われたのと少しニュアンスが違うかもしれませんけれども、我々の判断はどうなるんだということもおっしゃっていたので、そこを調整する役割として1と2の意味づけを少し変えていくというやり方もあるというふうに思います。それは皆さんの判断で構わないと思うんですけど。

○濱口委員 確かにそういうことかもしれませんが、私どもこの文献を見させていただいたときに、長崎県諫早湾を抱えておりますので、そういった視点からということじゃございませんで、もともとここの文献の[7]-17を見ましても、簡単に言いますと、ノリの不作の原因は諫早湾干拓が主な原因だったというような指針にとるような内容になっているわけです。ここら辺は、ご案内のとおり第三者委員会でも十分議論がなされて、そこで果たしてノリの不作は何なのかというのが、あれだけの学者さんが集まられて議論をされております。従って、それがそのまますんなり1なんですかというようなことは言えないのではなかろうかなと思っています。

○荒牧委員長 ほかの委員の方どうですかね。
 中村先生、荒木先生、何かご意見があれば教えていただけませんか。これどういうふうにこの小委員会として取り扱っていけばいいかということにお知恵はありませんでしょうか。

○中村委員 1と2がシートとして残るわけですね。ですから、どうしても挙げたいのを1にしておいて、そして迷っているといいますか、そういうのを2として残せばいいのではないかというふうに、先ほどのマンガンのことでもそうですけれども、というふうに思っているんですけれども、ですから、この場合も2ぐらいで残しておいた方が。

○荒牧委員長 荒木先生どうですか。

○荒木委員 委員長とちょっと違うあれがあったかもしれませんが、1は必ずしも例えば自分自身が1をつけるときは、本委員会で本文に何か記述をしていただくというイメージは僕自身は持たなかったですね。十分参考になると、たくさんの論文の中から目を通していただいて、その概要版を見ていただいて、参考になるだろうという文献として選んだつもりなんですね。ただ、委員長が親委員会との間で調整されたのは、当初、この小委員会が苦労してまとめたのがなかなか親委員会で反映されていないといいますか、親委員会は親委員会で膨大な資料を調査されていて、そこから挙がってきたやつがどの程度見ていただいているかというか、そういうところがあったんじゃないかと思うんです。須藤先生が多分そういうことも少しおっしゃっていたと思うんですが、そこで多分もう少し見てよという意味で委員長が提案されたんじゃないかと思いますが、私は十分参考になる論文として1をつけてきたつもりですね。現実的に中村先生おっしゃったように、2はシートができるのならば、多分目につくような形になるわけですから、そういう取り扱いでいいんではないかと思います。

○荒牧委員長 今日実は岡田先生という一番最適人の方がそこにおられて、我々の挙げた論文が岡田先生のいわばまとめを通して日の目を浴びていくという形のルートになっていますので、本委員会で私が申し上げたのは、岡田先生、是非この1と我々が2と挙げたところは是非お読みいただいて、これが何だかの形で反映されるようにご努力をというふうに申し上げた記憶がありますので、岡田先生そこのちょっと何かコメントがあればお願いできますか。

○岡田委員 すみません、遅く来ましたので。後で親委員会のまとめに向かった整理の話をさせていただきますので、本当はそのときの方がよろしいかと思いますが、後でご報告させていただく親委員会のまとめにおいて、やはりここでいろいろご検討いただいた資料をもっともっと正確にというか、十分に反映していただきたいということになりました。そういう意味で今日私がここにお邪魔させていただいた次第でございますので、後でご報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○荒牧委員長 そういうことで、私たちの作業が皆さん読んでもらったシートが眠らないようにする方法論みたいなものとして先ほど申し上げたので、これももし委員長の判断としてよければ、今、委員の方々がこういう文章の書かれ方をしているということであれば、2に挙げてシートとして残すと、参考にしてほしいということで、ただ委員会としては、少し意見が割れていますので、こういう意見が割れているときには2のレベルでよいという気もしますけれども、いかがでしょうか。よければそういう処理の仕方をさせていただければ、我々のこの委員会の意思というのがありますので、合議制になっていますから、必ずしも分担だからその意見だけをということにはならないと思いますので、そういう形で処理させていただけると我々の意思が反映するということになると思いますが、よろしいですか。
 それでは、そういうふうに処理をさせていただきたいと思います。
 それでは、回っていましたけど、岩下委員さん。

○岩下委員 私小委員会に初めて出ましたので、特にコメントというのは差し控えさせていただきたいと思います。後で何か思いつくものがありましたらまた発言させていただきたいと思います。

○川野委員 荒木委員のお話のように、基本的に私はそういう態度でやったつもりです。しかし、なかなかやはりいい論文が、いいなと思う部分も確かにありました。それで、データの量だとか、その質、これは1に挙げたのは、このデータそのものをもう一回、本委員会でも見直していただきたいなというようなものを1にしました。ですから、論文がいい悪いよりも、これは本当の生の現地のデータがこれだけあるから、これはもう何としてでも1にしてほしいという、1はそういう観点でいたしました。でも、随分悩んで迷っておりまして、本当に困っております。
 以上です。

○古賀委員 鹿児島の方は八代海担当しているんですが、なかなか八代海の方のデータはないんですが、有明海についてはいろいろな面でいろいろな研究がされているんだなという、ある意味では私も勉強になりました。今論議になっている話ですが、私がちょうど一番最初にマンガンのやつを担当して、これ1で挙げるのかな、もう3なのかなというと、ちょっと悩んで1回ここに出した記憶があります。というのは、確かにここの分類の仕方で、短期的な変化の原因を定量的にここだけ読むと、これを否定するだけの私ども知識を持っていなかったもんですから、これは1かなという感じはしたんですが、確かにおかしいところはたくさんあるわけですね。多分アサリの原因についても、試験場関係九州で全部、またこのいろいろな原因について十分な意見交換するわけですけれども、そのときはこういう話はもうどんどん否定されていくわけですね。そういうのを1番で挙げていいのかなという気はしたんですが、この分類の仕方を見ると、挙げざるを得んなというところで悩んでどうしましょうかなという話をした中で、ちゃんと理由をつけて1で挙げる形にしましょうかということになったと思います。ただ、今、委員長のお話のように、小委員会としては1で挙げたやつは親委員会でもという観点からとれば、そういう方法になればもう1から落として、2の参考程度にして、これは確かだねというのを1として挙げていくのが本当だと思いますし、ちょっとなかなか1、2、3、4の分類の仕方がある意味じゃ難しかったなというのがこれまでやってきた感想でございます。

○小林委員 私も今回初めて参加ということで、ちょっと感想は控えさせていただきます。

○中村委員 私は荒木先生と、干潟それから潮流・潮汐のところを担当してきたんですけれども、潮汐・潮流のことについて言えば、最初は本当に潮流・潮汐そのものについての議論をずっとやってきたんですが、ここのところを見ると、潮汐と貧酸素水塊の動きとか、そういうふうに関連した部分に研究の対象が移ってきているというのがよくわかったんですね。それで、今度これで送られてきたの、私のところに来たのは、どうも要旨集みたいな学会での口頭発表の文みたいなのが多かったんですね。よく見ていると、ほかのところで今度は論文として出ているというのがあったりして、ちょっと今見てああというふうに思っているところがあるんですけれども。それで思いますのは、今回でこの文献検索終わりということなんですけれども、今からちょうどそういう貧酸素とか、間を縫っていく論文がどんどん増えてくるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、それでもこういう分類だとちょっとまた読みにくいですよね。どなたが担当するかというのは、そういう面もあるんですけれども、もっと増えてきそう。

○荒牧委員長 おっしゃるとおりでして、私の立場から言っても、今やっと研究プロジェクトをスタートして2年目というところですので、今から成果が出るのにというのはありますので、中村先生もうちょっと大きな声でこちらの方に言っていただけると助かりますけど。

○野口委員 佐賀県の野口です。私も文献ここ2年ですか、読ませてもらったんですけれども、先ほど荒木先生が言われたような感じで分類はしてきたつもりなんですが、特に長期的な資料、データを使って論じられている分については、ある程度分類からしたら挙げざるを得ないのかなということで挙げてきたつもりです。
 それと、あと1つは、非常に迷ったのが、先ほど荒木先生の方からどちらに分類した方がいいかというような話もありましたけれども、そういうふうな今後やっていく上で非常に参考資料となるような文献もあったもんですから、そこのところがどちらに入れた方がいいのかと、特にそういう基礎データというんですか、そちらの方が結局この分類からいきますと中長期的、短期的なという部分も入ってはいるんですけれども、ただ、そういう参考資料になるようなというのがちょっとひっかかって、どうしようかということで迷ったところでございました。
 ただ、今回はどちらかといえば、やはり有明、八代海等関係するけれども、ちょっと対症療法的な文献というか、それが私の担当したのが7と8の部分ですので、非常に幅広がったんですけれども、そういう感じをさせてもらいました。また先ほど中村先生の方からも話がございましたけれども、今後ちょっと気になったのが、先ほど言われたように、大学あたりでもいろいろプロジェクト関係されていますし、我々もいろいろ大学等とプロジェクト関係しておりますので、今まではどちらかといえばよく見てみますと文献関係、大学関係が主体か、またそういう研究をされている方が主体ということで、県の方が少し抜けているのかなという感じはしていたところです。ただ、県の方がなかなか途中途中で出すんじゃなくて、年報みたいな形で出すもんですから、こういう広げ方ではなかなか出てこないのかなという感じはしているんですけれども、これから年度が終わって、新しいそういう研究報告関係も出てくるのかなということで、今後そこあたりの取り上げというんですか、今回で終わりということですから、ちょっと無理なのかなと思いながら意見を述べさせてもらいました。

○濱口委員 私も初めて来まして、まことに最初からご意見を申し上げて失礼いたしました。先生方、確かにこのようにいろいろな複合的な要因を抱えている中で、どれを物差しにして整理をするのかというのはご苦労あられたんじゃなかろうかなと拝察いたします。
 それともう一点私が感じましたのは、ここに来るに当たって、文献をある程度斜め読みを全部させていただきましたけれども、有明海の資源というものを考えるときに、すべて右肩下がりの減少傾向にあると。そうしますと、違った見方ですると、それに逆相関するような考えられるようなデータをあわせて何でも言えるなという感じを個人的にはした経緯があります。ここら辺は今、佐賀県さんからのお話もありましたように、複合的な要因がかなり絡んでいますので、いろいろな中で研究者の方々が議論して、1つの原因究明をやるべきじゃなかろうかなと思っております。
 以上でございます。

○本城委員 私は貧酸素水塊と赤潮のところを担当させていただきました。私は赤潮や貧酸素のところの研究を行っていますので、かなり偏る考えになることに注意して、弘田先生と直に交わって話を数回ほど行いました。ですから、九大に来ていただいて、先生と整合をはかり、かなり見解が異なる部分は相当論議をいたしまして、そして整理をさせていただきました。
 それから、同じような内容の文献がたくさん同じ先生から出されていることがあったので、その中から過去において一番大事だろうと思われるものだけを残して、2人でできるだけ整理したことを思い出します。しかし、忙しい中で次から次に文献の内容を読んでいきますので、環境省から整理されて内容の概要が送られてくる、その内容を見て判断するようなことが多かったですね。それで、概要が正しくないこともありました。その時には、概要を修正しました。それでも概要を信頼して私はかなり判断させていただきました。大分苦労いたしました。

○荒牧委員長 ありがとうございました。
 それでは、ほかに特に付加的にこの作業についてご意見ありませんでしょうか。
 事務局の方、今までのまとめで記録はよろしいですか。まとめとしてそういうふうに取り扱いますけれども、それでよければ、何かあれば私の方に申し出てください。
 作業としては、ですから修正が必要ですので、5月末くらいまでに今の意見を、いわゆるシートのまとめ方についてはご意見をいただくことでよろしいですね。それから6月に最終版を配付することになっておりますので、それまでに先ほどの作業をずっと皆さんに送りながら終らせていくことでよろしいですか。
 それでは、そういう形で進めさせていただきたいと思います。
 今回で最後だということになっておりますが、先ほど中村先生からも野口委員さんからもあったように、実はたくさんの研究プロジェクトが進行していて、この成果を一体どういうふうに今後するかというのが、環境省の仕事なのかどうかよくわかりまりせんけれども、どこかで何かの作業をやることが有効なのではないかと思えることもありますので、何だかの形でご検討いただければありがたいかと思います。どうぞお願いいたします。

○水環境課閉鎖性海域対策室長 貴重なご意見ありがとうございました。それからこれまで本当に大変な作業、お忙しい中をしていただいて、そのご苦労の一端が今のコメントにもあらわれておりましたけれども、本当にありがとうございました。
 今回最後という話でありますけれども、この親委員会のとりまとめをことしの秋ぐらいにやるということでありますので、それに間に合わせるためにはこのぐらいで一度時間を区切らないといけないということで行っております。恐らく評価委員会がとりまとめた後の話につながる、現時点ではまだ何も決まっておりませんけれども、いろいろな研究もまだ進んでおりますし、まだ不確実さもたくさん残っておるわけですから、何らかの形で調査研究を進め、それを評価していくということを当然考えていかなければいけないと思っておりますので、またそれにつきましては、改めていろいろな形でお願いをしていくことになるかと思いますので、またよろしくお願いしたいと思っております。

○荒牧委員長 それでは、この1の議題を終わりにしたいと思います。本当に皆さん精力的にこれまで長い間読みこなして、こういうまとめにご参加いただきまして本当にありがとうございました。感謝をいたします。
 それでは、次の議題、問題点と原因・要因の検証についてです。評価委員会の方では岡田委員、それから細川委員を中心に、例えば今話題になりました二枚貝の減少といったような具体的個別的なテーマに関して、その原因・要因といったものがどういうものであるのかということの検証作業が進められています。先ほどご紹介しましたように、岡田委員が中心になっていただいて、今まで集められたデータからいろいろな作業をしていただいているわけですけれども、須藤委員長の方からも小委員会の専門の、特に現場で水産センターとして研究調査を行われている現場の方々のご意見をお聞きしたいということでしたので、今日は岡田委員に出席をいただいて議論に参加していただくことにお願いをいたしました。
 それではまず、資料4について事務局の方からご説明をいただいた後、議論に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。

○水環境課閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、資料4-1、2について説明させていただきます。十分な説明ができるか自信がないんですが、後でまた岡田先生の方から補っていただければと考えております。
 まず資料4-1でございますけれども、めくっていただきまして、この資料4-1につきましては総括的なとりまとめということで作成されておりまして、そのバックグラウンドというか、資料編というのが4-2になっております。資料4-1の方の2ページ目でございますけれども、ここに書かれていますのが試案というか、試みの作業を行う際の前提というか、基本的な考え方をここに書いております。ここでは有明海の変化のうちで長期的に大きいような環境変化の原因を究明するといったことをまず試みるということでございます。この究明に当たっては、毎年日々起こっているような事象の詳細を解明するということではなくて、これらを重ね合わせて見えてくるというような自然への大きな人為的な影響であるとか、長期的な自然変動といったレベルの変化の解明ということを目的とするということでございます。
 それで、この解明に当たりましては、有明海における貝類の減少といったような大きな変化が見られた80年代から20年ないし30年の時間的スケールの中で何が一体大きく変わってきたのかといった特定、またこの変化に何が大きく寄与したのかというような特定が必要であるということでございます。ただ一方で、局所的なものとか短期的な変化といった点につきましても、これは取り組むべき課題であるという考えでございます。
 手法としては、次のページに評価委員会の中間とりまとめで関連を図式化したものでございます。それぞれ問題なり原因、要因が線で結ばれたものでございますけれども、この図をもとにしまして、それぞれ問題点である生物の減少、環境の変化とその原因、要因の2つの関係をデータとして照らし合わせて両者に相関関係が見られるかどうかというような検証を行っております。一方、長期的なデータがない場合であっても、短期的な影響があるというようなことについては、そうした知見もあわせて整理を試みたということでございます。
 それでは、ページめくっていただきまして、4ページ、5ページでございますけれども、これは二枚貝の中でアサリを抜き出して、貝でも種類によって要因、原因が異なるんじゃないかということでアサリだけを抜き出した図でございまして、それぞれにアサリに関係があると思われる原因、要因も抜き出しております。それでそれぞれ両者にどういった関係があるかということを整理した表が5ページにございます。順に説明させていただきますと、まず一番上から言いますと、潮流・潮汐の変化というところでございますけれども、これにつきましてはこちらの資料編の方をご覧いただければと思いますが、1ページ目からアサリの減少ということでページが始まっておりますけれども、この1.1.1、原因・要因として指摘されている事項につきましては、これは出典は第10回か11回の評価委員会の際に問題点とその原因・要因として指摘されている事項ということで、これも岡田先生の方でとりまとめていただいた表、内容につきましては随分小委員会の文献も入っているかと思いますけれども、そこを抽出したものでございます。その下に1.1.2として検証作業が行われているという、すべてについてそういうような構造になっております。
 それで、潮流・潮汐につきましては、2ページでございますけれども、潮位でございますけれども、これは大浦の潮位変動と各県のアサリの漁獲を比較したものでございます。これについては図にCとついておりますけれども、これにつきましては長期的な変動についてはCでございます、下の注1をご覧いただければと思いますが、経年的な相関関係がどうも認められないようだというものということでCとしております。説明がちょっと前後いたしましたが、注1でございますけれども、Aについては経年的な相関関係が見られるもの、Bについてはデータが不十分であり判断できないものと、Cにつきましては相関関係が見られないんではないかと思われるものということで区分をいたしております。
 潮流につきましては、前のページに戻っていただきまして1ページで、長期的な例がないということでBにしております。
 それから次に、赤潮でございます。赤潮につきましては3ページでございますが、これはただの赤潮ではなくて、アサリを殺すという有害な赤潮ということで、シャットネラの発生件数について経年的に整理したものでございまして、それが4ページになって出ておりますが、これにつきましては、長期的には明確な相関関係はないんではないかというようなことでCとしておりますが、ただ一方で、短期的なものとしては、実際に2000年と2003年に佐賀と長崎でシャットネラによるアサリの斃死が起きているというようなこと、あとよく見ると、もう佐賀、長崎では近年なんですけれども、シャットネラの発生と漁獲減というか、シャットネラの発生により押さえ込まれているようなそういった形も見えるものですから、短期的にはこういった情報があるということでございます。
 それから、底質の変化でございます。これにつきましては5ページからでございまして、これは底質の変化として代表をされる中央粒径値について経年的なものとアサリの漁獲を調べたものでございまして、熊本県の方からデータをご提供いただきまして、緑川河口域の底質の中央粒径値の経年変化をプロットしたものでございまして、その結果につきましては6ページにございます。若干以前に比べて中央粒径値の減少というのは見られますけれども、それほど大きな中央粒径値の減というのが見られないで、アサリの漁獲量との明確な相関が見られないのではないかということでございますけれども、一方で、取ったものが中央粒径値のみということでございまして、泥率であるとかCODとか、そういった有機物や硫化物を示すようなデータというものが長期的なものがないということから十分なデータがないのではないかということでBということで整理しております。ただ、短期的な影響ということでは、覆砂によりアサリの定着と成長が確認されたというような報告がなされています。
 それから、続きまして貧酸素ですけれども、8ページからになります。貧酸素につきましては、データとしては長期的なものは浅海定線調査による底層DOのものがありますけれども、10ページ以降経年変化が書いていますが、特段DO自体に経年的な変化を読み取れないということ、これは大潮時にDOをとっているというようなことからもその原因があるのではないかと考えますが、まだ十分なDOデータの収集がなされていないというようなことから、ここはBとしています。一方で、短期的な影響に関する知見ですが、これにつきましては直接的な死亡要因になる場合が少ないというような報告、また一方で、貧酸素水塊の発生と連動するような形でアサリの斃死が起きたというような2つの報告がなされております。
 続きまして、ナルトビエイによる食害です。これは13ページからになりますが、これにつきましては、まずアサリを食べるエイ類の長期的な資源データがないというようなことで判定としてはBになっております。参考として、ナルトビエイがどのくらいいるかというような推定が評価委員会の方でなされていますので、どのくらいアサリを食べるんだろうということで推定したものが14ページにございます。評価委員会の方で標識放流の結果からナルトビエイが14万から24万ぐらいいるんではないかというような報告がなされたものですから、それに1日の摂食量を推定したものを掛けましたところ約9,000トンという数字が出てまいりまして、これは2005年のアサリの漁獲量の大体4割から7割弱になったというレベルで食害があるのではないかというようなことを推定したものでございます。
 次は、スナモグリでございますけれども、これにつきましては長期的なデータがないというようなことでございましてBですが、一方で最近アサリとスナモグリの分布についてはその逆相関が見られるというようなこととか、あと餌の植物プランクトンをめぐって競合している可能性があるというようなことを示唆するような報告も行われております。
 続きまして、漁獲圧、あと化学物質でございますけれども、いずれも十分なデータがないということでBでございます。あとマンガン説については小委員会のコメントを付しております。
 続きまして、資料4-1の方の6ページ、7ページのところでございます。タイラギのところです。タイラギにつきましては、まず潮流・潮汐につきましてはアサリと同じように大浦での年平均潮位差とタイラギ漁獲量については明確な相関が見られないということと、潮流に関する長期的データがないということで、それぞれC、Bというカテゴリになっております。
 続きまして、底質の泥化でございますけれども、これにつきましては23ページ、24ページでございますけれども、これにつきましては中央粒径値が7以上のもの、つまりもっと細かい粒子ということになりますけれども、その分布が1989年と2000年でどのように変わったかということで、図2.5で示しておりまして、この赤いところの面積比でございますけれども、これがどのように変わったかということと、タイラギの漁獲を照らし合わせたところ、一定の相関が見られるのではないかということでAということで区分しております。
 それから、その下の貧酸素水塊でございますけれども、やはりアサリのところで申し上げましたように、十分なデータがとれていないということからBとしております。また、短期的な影響ということにつきましては、これはやはりタイラギの斃死と貧酸素水塊の発生が時期的に一致した事例であるとか、一致しない事例があると、いずれも行政特別研究の結果でございますけれども、そういった情報もございます。
 続きまして、ナルトビエイでございます。先ほどのアサリの事例と同じように、長期的な例ではないんですけれども、参考として年間どのぐらいの量を食べるのかということを推計しておりましたところ、約1,700から約3,000トン程度食べるのではないかということで、2005年のタイラギ漁獲量の約5倍から9倍程度とはじかれました。
 続きまして、ウィルス、漁獲圧、化学物質でございますけれども、いずれもそのデータがないということでこれもBということになっております。
 次、4-1をもう1ページめくりまして、次はベントスの減少でございますが、資料4-2については32ページからになります。まず、底質の泥化でございますけれども、これにつきましては表3.1にありますように、平成元年と平成12年の底質調査からMdφ7以上の地点の分布、またはその泥率70%以上、強熱減量10%以上の地点数から面積を出しまして、それぞれどのように変化したかということを示しています。そのときに採取されたデントスの量について対比したものでございまして、34ページ、35ページでございますが、チヨノハナガイとイヨスダレガイという一部のベントスについては、底質の悪化に対して個体数の減少が見られるということで相関が見られたということでございます。それ以外の種については逆に増えたというような種もございまして、相関が見られなかったと、ただ見られた種もあったということで区分としてはAとしております。
 それから貧酸素につきましては、36ページでございますけれども、アサリと同じようにデータがないということでBという扱いにしております。
 続きまして、資料4-1の魚類のところでございますが、まず水温の上昇というところですが、これにつきましてはまず最低水温のグラフと魚類漁獲量のグラフを照らし合わせたものでございますが、前半最低水温の上昇とともにその漁獲が伸び、一方で今度は後半減少に転じるというようなことで明らかな相関が見られなかったということでCという区分にしております。
 続きまして、ノリの酸処理剤のところでございますが、これにつきましては38、39ページでございます。これにつきましては対象としては内湾性のボラ、スズキ、クロダイや、あと稚魚が湾奥に出てくるニベ・グチ類の漁獲と各県の酸処理剤の使用状況ということで両者を対比させたものでございますが、一定の相関が見られるということでAということで区分しております。
 次の感潮域の減少でございますけれども、そもそもこの感潮域につきましては感潮域を直接示すデータはございませんので、扱いとしてはBということになりますが、参考としてそれぞれダムや堰の建設、あとは干拓面積との関係を図4.3に示したということで、あくまでこれは参考資料ということでございます。
 それからあと、藻場・干潟の減少でございますが、これが参考資料の42ページからになります。これにつきましても、扱う魚としては内湾性のボラ、スズキ、クロダイ、ニベ・グチということで漁獲量を出しております。藻場・干潟面積につきましては、この環境省の自然環境保全基礎調査の結果ということでして両方とも一貫して減少しているということで一定の相関関係が見られるということでAとしております。
 続きまして、潮流・潮汐につきましては、主に有明海の魚類全体と底を中心にグラフを出しておりまして、ウシノシタやガザミ、ニベ・グチ、カレイなどと潮流の潮位差ということで大浦の潮位差を比べたものでございますが、一定の相関関係は見られなかったということでございます。潮流につきましては先ほど同様データがないということでBでございます。
 それから、海底地形の変化でございますが、これはデータがないということでB扱いでございました。
 それから、赤潮でございますけれども、赤潮につきましては対象とする魚類につきましては、ある程度の漁獲のあるものということで、過去に500トン以上の実績のあったような魚類を選んでグラフとして示しておりますが、これにつきましては一定の相関が見られるように感じられますのでAということで区分しております。
 それから、続きまして底質の泥化でございますけれども、これにつきましては評価委員からのご発表の資料を参考に1956年から2001年までのMdφ2と4の等高線というものから面積を出しまして、それを結んで、すなわちこの間に泥化が経年的に進んだというような過程のもと、漁獲量とどのように相関があるかというようなことを見たものでございます。これにつきましては明確な相関がないというようなことでございます。
 それから、底質の有機物、硫化物の増加、あとは貧酸素、あと外来種の影響、あと漁獲圧、あと化学物質、人為的なコントロールとも十分なデータがないということでBということで区分しております。
 続きまして、赤潮でございます。時間の関係で以下からAのみ簡単にご説明させていただきます。まず、透明度の上昇でございますけれども、65ページになります。グラフについては66ページということでございます。データは福岡、佐賀とあと熊本県の浅海定線データということで使わせていただいています。長崎県については透明度のデータがなかったものですから、熊本のもので併用して示しています。これにつきましては、両者の一定の相関関係が認められたということでAということで扱っております。
 続きまして、干潟・藻場の減少につきましても、一定の相関が見られるというようなことでAにしております。68ページでございます。
 続きまして、二枚貝の減少、あとベントスの減少ということで、こちらにつきましては72ページにございます。二枚貝が減ればプランクトンフィーダが減るということで赤潮が起こるのではないかというようなことでございまして、これにつきましても一定の相関が見られたということで、二枚貝、ベントスの減少ともにAというような区分になっております。
 次のページをめくっていただきまして、透明度の上昇でございますけれども、これにつきましては河川からの土砂供給の減少ということで75ページからになっております。図につきましては77ページからになっておりますが、これにつきましては、まず有明海にそそぐ河川のSSの経年変化が75ページにございまして、1975年から横ばいもしくは減少傾向にあるというようなこと、そういう状態にありまして、それに対して佐賀、熊本では透明度の上昇傾向が見られるというようなことで相関関係があるのではないかということでAにしております。これはもう少し海域区分を区切るなど工夫が必要なのかなというような気もいたしますが、ざっとつくってみたところ、そういうような傾向が見られるというようなことでございます。
 事務局からは以上でございます。

○荒牧委員長 それでは、これは皆さんに一度あらかじめ配付してありましたよね。読んでいただいたと思います。今日は先ほど申し上げましたように、この作業の一番メインで作業を進めてこられた岡田先生にも来ていただいています。まず岡田先生からコメントをお願いいたします。

○岡田委員 事務局の方から基本的な点はご報告させていただきました。
 若干というか、事実上繰り返しになるかもしれませんが、これをやった意図と感想を最初にご報告させていただければと思います。
 この資料をつくるに当たって、今までの評価委員会、それから小委員会で報告されたいわゆる論文等の公開情報をもとに、最初につくったのが今日の4-1の3ページにございますこの図でございます。これは皆様方、さまざまな研究者の方がいろいろおっしゃったことを全部足していると、ORですね。ですから何でもかんでも入ってます。これをこのまま対策に結びつけるには当然のことながら複雑過ぎるし、このすべての要因に対して対策を打っていくというのは余りに無駄であるということで、やはり重要な点を抽出したいというのがそもそもこれを始めた意図でございます。重要な点を抽出するのに、実は私、広島大学でございまして、有明・八代海では一度も研究したことございません。論文も1つもございません。そういう意味では何も言っていないので最もフェアというか、素人であるといえます。ただその前提で須藤委員長からご指名を受けたわけです。要するに私は何を言っても何をたたかれても困らないというか、変な言い方かもしれませんが、利害関係のない委員として君がとりまとめというか、たたき台をつくってみろと、こういうふうにおっしゃられましたので、お引き受けいたしました。そういう意味で本当のたたき台、叩かれても困らない人がつくったものですので、そういうふうにご理解いただければよろしいかと思います。これをだんだん重要度を明らかにする上で何を考えたかというと、先ほどの資料のご報告でございましたように、いつ、いつというのは短期的な話ではなくて、短期的な因果関係ではなくて、どちらかというと長期的な有明海の問題を見たいということで、中のグラフが1980年ぐらいから2000年代までの時間がとってあります。それからどこで、この問題は熊本地先だけのローカルの問題なのか、有明海全体の問題なのか、これを混同すると熊本地先の問題がすべて有明の問題のようにとられると、やはりこれは問題があると。それから具体的にどのぐらい変化したかと、例えばアサリが取れなくなったというのも、例えば10%減ったのか90%減ったのか、これも文章で書くと減ったと書いて、減ったから問題だと主張するんですが、適切な表現じゃないかもしれませんが10%と90%じゃやはり意味が違うわけです。その辺をできる限り定量的に明らかにしようと思ってこの作業を始めました。最初に先ほどの4-2で見ていただきますと、一番最初だけ異様に詳しいわけですね。1つの例ですが、アサリの漁獲量と年平均潮位差、余り関係ないだろうと思うんですが、2ページでございます。ここではアサリの漁獲量は先ほどどこでという福岡県なのか佐賀県なのか、きちっと分けるように努力しました。ですからこれでいろいろな議論が進められていきますが、その後、例えば6ページご覧ください。この辺になると非常にがっかりしてしまうと。緑川河口域の干潟の中央粒径のデータしかなかなか得られなかったと。これはないということではなくて、我々が今まで得た委員会等でご報告いただいたデータを見る限りこれしかなかったということで、最後に先生方にお願いしたいのは、きっと先生方お持ちだろうと、どこかに眠っているんではないかということで、この有明海で長年研究されている先生方にお願いしたいというその最後の申し上げたい結論を先にここで言ってしまいます。こういうところから本当にお願いしないとこの先進まないだろうという危惧を抱いています。
 ちょっと話がずれましたが、緑川河口域と熊本のデータです。本来はこれが各県別になければ有明海全体でああだこうだ言うのはやはりおこがましいことになります。それでもこれはデータがある方だからいいわけですね。後ろの方ずらずらっとさっきご報告いただきましたが、データがあるかないか極めて怪しいような図で、無理してそれをA、B、Cつけているわけです。ぱっとご覧になって何でこれがAなんだとか、冗談じゃないCはひどいじゃないかと、当然思われて結構です。私どもが自信持ってつけたわけでもないし、ましてやA、B、C、今日は2回同じ話すると疲れるからということで事務局にお願いしたんですが、やっている我々自身が全然自信ございません。これはもう仮につけてみたというふうに是非お考えいただきたいと思います。それと、ここでやっているやり方は1つ1つの要因の因果関係をとっています。複合要因ということは一切やっておりません。よく複合要因によってと主張している論文もあるんですが、複合要因の場合はAとBの要因が複合してどういうメカニズムで例えばアサリが減ったというきちっとした論証がない限りそれはとても使えないだろうと、こういうことで今のところそれは避けております。明確に2つの要因がANDできかなければこの事象は起きないと、きちっと科学的にやっている論文があればそれは採用するつもりですが、あるのかもしれません。今のところそういう事例はうまくピックアップされていませんので、それは我々の素人の悲しさかもしれませんので、そういう場合はご指摘いただければありがたいと思います。そういう意味で複合要因は無視しているというような状況でございます。最初これ始めたときは、もっともっときれいにわかるんじゃないかと思って期待して始めたんですが、正直言いまして、なかなか思うデータがないなというのが我々の感想でございます。というわけで、4-1の2ページをご覧になっていただければ、これが私どもの小委員会に今日出させていただいたお願いでございます。今後の課題をここに書いてございますように、入手できる情報の量、質に限界があります。これはあくまでも今まで我々が入手した情報の量と質に限界があるということでございますので、是非この小委員会の委員の皆様方がお持ちのデータを、この怪しい資料の中に入れていただくときちっとしたものができるということですから、専門家としてのご意見をいただき、関連があると認められる事項をできる限り絞っていきたいと思います。ここから先は私が申し上げることかどうかわかりませんが、不確実がずっと残ったらどうするか。その場合はやはり専門家としてのジャッジメントを最終的にはせざるを得ないだろうと思います。何もしないというのは許されません。そういう意味においても小委員会の委員の先生方からも専門家としてのご意見をあらかじめいただいておけば大変ありがたいと、こういうことで本日この委員会に出席させていただき、お願いをさせていただく次第でございます。
 以上でございます。

○荒牧委員長 どうもありがとうございました。
 まず、この作業についてまずご質問ありましたら。

○野口委員 まず確認なんですけども、これはやはり分類分けでA、B、Cという形でやはり表現されるのか、結局公表になったとき、よく読めばわかるんですけども、結局Aというのが相関関係がありますよという書き方をしてあって、それでCは相関関係が認められないということになっているんですけど、Bについてが非常にA、B、Cという分け方からしたら段階的に不確かさが増えていきますよという感じなんですけれども、どうもBの書き方を見ればちょっと少し分類からしたら外れるかなという感じもしないでもないなという感じが1つしております。
 それともう一つは、後の話になるとは思うんですけれども、先ほど岡田先生言われた、最終的には専門的な判断をせざるを得ないという話だったんですけれども、この内容を見ていますと、結局この文献でもいろいろな意見が出ているという中で、それを実証していくような考えというか、そういうのじゃなくて、あくまでそういう文献というか、今までの資料でもうそこは判断していくということなのか、そこあたりがちょっと知りたいんですけれども。

○岡田委員 それは私が答えていいことかどうか若干迷うところありますが、文献と、それから専門家のジャッジメントだけで最終の判断をこのまましていこうというつもりはございません。当然今進められている研究成果が上がってくれば、それを随時使っていかなきゃいけないと思いますし、あとは、本来はここで最も大変不確かだけれども、どうも重要らしい、しかしながら、きちんとしたデータがなかなかないというようなものがあったとすれば、これはすぐ研究に着手してほしいと私は個人的に思っております。これは環境省にお願いすることですが、言い過ぎですかね。そういうものが明確になったらそこに研究費と人間を投資すべきであるというふうに思っております。そういうことを明らかにする上でもこのたたき台を、ここから先はやめておきましょう、言い過ぎですね、使っていただければというふうに思っております。

○荒牧委員長 ほかの方どうぞ。

○小林委員 岡田先生のご説明で大体の限られたデータの中でとりあえずA、B、Cをつけたということで理解できたんですけれども、実際その説明の前にちょっとばっと読ませていただいたんですけれども、個別にはたくさん私どもとしては指摘をしたいことがあります。それについては、文章で近く提出させていただきたいと思いますが、例えばアサリの減少の件でございますけれども、ここにありまして、例えば貧酸素、有害プランクトンの発生とか底質の変化とかありますけれども、例えばこれのうち有明海の西部ではこれで説明できるんだと思いますけれども、東部の方、福岡とか熊本では貧酸素とか有害プランクトンというのは余りアサリの減少とは直接結びつかないというふうに考えておりますし、また資料4-1の魚類等の減少で、酸処理剤とニベ・グチの漁獲量が相関が見られるというような形で書いておりまして、資料4の39ページですか、ここも実際は酸処理剤の使用量ということで佐賀は93年から、それから熊本は95年から、福岡は97年からということで、知らない人が見れば、このころから酸処理剤を使って急に増えたというような印象を受けるかと思いますが、実態は福岡の場合1980年から酸処理やっております。そして熊本県も大体同じ頃からやっていると思います。佐賀は93年からというこれは事実でございますけれども、ぱっと目で見れば、要するにほとんどの魚が80年から右肩下がりで落ちているんですけれども、何か増えたものがあればそれで全部相関があるという説明をするというような、特にこの酸処理剤についてはそういったことで福岡の場合は1980年、ただその当時どの程度使っていたかというデータはないから、多分97年からのデータしか出していないんだろうと思いますけれども、そういうことでちょっと注釈をつけないとぽっと実態を知らない方が見れば、いかにも魚の減った原因として酸処理に影響があるというようなとらえ方をされるので、やはりちょっと慎重な扱いかたが必要ではないかというふうに考えております。

○岡田委員 まさにおっしゃるとおりでございまして、データがない、要するに明確な文献等に基づく、報告に基づくデータがない限り、ここに我々は使えないもんですから、空白になっております。もちろんその前から使っているという定性的な情報は知っていましたが、それはなかなかうまく書けないのでこういう形になってしまいました。そういう意味で是非先生方から定量的なデータ、それからコメントも根拠になる文献と一緒にいただきたいんです。単なるコメントですと、それはそのコメントを実証する、要するにエビデンスがなくなってしまいますから、是非そういう形でお願いしたいと。我々が持っているエビデンスでやったらこの程度にしかできなかったと、こういう現状でございます。
 あと、それから酸処理剤と魚の減少、これは風が吹けば桶屋が儲かるというような余り論理的でない結果だともちろん思っていますが、そういうことを主張した方がどこかにいたからやってみたと、こういうふうにお考えください。どこかにそういうことを書いている文献があったからやってみただけであって、これで因果関係があるかないかというのはA、B、Cは先ほども申し上げましたように、あくまでも参考につけただけであって、一見そういうふうに見えるというふうにご理解いただきたいと思います。もちろんこのまま出たら問題なんていうことは百も承知でございまして、どこかで出していかないと進歩しないもんですから、まさにたたき台で出したと、こういうふうにご理解、ご了解いただきたいと思います。最終的な成果からはまだ程遠い段階で、親委員会の委員誰もが了承しておりませんし、事務局も責任持っていないというとちょっと言い過ぎかもしれませんが、あくまでも作業した私と細川先生の個人的と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、そういうあくまでも試案でございます。是非よろしくお願いしたいと思います。特にここの報告書にこういうことが書いてあるからこうだというのを是非よろしくお願いします。そうしないと、後これを公開していったときに、国民に対する説明責任は必ずきっちりとしたデータがないとだめだと思います。専門家の誰かが言ったということでやる場合はいいかもしれませんが、多分怖いでしょうね。

○荒牧委員長 先ほど、岡田先生言われたみたいに、第一段階今求められているものが2つあって、1つはおっしゃるように、基本的なデータ、事実に基づいたものを多分お持ちでしょうから、この小委員会、特に現場でずっと研究あるいは調査をされてこられた方々にいわゆるデータを提供していただきたい、それはもうそうすると明確に現実。しかし、先ほど最終的には岡田先生は、専門家としてのジャッジメントをやらなきゃいけなくなるときも来る。

○岡田委員 データがない場合。

○荒牧委員長 ない場合はですね。そのときにはこの小委員会のメンバーも専門家としてのジャッジメントに参加してほしいという要請ですので、段階が2つぐらいあって、その両方のところの要請が今日の話だろうと思いますが、ただ、少なくともある判断をするときの意見としてはこういう現場の情報というのは非常に貴重なので、あるいは書面でというか、先ほど小林委員さんが言われたように、意見として出てくれば、これはこういう意見が現場にあるということの、先ほど先生こういう説があってとおっしゃったけど、そういうものの1つとして出てくる可能性もあるとは思いますね。ですから、是非データとこれまでの経験値みたいなものもあるでしょうから、そこも先ほどおっしゃったように、文書で出てくれば何だかの形で参考になると思いますけれども、岡田先生がまず一番欲しいのは、現場にきっとたまっているであろうデータを我々にくださいということだろうと思いますけど。第一段階としてはですね。
 ほかにどうぞ。ご質問、ご意見ありましたらお願いいたします。

○川野委員 具体的なことですが、資料編の75ページに透明度の上昇、河川からの土砂供給の減少という項があります。私は大分でずっと瀬戸内海の方に関わっておりましたが、たまたま筑後川が有明海に注ぐということで委員になりまして、一番現場から離れておる委員でございます。それで実際瀬戸内海の関係で大分川、大野川というところでSSやった経験があるんですが、この河川からの供給量というのは通常の状態、SSが10以下のその辺のところで論じるものではないだろうと思うんですね。だから水量との関係、この辺のデータがあれば、大分川や大野川の場合にはそういうデータがありますので、それもある程度参考になるかというふうに思いますので、そういうのでもよろしいのかどうかということが質問の1つめですね。
 それと、私は有明海のことを知らないからこんな質問ですが、赤潮発生日数ですね。国民の関心が瀬戸内海に向いているときは瀬戸内海の赤潮日数が随分高くって、そしてそれが冷めて有明海に注目が行ったら、有明海の赤潮発生日数が増えたのかなというようなそんな思いがしたり、私全く赤潮には知識のないものなんですが、そんなことはないんですよね。赤潮の発生日数の勘定の仕方なんていうのは方法なんかがあったのかどうか、この辺、こんなにも差があるものかという、その辺についてお教えいただきたいと。

○本城委員 水産庁の赤潮環境部長をしていた私から答えなくてはいけませんね。どういうふうに日数を計算していくかいう取り決めがあります。しかし、これはあくまで水産試験場の方が海に出て、そして赤潮生物の種類を見ながら判断していくものです。そのデータをしっかり整理しながらどのくらいの日数続いているかという判断を下す取り決め文書がございます。それに則りおこなわれています。ですから、調査頻度が高くなった時期には多少の変化があるかもしれませんね。外に出て調査する頻度が高くなればなるほど赤潮の発見が多くなりますから、多少の増加はやむを得ないかもしれませんが、私はこの30年ほど見てきて、まず間違いない傾向をとらえていると思っております。

○荒牧委員長 ほかにどうぞお願いいたします。
 今日、ここでなくても、先ほど小林委員さんおっしゃったように、文書だとかあるいは何らかの形で事務局に上げれば、先ほど岡田先生は是非それにデータをつけてほしいと、現場に眠っているものもあるでしょうし、論文でなくても構わないから、あるいは文献とかと調査報告書みたいなものでも多分よろしいと思いますけれども、そういうのがたくさん水産振興センターというか水産センターではおとりになっていらっしゃるでしょうから、そういうのを含めて、先ほど岡田先生は必ずしも全体だけでなくても、局所の部分と全体とを見なきゃいけないとおっしゃっていますので、その局所の部分も含めてデータが欲しいということだろうと思いますので、それをできるだけこの作業に間に合って反映できるようにするためには、できればちょっと時間がなくてあれですけれども、なるべく早い機会にお出しいただけると岡田先生の方でこの作業に反映されるというふうに思いますので、よろしくご協力をお願いします。
 ほかにどうぞ。

○本城委員 私、親委員会の方に出ておりますので、親委員会で発言すれば良かったのですが。弘田先生が今日は欠席です。2人で十分な話はしていませんが、前から先生は、赤潮のところはやはり珪藻類と鞭毛藻類に分けた方がいいということを主張されていますし、私も同じ意見でございます。ただ、資料4-1の試案の3ページになるところ、ここはこのままでも私は結構だとは思いますが、できましたら12ページのところでは、例えば主要な赤潮生物といえばシャットネラと珪藻類ですから、この枠をこの二つのグループに分けてはどうかという弘田先生のお考えでもありました。そうしますと、矢印が随分変わってくる、やはり発生の原因がどうも違いそうだということは、瀬戸内海の知識等もあって、私たちは感覚的に知っております。せめて12ページは二つに分けていただければと思います。
 それから、あと2点ほどあります。一点は、この試案の2ページに、1980年代あたりから変わってきた、そしてデータは主に1975年あたりから使っていきたいと書いてあります。岡田先生もできるだけ資料があれば提出してくださいと先ほど話をされました。その1つの例として、私は科学技術振興調査費の方で佐賀県と一緒にシャットネラ赤潮予察技術の開発を研究しているのですが、その際に佐賀県のデータを整理していただいて、底層の酸素を整理していただきましたら、1970年あるいは1972年頃からデータがあるんですね。そしてはっきりと貧酸素は何年から形成されたかということが結果は示しているのです。ただし、これは先生の言われる有明海のローカルの内容であると思ってください。ですから、この鹿島沖のローカルなところは1976年から貧酸素水塊の出現し始めたことがわかる。そういうデータがやはりあるということでございます。ですから、どうぞ私も親委員会を代表してお願いしたいのですが、水産試験場ではいろいろなところに眠っている資料を掘り起こしていただいて、整理していただければありがたいと思います。
 残りの一点は貧酸素・潮流潮汐・埋め立て干拓に関することです。赤潮のところでも結構です。潮流・潮汐の変化で、例えば諫早湾として考えますと、堤防ができる前後で潮流が大きく変化している農村振興局、農政局が収集したデータが第三者委員会から出されてきています。すなわち、この黄色のどこかに埋め立て・干拓から直接潮流・潮汐の変化というように線を引かなくてはいけないんではなかろうかと思います。ここでは面積の縮小に線が引かれていますが、私は直接の線もあるように思っております。是非そういうふうに入れていただきたいと思います。坂本さんに私の意見を送って、そして親委員会の意見の代わりにしたいと思います。
 以上でございます。

○荒牧委員長 先生どうもありがとうございました。
 ほかにどうぞ、お願いいたします。

○岩下委員 先ほど、岡田委員のおっしゃった複合的な横のつながりとの影響といいましょうか、そういったものについてというお話がありましたので、ちょっと日頃から思っているところで、今日来られている各県の委員の方、各県の調査のやり方というのは共通しているところがありまして、やはり労力の問題、経費の問題も含めまして、例えばアサリの減少要因1つを見ようとしても、なかなか複合的にはできなくて、例えば、いま熊本県ですと、地盤の安定というテーマでそういう覆砂とか、そういう採石とか、そういったものは何でそういうもので違いが出やすいかというと、やはりそういう地盤の安定ということで見ているんですね。しかし、過去にずっとさかのぼってみますと、いろいろなファクターでやっている時期があるんですね。ただ、そういったものを先ほどいみじくもいろいろなデータを出していただきたいというお話があったんですが、例えばアサリの原因にしましても、うちでやっているようなそういった地盤の安定だけでは恐らく説明できない、それも1つの大きなファクターかもしれませんけれども、なかなかそれだけでは説明つかないものがあると思うんですね。ただ、やはり労力的なものからいみじくもそういう形でやらざるを得ないところでやっていると思うんですね。やはりアサリの減少要因とか何かいうものを見るとき、やはり幾つかのファクターを兼ね合わせて見ていかないといけない部分があると思うんですね。こういった一番最初のステップとしてはこういう1つのファクターとの関係というものをどうしても整理していく必要があるかと思うんですが、やはりそういったものは将来にわたって整理していこうとするときにはやはり複合的なもの、そういったものを、あるいはエリア的に非常に広い範囲でものを見ていくということが非常に大事になってくると思うんですね。ですから、中間のとりまとめの中でやはりそういった複合的なものである程度の今あるデータの中で絞り込みというものがある程度ないと、例えば熊本県で過去にあったいろいろなそういったものでも余り影響がないかなというデータを何年かとっても、そのままお蔵入りして、放ったらかししたデータがたくさんあると思うんです。ですからそういったものはなかなかデータとして出しにくいところもございますし、やはりこういった場の中でそういった幾つかの例えばアサリの減少1つにとりましても、幾つかのこういったもののデータを整理して出してくれというようなものが必要なのかなと。有明海1つとりましても、1つのファクターというのはかなりわかってきている部分があると思うんですね。ただ、あとはそのお互いの関連、例えば貧酸素水塊と赤潮の発生とか、そういったものがどうつながっているかとか、あるいはそれがアサリの減少にどうつながっているかとか、だからそういうつながりの中で、ある程度仮説の域を出ないかもしれませんけれども、何かそういった幾つかの整理されたデータを持ち寄って検討するとか、そういうところは今から必要なんじゃないかなというふうに日頃思っていますので、ちょっと感想かもしれませんけど。

○荒牧委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにどうぞ、何かありませんか。

○荒木委員 この資料4-1と2の最初に見せていただいたときに、これはかなりいろいろなところに問題点といいますか、議論があるだろうなと思って若干不安を覚えたんですが、先ほど中心的にとりまとめというか、試案をつくっていただいた岡田先生の方から、背景なりいきさつなり現況なりご説明ありましたので、安心しました。そういう意味では正直言って安心しました。実際、やはり大変だろうというふうに思うんですね。ですから、単独要因と因子同士の解析とか、相関を見るとかいったことからまずはやっていかないといけないし、データの限界もあるといったようなことがあるのはもう重々承知できるかなと。最終的にはそこら辺のデータを集められた上に、さらに専門家としての専門的立場で総合的に判断されていくというご説明でしたので、そこも含めた点でも安心はしているんですけども、例えば、資料2.1の方でいくと14ページの透明度の上昇といった現象を考えるといったときに、もう一つの資料2.2の方では77ページにグラフがあるわけですね。それで結局河川からの土砂の供給は減っているという、どうもそう簡単にそうかというときに、例えば潮流・潮汐はCだということになるんですが、その客観的エビデンスといいますか、データに基づいてつくってきたという方針なんですが、そのときにこの77ページにあるような、例えば筑後川の河床変動とか掘削量、土量といったデータなり何なり比較的容易に存在するし、評価計算といいますか、こともできると思うんですね。ところが、例えば諫早干拓の影響に関する資料が入手できたとして、それによる潮流の判断というか、解釈はいろいろな意見がありますよね。そのときにその影響がどうかというのはなかなかやはり困難だと、この77ページ自体が直感的な形でわかりにくい部分もあると思うんですね。そういったときにどう評価していくかという大きな問題が1つ残っているんじゃないかなと思いますね。もう一つは、これもまた今から精査されていくから十分変わってきて安心していますが、相関が同じような2つのパラメータの関係なのに、片方では相関がありそうだというのと、相関が見られないという結果になっているケースもあるんですね。そこら辺も含めて評価といいますか精査を今後していただければなと、大変な作業だということは重々わかりますけど、それが最初に見せていただいたときの感想です。

○荒牧委員長 ありがとうございました。

○濱口委員 先ほど、本城先生がおっしゃいました赤潮の関係、これは先ほど佐々木先生の文献の整理のときに申し上げましたけれども、まさにプランクトンの種類によってデータを整理すべきかなと思っています。
 それともう一点、その中で、やはり季節的なものが必要じゃなかろうかなと思います。動物に影響があるのは、どうしても1年中じゃなくて、季節的にかかわるものがございますので、できれば冬場と夏場が大きなパターンかなという気がいたします。その辺でのまた検証が必要かなと思っております。

○荒牧委員長 まだご意見あるかもしれませんが、先ほど小林委員さんがおっしゃったように、多分事務局の方では、できるだけ急いでそういうものがあればこの範囲、なるべくこの委員会に反映できるようにしたいということですので、何日までにとおっしゃっていたんでしたっけ。6月ぐらいまでに

○水環境課閉鎖性海域対策室長 9日ぐらい。

○荒牧委員長 9日ということだったんですか。次回の親委員会と本委員会の方もありますので、6月9日という形で事務局の方ではそれを1つのめどにご意見をお寄せくださいということのようですので、今から約3週間程度ですけれども、その範囲でご意見をお寄せくださいという事務局からのご要望のようです。

○野口委員 ちょっと1点確認させていただきたいと思うんですけれども、先ほど小林委員の方からノリと魚類等の関係ということで出されていますけれども、ここで備考の中に稚魚が出現する魚類について照合した結果ということで書いてあるんですけど、これは資料の4-2ですか、こちらの方では統計的な形で出されているかと思うんですけども、これはあくまでやはり漁獲量ということで差別しているということで理解していいでしょうか。それで1つにはちょっと気になったのは、結局稚魚との関係をする場合に、漁獲対象となる場合、どれぐらい年数がかかるかというそこあたりの関係も必要じゃないかなというふうに感じたところです。

○岡田委員 ぜひそういう違う視点での、要するに我々は何で漁獲量をとったかという、漁獲量は別にいいからとったわけではなくて、それしか明確なデータがなかったからやむを得ずやったんであって、本来だったら現存量とか、しかも成魚、稚魚、何とかとある方がいいことは百も承知ですが、最終的に表に出して、これが証拠ですよと言えるデータしか使っていないので、論理的におかしいところはいっぱいあるのは、もう先生方がご指摘されるとおりでございます。
 あと1つだけ、最後にお願いしておきたいんですが、是非とも文献もしくはデータをつけてくださいとお願いしました。そうは言っても二、三週間でデータをまとめられるかということもあるかもしれません。そういう場合は別に遅くても構いませんから、是非お願いしたいと思います。それと、文献があるものだけではなくて、むしろ文献があるものがもちろんいただきたいんですが、それ以外に、実際に有明海、八代海を長年ご覧になった経験として専門家としての勘でこうだと、そういう情報を否定するわけではございませんので、それは最後に多分重要になるかと思いますから、今の段階でもいただいておけば大変助かります。経験で書いていただいても結構ですが、そういう情報は是非お願いしたいと思います。

○古賀委員 私ども鹿児島県の方は、余りデータを持たないもんですから、ちょっと感想なり意見だけ言わせていただきたいと思います。
 一般の方が見られたときに、このあたりどうかなと思うのは、例えばアサリ減少の直接影響という中に、普通は漁獲が減っていったら、当然漁場が減ったというところが出てくるはずなんですね。それでほかのところでは、干潟の減少というのはずっと主な要因のところに書いてあるんですけれども、アサリの場合は、単位当たりの個数がずっと減ったということで、漁獲量がただ単に干潟の面積が減ったからそれに見合ってより以上に減ったと思うんですけれども、一般の方が見られたときに、漁場も減ったんじゃないのかと言われたときに、ここは1つ抜けているのかなと、あえて入れなかったのかなというちょっと感じがしております。

○岡田委員 おっしゃる点は議論したんですが、要するに漁場が減ったと、漁場とは何かと定義、その面積が何ヘクタール、どういうふうに減ったかというデータが今までのご提供いただいたデータの中では得られなかったと、それだけのことです。是非お願いいたします。

○古賀委員 それから、酸処理関係のやつも図を見たときに、39ページですけれども、一般の方が見られたときに、漁獲量と酸処理の使用量がというと因果関係を見るときに、関係ないやつを書いてありますけれども、あわせて量を書くなりしたら、量と漁獲量が見えるのかなというのが。そんなふうに見やすいようにした方がいいのかなというのと、例えば1つのこれは酸処理が影響があるかないかというのはよく私の方はわかりませんけれども、例えば佐賀県さんがその年から初めてやったというならば、ある意味では佐賀県のデータちゃんともらって、そこで検証してみるというのも1つの手かなという感じがしております。
 それから、漁獲量と干潟・藻場の面積とかいろいろありますが、これはちょっと聞き流していただきたいんですが、どうしても資源量というのは漁獲努力量というんですか、そういうところをきちっと押さえれてあればいいんですが、どうしても私どもいろいろな資源を推定するときに、漁獲量というのはやはり漁業、いわゆる営業なんですよね。そうすると、今いろいろな状況で漁獲が低迷してみたり、いろいろな環境が悪くなると取らないんですよ。それが何年後かに見ると、そのときあたかも物すごく資源が減ったような判断をしてしまうことがあって、必ずしもその漁獲量と資源量が一致しないことがよくありますが、現場によればそういうのがわかるでしょうから、そういうのも本当は加味してやった方がいいんでしょうけど、なかなかそこまでの調査というのが私どもの試験場の中でもそういうふうな単位漁獲量というんですか、1回やったけども、量はどんなふうに変化していくかというところまではやったこと余りないもんですから、何かそのあたりで勘違いすることがよくあるというような参考までに。

○荒牧委員長 どうもありがとうございました。
 この作業は、岡田先生大変な作業でして、実は公開評価をやっているというような作業ですから、途中でこんなのはおかしいというようなのがいっぱい出てきたりということを公開でやるという、今までかつてないような作業を多分行っているんだろうと思います。前回まで、中間まとめまでは事実の羅列ですから、それはこういう意見がある、こういう意見があるということで構わないんだけど、これから先は、いよいよいわゆるそれをどう評価するかということの作業に入っています。いわば公開作業ですから、岡田先生さっきおっしゃったように、我々はこうかなと思いながらも、まずはAをつけておくというところで始まっていますので、ある意味でいうと、全体の責任としてというか、ここに文句をちゃんと言っておかないと、それが一人歩きするよということになっていくということもありますので、特に現場でずっとやっておられた研究をやってこられた調査をやってこられた先生方には、是非このいわば公開評価をやっているわけですから、データを全部公開しながらやっていくという作業は初めての経験、私は初めての経験なんですけど、そういう作業に是非重要な役割を果たしていただければというふうに思います。私の方からもお願いをしたい。
 では、これでこの議題をちょっと終らせていただいて、その他として、事務局の方から今後のことについてちょっとお話をいただけませんでしょうか。

○水環境課閉鎖性海域対策室長 活発なご議論ありがとうございました。今日いただいたようなご意見、あるいは今後また書面等でいただくご意見も参考にさせていただきまして、とりあえず6月下旬に次の評価委員会を予定しておりますので、そこでまた岡田先生から今日お示しした作業をリバイスしたものをご報告いただくことになるかと思いますので、それにも反映をしていただくということでございますし、今後、岡田先生の作業を含めまして、委員会報告に向けた検討が進みますので、その評価委員会での審議の状況についても適宜この小委員会の先生方のご意見をこういう形でいただくような場も持たせていただきたいと思っております。まだ具体的な小委員会の開催スケジュールまだはっきりしておりませんけれども、その辺、評価委員会、親委員会との審議の状況を見ながら適宜お願いしたいと思っておりますのでよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

○荒牧委員長 特にご意見がなければ、本日予定されている議題を終了しましたので、第8回小委員会を閉会したいと思います。議事進行に皆さんご協力いただきまして本当にありがとうございました。どうもありがとうございました。

午後4時40分閉会

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