第1回有明海・八代海総合調査評価委員会 会議録

日時

平成15年2月7日(金) 10:00~12:00

場所

経済産業省別館1028号会議室

出席者

委員長 須藤委員長
委員 相生啓子委員、伊藤史郎委員、岡田光正委員、菊池泰二委員、鬼頭鈞委員、楠田哲也委員、小松利光委員、清水誠委員、清野聡子委員、滝川清委員、原武史委員、細川恭史委員、森下郁子委員、山田真知子委員、山室真澄委員
総務省 自治行政局地域振興課長(幹事代理)
文部科学省 研究開発局海洋地球課長(幹事代理)
農林水産省 水産庁長官(幹事)、水産庁増殖推進部長、水産庁増殖推進部漁場資源課長
経済産業省 産業技術環境局環境指導室長(幹事代理)
国土交通省 河川局河川計画課長(幹事代理)、港湾局環境整備計画室長(幹事代理)
環境省 環境副大臣、環境管理局長、水環境部長、水環境部企画課長、水環境部閉鎖性海域対策室長

議事

【坂川閉鎖性海域対策室長】おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第1回有明海・八代海総合評価調査委員会を開会いたします。
 会議に先立ちまして、弘友環境副大臣からご挨拶申し上げます。

【弘友環境副大臣】皆様おはようございます。環境副大臣の弘友でございます。本日は鈴木大臣が衆議院の予算委員会の総括質疑で張りつきになっておりますので、代わりにご挨拶を申し上げさせていただきます。
 本日は、第1回目の有明海・八代海総合調査評価委員会の開催ということで、委員の皆様方には大変ご多用のところをお集まりをいただきまして心より御礼を申し上げる次第でございます。
 本評価委員会は、先の臨時国会で成立し、昨年11月29日に公布・施行されました有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律に基づきまして環境省に設置されることとなったものでございます。
 ご承知のように、有明海におきましては、平成12年度にノリが不作となりました。八代海におきましては、平成12年夏に発生した大規模な赤潮によって魚類養殖業が被害を受けました。また、当該海域では、以前より、貝類や魚類の生産量の長期にわたる減少、あるいは低迷が見られております。
 このような状況を踏まえまして、国民の貴重な財産であります有明海及び八代海を豊かな海として再生することを目的といたしまして、国会議員の提案によりまして成立したのがこの特別措置法でございます。
 この法律におきましては、有明海及び八代海の再生に関する基本方針を定めるとともに、当該海域における環境の保全及び改善並びに水産資源の回復等による漁業振興に関し実施すべき施策に関する計画を策定し、その実施が促進されるよう特別の措置が講じられることとなっております。そのような措置の一環として、この総合調査評価委員会が設置されるものであり、その任務は、国及び関係県が行う総合的な調査の結果に基づいて、有明海及び八代海の再生に係る評価を行うことにあります。当評価委員会の任務は、まことに重要であり、しかも、多くの困難を伴うものであろうかと推察いたしておりますけれども、何とぞ委員各位の高いご見識と豊かなご経験をもって、有明海、八代海の再生の道筋をお示しくださるようにお願い申し上げます。
環境省といたしましても、委員会の円滑な運営に万全を期する考えでございますので、何とぞご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。

【坂川閉鎖性海域対策室長】続きまして、本日は、1回目の会合でございますので、本日ご出席の委員の方々をご紹介をいたします。
(委員等の紹介)

【坂川閉鎖性海域対策室長】それでは、議事に入ります前に配付資料の確認をさせていただきます。
(資料の確認)
 それでは、議事に移らせていただきます。
 本日は、委員21名のうち16名の委員の方々がご出席ですので、後ほどご説明申し上げます有明海・八代海総合調査評価委員会令によりまして、既に会議の定足数を満たしております。本日の委員会は初会合でございますので、委員長が選任されるまでの間、事務局におきまして、私、坂川が議事進行を務めさせていただきます。
 今回の会議でございますが、他の審議会等にならいまして、公開という形で開催させていただいておりますので、よろしくご了解のほどをお願い申し上げます。
 それでは、早速ですが、委員長の選任に移りたいと思います。
委員会令第3条に基づきまして、委員長は委員の互選によってこれを選任するとされております。つきましては、委員長についてご意見がおありの方がいらっしゃれば、挙手をお願いしたいと思います。

【滝川委員】委員長といたしまして、水環境保全、特に富栄養化対策等に関しまして、第一人者でいらっしゃいます須藤委員を推薦申し上げたいと思います。
 須藤先生は環境基準の設定を含めて、これまでも有明海に深くかかわってこられておりますし、また、日本沿岸域学会の会長でもございますので、委員長として最適任者であるというふうに考えております。ご推薦申し上げたいと思います。

【坂川閉鎖性海域対策室長】ありがとうございました。
 ほかにご意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ほかにご意見がございませんので、須藤委員に委員長をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【坂川閉鎖性海域対策室長】どうもありがとうございます。
 ご異議がないようですので、須藤委員が委員長に選任されました。
 それでは、須藤委員、委員長席にお移りいただきたいと思います。
(須藤委員、委員長席に着席)

【坂川閉鎖性海域対策室長】それでは、須藤委員長に以後の議事進行をよろしくお願いいたします。

【須藤委員長】ただいまご選任をいただきました須藤でございます。大任、務まるかどうか不安がございますが、皆様のお力を借りまして、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、一言ご挨拶を申し上げて議事進行をさせていただきたいと思います。
 先生方には、大変年度末に近づいたお忙しい中をお集まりをいただきまして本当にありがとうございます。先ほど、副大臣からお話がございましたように、有明海及び八代海を再生するための特別措置法にこの委員会が設置されるということになっておりまして、後でこれもお話がございます、24条に位置づけられている委員会でございます。国及び県が行う調査を我々が評価をするということと、それから、それに基づいて主務大臣に対して意見を述べるというのが主とした業務というふうに伺っております。
もう少し具体的に申し上げますと、有明海・八代海の環境保全あるいは改善、そして水産資源を回復するというのがこの法律の趣旨でございまして、それにまつわる評価を担うということでございますので、かなり範囲が広うございます。そういうことでございますので、バランスのとれた総合的な評価をお願いをするということでございまして、大変重要な任務があるというふうに思いますし、その進行役ではございますけれども、皆様方とともに、これをまとめていくということについては、極めて責任を感じているわけでございます。
 どうぞ、それぞれの専門の分野のご見識を踏まえて、ただいま申し上げた有明海等が再生するという目標のための評価をぜひお願いをしたいということで、一言最初にお願いをいたします。
 本日は、一応12時までということで2時間足らずではございますが、これから事務局からいろいろご説明をいただきますので、ご質問があればどうぞご遠慮なくおっしゃっていただきたいと思います。
 それでは、最初に議題に入ります前に、私の最初の仕事として、委員会令第3条第3項に、委員長に事故があるときはあらかじめその指名する委員がその職務を代理することとされております。ということで、委員長代理という制度が定められておりますので、この際、委員長代理を指名させていただきたいと思います。
 私といたしましては、ちょうどお隣にいらっしゃるんですが、清水先生が委員長代理として適切と考えておりますのでお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 よろしゅうございましょうか。
(拍手する者あり)

【須藤委員長】ということで、清水先生、委員長代理ということで今後この会議の運営によろしくお願いをしたいと思っております。
 それでは、次の議題が委員会の運営方針についてということでございます。
 委員会の運営方針につきましては、本委員会に関する基本的な事項について、特別措置法及び委員会令に定められておりますが、委員会令第10条には、同委員会令に定められているもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員会に諮って定めることとなっております。これにつきまして、事務局の方で原案を準備されていると伺っておりますので、事務局からまずこの案について説明を願います。

【坂川閉鎖性海域対策室長】それでは、まず最初に、今までのご説明、または委員長からのお話の中に委員会令という言葉がありますが、そちらの方から説明をいたします。
 資料3でありますが、資料3は、最初の方に法律の条文が書かれておりますけれども、11ぺージをごらんをいただきたいと思います。11ページに、有明海・八代海総合調査評価委員会令と書かれているぺージがございまして、これが先ほどから出てまいります委員会令のことでございます。これは、昨年11月に政令で定まっているものでございます。
 それでは、基本的なことをまずご説明をしたいと思います。
まず、組織のところ、第1条でございますが、この委員会は委員20人以内で組織するとなっておりまして、2項に特別の事項を調査審議させるため必要があるときは臨時委員を置くことができる。3項に、専門の事項を調査させるため必要があるときは専門委員を置くことができるというような規定があるわけでございます。
 また、第3条に委員長の規定がございまして、委員長を置き、委員の互選により選任するとなっておりますので、先ほど、ご選任いただいたところでございます。
 また、ちょっと飛びますけれども、12ぺージの6条をご覧いただきたいと思いますが、委員会は、委員及び議事に関係のある臨時委員の過半数の出席がなければ会議を開き、議決をすることができないとなっておりますけれども、冒頭申し上げましたように本日は過半数の委員のご出席をいただいているところでございます。
 また、委員会の議事は、出席した委員及び議事に関係のある臨時委員の過半数をもって決し、可否同数のときは委員長の決するところによると。
第7条に、幹事の規定がございまして、先ほどご説明したように、幹事を置いているところでございます。
 また、第8条に、資料の提出の要求ということで、委員会は、関係行政機関の長に対しまして、必要な協力を求めることができるというような規定もございます。
 また、第10条、雑則でありますが、前各号に定めるもののほか、委員会の運営に関して必要な事項は委員長が委員会に諮って定めるという規定がございます。これに基づきまして、これから決めていただきますのが、運営方針というものでございます。
 そこで、資料4をごらんをいただきたいと思います。
 資料4が、これからの運営方針でございますが、現時点では案ということになっております。それではこれを読ませていただきます。
(資料4の読上げ)
 以上でございます。

【須藤委員長】どうもありがとうございました。
 委員長といたしましては、事務局より説明があった案で問題はないと思いますが、いかがでございましょうか。もしご質問がありましたらどうぞお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、ご意見がないものと認めまして、委員会の運営方針をただいま事務局のお示しになった案のとおり決定させていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に移らせていただきます。
 有明海及び八代海を再生するための特別措置法についてでございますが、これにつきましても、事務局からご説明をお願いします。
 どうぞ坂川室長。

【坂川閉鎖性海域対策室長】それでは、特別措置法について説明をいたします。
 この法律の条文は、資料3、先ほど委員会令をご説明したときの資料の前半部分でありますけれども、それは長くなりますので資料5を用いましてご説明したいと思います。資料5は、この法律の概要をまとめたものでございます。
 まず最初に、法律の目的が書いてありますが、有明海及び八代海の再生に関する基本方針を定めるとともに、当該海域の環境の保全及び改善並びに水産資源の回復等による漁業の振興に関し実施すべき施策に関する計画を策定し、その実施を促進する等特別の措置を講ずることにより、国民的資産である有明海及び八代海を豊かな海として再生することを目的とするということでございまして、ここで2つの柱があるというふうに考えております。
 1つが、環境の保全及び改善でございまして、もう1つが水産資源の回復等による漁業の振興です。この2つの柱が法律に位置づけられておりまして、これに関する施策を実行し、それによって、両海域を再生することを目的とするものでございます。
 法律の概要でありますが、(1)に指定地域の指定というものがございます。
 これは、主務大臣が関係県の申請に基づきまして指定をするものでございます。
 これにつきましては、資料7に別の資料がありますので、ちょっとこちらの方をご覧いただきたいと思います。
 資料7は、指定地域の指定についてということでございまして、この裏のぺージに地図が書かれております。この地図をごらんいただきますとわかりますように、九州の中で有明海・八代海に関係する地域ということで、有明海・八代海の集水域を今回指定をしております。市町村の数で申し上げますと、全部で 194の市町村が関係をしております。関係6県にまたがりますけれども、そのぐらいの数の市町村が指定地域に含まれているということでございます。
市町村によりましては、全域ではなく、一部だけ含まれているというところもあるわけでございますが、そのぐらいの数になっています。
この指定地域につきましては、昨日、2月6日に告示をしたところでございます。
 また資料5の方に戻らせていただきますけれども、2の(2)、基本方針と策定というところがございます。主務大臣が定めるものでございまして、これはまた後ほどご説明をさせていただきます。
 また、県計画の策定ということがございます。関係県は、基本方針に基づいて計画を定めるということになっておりまして、これは、今後定めるということで、今の予定では、3月に各県にまとめていただくということで、現在作業中でございます。
 次のぺージ、2ぺージでありますが、促進協議会というものを組織することができるとなっております。
 これは、主務大臣、関係行政機関の長及び関係県の知事からなる協議会でございまして、県計画の調和を図りつつ、その実施を促進するために必要な協議を行うための組織でございます。
 (5)に、国の補助の割合の特例に関する規定がございます。県計画に基づいて関係県の行う漁港漁場整備事業のうち、政令で定めるものについて補助の割合の特例を定めるとなっておりまして、政令では、たい積物の除去事業、海底の覆土事業などが定められております。
 (6)には、地方債について配慮及び資金の確保ということで、国がそのようなことに努めるということでございます。
 また(7)は、調査研究の実施及び体制の整備等でございます。国及び関係県は、ここに[1]から[8]までございますが、ここに掲げる調査を実施し、その結果を公表するものとするとされているところでございます。また、このぺージの一番下でありますが、国及び関係県は、総合的な調査研究の体制の整備、海域に流入する水の汚濁負荷量の総量の削減に資する措置等を講ずるものとするということであります。
 また、次のぺージ、3ぺージ(8)でございますが、ここに本日の評価委員会に関する規定がございます。
 環境省に「有明海・八代海総合調査評価委員会」を置き、附則に基づいて行う法律の見直しに関し、次に掲げる事務をつかさどるとされております。
 ここで、附則に基づいて行う法律の見直しということでありますが、これは、このぺージの一番下のところに書かれておりまして、3の(2)の見直しというところであります。法律の施行の日から5年以内に、法律の施行状況、調査の結果を踏まえ、必要な見直しを行う、このような見直し規定がございまして、これに関して次に掲げる事務をつかさどるというふうになってございます。
 (8)の[1]、[2]と2つあります。[1]が、国及び関係県が行う調査の結果に基づいて有明海及び八代海の再生に係る評価を行うこと。[2]が、この評価を行うことに関し、主務大臣等に意見を述べること。このようなことが、この評価委員会の事務ということになるわけでございます。
 そのほか、(9)にありますように、下水道・浄化槽等の整備、河川の流況の整備、森林の保全及び整備、水産動物の種苗の放流、酸処理剤の適正な使用、自然災害の発生の防止、赤潮等による漁業被害の支援・救済、知識の普及等について、努力規定、配慮規定が設けられているところでございます。
 また、施行期日でございますが、公布の日から施行するとなっておりまして、これが昨年11月29日でございますので、もう既に施行がされているところでございます。
 一番最後のぺージ、4ぺージに、法律のあらましということで図にあらわしたものがございます。
 今ご説明したような内容をそれぞれ関係づけてみるとこのようになるのではないかということで、整理をしたものでございまして、一番上の指定地域の指定、それからその右側にありますような基本方針、この2つが既に昨日付けで決定で定められたというものでございまして、今後、その下にあります県の計画を策定をしていきたいということになります。
 あと、促進協議会も組織をしていくということになりまして、これらの基本方針、基本計画に基づいて事業を実施していくということになります。
 そして、左下のところでありますが、総合調査評価委員会という委員会がございまして、これが本委員会ということになるわけでありますが、法律の見直しに関しまして、評価などを行っていただくと、このような仕組みになっているわけであります。
 また、ちょっと説明が遅くなりましたが、下の方に(注1)、(注2)とございます。この法律の主務大臣と関係県が定められております。主務大臣は、総務大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣及び環境大臣。関係県は、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県及び鹿児島県。このように定められているところでございます。
 それから、先ほどのご説明の中で基本方針というものが出てまいりましたけれども、これは資料6で用意をしておりますので、資料6をごらんをいただきたいと思います。
 この基本方針は、右上の方にありますように、先ほどの主務大臣、6大臣おられましたけれども、この6省が共同で定めているものでございまして、昨日付けで告示をしたものでございます。
 内容は、非常に多岐にわたりますので詳細な説明は省略をさせていただきますけれども、簡単にご説明をさせていただきます。
 まず1の基本的な指針の中の趣旨というところでございまして、ここに書かれておりますように、両海域は国民にとって貴重な自然環境及び水産資源の宝庫であり、その恵沢を国民が等しく享受し、後代の国民に継承すべきものである。しかしながら、有明海及び八代海においては、水質の富栄養化、底質の泥化や有機物のたい積等海域の環境が悪化し、赤潮の増加や貧酸素水塊の発生等が見られる中で、二枚貝をはじめとする漁業資源の悪化が進み、海面漁業生産は減少を続けている。これらの状況にかんがみ、両海域を豊かな海として再生することを目的として、国及び関係県が協力して、環境の保全・改善、水産資源の回復等による漁業の振興を総合的かつ計画的に推進するためにこの基本方針を策定する。このような目的が書いてあります。
 そして、二番の目標でありますが、大きく分けて2つあります。
 1つ目が、有明海及び八代海の海域の環境の保全及び改善、もう一つが、水産資源の回復等による漁業の振興であります。
 これに関してでございますけれども、まず環境の保全及び改善に関しましては、この両海域においては、一部の水域において水質環境基準が達成されていない。このあたりのところはまた後ほどの議題のところで個別にご説明したいと思いますが、そのような状況でありますので、まずは、水質環境基準の達成・維持を目標とするというものであります。
 また、それだけではなくて、さらに赤潮の発生、貧酸素水塊の発生を抑制し、底生生物を含めた多様な生態系の回復を図る。さらに、水質浄化機能を有し、生物の生息・生育地として重要な干潟等が現状よりできるだけ減少することがないよう保全され、また必要に応じその修復・造成を図る。このようなことを目標として書いております。
 それから、その次の水産資源の回復等による漁業の振興でありますが、2ぺージ目にありますけれども、ノリをはじめとする養殖業、採貝をはじめとする海面漁業及び有明海特産種等の生産がそれぞれ持続的に行われることを目標とする。
 ノリ養殖、魚類養殖等につきましては、漁場の収容力を適正に利用して安定的・持続的な生産を可能にすることを目標とする。
 採貝等の海面漁業については、減少の原因究明に努めるとともに、それらの生産量を回復方向に転じさせることを当面の目標とする。
 有明海特産種等については、地域の食文化としても重要であり、適切に保存・管理がなされることを目標とする。
 このような内容でございます。
 三以降は、再生のための施策を記述しております。
 ここは非常にたくさんの施策がございますので、項目のみごらんいたただきたいというふうに思っておりますけれども、水質等の保全に関する事項の中には、汚濁負荷の総量の削減に資する措置、また、次のぺージにまいりまして、海域等の直接浄化対策、またその他の対策が記述されています。
 また、4ぺージにまいりますと、干潟等の浄化機能の維持及び向上に関しまして、干潟等を保全すること、また造成等を図る。
また、ハの部分は河川における流況の調整及び土砂の適切な管理に関する事項でありました。
 ニのところは、河川、海岸、港湾及び漁港の整備に関する事項。
 そして、5ぺージの方にまいりますと、森林の機能の向上に関する事項。ヘのところが、漁場の生産力の増進に関する事項。
 さらに、6ぺージの方を見ますと、水産動植物の増殖及び養殖の推進に関する事項でございます。
 また、7ぺージの方に行きますと、有害動植物の駆除に関する事項、さらにリのところにありますが調査研究等の推進等の項目を載せております。
 さらに、8ぺージ下の方にまいりますと、ヌでありますが、海域の環境の保全及び改善並びに漁業の振興等に関するその他の重要事項ということで、海域の環境の保全及び改善に関する事項と漁業の振興に関する事項に分けて記述をしております。
 この方針につきましては、非常に簡単な説明で申しわけないんですが、最後に、10ぺージ、2でありますけれども、県計画の策定に関する基本的な事項が出ております。今後、県がそれぞれ計画を定めるということになりますので、県計画をどのように策定していただくのかということで、そこに掲げておりまして、まず一番として、事項をイからリまで書いてあります。これは基本方針を踏まえつつ各県の事情に即して具体的に記述していただくことになっております。
 二のところでありますが、事業の実施に関する事項でございまして、11ぺージのイからホに関する事業につきまして、それぞれの事業を可能な限り具体的かつ継続的に記述をしていただくということがございます。
 あと三として、調査研究に関する事項も県計画に定めることとしています。
 このようなことを定めたものでございます。
 先ほど申し上げましたように、この基本方針は昨日付けで定められまして、今後、県が計画を固める、そのような整理になっております。
 以上でございます。

【須藤委員長】どうもありがとうございました。
ただいま、有明海及び八代海を再生するための特別措置法に関する法律の概要と、それ基づいて昨日策定された基本方針についてご説明をいただきました。
どうぞ、この資料でいうと5、6が中心でございますが、ご質問なりございましたらおっしゃっていただきたいと思います。
 それから、私どものこの総合調査評価委員会というものの位置づけが法律の中でどうであり、そして、我々が何をなすべきかというようなことについてもおぼろげながらおわかりいただけたんではないかと思います。委員会のことでも結構でございます。どうぞ質問いただきたいと思います。

【滝川委員】資料の5のところの確認なんですが、資料5、1枚あけますと2ぺージ目のところに(7)がございまして、調査研究の実施及び体制の整備と書かれてございまして、下の方に[1][2][3][4][5][6][7][8]と書いてあります。こういう調査をやりますという調査内容はよくわかるんですが、これを受けて次のところの(8)のところで、この評価委員会の役割といいますか、というのはまさに国及び関係県が行う調査の結果に基づいて有明海及び八代海の再生に係る評価を行うことというふうになって、ストーリーはよくわかるんですが、そういった意味の調査の結果というときに、ここに書いてある調査というのはこういう調査をしますというふうに書いたんでしょうが、調査の中身そのものが再生にかかわるような調査も含まれているのかという確認です。
 というのは、調査をしますというんですけれども、再生に向けて、あるいは改善に向けてどんな方法がいいんだろうかということも調査に含まれるのでしょうかと、そういう意味の確認なんですが。

【須藤委員長】重要なご指摘だと思います。どうぞ。

【吉田水環境部長】[1]から[8]まで、さまざまな調査も、これから国と関係県が協力してやっていくということになるわけでございますけれども、今、先生の方からご質問がありましたけれども、どのような対策を講じるか、どのようにすれば再生がなるのか、そういうことに関する調査というもの当然含まれている。また、そういうこともやらないと再生につながっていかないということがありますから、そういうことも含めてやっていくということになると思います。もちろん、現在の環境の変化の原因を究明するというところも当然含まれますし、現在の現状をより的確に把握するという調査も含まれておりますから、その再生のためにこうしていったらいいということも含まれていると思います。

【滝川委員】資料6の方にはその点に向けてあるような、資料6のところのご説明ずっとありまして、例えば7ぺージの調査研究等の推進というところの中には干潟等を含めた、特にリのところですか、8ぺージの上から4番目くらいのところに、その他海域に環境に関する調査と書いてあって、その下にいろいろな再生とか、いろいろなことが書いてあるもんですから、なぜ最初の方のところにその再生という言葉が一言も出てきていないものですから、非常に気になっている。再生の調査をしないのになぜ再生の検討をできるのかなということで聞きたかったんですけれども、こだわり過ぎなんですが、そこを確認していただきたい。

【須藤委員長】これはもう一度、大事なところなんで、水環境部長から確認をお願いいたします。

【吉田水環境部長】調査そのものは、さまざまな幾つか技術的科学的説明で、その切り口が先ほど先生そのとおりご指摘いだいた、資料5の(7)に書いてある8項目になる。それに基づいて再生のための評価、再生をどうあるかということについては単なるデータなり、調査結果だけではなくて、それに基づいた演繹的思考なり、経験というものを踏まえて、この評価委員会でご議論をいたただいて、再生の道筋というものをご紹介いただく、示していただくということになるんです。ですから、調査そのものの実施という段階と、この再生に向けてのプロセス、法律が目指す再生の向けてのプロセス、その中継ぎをして、この評価委員会で道筋を示していただくと、こういう関係になるということです。

【滝川委員】多分、試行錯誤的に、再生法についてもよくわかっていないと言ったら語弊がありますが、やっぱりやっていかなきゃいけないところは多分出てくると思うんです。そういったところがちょっと明確になっておればなという気がしたもんですから。

【須藤委員長】多分、今の評価をしておりさえすればいいといっても、試行錯誤的なものがあるんで、それを調査しながら、例えば、もう一回その評価をし直して事業に進めるとか多分そういうことを滝川先生はおっしゃっているわけですね。これですと、何となくそれが読みにくいというようなご指摘なので、ここで文章ですからあれですが、関係するというところに再生の部分を当然目標に目指してやっていると、こういう確認をするということでよろしいですね。ただ、調査をするということではなくて、調査というのは再生があるから調査をするわけですよね。そういうことを確認するすればよろしいと、それでよろしいですか。
 では先生、そういうことでよろしいですか。
ではどうぞほかの先生方。

【清野委員】大変ビジョンを大きく持った記述だと思うんですけれども、例えば、基本方針の資料の4ぺージを見ていただきますと、河川、海岸、港湾及び漁港の整備に関する事項ということで、幾つか4ぺージから5ぺージにかけて書いてあります。これらの事業を、過去にそれぞれの目的を持ってきて協議をされてきたんだと思うんですけれども、それはそれぞれパッチワーク的で全体的な整合性がとられていないということが、今までの日本の沿岸管理の失敗だったと思うんです。今回は、同じような失敗の繰り返すのではなく、それぞれの事業の相乗効果というのをねらうというか、あるいはお互いに効果を薄め合うことをやめさせるということがあるんだと思うのです。そういったことを考えると、現在走っている事業であるとか、例えば、いろいろな施設整備に関する計画、例えば港湾整備なんかもそうですし、漁場のこととか、ほかにいろいろな農地の整備とか、河川の施設整備というのがあるわけですけれども、それらの既に走っているものと、これから最初に議論するものをどういうふうに調査し、評価して調整していくのかというのがなかなかこの枠組みの中では見えないんです。そのあたりについても法のシステムとしても新しい考え方を導入する必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

【須藤委員長】それは、きょうは各省庁の幹事の方もいらっしゃっていますが、とりあえずこれは水環境部長からお願いします。

【吉田水環境部長】この評価委員会の目的というのは、先ほどからも申し上げておりますように、国及び県の総合的調査に基づく再生の調査、その個別の事業についてここでご議論いただくというのは、直接の評価委員会の設置目的に合わないことですが、要するに先生がおっしゃっておられるのは、評価というものを進めていく際に、おそらく個別の事業の進め方についても、個別じゃなく全体の対策なりの整合性の持たせ方とか、環境保全の各種の担保の仕方というようなことについて配慮しないと結論が出ていかないじゃないかというご趣旨だと思いますので、いずれにしても、この評価委員会を進めながら、私どもこれから具体的にさらにお示しますけれども、国の調査研究の進め方、あるいは県の調査研究の計画、そういうようなものをごらんいただいて、将来、この評価委員会でお出しをいただく結論に向けて有機的に情報が集約されるように、系統的に調査研究が進むように、そういう段階からまずご議論をいただいて、今のご疑問にも、この評価委員会の場を通じてご審議を賜っていけばよろしいのではないかというふうに考えております。

【須藤委員長】どうぞ。

【清野委員】私も幾つかかかわっている再生に関する議論とかプロジェクトとかがあって、今のようなビジョンをお示しいただくことが多いんです。ところが、実際に海や川や森をいじる事業というのがそのままだと、調査研究というのはかなり皆さんこだわりがありますから、結構スパンが長かったりとか、あとは結論が出なかったりということがあって、一方で既存のものがずっと進んでいたり、あるいは特別措置ということで、どんどん予算が投入されるということが進んでいる一方で、学術の方だけで一生懸命あれこれ考えていても手遅れになるかなと思うんです。現実の有明海を沿岸の方たちが手遅れにならないうちに早くという気持ちもあると思うので、それであればなおさら既存の事業の中でどこがどういうふうに調整可能かとか、連携できるかということを委員会がある程度連携して小部会をつくるなどして、せっかく関係各部局おられますので、かなり精密な見直しをしつつ推進していただけたらと思っています。
 以上です。

【須藤委員長】水環境部長。

【吉田水環境部長】ご指摘のとおりだと私どもそう思っております。
 ちょっと先ほど申し上げましたことに若干補足させていただきますと、例えば、ノリ不作問題に端を発しまして、議論がいろいろな器の中でなされてきました。例えば、第三者委員会もございました。八代海についての調査も国の手で進められてまいりました。そうした他の委員会、検討会の場でご議論いただいたこと。そのアウトプットというものもこの評価委員会に投入して、そこで一緒に私どもはその上に立って評価という本来の私どもの評価委員会にゆだねられた任務というものを果たしていく、そういう視点でおりますので、決して評価委員会、単独で調査をし、単独で結論を出すということではなく、あらゆる国及び県の調査、知見、そうしたものの上に立ってご議論をいただきたいというふうに考えております。

【須藤委員長】副大臣どうぞ。

【弘友環境副大臣】議員立法ということで、私も与党の議員立法のプロジェクトの一員としてつくってまいりましたが、まさしく今先生が言われたことは非常に議論になったわけです。ですから、総合的に、今まで各省ばらばらでやっていたようなものも、有明海、八代海の再生のためにどうすればいいかとか、公共事業にしても何にしても、そういうふうな総合的に評価をしていただくし、また先ほどの調査の件もこういう調査というのもぜひやってもらいたいみたいな要望的なものもあるでしょうし、それも含めてやれるというのが、この評価委員会が設立されて、ここで非常に重要な委員会になるというふうに、特別立法の趣旨から言って、この評価委員会が大きな意味を持つということをぜひ御理解していただけたらと思っております。

【須藤委員長】どうもありがとうございました。
 清野委員よろしいですか。もう一つどうぞ。

【清野委員】一言申しましたのをそういうふうに言っていただいて、非常に頼もしく思います。
 と言いますのは、最初にやっぱりこの法律を決めた理由として、国民にとってこの海が何なのかということの議論があると思うんです。もちろん、周りにお住まいの方というのとか、あるいは水産物を通して、消費者として国民が享受するというのがあると思うんですけれども、それだけではなくて、今、おっしゃられたような形で今までの海や川や森をどういうふうに管理するかということの枠組みの見直しをここを舞台にきちんと行うことで、ほかの、最近はやっぱり同じシステムとか、考え方で適用することが可能だと思いますので、そういった点からも尽力したいと思います。
 以上です。

【須藤委員長】どうもありがとうございました。
 この委員会には先ほど水環境部長が言われたように、前にこれまでたくさんの資料がございますし、それから、たくさんの考え方がある。これは一応上げていただく、広い視点、高い視野という点で見ていただいて、そして評価を進めていきたいと、こう考えております。どうぞ、ほかにご意見ございますでしょうか。
 菊池先生。

【菊池委員】今の清野さんの話と続くんですけれども、今の資料6の5ぺージの上の方で港湾整備の話がございます。そこで、これも必要なことだと思うんですけれども、干潟を覆土をするということで、可能な限り航路しゅんせつなどで出る土砂を有効に利用をするというのがございますけれども、今の有明海の干潟はなぜか天然の干潟においてアサリ等は育たない。それを沖合の砂を取ってきてまくとそこだけ生存率がよくなっていると言われています。これは、全然、理論的にも生理的にも究明されていなくて、まずやってみたらよかったという話なんです。私が危惧するのは航路しゅんせつで出てくる土砂というものと、海底の表面をかすって集めてくる比較的絶えず流れる海水で洗われている砂というものは質が違うんじゃないか。それは研究をしてみないとわからないので、どんな砂を覆砂したらいいのかというのはそれ自身が研究対象だと思うんです。これは本当に杞憂かもしれないんですけれども、工事の方は今始まったらしゅんせつ土砂というのはどんどん出てくる。そうするとそれの処分をどこにするかという話になったときに、水産生物に対してプラスになるのかマイナスになるのか、その結論が出るまで待ってくれと言っても待てない場合もあるんではないかということをちょっと心配いたします。
 これは、小さなスケールでの問題ですけれども、熊本市には港がなかったんで、遠浅の海岸に手を加えて港を造った。極浅海部をしゅんせつして出た土砂を熊本市北部の漁協と交渉して干潟に投棄する、それによって干潟を広くしてアサリの漁場をふやしてあげるからということで漁協長の同意を得て干潟上に投棄した。そうしたら、一番初めの話では砂が出るはずだったのが、べとべとの泥が出てきて、それで既存のアサリ漁場までだめになったという、ローカルですけれども苦い経験がございます。ですから、差し当たって覆土するのはしゅんせつ土砂でというのが一番最初に来ているのに、私は危惧の念を覚えました。それはやっぱり研究をしていって、役に立つならするというぐらいの時間のテンポが、研究から出てくる結論よりも先にまず捨てなきゃいけないということになることをちょっと恐れております。また、覆砂して良好な結果を生む沖の海底表面の砂にしても、大量に採取すれば海の生産力に悪影響をもたらすおそれがあり、干潟全域に実施したりするべきではないという意見です。

【須藤委員長】どうも重要なコメントありがとうございました。これはこれから進めていく中で、十分再度議論いただきたいと思います。
 もう一つ、本日は重要な議題がございます。委員の先生方に、全体に有明海と八代海の現状というか、これをご理解いただいて進めたいと思いますので、まだご意見が、法律、あるいは基本方針についてあるかもしれませんけれども、もし時間があれば残りの時間でやらせていただきますので、次の議題に進めさせていただきます。
 有明海及び八代海の水環境及び漁業・養殖業の状況についてという議題でございまして、水環境の状況については環境省から、それから、続いて、漁業・養殖業の状況については水産庁からご説明をお願いします。
 それでは、最初に環境省からどうぞ。

【坂川閉鎖性海域対策室長】それでは、資料の8をごらんいただきたいと思います。
 有明海及び八代海の水環境の状況ということでございます。
 水環境と申しましても、非常に範囲が広いわけでございますけれども、本日は第1回目ということもあり、まさに基本的なところということで、中身等につきましては、1つ目が水質環境基準がどの程度現在達成をされているかということについて、もう一つは、特にCODについてでありますが、過去から現在まで水質がどのように変化をしてきているのかと。そこのあたりのところをまとめてみたものでございます。
 まず最初に、水質環境基準の達成状況でございますが、水環質境基準そのものの説明を簡単にかついまんで行いますけれども、10ぺージをごらんいただきたいと思います。
10ぺージに、表2-アというのがございまして、海域におけるCOD等の水質環境基準。ここは先生方、ご存じのとおりでありますが、このような生活環境項目に対しましては、海域の利用目的において適宜保全していくことになっております。類型がA、B、Cと3ランクあるわけでございます。そして、測定方法のところでありますが、CODの測定方法のところをちょっとごらんいただきますと、規格17に定める方法の後に括弧書きがございまして、ただしB類型の工業用水及び水産2級のうち、ノリ養殖の利水点における測定方法はアルカリ性法と書いてあります。あとの方の説明で、アルカリ性法ということ、それから酸性法という、そういう言葉も出てまいるわけでありますが、アルカリ性と申しますのはここに書いてありますノリ養殖の利水点における測定方法でございまして、それ以外のCODの測定方法は通称酸性法というふうに呼んでおりますので、そういう意味でございます。
 それから、次の表2-イ、12ぺージでございますが、こちらは富栄養化に関連いたしまして、窒素と燐の環境基準の表でございます。
こちらの方は、類型がI、II、III、IVと4段階に分かれております。これらのCODなどの環境項目、それから、窒素、燐については有明海・八代海とも類型の指定がなされております。その指定の状況が、まず有明海は、13ぺージに地図が載ってございます。ここにA類型、B類型、C類型の地図が書いてあるわけでございますけれども、ご覧のように有明海の真ん中あたりといいましょうか、一部を除くほとんどの水域はA類型になっています。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、有明海(16)という水域が非常に広い面積で設定をされております。そして、湾のずっと奥の方、例えば、有明海の(4)というようなところ、そういうところはB類型に指定がなされております。それから一部C類型もございまして、例えば、一番上の方の有明海(1)ということで、かなり狭い水域でありますが、このような黒いところがC類型ということになっているわけであります。
 そして、14ぺージは窒素と燐の類型の指定状況でございます。
 有明海については、類型のIIの水域、IIIの水域がございまして、ちょっと色の薄いのが類型IIの水域、少し色が濃くなっておりますのが類型IIIの水域になっております。
 同様に八代海についても地図で示しましたのが、15ぺージでございまして、CODの場合にはかなりA類型の水域面積が広くなっております。沿岸域にB類型またはC類型が存在するというような状況でございます。
また、16ぺージは窒素と燐の類型指定の状況でございまして、八代海北部がIII類型、八代海の中部がII類型、八代海南部、ここは熊本県水域と鹿児島県水域とに分かれておりますが、南部はI類型、このような指定がなされているわけでございます。
 そこで、これらの水域が果たして環境基準が達成されているのかどうかということでございます。
 2ぺージをごらんをいただきたいと思います。
 これは、まずはCODでございますけれども、有明海は(1)から(16)までの水域に分かれているわけでございますけれども、かなり水域ごとに見ますと達成しているところが多くなっています。○がついておりますのが、環境基準を達成している、平成13年度において達成をしたということでありまして、×がついているところが達成をしていない、そういうふうな目で見ていただきたいと思います。
 これをご覧いただきますと、(1)から(15)までは達成、しかし、一番下の(16)のところは達成をしていない、こういうふうになっているわけです。
 水域の数で言いますと、このように達成している水域が多いわけでありますが、しかしながら、先ほどちょっとご説明しましたように、この(16)の水域が非常に広いわけでありまして、3ぺージをごらんいただきますと、この黒い部分が(16)になります。(16)の中でも、また場所によってちょっと水質がいろいろ違うかと思いますけれども、水域全体として判定をすると達成していないというようなことになるわけであります。
それから、有明海の窒素、燐についてはどうかということでありますが、4ぺージに表がございまして、有明海のイからホまで水域がございます。
 窒素について見ますと、T-Nのところでございますが、5つの水域について達成をしている。燐については、5つの水域のうち3つの水域が達成をしていますが、2つの水域は達成をしていない。こういう状況であります。
 そして、窒素、燐の環境基準の場合には、窒素と燐、両方が達成されて初めて達成という、そういうふうに考えております。そういたしますと、5つの水域のうち3つの水域が達成と。あとの水域は達成していないと、こういうことになるわけでございます。
 それを地図に落としましたのが5ぺージでございます。黒い部分が達成していない水域ということになるわけでございます。
 同じようなことを八代海でもやるとということでありますが、6ページをごらんいただきますと、CODでございます。これを見ますと水域の数が全部で14ありますが、そのうちの12について達成している。あとの水域では達成をしていないというものでございます。
 地図に落としますと、7ぺージでございます。
 水域の数で見ますと、かなり達成しているんですが、ここは有明海と同様でございますけれども、地図に落としてみると、達成していない水域の面積がかなり大きいということになるかと思います。
 そして、窒素と燐でございますが、8ぺージの表をごらんいただきますと、こちらは窒素、燐、ここ4水域すべてで達成している。こういう状況になっております。
 以上が、CODと窒素、燐に関しまして、平成13年度のデータでございますが、どの程度環境基準を達成しているかということでございます。
その次は、CODの経年変化でございます。
これは各県が行っております公共用水域の水質測定の結果を用いています。ただ、測定データによりましては、例えば、地点が途中で変わっているとか、または、測定方法が酸性法、アルカリ性法が途中で変わっているというようなケースもございます。ですから、そのようなデータは、とりあえずこれは排除いたしまして、同じ地点で同じ測定方法でずっと測定をしてきている、そういうものだけ選んで経年変化を調べたわけでございます。
さきに23ぺージをご覧いただきたいんですが、23ぺージに測定地点の地図が書いてありますけれども、ご覧になってわかるように、これらのデータは比較的有明海の沿岸部というんでしょうか、海の真ん中というよりは陸地に近い部分が多いというようなことになっておりますので、ちょっと注意が必要だと思います。
17ぺージをごらんいただきますと、CODにつきましては、県ごとに分けております。県によりまして、先に申し上げたような測定方法を途中で変更したケースがあったり、または測定地点が途中で変更したりというケースもありますので、何年度から何年度までというデータの範囲が少し狭まったりしておりますので、そういう意味で県ごとに分けております。ただ福岡県と佐賀県は共通しておりましたので、今回のデータは同じ図の中に示しております。そして、A類型とB類型とC類型の3つの類型ごとの平均をとって、どのような傾向があるのかを確認してみたものでございます。
 17ぺージは、福岡県、佐賀県水域が載ってございまして、長崎県水域が下でございます。
 18ぺージに熊本県の水域を示しております。
これでどのようなことが言えるのかというのは、もう少し詳細に解析してみなければわからないと思いますけれども、大体の傾向がこのようになっているということでございます。
 それから、19ぺージには、窒素、燐についての経年変化がございますが、窒素、燐は、海の環境基準ができましたのがCODに比べると大分遅かったということもあり、データは古いものは出ておりません。環境基準ができた後、しっかりとした体制と言いましょうか、現在の測定方法で測定されてきているもの、そういうもののみを今回はお示しをしておりますので、そういった関係上、平成6年からのデータを示しているものでございます。こちらの方はそれぞれ水域ごとの平均値をとって、窒素と燐にわけてお示しをしているものでございます。
 また、20ぺージは八代海でございます。八代海でも有明海と同様の作業をしていったわけでございまして、20ぺージが熊本県水域のその1とその2。ここでわけましたのが、同じ県の中でわけた理由は、どこまでデータがさかのぼるかといこうところで、若干水域によって違いがありましたので、そういう関係で2つの水域にわけております。上の方は、昭和47年度までさかのぼる。下の水域については51年度までしかとれなかった、そういうところでそういうふうにわけたところでございます。
こちらの中で、熊本県水域、その1の方はかなり変動が大きいように見受けられるわけであります。
 また、21ぺージの方は鹿児島県水域での同様の作業をしてみた結果でございます。
 また22ぺージについては、それが八代海の全窒素と全燐でございますが、これも平成6年度以降のデータを整理したものでございます。今回は、公共用水域の水質測定結果をもとに、影響を受けたところを整理をしてきましたけれども、今後さらに新たなデータを加えたり詳細な解析を今後さらに進めていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

【須藤委員長】続いて水産庁、お願いいたします。

【小松漁場資源課長】水産庁の漁場資源課長でございます。
 お手元の有明海及び八代海の漁業・養殖業の状況及び赤潮発生状況についてでございます。
 この資料は、大きくそこの下の方に書いてあります4つの部分、まず第1に有明海における漁業・養殖業の状況、2番目、八代海の漁業・養殖業の状況、それから、有明海、八代海における赤潮の発生状況からなっております。
 1ぺージでございますが、最初に、海の漁業生産、漁獲量の推移が記載されております。総漁獲量は右の図を見ていただければわかりますが、50年の前半は非常に高い生産量でございまけれども、50年の中盤以降減っております。特に、貝類の減少が急になっております。貝類の中心はアサリでございます。
 2ぺージ目がカニ、海藻、その他でございますが、カニの中心はガザミでございまして、60年前後にはガザミが発生しました。それから海藻の突出したのは熊本におけるオゴノリでございますし、その他はビゼンクラゲ・ヒゼンクラゲでございます。
 そのほかに、その他の魚種構成としてクルマエビを中心としたエビ、それから、イカがコウイカ、スルメイカで、タコがマダコ等を中心としてございます。
 県別の漁獲量を3ぺージ以降に示しております。
 熊本県の漁獲、これはアサリが中心でございますけれども50年代の中盤、後半までは安定的に推移してきましたけれども、それ以降落ちております。
他の県につきましても、グラフのスケールが余りよくないかもわかりませんが、総じて50年の後半以降落ちております。これは、魚類についても言えますし、特に貝類について、その傾向が熊本でよく見られるかと思います。
 それから4 ぺージはカニでございます。これは、先ほど言いましたように、ガザミが主体でございます。海藻、先ほど申し述べましたとおりでございます。その他も省略いたします。
 5ぺージに数字で主要魚種の漁獲量を示しております。魚種はマダイ、アナゴ、サルボウ、タイラギ、アゲマキと、魚類と貝類の両方を示しております。詳しくは次のぺージで6ぺージに書いてありますが、特に貝類のアサリは、昭和61年に3万 2,000トンございましたけれども現在では15分の1の 2,000トンまで減少しております。
 サルボウは、一旦伸びまして、また低下でございます。これは何らかの底質等々の変化、ある程度富栄養化した底質の方をサルボウの方が好むということも考えられると思います。
アゲマキ、タイラギにつきましては以下のとおりでございまして、環境の変化にはアゲマキの方が多分最初に反応して、タイラギ、サルボウということだろうと思います。
 それから、次に養殖業の生産量が8ぺージでございます。
 有明海は後に説明します八代海と違ってノリが中心でございます。ノリの作付け面積はそれほど増加しておりませんけれども、いろいろな技術の発達で、少しずつ生産がふえております。しかしながら、平成12年におきまして、8万 8,000トンとピークの約半分になりました。これがいろいろ取り沙汰された12年の不作でございます。
次に、9ぺージからは、八代海の漁業でございますが、総漁獲量は、有明海に比べましても若干安定的に推移しております。2万トン前後で安定的に推移している。これは、表面を泳いでおります魚が、例えば、カタクチイワシ、そのシラスだとか、コノシロが安定しているということでございます。それは2番目のグラフで見てとれます。
 一方では、アサリは、昭和54年に3千 400~ 500トンでピークを迎えておりまして、若干の変動を繰り返しながら減少でございます。
 10ぺージのカニ類は、昭和61年をピーク、これはガザミの増加によるものでございます。それから、海藻類は安定的に推移してきたものが、最近は減少傾向でございまして、オゴノリ、トサカノリ、テングサなどが主体でございます。
 その他につきましては、エビ、クルマエビ、それからイカがコウイカ、スルメイカ、それからタコ類が中心でございます。
 それで、11ぺージには数字を書いてございますけれども、八代海は有明海と違いまして、コノシロとカタクチイワシ、そのシラスを利用しております。この生産が安定しているというのが特徴的でございます。
 有明海の方も、これらの種は多分いると思いますけれども、それを対象とした漁業という行為がないものですから、それが結びついていないということも言えるのではないかと思います。
次の12ぺージが、養殖業の生産でございますが、八代海の養殖業は、これは魚類の養殖でございます。ブリだとか、タイの生産でございまして、漸増傾向にございます。平成7年には3万 5,000トンまで到達しております。
13ぺージは、赤潮の発生状況。
まず有明海でございますけれども、赤潮の発生状況、一番上の図の四角の折れ線グラフで増加がよくわかるものは、これは全体の数字でございます。4県の合計でございます。その下の方にちょっと見にくいですけれども、それぞれの県が書いてあります。△が熊本でございますが、それぞれの県とも漸増傾向でございます。赤潮のうち、珪藻赤潮の発生状況につきましても、同じような傾向が見られます。増加傾向でございます。被害についても、漸増の傾向は見られますけれども、14ぺージでございますが、赤潮の発生のタイミング等々によりまして、ノリ等への被害というのが必ずしも件数に確実には比例しておりませんけれども、漸増傾向でございます。
それから、八代海につきましても、発生件数は有明海ほどは大きくはございませんけれども、増加傾向でございます。
被害の状況につきましては、昭和63年と平成12年にピークがございますが、63年は8、9月にかけまして、Chattonella antiqua による養殖の魚に対する被害がございますし、12年については、Cochlodinium種によります被害がございました。
以上でございます。

【須藤委員長】どうもありがとうございました。
 ただいま、環境省からは、水環境の現状、あるいは過去からの経緯、それから、水産庁からは、有明海及び八代海の漁業・養殖業の状況、あるいは最後の方では赤潮の発生状況のご説明をいただきました。
 どうぞ、ご質問を。

【小松委員】有明海の貝類の漁獲量についてちょっとお聞きしたいんですけれども、サルボウとか、タイラギ、アゲマキが昭和60年からずっと増えていますね。これは漁獲努力の結果なのか、それとも、実際に海域で増えているのか。
 というのはアサリはちょうどそのころ減少傾向だった。急激な減少傾向が出ているわけで、アサリが減っているからその漁獲努力がそちらに向いた結果なのか、その辺いかがでしょうか。

【小松漁場資源課長】単位漁獲努力量当たりの漁獲量、いわゆるCPUEをとっていませんので、正確なことは言えませんけれども、やはり、アゲマキだとか、アサリの方が海域底質の汚染の方に反応して、サルボウもやっぱり反応するんだろうと思いますけれども、何かどこかで、少しずつ底質分が細かくなっていたところを好むような形態があるんじゃなかろうか。それで、サルボウの方が発生したのではないかなというふうに類推はいたしますけれども。
よろしいですか。

【須藤委員長】岡田先生どうぞ。

【岡田委員】漁獲のデータを見せていただいて幾つか気が付いたことなんですが、昭和48年から始まっているデータと、昭和60年のデータが一緒に入っているんですが、もし可能ならば、データがなければしようがないんですが、可能ならば、例えば48年から全部そろえていただくとか、そういうふうにしていただけると、最終的に再生の目標等を決めるときの判断基準としては非常に役に立つと思いますので、可能な限りでお願いしたいと思います。

【小松漁場資源課長】可能な限りそういたします。
 実は、我々も昭和50年代の後半までと、それから50年代の後半以降で、養殖のノリの方と漁業、貝を中心としたもの、このグラフを組み合わせますと、40年から50年、60年前ぐらいまでは両方結構並行に移動して、どっちも安定期にあるんです。それが、58年、59年ごろから開いていくんです。ただ開くというのは現象面の話でございますから、その因果関係とは必ずしも直にリンクしないわけですけれども、一つのやり方として、どうして開いたのかという分析と、どうして安定していたのかと、その理由が一致すると、ダブルで説明がつくなというふうにも考えておりますので、なるべく長いタームで出したいと思います。

【須藤委員長】過去のデータについては整理をお願いいたします。
他にご質問は。それでは清野先生。

【清野委員】今回の特別措置で、現地の事業者の方というのがある意味で非常に重要な方々になってくるわけです。
 さっき、CPUEの話がありましたけれども、今まで漁獲調査といいますか、それぞれの貝をとってこられた漁業の方が、どういった種類をどのくらい、どういう漁法でとってきたかというのを調査がされているでしょうか。
というのは、多分、貝類というふうにまとめて漁獲統計に載ってきているときがあって、そういうのというのは、個別ヒアリングとか、漁協に聞くとかじゃなくて、そういった直接会話をするだとか、あるいは水産試験場でやってこられた当時の方に聞くとか、そういった精密な調査が必要だと思うんです。
今回、概要をお示しいただいたデータに関して、今後そういった、より細やかな沿岸漁業の調査と、特に貝と、それからノリについても、ノリの漁法が変わっているはずなんです。だから、これが数字で出されてしまうと見えないところに多分いろいろな課題があったし、または採集されない部分で、そのあたりの調査の状況とか、ビジョンとか教えていただけないでしょうか。

【小松漁場資源課長】必ずしも過去にさかのぼってきちんとした定量的なデータがとれるかどうか、今のところ自信はありませんけれども、ヒアリング等で定性的なデータは多分漁業者の方々に協力いただければとれるでしょうし、県の関係の方、それから小委員会ができますので、現地に詳しい人もおられますので、なるべく可能な限り努力していきたいと思います。

【須藤委員長】ぜひそれはご要望なのでお願いいたします。
 では滝川先生。

【滝川委員】資料8の方の水環境状況でご報告いただいて、これをどう見ればいいのかというのがちょっと僕自身悩んでいるものですからお教え願いたいんですが、平成13年度の達成状況はというふうなことで、水環境基準といってざっと見ると結構不安なところがあるんだなという、一見そうそう印象を受けるんですが、どうして13年度という平均で出されたのかということ。あるいは、こういったものというのは非常に季節的な変化が激しくて、平均でこれを出してならしてしまうとおかしな話になっちゃって、なったとき非常に赤潮が発生するのはどういうことだということからすると、季節変動といいますか、きつい変動、あるいは日変動というものを考えていかなくてはいけないと思うんですけれども、ここでは一般的なというお話をなさっているんですが、もっと詳しいことを今から考えていかなきゃいけないんで、そういった意味からすると、平均的な表示ということから、もっと先ほどお話がありましたように、詳しいデータを含めてというご提示ということがあるんで、私からちょっとその辺のことをお伺いしたい。

【須藤委員長】それではどうぞ。

【坂川閉鎖性海域対策室長】ご指摘のように水質の状況を詳細に把握するためには、季節的にどう変化しているのかとか、まず基準地点ごとにそれぞれについてだとか、そういう作業もこれから必要だろうと思っています。
 今回は、一般的に、環境基準の達成率、達成しているかしていないかということの通常の私どものやり方があるものですから、それにならってやっていくということなんですけれども、CODの場合には75%値というもので、それは水質のいい方から悪い方へと並べていくと75%まで行ったところ。だから25%は達成していなくてもしようがない。同じ地点で何回も測定しますから。それで、環境基準達成状況を評価するという、そういう仕組みになっておりますが。

【滝川委員】そうですよね。ですから、そういう判断の仕方そのものにも問題があると言ったらあれなんですけれども、ここまで踏み込んで考えていかないと非常に見えるものも全然見えなくなって。
 浅海定線調査のデータなんか、私、ちょっと別の委員会でお見せしたんですけれども、そういったものを見ると、かなり以前から、貧酸素水塊が発生しているんです。こういうふうにおしなべてみてしまうと、非常に誤解を招くんだというところが気になるんですけれども。

【坂川閉鎖性海域対策室長】ご指摘のところを加えまして、もう少し詳細に整理してみたいと思います。
 先ほど、ちょっと説明をしたかったんですが、CODは75%値ですが、窒素、燐は年間平均値で環境基準達成状況を評価するという、そういう仕組みになっている。今回の資料はそういうやりかたで説明させていただきました。

【滝川委員】今後、ぜひそういう方向で資料を出していただけたらと思います。

【須藤委員長】滝川先生のおっしゃるとおり、全国の平均をやっているデータがありましょう。それの有明海と八代海の部分を持ってきて、現状はこうですよとご説明いただいただけなんですね。おっしゃるとおりで、これから評価するときにはもっと現状で、そのままの生の数字を出していただくとか、そういうような形でぜひ関係者にもお願いしておきますので、お願いします。
清水先生どうぞ。

【清水委員】もう言っていただいたことでそのままで。
岡田先生から漁獲のデータなるべく長いという話がありましたけれども、水質の方もなるべく長くて細かいものを。もちろん、T-N、T-Pなんていうのは測り始めてちゃんしているのも少ないですけれども、それはあるもので結構ですから、DIN(注;溶存態無機窒素)とか、そういうの随分長いのもあるはずですから、つながるのなるべくつなげていただいて、できるだ細かいのを。同じ注文ですが。

【須藤委員長】T-N、T-Pはともかく、DINなどは、それ以前のものが今おっしゃるようにあるはずなんで、そういうものをお願いして資料として出してください。こういうことです。お願いしておきます。

【清水委員】坂川室長にあえて言えば、環境基準の達成状況なんかはもうちょっとわかりやすい図を付けていただいた方がいいと思います。

【須藤委員長】では、それもどうぞよろしく。
 それでは、相生先生。

【相生委員】このデータ、先ほど48年から、こういうことでそろえて、というふうなことなんですけれども、私の考えでは、もうちょっと前から出していただけないかということなんです。もしあればということなんですけれども、これは岡山県の例なんですけれども、藻場の面積のデータがありまして、大正時代に測ったのがあって、それから途中第二次世界大戦中は抜けているんですが、昭和40年ぐらいから、それで時系列で追っていくと、いろいろとほかのデータとあわせて、ちょっとは何かが見えてくるかなというようなことがありますので、もしありましたら、もっと以前からのを。
 というのは、集水域も入っていて、資料の7の裏の図を見ますと、陸地からの影響というのを書こうとしていくと、私自信、今考えていることは、農業基本法、昭和36年になるわけです。それ以降で、かなりいろいろな自然生態系に変化が起きておりますので、そこらからちょっと見ていきたいなという気がしています。もしありましたら。

【須藤委員長】漁場資源課長さん、30年代ぐらいからということで、大正はともかくとして。

【小松漁場資源課長】漁業・養殖業生産統計年報はもっと古くからあると思いますので、可能な限り必要なところまでさかのぼってみたいと思います。
 それから、うちの方にも、先ほどの先生からもありました浅海定線だとか、そのほか、漁場環境保全のモニターを結構やっていますので、古いデータはないんですけれども、可能な限り出したいと思います。

【須藤委員長】環境省、水産庁、いろいろ宿題が多くなったんですが、どうぞよろしくお願いします。
 ほかの先生方、いかがですか。原先生、どうぞ。

【原委員】漁業、養殖業の統計の件でございますけれども、これはやっぱり漁業でとれた数字ということになると思うんですけれども、やはりこれは国の政策として栽培漁業等が行われておりますはずですので、ここの地域でも種苗放流等がなされているかと思います。
 それからまた、アサリ等においては、移殖というのがかなり行われておりますので、それで生産がここまで維持されていたのかもしれないので、種苗放流、移殖等々の数量が整えば、それもお示しいただいた方がよろしいかと思います。
 以上でございます。

【須藤委員長】ただいまの原先生のご質問もよろしいですか。

【小松漁場資源課長】そうですね、可能な限りそうしたいと思います。
 それから、私も興味があるのは、有明海と八代海で魚種が、浮魚が八代海に多いんですね。私も実際、有明海に行きましたけれども、コノシロだとかボラは結構多いですね。だからこちらも多分漁業の対象になっていないでしょうけれども多いと思います。
 何らかの資源調査も漁業の対象には今なっていないですけれども、ないのかとかですね、それからそれを捕食している高次捕食者がいるんですね。それが結構安定的にいますから、そちらの方の調査、これスナメリなんです。スナメリは、今、日本各地の閉鎖性海域に結構増えていまして、それは、栄養としては海域の栄養と、少なくとも表面は上がっていると思いますので、そういうものももし間に合えば出していきたいと思います。

【須藤委員長】ありがとうございました。
 どうぞ。

【山室委員】今までの話とつながるんですけれども、この特別措置法というのが環境の保全及び改善、水産資源の回復という、過去に戻すということをイメージしているので、それで、皆様、過去過去というふうにおっしゃっていると思うのですけれども、具体的に現時点でどの辺の過去というのはあるんでしょうか。

【須藤委員長】再生だからそういうことでしょうかということですね。
 じゃあ、それはどなたがいいですか。

【吉田水環境部長】そこで、具体的に何年の状態に戻すという考え方よりも, 健全な海を、豊かな海をということであります。本来の姿、本来あるべき姿で人為的に達成可能なものということであろうかと思っています。それはむしろ、この評価委員会のご議論を通じて形づくられる概念なり、あるいは目標と、つまり科学的に見た議論と結果として出てくるものじゃないかと思っています。

【須藤委員長】過去の何年ということではないんですね。要するに健全な水域、例えば、魚介類も豊かであり、水質もいいという程度で、何年ごろだったらいいから、ここにという、そういう意味ではないという、そういう理解の方がよろしいでしょう。
 はい、どうぞ。

【菊池委員】先ほどから年平均ではまずいという話がございましたけれども、栄養塩類に関して言えば、ノリ漁業で悲鳴を上げているのはもっぱら冬の問題です。今年は雨が降らないというだけでノリの色は悪くなります。ですから、少なくともノリ漁業の豊凶ということから関係してきますと、ノリのシーズンの初め、真ん中ぐらいのところのN、Pの濃度というのは、これが一番ストレートにきいてくるもので、それが過去の変動がどうだったのか。そして、それが降雨量などとの関係できれいに説明できるものとなるかどうかということは、こと水産に関して言えば、ぜひとも要る資料だろうと思います。
 それから、今のどのくらいの過去という話からいきますと、期待していた高価値の種が思ったほどとれないと、主な漁獲対象が次の種に移るという。それぞれの貝の種類によって多くとれる年がずれていく。そうすると、各種の資源量が最良の年がどこかという話は大変難しいと思います。ただ漁民の方もそういうふうに思っているんですが、アサリの場合、昔は物すごくたくさんとれたというのは、よく聞いてみると、県別統計の変動なんかを見ましても、ピークは3年か5年なんです。そのときに熊本だけでアサリが5万トンとれた。それより前は1万トンレベルなんです。それから十数年前は2万トンから3万トン分とれて、それから今はもう数千トンですから、それは明らかに不作続きですけれども、数十年前もいつも5万トンとれていた訳ではなくて、本当は2、3万トンで持続できれば豊かな海なんだと、私はそう思います。
 それはアマモ場についてもそうなんで、「昔はどのくらいあったか」と聞くと、「今は埋立てられたり船着き場になっているあたりまで、そこら中、一面の藻場だった。物すごく藻の丈が長かった。」よく聞いてみると、アマモは花が咲いたときだけ花枝が長く2メール以上になるんですけれども、ふだんは1メールにもならない。その一番長く茂った時の状態のことなんです。ですから、漁民の記憶というものも最高の時の記憶について、それがずっと昔は続いたようなお話もあるので、その分はやっぱり割り引かなければいけないんだろうと思っております。

【須藤委員長】どうもありがとうございました。

【清水委員】また嫌なお願いなんで、後で申し上げようかと思ったんですけれども、資料5あるいは資料6に調査研究の実施及び公表ということでもって何項目か上がっていますね。[1]が干潟と有明海及び八代海の海域の環境との関係に関する調査、調査、調査、調査とあります。これに関するデータはすべて欲しいというのが我々の、しかも、できるだけ長くという、多分準備はされているんだろうと思いますけれども。
それで、じゃあどこまでさかのぼればとかいうのは、非常に一般的な話をすれば、日本の沿岸というか、いろいろなところの水域がおかしくなってきたのは、50年代、60年代、早いところ遅いところありますね。ですから、少なくとも戦後については欲しいなというのが。
相生さんからは、大正、明治という話もありまして、私なんかも、東京湾なんかはそういうことをやっておりますけれども、今、とりあえずは戦後ずっとというのを目指していただければなというふうに思っております。

【須藤委員長】努力目標として。
どうでしょう。過去といっては今の、戦後というと50年代ですよね、データということになりますから、ぜひそういうことで。
 あと、ほかには。

【森下委員】この次にデータを処理していただく、提出していただくときの問題なんですけれども、こういう漁業データが出てきたときには、確実にその裏側に人口の動態というのをつけていただくと大変ありがたいです。専業になっている者と専業でない者とか、それから流域全体の人口の密度の変化だとか、そういうようなものがありますと、産業が生きてくるんだろうと思うんです。
 それから、もう一つついでにお話を聞いてください。
 その次に、もう一つ後にできた自然再生法との関連。この問題と、それから後からできた、12月にできておりました自然再生推進法の問題がありますので、そういうこと、法律的なものどちらのものを優先するかを含めて、全体にそういうのも議論する場があるといいなと思っております。

【須藤委員長】ありがとうございました。
 人口の動態、これは大丈夫ですよね。それは当然密度やら漁業専従者とか、それは大丈夫ですね、それはお願いするとして、今の自然再生法とこの類似ですよね。どうぞご説明を、どうぞ。

【西尾環境管理局長】よくご存じで、ご指摘いただいていると思いますので。
 一応、この委員会自体はこの特別措置法に基づきまして、与えられた仕事を粛々とこなしていくということだと思っています。ただ、自然再生法の、事業そのものは別として、自然再生というものの考え方についても、別なのかをご議論されたと思うんです。
 その考え方が大切とか、そのほかにもいろいろ大切なのがあるとか、それは、この委員会で、評価を議論していく中で、いろいろな視点から議論されるものというふうに思っております。

【須藤委員長】よろしいですか。どうぞ。

【森下委員】困らせるつもりで発言したのではございません。
 それで、そういうことで一つ、資料の6のところの目標の2のところにあります一番最後のところに「修復・造成を図ることを目標とする」というふうに書いておられることが私ちょっと気になったものですから、造成という言葉は非常に狭い言葉なんで、そこに再生というふうに表現されておくと少しカバーできるかなというふうに思いました。

【須藤委員長】ありがとうございました。
 これは理解として。どうぞ。

【吉田水環境部長】ご指摘の基本方針につきましてですが、昨日、告示されておりますので、心持ちとしては先生のおっしゃられたことと私ども政府で考えていることとは差異はないと思っております。修復をし造成をすることで、全体を通じて再生というふうなご理解をいただければありがたいと思います。

【須藤委員長】議事録にはきちっとそのように今発言がございましたので、掲載させていただきますので、この場で文章を変えるというのはちょっと不可能かと思いますので、心持ちというか、理解はそのように認識をしていただくということに。ほかよろしゅうございましょうか。
 どうぞ。

【清野委員】今回の法律で、沿岸漁業者の方というのはすごい大事になってくると思うんですけれども、ちょっとその問題を整理したいと思うんです。
 再生と言ったときに、漁場だとか環境を再生するということがあるんだと思うんですけれども、沿岸の漁業のコミュニティーというのがあって、それがノリの不作だとか、漁獲量の低下によって人間の方のシステムというのも壊れてしまったということが非常に深刻なことだと思うんです。
 じゃ、そういった特別措置法の中でどういう役割を漁業者の方にしていただくかというのを議論する必要があると思うんですね。私として考えましたのは、再生というときに、さっき相生先生がおっしゃったような、大正時代の話だとか、あるいは過去の漁家調査の、私、ご提案したこともありますけれども、漁業者の方が受益者あるいは被害者ではなくて、むしろ再生について情報をきちっと提供していただく方であって、さらに何百年あるいは何千年と積み重ねられた経験的な知識をもって、どのような海の特性な過去があって、それがどうやって、何が原因で壊れたと思われるのかというのをきちんと情報提供いただくことが大事だと思うんです。
 この委員会は、自然科学の方が大半で構成されているんですけれども、再生の議論のときには、やっぱり社会科学とかの議論も必要になりますし、あとは実際に方法としては、過去のことを知るというのは情報提供者ならどういう履歴を持って何を考える。マキシマムの数字でビジョンができたらという話がありましたけれども、そういった情報提供者の情報の選別も含めて、いかに新しい、自然再生のための歴史学的な手法というのが大事だと思うんです。ぜひ、有明海、八代海の状況をきちんと漁業の中で位置づけていただくということが必要だと思います。
 漁業者の方が幾つかのシンポジウムでおっしゃっているのは、この海域は宝の海、そういうはずだったと。何かがとれなくてもほかの物がとれるとか、生物多様性があるから、何らかのバランスで、全然食い詰めなくても済むような海だったということをおっしゃっているんです。
 そういった生物多様性と、それから持続的漁業が可能だった時代がどういう状況だったのかというのは、各省の客観データも必要ですけれども、そういった主体となっていただくためにも漁業者の方に具体的に最終目標を各地という、地先でもいいんですけれども、つくっていただくということがあるんじゃかと思います。
 以上です。

【須藤委員長】ありがとうございました。
 この問題につきましては、これからの委員会あるいはさらにいろいろ検討する場を設けていきたいと考えていますので、それでやりますから。とりあえず今の問題、特に、人間の社会的なコミュニティーの問題で漁場者のというようなご質問があって、何かお答えになることありますか。

【小松漁場資源課長】先生ご指摘の点については、法律、基本方針を読むと該当する部分はないとは思います。しかしながら、私も別の用で、日本の伝統の捕鯨漁だとか、それからほかの地域の漁業で、人間とのかかわり、それから歴史を今、500年だとか江戸時代にさかのぼって聞いていたりしますけれども、それは大きいんですよね。非常に利用だとか人間関係にですね。ですから、そういう研究が必要だと、基本的に必要だという点は、私はもう 100%個人的には同意いたしますれども、それをどこの場でやるのかとか、どのようにこれとの関連で扱うのかというのは、それはまだ別途の課題じゃないかと思います。

【清野委員】具体的には、さっき言ったように、漁獲量の細目を見るための調査で対応できると思いますので、ぜひ、そういったこと今度は。

【須藤委員長】それは先ほどお願いしましたので。
まだ、あろうかと思いますが、大体予定した時間も近づいてきまして、まだ重要な議題がもう一つ残っておりますので、先に進めさせていただきます。
 委員会における検討事項及び検討スケジュールについてということでございまして、これは事務局からお願いをいたします。

【坂川閉鎖性海域対策室長】それでは、資料10をごらんいただきたいと思います。
 資料10、評価委員会の検討事項、それから検討スケジュールということで、案をお示しをしております。
 まず最初に、評価委員会の検討事項でありますが、(1)の部分は先ほど来ご説明しておりますところの、法律にどのように書いてあるかというところをもう一度解説するものでございます。
 (2)でありますが、これからどういうことを出すかということでありまして、まず最初に[1]のところでありますけれども、特別措置法第18条に基づく調査、そういうものを国・関係県が実施をしていくわけでございます。その実施をしている調査の結果について報告を受けて評価を行うということでありますが、しかし結果だけではなく、計画についてもこの委員会で報告を受けて、評価を行っていってはどうかということでございます。
 参考といたしまして、3ぺージ目から、平成15年度において国と関係県が実施を予定している調査等の概要という資料をつけております。一つ申しますと、来年度のものでもございますので、まだ各関係省、それから関係県とも具体的になっていない部分がかなりございます。また、予算額についても未定の部分もあるということで、この調査、来年度の調査の計画につきましては、できましたらまた次回のこの委員会でもう少し具体的にしたものをまた説明をしたいというふうに考えております。本日は、現時点でどういうようなことが考えられているか、こういうところを示すために、別紙というものをつけております。
それぞれ関係省、関係県ごとにこの資料では整理をしておりまして、また特別措置法第18条第1項には、1号から8号まで調査の種類が分類されておりますけれども、それぞれにどこの項に該当するのかというところも書いております。
 ちょっと本日は余り時間もございませんので、この部分のご説明は省略をさせていただきまして、また次回の委員会でもう少し具体的なものをご説明させていただきたいというふうに考えております。
 それでは、また1ぺージに戻ります。(2)[2]のところであります。この委員会の最終的な目標は、再生に係る評価ということでございますけれども、この評価をどのように行っていくのかというところもなかなか簡単ではないんじゃないかというふうに考えております。
 この評価をどのような視点で行うべきかということもこの評価委員会で検討していかなければいけないことなのではないかというふうに思っております。その際の一つの参考となるものとしては、基本方針に掲げられた目標、先ほど簡単にご説明いたしましたけれども、アとイに書いてあるようなところが目標が基本方針には挙げられております。もちろん、これに限るというわけではございませんで、このようなことを参考にして、どのような視点で評価を行っていくのか、この委員会で検討をしていってもらうんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
 また、[3]が、最終的なこの委員会のメインということになると思いますけれども、[1]の調査の結果をもとに[2]の視点を踏まえて再生に係る評価を行っていくということになる予定でございます。
 そこで次のぺージ、スケジュールでございますが、まだ随分簡単なものしかご用意できておりませんけれども、今回が第1回の評価委員会でございます。また、既に委員の先生にはご連絡申し上げておりますけれども、次回3月24日に開催をしたいというふうに考えております。そして、第2回目の評価委員会では、今予定をしておりますのが主に2つの内容がございまして、1つは既存の調査・検討について、もう既に国、または関係県においていろいろな調査・検討が行われております。
 その中で主要なものについてご説明したいと思っておりますが、例えば、農林水産省におきましては、有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会、第三者委員会とも呼ばれておりますけれども、その委員会でかなり検討が進められております。
 また、国土交通省等が設けております、八代海域調査委員会という八代海の環境を調査している委員会もまた動いております。この2つの委員会ともまだ最終的な検討結果が出ているわけではございませんけれども、途中経過だと思いますけれども、これらについてご説明をするというようなことを考えています。
 それともう一つは、先ほど申し上げましたが、来年度の調査結果について、もう少し具体的なものをつくって、これもご説明をし、ご意見をいただきたいというふうに考えているところでございます。
 また、平成15年度以降でありますが、ここの部分はまだこれからいろいろ考えていかなければいけない部分で、平成15年度以降のところには、調査の結果及び計画の報告を受け評価を行うということ。それから、関係者からのヒアリングということも書いておりますが、国と関係県の調査の結果だけではなくて、いろいろな参考となる情報があるかと思いますので、ヒアリングというのも必要に応じてしていきたいというふうに考えております。現時点では、いつごろどういう人を対象にというところまでは決まっていませんけれども、今後検討させていただきたいというふうに思っています。
 それから、最後には、再生に係る評価を行うということになるわけであります。法律の方のご説明で申し上げましたが、施行から5年以内に法律の見直しを行うということになっておりまして、その5年以内の見直しに間に合うようにということだろうと私どもは考えています。
 そうなりますと、数年後まで何もやらないということになってしまわないように、必要に応じて中間的な取りまとめも行っていくというようなことを考えているわけでございます。
 それから続きまして、もう一つ資料をご説明をさせていただきたいと思います。資料11でございます。有明海・八代海総合調査評価委員会の中に小委員会というものを設置してはいかがかという、そういうご提案でございます。この資料11の裏をごらんいだきたいんですが、小委員会の趣旨でございますけれども、評価委員会では再生に係る評価というものを行っていくわけでありますが、効率的な遂行に資するため、こういう目的で小委員会を設置してはどうかということでありまして、2のところにありますように、[1]として、小委員会をもって各種の調査研究に関する情報を収集をする。それから、[2]にありますように、特に地域に則した調査研究、おそらく主として関係県、または地元の大学などということになろうかと思いますけれども、そのようなところでさまざまな調査研究が行われておりますので、そのような調査研究の中からこちらの委員会で評価を行う上で有効な調査研究を整理して、その結果を分析をするというような考え方でございます。
 そして、その結果に基づいて、調査研究の概要であるとか、分析結果を取りまとめて委員会にご報告していただくと、このような小委員会というものを設置をしてはどうかということであります。
 その構成でございますが、本日ご出席いただいております委員、臨時委員、このうちの数名に加わっていただくともに、専門委員という制度がございますので、専門委員を新たに任命をいたしまして、専門委員に加わっていただいて構成をすると。その専門委員の、私どもどのような方が適当なのか、これはこれから決めていくということになるわけでありますが、例えばということでここに括弧書きで書いておりますように、関係県の水産試験場長であるとか、また地域の海域環境に詳しい研究者、学識経験者等を想定をしているところでございます。
 また、その任命に当たっては、関係県の意見も十分に聞きながら、適切な検討をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
このような小委員会を設置してはどうかというようなご意見ですので、これも含めてご審議お願いいたします。

【須藤委員長】どうもありがとうございました。
 本来でございますと、いろいろ検討事項や検討スケジュールについてのご意見をいただきながらというふうに思ってはおりましたが、先ほどいろいろな中で事務局に対する宿題やら検討事項もいただきましたので、これは、特に地域に即した調査研究情報の収集、整理、分析を行う小委員会の設置ということを中心にお認めをいただければ、そのように進めさせていただきたい、こういうように思っております。
 先ほどからの趣旨にありますように、やはりいろいろなご要望を踏まえてやるためには、この委員会だけでは不十分だというふうな認識があるようでございますので、小委員会の設置についてぜひお認めをいただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
(「結構です」の声あり)

【須藤委員長】なお、小委員会に属すべき委員、臨時委員、または専門委員につきましては、先ほど決定いたしました運営方針に基づき、委員長が指名することとされております。今後、先ほど事務局からの説明があった考え方に沿って、専門委員が任命されるとのことですが、この小委員会の構成につきましては、その開催時期を含め、私と事務局とで準備を進めさせていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。お認めいただきたいと思います。
 それでは、ちょうど予定した時間に近づいてまいりましたので、その他ということで、何かございますでしょうか。

【坂川閉鎖性海域対策室長】どうもありがとうございました。
 それでは、ご連絡でございますが、次回、第2回の委員会の開催日程でございますが、3月24日月曜日でございます。午後1時半からを予定しておりますので、本日は午前中に開催させていただきましたが、午後の方が時間がもう少しとれると思いますので、午後1時半からということで、大体4時半ぐらいまでをめどに3時間ぐらいは確保したいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。また、場所はこれから決めますので、場所は確定いたしましたら正式にご連絡申し上げたいと思います。
 それから、第2回委員会におきましては、主な審議事項は先ほどご説明いたしましたように、先ほどのいろいろな調査検討の結果をご報告いたしまして、ご検討をいただくということでありますが、それから来年度の調査計画についてもご説明をさせていただきたいというふうに考えております。
 それから、もう一つ提案なんですけれども、有明海と八代海の現地を見ていただいた方がいいんじゃないかと思っています。もちろん先生方は既に何回か行かれた方はいらっしゃるかと思いますけれども、今私ども事務局の方で考えておりますのは、3月12日、13日あたり、このあたりでできればというふうに思っておりまして、またその辺のところは先生方のご都合をお聞きしたいと思いますけれども、勝手なご提案で申しわけないですけれども、3月12日、13日あたりに八代海、有明海に可能であれば両方とも行きたいと思っているわけなんですが、現地視察ということでお願いをしたいというふうに考えておりますので、これについてもよろしくお願いしたいと思っております。

【須藤委員長】どうもご説明ありがとうございました。
 それでは、次回については、第2回を3月24日、午後1時半から一応4時半まで3時間というふうにさせていただきます。
 議題は先ほどの既にいろいろ調査なされているノリ不作等対策関係調査検討委員会及び八代海域調査委員会に関する説明をいただいて、それを中心に主な議題とさせていただきますので、今までどういうことが研究され、成果が出ているかということが中心になろうかと思います。
 それから、もう一つは今お話がございました現地調査というか、視察といいましょうか、これについては3月12、13日に両方の海を見るので、2日間ぐらいないと難しいかなというようなご提案だったと思いますので、後でこれは各委員と事務局で調整をしていただいて、変更がもしかしたらあり得るということで、ただし、事務局の予定はそうであるということで、ここで提案をさせていただきまして、ちょうどぴったり12時になりましたので、ただいまのこの第1回有明海・八代海総合調査評価委員会をこれをもって閉会とさせていただきます。
 議事進行にかかる皆様のご協力を感謝し、お礼を申し上げます。どうもお疲れさまでございました。