第42回有明海・八代海等総合調査評価委員会 会議録

1.日時

平成30年3月13日(火)13:00~14:45

2.場所

経済産業省別館 共用1111 会議室

3.出席者

委員長 岡田光正委員長
委員

岩渕光伸委員、大嶋雄治委員、古賀秀昭委員、小松利光委員、清野聡子委員、滝川清委員、樽谷賢治委員、内藤佳奈子委員、中田薰委員、中村由行委員、西村修委員、速水祐一委員、古米弘明委員、松野健委員、皆川朋子委員、山口敦子委員、山口啓子委員、山西博幸委員、山本智子委員

臨時委員

小林政広委員

13時00分 開会

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第42回有明海・八代海等総合調査評価委員会を開催いたします。

 最初に、本委員会は「有明海・八代海等総合調査評価委員会の運営方針について」に基づき公開とさせていただいておりますことを申し上げます。

 初めに、環境省水・大気環境局長の早水より御挨拶申し上げます。

○早水水・大気環境局長 環境省水・大気環境局長の早水でございます。よろしくお願いいたします。前回の委員会までは担当審議官ということで出席をさせていただいておりましたが、引き続きということでよろしくお願いいたします。

 第42回の有明海・八代海等総合調査評価委員会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

 委員の皆様には、年度末のお忙しい中お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。この委員会でございますけれども、昨年12月に委員の改選が行われまして、新たに5名の委員の方に御参画をいただくことになりました。厚く御礼を申し上げます。また、再任された委員の皆様方におかれましても、新任の委員の皆様と同様に有明海・八代海等の再生につきまして引き続き御指導を賜りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 平成23年の特措法の改正によりまして、この委員会につきましては、有明海・八代海等の再生に係る評価を継続的に行うことができるように位置づけられました。それを受けまして、平成23年10月から5年半にわたりまして評価委員会、この親委員会だけでも14回、小委員会を含めますと48回、回を重ねた委員会におきまして精力的に御議論いただきまして、昨年3月に有明海・八代海等の再生に向けた方策を盛り込んだ委員会報告、非常に分厚いものですが、これを10年ぶりに取りまとめていただいたということでございます。現在、この委員会報告を受けまして、関係省庁、関係県におきまして各種の再生方策に取り組んでいただいているというところでございます。

 また、委員会報告を受けまして、今日、後ほど若干御紹介しますが、特措法に基づきます基本方針の一部を改正するということで、現在パブリックコメントの手続を進めているところでございます。

 有明海・八代海等の現状でございますけれども、アサリなどで資源回復の兆しが見られますけれども、本年度におきましても貧酸素水塊が発生したとか、あるいは養殖魚への赤潮被害、タイラギ漁の休漁が続くといった状況がまだ続いておりまして、有明海・八代海等の再生に向けた取組というのは引き続き喫緊の課題になっております。この評価委員会におきましては、再生に向けた取組のフォローアップ、それから、再生に係る評価というものを今後も行っていただくことになりますけれども、環境省といたしましても、評価委員会の事務局として、有明海・八代海等の再生に関する評価に必要な調査あるいは科学的知見の収集といったことに引き続き取り組んでいきたいと考えております。

 本日でございますけれども、委員会報告をまとめていただいてから初めての開催ということになりますので、この委員会での今後の審議の進め方などにつきまして御議論をいただくとともに、関係省庁の現在の取組状況につきまして御報告をすることとしております。

 本日、あいにく私と隣の審議官の江口、2人とも別の公務が重なっておりまして、会議の途中で中座をさせていただくことになります。大変申し訳ありませんが、委員の皆様には、今日の時間の許す限り忌憚のない御意見を伺えればと思いますので、よろしくお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 続きまして、評価委員会の委員の改選について御報告いたします。

 お手元の参考資料4の関係法令の2ページに有明海・八代海等総合調査評価委員会令という政令をつけてございます。委員の任期につきましては、評価委員会令第4条に基づき2年とされており、任期満了に伴い、昨年12月に委員の改選が行われました。その結果、委員20名中、再任されました委員が15名、新たに就任いただきました委員が5名となっております。新しい委員名簿を資料1として用意しておりますので、御参照いただければと思います。

 時間の関係で、新たに委員に就任いただきました5名のみ紹介させていただきます。

 まず、九州大学大学院農学研究院教授の大嶋委員。

○大嶋委員 よろしくお願いします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 次に、東京大学大学院工学系研究科教授の古米委員。

○古米委員 古米です。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 次に、九州大学応用力学研究所特任教授の松野委員。

○松野委員 松野でございます。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 次に、熊本大学大学院先端科学研究部准教授の皆川委員。

○皆川委員 皆川です。よろしくお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 最後に、佐賀大学低平地沿岸海域研究センター教授の山西委員。

○山西委員 山西です。よろしくお願いします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 以上でございます。

 また、前回の開催以降に事務局側の異動がございましたので、あわせて御紹介いたします。

 まず、ただいま御挨拶申し上げました水・大気環境局長の早水局長でございます。

○早水水・大気環境局長 よろしくお願いします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 皆様から向かって左隣が大臣官房審議官の江口審議官でございます。

○江口大臣官房審議官 どうぞよろしくお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 その隣が水・大気環境局総務課の廣木課長でございます。

○廣木総務課長 廣木です。よろしくお願い申し上げます。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 早水局長の右隣が水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室の山本室長でございます。

○山本閉鎖性海域対策室長 よろしくお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 以上でございます。

 続きまして、本日の委員の出席状況ですが、21名全委員の御出席をいただいておりますので、委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることを御報告いたします。

 また、本日は議題3の関係で、農林水産省、国土交通省からも出席をいただいております。

 続きまして、配付資料を確認させていただきます。

 まず、本日の議事次第。次に、配席図。次に、資料1といたしまして、委員名簿。資料2といたしまして、評価委員会での今後の審議の進め方(案)。資料3としまして、水産資源再生方策検討作業小委員会及び海域環境再生方策検討作業小委員会の設置について(案)。資料4といたしまして、小委員会の設置について(案)。資料5-1としまして、有明海・八代海等総合調査評価委員会報告を踏まえた再生報告の実施状況。資料5-2としまして、環境省における再生方策等の取組状況。資料5-3として、同じく農林水産省におけます取組状況。資料5-4としまして、同じく国土交通省におけます取組状況。資料6-1としまして、有明海及び八代海等の再生に関する基本方針の一部改正(案)に対する意見募集(パブリックコメント)。資料6-2といたしまして、縦書きの右とじの資料になっていますけれども、有明海及び八代海等の再生に関する基本方針の一部改正(案)の新旧対照表。このほか参考資料といたしまして、参考資料1といたしまして、法律のあらまし。参考資料2といたしまして、委員会報告(平成29年3月)について。参考資料3といたしまして、委員会報告(平成29年3月)の5章の抜粋。参考資料4といたしまして、関係法令等、となっております。

 以上を配付しておりますが、不足の資料等がございましたら事務局までお申しつけください。

 報道・取材の皆様、これ以降のカメラ撮影はお控えいただくようよろしくお願いいたします。

○山本閉鎖性海域対策室長 それでは、本日は委員の新たな任命後、最初の委員会となりますので、委員長が選任されるまでの間、僣越ではございますが、事務局のほうで議事を進めさせていただきますので、御了承願います。

 それでは、議題1、委員長の選任等に入りたいと思います。

 委員会令第3条により、委員長は委員の互選により選任することとされております。つきましては、委員長の互選に入りたいと思いますが、委員長の候補者について、どなたか御意見のある方がいらっしゃいましたら挙手をお願いいたします。

 西村委員、どうぞ。

○西村委員 これまで委員長を務めていただいております岡田委員に引き続きお願いしてはいかがでしょうか。御提案させていただきます。

○山本閉鎖性海域対策室長 ほかに御意見等ございませんでしょうか。

 それでは、ただいま西村委員から岡田委員を委員長とする意見がありましたが、委員の皆様方、岡田委員に委員長をお願いすることでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○山本閉鎖性海域対策室長 それでは、御異議ございませんでしたので、岡田委員が委員長に選任されました。

 それでは、岡田委員長におかれましては、委員長席にお移りいただき、御挨拶をいただければと存じます。よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 ただいま委員長として御推挙いただきました放送大学の岡田でございます。昨年までに引き続きまして、司会進行役を務めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 本委員会、御承知のように昨年報告書がまとまりました。その報告書のまとめに当たりましては、現在、多くの委員の、今まで務められた委員の多大なる御協力があったということで深く感謝いたしております。

 しかしながら、その報告書、私が言うのも何ですが、完璧というわけにはもちろん言えないと思います。有明海・八代海の状況も刻々と変わりつつあります。したがいまして、これからさらによいもの、それから、さらに確かなものということで、これからの時代に合わせて変えていくというか、よりよくしていくということが必要だというふうに思っております。ぜひ委員の皆様方の御協力をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山本閉鎖性海域対策室長 ありがとうございました。

 それでは、以降の進行は岡田委員長にお願い申し上げます。

○岡田委員長 かしこまりました。

 それでは、議事を進行したいと思います。

 その前に、委員長職務代理を指名させていただきたいと思います。評価委員会令第3条に「委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する」という規定がございます。私といたしましては、これまでも委員長代理をお務めいただきました滝川委員に引き続きお願いしたいというふうに思います。いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○岡田委員長 ありがとうございます。では、滝川委員、よろしくお願いいたします。

○滝川委員 かしこまりました。よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 それでは、議事を続けさせていただきます。

 本日の議題につきましては、議事次第にありますように4つの議題があります。1つ目の議題は既に終わりましたので、残りの3つ、今後の審議の進め方、再生方策等の取組状況、その他ということで御審議をいただきたいと思います。

 時間も限られておりますので、議事進行に御協力をいただきますようよろしくお願いいたします。

 それでは、まず議題2、今後の審議の進め方について事務局から御説明をお願いいたします。

○山本閉鎖性海域対策室長 それでは、今後の審議の進め方につきまして、資料2から資料4、また、適宜参考資料を参照させていただきながら御説明をさせていただきます。

 まず、資料2、有明海・八代海等総合調査評価委員会での今後の審議の進め方の案でございます。

 1に委員会の経緯等を書かせていただいてございます。

 (1)のこれまでの検討状況でございますが、平成14年制定の有明海及び八代海を再生するための特別措置法に関する法律に基づき、有明海・八代海総合調査評価委員会が環境省に設置されたところでございます。

 委員会におきましては、法第25条の所掌事務の規定により、法施行後5年以内の見直しに関し、再生に係る評価等を行うこととされたことから、平成18年に委員会報告を取りまとめ、当初の求められた評価に係る審議が完了したところでございます。

 平成23年の特措法の改正によりまして、本法の対象海域に橘湾及び熊本県天草市牛深町周辺の海域が加わったことにより、名称が有明海・八代海等総合調査評価委員会に改められ、所掌事務から「法施行後5年以内の見直しに関し」との規定が削除されたことから、委員会は継続的な評価が可能となり、審議を再開したところでございます。

 今回、新たに選任された委員もございますので、簡単に特措法の法律の概要について御説明をさせていただければと思います。

 参考資料1をご覧いただきますと、1枚紙で法律のあらましをつけてございます。この法律におきましては、第18条に国、県による調査の実施という規定があり、この有明海・八代海等総合調査評価委員会につきましては、国、関係県が18条により行う総合的な調査の結果に基づき、有明海・八代海等の再生に係る評価を行うことという規定が定められているところでございます。具体的な条文については、参考資料4につけさせていただいてございますので、必要に応じて後ほど御参照いただければと考えてございます。

 資料2のほうに戻らせていただきますが、委員会は2つの小委員会を設置いたしまして検討作業を開始し、法改正後5年を目途に報告を取りまとめることを決定し審議を進め、昨年3月に委員会の報告を取りまとめいただいたところでございます。

 (2)に委員会の報告の概要を書かせていただいてございます。

 この委員会報告では、海域全体で目指すべき再生目標として、稀有な生態系、生物多様性及び水質浄化機能の保全・回復ということ、及び二枚貝等の生息環境の保全・回復と持続的な水産資源の確保というのを再生目標として設定したところでございます。この再生目標を踏まえ、多様な生物の生息環境の確保を図りつつ、生態系を構成する上で、また、水産資源として重要と考えられるベントス(底生生物)の変化、有用二枚貝の減少、ノリの養殖の問題及び魚類等の変化の4項目を検討対象としてございます。

 その検討に当たっては、基本的に生物・水産資源が豊かだったと言われる1970年ごろから現在までの環境等の変化を対象とし、有明海・八代海を個別海域に区分し、問題点とその原因・要因を整理し、再生方策を検討するとともに、今後の調査・研究開発の課題を示したところでございます。

 この委員会の報告の概要につきましては、参考資料2に簡単に整理をしたものをつけさせていただいてございます。

 参考資料2を1枚おめくりいただきますと、有明海・八代海等につきまして、海域の環境特性に応じて個別の海域に区分をし、有明海につきまして7海域、八代海につきまして5海域に分け、それぞれの海域につきまして問題点とその原因・要因の評価を踏まえ、個別海域ごとの再生方策、有明海・八代海等に係る全体方策をそれぞれ検討したところでございます。

 再生に向けた方策につきましては、有明海・八代海等の再生に向け、順応的な方法も取り入れつつ、多くの関係者と協働し、以下の諸施策を総合的に進めていく必要があるということで、対象種等ごとに再生方策を一覧の形で整理しています。

 4ページ目には今後の調査・研究開発の課題として、水環境や水産資源等に係る科学的知見の蓄積を図るとともに、環境改善や水産資源の回復手法の開発等を進めるため、以下の調査・研究を進める必要があるということで、データの蓄積や研究開発の事項等について整理をいただいているものでございます。

 資料2にお戻りいただきまして、こういった委員会での経緯、報告書を踏まえまして、今後の委員会の検討事項ということで2を立てさせていただいてございます。

 1ページ目の下に検討の基本的な考え方でございますが、委員会においては、有明海・八代海等の再生に係る評価を行うため、①再生目標の達成状況や再生方策の実施状況及びその成果等を定期的に把握・検討(フォローアップ)するとともに、②有明海・八代海等で生じている生態系、水産資源をめぐる問題点とその原因・要因等について、今後の調査・研究の成果等を踏まえて継続して究明を進め、再生方策を検討することとすると書かせていただいてございます。

 裏のページにまいりまして、検討の対象の項目でございます。

 平成28年度委員会報告の再生目標を踏まえ、有明海・八代海等で生じている生態系、水産資源をめぐる問題点等を考察するに当たり、検討対象項目は次のとおりとする。

 有明海・八代海等では、湾奥部浅海域において独特の生態系が発達するなど多様な生態系を有しており、その保全・回復を図るため、生態系の基盤として重要な「ベントス」を検討対象とする。また、採貝をはじめとする海面漁業及びノリをはじめとする養殖業が持続的に行われるため、漁獲量が低迷しているアサリや6年連続で休漁となったタイラギ等の「有用二枚貝」、生産量が不安定な「ノリ養殖」、漁獲量が変動する海面漁業や赤潮被害が生じる魚類養殖等の「魚類等」を検討対象とする。

 検討に当たっての留意点でございますが、問題点とその原因・要因の考察に当たっては、国及び関係県等が今後行う調査・研究開発による結果に加え、これまでに得られた調査データ等についても時間的・空間的観点からより詳細に分析することにより、多角的な観点から整理・分析を行う必要があるとさせていただいてございます。

 3の審議体制でございます。委員会は上記の審議を機動的かつ効率的に行うため、下部組織として2つの小委員会を設置し、役割を分担しつつ、情報の収集・整理・分析等の作業を進めるということでございます。

 資料3をご覧いただければと思います。資料3、水産資源再生方策検討作業小委員会及び海域環境再生方策検討作業小委員会の設置についての案でございます。

 趣旨でございますが、有明海・八代海等総合調査評価委員会は、「有明海・八代海等総合調査評価委員会の小委員会の設置について」(平成24年6月19日委員会決定)に基づき、委員会のもとに生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会及び海域再生検討作業小委員会を設置し、前者におきましては生物・水産資源や水環境をめぐる問題に係る情報の収集・整理・分析、後者におきましては、有明海及び八代海等の再生に係る情報の収集・整理・分析を行うとされてきたところでございます。

 委員会におきましては、今後も継続的に有明海及び八代海等の再生に係る評価を行うに当たりまして、水産資源や海域環境に関する情報の収集・整理・分析をより効率的に行うため、「水産資源及び漁場環境に関すること」と「海域環境及び生態系に関すること」の2つに分け、委員会のもとに水産資源及び漁場環境について所掌する水産資源再生方策検討作業小委員会、それから、海域環境及び生態系について所掌する海域環境再生方策検討作業委員会を設置するものとするというものでございます。また、再生方策につきましては、両小委員会で総合的かつ効率的に検討を行う必要がある場合には、両小委員会を合同開催して検討を行うとさせていただいてございます。

 裏面のほうに審議体制ということで、評価委員会とその下に2つの小委員会を開催し、両小委員会で連携をし、再生方策については必要に応じて合同で開催する図をつけさせていただいてございます。

 それぞれの作業委員会の所掌事務でございますが、水産資源再生方策検討作業委員会におきましては、所掌事務として、有明海及び八代海等で生じている水産資源(有用二枚貝やノリ養殖、魚類養殖等及びそれらの餌料生物)をめぐる問題点や漁場環境の特性に関すること、それに関わる原因・要因、再生目標、再生方策に関すること、これらに関し情報の収集・整理・分析を行い委員会に提出することというのを所掌事務とさせていただいてございます。構成につきましては、委員会の構成員の一部及び専門委員ということでございます。

 また、海域環境再生方策検討作業委員会につきましては、所掌事務といたしまして、有明海及び八代海等における海域環境及び生態系の特性に関すること、これらに関する原因・要因、再生目標、再生方策に関することとし、上記に関し、情報の収集・整理・分析を行い委員会に提出することということでございます。構成につきましては、委員会の構成員の一部及び専門委員ということでございます。

 3ページ目のほうには、作業フローと作業分担ということで、参考としてつけさせていただいてございます。1の作業フローのほうにつきましては、委員会から付託を受け、2つの小委員会で作業内容、分担等の確認を行い、問題点及び特性の把握や原因・要因の検討などを行い、委員会に作業状況の報告を行っていくということでございます。また、作業分担につきましても、先ほど所掌事務で書かせていただいているものをそれぞれの2つの所掌事務の対応関係としてつけさせていただいてございます。

 こういった2つの小委員会につきまして、資料4をご覧いただければと思いますが、平成24年6月19日に小委員会の設置について決定いただいてございますが、その改正を行うというものでございます。

 「有明海・八代海等総合調査評価委員会の小委員会の設置について(案)」でございます。有明海・八代海等総合調査評価委員会の運営方針について(平成15年2月7日委員会決定)第4事項の①の規定に基づき、下記の小委員会を設置するものとする。

 記、1、水産資源再生方策検討作業小委員会。有明海及び八代海等における水産資源をめぐる問題点並びに漁場環境の特性に関する情報の収集・整理・分析並びに再生方策の検討を行う。2、海域環境再生方策検討作業小委員会。有明海及び八代海等における海域環境並びに生態系の特性に関する情報の収集・整理・分析並びに再生方策の検討を行うというものでございます。

 資料2の2ページ目の4でございます。審議スケジュールでございますが、平成28年度委員会報告では、平成23年度の法改正から5年を目途として評価を取りまとめたところでございます。今後は、平成28年度委員会報告を踏まえて実施される再生方策や調査・研究開発についても、その実施状況や成果等を把握・検討し、再生に係る評価を行うこととする。

 平成28年度委員会報告におきましては、再生に向けた取組の当面の目標とする時期は概ね10年後としており、また、再生方策や調査・研究開発の成果等の蓄積にも一定程度の時間を要すると考えられるが、一方で、継続的な評価が求められているところでございます。このことから、毎年度、以下の①から③について小委員会で作業し、その結果を委員会で審議するとともに、平成28年度委員会報告から概ね5年を目途に、再生方策や調査・研究開発の実施状況及びその成果等について中間的な取りまとめ(中間報告)を目指すということとしてはどうかということでございます。

 ①から③でございますが、①が再生方策の実施状況及びその成果の把握・検討、それから、②がベントス、有用二枚貝、ノリ養殖、魚類等についての問題点とその原因・要因、再生方策の検討、③が調査・研究開発の成果等の把握・検討でございます。

 資料の説明は以上でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 ただいま事務局から今後の審議の進め方について御説明をいただきました。これに関連しまして、御質問、御意見等がございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○小松委員 小委員会の性格づけなんですが、このまま読むと何となく環境の色彩が強いんですね。力学的な問題とかメカニズム的な問題とか、そういった部分がちょっと弱いような感じがします。もちろん環境の保全・再生ですから、その原因が力学的なものとかメカニズム的なものに関わるということで広く読めば読めるんですが、とにかくこれだけ見ると、環境・生態系の色が強いなという感じがするんですけれども、いかがでしょうか。

○岡田委員長 では、事務局から。

○山本閉鎖性海域対策室長 海域環境に関する検討の中で、その原因や要因等というのを検討していけば、今、先生の御指摘のようにどういったメカニズムなのか、それから、その要因としてどういったような力学が働いているのか、そういったものが当然含まれてくることになるかと考えてございます。今、先生から御指摘いただいた視点も十分認識をしながら小委員会で検討いただくということで、小委員会を今後運営していく中で、その趣旨を伝えていくことが重要ではないかと考えておるところでございます。

○岡田委員長 よろしいですか。今の御注意を小委員会の運営の中にきちんと生かすように議事録として残しておいていただいて、しっかりフォローしていただければというふうに思います。ありがとうございました。

 ほかにございますか。

 どうぞ。

○山口(啓)委員 水産資源と環境再生というので2つに分けている感じなんですけれども、実際には、例えば二枚貝増殖とか、水産資源の再生が水域・海域の再生にもつながっているというので、2つは連携していなくてはならないと思います。この境目がどこなのか、例えば二枚貝のかご釣り養殖とかで、海域・水域の再生を促進しましょうというような場合はどちらが担当するのかとか、例えばですけれども、そういう何か仕分けがあるのか。むしろ分けなくてもいいんじゃないかと私は思うんです。どういうふうにここは分かれるのでしょうか。

○岡田委員長 これは事務局から。

○山本閉鎖性海域対策室長 昨年の報告を取りまとめるときにも小委員会を設置し、その小委員会相互の情報の共有や連携というのは、いろいろ課題になっていたかと思ってございます。今回、資料3の2ページ目の図といたしまして、小委員会相互に連携をして検討していくというようなことや、また、資料の3ページ目のほうに作業フローの中で作業内容、作業分担の確認ということで書かせていただいてございます。

 今後、小委員会を開催し運営していくに当たりまして、それぞれの小委員会で情報の共有を進めたほうがいい項目を両小委員会で共有しながら、必要に応じて両小委員会につきましては合同で開催をしていくといったようなことで、運営について連携をとって行えるようにしていきたいと考えてございます。

○岡田委員長 よろしいですか。昨年度も多分というか、実際に昨年までも合同開催がかなり多かったことは事実です。おっしゃるような点は確かに重要なことでございますので、よろしいですか。もしあれば、どうぞ。

○山口(啓)委員 恐らくここの3ページの表のように、水産増殖に直接関わることは水産小委員会で、それ以外が海域小委員会、そういう感じになるんでしょうか。もちろん仕分けていただけるんだとは思いますけれども。

○岡田委員長 今までの経験からいたしますと、事務局が答えるよりも私がいいかもしれませんが、現実には、きっちり分けるのはかなり大変です、おっしゃるとおり。そういう意味で合同開催したり、それから、全体の委員会でもう一度議論するとか、そういう方法をとってきていますので、あまりきっちり分けるのは結構大変かなと。先生の御心配のとおりだと思います。

○山口(啓)委員 わかりました。ありがとうございます。

○岡田委員長 その辺はやりながら考えさせていただくということで、今までもやってきていますので、御了解いただければと思います。

 今の御注意もやはり先ほどの小松委員の御指摘と同じように、小委員会、それから、全体委員会の運営に生かすようにお願いいたします。

 ありがとうございました。ほかにございますか。

 特段よろしければ、資料4のとおり小委員会を設置することを決定させていただき、今後の審議の進め方につきましては、資料2及び資料3のとおりにするということで御了解いただいたということにさせていただきますが、よろしいでしょうか。

 どうもありがとうございます。今いただいた御意見については、くどいようですけれども、事務局でちゃんとテイクノートしていただいて、運営について生かしていただければというふうに思います。

 それでは、今のような形で御了解いただきましたので、小委員会の開催に向けて事務局のほうで御準備等をお願いしたいと思います。

 なお、小委員会でございますが、評価委員会の運営方針についての4、これは参考資料4の5ページというのをご覧ください、後ろにあるので。小委員会に所属すべき委員、臨時委員または専門委員は、委員長が指名する。それから、小委員会に小委員会委員長を置き、委員長の指名によりこれを定めるというふうにされております。

 これは今までと同じだと思いますが、各小委員会の委員長でございますが、水産資源再生方策検討作業小委員会につきましては、樽谷委員、今までと同じでございますが、引き続きお願いしたい。それから、海域環境再生方策検討作業小委員会につきましても、これまでと同じ滝川委員にお願いしたいというふうに思います。

 このほか、各小委員会に所属いただく委員につきましては、委員長が指名するということになっておりますので、追って御指名をさせていただきたいと思います。小委員会に所属いただく委員、特に今まで小委員会に所属された委員は御承知だと思いますが、いろんな作業があって結構大変でございますが、ぜひよろしく御協力のほどお願いいたします。ということでよろしいですね。

 それでは、次の議題3に移りたいと思います。再生方策等の取組状況についてでございます。資料5と資料6、2つございます。分けて御説明をいただきたいというふうに思います。

 まず、資料5について事務局から、それから、関係省から御説明をお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、資料5-1をご覧ください。

 昨年3月末に委員会報告が取りまとめられまして、主務大臣、関係県知事に提出されたところでございます。この資料は評価委員会報告に記載されました再生方策について、平成29年度の実施状況、平成30年度の実施について関係6省、関係6県の担当者との意見交換会を行って整理したものでございます。掲載項目として、左側から対象種等、再生方策というふうにございますけれども、この項目は先ほど評価委員会の報告の概要として横長の表で示しました参考資料2の3ページ、4ページ、この資料は対外的に事務局のほうでつくらせていただいたものでございますが、その参考資料2の2ページ、3ページに対象種、ベントス、有用二枚貝の減少、ノリ養殖の問題、魚類等の変化、このほか生物の生息環境の確保、この5つの分野についてそれぞれ再生方策を示しておりまして、その再生方策に沿って取りまとめたものでございます。

 環境省をちょっと例にとりまして、御説明をしたいと思います。

 まず、1番のベントスのところでございますが、再生方策としてベントス群集・底質のモニタリング及び変化・変動要因の解析調査等の実施というのがございます。環境省での施策といたしまして、平成29年度につきましては閉鎖性海域環境保全推進等調査として、底質・ベントスの調査などを行っております。平成30年度につきましても、事業名は変更しておりますが、事業内容は同じとなっております。ベントスへの調査につきましては、委員会報告の4章で海域ごとにベントスの種類数とか1平方メートル当たりの個体数の経年変化、そのほか主要出現種の変遷、底質のデータとしてT-N、T-P、T-Sなどの経年変化のグラフを示していますが、これらの基礎データとなる調査を行っております。

 次に、おめくりいただきまして、3ページの7番、タイラギ立ち枯れへい死等の原因・要因の解明ということでございますが、環境省の事業といたしまして、タイラギ種苗の移植試験と生息環境観測の実施しております。30年度につきましてはタイラギ生息環境の評価を行うということにしてございます。

 次に、8番のところですが、1ポツ目として、循環型社会形成推進交付金等ということでございまして、貧酸素水塊の軽減対策の一つとして水質汚濁負荷の削減のため、陸域におけます汚濁負荷削減としまして、浄化槽の整備に関する支援を行ってございます。

 上から6ポツ目、下から3ポツ目になりますが、同じく閉鎖性海域環境保全対策推進等調査ということで、有明海湾奥部におけます底層溶存酸素量の連続観測を行っております。平成30年度も継続して行っていく予定でございます。

 8番の右下、平成30年度の下の欄のところですが、上記のほか、平成30年度以降に実施を検討している施策といたしまして、底層溶存酸素量の類型指定を行うこととしてございます。

 4ページでございますが、13番のところに藻場・干潟・カキ礁の分布状況の把握及び保全・再生という項目がございます。平成29年度では、カキ礁分布状況等の調査手法の検討、30年度におきましては、藻場・干潟分布状況調査ということで、30年度から有明海・八代海におきまして、衛星画像を用いた藻場・干潟の分布状況の把握として調査予定でございます。平成29年度につきましては、その際に可能であればカキ礁の分布も調査できないか、手法を検討しているところでございます。

 15番のところでございますが、1ポツ目、環境省の事業といたしまして、海岸漂着物等地域対策推進事業として海洋ごみの回収、処理に関する支援を行っております。平成30年度も継続となってございます。

 続きまして、資料5-2ですが、環境省における再生方策等の取組状況として、ただいま御説明しましたうち2つの事業についてポンチ絵を示してございます。

 1つ目が有明海・八代海等再生評価支援事業で、右上のほう、事業概要とございますが、有明海・八代海等の再生評価の支援ということで、評価委員会での検討のため、関係省等からデータの収集・分析を行うとともに、環境省自らも調査を行って、データ収集をしております。このほか、評価委員会の運営経費が含まれております。

 2つ目が海岸漂着物等地域対策推進事業で、海洋ごみの回収・処理等について、補助金によって実施主体について補助を行っています。補助率につきましては、地域の実情に合わせかさ上げを実施するということでございまして、基本は10分の7でございますが、有明海・八代海におきましては10%上乗せで、10分の8の補助となってございます。

 環境省での取組状況は以上でございますが、資料5-1に掲載されている諸施策につきましては、今後関係省庁から報告書等を提供いただきまして、今後の評価の際に活用させていただくということを予定してございます。

 環境省からは以上でございます。

○竹川漁場資源課課長補佐 続きまして、農林水産省から御報告させていただきます。

 資料5-1をご覧ください。

 農林水産省の取組といたしましては、かなり多くの再生方策に関連して実施をしているところでございます。そのため、まず5-1で全体像とポイントになる部分を説明させていただきまして、その後、資料5-3を用いまして、30年度にどのような取組を行うのかといったところを具体的に説明させていただこうと思っております。

 まず、資料5-1を順に簡単に御説明いたします。

 まず、1番のベントスの対策ですが、こちらは農林水産省としましても底生生物調査を行っておりますし、引き続き30年度も行うこととしております。

 それから、2番から7番までが主に有用二枚貝を対象とした事業の取組が書かれているところでございます。このうち、特に2番の種苗生産・育成等の増養殖技術の確立や種苗放流・移植の推進、それから、めくっていただきまして、4番の母貝集団ネットワークの形成といったところは、この辺はかなり連動してやらなければいけない取組となっておりますので、この辺りを先ほど申し上げましたとおり、資料5-3を用いて具体例を挙げて説明したいと思っております。

 そのほか、二枚貝のポイントとなる部分で申し上げますと、6番の底質改善の部分でございます。一番上の有明海特産魚介類生息環境調査等におきまして、底質の攪拌調査などの調査を行っておりまして、その下の2つのポツ、こちらが公共事業に関連する取組となっております。こちらは上の2ポツ目が凹凸畝型覆砂工という公共事業の工法の実証を行っておる取組でございまして、さらにその下がいわゆる覆砂等の公共事業に関する支援策というふうになっております。

 そして、一番下の2つですけれども、こちらが底質改善のために漁業者自らが行う取組の実証もしくは実際に行う取組への支援といった内容になっております。このように複数の施策によって底質改善の取組を進めているところでございます。

 続いて、ページをめくっていただきまして、3ページですけれども、3ページの8番から一番最後までという部分ですが、こちらが主に環境の関連の部分、それから、ノリ養殖や魚類に関連するような取組でございます。

 大きくポイントになる部分としましては、8番の貧酸素水塊対策というのがございます。こちらは29年の実施を見ていただくと、上から3つ目、こちらは直接的ではなくて間接的な支援になりますが、農山漁村地域整備交付金等と申しまして、集落排水施設への整備に対する支援を行ってございます。続きまして、その下の2つですけれども、先ほどと同様に漁業者自らが行う取組の実証、それから、実際に行う取組への支援を行う事業として2つの事業のメニューがございます。

 このうち上のポツに書いてありますとおり、今回の報告書の作成で御議論されましたカキ礁につきましても、こちらで実証を行うこととしております。そして、一番下の2つですけれども、こちらが溶存酸素の観測や貧酸素水塊のモニタリングの高度化ということで、こちらは実際の調査、モニタリングといったところに対する支援というメニューになっております。

 ページをめくっていただきまして、もう一つの環境関係の取組のポイントが赤潮でございます。

 9番の赤潮ですが、こちらも水質調査や赤潮の発生状況の調査、それから、発生予察技術の開発、被害防止の軽減技術の開発など、赤潮に対しましてさまざまな施策を講じることとしております。

 10番以降は、ノリ養殖や魚類に関連する部分が記載されておりますが、今回は時間がありませんので割愛させていただきます。御質問があれば、その都度受けたいと思います。

 それでは、資料5-3の説明に移ります。

○武元農地資源課課長補佐 農林水産省農村振興局の武元と申します。

 私のからは資料5-3に沿って有明海再生の取組につきまして、今後の取組の方向性を中心に主な内容を御紹介させていただきたいと思います。

 まず、1ページ目でございます。タイラギの取組についてでございます。

 二枚貝類の再生につきましては、平成27年度より福岡、佐賀、長崎、熊本の4県が協調した取組を行ってきたところでございます。その柱の一つといたしまして、タイラギの浮遊幼生調査を行ってきたというところでございます。この浮遊幼生調査によりまして、有明海の湾奥部や熊本県の緑川の地先を主体にタイラギの浮遊幼生が確認されてきたところでございますが、全体としては出現密度は非常に低いということが明らかになってまいりました。また、これと同時に人工種苗の技術開発も進めてきたところであり、一定の成果が見られてきているところです。

 それらの成果を踏まえまして、まず、タイラギの資源回復につきましては、まず、母貝を増やしていくこと、そして、産卵して浮遊幼生量を増やしていくことが必要であるというような考えを持っておりまして、その考えのもとで、これまでは種苗生産につきましては西海区水研、また長崎県で行ってまいりましたが、平成30年度は4県におきまして種苗生産や中間育成に取り組む体制を整えていくと。これによりまして、生産した種苗を海域に移植し、人工の母貝団地を造成していくということを考えていきたいと思っております。

 また、人工母貝団地の造成場所につきましては、これまでの浮遊幼生調査の結果とか、かつての漁場であったりとか、また、シミュレーションモデルによる検討なども踏まえまして、各県において検討いただきまして、具体的な場所を設定していくということを考えているところでございます。

 次に、2ページ目になります。

 2ページ目につきましては、アサリの取組についてということでございます。アサリにつきましても、浮遊幼生調査をこれまでも行ってまいりまして、広域的に産卵場所、また、浮遊幼生の着底場所が有明海沿岸に分布しているということが確認されてきております。アサリにつきましては、福岡県、佐賀県、熊本県の一部海域におきましては、アサリの資源の回復が見られ、明るい兆しも見られてきているところでございます。平成30年度からはこれらの成果をさらに広げていくために、アサリの広域的な再生産のサイクルを強化していくということが必要であると認識しています。

 このため、平成30年度におきましては、主要な漁場の着底場におきまして効率的に浮遊幼生を着底させるための採苗器の設置であったりとか、高密度の生息域からの移植であったり、また、着底後の着底稚貝の減耗を抑制するための食害対策といったことを行いながら、母貝集団ネットワークの形成を図っていくということを考えております。これらの取組につきましては、各県において地先の環境が異なっておりますので、それぞれの環境に応じた適切な組み合わせで対策を実施していくという考えでございます。

 また、中間育成技術であったりとか、海域毎の再生産性の向上のための技術的な課題解決に向けた実証事業につきましても、あわせて取り組んでいくということで考えているところでございます。

 次に、3ページ目になります。

 ナルトビエイの調査ということでございます。食害対策ということになりますが、これまでの調査におきましてナルトビエイの食害量は、二枚貝類の漁獲量に対して年によって十数%から多いときには5割以上に相当する量が捕食されているということがこれまでの調査で推定されてきているところでございます。これらの調査を通じまして、ナルトビエイの分布はかなり明らかになってきているところではございます。

 ただ、今後は限られた労力や予算の中でより効率的に捕獲していくということを考えていかなければならないと考えております。そのためにナルトビエイの来遊ルート、これをさらに明らかにしていくことが今後の課題と考えているところでございます。これらを踏まえまして、平成30年度はナルトビエイの来遊状況をさらに把握すること、また、捕食状況も明らかにすることを目的といたしまして、データロガーや発信機なども活用しまして、これらの把握を行っていきたいというふうに考えております。

 調査におきましては、漁業者の御協力もいただきながらデータを回収し、得られたデータにつきましては、具体的な検討はこれからまたしてまいりますが、リアルタイムデータで漁業者にフィードバックするなど、また効率的な捕獲につなげていけるように考えていきたいということで今考えているところでございます。

 最後に、4ページ目ということで、二枚貝の例としてアゲマキの取組ということで御紹介させていただきます。

 アゲマキにつきましては、佐賀県におきまして種苗の生産、放流をこれまで行ってきてございます。種苗生産技術につきましては、例えば平成28年度につきましては300万個以上生産するなど着実な成果を上げてきているところでございます。生産した種苗は放流しており、鹿島市の地先におきましては、放流貝から生まれた稚貝の大量発生が確認されるなど、再生産サイクル資源回復の兆しが見られてきているところでございます。このように、これまで佐賀県で成果を上げてきているところでございますので、平成30年度におきましては、かつての漁場であった福岡県地先のほうにもこれらの取組を拡大して、資源回復の取組を加速化してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 時間の関係上、トピック的な御紹介ということになってしまいましたが、これからも評価委員会に示されました再生方策に沿って、4県とともに取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○桝井河川環境課企画専門官 引き続きまして、国土交通省の取組みについて御紹介させていただきたいと思います。

 5-4で詳細を説明させていただきますけれども、資料5-1で該当する箇所についてまず御説明させていただきたいと思います。

 国土交通省につきましては、5-1の資料の3ページ目と4ページ目に該当する施策を書かせていただいております。

 まず、3ページ目になります。こちらも汚濁負荷量の削減対策になろうかと思いますけれども、社会資本整備総合交付金等というところで下水道整備に対する支援について1項目書かせていただいております。

 引き続きまして、4ページ目になりますけれども、14番の項目でございます。こちらについては、河川における土砂動態の調査ということで1項目ございます。最後、15番になりますけれども、漂流ごみ等の対策ということで、そこの2つ目のところ、海洋環境整備事業というところで、ごみについての対策をしてございます。これらの取組につきましては、資料5-4で説明のほうをさせていただきます。資料の順番は少し前後いたしますけれども、御容赦くださればと思います。

 めくっていただきまして、資料5-4の資料になりますけれども、有明海・八代海等の環境改善のための体制整備ということについてでございます。

 国土交通省におきましては、この有明海・八代海等の海域環境改善のために平成24年4月から海洋環境整備船の「海煌」というものを配備しまして、これまでございました「海輝」とあわせまして2隻体制での漂流ごみの回収に取り組んでいるところでございます。今年度は特に九州北部豪雨がございました関係で、12月末までで1,687立方メートル、10トントラックで約337台分の漂流ごみの回収を進めてきたところでございます。こちらは右のところに図がございますけれども、比較的近年大きかった平成27年と比べましても、1年分の回収量を上回るというような状況になっているところでございます。

 海洋環境整備船につきましては、ごみの回収とともに有明海・八代海等の再生のために水質・流況等の環境調査も行っておりまして、調査結果を効率的なごみ回収や環境整備等に活用していくというようなところの活用の取組をしているところでございます。

 めくっていただきまして、次のページでございます。海域の水質保全のための下水道整備に対する支援というところでございます。

 目的といたしましては、総合調査評価委員会の報告にもございましたとおり、貧酸素水塊の軽減に関する取組の中の汚濁負荷量削減を進めるということでございます。支援内容といたしましては、地方公共団体が実施する下水道整備に対して、社会資本整備総合交付金等を活用いたしまして支援等を行っているところでございます。

 続きまして、河川における土砂動態の調査というところでございます。河川の土砂流出状況の把握を行うために、河川からの海域へ供給される土砂についての調査を実施しているところでございます。河川における土砂動態の挙動等の調査及び流域全体の土砂収支の精度向上にこれまでも努めているところでございまして、引き続きこれらの取組を行っていくところでございます。

 以上でございます。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。

 ただいま事務局、それから、関係省から再生方策等の取組状況について御説明をいただきました。これにつきまして何か御質問等がございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○山本委員 各省庁から御説明いただいたんですが、資料5-1を見てみると、異なる省庁でよく似た調査とか接点があるような事業をやられているところがあります。例えば番号1の環境省と農村振興局さんでそれぞれ底生生物調査をされると。これはどういうふうに分担というか、なっているのかなと。あるいは3番、農村振興局さんと水産庁さんでそれぞれナルトビエイの調査をされるというのも成果はどういうふうにして組み合わさっていくことになるのかとか、一方で4番、二枚貝を扱われる場合、農村振興局でタイラギの浮遊幼生とか着底稚貝の調査をされて、環境省で着底稚貝に及ぼす環境の影響評価をされるということになると、その2つがうまくとんとんと続いていけば成果はより大きくなると思いますし、8番の溶存酸素量の調査、環境省さんと農村振興局さんそれぞれ上がっているので、この辺はその分担なり成果を組み合わせて使えるようになっているのかなというか、これはどういうふうにされていくのかなという御質問です。

○岡田委員長 では、事務局のほうからお願いします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 各調査、類似しているような調査とかございますが、例えばベントスとか貧酸素のところとか、それぞれ観測ポイントが異なっているとか、例えば農村振興局とあります九州農政局での調査ですと、諫早湾周辺、有明海が中心となっています。環境省では既存の使えるデータがあれば、それを採用することとしていますが、それで足りない部分をなるべく幅広く調査していくというような形でございます。また同じデータでもデータのとり方、連続性等ございますので、できれば情報を統一していきたいということで、平成23年に法律が改正になりまして、評価委員会が再開された際に、関係省庁で、なるべく同じフォーマットで調査をしていこうということで進めております。それぞれ事業の生い立ちがございますので、カバーしている調査地点等、微妙に異なるところはございますが、そこは連携しながら進めていくということでございます。 

○岡田委員長 よろしいですか。

○山本委員 28年度の報告書をまとめたときに、そこのところがやっぱり、地点はうまく割り振られていても間隔が合っていないとか、そういうことでやっぱり悔しい思いをいろいろしていますので、フレキシブルに連携して少しは手法というか、調査のやり方、間隔なりというのはやっぱりフレキシブルに合わせられるように対応していただけると助かります。結果が出てきてからこれを何とかしようというんじゃなくて、やっぱりそのつもりでとらないと何もわからないということになりますので、お願いします。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですね。山本委員、今までの経験を踏まえての御指摘でございますし、事務局も了解はしていると思いますので、さらに努力をするようお願いいたします。

 ほかにございますでしょうか。

 どうぞ。

○中田委員 コメントです。まず、資料5-3のタイラギの取組ですね。西海区水研から各県への技術移転というふうになっています。種苗生産の状況は結構まだまだ不安定だと私は認識しているんですけれども、ちゃんと水研のほうにある程度、かなりちゃんとフォローできるような体制というのをつくっていただきたいというのが1点。

 それからあと、種苗を放流するときには、ここでは例えば育成ネットみたいに捕食されないような工夫はされていますけれども、底質というのがたしかキーポイントだったと思うので、その辺、総合的な取組というのも視野に入れたことをやっていってほしいと思いました。

 それから、2点目はナルトビエイの調査のイメージのところで環境DNA解析というのが書かれています。来遊量の推定をするとありますけれども、まだまだ定量的な解析に耐え得る技術にはなっていないと私は認識しています。ですので、環境DNA解析に加えてちゃんと量を捉える調査もあわせてやっていくことが重要ですので、よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 今の点はコメントですから、よろしいですね。特に何かあれば。いいですか。

 ほかに御意見。

 どうぞ。

○速水委員 農林水産省さんに1つコメントと1つ質問です。コメントのほうはタイラギの取組なんですけれども、このタイラギに関しては私どもも環境省の事業の中で浮遊幼生の輸送なんかを研究してきたわけですけれども、タイラギの浮遊幼生にとっては県境というものは関係なくて、有明海の全域を輸送されていくということですので、例えば長崎県海域に母貝団地をつくったが、佐賀県海域にたくさん輸送されるというふうなこともあります。ですので、ぜひこれまでの研究成果を踏まえて、県ごとにやるのではなくて、有明海全域を一つの海として認識した形で母貝団地の設定場所を検討していただきたいと思います。これが1つ目のコメントです。

 それから、2つ目は質問なんですけれども、アゲマキに関しては放流個体由来の資源がかなり回復してきているんですけれども、一方でもって、近年恐らく放流由来ではない、もともとの有明海にいたと思われるアゲマキが福岡県のほうで見つかっています。そういった放流由来ではない遺伝子を持った個体群と、それから、こういった放流由来の個体群とのそれぞれの保全の方策みたいなものは何か考えておられますか。

○岡田委員長 これは今、わかる範囲で。

○武元農地資源課課長補佐 まず、最初の御意見でいただいたタイラギについてでございます。まず、タイラギにつきましては、まさに先生おっしゃるとおりでございまして、タイラギの浮遊幼生は、海域、県境をまたいで移動してくるわけでございます。このため、まさにこれこそが4県協調の取組ということでございまして、それぞれの海域で母貝団地を造成いたしまして、着底状況等を海域全体で把握してまいりたいというふうに考えております。

 具体的には、海域全体で約150地点を設けて、同じ調査手法、同じ時期に調査をしていくことで、これらの取組の成果、効果というのがどのようなものかというのを見極めていければというふうに考えているところでございます。

 2点目のアゲマキについての先生の御指摘でございます。ちょっと私どももその点、まだ十分な知識があるわけではございませんので、各県の水試、また西海区水研などとも御相談しながら具体的な調査の方法を考えさせていただきたいと思います。また御指導いただければありがたいと思っております。

○岡田委員長 よろしいですね。では、今の御注意を受けて今後の調査に生かしていただければありがたいと思います。ありがとうございました。

 どうぞ、先生。

○小松委員 2点教えてください。

 1つは農水省さんで、アサリの取組のところで復活の兆しがあるというお話だったんですが、こういうふうに言われると、つい我々は楽観的に考えてしまうのですけれども、以前、タイラギもちょっと復活したといわれたけれども、すぐだめになったというようなこともあって、こういう復活の兆しと言われる場合、定量的にどの程度回復したからそういうふうに言われているのかというのがもしわかったら教えてください。また、もし本当に復活の兆しであれば、では、何がよかったのかもしわかれば、それも教えていただきたいのというのが1点。

 それから、もう一点は国交省さんで、河川における土砂動態調査、これ非常に大事で、ぜひやってほしい調査なんですが、どの程度詳細にやられているのか。というのは、1級河川だけなのか、それとも有明海に流れ込む2級河川までカバーしているのか、その辺を教えてください。

○岡田委員長 では、それぞれ事務局のほうから。今後の検討になるような課題も多いと思いますので、現在の範囲でお願いします。

○武元農地資源課課長補佐 まず、アサリの状況についてでございます。回復の兆しというふうに申し上げさせていただきましたが、また点的な状況だと認識をしております。例えば福岡県におきましては、推定資源量というものを福岡県のほうで計測しております。これは一番落ち込んだ平成26年の調査と比べますと、平成29年の推定資源量としては約30倍程度が確認されたというデータも得られていると。また、佐賀県におきましては、平成19年以降、糸岐川の河口におきまして漁獲自体がなかったというところでございますが、10年ぶりにまとまった漁獲も得られてきていると。また、例えば熊本県においては、保護区を設けているところでは生息量が約3倍に近い生息量も見られてきていると。点的ではございますが、このような成果も得てきてございますので、これらをいかに広げていくか、これがまさに課題かというふうに考えております。

○桝井河川環境課企画専門官 今の土砂の調査に関する御質問ですけれども、1級河川がどうしても主になっているような状況でございますけれども、特にそのうちでも今現在におきましては、筑後川について詳細な検討を今進めているところでございます。また、引き続き、前回、平成24年のときにも一度この場でも紹介させていただきましたが、同様に近年の状況も踏まえまして、検討しているところでございますので、また、これについても引き続きやっていければと考えているところでございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。今後、今の御質問の点は委員会等で詳細にまた必要に応じて報告していただくということだと思いますが、よろしいですね。よろしくお願いいたします。

 どうぞ。

○清野委員 1つは事務局に、1つは国土交通省さんに伺います。

 事務局のほうに伺いたいのは、いろんな調査が出てきているのですけれども、それの公表とか、あるいは公表の形態とかタイミングのことで教えていただきたいと思います。この海域は非常に広い海域ですけれども、これだけの調査が行われていながら、委員の方からの御指摘がありますように、なかなか効率的にデータを使うとか、統合的に検討するということが十分でありません。特に今期の委員会ではこの点が重要になると思います。最終報告書をPDFで回覧しますみたいなことだと、多分オンタイムでいろいろと研究者だとか、あるいは自治体の施策に使うということが難しいと思います。その辺りは最近いろんな電子情報での共有化というのが進んでいますので、ぜひ今の時代に適したさまざまなデジタル的な情報の統合化というのを検討していただきたいと思います。

 それは例えば画像データでいろんな地図だとか、量的なもの、画像なり数字データをとったときにどういう形で共有していくことが大事です。施策につなげる分析に役立たせる方法はというような、一つ次元を上げた形での統合化のための検討ということが必要ではないかと思います。これは今お答えをいただくのは、すぐには難しいと思いますけれども、それが今までずっと懸案だったところです。

 それから、もう一つは国土交通省さんに下水道のことでお伺いしたいんですけれども、この特措法ができてから流域の河川に接続する下水道の整備というのは、ずっと淡々とある意味、行われてきたと思います。それに対しての一つの評価といいますか、要望なり準備が整ったところからやるということも事実上はあると思いますけれども、水循環としてどこにどういうふうな下水道の施設を入れて、どこの川がどういう物質循環的な状況になっているかという把握がなされているかどうかということが1つ。

 それから、近年、内湾においては下水道処理水の利用法なり抑制法というのが学術的にもさまざまな議論がございます。そういった点で下水道を整備するというだけではなくて、そこの物質循環も含めた流域の海まで含めた下水道の施策というのが進んでいるはずだと思いますけれども、その辺りについて状況を教えていただけたらと思います。

 以上です。

○岡田委員長 前段はコメントというかお願いですが、事務局で受け止めていただければいいと思いますが、後段のほうは御質問がございますので、どうぞよろしくお願いします。

○岩井下水道部課長補佐 国土交通省下水道部の岩井と申します。座って説明させていただきます。

 有明海・八代海等再生特別措置法ができまして、普及率は遅れておりましたけれども、全国に比べまして約2倍の伸びとなっていまして、下水道だけで普及率約63%というふうになっています。全国の下水道普及率が約78%ですので、全国に比べたら低いんですけれども、普及は進んでいるというようなところでございます。

 一方で、水循環という観点で先生おっしゃった話もありますけれども、個別の水循環だけではなくて、いろんな河川の水量だとか水質だとかの影響を考えて、流域別に計画をつくってございます。その中で関係自治体ですとか河川管理者とも協議しながらつくって、その辺は多少なりとも配慮されているのかなというふうに思います。

 さらに、下水道の再生水の利用という観点からも例えば佐賀市や熊本市でも農業利用などに使われておりまして、そういう取組も少しずつ進められているかなと思っています。数字は今手元に持っていませんが、各自治体にそういった取組事例なども紹介しながら普及が進むように取り組んでいきたいと思っています。

○岡田委員長 どうぞ。

○清野委員 今、そういうことで基礎的な政策の進捗状況というのを御報告いただいたと思うんですけれども、この事務局が瀬戸内海も含めてずっと環境省さんのほうで担当している中で、下水道事業と、それから、海域の水質という中で、やはりさまざまな経験だとか、あるいはもっと調査して行うべきところというのがあるはずなんですね。それで、今おっしゃったいろんな海域にどのような形で放流するかという考え方も確かに地域ごとにさまざまな価値観が多分あって、それをどのように技術政策として組み立てていくかというのは非常に難しいところだと思います。

 ただ、学会のそういう分野の関係の一般的な印象としては、瀬戸内海でいろいろ議論されている経験をもっと有明海で何か投入するなり、それを予防するなり、今の段階でもっと有明海の統合的な下水道政策ということと水環境政策の組み立てというのを現時点でしておくということが相当重要じゃないかなと思います。そうでないと、予算がついていることもあったり、さまざまな踏み込むタイプの事業というのが盛んに行われるために、なかなか足並みが全体としてそろいにくくなるという懸念もございますので、ぜひ有明海・八代海などにおいてもその部分、現在、水・環境分野とか物質循環で問題になっているところがホチキスどめではなくて、まとめるような形で御提示いただけるのを期待しております。

 以上です。

○岡田委員長 ありがとうございました。では、これは後で、小委員会等でまた整理して、御議論に生かしていただければと思います。

 ほかにございますでしょうか。

 どうぞ。

○古米委員 資料5-1で昨年3月にまとめられた報告を踏まえた再生方策実施状況を御説明いただいたんですけれども、この委員会としては、国及び県による調査・研究等の情報を集めてくると。一方で、大学や研究機関でも有明海を対象に実施してきている研究・調査結果もあると思います。今日は各省庁が行われてきた成果の話がありましたけれども、県のレベルでどういうことが行われているかとか、大学や研究機関で得られている成果もまとめていくというのが大事だと思います。そこら辺についてはどのような御準備というか、考え方や方針なんでしょうか。

○岡田委員長 これは事務局から、どうぞ。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 県の取組につきましては、引き続き意見交換等を行いまして情報収集等を行い、対策についての連携とかを深めていきたいと思っております。このほか大学とか調査・研究機関における研究につきましては、事務局として論文とか公表、発表されているものを中心に得られた知見として今情報収集を行っているというところでありまして、現在、どこでどんなのを今やっているかというところについては、まだそこまでは至っていないところです。とりあえず文献収集するところから始めていこうということで考えております。

○岡田委員長 よろしいですか。

 どうぞ。

○大嶋委員 すみません、初めて来て意見を少し述べさせていただきたいんですけれども、有明海の再生をしているんですが、実はもう過去から比べると、既に環境自体、水温等変わっています。これを再生といって、過去の環境に向かって再生をしても多分合わないのじゃないかと私は思います。例えばナルトビエイにしても水温上昇が原因だとされていますので、これ2年、5年、10年というスパンを考えたときには、過去に向かって戻しても多分戻らないのではないかと思うのです。

 ですから、そういう意味で、今後水温上昇とか降雨が増えるとか、そういうことまで考えた上で有明海再生の方向をやっぱり持っていかないと、過去に戻すということはある意味できないのじゃないかと思うんですね。報告書を見ると、ノリに関して気温上昇への対策は少し書いてあります。今後は魚類相や、水位や潮汐流の大きな変化を考えて、やはり5年、10年になったときにそこに持っていけるようなことを少し考えていただきたいなと思います。少しお考えを伺いたいのですけれども、よろしいですか。

○岡田委員長 では、事務局からどうぞ。

○山本閉鎖性海域対策室長 今、御指摘いただいた水温上昇ですとか、そういったところにつきましては、今後の検討の中で海域環境の変化ですとか、そういった中で分析をしながら、その中でそれぞれの有明海・八代海、また、個別の海域でどういった再生目標、また、再生方策をとっていけばいいのかというのをまた多角的に検討を開始いただくということになるかと思います。本日いただいた御意見も踏まえながら、また、小委員会でしっかりと議論を進めていきたいと考えてございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 ほかによろしい……どうぞ。

○山西委員 今の大嶋委員の御意見は、もうごもっともなことだなと思ってお聞きしました。今御回答いただきましたけれども、この参考資料2を見ていて、この2枚目のところに「順応的な方法を取り入れつつ」と書かれており、そういう意味で今の御回答は、そういう先に向けた将来的な展望を含めた、過去に戻らず順応的な方法で対応するんだというふうに私は理解していたんですが、そういう理解でよろしいでしょうか。

 それを踏まえた上で、佐賀の地元の人間としては、例えば国交省がそれこそ順応的な管理ということで、下水処理場からノリ漁場のためにいわゆる栄養塩を補給したりとかいうことが、今実際行われており、今まさに自分自身がその調査をしているので、そういうのをぜひこういう委員会のところでも御報告させていただければと思います。そのほか、例えばタイラギだとかアゲマキですね。アゲマキは地元ではお助け貝とか言われて、いわゆるノリ漁とかがないときの漁民の方々の小遣い稼ぎになったりとかしていました。平成元年ぐらいまでは漁獲高としてあったんですが、その後全くとれなくなっています。今日の御報告を見ると、その後の佐賀県有明水産振興センターの皆さんの継続的な御努力で再生したんだろうなと思います。ただ、福岡県側のほうにもまたそういうふうなことをされるというお話ですが、私の経験的なことを言わせていただくと、アゲマキの生息には例えば底質環境が非常に関わってくるので、もともといないようなところにまでされてもあまり意味がなかったりするので、そのほかの魅力的な再生も同様に、もともと生息しないような場にまで広げるようなこと、あるいは大嶋委員が言われたように将来的に温度が上がってくるとかいうのも踏まえた上でやられるようなことが効率のいいような気もしますし、地元の方にもそういうのがわかりやすいんじゃないかなというふうに思いました。

 ちょっと意見と質問になりました。

○岡田委員長 ありがとうございます。多分なんて言うと怒られるけれども、おっしゃるとおりだと思いますので、これはまた小委員会で詳細なデータに基づいて御議論を進めていただければというふうに思います。

 ほかにございますか。

 よろしければ、まだひょっとしたらあるかもしれませんが、関係省庁、それから、事務局におかれましては、本日いただいた御意見、それから、あとまた、お帰りになった後お気づきになったことがございましたら、ぜひ事務局に御意見をお寄せいただきたいと思います。そのような意見等を参考にして、引き続き再生に向けた取組と、それから、評価に必要なデータ等の提供をお願いしたいというふうに思います。

 事務局におかれましては、小委員会での作業分担に沿って作業が進められるよう、関係省、それから、関係県の取組状況等について引き続き情報収集を進めていただきますようお願いいたします。よろしいですか。

 次に、資料6がございます。事務局から御説明をお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、資料6-1をご覧ください。有明海及び八代海等の再生に関する基本方針の一部改正(案)に対する意見募集(パブリックコメント)ということで、この改正案についてパブリックコメントを実施してございますので、これについて御紹介をしたいと思います。

 その前に基本方針とは何かということがございますので、参考資料1の特措法のあらましに基づいて若干説明したいと思います。

 参考資料1のところで、水色の枠でくくったところでございますが、有明海・八代海の再生に関する基本方針第4条というふうにございまして、主務大臣が有明海の再生等に係る基本方針を策定するということになってございます。法律が平成14年に制定されまして、その翌年、平成15年に基本方針が出されました。平成23年に法律改正がありまして、その23年の翌年、平成24年に一度改正を行っております。今回、2回目の改正ということで準備を進めているところでございます。

 基本方針に基づきまして、第5条で関係県が県計画をつくるということになりまして、その地域において再生に関する計画を立てて、第6条で国や地方公共団体がその実施を行う際に支援するということになってございます。その一部の事業につきましては、左下のところにありますが、助成、支援とありますように、県計画に記載された事業のうち、例えば覆砂とかの漁港漁場整備事業につきましては、補助率の特例措置、そのほか補助事業の場合、補助事業の裏負担といいますか、県での負担が必要になってくるわけですが、その場合の地方債についての配慮や国として資金の確保に努めると、そういったような仕組になってございます。基本方針に基づきまして県計画が策定され、県計画に基づいていろいろな事業が行われているということでございます。

 それでは、資料6-1のほうに戻っていただければと思います。

 背景といたしまして、今般、評価委員会報告が取りまとめられまして、主務大臣等に提出されまして、その中で有明海及び八代海の再生に向けた再生方策が示されたことから、今般の報告の内容を反映して国や県での取組を総合的かつ計画的に推進させるため、所要の改正を行うということでございます。

 主な改正内容ですが、1番目としては、委員会報告で示された再生方策の具体的事例を記載するというもので、5つの事例がありますけれども、こういったものを記載してはどうかというものです。そのほか、前回、平成24年に改正しておりますので、それ以降の施策の進捗による記載内容の変更等を行ってございます。

 それでは、資料6-2をご覧ください。

 改正案で新旧対照表になっており、これを若干御説明したいと思います。

 基本方針ですが、先ほど申し上げましたように県計画を策定するための基本になる国の指針ということでございまして、構成として、1番目では基本的な指針、2番目として県計画の策定に関する基本的な事項を定めることとされております。

 17ページをご覧ください。

 2として県計画の策定に関する基本的な事項というのがございます。新旧対照表になっておりまして、下のほうが改正前、上のほうが改正後というふうになっております。上のほうで説明を行いたいと思います。

 県計画の策定に関する基本的な事項として、1番として海域の環境の保全及び改善並びに水産資源の回復等による漁業の振興のための事項が示されており、イとして水質等の保全に関する事項、ロとして干潟等の浄化機能の維持及び向上に関する事項。おめくりいただきまして、18ページ、チのところが有害動植物の駆除に関する事項。ここまで8項目、そのほかにリとしてその他があります。2番目としまして、1の事項に関する事業の実施に関する事項が示されており、イロハニホと5つ具体的な事業名を県計画には記載することとなっております。このほか、3番目といたしまして調査・研究に関する事項についても記載することになっています。基本方針の本体の記載といたしましては、17ページにありますイロハニホヘトチ、プラス調査・研究に関する事項、その他というような構成で具体的に記載されてございます。

 それでは、1ページに戻っていただきますが、まず、基本的な指針ということで、1番目に趣旨が記載されております。2番目として目的、ここでイとロの2つ記載ございますが、この項目は法律条項から引いているところでございまして、評価委員会報告での全体海域における目標とほぼ整合しているような形になっております。

 2ページ目の3、有明海及び八代海の再生のための施策でございますが、傍線をつけてございますが、有明海・八代海等総合調査評価委員会の平成29年3月の委員会報告も参考にするとともに、関係者の連携や合意形成を図り、順応的に取り組むことに留意しながら、次の再生のための方策に取り組むということになってございます。ここからイロハニと項目立てられていますが、この項目が先ほど17ページ、18ページで御説明しました8項目と調査・研究、その他の10項目に対応しているような書きぶりになってございます。

 それでは、3ページのところをご覧ください。

 これは下水道の関係でございますけれども、高度処理施設の設置、合流式下水道の緊急改善計画というのが改正前に記載されていましたが、施策の進捗等による記載の内容の変更として修正等を行っております。

 このほか、5項目で示しました追加事例につきましては、例えば4ページに、海底ごみに関する件、おめくりいただきまして、6ページのところでは藻場・干潟の分布状況の把握、9ページではカキ礁の再生、9ページの左では種苗生産・量産化・育成等、10ページでは広域的な母貝集団ネットワークの形成、13ページでは、環境と水産資源との関係に関する調査・研究、その他の海域の環境に関する調査・研究として、評価委員会で示されました調査・研究開発の課題に関する内容を記載してございます。

 今後の予定ですが、パブリックコメントは3月16日金曜日必着で受け付けておりまして、その後、主務省で意見対応を行いまして、基本方針の改正案をかためまして、特措法に基づく手続を経まして主務省の6大臣名で告示として官報掲載することとしております。

 資料6については以上でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 ただいま事務局から基本方針の一部改正案に対する意見募集ということで御説明がありました。本改正につきましては、昨年3月の委員会報告を受けて行うものということになっております。そういう意味におきまして、本委員会でさらに新たな意見をいただくというものではございません。ただ、特に何か御質問等がございましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。

○清野委員 新たな基本方針については、かなり具体的な内容を書き込んでいただきまして、随分よくなってきていると思いますので、御尽力ありがとうございました。

 それで、ちょっと参考資料1に関しての御説明で、この県計画の実施に関するところで教えていただけたらと思います。県計画はそれぞれの県がつくって、それで、主務大臣と協議してということなんですけれども、県同士の協議だとか、そういう枠組みというのはどういう形になるのかお教えいただければと思います。例えば瀬戸内海とかだと県知事の会議とかがあって、瀬戸内海全体の知事が集まって、その話をする場などがあると思いますが、現状だと多分個別の分野については各県横断的に同じ分野の中で議論することもあるかと思うんですけれども、統合的な対策が必要となる中で、有明海のその辺り調整だとか協議の枠組みとか体制について教えていただけたらと思います。

○岡田委員長 では、事務局お願いします。

○山本閉鎖性海域対策室長 参考資料1に促進協議会という黄色の色がついたものがございますが、これが法律上、関係県、関係省庁が集まって、今、清野委員がおっしゃられたような各種調整、また、連携を図っていく場になってございます。瀬戸内海の例もお話をいただいてございますが、有明海・八代海等につきましては、法律上こういった促進協議会というものが法定上位置づけられて、よりしっかりと制度上そういった調整、連携をとる体制ができてございます。

 また、こういった促進協議会という公式的な法律に基づいて開催される協議会以外にも、関係県で各種調査の実施状況を共有したり、また、どういった事業を行っているのかといったことも共有しながら、関係県、国で連携して施策を進めるという体制で進めさせていただいておるところでございます。

○清野委員 すみません。その場合、調査的な結果というのは、この委員会に御報告をいただいたりということで進んでいると思うんですけれども、例えばいろんな水質だとか土砂の管理とか、一つ一つの事業のやり方の調整というところは、なかなか研究側に見えにくいところがあるんですけれども、その辺りについては今後、行政なり実務上の協議の場と、実際にデータをとったり解析したりする場のより接近したやり方というのはあり得るんでしょうか。別にこの有明海に限らないとは思いますけれども。

○山本閉鎖性海域対策室長 先ほど山本委員からもいろんな調査データをとるときのコメントもございましたが、こういった評価委員会で御議論いただいたり、また、検討いただくに当たりまして必要な調査、また、事業の実施状況等については、事務局として最大限収集をして、必要な御検討、また、御意見をいただけるような、そういった進め方を今後してまいりたいと思います。またいろいろ御意見いただく中で、できる改善はしっかり図っていきたいと思ってございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 ほかによろしいですか。

 それでは、関係省におかれましては、ただいまの基本方針を改正した上で再生対策等を行っていただきますようお願いいたします。また、今まで本日幾つかたくさんの御意見をいただきまして、ありがとうございます。その取り扱い等につきましては、今後事務局で検討いただきますようお願いいたします。

 それでは、最後の議題、その他になりますが、事務局から何かございますでしょうか。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 特にございません。

○岡田委員長 本日の委員会全体を通しまして、何か委員の先生方から御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、本日予定されておりました議事については全て終了いたしました。議事進行への御協力に深く感謝いたします。

 進行を事務局にお返しいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、事務局から2点連絡がございます。

 後日、事務局より議事録の確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、環境省ホームページで公表させていただきます。

 次に、次回の評価委員会についてですが、平成30年度中の開催を予定しております。また、小委員会につきましては、平成30年度前半の開催を予定しております。評価委員会の開催日につきましては、委員長とも相談の上、日程調整等をさせていただきますので、その際はよろしくお願いいたします。

 それでは、これにて第42回有明海・八代海等総合調査評価委員会を閉会いたします。ありがとうございました。

14時45分 閉会

ページ先頭へ