第22回環境省独立行政法人評価委員会 国立環境研究所部会会議録

日時

平成23年1月27日(木)10:01~11:58

場所

経済産業省別館8階825号会議室

議題

(1)
第3期中期目標について
(2)
その他

配付資料

資料1 独立行政法人国立環境研究所中期目標(素案)
資料2 独立行政法人国立環境研究所の第3期中期目標素案と現行中期目標との対比表
資料3 第2期の総括及び今後の課題
資料4 今後の予定(国立環境研究所部会)
参考資料1 独立行政法人国立環境研究所中期計画(平成18年度~平成22年度)
参考資料2 中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・業務全般の見直しについての当初案
参考資料3 独立行政法人国立環境研究所の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について
参考資料4 「独立行政法人国立環境研究所の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」における指摘事項を踏まえた見直し
参考資料5 国立環境研究所の第3期中期目標・中期計画策定までのスケジュール

出席者

委員 高月紘部会長、磯部 力委員、熊谷洋一委員
小池勲夫委員、佐和隆光委員、髙木勇三委員
西間三馨委員、松尾友矩委員、三橋規宏委員
環境省 大臣官房 加藤審議官
総合環境政策局 白石局長
総合環境政策局 長坂環境研究技術室長
国立環境研究所 大垣理事長
安岡理事
鏑木理事
齊藤企画部長
笠井総務部長

議事

【長坂環境研究技術室長】 皆様おはようございます。定刻を過ぎましたので、まだちょっと来られていない先生がいらっしゃいますが、これより環境省独立行政法人評価委員会第22回の国立環境研究部会を開催いたしたいと思います。
 本日は委員10名のうち9名の先生がご出席の予定でございまして、まだちょっとおくれていらっしゃる先生もございますが、現時点で7名のご出席をいただいておりますので、環境省独立行政法人委員会令第6条第1項の規定によりまして、定足数を満たしておりますことをご報告申し上げます。
 また、本日の会議は、公開で開催させていただいておりますことを申し添えます。
 すみません、ちょっと座って進行させていただきます。
 それでは、配付資料の確認を最初にさせていただきたいと思います。一番上に議事次第がございますが、議事次第にあるのを参考にしていただきまして、資料の1、それから横とじの資料2、そして資料3、資料4。そして参考資料1、参考資料の横とじの2、それから参考資料3、そして参考資料4、最後に1枚紙の参考資料5、そして席上には参考資料として関連法規をご用意させていただいております。資料の不足等ございませんでしょうか。
 それでは、次に本日ご出席の委員の方々をご紹介させていただきたいと思います。席の順番にご紹介させていただきます。
 まず一番初めの磯部委員でございます。
 それから、熊谷委員でございます。
 小池委員でございます。
 高月部会長でございます。
 西間委員でございます。
 松尾委員でございます。
 三橋委員でございます。
 続きまして、国立環境研究所の出席者をご紹介させていただきます。
 大垣理事長でございます。
 安岡理事でございます。
 鏑木理事でございます。
 齊藤企画部長でございます。
 笠井総務部長でございます。
 最後に、環境省側の出席者をご紹介させていただきます。
 白石総合環境政策局長でございます。
 加藤審議官でございます。
 あと、私司会をさせていただいております、総合環境政策部の環境研究技術室長の長坂と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、これ以降の議事進行につきましては、高月部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【高月部会長】 それでは改めまして、おはようございます。よろしくお願いいたします。
 今回は、第3期の中期目標に関しまして議論をお願いしたいというふうに思っております。
 早速ですが、第3期中期目標について事務局から説明をいただき、後ほど皆さん方からご意見を賜りたいと思います。
 事務局からご説明をお願いしたいと思います。

【長坂環境研究技術室長】 それでは、お手元にございます資料の1から3を使いましてご説明をしたいと思います。
 ちょっと順番は前後いたしますが、最初に資料の3をご覧いただきたいと思います。
 資料3、こちらは国立環境所の第2期中期目標計画期間におきます総括及び今後の課題をまとめさせていただいたものでございます。
 この内容でございますが、1.といたしまして、環境研究の推進についてという内容につきましては、成果といたしまして、[1]第2期において集中的に取り組んだ4つの重点研究プログラムをはじめ、基盤的調査・研究等を含めて、計画どおり研究が進展し、その内容についても高い評価を得ているということ。2番目としまして、国の研究機関として環境の観測・解析、環境試料の保存・提供の事業が進められたということ。3番目として、査読付論文数、口頭発表数についても、第1期を上回る状態となっている。四つ目として、環境政策への貢献につきましても、研究成果等の提供、審議会等への参画を通じ、環境政策の立案・運用に貢献してきていると。このような成果があったという認識でございます。
 今後の課題でございますが、1番目に挙げてございますのが、常勤研究者の人件費枠が削減されるという中で、多くの契約職員でカバーしている実態から、長期的には研究力の低下も懸念されるという課題がございます。別添参照となってございますが、2枚目にとじておりますグラフをご覧いただきますと、現状では、常勤職員を契約職員数が上回っているということがわかるかと思います。
 戻りまして、今後の課題の二つ目でございますが、環境研究・技術開発の推進戦略について、こちらは平成22年6月の中央環境審議会の答申でございますが、こちらにおいて脱温暖化社会など4つの社会像の構築への貢献とともに、全領域共通課題や領域横断的課題への取組が求められていると、国立環境研究所にもこういったことが求められているということがございます。
 そして、三つ目と四つ目が同様な内容になっておりますが、第2期の重点研究プログラムと基盤的調査・研究を担う組織を分離した体制としたことによりまして、デメリットも生じているという認識がございまして、環境研究を体系的に推進するためのより効果的な体制が必要となっていると。具体的には、より長期の俯瞰的視点を持つ、機動性のある柔軟な研究組織、さらには社会に対してもわかりやすい組織に向けた見直しを行う必要があるという認識をしてございます。
 これについての、この同じ資料の3枚目をちょっと簡単にご覧いただければと思います。組織体制(研究ユニット)の変遷ということで、第1期→第2期→3期という変遷を図表であらわしてございます。同じ資料の3枚目になります。これで第1期の中期計画におきましては、上の箱、重点特別研究プロジェクトというものがございまして、下に研究領域という箱がございます。この2つのものがマトリックスのようになって研究者が配属されるという、マトリクス型組織ということで第1期は実施したと。
 そして、第2期におきましては集中と選択がうたわれていた時期だということでございまして、この重点研究プログラムにつきましては四つに集約をされまして、さらにその下に基盤的な調査・研究活動という箱の組織が存在したと、このような構造になってございました。
 第3期におきましては、先ほどご説明した認識に基づきまして、基礎研究から課題対応型までを一体的に推進するという考えで、この八つの研究センターに、組織としては一つの箱という形にしてはどうかということで、本日の第3期中期目標が今回考えられております。
 最初の1枚目に戻りまして、1枚目の今後の課題、[3][4]の部分の関連でございました。
 今後の課題の[5]のところでございますが、環境政策の貢献というところにつきましては、さらなる充実が期待されておりますが、審議会等への参画人数のみならず、研究成果が政策にどのように活かされているかを把握し評価する方法を検討する必要性が指摘されております。こちらについては、昨年末にご審議いただいています総務省の勧告の方向性の中でも指摘されている内容でございます。
 それから2番目、環境研究の中核的研究機関としての機能についてでございますが、成果といたしましては、中核的研究機関として相応の役割を果たしたという認識でございます。
 今後の課題といたしましては、総務省からの勧告の方向性にもあるように、環境研究の中核的研究機関として、国内外の他機関とのさらなる連携・協力が図れるよう、組織としての戦略的な強化が求められているということでございます。
 2ページ目にまいりまして、3番、環境情報や研究成果の発信と社会貢献についてでございますが、成果といたしましては、インターネットを通じたわかりやすく正確な環境情報の提供に努め、利用が増加してきているということ。そして、研究成果をわかりやすく普及する「環境儀」という冊子、それから公開シンポジウム、施設公開などのアウトリーチ活動に関しても一定の評価が得られていると認識しております。
 今後の課題といたしまして、環境情報の提供についてもその充実を図る必要がございますし、アウトリーチ活動につきましても、国民にわかりやすく発信し理解を得ていくための取組を充実する必要があるという認識でございます。
 4番目、研究所の運営についてでございますが、成果といたしましては、業務の効率化をしっかりと図ったということ。外部競争的資金の獲得額につきましては、第1期を若干下回りましたが、一人当たりの額としては他機関と比較しても依然として高い水準になるというふうに認識してございます。
 今後の課題といたしましては、1番目、引き続き、自己収入の確保、契約の点検・見直し等の取組というのが求められているということ。
 そして2番目は、一度ご説明したものの再掲でございますが、多くの契約職員でカバーをしているという実態から、長期的に研究力の低下というのが懸念されるということ。
 3番目と4番目が施設整備関係でございますが、研究インフラの陳腐化・老朽化が進む一方、維持管理や更新のための予算確保が困難になっていると。例えばCO2の25%削減ということを考えますと、現在国環研は熱源の中央供給方式をとっておりますが、非効率な部分が多いものでございますので、これを分散供給方式というものに変えていく必要性が感じられますが、これに対して予算がついてこないという実態があるということを今後の課題として上げております。
 そして、またそんな中でも、[5]番として、研究者が能力を最大限に発揮できる研究環境の質を確保していくという必要性は感じられます。
 そして6番目、これは第2期中ですが、自然公園法違反や倫理規定違反等の事案が発生してございます。このため、コンプライアンスの強化のための体制整備を含めまして、内部統制の確保に一層努める必要があると。
 運営については、このような今後の課題があるという認識をしてございます。
 以上のような認識のもとに、第3期の中期目標の素案を作成してございまして、そちらが資料1になります。そして資料2は、第2期との対比表となってございまして、資料1の1ページ目に、便宜的に目次をつけさせていただいております。最終版には目次という形は多分つかないと思いますが、全体の構成を見るためにご参考に見ていただければと思います。
 第1が目標の期間、そして第2が国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、第3が業務運営の効率化に関する事項、第4、財務内容の改善に関する事項、第5、その他業務運営に関する事項と、この構造自体は第2期の中期目標と全く同じ構造になっております。
 では、中期目標(素案)の内容につきましては、資料2の現行中期計画、第2期との対比表を用いまして、適宜対比をしながらご説明をさせていただきたいと思います。
 資料2ですが、左側が現行の中期目標、第2期の中期目標でございます。右側が第3期中期目標の素案の内容でございます。
 右側を中心にご説明させていただきます。まず第3期の素案の前文でございますが、現行のものよりも大分簡素化させて書かせていただいておりますが、その真ん中あたりに、推進戦略のことについて記述をさせていただいております。平成22年6月の中央環境審議会において、環境研究・環境技術開発の推進戦略についてがまとめられ、脱温暖化社会、循環型社会、自然共生型社会、及び安全が確保される社会のいずれにも共通な領域、横断的領域、社会実装のための研究推進が重要とされました。第3期中期目標期間においては、推進戦略を踏まえまして、国家や社会への貢献が急がれる課題や、環境科学技術面から取組が急がれる課題にこれまで以上の対応が求められると、こういう認識のもとに中期目標を書いてございます。
 2ページ目にまいりまして、第1、目標の期間につきましては、第2期の後の5年間、平成23年度から27年度までの5年間といたします。
 第2、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項でございます。これも第1段落目の中ごろ以降に記述してございますが、第3期中期目標においては、我が国の環境研究の中核的機関として、さらにはアジア等の国際的な中核的機関を目指しつつ、持続可能な社会の構築に向けて、環境政策への貢献や技術・システムの社会実装につながる課題対応型研究、分野横断型研究を重視しつつ、長期的展望に立った学際的かつ総合的で質の高い環境研究を推進すると、こういう精神で前文を書かせていただいております。
 3ページ以降に、具体的な研究内容・体制についての記述を書かせていただいております。
 1.環境研究に関する業務の(1)環境研究の戦略的な推進でございまして、方向性としてここに書かせていただいております。
 [1]は、環境研究の体系的推進ということで、環境研究の中核的研究機関として、新たな環境研究の体系をその柱となる研究分野で構成し、基礎研究から課題対応型研究まで一体的に、分野間連携を図りつつ推進をする。またあわせて、環境研究の基盤整備を行うという、体系的な推進ということ。
 それから2番目が、課題対応型研究というものもその中で推進していくということで、政策貢献を担う研究機関として、環境基本計画、科学技術基本計画、推進戦略等を踏まえまして、特に社会や政策への貢献が急がれる課題や、環境科学技術面から取組の急がれる課題等に対応するために、課題対応型の研究プログラムというものを推進するとしております。
 [3]が、中核的研究機関としての連携機能の強化ということでございます。戦略的に推進するための体制を整備いたしまして、その中核的研究機関としての機能をさらに強化していただきたいと。国内におきましては、他の研究機関等との共同研究等を通じまして、環境研究全体の一層のレベルアップを図る。
 そして次のページになりますが、海外におきましても連携を推進するということで、特にアジア地域において、国環研が中心となった戦略的な研究展開を図るという方向性を示してございます。
 それから[4]、環境政策立案等への貢献でございます。これについては、更なる取組の強化を行うということで、環境政策の展開に合わせて研究成果を積極的に提供、発信するとともに、関係審議会等への参画を通じて幅広く貢献をする。そして、政策貢献に関する評価の仕組みを構築するということ。さらには、環境状況等に関する情報、環境研究・環境技術に関する情報のみならず、環境政策でありますとか環境法令などの情報を収集・整理して、様々な利用に対応できるデータとしての提供を行っていく。そして、環境政策立案という意味での当面の目標といたしまして、地球温暖化対策に関する計画の策定に資する地球環境モニタリング等のデータの提供、それから「子どもの健康と環境に関する全国調査」、いわゆるエコチル調査や温室効果ガスインベントリの作成等の政策支援を的確に実施をしていくということが当面の目標として書いてございます。
 そして、[5]として、研究環境の質の向上という内容。
 以上が、環境研究の戦略的推進という方向性を書いた内容でございます。
 (2)といたしまして、研究の実施方法ということで、もう少し具体的な内容を書かせていただいております。
 一つ目は、環境研究を体系的に推進するという[1]の内容。
 [2]の内容として、重要な環境研究課題に対応するための研究プログラム、課題対応型研究プログラムを推進するということ。
 [3]が、環境研究の基盤整備を行うということです。
 [1]環境研究の柱となる研究分野でありますが、八つの研究分野を以下のとおりに設定すると。これらを担う研究センターを設置し、基礎研究から課題対応型研究まで一体的に、分野間連携を図りつつ実施をするということで、以降八つの分野、まず、アが地球環境研究分野、イ.資源循環・廃棄物研究分野、ウ.環境リスク研究分野、エ.地域環境研究分野、オ.生物・生態系環境研究分野、カ.環境健康研究分野、キ.社会環境システム研究分野、ク.環境計測研究分野、以上の八つの分野を研究センターとしてつくるということになります。
 [2]が課題対応型の研究プログラム、7ページになります。緊急かつ重点的な対応が求められている研究課題と、それ以外の特に研究資源を集約して取り組むべき研究課題につきまして次の10の研究プログラムとするとしております。
 まず重点研究プログラムですが、アが地球温暖化研究プログラム、イが循環型社会研究プログラム、ウが化学物質管理イノベーション研究プログラム、エが東アジア広域環境研究プログラム、オが生物多様性研究プログラム、以上が重点プログラムです。
 さらに5つの先導研究プログラムといたしまして、カの流域圏生態系研究プログラム、キの環境都市システム研究プログラム、クの小児・次世代環境保健研究プログラム、ケ.持続可能社会転換方策研究プログラム、コ.先端環境計測研究プログラム、以上の10の研究プログラムを設定することといたしております。
 そして、[3]環境研究の基盤整備ということで、地球環境モニタリング等の環境観測・解析、そして環境試料の保存・提供、各種データベース等の研究基盤を整備するということとともに、今期から本格的に動き出しますエコチル調査について、コアセンターの調査の総括的な管理・運営を行っていっていただきます。
 そして、中核的研究機関として国内外の環境分野の研究機関と連携して研究を推進する基盤を強化していっていただきたいと。特にアジア地域をはじめとした国際的な連携について強化が必要かと考えております。
 (3)研究成果の評価でございますが、次のページにまいりまして、この内容につきましては、第2期とほとんど同じ内容でございます。ちょっと書き方の形式を変えてございますが、内容はほとんど一緒でございまして、一番最後のところに一つつけ加えた内容がございます。また、海外から適切な専門家を招聘し、国際的にも高い水準で研究が実施されるよう研究の質の確保に必要な助言を得ることとするという部分、一番最後の部分でございます。
 以上が、第2-1、環境研究に関する業務の内容でございました。
 次に、第2-2の環境情報の収集、整理及び提供に関する業務でございます。前書きといたしまして、インターネットの利用、それから双方向コミュニケーションの充実というのに留意するということを書かせていただいておりまして、そこで一応目標として、10ページの下、第2では、第2期の目標として、関連ホームページの利用件数というのを挙げさせていただいておりましたが、このページビューの数字が必ずしもその指標として適正かという部分はございましたので、今回第3期目標の目標としては、5年間で新たに10,000件の情報源情報を収集・整理して、提供するということを目指すという記述を入れております。
 そして提供する情報の内容といたしましては、(1)環境の状況に関する情報、そして次のページにまいりまして、(2)の環境研究・環境技術等に関する情報提供としております。(2)の後段に、第2期では特に記述しておりませんでしたが、環境政策・環境法令に関する情報その他情報を収集・整理し、提供するという内容を書いてございます。
 3番目、研究成果の積極的な発信と社会貢献の推進でございます。
 (1)研究成果の提供等につきましては、インターネット等を通じて積極的な発信に努め、分かりやすく、かつ正確な発信に努めるということが必要と考えます。その1段落目の後段に書いてございますが、特に、政策貢献型の研究機関として国環研が果たしている役割や、研究成果と環境政策との関連性等の情報発信について強化をするというところを、つけ加えている内容になります。
 広報活動につきましては、より効果的なものとなるように努めるということで、具体的な内容といたしましては、[1]が発表論文・誌上発表及び口頭発表の推進、それから[2]マスメディアを通じた研究成果等の普及、[3]インターネット等を通じた研究成果等の普及ということが具体的な内容となります。
 (2)番、研究成果の活用促進でございますが、こちらの内容は、メーンの部分は第2期と同じでございますが、知的財産に関して記述を少し変更してございまして、知的財産については、財務の効率化及び権利化後の実施の可能性を重視して、研究所が保有する特許権等を精選し活用を図るという内容に記述を変えてございます。これは総務省の勧告の方向性に対応した記述となっております。
 (3)の社会貢献活動の推進でございますが、こちらの内容についても、基本的には第2期のものと同じように、積極的に推進するという内容でございますが、一番下の部分になお書きで、見学対応においては、展示内容や展示方法を工夫しつつ、わかり易く興味を持てる説明に努めるということで、こちらは、国環研という場所に人がたくさん来てもらえる場所にしていただきたいと、そういう意図でつけ加えた内容でございます。
 次の13ページの第3に入る前に、第2期の左上に、環境政策立案への貢献という項目がございまして、第3期にはここを対応するものがなく、空欄のように見えますが、この内容は重要な内容といたしまして、1.の(1)の戦略的な推進に移行してございますので、ここでは記述がなくなっているということでございます。
 そして第3、業務運営の効率化に関する事項でありますが、1.研究所の運営・支援体制の整備につきましては、(1)といたしまして、こちらについてはもう第2期とがらっと変えた内容になってございまして、(1)は、環境情報の収集・整理・提供を担う組織と、管理部門等を統合するということ。
 そして(2)国内外の関係機関との連携強化のための体制を整備するということ。
 そして(3)コンプライアンス徹底のための体制を整備するということが強化方針として書かれているということになろうかと思います。
 なお書きですが、体制についてはということで、これは体制全般に言えることと考えておりますが、理事長の指揮のもと、絶えず検討し、必要に応じ見直しを行い、独立行政法人として効率的で自立した運営が可能な組織とするということ。柔軟な組織運営をするという精神的なものが書いてございます。
 2.人材の効率的な活用でございますが、(1)の後段に少しつけ加えた内容がございまして、また、研究開発力強化法に基づく人材活用方針を積極的に運用するとともに、適宜内容の充実を図るとございまして、この研究開発力強化法の内容というものに、例えば若手の活用でありますとか、女性の活用と、こういった内容が入ってございます。
 次の14ページにまいります。3.の財務の効率化でございますが、(1)番としましては、今後業務の増大が想定される部分がございますが、この業務の増大が業務費や一般管理費の増大につながらないようにするため、これまで以上の効率的な業務運営を行うということ。そして、平成18年7月7日閣議決定のこの基本方針2006に基づきまして、人件費改革の取組を平成23年度まで継続をする。(2)番として、業務の支障のない範囲でということですが、提供して自己収入を得るということを行って、円滑な財務運営の確保に努める。(3)契約につきましては、原則として一般競争入札によるものとするという、この大きく3つを財務の効率化の内容とさせていただいております。
 4番目、効率的な施設運用。(1)といたしまして、保有資産の保有の必要性について、継続的に自主的な見直しを行いまして、必要のないものにつきましては、支障のない限り、速やかに国への返納等を行うということを書いております。こちらの内容は、総務省の勧告の方向性で指摘された内容でもございます。
 次に15ページにまいりまして、5.の情報技術等を活用した業務の効率化でございます。こちらも内容的には第2期とすごく変わったという内容はございませんが、(3)番として、情報セキュリティ対策を進めるという内容をつけ加えたような形になっております。
 6番、業務における環境配慮等でございますが、こちらにつきましては、積極的に取り組むということで、内容としては第2期と同様な内容になっております。
 そして7番目、内部統制の推進ということで、第2期のときは業務運営の進行管理というタイトルになっておりましたが、これはより強化をする内容として、内部統制の推進というタイトルに変えてございます。(1)研究の実施に当たっては、毎年度の研究計画の妥当性の精査をしていくということ。
 次のページに行きまして、(2)業務運営につきまして、自己点検を行い、業務運営の改善を促進していくということ。(3)が、理事会に加えまして、ユニット長会議や研究評価委員会を定期的に開催して、適切な進行管理をしていくということ。(4)社会的信頼に応える良質な業務運営管理の確保をするために、コンプライアンス、特にコンプライアンス委員会におきまして、その体制の強化や取組状況のフォローアップを行うということ。こちらは総務省の勧告の方向性の指摘にもいただいた部分でございますが、この内部統制の強化の部分については、記述が大分強化されていると考えております。
 最後に、8番目の安全衛生管理の充実につきまして、こちらについて追加させていただいております。
 そして第4、財務内容の改善に関する事項でございます。こちらの記述も、内容的には第2期とほぼ同様でございます。交付金の効率的・効果的な使用に努めるとともに、自己収入につきましても、引き続き、確保に努めると。特に、競争的な外部資金につきましては、もちろん確保は、第3期中期期間は第2期中期程度を確保するということで、その際に、国環研のミッションに照らして、申請内容や当該資金の妥当性について審査・確認をした上で確保するという内容でございます。
 最後になりますが、17ページ、第5、その他業務運営に関する事項でございます。1番の施設・設備の整備に関する計画と2の人事に関する計画、ともに内容としては第2期と一緒でございます。ただ、第2期につきましては、ちょうど非公務員型の独立法人に移行した時期でございますので、そういった記述がありましたが、第3期についてはその記述は削除してございます。
 少し長くなりましたが、以上、第3期中期目標計画の素案につきましてご説明をさせていただきました。ご審議よろしくお願いいたします。

【高月部会長】 ご苦労さまでした。少し長くなりましたけれども、最初にこれまでの成果を含めた総括をしていただき、また課題も抽出していただいて、それから、それに基づいて第3期の目標についての説明をいただきました。
 それでは、ここから委員の先生方から忌憚のない意見を賜りたいと思いますので、特にどこからということでもなくて結構ですので、ご自由にご発言いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【小池委員】 2期から3期に変わったときに、研究組織として八つの研究センターをつくって、それで10の研究プログラムをつくるという構成になっておりますけれども。今まで1期・2期・3期で、先ほどの課題のところで、2期のやり方で多少デメリットもあったというふうに書かれていますけれども、その一体デメリットはどういうデメリットで、もう一遍これを見直して、7研究センタープラス10プログラムというふうに変えたのか、それのご説明をしていただければありがたいんですけれども。

【大垣国環研理事長】 それでは私から、もしもこの目標が決定された場合には、こういう形で対応したいということでございますが、ご説明申し上げます。
 第2期の中期計画は、科学技術基本計画等の方針を受けて、重点化ということが行われて、組織的にも、実は重点研究プログラムと称する地球環境研究をするためのセンターをつくる。プログラムが先にあって、センターをつくる。その重点化は四つだけに関してつくりまして、あとの長期的な環境研究に関する部分は、そこの下の絵ですけれども、研究領域というような形で表現をしている。二層の構造になっていたわけであります。
 ところが、その運営をいたしますと、予算・人員等が重点化にやや偏りまして、柔軟性がなくなってきているという感じが5年間あったかと思います。それなりの成果をもちろん出したわけでありますけれども、長期的な視点から見ますと、基本的な環境科学の領域をより社会政策、社会的な環境政策と結びつけるような形で打ち出していかないと、国立の研究機関としての機能を果たせないのではないかと考えまして、今度は、環境科学に関する長期的な研究分野というのをまず設定して、そこの八つをつくって、そこで人材養成、それから基礎から応用までの全体をつくり上げるということを考えたわけであります。個別のプログラムは、やや中短期的な、特に中期計画の5年間で集中して行うべきテーマを選んで推進してはどうかというのが、このアイデアでございます。

【小池委員】 そうすると、昔の1期に戻ったような印象があるんですけれども、もともと環境研は基本的な環境科学の研究分野というものがあって、そこからそのプロジェクトをつくって執行していくという形をやられていたと思うんですね。2期もそういうご説明だったと思うんですね。本籍はそれぞれの領域にあって、それからそこへ出ていってやっていると。今度はずっと本籍にいて、そこでプログラムをやるというふうに変えましたという理解でよろしいんですか。

【大垣国環研理事長】 簡単に言いますと、そうなります。出向といいますか、出ていくという形は、若手の人材養成等のことを考えますと、現在の状況の中では、余り好ましい体制ではないのではないかという反省に基づいているというふうにも言えるかと思います。そのマトリックス構造というものの、人の養成、あるいは長期的な環境研究に関する責任体系等に関しまして、やや、何というんですか、無責任じゃないですが、中短期的なプログラム志向に流されてしまうという心配があって、この長期的な体制をつくって、その中で人材養成とともに研究を推進するという形をとれないかというのが、今回のアイデアであります。

【小池委員】 いわゆる課題中心型と基礎的なものというと、こういう形で、もう一つ、何カ所かで強調されている、いわゆる分野を超えたとか学際的なという話が、こういうふうに非常にきれいにしてしまうと、どうなるのかなと。その両立はなかなか難しいんですけれども、これはまたもとの形に戻ってしまったような印象を受けるんですけれども、そこはどうでしょうか。

【大垣国環研理事長】 実は、この重点先導プログラムの説明がここでは簡単になっておりますので、もう少し内容を申し上げますと、この八つのセンターは、このプログラムは、中短期の目標に合わせて横断的に人材を導入しますし、予算も出すという形でプログラムは組まれております。各センターにそれぞれプログラムが1個ずつついているというような姿ではありません。物によってはそういう部分もありますけれども、テーマによっては横断的ということでございます。

【高月部会長】 ありがとうございました。

【三橋委員】 これからの新しい中期計画で、アジアを重視してやっていくということは、よく理解できるわけですが、アジアの同様の分野を担当している研究機関で、水準の高い研究所がどのくらいありますか。欧米だと結構特色のある有名な研究所がありますね。ドイツのブッパタールなんかもそうだし、アメリカでも多いですね。国立環境研に匹敵する、あるいはそれと背を並べる、あるいは追い抜いていくような、研究所があれば教えてください。
 そういう研究所と国環研とが共通の研究テーマで協力したり、人材養成などで人事交流ができればすばらしいですね。
 それともう一つ、ちょっと気になっていましたが、例の子どもの健康と環境に関する全国調査、これは結構な予算を取っています。同じような調査をを厚生労働省などでやっていると重複してしまうのではないかと思いますが、いかがでしょうか。国環研が子どもの健康と環境に関する全国調査を一手に引き受けて実施するなら、その特徴をはっきり打ち出す必要があるのではないでしょうか。
 3番目は、予算削減の中で、常勤の研究者が減少してきていて、研究の質が低下するという心配はありませんか。常勤研究者の減少に対してどのような対策を考えていますか。以上の3点についてお尋ねします。

【長坂環境研究技術室長】 最初に2番目と3番目を答えさせていただきまして、1番目は後ほど国環研からお願いしたいと思います。
 いわゆるエコチル調査でございますが、対比表でいいますと、9ページに環境研究の基盤整備のところに記述がございまして、エコチル調査については、環境省の基本計画に基づくコアセンターの調査の総括的な管理・運営を行うと、こういう記述になっているんですが、まずこのエコチル調査自体は、ほかの役所はやっていないですね。全国的に、あるいは世界的に見ても初めてとは言わないですけれども、これだけ大きな規模で、妊婦さんと生まれてくる子どもたちのデータを収集するという事業自体が極めて特殊で、初めての事業だということで、この事業自体は環境省の事業だと位置づけられてございます。
 これにつきまして、ここに書いてあるとおり、環境省の基本計画に基づくとありますが、国環研の役割は、いろんな病院が集めてくるデータを集積して、さらにそれをいろいろ活用するセンターになると、そういった役割を環境省がお願いをしてやっていただくというものでございまして。重複ということはございませんで、ただ、このエコチル調査の基本的なデータを利用して、さまざまな研究がさらに環境省でも厚生労働省でも行われると、こういう位置づけになっております。
 それから、人件費削減に伴います研究の質の低下に対して、どう対応していくのかということについては、残念ながら、この中期目標計画には特に書き入れられてございませんが、結局経費の問題でございまして、これは具体的に言えば、多分交付金をこれ以上削減されないように予算要求を環境省が頑張るとか、そういったところで対応するということしか手だてはございませんが。なかなか日本全体として予算が削減を迫られて、独法にも研究とかは関係なく一律に経費の削減を迫られている中で、どれだけ頑張っていけるかということでございまして、具体的にどうこうというよりは、国立環境研究所の交付金がなるべく取れるように、環境省も頑張ってまいりたいと、現実にはそれぐらいしか申し上げられません。
 以上です。

【大垣国環研理事長】 それでは、1番目は後でお答えします。
 3番目の人件費に関しましては、実は来年度から始まるわけですが、既に現場で人件費不足が起こっておりまして、ただ、これは契約職員等でカバーしているというのが現実の姿かと思います。パーマネントは200名の研究者に対して、ポスドクも含めて契約研究者は、先ほどのグラフにもありましたように、200名という数でありまして、そのほかに、それと同数近くの高度技能を担うような職員を契約職員で雇っている。そこでカバーしているというのが現実の状況であります。これは、いつまでもこれが続くと思いませんが、業務の遂行上、人件費削減をそのような形でカバーせざるを得ないというのが、現実の姿かと思っております。

【三橋委員】 ただ、そういう部分で、実際に研究の成果が落ちているということなら、この機会にこういうような形で、実際に頑張ったんだけれどもうまくいかなかったといった評価をきちんとすることが必要だと思います。常勤の研究者が減ることによって、本来ここまでできるようなものが、ここまでしかできなかったとか。そういうことはしっかりと総括というか評価をして、問題点を指摘し、それをこの目標の中に書き込むべきだろうと思います。

【大垣国環研理事長】 ありがとうございました。
 アジアに存在している研究所ということですね。

【三橋委員】 そうですね

【大垣国環研理事長】 一つは、中国科学院の中に、幾つか系統が分かれていますけれども、さまざまな研究所が多くありまして、それなりの人員と規模を持っております。我が研究所とも、それぞれ専門分野ごとに研究の体制を組んでおります。
 それから、環境省といいますか、中国の環境部系統の国環研のような研究所もありまして、その研究所と、それから韓国にもやはり同じような研究所がありまして、我が研究所と三つで毎年研究所長の会議を開いて、共同研究等を行っております。それが一番近い研究所でありますが。そのほかタイ等にも日本の援助でできたものではありますが、ERTCという環境に特化した研究所等がございます。
 韓国、中国以外の国、シンガポールとかそういうところは別にしまして、やはりかなり内容的にはまだ弱い部分もあるんではないかと思います。そういう意味で、国立環境研究所がある種ネットワークのハブになって、指導じゃなくて、共同・連携・研究をしていくというのは重要なことだと思っておりますし。例えばAIMという温暖化ガスの削減モデル等、国立環境研究所が開発したものがございますが、そういうものの講習、あるいは普及等もその研究所、あるいは大学を通じて行っているところであります。そんな状況でございます。

【佐和委員】 資料3の運営費交付金等のグラフについて、幾つか質問があるんですが。これは、なぜか平成21年までしか書かれていませんよね。我々大学にいる人間から見ると、大学は平成16年から毎年1%ずつ運営費交付金が削減されていったわけです。だから6年間で6%減と。これを見ると、平成16年から20年までの間は大学が1%ずつ削減されたのとは裏腹に、平成16年ごろからむしろ微増していると。そして、なぜか21年に目に見えて、ようやく折れ曲がったという感じなんですね。22年はいかがだったのかと。それから、今、グリーンイノベーションと大学イノベーション、新成長戦略を柱とするというようなことが出ているんですね。恐らくそのことを背景にして、総合科学技術会議の指摘を受けて、私は、23年は運営費交付金が増えているんじゃないかというふうに想像するんですが、その点はいかがなのか。
 それから、この運営費交付金は、ここに示されている時間幅の中では減っていないにもかかわらず、これはグラフだからよくわからないんですが、私が見たところ、人員が200名余りぐらいから35名ぐらい減っているわけですね。これは非常に減り過ぎているという感じがするんですね。これは意図せざる現象なのか。例えば研究系の常勤職員で退職なさった方がいたとして、その後をあえて埋めずに減らしてきたのか、それとも、もう少し若い方が大学等へ転出した結果として、意図せざる削減なのか、あるいは意図しての削減なのか、そこのところを教えていただきたい。
 それから、契約職員と一言で書かれていますけれども、これは任期制のようなものを導入された結果、研究系契約職員が増えているのか、それともテニュア・トラックのような制度を導入されたのか、その辺について教えていただきたいと思います。

【齊藤国環研企画部長】 第1点の交付金のお話でございます。当初の運営費交付金につきましては、お手元のとじた資料の中期計画の中にあるんですが、本体の運営費交付金は一定の算定ルールがありまして、政策係数ですとか効率化係数を掛けられまして、年々減っているものでございます。ところが、21年度までで申しますと、GOSATの予算は別枠で、プラスアルファという形でくっついております。その部分はGOSATだけに使うというもので、この部分が年によってかなり変動してきております。ちょうど21・22年はGOSATの最後打ち上げにかかるときでございまして、予算上はその部分が増えたことによって、こういうような変動になっているということで、もともとの本体の運営費交付金は微減しているというのが実態でございます。
 そして、22年度につきましては、グラフであらわしますと、30億ほどぼんと増えるんですが、これもGOSATと同じように、今度はエコチルというのが22年度に別枠として、使い道も限定されてのっかってきているということで、グラフに仮にあらわしますと、非常に増えると。23年度はさらにエコチル分が15億ほどまた増えております。そういうような構図になっておりますので、委員のご指摘を踏まえますと、例えばその辺をわかるように表記するということも、今後は考えたいなと思っております。
 それから人件費につきましては、削減方針どおり順調にといいますか、減っているのが現状でございます。
 1点目について、私から答えさせていただきました。

【安岡国環研理事】 研究系常勤職員が減っているのではないかというお話ですが、決して意図したものではなくて、確かに外にも転出いたしますが、それは補充しております。定年退職の人間も補充しております。ですから、これはいわゆる1%減というのでしょうか、国の方針に従った減のみで、研究所として意図的に減らしているのではございません。
 3番目の研究系職員については、やはり研究系職員は5年任期と決めています。ここはなかなかつらいところがございまして、慣れたころにやめていくということがある。今、私どものルールでは、5年たちますと必ず一たん出なければいけないということになっておりまして、2年たったらまた戻ってきてもいいんですが、ちょっと細かいルールをつくっておりますけれども、基本的には5年で外に出るということにしています。

【大垣国環研理事長】 一つだけ、今の1%削減へは対応しないといけないものですから、自然に対応はできないので、新規雇用が抑制されるという形になっているというふうにご理解いただければと思います。

【小池委員】 今の人件費のことなんですけれども、この人件費削減は、たしか23年度までですよね、言われているのが。今ここに書かれているのは、これは23年度を超えた中期計画ですけれども、ずっとこれが続くと思われてこう書かれているのか。もう一つは、その人件費1%削減のときに、人数管理ではないわけです。ですから、例えば大学でよくやるのは、1人やめたら若い人を2人とる。そうやって、ある程度、規模は維持するということも努力のうちに入るのですけれども、国環研の場合は、それはどういうふうに考えられているのか。

【安岡国環研理事】 まず1番目のご意見でございますが、1%減は23年度までというのは、確かです。我々は、その時点でできるだけ1%減がなくなると、研究開発力強化法みたいな話が生きてきて、なくなってほしいなと思っています。

【小池委員】 欲しいと思うんじゃなくて、かなり努力されないとなくならないですよね、これは。

【安岡国環研理事】 それはそのとおりだと思います。

【小池委員】 だから、研究独法は外してもらうとか、何かの努力をやらないと。

【安岡国環研理事】 それはまた国環研としてというか、さまざまなルートで、私どもの理事長は学術会議の副会長でもありますし、それから、つくばにある研究所の人たちが集まった協議会がございますけれども、そういうさまざまな場所で1%減はなくすようにという発言はしてきております。

【白石総合環境政策局長】 今のに関連しまして、例えば予算もこういうルールだということで決まり、また人員もこういうルールだというのはあるんですけれども、政府の動きとしては、もう一昨年になりますか、仕分けのときの議論に触発されまして、そんなことをしていたら2番になっちゃうぞという話がありまして、こういう研究機関については、別のメルクマールで考えるべきではないかということは、実は政務官レベルの会合でも問題提起がありまして、ちょっとまた内閣が変わったりしたものですから、引き続きがあるかどうかわかりませんけれども、私どもとしても、当然、文部科学省その他とタイアップして、一律にあらゆる独法すべてではなくて、研究機関というものについては、別の考え方があってしかるべきではないかということは問題提起をしております。それがどうなるかということが非常に不透明ではあるのですけれども、そういう動きはしております。
 それから、一律ということにブレークするために、ちょっと下世話な言い方になりますけれども、何らかの助けになるかなと思ってやっておりますのは、学術会議などを中心にして、何が研究の柱かというと、いわゆる生殖科学みたいな遺伝子レベルの話なんかと並べて、環境関係の研究も、たしか四つの柱の一つに入れていただくということを昨年の6月、学術会議で提言をまとめる際にはやっていただいたりして、その部分は、なるべく上へ行くという圧力を伸ばすというよりは、今正直申しまして、下に行こうとする圧力を弱めるというふうな結果にしかなりませんけれども、それである意味、例えばエコチルというのが別枠でちょうだいできたりということには、つながっております。
 ちなみに、先ほど室長からご説明申し上げましたけれども、環境省がなぜやるのかということにつきましては、いつだったか忘れましたけれども、数年前のG8に先立ちます環境大臣のG8というのがありまして、こういう環境と子どもを使って人間へのリスクというものを、きちんとコホートスタディをすべきだと環境大臣G8で発言がありまして、それはそうだということで、今たしかスウェーデンとアメリカが先行しています。日本は順番から言うと3番目ですが、10万人という規模は世界で1番の規模であります。環境と人間との関係を調べましょうということなら、どこも環境をつかさどる役所が、あるいはそこの研究機関が中心となるということでやっております。もちろん、そこにはいろいろなノウハウもございますので、厚生労働省、特に国立病院機構とか、あるいは文部科学省とも連携をとってやるということは、もとよりございますけれども、中心は環境省、環境関係の研究機関がやるということになっております。

【大垣国環研理事長】 先ほどの小池委員から、1人やめたら若い人2人をということですが、実は人員構成上、将来の人件費負担の問題のシミュレーションが生じますので、その辺は鏑木理事から説明を加えます。

【鏑木国環研理事】 我々が考えておりますのは、将来にもわたって持続可能な研究所にしていく必要があるということで、当たり前でございますが、そんなわけで若い方はまずは任期つきで頑張っていただいて、任期つきの後、パーマネントの職員になっていただくというテニュア・トラック制を考えております。ただ、それも全部総計して、人件費が将来的にもつか、もたないかということを想定してやっております。
 それと、実は目に見えないというか、余り目立たない細かい努力もしておりまして、例えば環境省から管理部門の人に出向してきていただいております。この場合、できるだけ若いぴちぴちした人をくださいと言って、うちが支払わなければならない人件費ができるだけ少なくて済むようにというような地道な努力も、ちまちまですが、やらせていただいております。

【松尾委員】 幾つか違う話題になるかもしれないですが、議論させてほしいと思います。一つは、エコチルにかかわることですが、第2期の中期計画の中では最初からそういうテーマがあったのか、どこか上から降ってきてやっているのかということがいささか気になります。本来は環境研の中からこういうのが必要なんですと言い出してきたんだったら、成果として大きいと思うんですが、上からか、どこかから降ってきたということになると、これはまた負担になる可能性もなくはないんじゃないかと思うのです。特に人員の問題で。そういう専門家が本当に今まで育っていたのかということもありますよね。そういう意味で喜んでいいのか、その辺のテーマの選定の仕方というか、提案の仕方の問題があるように思うのです。逆に言えば執行部というのか、環境研の上層部はかなり意識して、テーマの選定をリードされないと問題が起きるんじゃないかという印象を受けます。
 そのことに関連して、先ほどどなたかがおっしゃったけれども、今度の案では八つのセンターを中心として研究を進めようと。そこでは重点と基盤が一緒になるようなグループだというんですね。国立大学では大講座制にしたのは、私は成功だったと思っているんです。二、三講座を集めて数名の先生方がいて、長老は新しいことをやって、持続的に若い人たちは自分たちのテーマを追求していくという。全体としては少しずつシフトしながら、世の中の動きに対応して変わっていくことができるようになったと思うのです。
 私は、このセンターというのは、そういう大講座的な印象でもって受け取っているんですが、そういう中に、この10のプロジェクトがあります。そのプログラムをどう割り振っていくのかというのは、一つの研究センターが一つのテーマというわけじゃないから、先ほども少し議論があったと思うんですけど、そうすると研究をマネージをするグループというのは、物すごく責任が大きくなるだろうと思うんです。ですから、各センターはセンターの中で自分たちの分野を意識しながら、そこで次の、さっきのエコチルならエコチルをやるというようなテーマを発信できるかどうかが問われると思うのです。
 それと、今度は重点的なプログラムが10個動くならば、それにどうセンターを巻き込みながらやるか。これはまたトップのマネジメントにかかわると思うんですが、何かその辺を意識的に考えておかないと、書いてあるのはいいけれども、実際に動き出したらば、各研究センターがタコつぼに戻っちゃうとか、呼び出してやると、そこだけがまた遊離したものになっちゃうと。1期のときの失敗に対する反省を役立てることが必要と思うんですが。
 これは恐らくやってみないとわからないし、マネジメントのやり方によって、非常に有効に動くだろうし、マイナスになっちゃうかもしれない。そういう意味で、トップマネジメントが非常に大きな仕掛けを提案しようとしておられると思うので、そこはあえて、どこかで、そういうことでこれを有機的に動かすんだと。その中で、若手には基礎的な勉強もしてもらうし、実際的なところへも出てきてもらうんだというような、そういう何か宣言をされると、これは非常にトップリーダの皆さん方の責任が重くなるんだけれども、新しい研究スタイルが、もしかしたらそこから出てくるんじゃないかと思うんです。
 三つ目は若干細かいことになるんですが、この次世代の環境問題に先導的に取り組む研究プログラムというんですけれども、この辺がまだまだ一般論で出ているような感じを受けて、例えば具体的に言うと、このカの流域圏生態系研究プログラムだけど、結局、戦略的環境アセスメントを実施すると、こういうふうになっているわけです。戦略的アセスメントを実施するというと、どこかの場所を選んで、その場所をテーマとして実施するということなのか、そうすると、どういう地域が対象なのか、戦略的アセスメントの手法を研究するというと、またちょっと違うのかなと思うんですが、その辺の書いたことと、実際にどういう組み合わせでそれができてくるのかというあたりが明らかじゃないと思うんです。
 それからもう一つ言わせていただくと、持続可能な社会の実現のための実現方策を提示するというんですが、私は、そのキにもかかわるんですが、一番の問題は人口減少期に入っていくと、これは中国だって韓国だって、日本よりもっと高速に少子高齢化社会に入っていく。そういう社会の動きを満たした上でどう対応するか。もうちょっとその辺の社会的な動きに対して、ある種の条件をきちんとしながらやらないと、非常に総花的というか、何か抽象的なレベルで終わっているという感じがして、やっぱりインパクトがもうひとつないような感じがするので、何行も追加しなくてもいいんだけど、キーワードとして、今の世の中が抱えている、次世代が必要だと言われるところで、もうちょっと的確にキーワードを入れたほうがいいんじゃないかということで、感想でありますが、そんなところです。検討していただければありがたいと思います。

【齋藤国環研企画部長】 1点目のエコチル調査に関することですが、中期計画における記述につきましては、参考資料1として今の中期計画が配付されておりますが、それの38ページ、後ろから3枚目になりますけれども、そこの一番下に(19)ということで、「子どもの健康と環境に関する全国調査」の統括的な管理・運営ということで、一定の記述がございます。
 これは、22年度に当初の事業として入れ込むときに、当然、中期目標も変えるべきか等々の議論がありましたが、環境省で関係省庁とも相談した結果、初年度であって立ち上げのある意味スタートの準備期間であると。実際、リクルートはこの1月から始まっているわけですが、そういう時期でもあったということで、この中期計画にここの記述を追記するということで、これは政府で調整なされて記述をされております。この事業を受けるに至る経緯といたしましては、平成22年度予算ですから、21年の秋以降、環境省環境保健部と当初掲示も含めて、いろいろ協議を重ねてまいりました。非常に大きな事業であって、やはりこれが環境研究所の今までの本体の研究にマイナスの要素を与えてはいけないということで協議を重ねてまいりまして、受ける形態も運営費交付金であったり、委託であったり、いろんな選択肢のメリット・デメリットを総合的に勘案して、運営費交付金で手当されるという形に、協議の結果、決まっております。
 なお、人件費につきましてはエコチル分ということで、説明する機会がございませんでしたが、1億円がプラスされておりまして、エコチルのコアセンターの人員はプラスされた人件費で賄っていくということで、今のところ本体に何らの影響はないという形でスタートできております。
 1点目については以上です。

【白石総合環境政策局長】 補足しますと、確かに内発的にやろうぜというよりは、先ほどのようなG8で決まったことを受けて、やっていただけませんか、一応読めるところはありますのでということで相談をして、今のようなことになったという経緯がございます。

【西間委員】 この会では初めてエコチルの話が出たのですね。どれぐらいの期間でどれだけの研究費をもって、そして国環研が中核でやるというのは、今回初めてですね。私は、前から非常に懸念を持っていました。本当のあの金額であの年数で、日本が世界で初めての、ほかの国に比べてもすばらしいコホート調査だと鳴り物入りで言っていますけれども、非常に問題があるプロジェクトだと前から思っていたのです。ですから、これがこれから国環研の大きな仕事となるのであれば、それの概要を我々に示してもらわないといけないと思います。
 今までの国立環境研究所とか環境省の疫学調査は、調査は非常にすばらしい調査で大規模ですけれども、それが次の臨床に結びついていかないという欠点があったと思います。今度のこのテーマであれば、当然、遺伝と環境という形でくると思います。例えば、食環境にしろ、大気環境にしろ、住環境にしろ、それから精神環境にしろ、そういうのを全部インプットした形でないと、このプロジェクトは成功しない。先ほど、ヨーロッパで動いていると言いましたけど、ヨーロッパは随分前から動いていて、既に介入試験までやっています。あるこういう状況だったら、こういう率が出る、そこに何かほかの環境負荷をかけるとこれだけ疾病が変わると、そこまで進んでいるわけですから、当然それを追いかける調査であれば、相当しっかりしたものを見せないといけないし、相当な責任がある。そうであれば、我々委員にある程度、その形を提示すべきであろうと思います。

【安岡国環研理事】 エコチル調査自身は、環境省が主体としてやっているものでございまして、こちらは国環研部会でございますので、先ほど中期計画を変更しておりますというお話をさせていただきましたが、そのときに国立環境研究所部会にお諮りをしてございますので、一応お話はさせていただいております。

【白石総合環境政策局長】 その上で、全体のプログラムがこう確定をしましたということのご報告は改めて次回に詳しく、本格実施が次年度以降でございますので、それはまたご説明の機会をとらせていただこうと思います。

【西間委員】 大まかに何年で何十億ですか。

【安岡国環研理事】 このエコチルプロジェクト自身は15年というプロジェクトで、お子さんが生まれてから、今年1月からリクルートが始まりますが、中学校までずっと追跡いたします。同じ人間を10万人ということで、全国で15の病院がそのリクルートの場所として選ばれていまして、予算は、今年度は30億で来年度からは45億、当面認められた額はそういう額です。これは環境研に一たん入りますが、実際には15の大学病院等に実際の作業のお金として配られるということになっております。ですから、総額45億ということになります。

【西間委員】 15年で500億、600億のプロジェクトということですね。国環研がそのコアのセンターとしてやるわけですね。相当腰をすえてチェックしておかないと大変だと思います。

【安岡国環研理事】 先ほどの松尾委員のご質問にあった、環境研の研究者にしてみると降ってきたのかという話がございましたが、もちろんこれは環境省で委員会をつくられて議論が始まりましたけれども、一番初めから環境研の研究者がかなり関与しておりまして、化学物質をやっている人間、それから疫学をやっている人間が当初からかなり意見を述べてきております。最終的に環境研が全部マネージをすると決まりましたのは去年、一昨年になりますが、降ってきたと言われれば降ってきた、環境研から発議したわけでは決してないんですが。

【三橋委員】 わかりました。十分対応できると。

【安岡国環研理事】 環境研の研究者も、これは非常に重要だという認識でスタートしているというものでございます。

【大垣国環研理事長】 二つ目の話は、八つのセンターの件で、おっしゃるとおりの大学のアナロジーで言うと大講座かと思います。念のために、人数の規模を平均値で申し上げますと、常勤が200名、契約が200名、400名で八つですので、一つが50名のドクターを持った研究者がいるという体制ですので、大学で言うと3人体制の講座だとすると、20講座弱ぐらい。そんな規模ですので、長期的なものと、それからプログラム、やや横断的なあるいは短期的なものに、組織としてエフォートを割くという体制は十分できるというふうに考えております。

【安岡国環研理事】 松尾先生の3番目のご質問は、次世代という名称で囲われている、例えば五つの先導研究プログラムについて、もう少しめり張りのあるといいますか、はっきりわかりやすいものにしたらというご意見だったと思います。このプログラム名については、これからご意見も伺った上で検討させていただきたいと思いますが、このプログラムを選んだ趣旨というのは、当然、今後、中・長期的に考えて、環境分野でこういう問題が出てくるだろうということをやや先読みしてつくったというのが1点と、それから、そうは言いましても、これまでの環境研の研究を継続的にも続けていくという、がらがらぽんで最初からというわけにもなかなかいきませんので、環境研が今抱えている研究者群がつくられる、できる、成果が上げられるという視点でもこの五つが選ばれています。
 それで、先ほどご指摘のありました流域圏生態系とか、それから持続可能社会転換方策研究プログラム、具体的にこれから実際の内容は詰めていくわけですけれども、いずれの場合も流域圏というのは、特にアジアを考えたときには非常に大きな問題なんです。これは先ほどの1期から2期、3期につないだ、このカラーのグラフを見ていただくとわかるんですけれども、例えば地域環境研究センターと申しますのは、アジア自然共生研究プログラム、それから大気圏環境研究領域、水土壌圏環境研究領域とこの三つが中心になって、ここに加わっていると。地域環境研究といいましても、地域環境学というものをやっぱりつくっていかなければいけないだろうという、やや大きな目標を立てています。地域学というのはなかなか難しいんですが、地域環境学というのはやはりやっていかなければいけないだろうと。やや苦労はするかもしれないけれども、そこで頑張りましょうということでつくらせていただきました。ぜひいろいろご意見をいただければと思います。
 それから、持続可能社会転換方策研究プログラムといいますのは、これは主として社会環境システム研究センターが担いますが、今後の社会がいかにあるべきか。例えば、先ほどお話にありました少子高齢化みたいなものも念頭に置いております。これは将来のあるべき姿、長期ビジョンというのが環境省の会議でもつくられまして、委員会でもつくられまして、我々の研究者がそこに参加しておりますが、そういう中から生まれてきたものということで、これもやはり中・長期的な視点でつくらせていただいたということになっております。ただ、松尾先生ご懸念のように、そうは言っても簡単にいかないよというのは、十分我々も認識しておりまして、ご意見をいただければというふうに思います。

【高月部会長】 座長として軌道修正したいと思うんですけれども、今日ご議論いただいているのは、実は中期目標でございまして、その次に控えておりますのが中期計画ということになってまいりますので、かなり一緒にご議論いただいているので、もうそれで結構だと思うので、次回かなりもう少し突っ込んだ計画の議論をぜひ、今日の議論も参考にしていただいて進めたいと思いますので、一応切り分けて目標、そして次に計画ということになるんですが、実際にはそうはいかないものですので、計画の図も出てきておりますので、一緒にご議論いただいて結構だと思います。

【高木委員】 何点か意見を申し上げたいと思いますが、私は今年の途中で退任いたしますので、3期にかかわるというふうな状況ではないので、意見だけを申し上げるにしておきたいと思っておりますことを、最初にお断りしておきます。
 まず今日の委員会のところで、最初に小池委員のご質問に対して、理事長が全面的にお答えされたというのは、私は非常に奇異な感を持って受けとめていまして、中期目標の設定そのものは、言うまでもなく大臣が行うということでありますので、国環研さんがデータ的なことをおっしゃるのは非常によく理解できるんですけれども、今後の考え方についておっしゃるのはどうなのかなという感を持ったということは、最初に申し上げておきたいと思います。
 さて、中期目標そのものに関してなんですが、小池委員あるいは松尾委員から、組織についてご意見が出ておりますけれども、今回、第2期をとらえての今後ということで長期的、それから柔軟性、機動性と、国民に対するわかりやすさという4点を挙げていらっしゃるんですけれども、第2期の組織というのは、マトリックス型という言い方をしていましたけれども、安定性が多少欠けているがゆえに柔軟性がビルトインされていた組織だというふうに、私などは評価しておるんです。今回の3期のところで示された組織というのは、長期的な安定的な組織と言えるかと思うんですけれども、その反対に機動性、柔軟性というのは、極めて失われやすい性格を最初から帯びているということが、組織論的に整理できるというふうに思っております。
 では、そのようなところをいかにカバーするかというところは、松尾委員も先ほど触れておられましたけれども、言い方をかえればトップマネジメント、ミドルマネジメントのところがいかに機動性、柔軟性に意を払って、それからまた、その意識をいかに浸透させるかということに意を払うということでないと、恐らく今回の安定的な組織の中では、機動性、柔軟性は全く失われてしまうというおそれさえあると思います。
 ということで、私もその辺の対応についての考え方を盛り込んでいかないと、5年間、非常に硬直的な組織で推移してしまうおそれがあると思っておりますし、後のテーマでも触れますけれども、今、環境問題は経済社会の大きな変動の中で、物すごく重要性が増していると思いますし、その問題の内容性も変化していると思っているんですけれども、そういった経済社会に対応していくといった意味でも、やはりこの5年間、安定的なだけで済むようでは、国の研究所として税金を使うという意味は大きく失われるだろうと思っております。これが第1点です。
 それから、第2点は比較的、卑近な話で外部資金の問題についてなんですけれども、外部資金の評価に関しましては、この10年間、非常に余り意味のない評価をしているというのが私の感想です。競争的研究資金について言えば、これはまず民間が入り込む余地がない競争的な分野でありまして、あと、これは国の予算の大小によって大きく影響を受けるところがあるというのが特徴と言えるわけです。すなわち、絶対額が増えたから、あるいは減ったからといっても、国の予算の全体的な動向、こういった研究費に関する予算、あるいは環境関係に関する予算の大小によって比例的に動くというものでありますので、そういった意味で、単に金額的に前・中期と同水準を維持するということでは、目標として不適切だろうなということは申し上げておきます。
 それから3点目のところなんですけれども、先ほど経済社会の変化に対応したところと申し上げたんですけれども、その一つの話として、前回のところで政独委に対する回答というところの中で、今の輸出型、パッケージ型インフラ輸出のところで、環境に関しては、内閣府あるいはJBICのところにおいて、国環研が視野に入っていないよと、研究所として視野に入っているのは産技研とNEDOといっていいですよというようなことを申し上げて、それに対して、それなりのことが含まれるような表現に、政独委に対する回答では書いていただいたと思うんですけれども、どうも今回の中期目標のところでは、それは意識的に削除されたんではないかなと私などには見えるんですけれども。
 要は、研究機関の中だけで研究の質を高める、あるいは外部に情報を発信するということだけで、もはや済まないのではないかと。経済・社会の動きに対して、かなり連動できるような動きが必要であるし、そのときには具体的な動きと連携をとれるような仕組みを用意していかなければならないと言えるわけなんですけれども、今回の中期目標のところでは、ちょっとそういうような動きをとることを念頭に置いたとは感じられないものですので、私としてはいかがかなと思うということを申し上げておきます。

【高月部会長】 幾つか重要なご指摘をいただいたと思いますが、どうぞ。

【白石総合環境政策局長】 ご指摘のとおり、実態をいろいろご説明するのに、大分、国環研の理事長以下に頼ってしまった点は反省をしておりますけれども、これはご指摘のように目標でございますので、環境省がこういう目標を設定するというものであることはもとよりでございます。
 それから、幾つかご指摘を受けました点で、考え方は違っていないと思いますので、もう少しわかりやすく修正なりということは、またご相談しようと思っておりますが、一つだけ、ここはまたお知恵拝借かもしれないんですけれども、資料1の8ページ、2期目と違いまして、この前の高木委員からのご指摘もありまして、国内外の関係機関との連携強化のための体制を整備するというのを新たに入れさせていただいておりますが、もうちょっと書き加えろというご趣旨であると思いますので、またそれはご相談をさせていただこうと思います。
 それから、研究体制のことなので、説明は私より理事長がはるかにお上手な部分ではありますけれども、あえて申し上げますと、二者択一にならないようにということは気をつけなければいけないんですけれども、今回若手の人材の養成、やっぱり5年で切れたりして、そのうちの何人かしか正規の研究者に雇えないという現状もありますものですから、今度は継続性とか安定性に重点を、少し向きを微修正しておるということが実態でございます。ただし、委員ご指摘のように、そうすると、よそで何をやっているか知らないよとか、この予算があるんだから継続でちゃんとやってよということばかりになってはいけませんので、そこは有り体に言って、理事長のご指導に期待する次第でございます。

【大垣国環研理事長】 発言がしにくいんですが。この目標が定まったときに、現場でどんなことが方法としてあるかということだけ申し上げますと、柔軟性を確保するためには人事・予算、それからテーマ設定に対して、トップが力を持っているかどうか。センターに任せない。そういう意味で言いますと、この10個のプログラムは予算がついておりまして、この10個のプログラムの運営に関しては、非常にトップダウン的な形が強いので、そのときに新たな社会的な需要、要請が生じたときにはトップダウンで、予算でプログラムを新たに立ち上げる。これは中期計画で最初に固定されるものなのか、目標の中に、たしか柔軟に対応すると書いてあると思いますので、それに対応して動けるようにできるのではないかと思います。第3の対比表の13ページの右側の真ん中あたりに、必要に応じ見直しを行いという記述が目標に書いてあるそうで、それに従って動きたいと思います。

【高月部会長】 ちょっとうまく立ち回りして。

【磯部委員】 私も、もう何年もこちらに座っていろいろご説明を聞いてきたので、おおむね全体としてよくわかるし、これでよかろうと思うんですけど、1点だけ現行の目標と対比する意味で、資料2を使わせていただきますけれども、資料2の3ページから4ページあたりが典型かもしれませんけど、環境政策立案等への貢献とか、政策貢献型の研究機関という規定が非常に強調されているように思うんですが、今までも基礎研究や基盤研究が中心なんだけど、それに自己満足しないで、なるべく政策とのかかわりもという程度のニュアンスがあったことは承知しているんですけれど、何か政策貢献型の研究機関として規定してしまうということは、格好いいんですけど、何をもってそれができたとか、あるいはこちら側の立場として、評価のときに、例によって審議会に何人出ましたとかという程度の話しかないんだとすると、これはちょっと核心的な問題ではなくて周辺的な問題だという気もしますが、一言申し上げておいたほうがいいかなと。
 これは環境省側に言っているわけですけれども、政策貢献の定義にもよりましょうし、基礎研究がどういう形になったら政策貢献になったのかということの仕組みをどう考えるか、そんな表現もあるんですが、4ページの[4]5行目あたりです。研究分野ごとに研究成果と政策貢献との関係を把握し、政策貢献に関する評価の仕組みを構築するとありますので、これがきちんとできているならば安心なのですけれども、ちょっと大丈夫ですかという感じが正直いたしましたので、今のタイミングで申し上げたほうがよろしいかと思いまして、申し上げた次第です。

【長坂環境研究技術室長】 では環境省から答えさせていただきます。ここの環境研究の中核的なまず施設であるということ、そして環境政策への貢献する研究機関という、この大きな二つの内容につきましては、もちろん環境省としても国立環境研究所としても目指すべき姿だということで一致した思いだと考えておりますが、さらに、これはこの前の委員会でも話が出ましたが、総務省からのご指摘でも、もしそういう機関であるのであれば、それを評価できる具体的な目標なりそういったものも決めて、ちゃんとした評価ができるようにしてくださいというご指摘を受けてございます。それを受けまして、今回の目標の中で、なるべくそういった方向にしたいということで、今、委員からもご説明があった政策貢献に関する評価の仕組みを構築するということも書かせていただいておりますが、具体的にどうしていけばいいのかというのは非常に難しいと我々も考えておりまして、一つ間違いなくできることは、毎年度の評価の中で、研究成果が具体的に、環境省のいわゆる環境政策のどういった部分にデータがインプットされておりますとか、あるいは法令をつくった際に、こういった国環研の研究成果が生かされておりますとか、そういった評価を年度ごとに行うことは可能ではないかと考えております。
 さらに総務省から、事前に何かわかることがあるなら、それを書いておくべきではないかというご指摘も受けておりまして、対比表でいいますと、4ページの環境政策立案等への貢献の後段のところに、当面の目標としてという書き方ではございますが、温暖化関係の内容でありますと、あるいはエコチル関係の内容についてのデータのインプット等を具体的にやっていきますと書かせていただいておりまして、ここの部分については環境省内でも、さらにより書けることがないかということで、照会を並行してかけている部分がございますので、もしかしたら次回の国環研部会においては、さらに具体的な目標が書き入れられるかもしれません。
 また政策貢献型ということで、基礎研究の部分がどうかという部分に関しましては、こちらも国環研と思いは同じだと思いますが、当然、基礎的な研究の上に応用的な研究があって、そうした研究成果が政策貢献につながるようにという、そういう志向性を持ってやっていくことが重要だと思っていますので、決してそれは基礎的な研究がおろそかになるということではないと、このように認識してございます。

【白石総合環境政策局長】 ちょっとつけ加えます。先ほどの高木委員のお話にもありましたように、何となく環境省の政策にという形に読まれがちなおそれもございますので、例えばGOSATであれば、諸外国の研究にも役立っているんだとか、あるいはIPCCとの連携で、世界全体の環境政策への貢献もあるんだとか、視野の広い意味での環境政策への貢献があるんだということが、もうちょっとわかるような表現に工夫させていただこうと思います。

【佐和委員】 今のこの政策貢献型ということに関して、私が常日ごろから思っていることなんですけれども、日本の政府は、広い意味での科学的研究、例えば経済学なんかも含めた、そういう意味での科学的研究を全く無視する。各産業界とか労働組合などの、いわゆる利益代表の意向をおもんぱかって政策決定がなされていると。ですから、研究者の意見はほとんどないがしろにされる。例えば環境省ならば環境省と、こういうことを言っていいのかどうかわかりませんが、例えば経済産業省がある政策について意見を異にしている場合には、環境省をサポートするような研究成果は、環境省がそれを大いに持ち上げると。他方、経済産業省の意向を代弁するような研究成果を経済産業省は持ち上げる。
 そして結局のところ、特に計量経済モデルなんていうのは、鳩山イニシアチブ云々のときに、私に言わせてみれば盛んに乱用されたわけです。そして、10年先のことなんかは、到底予測することが不可能だと計量経済学を専門にしている私には重々分かっていることなんです。仮に鳩山イニシアチブを実現するとするならば、可処分所得が世帯当たり22万円年間減って、光熱費負担が14万円増えるとか、10年先どころか1年先のことですら経済は予測できないんです、何百法もの連立方程式のモデルを使っても。10年先というと、それを取り巻くさまざまな国際情勢とか、日本経済がどうなるか、不確実なんです。不確実性に満ち満ちているわけです。それなのに22万円と14万円という数字を出して、だから鳩山イニシアチブをやろうと思えば、国民生活に対してこれだけの犠牲を強いるということを言ったりする。そんなことをやっている国はないんですよ、世界じゅう探しても、日本以外に。
 私、計量経済モデルがまさに乱用といいますか、各省がみずからの自説を正当化するための根拠として使っていると。それで一生懸命そういうモデルづくりをやって提言していらっしゃる方は、自分は何らかの利益代表では決してないつもりかもしれないけど、結果的にそうなってしまっていると。しかも、そういう経済モデルを使われる方の大部分が理科系の学部の出身者である。経済のことはほとんど知らない。この現状を見て、私は計量経済学を専門にしてきた人間として、極めて悲しい思いをいたしました。
 以上です。

【高月部会長】 ありがとうございました。ちょっと時間の関係もあるので、手短にお願いします。

【熊谷委員】 手短に申し上げます。今までほかの委員の方々がおっしゃられたので、ダブることは省きたいと思いますが、本日は目標ということですので、重点プログラムの中で生物多様性研究プログラムというのが8ページに載っておりますけど、先ほどいろいろ議論の中で政策に対応するとか、あるいは問題解決型とか、そういう研究を十分意識してプログラムを立てておられるようですけど、エコチルもそうですが、COP10で日本が一応そのイニシアチブがとれて、生物多様性の10年という中で、今後日本は、世界の生物多様性研究に対して、ある意味でリードしていかなければならないような立場にはっきりと位置づけられたということでございますので、それを受けて環境省も環境研と十分に協議をこれからされたほうがいいと思いますけど、私がちょっと気になっているのは、生物多様性イコール生態系とか生物という非常に狭い範囲で議論がされていて、例えば生物多様性を実際に、日本のどこで保全を担うようなことを考えていったらいいかというときに、データとして出てくるのがほとんど植生図なんですよね。
 それから、動物に関しても哺乳類も不十分ですし、さらに生物多様性のほうでは、生態系と種と遺伝子レベルでということになっていますけど、そのデータはほとんどないんです。ですから、こういうのは早急に予算と人をつけて整備していかなければならない。そういうことから考えると、先ほどから問題になっております人材不足といいますか、やはり今後の人事計画ですよね。
 つまり、契約研究員とパーマネントの研究員の張りつけ方だけではなくて、新しい分野を開拓していって、例えば生物多様性の専門家はいないわけですから、そういう人材を環境研の中にどうやってつくっていくか、そういう視点が必要かなと思います。果たして、今の状況で、そういう新しい分野に対応できるのか。あるいは内発的にそういうところへ人材をうまく配置できるのか、私は非常に疑問に思っています。
 といいますのは、今、自然環境系の研究者が環境研の中に少ないんじゃないかと考えております。もともと環境研は公害研から発展していったものですから、そういう事情があって、公害研自体が中心になっているということは、どうしても否めないところがありますので、この生物多様性の国際年といいますか、そういうことを契機に、ひとつ新しい意味での環境研の研究体制といいますか、あるいは内部での強化を図っていただきたいと思います。
 ご承知と思いますけど、この生物多様性に関連しては、自然環境局の中に新しいセクションもできるようですので、準備のためには生物多様性国家戦略室というのができましたけど、新しくその推進のためのセクションができるようでございますので、そうなると、やはり政策と実際の環境研の研究と、よりタイアップしていく必要が出てくるのではないかと思います。
 それから、ついでに申し上げますと、いわゆる情報技術とか、あるいはそれを一般に広めていくような話の中で、生物多様性国家戦略2010をつくるお手伝いをしていたんですが、その中で、五十何名の委員の方が異口同音におっしゃるのは、生物多様性が社会的にほとんど知られていない、これをどうやって広めていくか、それが一番大切だということですので、生物多様性とはどういうもので、わかりやすい解説なり、あるいは情報発信がぜひ必要だということになりますと、環境研の役割は非常に重要だと思いますので、その辺をもう少し考えていただくといいかなと思います。
 以上でございます。

【白石総合環境政策局長】 ある程度、ブレークダウンした中期計画レベルの話もあわせてお話しいただいたと思いますけれども、おっしゃられるとおり、環境省も室をつくりましたが、これは法律も含めて新たな制度をつくらないといけないなという問題意識のもとで、室もつくっております。そういうときに、やはり国立環境研究所のいろいろなノウハウは大事でございますので、確かに、私どももここの部分が特に事務屋として欠けているなと思いましたのは、生物多様性を、それこそ佐和先生を前にしてあれですけれども、どのように経済的に評価をしていくのかというあたりは、実はOECDレベルでも個別の学者がこう言っているというだけで、こういうふうに評価をすべきだ、計算をすべきだということが、まだ確立されていないような分野でもございますので、そういう文科系、理科系の枠を超えて、いろいろやっていかなければならないという話だろうというふうに意識はしております。

【高月部会長】 ありがとうございました。
 さまざまなご意見をいただきましたけど、ちょっと時間が来てしまいましたので、今日はこれぐらいにさせていただいて、最初申し上げましたように、今日は目標のところでございますので、次回少しそれをブレークダウンして計画のところの活発なご議論を賜りたいと思います。
 それでは、こちら側の議論としてはこれぐらいにさせていただきまして、事務局から、今後のスケジュール等を少しご説明いただいて終わりたいと思います。よろしくお願いします。

【長坂環境研究技術室長】 中期目標の素案に対しまして、いろいろご意見・ご質問、どうもありがとうございました。
 資料4をご覧いただければと思うのですが、今後の予定といたしましては、今、部会長からもご説明がございましたが、次回は2月9日になりまして、既に開催のご案内も行っているかと思います。ぜひ、ご予定をあけていただければと思いますが、中期目標(案)の審議、及び内容的にはここで取りまとめられたらなと思っております。
 これと並行いたしまして、中期計画(案)の審議の開始をしたいと思います。
 そして3月11日、もう一度この国環研部会を開催いたしまして、最終的に中期計画(案)の審議・取りまとめを行うと、このような予定で考えてございます。
 そして、この中期目標(案)でございますが、本日いただいたご意見を踏まえまして、さらに環境省内での意見もうまく取り込みまして、場合によっては総務省などからも何か意見が来るかもしれませんので、そういったものを踏まえた形で2月9日にお示ししたいと思っておりますが、もしさらに何かご意見等、追加のものがございましたら、1月31日、月曜日までに事務局までご連絡をいただければと思います。それも踏まえまして、次回の(案)の作成に反映させたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【高月部会長】 ありがとうございました。次は2月9日ということで、余り期間がないので、そこでまたいろいろと資料をつくっていただくことになると思いますけれども、よろしくお願いします。
 先生方、今日は本当にありがとうございました。これで、ひとまず終わりたいと思います。ありがとうございました。

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